JP2005056006A - モアレ低減装置およびプログラム - Google Patents

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直晶 寄田
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Abstract

【課題】パターンや網点などの繰り返し模様の周期に拘わらず確実にモアレを低減可能なモアレ低減装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の画素データ20からなる処理対象の画像を取り込む画像取込手段と、画像における複数の画素データ20の位置を各画素データの近傍領域内で各画素データごとにランダムに移動させる移動手段とを備える。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像のモアレを低減するモアレ低減装置およびプログラムに関し、特に、デジタルカメラによる被写体の撮影画像のモアレ低減に好適なモアレ低減装置およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像処理技術を用いて画像のモアレを低減する方法が提案されている。例えば、下記特許文献1の方法によれば、規則的なパターンを有する画像(例えばシャドウマスクの画像)から縮小画像を生成する際に、モアレの発生を抑えることができる。また、下記特許文献2の方法によれば、印刷物などの網点原稿の画像を生成する際に、モアレの発生を抑えることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−119582号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平5−41793号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の方法では、予め決められた周期のパターンや網点でなければモアレを低減できない。つまり、パターンや網点の周期の変化には対応できない。このため、例えばデジタルカメラによって被写体の撮影画像を生成するときのように、被写体が予測不可能な任意周期の繰り返し模様を含む場合には、上記した従来の方法を用いてもモアレを低減できるとは限らない。
【0006】
本発明の目的は、パターンや網点などの繰り返し模様の周期に拘わらず確実にモアレを低減可能なモアレ低減装置およびプログラムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のモアレ低減装置は、複数の画素データからなる処理対象の画像を取り込む画像取込手段と、前記画像における前記複数の画素データの位置を各画素データの近傍領域内で各画素データごとにランダムに移動させる移動手段とを備えたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモアレ低減装置において、前記画像における前記画素データをN個(Nは2以上の整数)の単位領域に分割する分割手段をさらに備え、前記移動手段は、前記分割手段による分割後の前記単位領域を前記移動の最小単位として、分割前の前記画素データの位置をランダムに移動させるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のモアレ低減装置において、前記移動手段による移動後、前記画像における前記画素データの重なり部分と欠落部分とに対して濃度情報の生成処理を行う演算手段をさらに備えたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のモアレ低減装置において、前記移動手段による移動後、前記演算手段によって生成された前記濃度情報を用いて、前記移動前の前記画素データの位置に存在する前記分割移動後のN個の前記単位領域を1つの画素データとして統合する統合手段をさらに備えたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のモアレ低減装置において、前記画像取込手段は、前記画像としてカラー画像を取り込み、前記移動手段は、前記カラー画像に対して色情報の補間処理が行われた後、前記画素データの位置をランダムに移動させるものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のモアレ低減装置において、前記画素データの位置の移動量および移動方向は、前記カラー画像を構成する複数の色画像の同一箇所の画素データに対して同一である。
【0011】
