JP2005062244A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像制御用の画像パターンを形成することに起因するゴーストの発生を防止する。
【解決手段】第2の制御系の制御時に階調パターン(第1の画像パターン)の形成に引き続き、フォトセンサで検知しない、現像スリーブ4bの現像剤コート領域と同等幅で、少なくとも現像スリーブ4bの1周分の周長と同等以上の長さをもつ帯状トナーパターン(第2の画像パターン)を現像することにより、現像スリーブ4b上のトナーのトリボ分布を均一にならすことができるので、第2の制御系の制御実行後の次画像に発生するトースト、すなわち制御中に形成した階調パターンのゴーストの発生を防止できる。
【選択図】 図4
【解決手段】第2の制御系の制御時に階調パターン(第1の画像パターン)の形成に引き続き、フォトセンサで検知しない、現像スリーブ4bの現像剤コート領域と同等幅で、少なくとも現像スリーブ4bの1周分の周長と同等以上の長さをもつ帯状トナーパターン(第2の画像パターン)を現像することにより、現像スリーブ4b上のトナーのトリボ分布を均一にならすことができるので、第2の制御系の制御実行後の次画像に発生するトースト、すなわち制御中に形成した階調パターンのゴーストの発生を防止できる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式のカラープリンタ,複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図29に従来のカラー画像形成装置の一例を示す。
【0003】
同図に示す画像形成装置は、感光ドラム1と、その周囲に配設された一次帯電器2、露光装置3、現像手段4、転写ドラム5、クリーニング装置6と、記録材Pの搬送方向に沿っての感光ドラム1の下流側に配設された定着装置7とを備えている。
【0004】
上述の現像手段4は、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(K)のトナーでそれぞれ現像を行う現像器4M,4C,4Y,4Kと、これらを搭載した回転自在なロータリ4aとを備えている。この回転式の現像手段4は、現像に供される色の現像器が、ロータリ4aの回転によって感光ドラム1に対向する現像位置に配置されて現像を行うようになっている。
【0005】
上述の感光ドラム1は、所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され、その表面が帯電器(一次帯電器)8によって所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0006】
帯電後の感光ドラム1は、その表面が第1色目(例えばマゼンタ)の画像データに応じてON/OFF制御された露光装置3によってレーザビームLを露光走査され、第1色目の静電潜像が形成される。この静電潜像は、第1色目のマゼンタの現像器4Mによって現像、可視化される。この可視化された第1のトナー像は、感光ドラム1に所定の押圧力を持って圧接されながら回転駆動される転写ドラム5表面に吸着された記録材Pに転写される。マゼンタのトナー像転写後の感光ドラム1は、表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーニング装置6によって除去され、次に色の画像形成に供される。上述の帯電,露光,現像を他の色のトナー(シアン,イエロー,ブラック)についても同様に繰り返し、その都度、各現像器4C,4Y,4Kに内包された各色トナーによるトナー像を転写ドラム5上に担持された記録材P上に順次転写、積層する。こうして4色のトナー像が転写された記録材Pは、定着装置7によって表面にトナー像が定着された後、画像形成装置本体Mの外部に排出される。これにより、4色フルカラーのカラー画像が形成される。なお、図29中の符合で、まだ説明していないものは、後述の実施の形態1の図1中で説明するものとする。
【0007】
近年はオフィスユースなどへの対応から、モノクロ出力の高速化が要求されている。そこでこうした市場からの要求を満たすべく、次に示すような構成の画像形成装置も考案されている。
【0008】
すなわち、図1に示すように、現像手段4は、回転式の現像装置4Aと固定式の現像装置4Bとを備えており、前者の回転式現像装置4Aは、回転自在なロータリ4aに搭載されたマゼンタ,シアン,イエローの3個のカラーの現像器4M,4Y,4Cを有しており、後者の固定式の現像装置4Bは、ブラックの現像器4Kによって構成されている。そして、フルカラー出力時には、現像器4M,4Y,4C,4Kが順次、感光ドラム1上の静電潜像を現像する。一方、モノクロ出力時にはカラーの現像器からなる回転式の現像装置4Aは機能せずに、固定式の現像装置4Bであるブラックの現像器4Kで現像が行われるため、モノクロ出力時にはフルカラー画像形成装置でありながら、モノクロ専用の画像形成装置と同様のスループット(単位時間当たりの出力枚数)が得られる。
【0009】
さらにはこうした固定式のブラックの現像器4Kを採用することにより、オフィスユースなどで一般的に消費量の多いブラックトナーの容量を大きくできるという利点を有する。
【0010】
また、現像方式の最も優れたものの1つとして、一成分磁性トナーを用い非接触で交番電界を印加して現像させる一成分ジャンピング現像法が、既に出願されている。これは、二成分現像法のように現像剤のトナーとキャリヤの混合比を制御する煩雑さがない点、キャリヤの劣化と言う問題がない点、長期にわたって安定して画像が得られる点、などの大きな利点を有している。さらにその一成分磁性トナー中に配合する磁性体の色が一般的に黒色のために、上述の一成分ジャンピング現像法は、一成分磁性トナーとしてブラックトナーを使用する場合には非常に好適に適用できる。
【0011】
しかしマゼンタ,シアン,イエローの着色トナー(カラートナー)を使用する場合は現在のところ適用が難しい。このため、マゼンタ,シアン,イエロー等の現像には、非磁性トナーとキャリヤとを混合させた二成分現像剤を用い、現像スリーブ上にその現像剤薄層の磁気ブラシを形成して感光ドラム1に接触させ、交番電界を印加して現像させる現像法(ジャンピング&ブラシ現像法)の方が適している。
【0012】
またオフィスユースに代表されるように、フルカラーの画像形成装置であってもモノクロを兼用させて使用する場合は、ブラックの現像器4Kの使用頻度が非常に高くなることから、ブラックの現像器4Kに一成分ジャンピング現像法を用いることが特に有効になるため、従来から、マゼンタ,シアン,イエロー等の現像には非磁性二成分現像、ブラックには磁性一成分ジャンピング現像を用いる画像形成装置が提案されている。
【0013】
近年、このような電子写真方式を利用した複写機やフルカラープリンタがオフィスなどに導入され、需要が高まっている。
【0014】
さらに近年、特にフルカラー出力の増大とともに、出力画像の濃度安定性、階調安定性が求められてきている。こうしたことから、電子写真方式を利用した複写機やプリンタなどの画像形成装置の画像制御法として次のような手法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0015】
まず、画像形成装置を起動して、そのウォームアップ動作の終了後に、特定パターンを形成し、その特定パターンの濃度を読み取り、その読み取った濃度値に基づいて、γ補正回路などの画像形成条件を決定する回路の動作を変更することにより、形成される画像の品質を安定させている。
【0016】
また、環境条件の変動により、その階調特性が変化した場合にも、再度、特定パターンを形成して読み取り、再びγ補正回路などの画像形成条件を決定する回路にフィードバックすることにより、その環境条件の変動量に応じて画像品質を安定させることができる。
【0017】
さらに、画像形成装置が、長期にわたって使用された場合、感光ドラム上の特定パターンを読み取った濃度と、実際にプリントアウトされた画像の濃度が一致しなくなるケースが生じてくる。このため、記録材上に特定パターンを形成し、その濃度値によって画像形成条件を補正する方法も知られている。
【0018】
さらにまた、画像形成動作中に非画像領域に特定パターンを形成し、その特定パターンの濃度を読み取り、その読み取った濃度値に基づいて、画像形成動作毎にγ補正回路などの画像形成条件を決定する回路の動作を変更することにより、刻々と変化する画像特性に対して精度よく補正を行う方法も知られている。
【0019】
【特許文献1】
特開平5−80625号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような構成の画像形成装置において、特に一成分磁性トナーを使用するブラックの現像器4Kで画像制御用の特定パターンを現像して画像制御を行った後に0.3〜0.8程度のハーフトーン画像が作像された場合、現像画像には現像方向に対して前画像である画像制御用の特定パターンの跡(以下「ゴースト」という。)がハーフトーン部分に現像スリーブ周期、厳密には現像スリーブ周期/現像スリーブ周速で発生するという問題点がある。
【0021】
現像剤は、種々の単位質量当たりの帯電量(以下「トリボ」という。)を有したトナー粒子を含有し、図30に示すようなトリボ分布を示す。そして、適正なトリボのトナー(現像適正領域のトナー)が現像に供される。
【0022】
また、現像剤には帯電量の立ち上がりがあり、現像スリーブが1回転したときの現像領域におけるトリボ分布と、現像しないで2回転したときのトリボ分布は異なり、2回目の方がトリボが高い方へシフトする、いわゆるチャージアップ現象がある。
【0023】
すなわち、現像スリーブの1回転目にて画像制御用の特定パターンを現像する現像スリーブ上のトナーのトリボ分布は、図30にて実線の曲線(a)で示すものであり、現像スリーブの2回転目においては、画像補正用の特定パターンを現像する現像スリーブ上のトナートリボ分布は(b)である。これは特定パターン部分の現像剤は現像スリーブ上からなくなり、新しいトナーが再び同様に帯電されるためである。一方、画像補正用の特定パターン周辺の白地部分においては、現像スリーブ上のトナーは現像に供されることがないために、現像スリーブ上に残り、現像スリーブの2回転目にはチャージアップし、図30の点線の曲線(b)に示すようなトリボ分布となる。
【0024】
したがって、現像スリーブの2回転目においては、現像スリーブに担持された現像剤に、図30に示すようなトリボ分布(a),(b)の差を生じるために、特定パターンの部分に比べ白地部の現像適正領域にあるトリボが少なくなる。このため、特定パターンの部分の後方では濃度が濃くなり、白地部の後方の濃度が薄くなる。この現象は特に負極のトナーのときに著しい。
【0025】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、通紙幅方向の寸法が第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンを形成することにより、第1の画像パターンに起因するゴーストの発生を防止し、長期にわたって安定した画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記像担持体表面に画像情報に基づく静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像する複数色の現像器を有する現像手段と、前記像担持体表面に形成されたトナー像を記録材担持体上に担持された記録材に転写する転写手段とを備え、帯電、露光、現像、転写の各画像形成プロセスを繰り返して前記記録材担持体上の記録材に複数色のトナー像を形成する画像形成装置において、前記像担持体上に形成された所定のトナー像である画像パターンを読み取る光学検出手段と、前記光学検出手段が読み取った前記画像パターンの画像情報と基準画像情報との差異に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と、を備え、前記補正手段による補正時に形成される画像パターンが、前記光学検出手段によって読み取られる第1の画像パターンと、前記第1の画像パターンによるゴーストを除去すべく記録材の通紙幅方向の寸法が前記第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンとを有する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項3に係る発明は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記像担持体表面に画像情報に基づく静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像する複数色の現像器を有する現像手段と、前記像担持体表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを備え、帯電、露光、現像、転写の各画像形成プロセスを繰り返して前記記録材上に複数色のトナー像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体上に形成された所定のトナー像である画像パターンを読み取る光学検出手段と、前記光学検出手段が読み取った前記画像パターンの画像情報と基準画像情報との差異に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と、を備え、前記補正手段による補正時に形成される画像パターンが、前記光学検出手段によって読み取られる第1の画像パターンと、前記第1の画像パターンによるゴーストを除去すべく記録材の通紙幅方向の寸法が前記第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンとを有する、ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0029】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の4色フルカラーのプリンタ(以下「画像形成装置」という。)であり、同図はその構成を模式的に示す縦断面図である。
【0030】
同図に示す画像形成装置は、リーダ部(読み取り手段)Aと、プリンタ部Bとを備えている。まず、リーダ部Aについて説明し、つづいてプリンタ部Bについて説明する。
【0031】
リーダ部Aにおいて、原稿101は、その画像(画像面)を下方に向けた状態で、原稿台ガラス102上に載置される。この原稿101の画像は、光源103によって照射され、光学系104を介してCCDセンサ105に結像される。CCDセンサ105は、3列に配列されたレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)のCCDラインセンサ群により、ラインセンサ毎にレッド,グリーン,ブルーの色成分信号を生成する。
【0032】
これらの読み取り光学系ユニット(光源103,光学系104,CCDセンサ105)は、矢印R103方向に走査することにより、原稿101をライン毎の電気信号データ列に変換する。
【0033】
また原稿台ガラス102上には、原稿101を突き当てることにより、原稿101が原稿台ガラス102に対して斜めに載置されることを防止するための突き当て部材107と、その原稿台ガラス102面にCCDセンサ105の白レベルを決定し、またCCDセンサ105のスラスト方向のシェーディングを行うための基準白色板106とが配置してある。
【0034】
CCDセンサ105によって得られた画像信号は、リーダ画像処理部108において画像処理された後、プリンタ部Bに送られ、プリンタ制御部(プリンタ画像処理部)109で画像処理される。
【0035】