請求項7に記載のモアレ低減プログラムは、複数の画素データからなる処理対象の画像を取り込む画像取込手順と、前記画像における前記複数の画素データの位置を各画素データの近傍領域内で各画素データごとにランダムに移動させる移動手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
ここでは、まず図1のデジタルカメラ11による被写体の撮影画像をコンピュータ12に取り込み、コンピュータ12の内部で撮影画像に対するモアレ低減の画像処理を行う例について説明を行う。この場合、コンピュータ12は、請求項の「モアレ低減装置」に対応する。
【0013】
また、図示省略したが、図1のデジタルカメラ11には、一般的なデジタルカメラと異なり、光学ローパスフィルタ(OLPF)が組み込まれていない。一般的なデジタルカメラにおけるOPLFの機能と不具合について、次に簡単に説明しておく。OLPFは通常、撮影レンズと撮像素子との間に配置される。
一般的なデジタルカメラでは、OLPFにより画像情報の高周波成分が取り除かれた光を撮像素子に入射させることにより、モアレの発生を抑制するようにしている。しかし、OLPFの高域遮断特性が撮像素子の画素間隔に対して最適化されていないと、モアレ低減の効果が不十分だったり、逆に解像度が低下してしまったり、という不具合が生じる。さらに、この不具合を解消するためにはOLPFの設計変更が必要であり、コスト高を招く。
【0014】
そこで本実施形態では、適切なモアレ低減の効果を安価に得るため、OLPFが組み込まれていないデジタルカメラ11を用い、デジタルカメラ11による被写体の撮影画像(高周波成分が取り除かれていないもの)をコンピュータ12に取り込み、コンピュータ12の内部でモアレ低減の画像処理を行う。さらに、被写体の繰り返し模様の周期に拘わらず確実にモアレを低減するようにした。
【0015】
次に、コンピュータ12におけるモアレ低減の画像処理について説明する。
コンピュータ12は、処理対象の撮影画像をデジタルカメラ11から取り込み、図2に示すフローチャートの手順にしたがって、撮影画像のモアレ低減の画像処理を実行する。説明を単純化するために、デジタルカメラ11の撮像素子をモノクロ撮像素子とする。
【0016】
なお、コンピュータ12は、モアレ低減プログラム(図2)がインストールされた汎用のコンピュータである。汎用のコンピュータには、記録媒体120(CD−ROMなど)に記録されたモアレ低減プログラムをインストールすれば良い。または、インターネットを介してダウンロードされたモアレ低減プログラムをインストールしても良い。
【0017】
コンピュータ12がデジタルカメラ11から取り込んだ撮影画像は、複数の画素データからなる。図3に示すように、複数の画素データ20は、水平方向および垂直方向に2次元配列され、撮影画像を構成している。個々の画素データ20の大きさ(占有面積)は、図3に太い実線で示した矩形枠により規定される。画素データ20の水平方向および垂直方向の辺の長さをX1,Y1とする。
【0018】
図3には、個々の画素データ20の濃度値をA,B,C,…の文字で表した。個々の画素データ20の濃度値A,B,C,…は、撮影画像の絵柄に応じた値を示している。撮影画像にモアレが発生した場合、画素データ20の濃度値A,B,C,…は、粗い縞模様のような強弱分布となる。
さて、コンピュータ12は、複数の画素データ20からなる撮影画像(図3)を取り込むと、図2のステップS1の処理を行う。つまり、画素データ20の水平方向および垂直方向の辺の長さX1,Y1を各々1/4倍した領域を単位領域として(図4参照)、画素データ20を16個の単位領域に分割する。
【0019】
単位領域に分割後の画素データ20に相当する領域は、図4の太い実線の矩形枠で示される。一方、図4の太い点線の矩形枠30は、図3に示す画素データ20を16分割した際の分割された1つの領域(単位領域)を示している。以下の説明では、太い点線の矩形枠30の領域(単位領域)を「画素データ30」という。図4にも、個々の画素データ30の濃度値をA,B,C,…で表した。
【0020】
図4から分かるように、分割後の画素データ20は、16個の画素データ30からなる。これら16個の画素データ30は、互いに濃度値が等しく、分割前の画素データ20とも濃度値が等しい。なお、コンピュータ12における画像処理は、画素データ30を最小単位として行うことができる。
このような分割処理(図2のステップS1)は、モアレ低減のための前処理に相当する。この時点では、単にデータ量が16倍に増加しただけであり、モアレ低減の効果は未だ現れていない。図3の撮影画像(分割処理の前)における画素数(画素データ20の数)をM個とすると、図4の撮影画像(分割処理の後)における画素数(画素データ30の数)は、16×M個である。