次にリーダ画像処理部108について説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態に係るリーダ画像処理部108における画像信号の流れを示すブロック図である。同図に示すように、CCDセンサ105から出力される画像信号は、アナログ信号処理部201に入力され、ここでゲイン調整,オフセット調整をされた後、A/Dコンバータ202で、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R1、G1、B1に変換される。その後、シェーディング補正部203に入力され、色ごとに基準白色板106の読み取り信号を用いた公知のシェーディング補正が施される。
【0037】
クロック発生部211は、1画素単位のクロックを発生する。また、主走査アドレスカウンタ212では、クロック発生部211からのクロックを計数し、1ラインの画素アドレス出力を生成する。そして、デコーダ213は、主走査アドレスカウンタ212からの主走査アドレスをデコードして、シフトパルスやリセットパルス等のライン単位のCCD駆動信号や、CCDからの1ライン読み取り信号中の有効領域を表すVE信号、ライン同期信号HSYNCを生成する。なお、主走査アドレスカウンタ212はHSYNC信号でクリアされ、次のラインの主走査アドレスの計数を開始する。
【0038】
CCDセンサ105の各ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、図2のラインディレイ回路204において、副走査方向の空間的ずれを補正する。具体的には、B信号に対して副走査方向で、R,Gの各信号を副走査方向にライン遅延させてB信号に合わせる。
【0039】
入力マスキング部205は、CCDセンサのR,G,Bのフィルタの分光特性で決まる読み取り色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、次式のようなマトリックス演算を行う。
【0040】
【数1】
【0041】
光量/濃度変換部(LOG変換部)206はルックアップテーブルROMにより構成され、R4,G4,B4の輝度信号がM0,C0,Y0の濃度信号に変換される。ライン遅延メモリ207は、黒文字判定部(不図示)で、R4,G4,B4信号から生成されるUCR,FILTER,SEN等の判定信号までのライン遅延分だけ、M0,C0,Y0の画像信号を遅延させる。
【0042】
マスキング及びUCR回路208は、入力されたM1,C1,Y1の3原色信号により黒信号(K)を抽出し、さらにプリンタ部Bでの記録色材の色濁りを補正する演算を施して、M2,C2,Y2,K2の信号を各読み取り動作の度に順次、所定のビット幅(8bit)で出力する。
【0043】
γ補正回路209は、リーダ部Aにおいて、プリンタ部Bの理想的な階調特性に合わせるべく濃度補正を行う。また、空間フィルタ処理部(出力フィルタ)210は、エッジ強調又はスムージング処理を行う。
【0044】
このように処理されたM4,C4,Y4,K4の面順次の画像信号は、プリンタ制御部109に送られ、プリンタ部BでPWMによる濃度記録が行われる。
【0045】
また、同図中の符合214はリーダ部A内の制御を行うCPU、符合215はRAM、符合216はROMである。符合217は操作部であり、表示器218を有している。
【0046】
図3は、図2に示すリーダ画像処理部108における各制御信号のタイミングを示す図である。同図において、VSYNC信号は、副走査方向の画像有効区間信号であり、論理“1”の区間において、画像読み取り(スキャン)を行って、順次(M),(C),(Y),(K)の出力信号を形成する。また、VE信号は、主走査方向の画像有効区間信号であり、論理“1”の区間において主走査開始位置のタイミングをとり、主にライン遅延のライン計数制御に用いられる。そして、CLOCK信号は画素同期信号であり、“0”→“1”の立ち上がりタイミングで画像データを転送するのに用いられる。
【0047】
つづいて、プリンタ部Bについて説明する。
【0048】
プリンタ部Bには、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に駆動回転される像担持体として、ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)が配設されている。
【0049】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向(矢印R1方向)に沿ってほぼ順に、一次帯電器2、露光装置3、現像手段4、転写ドラム(記録材担持体)5、クリーニング装置6等が配設されており、また記録材Pの搬送方向(同図中のほぼ右から左)に沿っての感光ドラム1の下流側には定着装置7が配設されている。
【0050】
一次帯電器2は、コロナ帯電器であり、帯電バイアス印加電源(不図示)によって帯電バイアスが印加されることで、感光ドラム1表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。本実施の形態では、負極性の帯電させている。
【0051】
露光装置3は、帯電後の感光ドラム1表面を露光して静電潜像を形成する。原稿101に基づいて前述のリーダ部Aで形成された画像信号は、プリンタ制御部109に含まれるレーザドライバに送られ、露光装置3のレーザ光源3aを介してレーザ光Lに変換され、そのレーザ光Lはポリゴンミラー3b及びミラー3cにより反射され、一様に帯電されている感光ドラム1表面に照射される。そして照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0052】
現像手段4は、上述の露光装置3によって形成された静電潜像を現像する。図4に、現像手段4の拡大図を示す。同図に示すように、現像手段4は、感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての下流側に配置された回転式(切り換え式)の現像装置4Aと、上流側に配置された固定式の現像装置4Bとを備えている。回転式の現像装置4Aは、カラーの現像器、すなわちマゼンタ,イエロー,シアンの各色の現像器4M,4Y,4Cと、これらを搭載して矢印R4A方向に回転するロータリ4aとを有しており、一方、固定式の現像装置4Bは、ブラックの現像器4Kによって構成されている。いずれの現像器4M,4Y,4C,4Kも、表面に現像剤を担持して感光ドラム1表面に対応する位置まで搬送する回転自在な現像スリーブ(現像剤担持体)4bを備えている。また、各現像スリーブ4b内には、円柱状のマグネット(不図示)が固定的に配置されている。なお、現像スリーブ4b、マグネット、後述の現像剤のコート領域、現像剤規制ブレードについては、現像スリーブ4bの軸に沿った方向(記録材Pの通紙幅方向:記録材Pの搬送方向に対して直交する方向)の長さを幅というものとする。すなわち現像スリーブ幅、マグネット幅、現像剤コート幅、現像剤規制ブレード幅となる。本実施の形態では、ブラックの現像剤は、磁性一成分トナーにより、また他の3色(マゼンタ,イエロー,シアン)は、磁性キャリヤと非磁性トナーとを含む二成分現像剤を採用している。
【0053】
上述の回転式の現像装置4Aは、ロータリ4aの矢印R4A方向に回転により、現像に供される現像器が順次に感光ドラム1に対向する現像位置DAに配置され、つまり現像器4M、4Y、4Cがこの順に現像位置DAに配置されて、感光ドラム1上の静電潜像を各色のトナーで現像するようになっている。回転式の現像装置4Aは、全体として画像形成装置本体Mに対して着脱自在なユニットとして構成されており、各現像器4M,4Y,4C内のトナーがなくなったときに現像装置4A全体を交換することによって再び画像形成が可能になるように構成されている。
【0054】
これに対して、固定式の現像装置4B、つまりブラックの現像器4Kは、トナーの消費量が多いので、画像形成装置本体Mに対して個別に着脱できるようにユニット化されている。このブラックの現像器4Kは、画像形成装置本体Mに装着された状態では、図4に示すように、回転可能な現像スリーブ4bが感光ドラム1と微少間隙(本実施の形態では50〜500μm)を隔てて保持され、現像スリーブ4b表面に担持されているトナーを感光ドラム1に向けて供給するための現像領域(現像位置DB)が形成されている。
【0055】
さらに、トナー容器4c内にはトナーを現像スリーブ4b側へ送り出すための送り手段4dが設けられており、この送り手段4dによって送り出されたトナーを現像スリーブ4bに供給するための供給ローラ4eが収容されている。この供給ローラ4eは現像スリーブ4bへの安定供給、均一なトナー塗布を達成するために、ポリウレタン,シリコーン等のゴム発泡材質が好ましく用いられる。さらには、現像スリーブ4bは、供給ローラ4eを現像スリーブ4bに当接させるとともに、周速差をもたせながら矢印R4B方向へ回転させることが好ましい。また、現像スリーブ4bの上方には、現像スリーブ4bに担持されているトナーの層厚を規制する規制部材としての現像剤規制ブレード(現像ブレード)4fが設けられている。
【0056】
上述の構成において、感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動される。そして、本実施の形態では、その表面が一次帯電器2によって、500Vに一様に帯電される。次に、第1色目(例えばマゼンタ)の画像データ(画像信号)に応じてON/OFF制御された露光装置3による露光走査がなされ、第1色目の静電潜像(本実施の形態にあっては約150V)が感光ドラム1に形成される。この第1色目の静電潜像は、第1色目のマゼンタトナー(負極性)を内包したマゼンタの現像器4Mによって現像、可視像化される。そして、この可視像化された第1のトナー像は、図1に示すように、感光ドラム1に所定の押圧力を持って圧接され、感光ドラム1の周速度とほぼ等速(本実施の形態にあっては265mm/sec)をもって矢印R5方向へ回転駆動される転写ドラム5との間の転写ニップ部(圧接部:転写部)Nにおいて、転写ドラム5上に担持されている記録材P上に転写される。
【0057】
転写工程の際に記録材Pに転写されずに感光ドラム1上に残ったトナー(残留トナー)は、感光ドラム1に圧接された、クリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって掻き取られ、廃トナー容器6bに回収される。
【0058】
そして、上述の帯電,露光,現像,転写,クリーニングの各画像形成プロセスを、マゼンタ以外の他の3色(イエロー,シアン,ブラック)についても同様に繰り返し、その都度、それぞれの現像器4Y,4C,4Kに内包された色の異なるトナーによるトナー像を転写ドラム5上に担持された記録材P上に順次転写、積層される。
【0059】
前記各工程によって4色のトナー像が表面に転写された記録材Pは、転写ドラム5上から剥離された後、搬送手段(不図示)によって定着装置7に搬送され、ここで定着ローラ7a及び加圧ローラ7bによって加熱・加圧されて表面に4色のトナー像が溶融固着される。こうして4色のトナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置本体M外部に排出され、これにより1枚の記録材Pに対する4色フルカラーのカラー画像の形成が終了する。
【0060】
上述の画像形成装置において、モノクロ単色の画像形成を行う場合は、固定式の現像装置4Bとしてのブラックの現像器4Kを使用し、回転式の現像装置4Aは使用しない(動作しない)ので、連続して高速の画像形成を行うことが可能である。
【0061】
また本実施の形態における画像形成装置では、感光ドラム1上に形成されたトナーによるパッチパターン(画像パターン)の反射光量を検出するために、LED8(約960nmに主波長をもつ)とフォトダイオード9とを有するフォトセンサ(光学読み取り装置:光学検出手段)10を設けている。このフォトセンサ10は、感光ドラム1の回転方向に沿っての、回転式の現像装置4Aの下流側で、転写ニップ部Nの上流側に配置されている。
【0062】
図5は、本実施の形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
プリンタ制御部109は、LUT(ルックアップテーブル)25、PWM(パルス幅変調)回路26、LD(レーザダイオード)ドライバ27、CPU28、パターンジェネレータ29、ROM30、テストパターン31、RAM32、濃度換算回路42等を有している。そして、プリンタ制御部109は、リーダ部A,プリンタエンジン部100と通信ができるようになっている。なお、本発明の補正手段は、このプリンタ制御部109に組み込まれている。
【0064】
プリンタエンジン部100において、感光ドラム1の周囲に配置されている、LED8とフォトダイオード9からなるフォトセンサ10、一次帯電器2、レーザ光源3a、このレーザ光源3aによる露光位置とブラックの現像器Kとの間に配置された表面電位センサ12、現像手段4を制御している。また、画像形成装置本体M内には、空気中の水分量を測定する環境センサ33が配設されている。表面電位センサ12は、感光ドラム1の回転方向に沿っての露光装置3のレーザ光源3aよりも下流側でかつブラックの現像器4Kの上流側に配置されており、一次帯電器2のグリッド電位、現像器3の現像バイアスは後述のようにCPU28により制御される。
【0065】
図6に、本実施の形態による階調画像を得る画像信号処理回路を示す。
【0066】
画像の輝度信号がCCD105で得られ、リーダ画像処理部108において面順次の画像信号に変換される。この画像信号は、初期設定時の画像形成装置のγ特性が入力された画像信号によって表される、原画像の濃度と出力画像の濃度が一致するように、LUT25にて濃度特性が変換される。
【0067】
図7に、階調が再現されるようすを4限チャートで示す。
【0068】
第I象限は、原稿濃度を濃度信号に変換するリーダ部Aの読み取り特性を示し、第II象限は濃度信号をレーザ出力信号に変換するためのLUT25の変換特性を示し、第III 象限はレーザ出力信号から出力濃度に変換するプリンタ部Bの記録特性を示し、第IV象限は原稿濃度から出力濃度の関係を示すこの画像形成装置のトータルの階調再現特性を示している。階調数は8bitのデジタル信号で処理しているので、256階調である。この画像形成装置では、第IV象限の階調特性をリニアにするために、第III 象限のプリンタ特性がリニアでない分を第IV象限のLUT25によって補正している。LUT25は後に述べる演算結果により生成される。
【0069】
LUT25にて濃度変換された後、PWM回路26により信号がドット幅に対応した信号に変換され、レーザ光源3aのON/OFFを制御するレーザドライバ27に送られる。本実施の形態では、M,C,Y,Kの全色とも、パルス幅変調処理による階調再現方法を用いた。
【0070】
そして、レーザ光源3aの走査により感光ドラム1上にはドット面積の変化により、所定の階調特性を有する静電潜像が形成され、現像、転写、定着という過程をへて階調画像が再生される。
【0071】
ここで、本実施の形態で用いた画像形成装置の画像制御手段(補正手段)を詳しく説明する。
【0072】
本実施の形態で用いた画像形成装置は画像制御(画像調整)の手段として第1の制御系と第2の制御系とを有している。なお、画像制御を行うことを目的として、第1の制御系の実行時に形成されるトナーのパッチパターン(画像パターン)が画像パターンAに相当し、第2の制御系の実行時に形成されるトナーのパッチパターン(画像パターン)が画像パターンBに相当することになる。例えば、画像パターンAとしては、後述の図12に示す帯状パターン61、色パターン62、図13に示す階調パターン71,72があり、画像パターンBとしては、図26に示す階調パターン74がある。
【0073】
まず、リーダ部A、プリンタ部Bの双方を含む系の画像再現特性の安定化に関する第1の制御系について説明する。リーダ部Aを用いてプリンタ部Bのキャリブレーションについて、図8のフローチャートを参照して説明する。このフローは、リーダ部Aを制御するCPU214(図2参照)とプリンタ部Bを制御するCPU28(図5,図6参照)により実現される。
【0074】
操作部217上に設けられた、自動階調補正というモード設定ボタンを押すことで、本制御がスタートする。なお、本実施の形態では、表示器218は図9〜図11に示すようなプシュセンサつきの液晶の操作パネル(タッチパネルディスプレイ)で構成されている。
【0075】
図8中のステップS1(以下単に「S1」のように記す。)において表示器218上に、テストプリント1のプリントスタートボタン81が現れ(図9(a))、それを押すことで図12に示すテストプリント1の画像がプリンタ部Bによりプリントアウトされる。
【0076】
このとき、テストプリント1を形成するための記録材P(用紙)の有無をCPU214が判断し、ない場合は図9(b)に示すような警告表示を行う。
【0077】
このテストプリント1の形成時にはコントラスト電位(後述)は、環境に応じた標準状態のものを初期値として登録しておき、これを用いる。
【0078】
また、本実施の形態に用いた画像形成装置は、複数の給紙カセット(用紙カセット)を備えており、B4,A3,A4,B5等複数種の記録材サイズが選択可能となっている。
【0079】
しかし、この制御で使用する記録材Pは、後の読み取り作業時に、縦置き、横置きの間違えによるエラーを避けるために、一般で言われているラージサイズ紙を用いている。すなわち、B4,A3,11×17,LGRを用いるように、設定されている。
【0080】
図12のテストプリント1には、M,C,Y,K4色分の中間階調濃度によるトナー像である帯状パターン61を形成する。この帯状パターン61を目視で検査することにより、スジ状の異常画像、濃度ムラ、色ムラがないことを確認する。この帯状パターン61はスラスト方向(主走査方向)に、色パターン62(トナー像)、及び階調パターン71,72(トナー像:後述の図13参照)をカバーするようにCCDセンサ105の主走査方向のサイズが設定されている。異常が認められる場合には、再度、テストプリント1のプリントを行い、再度異常が認められた場合にはサービスマンコールとする。
【0081】
なお、この帯状パターン61をリーダ部Aで読み取り、そのスラスト方向の濃度情報により、以後の制御を行うかどうかの可否判断を自動で下すことも可能である。一方、色パターン62は、M,C,Y,Kの各色の最大濃度パッチの集合であり、濃度信号値で255レベルを用いる。
【0082】
図8中のS2では、このテストプリント1の画像を、原稿台ガラス102上に図14に示すように載置して、図10(a)に示される読み取りスタートボタン91を押す。このとき、図10(a)に示す操作者用のガイダンス表示が現れる。図14は、テストプリント1の出力を原稿台ガラス102上に置いた状態を上方から見た模式図である。同図中の左上の楔(くさび)型マークTが原稿台ガラス102の原稿突き当て用のマークであり、帯状パターン61が、突き当てマークT側に位置するようにして、なおかつ、表裏を間違えないように、操作パネル上で上述のようなメッセージを表示する(図10(a))。このようにすることで、置き間違えによる制御エラーを防ぐようにした。
【0083】
リーダ部Aにより、色パターン62を読み取る際に、突き当てマークTから徐々に走査し、1番最初の濃度ギャップ点Aが帯状パターン61の角で得られるので、その座標ポイントから、相対座標で、色パターン62の各パッチの位置を割り出して、色パターン62の濃度値を読み取る。
【0084】
読み取り中は図10(b)に示す表示が行われ、テストプリント1の向きや位置が不正確で読み取り不能のときは図10(c)に示すメッセージを表し、操作者が置き直して、読み込みキー92を押すことにより再度、読み取りを行う。
【0085】
得られたRGB値より、光学濃度の換算をするためには、下式(2)を用いる。市販の濃度計と同じ値にするために、補正係数(k)で調整している。
【0086】
【数2】
【0087】
なお、別にLUTを用いてRGBの輝度情報からMCYKの濃度情報に変換してもよい。
【0088】
次に、得られた濃度情報から、最大濃度を補正する方法を説明する。
【0089】
図15に相対ドラム表面電位(横軸)と上述の演算により得られた画像濃度(縦軸)の関係を示す。その時点で用いたコントラスト電位、すなわち現像バイアス電位と一次帯電された後レーザ光を用いて最大レベルを打ったときの感光ドラム1の表面電位との差が、Aという設定で得られた最大濃度DAであった場合、最大濃度の濃度域では、相対ドラム表面電位に対して画像濃度が実線Lに示すように、ほぼリニアに対応することがほとんどである。
【0090】
ただし、二成分現像系では、現像器内のトナー濃度が変動して、下がってしまった場合、破線Nで示すように、最大濃度の濃度域で、非線形特性になってしまう場合もある。
【0091】
したがって、ここでは、最終的な最大濃度の目標値を1.6としているが、0.1のマージンを見込んで、1.7を最大濃度を合わせる制御の目標値に設定して制御量を決定する。
【0092】
ここでのコントラスト電位Bは、次式(3)を用いて求める。
【0093】
B=(A+Ka)×1.7/DA……(3)
ここで、Kaは補正係数であり、現像方式の種類によって、値を最適化するのが好ましい。
【0094】
実際には、電子写真方式では、コントラスト電位Aの設定は、環境に応じて変えないと画像濃度が合わないため、先に説明した、画像形成装置本体M内の水分量をモニタする環境センサ33の出力によって、図16に示すように設定を変えている。
【0095】
したがって、コントラスト電位を補正する方法として次式の補正係数Vcont.ratelを、バックアップされたRAMに保存しておく。
【0096】
Vcont.ratel=B/A
【0097】
画像形成装置が30分毎に、環境(水分量)の推移を、モニタし、その検知結果に基づいてAの値を決定する度に、A×Vcont.ratelを算出して、コントラスト電位を求める。
【0098】
コントラスト電位から、グリッド電位と現像バイアス電位を求める方法を簡単に説明する。
【0099】
図17に、一次帯電器2のグリッド電位(横軸)と感光ドラム1の表面電位(縦軸)との関係を示す。グリッド電位を−200Vにセットして、レーザ光のレベルを最低にして走査したときの表面電位VL及びレーザ光のレベルを最高にしたときの表面電位VHを表面電位センサ12で測定する。同様にグリッド電位を−400VにしたときのVLとVHを測定する。−200Vのデータと−400Vのデータを、補間、外挿することで、グリッド電位と表面電位との関係を求めることができる。この電位データを求めるための制御を電位測定制御とよぶ。VLから画像上にカブリトナーが付着しないように設定されたVbg(ここでは100Vに設定)の差を設けて、現像バイアスVDCを設定する。コントラスト電位Vcontは、現像バイアスVDCとVHの差分電圧であり、このVcontが大きいほど、最大濃度が大きくとれるのは、上述した通りである。計算で求めたコントラスト電位Bにするためには、図17の関係より、何ボルトのグリッド電位が必要か、そして何ボルトの現像バイアス電位が必要かは、計算で求めることができる。
【0100】
図8中のS3では最大濃度を最終的な目標値より、0.1高くなるようにコントラスト電位を求め、このコントラスト電位が得られるように、グリッド電位及び現像バイアス電位をCPU28がセットする。
【0101】
S4にて、求めたコントラスト電位が、制御範囲にあるかどうかを判断して、制御範囲からはずれている場合(S4のNo)には、現像器等に異常があるものと判断して、対応する色の現像器をチェックするように、サービスマンにわかるように、エラーフラグを立てておき、所定のサービスモードでそのエラーフラッグをサービスマンが見られるようにする。
【0102】
ここでは、そのような異常時には制御範囲ぎりぎりの値にリミッターをかけて、修正制御して(S5)、制御は継続させる。
【0103】
以上のように、S3で求めたコントラスト電位になれるように、CPU28によりグリッド電位と現像バイアス電位の設定を行う。
【0104】
図18に、濃度変換特性図を示す。本実施の形態での最大濃度を最終目標値より高めに設定する最大濃度制御により第III 象限のプリンタ特性図は実線Jで示すようになる。もし仮に、このような制御を行わないときには、破線Hに示すような濃度1.6に達しないプリンタ特性になる可能性もある。破線Hの特性の場合LUT25をどのように設定しても、LUT25は最大濃度を上げる能力は持ち合わせていないので、濃度DHと濃度1.6の間の濃度は再現不可能となる。実線Jのように最大濃度をわずかに越える設定になっていれば、確実に、第IV象限のトータル階調特性で、濃度再現域は保証することができる。
【0105】
次に、図11(a)のように操作パネル上に、テストプリント2の画像のプリントスタートボタン150が現れ、それを押すことで図13のテストプリント2の画像がプリントアウトされる(S6)。プリント中は図11(b)のような表示となる。
【0106】
テストプリント2は図13に示すように、それぞれM,C,Y,Kの4色のパッチパターンからなる階調パターン71,72を有している。各色のパッチパターンは、K(ブラック)のパッチパターンで例示するように、4列16行の全部で64階調分のグラデーションのパッチ73の集合(パッチ群)により成り立っている。ここで、64階調分は、全部で256階調あるうちの、濃度の低い領域を重点的にレーザ出力レベルを割り当ててあり、高濃度領域は、レーザ出力レベルを間引いてある。このようにすることにより、特にハイライト部における階調特性を良好に調整することができる。
【0107】
図13において、階調パターン71は解像度200lpi(lines/inch)で、また階調パターン72は解像度400lpiで形成されている。各解像度の階調パターン71,72を形成を行うためには、PWM回路26において、処理の対象となっている画像データとの比較に用いられる三角波の周期を複数用意することによって実現できる。
【0108】
なお、本画像形成装置は、階調画像は200lpiの解像度で、文字等の線画像は400lpiの解像度で、作成している。この2種類の解像度で同一の階調レベルのパッチパターンを出力しているが、解像度の違いで、階調特性が大きく異なる場合には、解像度に応じて先の階調レベルを設定するのがより好ましい。
【0109】
また、テストプリント2は、LUT25を作用させずに、パターンジェネレータ29から発生させる。
【0110】
図19は、テストプリント2の出力を原稿台ガラス102上に置いた状態を上方から見た模式図である。左上の楔(くさび)型マークTが原稿台ガラス102の原稿突き当て用のマークであり、K(ブラック)のパッチパターンが、突き当てマークT側にくるように配置して、なおかつ表裏を間違えないように操作パネル上でメッセージを表示した(図11(c))。このようにすることで、置き間違えによる制御エラーをふせぐようにした。リーダ部Aにて、パッチパターンを読み取る際に、突き当てマークTから徐々に走査し、1番最初の濃度ギャップ点Bが得られるので、その座標ポイントから、相対座標で各階調パターン71,72の各色パッチパターンの位置を割り出して、読み取るようにした(図8のS7)。1つのパッチ73当たりの読むポイントは、図20に示すように、パッチ73の内部に読み取りポイント(x)を16ポイント取り、各ポイントにおいて得られた信号を平均する。なお、ポイント数は読み取り装置、画像形成装置によって最適化するのが好ましい。
【0111】
各パッチ73毎に16ポイントの値が平均された、RGB信号を、前述した光学濃度への変換方法により、濃度値に直し、それを出力濃度(左側の縦軸)として、横軸にレーザ出力レベルをプロットしたのが、図21である。さらに、図21中の右側の縦軸に示すように、記録材Pのベース濃度(濃度レベル)、本実施の形態では、0.08を0レベルに、この画像形成装置の最大濃度として設定している1.60を255レベルに正規化している。こうして各色のパッチパターン毎に64階調分のレーザ出力レベルと出力濃度(濃度レベル)との関係をえることができる。
【0112】
得られたデータがC点のように、特異的に濃度が高かったり、D点のように、低かったりした場合には、原稿台ガラス102上に汚れがあったり、テストプリント1,2上に不良があったりすることがあるので、データ列に連続性が保存されるように、傾きにリミッターをかけ、補正を行う。ここでは具体的には傾きが3以上の時は、3に固定し、マイナス値の時は、その前のレベルと同じ濃度レベルにしている。
【0113】
LUT25の内容は前述したように、図21の濃度レベルを入力レベル(図7の濃度信号軸)に、レーザ出力レベルを出力レベル(図7のレーザ出力信号軸)に座標を入れ換えるだけで、簡単に作成できる。パッチ73に対応しない濃度レベルについては、補間演算により値を求める。このときに、入力レベル0レベルに対して、出力レベルは0レベルになるように、制限条件を設けている。そして、図8中のS8で上述のように作成した変換内容をLUT25に設定する。
【0114】
以上で、読取装置を用いた第1の制御系によるコントラスト電位制御とγ変換テーブル作成が完了する。上述の処理中には、図11(d)のような表示が行われ、完了すると図11(e)のように表示される。
【0115】
次に、通常画像形成中に行う画像制御として、プリンタ部B単独の画像再現特性の安定化に関する第2の制御系について説明する。
【0116】
本制御は、感光ドラム1上のパッチパターンの濃度を検出し、前述のLUT25を補正することにより、画像安定化を達成するものである。
【0117】
図22に、感光ドラム1に相対するLED8とフォトダイオード9からなるフォトセンサ10からの信号を処理する処理回路を示す。フォトセンサ10に入射された感光ドラム1からの近赤外光は、フォトセンサ10により電気信号に変換され、電気信号はA/D変換回路41により0〜5Vの出力電圧を0〜255レベルのデジタル信号に変換される。そして、濃度換算回路42により濃度に変換される。本実施の形態で使用したフォトセンサ10は、感光ドラム1からの正反射光のみを検出するよう構成されている。
【0118】
図23に、感光ドラム1上の濃度を各色の面積階調により段階的に変えていったときの、フォトセンサ10出力と出力画像濃度との関係を示す。トナーが感光ドラム1に付着していない状態におけるフォトセンサ10の出力を5V、すなわち、255レベルに設定した。図23からわかるように、各トナーによる面積被覆率が大きくなり画像濃度が大きくなるに従って、感光ドラム1単体よりフォトセンサ10出力が小さくなる。これらの特性から、各色専用の、センサ出力信号から濃度信号に変換するテーブル42aを持つことにより、各色とも精度良く濃度信号を読み取ることができる。
【0119】
第2の制御系は第1の制御系により達成された色再現性の安定維持が目的であるため、第1の制御系による制御の終了直後の状態を目標値として設定する。目標値設定のフローを図24に示す。第1の制御系による制御の終了した時点(S11)で、M,C,Y,Kの各色毎のパッチを感光ドラム1上に形成して、フォトセンサ10で検知し(S12)、濃度変換する(S13)。ここで、パッチのレーザ出力は、各色とも濃度信号(図7の濃度信号軸)で128レベルを用いる。この際、LUT25の内容、及びコントラスト電位の設定は、第1の制御系で得たものを用いる。このときの濃度値D128を第2の制御系の目標値として設定し(S14)、バックアップしておく。目標値は第1の制御系による制御が行われるごとに更新される。
【0120】
第2の制御系は、感光ドラム1上に形成したパッチの濃度を検出し、第1の制御系で得たγLUTを随時補正していく制御である。パッチのレーザ出力は、目標値設定時と同様であることが重要であり、各色とも濃度信号(図7の濃度信号軸)で128レベルを用いる。この際、LUT25の内容、及びコントラスト電位の設定は、その時点での通常画像形成時と同様とする。すなわち、第1の制御系で得たものを、前回までの第2の制御系により補正したものを用いる。
【0121】
濃度信号128は、濃度1.6を255に正規化した濃度スケールでパッチ出力濃度がD128になるように制御されているが、画像形成装置の画像特性は不安定であり、常に変化を起こす可能性をもつため、測定した結果がD128になるわけではなく、ΔDだけずれている場合がある。
【0122】
このΔDに基づき、第2の制御系では第1の制御系で作成したLUT25(γLUT)を補正する。
【0123】
図25に、本実施の形態の場合の、濃度信号128において出力濃度がΔDxずれた場合の、一般的な濃度信号0〜255までにおける出力濃度の変化に対応するγLUT補正テーブルを示す。この補正テーブルを予めもっておき、制御時には、γLUT補正テーブルの濃度信号128での値がΔDになるようγ補正テーブルを規格化し、これを打ち消すように形成したLUTを、LUT25に足すことでLUT25を補正する。LUT25を書き換えるタイミングは各色ごとに異なり、書き換え準備ができた段階で、その色のレーザ書き込みが行われていない間のTOP信号により行う。
【0124】
ここで、本実施の形態で用いた構成の画像形成装置において、固定式のブラックの現像器Kで、上述の第2の制御系が実行された後に、通常の画像形成動作が行われた場合、第2の制御系の制御中に形成されたフォトセンサ10での検知用のパッチパターンによるゴーストが次画像中に発生してしまう。これは前述したように、特定パターンの画像形成を行った場合に現像スリーブ4b上の現像剤のトリボが特定パターン部分と特定パターン周辺の白地部分のトリボ差により濃度が薄くなってしまう現象によるものである。特に第2の制御系におけるフォトセンサ10での検知用の特定のパッチパターンが連続して多数作像された場合に本現象は顕著に現れる。しかし本現象は、現像スリーブ4bの幅方向(軸方向)に沿って均一に現像剤を消費させることで画像形成領域と非画像形成領域トリボ差を無くすことにより改善することが可能である。
【0125】
ここで、本実施の形態では、第2の制御系におけるフォトセンサ10での検知用の特定のパッチパターン(第1の画像パターン:特定パターン)に続いて、現像スリーブ4b全域幅の帯状画像(第2の画像パターン)を作像することで上述のゴーストを改善するようにした。なお、ここで「帯状」とは、少なくとも現像スリーブ4bの幅方向(軸に沿った方向)に長いという意味である。したがって、記録材Pの搬送方向に沿っての長さ(現像スリーブ4bの回転方向の長さ)については、短い場合(例えば、スリーブ1周分)も長い場合(A4サイズ)もある。このゴースト防止用の帯状画像は第2の制御系の制御に引き続き画像形成が行われ、フォトセンサ10による検知は行わずに記録材Pへの転写も行われずにクリーニング装置6によって回収される。
【0126】
図32に第1の画像パターン、第2の画像パターンの形状を示す。
【0127】
以下、実験について説明する。
【0128】
本実験では、第2の制御系におけるフォトセンサ10での検知用の特定のパッチパターン(第1の画像パターン)としては、図26に示すような9段階の階調パターン74を使用した。また、本実験では、第2の制御系におけるフォトセンサ10で検知する特定のパッチパターン(第1の画像パターン)を作像後に、第2の画像パターンとして下記のような帯状画像(帯状トナーパターン)を作像し、さらにその後に128レベルの全面ハーフトーンを作像して、ゴースト領域とそれ以外の領域の濃度差を測定した。なお、以下の▲1▼〜▲6▼における階調パターン74とは、特定のパッチパターン(第1の画像パターン)のことである。したがって▲1▼は第1の画像パターンのみ、また▲6▼は第1の画像パターンも形成しないということである。さらに、▲2▼〜▲5▼においては、それぞれプラスした分が第2の画像パターンである。
【0129】
▲1▼ 階調パターン74のみ
▲2▼ 階調パターン74+スリーブ周長(1周分)べた黒
▲3▼ 階調パターン74+スリーブ周長(1周分)128レベル(80H)ハーフトーン
▲4▼ 階調パターン74+スリーブ周長(1周分)べた白
▲5▼ 階調パターン74+A4サイズべた黒
▲6▼ 階調パターン74なし
【0130】
図27に実験結果を示す。
【0131】
図27より、第2の制御系を実行後の次画像に発生するゴーストのレベルは、階調パターン74に続いて作像する第2の画像パターンに依存することが明らかであり、濃度レベルが濃い方がその効果は大きく、128レベル以上の濃度レベルであれば好ましい結果が得られた。また、第2の画像パターンの搬送方向の長さに依存して効果が上がることも確認された。すなわち、第2の画像パターンが、現像スリーブ4bの1周の周長以上の搬送方向長さを有していればゴースト現象は第2の画像パターンの長さに比例して良化する。さらに現像スリーブ4bの現像剤がコートされているコート領域(現像剤コート幅)のトリボ分布を均一に均すことを目的とすることから、図31に示すように、第2の画像パターンは現像スリーブ4bのコート領域と同等以上の幅を有し、現像スリーブ4bの軸方向に対して均一なパターンであることが望ましい。
【0132】
以上より、第2の制御系の制御時に階調パターン(第1の画像パターン)74の形成に引き続き、フォトセンサ10で検知しない、現像スリーブ4bの現像剤コート領域と同等幅で、少なくとも現像スリーブ4bの1周分の周長と同等以上の長さをもつ第2の画像パターンである帯状トナーパターンを現像することにより、第2の制御系の制御実行後の次画像に発生するゴースト、すなわち制御中に形成した階調パターン74のゴーストを防止することが可能となり、長期にわたって安定した画像を維持することができる。
【0133】
<実施の形態2>
本実施の形態では、本発明を、中間転写体を用いた画像形成装置に適用した例を示す。本実施の形態における画像制御は、中間転写体51上にフォトセンサ10を設け、中間転写体51上のトナー像によるパッチパターンの濃度を検知して行うようにしている。
【0134】
図28に、本実施の形態の画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、現像手段4として、マゼンタ,シアン,イエローの現像器4M,4C,4Yを有する回転式の現像装置4Aと、ブラックの現像器3Kによって構成された固定式の現像装置4Bとを有している。なお、適時必要時に、各現像器が、現像位置で感光ドラム1上の静電潜像の現像を行う構成は、前述の実施の形態1と同様である。
【0135】
各色の画像情報に応じて感光ドラム1上に形成されたトナー像は、順次、中間転写体51(本実施の形態では、中間転写ベルト。なお、中間転写ドラムであってもよい。)上に転写され、フルカラーの場合には、4色トナー像が中間転写体51上に順次に一次転写された後、給紙ユニット(不図示)から給紙された記録材Pに一括で二次転写し、定着装置7による定着工程を経て画像形成装置本体M外部に排出され、フルカラープリントとなる。
【0136】
前述の実施の形態1で示した構成の場合、画像制御に用いるパッチパターントナーを感光ドラム1上に形成するが、感光ドラム1の表面は耐久時に削れや傷といった劣化要因によって、パッチパターンの読み込みの変動要因が著しく、長期的な安定性という観点ではあまり好ましくない。
【0137】
そこで本実施の形態では、感光ドラム1に比べて劣化要因が少なく、一層の安定性が得られると思われる中間転写体51上にフォトセンサ10を設けることを特徴としている。
【0138】
その他の構成については実施の形態1と同様である。
【0139】
以上、本実施の形態においても、第2の制御系の制御時に階調パターン(第1の画像パターン)の形成に引き続き、フォトセンサ10で検知しない、現像スリーブ4bの現像剤コート領域と同等幅で、少なくとも現像スリーブ4bの1周分の周長と同等以上の長さをもつ帯状トナーパターン(第2の画像パターン)を現像することにより、第2の制御系の制御実行後の次画像に発生する制御中に形成したトナーパターンのゴーストを防止することが可能となり、長期にわたって安定した画像を維持することができる。
【0140】
なお、本実施の形態の画像形成装置では、中間転写体51上でパッチパターンの読み込みを行ったが、これに代えて、図1に示す転写ドラム5や記録材Pを搬送する転写ベルト(不図示)などに同様の構成のフォトセンサ10からなる、トナーパターンを読込む構成を設ければ、別の構成の画像形成装置に対しても本発明を適用することが可能である。
【0141】
さらには、本実施の形態では、フォトセンサ10として、反射型のセンサを設けたが、転写ドラム5や転写ベルトなどに、透過性の高い材料を用いれば、透過型センサによる構成も適用可能である。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、通紙幅方向の寸法が第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンを形成することにより、第1の画像パターンに起因するゴーストの発生を防止し、長期にわたって安定した画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】リーダ画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】リーダ画像処理部の信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】現像手段の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図5】画像形成装置全体の構成を示すブロック図である。
【図6】階調画像を得るための画像信号処理回路を示すブロック図である。
【図7】階調再現特性を示す4限チャートである。
【図8】第1の制御系の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】表示器の表示内容を示す図である。
【図10】表示器の表示内容を示す図である。
【図11】表示器の表示内容を示す図である。
【図12】テストプリント1の例を示す図である。
【図13】テストプリント2の例を示す図である。
【図14】原稿台ガラス上へのテストプリント1の置き方を示す上面図である。
【図15】相対ドラム表面電位と画像濃度との関係を示す図である。
【図16】絶対水分量とコントラスト電位との関係を示す図である。
【図17】一次帯電器のグリッド電位と感光ドラムの表面電位との関係を示す図である。
【図18】濃度変換特性を示す図である。
【図19】原稿台ガラス上へのテストプリント2の置き方を示す上面図である。
【図20】パッチパターンの読み取りポイントを示す図である。
【図21】レーザ出力レベルと出力濃度との関係を示す図である。
【図22】フォトセンサから濃度変換までの流れを示す図である。
【図23】フォトセンサ出力と画像濃度との関係を示す図である。
【図24】目標値設定の流れを示す図である。
【図25】γLUT補正テーブルの一例を示す図である。
【図26】第2の制御系のパッチパターンを示す図である。
【図27】実施の形態1の実験結果を示す図である。
【図28】実施の形態2の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図29】従来の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図30】現像剤のトリボ分布を示す図である。
【図31】画像形成装置の長手配置を模式的に示す図である。
【図32】画像パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム)
2 帯電手段(一次帯電器)
3 露光手段(露光装置)
4 現像手段
4b 現像剤担持体(現像スリーブ)
4C カラーの現像器(シアンの現像器)
4K ブラックの現像器
4M カラーの現像器(マゼンタの現像器)
4Y カラーの現像器(イエローの現像器)
5 記録材担持体(転写ドラム)
10 光学検出手段(フォトセンサ)
51 中間転写体(中間転写ベルト)
61 第1の画像パターン(帯状パターン)
62 第1の画像パターン(色パターン)
71,72 第1の画像パターン(階調パターン)
74 第2の画像パターン(階調パターン)
109 補正手段(プリンタ制御部)
A 読み取り手段(リーダ部)
P 記録材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式のカラープリンタ,複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図29に従来のカラー画像形成装置の一例を示す。
【0003】
同図に示す画像形成装置は、感光ドラム1と、その周囲に配設された一次帯電器2、露光装置3、現像手段4、転写ドラム5、クリーニング装置6と、記録材Pの搬送方向に沿っての感光ドラム1の下流側に配設された定着装置7とを備えている。
【0004】
上述の現像手段4は、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(K)のトナーでそれぞれ現像を行う現像器4M,4C,4Y,4Kと、これらを搭載した回転自在なロータリ4aとを備えている。この回転式の現像手段4は、現像に供される色の現像器が、ロータリ4aの回転によって感光ドラム1に対向する現像位置に配置されて現像を行うようになっている。
【0005】
上述の感光ドラム1は、所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され、その表面が帯電器(一次帯電器)8によって所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0006】
帯電後の感光ドラム1は、その表面が第1色目(例えばマゼンタ)の画像データに応じてON/OFF制御された露光装置3によってレーザビームLを露光走査され、第1色目の静電潜像が形成される。この静電潜像は、第1色目のマゼンタの現像器4Mによって現像、可視化される。この可視化された第1のトナー像は、感光ドラム1に所定の押圧力を持って圧接されながら回転駆動される転写ドラム5表面に吸着された記録材Pに転写される。マゼンタのトナー像転写後の感光ドラム1は、表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーニング装置6によって除去され、次に色の画像形成に供される。上述の帯電,露光,現像を他の色のトナー(シアン,イエロー,ブラック)についても同様に繰り返し、その都度、各現像器4C,4Y,4Kに内包された各色トナーによるトナー像を転写ドラム5上に担持された記録材P上に順次転写、積層する。こうして4色のトナー像が転写された記録材Pは、定着装置7によって表面にトナー像が定着された後、画像形成装置本体Mの外部に排出される。これにより、4色フルカラーのカラー画像が形成される。なお、図29中の符合で、まだ説明していないものは、後述の実施の形態1の図1中で説明するものとする。
【0007】
近年はオフィスユースなどへの対応から、モノクロ出力の高速化が要求されている。そこでこうした市場からの要求を満たすべく、次に示すような構成の画像形成装置も考案されている。
【0008】
すなわち、図1に示すように、現像手段4は、回転式の現像装置4Aと固定式の現像装置4Bとを備えており、前者の回転式現像装置4Aは、回転自在なロータリ4aに搭載されたマゼンタ,シアン,イエローの3個のカラーの現像器4M,4Y,4Cを有しており、後者の固定式の現像装置4Bは、ブラックの現像器4Kによって構成されている。そして、フルカラー出力時には、現像器4M,4Y,4C,4Kが順次、感光ドラム1上の静電潜像を現像する。一方、モノクロ出力時にはカラーの現像器からなる回転式の現像装置4Aは機能せずに、固定式の現像装置4Bであるブラックの現像器4Kで現像が行われるため、モノクロ出力時にはフルカラー画像形成装置でありながら、モノクロ専用の画像形成装置と同様のスループット(単位時間当たりの出力枚数)が得られる。
【0009】
さらにはこうした固定式のブラックの現像器4Kを採用することにより、オフィスユースなどで一般的に消費量の多いブラックトナーの容量を大きくできるという利点を有する。
【0010】
また、現像方式の最も優れたものの1つとして、一成分磁性トナーを用い非接触で交番電界を印加して現像させる一成分ジャンピング現像法が、既に出願されている。これは、二成分現像法のように現像剤のトナーとキャリヤの混合比を制御する煩雑さがない点、キャリヤの劣化と言う問題がない点、長期にわたって安定して画像が得られる点、などの大きな利点を有している。さらにその一成分磁性トナー中に配合する磁性体の色が一般的に黒色のために、上述の一成分ジャンピング現像法は、一成分磁性トナーとしてブラックトナーを使用する場合には非常に好適に適用できる。
【0011】
しかしマゼンタ,シアン,イエローの着色トナー(カラートナー)を使用する場合は現在のところ適用が難しい。このため、マゼンタ,シアン,イエロー等の現像には、非磁性トナーとキャリヤとを混合させた二成分現像剤を用い、現像スリーブ上にその現像剤薄層の磁気ブラシを形成して感光ドラム1に接触させ、交番電界を印加して現像させる現像法(ジャンピング&ブラシ現像法)の方が適している。
【0012】
またオフィスユースに代表されるように、フルカラーの画像形成装置であってもモノクロを兼用させて使用する場合は、ブラックの現像器4Kの使用頻度が非常に高くなることから、ブラックの現像器4Kに一成分ジャンピング現像法を用いることが特に有効になるため、従来から、マゼンタ,シアン,イエロー等の現像には非磁性二成分現像、ブラックには磁性一成分ジャンピング現像を用いる画像形成装置が提案されている。
【0013】
近年、このような電子写真方式を利用した複写機やフルカラープリンタがオフィスなどに導入され、需要が高まっている。
【0014】
さらに近年、特にフルカラー出力の増大とともに、出力画像の濃度安定性、階調安定性が求められてきている。こうしたことから、電子写真方式を利用した複写機やプリンタなどの画像形成装置の画像制御法として次のような手法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0015】
まず、画像形成装置を起動して、そのウォームアップ動作の終了後に、特定パターンを形成し、その特定パターンの濃度を読み取り、その読み取った濃度値に基づいて、γ補正回路などの画像形成条件を決定する回路の動作を変更することにより、形成される画像の品質を安定させている。
【0016】
また、環境条件の変動により、その階調特性が変化した場合にも、再度、特定パターンを形成して読み取り、再びγ補正回路などの画像形成条件を決定する回路にフィードバックすることにより、その環境条件の変動量に応じて画像品質を安定させることができる。
【0017】
さらに、画像形成装置が、長期にわたって使用された場合、感光ドラム上の特定パターンを読み取った濃度と、実際にプリントアウトされた画像の濃度が一致しなくなるケースが生じてくる。このため、記録材上に特定パターンを形成し、その濃度値によって画像形成条件を補正する方法も知られている。
【0018】
さらにまた、画像形成動作中に非画像領域に特定パターンを形成し、その特定パターンの濃度を読み取り、その読み取った濃度値に基づいて、画像形成動作毎にγ補正回路などの画像形成条件を決定する回路の動作を変更することにより、刻々と変化する画像特性に対して精度よく補正を行う方法も知られている。
【0019】
【特許文献1】
特開平5−80625号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような構成の画像形成装置において、特に一成分磁性トナーを使用するブラックの現像器4Kで画像制御用の特定パターンを現像して画像制御を行った後に0.3〜0.8程度のハーフトーン画像が作像された場合、現像画像には現像方向に対して前画像である画像制御用の特定パターンの跡(以下「ゴースト」という。)がハーフトーン部分に現像スリーブ周期、厳密には現像スリーブ周期/現像スリーブ周速で発生するという問題点がある。
【0021】
現像剤は、種々の単位質量当たりの帯電量(以下「トリボ」という。)を有したトナー粒子を含有し、図30に示すようなトリボ分布を示す。そして、適正なトリボのトナー(現像適正領域のトナー)が現像に供される。
【0022】
また、現像剤には帯電量の立ち上がりがあり、現像スリーブが1回転したときの現像領域におけるトリボ分布と、現像しないで2回転したときのトリボ分布は異なり、2回目の方がトリボが高い方へシフトする、いわゆるチャージアップ現象がある。
【0023】
すなわち、現像スリーブの1回転目にて画像制御用の特定パターンを現像する現像スリーブ上のトナーのトリボ分布は、図30にて実線の曲線(a)で示すものであり、現像スリーブの2回転目においては、画像補正用の特定パターンを現像する現像スリーブ上のトナートリボ分布は(b)である。これは特定パターン部分の現像剤は現像スリーブ上からなくなり、新しいトナーが再び同様に帯電されるためである。一方、画像補正用の特定パターン周辺の白地部分においては、現像スリーブ上のトナーは現像に供されることがないために、現像スリーブ上に残り、現像スリーブの2回転目にはチャージアップし、図30の点線の曲線(b)に示すようなトリボ分布となる。
【0024】
したがって、現像スリーブの2回転目においては、現像スリーブに担持された現像剤に、図30に示すようなトリボ分布(a),(b)の差を生じるために、特定パターンの部分に比べ白地部の現像適正領域にあるトリボが少なくなる。このため、特定パターンの部分の後方では濃度が濃くなり、白地部の後方の濃度が薄くなる。この現象は特に負極のトナーのときに著しい。
【0025】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、通紙幅方向の寸法が第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンを形成することにより、第1の画像パターンに起因するゴーストの発生を防止し、長期にわたって安定した画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記像担持体表面に画像情報に基づく静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像する複数色の現像器を有する現像手段と、前記像担持体表面に形成されたトナー像を記録材担持体上に担持された記録材に転写する転写手段とを備え、帯電、露光、現像、転写の各画像形成プロセスを繰り返して前記記録材担持体上の記録材に複数色のトナー像を形成する画像形成装置において、前記像担持体上に形成された所定のトナー像である画像パターンを読み取る光学検出手段と、前記光学検出手段が読み取った前記画像パターンの画像情報と基準画像情報との差異に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と、を備え、前記補正手段による補正時に形成される画像パターンが、前記光学検出手段によって読み取られる第1の画像パターンと、前記第1の画像パターンによるゴーストを除去すべく記録材の通紙幅方向の寸法が前記第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンとを有する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項3に係る発明は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記像担持体表面に画像情報に基づく静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像する複数色の現像器を有する現像手段と、前記像担持体表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを備え、帯電、露光、現像、転写の各画像形成プロセスを繰り返して前記記録材上に複数色のトナー像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体上に形成された所定のトナー像である画像パターンを読み取る光学検出手段と、前記光学検出手段が読み取った前記画像パターンの画像情報と基準画像情報との差異に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と、を備え、前記補正手段による補正時に形成される画像パターンが、前記光学検出手段によって読み取られる第1の画像パターンと、前記第1の画像パターンによるゴーストを除去すべく記録材の通紙幅方向の寸法が前記第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンとを有する、ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0029】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の4色フルカラーのプリンタ(以下「画像形成装置」という。)であり、同図はその構成を模式的に示す縦断面図である。
【0030】
同図に示す画像形成装置は、リーダ部(読み取り手段)Aと、プリンタ部Bとを備えている。まず、リーダ部Aについて説明し、つづいてプリンタ部Bについて説明する。
【0031】
リーダ部Aにおいて、原稿101は、その画像(画像面)を下方に向けた状態で、原稿台ガラス102上に載置される。この原稿101の画像は、光源103によって照射され、光学系104を介してCCDセンサ105に結像される。CCDセンサ105は、3列に配列されたレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)のCCDラインセンサ群により、ラインセンサ毎にレッド,グリーン,ブルーの色成分信号を生成する。
【0032】
これらの読み取り光学系ユニット(光源103,光学系104,CCDセンサ105)は、矢印R103方向に走査することにより、原稿101をライン毎の電気信号データ列に変換する。
【0033】
また原稿台ガラス102上には、原稿101を突き当てることにより、原稿101が原稿台ガラス102に対して斜めに載置されることを防止するための突き当て部材107と、その原稿台ガラス102面にCCDセンサ105の白レベルを決定し、またCCDセンサ105のスラスト方向のシェーディングを行うための基準白色板106とが配置してある。
【0034】
CCDセンサ105によって得られた画像信号は、リーダ画像処理部108において画像処理された後、プリンタ部Bに送られ、プリンタ制御部(プリンタ画像処理部)109で画像処理される。
【0035】
次にリーダ画像処理部108について説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態に係るリーダ画像処理部108における画像信号の流れを示すブロック図である。同図に示すように、CCDセンサ105から出力される画像信号は、アナログ信号処理部201に入力され、ここでゲイン調整,オフセット調整をされた後、A/Dコンバータ202で、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R1、G1、B1に変換される。その後、シェーディング補正部203に入力され、色ごとに基準白色板106の読み取り信号を用いた公知のシェーディング補正が施される。
【0037】
クロック発生部211は、1画素単位のクロックを発生する。また、主走査アドレスカウンタ212では、クロック発生部211からのクロックを計数し、1ラインの画素アドレス出力を生成する。そして、デコーダ213は、主走査アドレスカウンタ212からの主走査アドレスをデコードして、シフトパルスやリセットパルス等のライン単位のCCD駆動信号や、CCDからの1ライン読み取り信号中の有効領域を表すVE信号、ライン同期信号HSYNCを生成する。なお、主走査アドレスカウンタ212はHSYNC信号でクリアされ、次のラインの主走査アドレスの計数を開始する。
【0038】
CCDセンサ105の各ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、図2のラインディレイ回路204において、副走査方向の空間的ずれを補正する。具体的には、B信号に対して副走査方向で、R,Gの各信号を副走査方向にライン遅延させてB信号に合わせる。
【0039】
入力マスキング部205は、CCDセンサのR,G,Bのフィルタの分光特性で決まる読み取り色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、次式のようなマトリックス演算を行う。
【0040】
【数1】
【0041】
光量/濃度変換部(LOG変換部)206はルックアップテーブルROMにより構成され、R4,G4,B4の輝度信号がM0,C0,Y0の濃度信号に変換される。ライン遅延メモリ207は、黒文字判定部(不図示)で、R4,G4,B4信号から生成されるUCR,FILTER,SEN等の判定信号までのライン遅延分だけ、M0,C0,Y0の画像信号を遅延させる。
【0042】
マスキング及びUCR回路208は、入力されたM1,C1,Y1の3原色信号により黒信号(K)を抽出し、さらにプリンタ部Bでの記録色材の色濁りを補正する演算を施して、M2,C2,Y2,K2の信号を各読み取り動作の度に順次、所定のビット幅(8bit)で出力する。
【0043】
γ補正回路209は、リーダ部Aにおいて、プリンタ部Bの理想的な階調特性に合わせるべく濃度補正を行う。また、空間フィルタ処理部(出力フィルタ)210は、エッジ強調又はスムージング処理を行う。
【0044】
このように処理されたM4,C4,Y4,K4の面順次の画像信号は、プリンタ制御部109に送られ、プリンタ部BでPWMによる濃度記録が行われる。
【0045】
また、同図中の符合214はリーダ部A内の制御を行うCPU、符合215はRAM、符合216はROMである。符合217は操作部であり、表示器218を有している。
【0046】
図3は、図2に示すリーダ画像処理部108における各制御信号のタイミングを示す図である。同図において、VSYNC信号は、副走査方向の画像有効区間信号であり、論理“1”の区間において、画像読み取り(スキャン)を行って、順次(M),(C),(Y),(K)の出力信号を形成する。また、VE信号は、主走査方向の画像有効区間信号であり、論理“1”の区間において主走査開始位置のタイミングをとり、主にライン遅延のライン計数制御に用いられる。そして、CLOCK信号は画素同期信号であり、“0”→“1”の立ち上がりタイミングで画像データを転送するのに用いられる。
【0047】
つづいて、プリンタ部Bについて説明する。
【0048】
プリンタ部Bには、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に駆動回転される像担持体として、ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)が配設されている。
【0049】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向(矢印R1方向)に沿ってほぼ順に、一次帯電器2、露光装置3、現像手段4、転写ドラム(記録材担持体)5、クリーニング装置6等が配設されており、また記録材Pの搬送方向(同図中のほぼ右から左)に沿っての感光ドラム1の下流側には定着装置7が配設されている。
【0050】
一次帯電器2は、コロナ帯電器であり、帯電バイアス印加電源(不図示)によって帯電バイアスが印加されることで、感光ドラム1表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。本実施の形態では、負極性の帯電させている。
【0051】
露光装置3は、帯電後の感光ドラム1表面を露光して静電潜像を形成する。原稿101に基づいて前述のリーダ部Aで形成された画像信号は、プリンタ制御部109に含まれるレーザドライバに送られ、露光装置3のレーザ光源3aを介してレーザ光Lに変換され、そのレーザ光Lはポリゴンミラー3b及びミラー3cにより反射され、一様に帯電されている感光ドラム1表面に照射される。そして照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0052】
現像手段4は、上述の露光装置3によって形成された静電潜像を現像する。図4に、現像手段4の拡大図を示す。同図に示すように、現像手段4は、感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての下流側に配置された回転式(切り換え式)の現像装置4Aと、上流側に配置された固定式の現像装置4Bとを備えている。回転式の現像装置4Aは、カラーの現像器、すなわちマゼンタ,イエロー,シアンの各色の現像器4M,4Y,4Cと、これらを搭載して矢印R4A方向に回転するロータリ4aとを有しており、一方、固定式の現像装置4Bは、ブラックの現像器4Kによって構成されている。いずれの現像器4M,4Y,4C,4Kも、表面に現像剤を担持して感光ドラム1表面に対応する位置まで搬送する回転自在な現像スリーブ(現像剤担持体)4bを備えている。また、各現像スリーブ4b内には、円柱状のマグネット(不図示)が固定的に配置されている。なお、現像スリーブ4b、マグネット、後述の現像剤のコート領域、現像剤規制ブレードについては、現像スリーブ4bの軸に沿った方向(記録材Pの通紙幅方向:記録材Pの搬送方向に対して直交する方向)の長さを幅というものとする。すなわち現像スリーブ幅、マグネット幅、現像剤コート幅、現像剤規制ブレード幅となる。本実施の形態では、ブラックの現像剤は、磁性一成分トナーにより、また他の3色(マゼンタ,イエロー,シアン)は、磁性キャリヤと非磁性トナーとを含む二成分現像剤を採用している。
【0053】
上述の回転式の現像装置4Aは、ロータリ4aの矢印R4A方向に回転により、現像に供される現像器が順次に感光ドラム1に対向する現像位置DAに配置され、つまり現像器4M、4Y、4Cがこの順に現像位置DAに配置されて、感光ドラム1上の静電潜像を各色のトナーで現像するようになっている。回転式の現像装置4Aは、全体として画像形成装置本体Mに対して着脱自在なユニットとして構成されており、各現像器4M,4Y,4C内のトナーがなくなったときに現像装置4A全体を交換することによって再び画像形成が可能になるように構成されている。
【0054】
これに対して、固定式の現像装置4B、つまりブラックの現像器4Kは、トナーの消費量が多いので、画像形成装置本体Mに対して個別に着脱できるようにユニット化されている。このブラックの現像器4Kは、画像形成装置本体Mに装着された状態では、図4に示すように、回転可能な現像スリーブ4bが感光ドラム1と微少間隙(本実施の形態では50〜500μm)を隔てて保持され、現像スリーブ4b表面に担持されているトナーを感光ドラム1に向けて供給するための現像領域(現像位置DB)が形成されている。
【0055】
さらに、トナー容器4c内にはトナーを現像スリーブ4b側へ送り出すための送り手段4dが設けられており、この送り手段4dによって送り出されたトナーを現像スリーブ4bに供給するための供給ローラ4eが収容されている。この供給ローラ4eは現像スリーブ4bへの安定供給、均一なトナー塗布を達成するために、ポリウレタン,シリコーン等のゴム発泡材質が好ましく用いられる。さらには、現像スリーブ4bは、供給ローラ4eを現像スリーブ4bに当接させるとともに、周速差をもたせながら矢印R4B方向へ回転させることが好ましい。また、現像スリーブ4bの上方には、現像スリーブ4bに担持されているトナーの層厚を規制する規制部材としての現像剤規制ブレード(現像ブレード)4fが設けられている。
【0056】
上述の構成において、感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動される。そして、本実施の形態では、その表面が一次帯電器2によって、500Vに一様に帯電される。次に、第1色目(例えばマゼンタ)の画像データ(画像信号)に応じてON/OFF制御された露光装置3による露光走査がなされ、第1色目の静電潜像(本実施の形態にあっては約150V)が感光ドラム1に形成される。この第1色目の静電潜像は、第1色目のマゼンタトナー(負極性)を内包したマゼンタの現像器4Mによって現像、可視像化される。そして、この可視像化された第1のトナー像は、図1に示すように、感光ドラム1に所定の押圧力を持って圧接され、感光ドラム1の周速度とほぼ等速(本実施の形態にあっては265mm/sec)をもって矢印R5方向へ回転駆動される転写ドラム5との間の転写ニップ部(圧接部:転写部)Nにおいて、転写ドラム5上に担持されている記録材P上に転写される。
【0057】
転写工程の際に記録材Pに転写されずに感光ドラム1上に残ったトナー(残留トナー)は、感光ドラム1に圧接された、クリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって掻き取られ、廃トナー容器6bに回収される。
【0058】
そして、上述の帯電,露光,現像,転写,クリーニングの各画像形成プロセスを、マゼンタ以外の他の3色(イエロー,シアン,ブラック)についても同様に繰り返し、その都度、それぞれの現像器4Y,4C,4Kに内包された色の異なるトナーによるトナー像を転写ドラム5上に担持された記録材P上に順次転写、積層される。
【0059】
前記各工程によって4色のトナー像が表面に転写された記録材Pは、転写ドラム5上から剥離された後、搬送手段(不図示)によって定着装置7に搬送され、ここで定着ローラ7a及び加圧ローラ7bによって加熱・加圧されて表面に4色のトナー像が溶融固着される。こうして4色のトナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置本体M外部に排出され、これにより1枚の記録材Pに対する4色フルカラーのカラー画像の形成が終了する。
【0060】
上述の画像形成装置において、モノクロ単色の画像形成を行う場合は、固定式の現像装置4Bとしてのブラックの現像器4Kを使用し、回転式の現像装置4Aは使用しない(動作しない)ので、連続して高速の画像形成を行うことが可能である。
【0061】
また本実施の形態における画像形成装置では、感光ドラム1上に形成されたトナーによるパッチパターン(画像パターン)の反射光量を検出するために、LED8(約960nmに主波長をもつ)とフォトダイオード9とを有するフォトセンサ(光学読み取り装置:光学検出手段)10を設けている。このフォトセンサ10は、感光ドラム1の回転方向に沿っての、回転式の現像装置4Aの下流側で、転写ニップ部Nの上流側に配置されている。
【0062】
図5は、本実施の形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
プリンタ制御部109は、LUT(ルックアップテーブル)25、PWM(パルス幅変調)回路26、LD(レーザダイオード)ドライバ27、CPU28、パターンジェネレータ29、ROM30、テストパターン31、RAM32、濃度換算回路42等を有している。そして、プリンタ制御部109は、リーダ部A,プリンタエンジン部100と通信ができるようになっている。なお、本発明の補正手段は、このプリンタ制御部109に組み込まれている。
【0064】
プリンタエンジン部100において、感光ドラム1の周囲に配置されている、LED8とフォトダイオード9からなるフォトセンサ10、一次帯電器2、レーザ光源3a、このレーザ光源3aによる露光位置とブラックの現像器Kとの間に配置された表面電位センサ12、現像手段4を制御している。また、画像形成装置本体M内には、空気中の水分量を測定する環境センサ33が配設されている。表面電位センサ12は、感光ドラム1の回転方向に沿っての露光装置3のレーザ光源3aよりも下流側でかつブラックの現像器4Kの上流側に配置されており、一次帯電器2のグリッド電位、現像器3の現像バイアスは後述のようにCPU28により制御される。
【0065】
図6に、本実施の形態による階調画像を得る画像信号処理回路を示す。
【0066】
画像の輝度信号がCCD105で得られ、リーダ画像処理部108において面順次の画像信号に変換される。この画像信号は、初期設定時の画像形成装置のγ特性が入力された画像信号によって表される、原画像の濃度と出力画像の濃度が一致するように、LUT25にて濃度特性が変換される。
【0067】
図7に、階調が再現されるようすを4限チャートで示す。
【0068】
第I象限は、原稿濃度を濃度信号に変換するリーダ部Aの読み取り特性を示し、第II象限は濃度信号をレーザ出力信号に変換するためのLUT25の変換特性を示し、第III 象限はレーザ出力信号から出力濃度に変換するプリンタ部Bの記録特性を示し、第IV象限は原稿濃度から出力濃度の関係を示すこの画像形成装置のトータルの階調再現特性を示している。階調数は8bitのデジタル信号で処理しているので、256階調である。この画像形成装置では、第IV象限の階調特性をリニアにするために、第III 象限のプリンタ特性がリニアでない分を第IV象限のLUT25によって補正している。LUT25は後に述べる演算結果により生成される。
【0069】
LUT25にて濃度変換された後、PWM回路26により信号がドット幅に対応した信号に変換され、レーザ光源3aのON/OFFを制御するレーザドライバ27に送られる。本実施の形態では、M,C,Y,Kの全色とも、パルス幅変調処理による階調再現方法を用いた。
【0070】
そして、レーザ光源3aの走査により感光ドラム1上にはドット面積の変化により、所定の階調特性を有する静電潜像が形成され、現像、転写、定着という過程をへて階調画像が再生される。
【0071】
ここで、本実施の形態で用いた画像形成装置の画像制御手段(補正手段)を詳しく説明する。
【0072】
本実施の形態で用いた画像形成装置は画像制御(画像調整)の手段として第1の制御系と第2の制御系とを有している。なお、画像制御を行うことを目的として、第1の制御系の実行時に形成されるトナーのパッチパターン(画像パターン)が画像パターンAに相当し、第2の制御系の実行時に形成されるトナーのパッチパターン(画像パターン)が画像パターンBに相当することになる。例えば、画像パターンAとしては、後述の図12に示す帯状パターン61、色パターン62、図13に示す階調パターン71,72があり、画像パターンBとしては、図26に示す階調パターン74がある。
【0073】
まず、リーダ部A、プリンタ部Bの双方を含む系の画像再現特性の安定化に関する第1の制御系について説明する。リーダ部Aを用いてプリンタ部Bのキャリブレーションについて、図8のフローチャートを参照して説明する。このフローは、リーダ部Aを制御するCPU214(図2参照)とプリンタ部Bを制御するCPU28(図5,図6参照)により実現される。
【0074】
操作部217上に設けられた、自動階調補正というモード設定ボタンを押すことで、本制御がスタートする。なお、本実施の形態では、表示器218は図9〜図11に示すようなプシュセンサつきの液晶の操作パネル(タッチパネルディスプレイ)で構成されている。
【0075】
図8中のステップS1(以下単に「S1」のように記す。)において表示器218上に、テストプリント1のプリントスタートボタン81が現れ(図9(a))、それを押すことで図12に示すテストプリント1の画像がプリンタ部Bによりプリントアウトされる。
【0076】
このとき、テストプリント1を形成するための記録材P(用紙)の有無をCPU214が判断し、ない場合は図9(b)に示すような警告表示を行う。
【0077】
このテストプリント1の形成時にはコントラスト電位(後述)は、環境に応じた標準状態のものを初期値として登録しておき、これを用いる。
【0078】
また、本実施の形態に用いた画像形成装置は、複数の給紙カセット(用紙カセット)を備えており、B4,A3,A4,B5等複数種の記録材サイズが選択可能となっている。
【0079】
しかし、この制御で使用する記録材Pは、後の読み取り作業時に、縦置き、横置きの間違えによるエラーを避けるために、一般で言われているラージサイズ紙を用いている。すなわち、B4,A3,11×17,LGRを用いるように、設定されている。
【0080】
図12のテストプリント1には、M,C,Y,K4色分の中間階調濃度によるトナー像である帯状パターン61を形成する。この帯状パターン61を目視で検査することにより、スジ状の異常画像、濃度ムラ、色ムラがないことを確認する。この帯状パターン61はスラスト方向(主走査方向)に、色パターン62(トナー像)、及び階調パターン71,72(トナー像:後述の図13参照)をカバーするようにCCDセンサ105の主走査方向のサイズが設定されている。異常が認められる場合には、再度、テストプリント1のプリントを行い、再度異常が認められた場合にはサービスマンコールとする。
【0081】
なお、この帯状パターン61をリーダ部Aで読み取り、そのスラスト方向の濃度情報により、以後の制御を行うかどうかの可否判断を自動で下すことも可能である。一方、色パターン62は、M,C,Y,Kの各色の最大濃度パッチの集合であり、濃度信号値で255レベルを用いる。
【0082】
図8中のS2では、このテストプリント1の画像を、原稿台ガラス102上に図14に示すように載置して、図10(a)に示される読み取りスタートボタン91を押す。このとき、図10(a)に示す操作者用のガイダンス表示が現れる。図14は、テストプリント1の出力を原稿台ガラス102上に置いた状態を上方から見た模式図である。同図中の左上の楔(くさび)型マークTが原稿台ガラス102の原稿突き当て用のマークであり、帯状パターン61が、突き当てマークT側に位置するようにして、なおかつ、表裏を間違えないように、操作パネル上で上述のようなメッセージを表示する(図10(a))。このようにすることで、置き間違えによる制御エラーを防ぐようにした。
【0083】
リーダ部Aにより、色パターン62を読み取る際に、突き当てマークTから徐々に走査し、1番最初の濃度ギャップ点Aが帯状パターン61の角で得られるので、その座標ポイントから、相対座標で、色パターン62の各パッチの位置を割り出して、色パターン62の濃度値を読み取る。
【0084】
読み取り中は図10(b)に示す表示が行われ、テストプリント1の向きや位置が不正確で読み取り不能のときは図10(c)に示すメッセージを表し、操作者が置き直して、読み込みキー92を押すことにより再度、読み取りを行う。
【0085】
得られたRGB値より、光学濃度の換算をするためには、下式(2)を用いる。市販の濃度計と同じ値にするために、補正係数(k)で調整している。
【0086】
【数2】
【0087】
なお、別にLUTを用いてRGBの輝度情報からMCYKの濃度情報に変換してもよい。
【0088】
次に、得られた濃度情報から、最大濃度を補正する方法を説明する。
【0089】
図15に相対ドラム表面電位(横軸)と上述の演算により得られた画像濃度(縦軸)の関係を示す。その時点で用いたコントラスト電位、すなわち現像バイアス電位と一次帯電された後レーザ光を用いて最大レベルを打ったときの感光ドラム1の表面電位との差が、Aという設定で得られた最大濃度DAであった場合、最大濃度の濃度域では、相対ドラム表面電位に対して画像濃度が実線Lに示すように、ほぼリニアに対応することがほとんどである。
【0090】
ただし、二成分現像系では、現像器内のトナー濃度が変動して、下がってしまった場合、破線Nで示すように、最大濃度の濃度域で、非線形特性になってしまう場合もある。
【0091】
したがって、ここでは、最終的な最大濃度の目標値を1.6としているが、0.1のマージンを見込んで、1.7を最大濃度を合わせる制御の目標値に設定して制御量を決定する。
【0092】
ここでのコントラスト電位Bは、次式(3)を用いて求める。
【0093】
B=(A+Ka)×1.7/DA……(3)
ここで、Kaは補正係数であり、現像方式の種類によって、値を最適化するのが好ましい。
【0094】
実際には、電子写真方式では、コントラスト電位Aの設定は、環境に応じて変えないと画像濃度が合わないため、先に説明した、画像形成装置本体M内の水分量をモニタする環境センサ33の出力によって、図16に示すように設定を変えている。
【0095】
したがって、コントラスト電位を補正する方法として次式の補正係数Vcont.ratelを、バックアップされたRAMに保存しておく。
【0096】
Vcont.ratel=B/A
【0097】
画像形成装置が30分毎に、環境(水分量)の推移を、モニタし、その検知結果に基づいてAの値を決定する度に、A×Vcont.ratelを算出して、コントラスト電位を求める。
【0098】
コントラスト電位から、グリッド電位と現像バイアス電位を求める方法を簡単に説明する。
【0099】
図17に、一次帯電器2のグリッド電位(横軸)と感光ドラム1の表面電位(縦軸)との関係を示す。グリッド電位を−200Vにセットして、レーザ光のレベルを最低にして走査したときの表面電位VL及びレーザ光のレベルを最高にしたときの表面電位VHを表面電位センサ12で測定する。同様にグリッド電位を−400VにしたときのVLとVHを測定する。−200Vのデータと−400Vのデータを、補間、外挿することで、グリッド電位と表面電位との関係を求めることができる。この電位データを求めるための制御を電位測定制御とよぶ。VLから画像上にカブリトナーが付着しないように設定されたVbg(ここでは100Vに設定)の差を設けて、現像バイアスVDCを設定する。コントラスト電位Vcontは、現像バイアスVDCとVHの差分電圧であり、このVcontが大きいほど、最大濃度が大きくとれるのは、上述した通りである。計算で求めたコントラスト電位Bにするためには、図17の関係より、何ボルトのグリッド電位が必要か、そして何ボルトの現像バイアス電位が必要かは、計算で求めることができる。
【0100】
図8中のS3では最大濃度を最終的な目標値より、0.1高くなるようにコントラスト電位を求め、このコントラスト電位が得られるように、グリッド電位及び現像バイアス電位をCPU28がセットする。
【0101】
S4にて、求めたコントラスト電位が、制御範囲にあるかどうかを判断して、制御範囲からはずれている場合(S4のNo)には、現像器等に異常があるものと判断して、対応する色の現像器をチェックするように、サービスマンにわかるように、エラーフラグを立てておき、所定のサービスモードでそのエラーフラッグをサービスマンが見られるようにする。
【0102】
ここでは、そのような異常時には制御範囲ぎりぎりの値にリミッターをかけて、修正制御して(S5)、制御は継続させる。
【0103】
以上のように、S3で求めたコントラスト電位になれるように、CPU28によりグリッド電位と現像バイアス電位の設定を行う。
【0104】
図18に、濃度変換特性図を示す。本実施の形態での最大濃度を最終目標値より高めに設定する最大濃度制御により第III 象限のプリンタ特性図は実線Jで示すようになる。もし仮に、このような制御を行わないときには、破線Hに示すような濃度1.6に達しないプリンタ特性になる可能性もある。破線Hの特性の場合LUT25をどのように設定しても、LUT25は最大濃度を上げる能力は持ち合わせていないので、濃度DHと濃度1.6の間の濃度は再現不可能となる。実線Jのように最大濃度をわずかに越える設定になっていれば、確実に、第IV象限のトータル階調特性で、濃度再現域は保証することができる。
【0105】
次に、図11(a)のように操作パネル上に、テストプリント2の画像のプリントスタートボタン150が現れ、それを押すことで図13のテストプリント2の画像がプリントアウトされる(S6)。プリント中は図11(b)のような表示となる。
【0106】
テストプリント2は図13に示すように、それぞれM,C,Y,Kの4色のパッチパターンからなる階調パターン71,72を有している。各色のパッチパターンは、K(ブラック)のパッチパターンで例示するように、4列16行の全部で64階調分のグラデーションのパッチ73の集合(パッチ群)により成り立っている。ここで、64階調分は、全部で256階調あるうちの、濃度の低い領域を重点的にレーザ出力レベルを割り当ててあり、高濃度領域は、レーザ出力レベルを間引いてある。このようにすることにより、特にハイライト部における階調特性を良好に調整することができる。
【0107】
図13において、階調パターン71は解像度200lpi(lines/inch)で、また階調パターン72は解像度400lpiで形成されている。各解像度の階調パターン71,72を形成を行うためには、PWM回路26において、処理の対象となっている画像データとの比較に用いられる三角波の周期を複数用意することによって実現できる。
【0108】
なお、本画像形成装置は、階調画像は200lpiの解像度で、文字等の線画像は400lpiの解像度で、作成している。この2種類の解像度で同一の階調レベルのパッチパターンを出力しているが、解像度の違いで、階調特性が大きく異なる場合には、解像度に応じて先の階調レベルを設定するのがより好ましい。
【0109】
また、テストプリント2は、LUT25を作用させずに、パターンジェネレータ29から発生させる。
【0110】
図19は、テストプリント2の出力を原稿台ガラス102上に置いた状態を上方から見た模式図である。左上の楔(くさび)型マークTが原稿台ガラス102の原稿突き当て用のマークであり、K(ブラック)のパッチパターンが、突き当てマークT側にくるように配置して、なおかつ表裏を間違えないように操作パネル上でメッセージを表示した(図11(c))。このようにすることで、置き間違えによる制御エラーをふせぐようにした。リーダ部Aにて、パッチパターンを読み取る際に、突き当てマークTから徐々に走査し、1番最初の濃度ギャップ点Bが得られるので、その座標ポイントから、相対座標で各階調パターン71,72の各色パッチパターンの位置を割り出して、読み取るようにした(図8のS7)。1つのパッチ73当たりの読むポイントは、図20に示すように、パッチ73の内部に読み取りポイント(x)を16ポイント取り、各ポイントにおいて得られた信号を平均する。なお、ポイント数は読み取り装置、画像形成装置によって最適化するのが好ましい。
【0111】
各パッチ73毎に16ポイントの値が平均された、RGB信号を、前述した光学濃度への変換方法により、濃度値に直し、それを出力濃度(左側の縦軸)として、横軸にレーザ出力レベルをプロットしたのが、図21である。さらに、図21中の右側の縦軸に示すように、記録材Pのベース濃度(濃度レベル)、本実施の形態では、0.08を0レベルに、この画像形成装置の最大濃度として設定している1.60を255レベルに正規化している。こうして各色のパッチパターン毎に64階調分のレーザ出力レベルと出力濃度(濃度レベル)との関係をえることができる。
【0112】
得られたデータがC点のように、特異的に濃度が高かったり、D点のように、低かったりした場合には、原稿台ガラス102上に汚れがあったり、テストプリント1,2上に不良があったりすることがあるので、データ列に連続性が保存されるように、傾きにリミッターをかけ、補正を行う。ここでは具体的には傾きが3以上の時は、3に固定し、マイナス値の時は、その前のレベルと同じ濃度レベルにしている。
【0113】
LUT25の内容は前述したように、図21の濃度レベルを入力レベル(図7の濃度信号軸)に、レーザ出力レベルを出力レベル(図7のレーザ出力信号軸)に座標を入れ換えるだけで、簡単に作成できる。パッチ73に対応しない濃度レベルについては、補間演算により値を求める。このときに、入力レベル0レベルに対して、出力レベルは0レベルになるように、制限条件を設けている。そして、図8中のS8で上述のように作成した変換内容をLUT25に設定する。
【0114】
以上で、読取装置を用いた第1の制御系によるコントラスト電位制御とγ変換テーブル作成が完了する。上述の処理中には、図11(d)のような表示が行われ、完了すると図11(e)のように表示される。
【0115】
次に、通常画像形成中に行う画像制御として、プリンタ部B単独の画像再現特性の安定化に関する第2の制御系について説明する。
【0116】
本制御は、感光ドラム1上のパッチパターンの濃度を検出し、前述のLUT25を補正することにより、画像安定化を達成するものである。
【0117】
図22に、感光ドラム1に相対するLED8とフォトダイオード9からなるフォトセンサ10からの信号を処理する処理回路を示す。フォトセンサ10に入射された感光ドラム1からの近赤外光は、フォトセンサ10により電気信号に変換され、電気信号はA/D変換回路41により0〜5Vの出力電圧を0〜255レベルのデジタル信号に変換される。そして、濃度換算回路42により濃度に変換される。本実施の形態で使用したフォトセンサ10は、感光ドラム1からの正反射光のみを検出するよう構成されている。
【0118】
図23に、感光ドラム1上の濃度を各色の面積階調により段階的に変えていったときの、フォトセンサ10出力と出力画像濃度との関係を示す。トナーが感光ドラム1に付着していない状態におけるフォトセンサ10の出力を5V、すなわち、255レベルに設定した。図23からわかるように、各トナーによる面積被覆率が大きくなり画像濃度が大きくなるに従って、感光ドラム1単体よりフォトセンサ10出力が小さくなる。これらの特性から、各色専用の、センサ出力信号から濃度信号に変換するテーブル42aを持つことにより、各色とも精度良く濃度信号を読み取ることができる。
【0119】
第2の制御系は第1の制御系により達成された色再現性の安定維持が目的であるため、第1の制御系による制御の終了直後の状態を目標値として設定する。目標値設定のフローを図24に示す。第1の制御系による制御の終了した時点(S11)で、M,C,Y,Kの各色毎のパッチを感光ドラム1上に形成して、フォトセンサ10で検知し(S12)、濃度変換する(S13)。ここで、パッチのレーザ出力は、各色とも濃度信号(図7の濃度信号軸)で128レベルを用いる。この際、LUT25の内容、及びコントラスト電位の設定は、第1の制御系で得たものを用いる。このときの濃度値D128を第2の制御系の目標値として設定し(S14)、バックアップしておく。目標値は第1の制御系による制御が行われるごとに更新される。
【0120】
第2の制御系は、感光ドラム1上に形成したパッチの濃度を検出し、第1の制御系で得たγLUTを随時補正していく制御である。パッチのレーザ出力は、目標値設定時と同様であることが重要であり、各色とも濃度信号(図7の濃度信号軸)で128レベルを用いる。この際、LUT25の内容、及びコントラスト電位の設定は、その時点での通常画像形成時と同様とする。すなわち、第1の制御系で得たものを、前回までの第2の制御系により補正したものを用いる。
【0121】
濃度信号128は、濃度1.6を255に正規化した濃度スケールでパッチ出力濃度がD128になるように制御されているが、画像形成装置の画像特性は不安定であり、常に変化を起こす可能性をもつため、測定した結果がD128になるわけではなく、ΔDだけずれている場合がある。
【0122】
このΔDに基づき、第2の制御系では第1の制御系で作成したLUT25(γLUT)を補正する。
【0123】
図25に、本実施の形態の場合の、濃度信号128において出力濃度がΔDxずれた場合の、一般的な濃度信号0〜255までにおける出力濃度の変化に対応するγLUT補正テーブルを示す。この補正テーブルを予めもっておき、制御時には、γLUT補正テーブルの濃度信号128での値がΔDになるようγ補正テーブルを規格化し、これを打ち消すように形成したLUTを、LUT25に足すことでLUT25を補正する。LUT25を書き換えるタイミングは各色ごとに異なり、書き換え準備ができた段階で、その色のレーザ書き込みが行われていない間のTOP信号により行う。
【0124】
ここで、本実施の形態で用いた構成の画像形成装置において、固定式のブラックの現像器Kで、上述の第2の制御系が実行された後に、通常の画像形成動作が行われた場合、第2の制御系の制御中に形成されたフォトセンサ10での検知用のパッチパターンによるゴーストが次画像中に発生してしまう。これは前述したように、特定パターンの画像形成を行った場合に現像スリーブ4b上の現像剤のトリボが特定パターン部分と特定パターン周辺の白地部分のトリボ差により濃度が薄くなってしまう現象によるものである。特に第2の制御系におけるフォトセンサ10での検知用の特定のパッチパターンが連続して多数作像された場合に本現象は顕著に現れる。しかし本現象は、現像スリーブ4bの幅方向(軸方向)に沿って均一に現像剤を消費させることで画像形成領域と非画像形成領域トリボ差を無くすことにより改善することが可能である。
【0125】
ここで、本実施の形態では、第2の制御系におけるフォトセンサ10での検知用の特定のパッチパターン(第1の画像パターン:特定パターン)に続いて、現像スリーブ4b全域幅の帯状画像(第2の画像パターン)を作像することで上述のゴーストを改善するようにした。なお、ここで「帯状」とは、少なくとも現像スリーブ4bの幅方向(軸に沿った方向)に長いという意味である。したがって、記録材Pの搬送方向に沿っての長さ(現像スリーブ4bの回転方向の長さ)については、短い場合(例えば、スリーブ1周分)も長い場合(A4サイズ)もある。このゴースト防止用の帯状画像は第2の制御系の制御に引き続き画像形成が行われ、フォトセンサ10による検知は行わずに記録材Pへの転写も行われずにクリーニング装置6によって回収される。
【0126】
図32に第1の画像パターン、第2の画像パターンの形状を示す。
【0127】
以下、実験について説明する。
【0128】
本実験では、第2の制御系におけるフォトセンサ10での検知用の特定のパッチパターン(第1の画像パターン)としては、図26に示すような9段階の階調パターン74を使用した。また、本実験では、第2の制御系におけるフォトセンサ10で検知する特定のパッチパターン(第1の画像パターン)を作像後に、第2の画像パターンとして下記のような帯状画像(帯状トナーパターン)を作像し、さらにその後に128レベルの全面ハーフトーンを作像して、ゴースト領域とそれ以外の領域の濃度差を測定した。なお、以下の▲1▼〜▲6▼における階調パターン74とは、特定のパッチパターン(第1の画像パターン)のことである。したがって▲1▼は第1の画像パターンのみ、また▲6▼は第1の画像パターンも形成しないということである。さらに、▲2▼〜▲5▼においては、それぞれプラスした分が第2の画像パターンである。
【0129】
▲1▼ 階調パターン74のみ
▲2▼ 階調パターン74+スリーブ周長(1周分)べた黒
▲3▼ 階調パターン74+スリーブ周長(1周分)128レベル(80H)ハーフトーン
▲4▼ 階調パターン74+スリーブ周長(1周分)べた白
▲5▼ 階調パターン74+A4サイズべた黒
▲6▼ 階調パターン74なし
【0130】
図27に実験結果を示す。
【0131】
図27より、第2の制御系を実行後の次画像に発生するゴーストのレベルは、階調パターン74に続いて作像する第2の画像パターンに依存することが明らかであり、濃度レベルが濃い方がその効果は大きく、128レベル以上の濃度レベルであれば好ましい結果が得られた。また、第2の画像パターンの搬送方向の長さに依存して効果が上がることも確認された。すなわち、第2の画像パターンが、現像スリーブ4bの1周の周長以上の搬送方向長さを有していればゴースト現象は第2の画像パターンの長さに比例して良化する。さらに現像スリーブ4bの現像剤がコートされているコート領域(現像剤コート幅)のトリボ分布を均一に均すことを目的とすることから、図31に示すように、第2の画像パターンは現像スリーブ4bのコート領域と同等以上の幅を有し、現像スリーブ4bの軸方向に対して均一なパターンであることが望ましい。
【0132】
以上より、第2の制御系の制御時に階調パターン(第1の画像パターン)74の形成に引き続き、フォトセンサ10で検知しない、現像スリーブ4bの現像剤コート領域と同等幅で、少なくとも現像スリーブ4bの1周分の周長と同等以上の長さをもつ第2の画像パターンである帯状トナーパターンを現像することにより、第2の制御系の制御実行後の次画像に発生するゴースト、すなわち制御中に形成した階調パターン74のゴーストを防止することが可能となり、長期にわたって安定した画像を維持することができる。
【0133】
<実施の形態2>
本実施の形態では、本発明を、中間転写体を用いた画像形成装置に適用した例を示す。本実施の形態における画像制御は、中間転写体51上にフォトセンサ10を設け、中間転写体51上のトナー像によるパッチパターンの濃度を検知して行うようにしている。
【0134】
図28に、本実施の形態の画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、現像手段4として、マゼンタ,シアン,イエローの現像器4M,4C,4Yを有する回転式の現像装置4Aと、ブラックの現像器3Kによって構成された固定式の現像装置4Bとを有している。なお、適時必要時に、各現像器が、現像位置で感光ドラム1上の静電潜像の現像を行う構成は、前述の実施の形態1と同様である。
【0135】
各色の画像情報に応じて感光ドラム1上に形成されたトナー像は、順次、中間転写体51(本実施の形態では、中間転写ベルト。なお、中間転写ドラムであってもよい。)上に転写され、フルカラーの場合には、4色トナー像が中間転写体51上に順次に一次転写された後、給紙ユニット(不図示)から給紙された記録材Pに一括で二次転写し、定着装置7による定着工程を経て画像形成装置本体M外部に排出され、フルカラープリントとなる。
【0136】
前述の実施の形態1で示した構成の場合、画像制御に用いるパッチパターントナーを感光ドラム1上に形成するが、感光ドラム1の表面は耐久時に削れや傷といった劣化要因によって、パッチパターンの読み込みの変動要因が著しく、長期的な安定性という観点ではあまり好ましくない。
【0137】
そこで本実施の形態では、感光ドラム1に比べて劣化要因が少なく、一層の安定性が得られると思われる中間転写体51上にフォトセンサ10を設けることを特徴としている。
【0138】
その他の構成については実施の形態1と同様である。
【0139】
以上、本実施の形態においても、第2の制御系の制御時に階調パターン(第1の画像パターン)の形成に引き続き、フォトセンサ10で検知しない、現像スリーブ4bの現像剤コート領域と同等幅で、少なくとも現像スリーブ4bの1周分の周長と同等以上の長さをもつ帯状トナーパターン(第2の画像パターン)を現像することにより、第2の制御系の制御実行後の次画像に発生する制御中に形成したトナーパターンのゴーストを防止することが可能となり、長期にわたって安定した画像を維持することができる。
【0140】
なお、本実施の形態の画像形成装置では、中間転写体51上でパッチパターンの読み込みを行ったが、これに代えて、図1に示す転写ドラム5や記録材Pを搬送する転写ベルト(不図示)などに同様の構成のフォトセンサ10からなる、トナーパターンを読込む構成を設ければ、別の構成の画像形成装置に対しても本発明を適用することが可能である。
【0141】
さらには、本実施の形態では、フォトセンサ10として、反射型のセンサを設けたが、転写ドラム5や転写ベルトなどに、透過性の高い材料を用いれば、透過型センサによる構成も適用可能である。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、通紙幅方向の寸法が第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンを形成することにより、第1の画像パターンに起因するゴーストの発生を防止し、長期にわたって安定した画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】リーダ画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】リーダ画像処理部の信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】現像手段の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図5】画像形成装置全体の構成を示すブロック図である。
【図6】階調画像を得るための画像信号処理回路を示すブロック図である。
【図7】階調再現特性を示す4限チャートである。
【図8】第1の制御系の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】表示器の表示内容を示す図である。
【図10】表示器の表示内容を示す図である。
【図11】表示器の表示内容を示す図である。
【図12】テストプリント1の例を示す図である。
【図13】テストプリント2の例を示す図である。
【図14】原稿台ガラス上へのテストプリント1の置き方を示す上面図である。
【図15】相対ドラム表面電位と画像濃度との関係を示す図である。
【図16】絶対水分量とコントラスト電位との関係を示す図である。
【図17】一次帯電器のグリッド電位と感光ドラムの表面電位との関係を示す図である。
【図18】濃度変換特性を示す図である。
【図19】原稿台ガラス上へのテストプリント2の置き方を示す上面図である。
【図20】パッチパターンの読み取りポイントを示す図である。
【図21】レーザ出力レベルと出力濃度との関係を示す図である。
【図22】フォトセンサから濃度変換までの流れを示す図である。
【図23】フォトセンサ出力と画像濃度との関係を示す図である。
【図24】目標値設定の流れを示す図である。
【図25】γLUT補正テーブルの一例を示す図である。
【図26】第2の制御系のパッチパターンを示す図である。
【図27】実施の形態1の実験結果を示す図である。
【図28】実施の形態2の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図29】従来の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図30】現像剤のトリボ分布を示す図である。
【図31】画像形成装置の長手配置を模式的に示す図である。
【図32】画像パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム)
2 帯電手段(一次帯電器)
3 露光手段(露光装置)
4 現像手段
4b 現像剤担持体(現像スリーブ)
4C カラーの現像器(シアンの現像器)
4K ブラックの現像器
4M カラーの現像器(マゼンタの現像器)
4Y カラーの現像器(イエローの現像器)
5 記録材担持体(転写ドラム)
10 光学検出手段(フォトセンサ)
51 中間転写体(中間転写ベルト)
61 第1の画像パターン(帯状パターン)
62 第1の画像パターン(色パターン)
71,72 第1の画像パターン(階調パターン)
74 第2の画像パターン(階調パターン)
109 補正手段(プリンタ制御部)
A 読み取り手段(リーダ部)
P 記録材
Claims (13)
- 像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記像担持体表面に画像情報に基づく静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像する複数色の現像器を有する現像手段と、前記像担持体表面に形成されたトナー像を記録材担持体上に担持された記録材に転写する転写手段とを備え、帯電、露光、現像、転写の各画像形成プロセスを繰り返して前記記録材担持体上の記録材に複数色のトナー像を形成する画像形成装置において、
前記像担持体上に形成された所定のトナー像である画像パターンを読み取る光学検出手段と、
前記光学検出手段が読み取った前記画像パターンの画像情報と基準画像情報との差異に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と、を備え、
前記補正手段による補正時に形成される画像パターンが、前記光学検出手段によって読み取られる第1の画像パターンと、前記第1の画像パターンによるゴーストを除去すべく記録材の通紙幅方向の寸法が前記第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンとを有する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正手段は、通常画像形成時とは異なるシーケンスにおいて画像特性を判断するための少なくとも1つ以上の画像パターンAを前記記録材上に形成し、形成された前記画像パターンAを読み取り手段によって読み取り、その読み取った画像情報に基づいて画像形成条件を制御する第1の制御系と、
前記第1の制御系による画像制御を終了した時点で、前記像担持体上に少なくとも1つ以上の画像パターンBを形成し、形成された前記画像パターンBの画像情報を前記光学検出手段によって読み取り、その画像情報を基準として通常画像形成中又はスタンバイ時に、前記画像パターンBを前記像担持体上に形成し、形成された前記画像パターンBを、前記光学検出手段によって読み取り、その読み取った画像情報と基準画像情報との差異に基づいて第1の制御系による画像制御により補正した画像形成条件をさらに補正する第2の制御系と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記像担持体表面に画像情報に基づく静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像する複数色の現像器を有する現像手段と、前記像担持体表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを備え、帯電、露光、現像、転写の各画像形成プロセスを繰り返して前記記録材上に複数色のトナー像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体上に形成された所定のトナー像である画像パターンを読み取る光学検出手段と、
前記光学検出手段が読み取った前記画像パターンの画像情報と基準画像情報との差異に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と、を備え、
前記補正手段による補正時に形成される画像パターンが、前記光学検出手段によって読み取られる第1の画像パターンと、前記第1の画像パターンによるゴーストを除去すべく記録材の通紙幅方向の寸法が前記第1の画像パターンよりも長く設定された第2の画像パターンとを有する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正手段は、通常画像形成時とは異なるシーケンスにおいて画像特性を判断するための少なくとも1つ以上の画像パターンAを前記記録材上に形成し、形成された前記画像パターンAを読み取り手段によって読み取り、その読み取った画像情報に基づいて画像形成条件を制御する第1の制御系と、
前記第1の制御系による画像制御を終了した時点で、前記中間転写体上に少なくとも1つ以上の画像パターンBを形成し、形成された前記画像パターンBの画像情報を前記光学検出手段によって読み取り、その画像情報を基準として通常画像形成中又はスタンバイ時に、前記画像パターンBを前記中間転写体上に形成し、形成された前記画像パターンBを、前記光学検出手段によって読み取り、その読み取った画像情報と基準画像情報との差異に基づいて第1の制御系による画像制御により補正した画像形成条件をさらに補正する第2の制御系と、を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記現像手段は、ブラック画像を形成するブラックの現像器と、ブラック以外のカラー画像を形成する少なくとも1つ以上のカラーの現像器とを有する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第2の画像パターンは、画像形成条件を補正するために前記光学検出手段によって読み取られる前記第1の画像パターンが形成された後に形成される、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第1の画像パターンとして、カラー画像の各色成分を含む階調パターンを形成する、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第2の画像パターンは、前記現像手段の現像剤が担持されている領域と同等以上の幅を持つ、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第2の画像パターンは、前記現像手段の現像剤担持体の軸方向に対して、均一なパターンである、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第2の画像パターンは、前記現像手段の現像剤担持体の周方向の長さと同等以上の搬送方向長さを持つ、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記カラーの現像器は、画像形成動作時以外は前記像担持体表面から離間されている、
ことを特徴とする請求項5ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記ブラックの現像器は磁性一成分現像剤によって現像を行い、前記カラーの現像器は非磁性トナーと磁性粒子とを混合してなる二成分現像剤によって現像を行う、
ことを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記光学検出手段は、正反射型センサである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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JP2007218998A (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-30 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
-
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- 2003-08-14 JP JP2003207544A patent/JP2005062244A/ja active Pending
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