【0021】
次に、コンピュータ12は、分割後の画素データ20(16個の画素データ30の集団)を1単位として、図2のステップS2の処理を行う。つまり、図4の撮影画像における分割後の画素データ20の位置を、その近傍領域内で移動させる。移動量の最小単位は、1つの画素データ30の辺の長さX1/4,Y1/4である。
【0022】
例えば、図5には、分割後の画素データ20を水平方向にX1/4だけ移動させ、かつ、垂直方向にY1/4だけ移動させた例を示す。移動後の画素データ20は斜線ハッチングの領域である。
さらに、ステップS2の移動処理は、次のステップS3の判定がYesとなるまで、図4の撮影画像における全ての画素データ20に対してランダムに行われる。つまり、コンピュータ12は、全ての画素データ20の位置を、各画素データ20ごとにランダムに移動させる。
【0023】
図6には、6個の画素データ20のランダム移動の一例が示されている。図6では移動後の画素データ20の領域を太い実線で示した。また、6個の画素データ20を互いに区別するため、各々の領域内に(1)〜(6)の符号を付した。
(1)の画素データ20は左下方向へ移動し、(2)の画素データ20は右上方向へ移動している。(3)の画素データ20は移動していない。(4)の画素データ20は、下方向へ移動し、(5)の画素データ20は上方向へ移動し、(6)の画素データ20は右方向へ移動している。移動量は何れも1つの画素データ30に相当する長さ分である。
【0024】
ランダム移動としては図6の例に限らず、移動方向と移動量とを任意に組み合わせることができる。移動量は複数の画素データ30に相当する長さ分でも構わない。画素データ20ごとに移動量が異なっても良い。
コンピュータ12は、撮影画像における全ての画素データ20の位置をランダムに移動させると(S3がYes)、次のステップS4に進み、画素データ20の重なり部分と欠落部分に対して濃度情報の生成処理を行う。この生成処理は、個々の画素データ30ごとに行われる。
【0025】
まず、重なり部分に対しては、重なった2つの画素データ30の濃度値を平均する方法や、一方の画素データ30の濃度値を支配的にする方法などにより、重なり部分の濃度値を計算すれば良い。また、欠落部分(空白部分)に対しては、隣り合う画素データ30の濃度値の例えば平均を計算して、この計算結果を欠落部分の濃度値とすれば良い。単純に、移動処理の前の元の濃度値を欠落部分の濃度値としても良い。
【0026】
そして生成処理後、コンピュータ12は、図2のステップS5において、最終的な撮影画像のデータ量が現在のままで良いか否かを判定する。現在のデータ量は図3の元の撮影画像の16倍である。そして現在のままで良い場合(S5がYes)には、16倍のデータ量のものを最終的な撮影画像とする。
また、データ量の削除が必要な場合(S5がNo)には、ステップS6で、画素データ30の水平方向および垂直方向の各辺について各々4画素分を統合する。この統合処理は、周知の解像度変換の処理によって実現される。このような統合処理の後、元の撮影画像と同じデータ量のものを最終的な撮影画像とする。
【0027】
本実施形態によれば、撮影画像(図4)における画素データ20の位置をランダムに移動させるため、写真フィルムと同様の状態、つまり、写真フィルムの銀粒子に相当する画素がランダムに配置された状態を作り出すことができ、撮影画像の高周波成分を取り除くことができる。したがって、被写体の繰り返し模様の周期に拘わらず、撮影画像のモアレを確実に低減することができる。
【0028】
さらに、デジタルカメラ11から取り込んだ撮影画像(図3)に対して分割処理を行うため、画素データ20の位置を、分割後の画素データ30を最小単位として(つまり1画素以下の移動量で)、細かくランダム移動させることができる。したがって、撮影画像の劣化(解像度の低下)を回避しつつ、モアレを低減させることができる。
【0029】
また、画素データ20のランダム移動において、その移動量を可変することにより、モアレ低減の効果を調整することも可能である。すなわち、移動量を大きくした場合には、モアレ低減の効果を高めることができる。逆に移動量を小さくすると、モアレ低減の効果は低下するが、解像度重視の鮮鋭な撮影画像を得ることができる。
【0030】
さらに、最終的な撮影画像を生成する際にデータ量を元に戻すことができるため、その撮影画像を記憶する媒体の容量を大きくする必要がない。データ量を元に戻す際の統合処理は、ランダム移動後の画素データ20どうしで行われるため、この統合処理により再びモアレが発生することはない。
また、本実施形態では、OLPFが組み込まれていないデジタルカメラ11を用い、デジタルカメラ11による被写体の撮影画像(高周波成分が取り除かれていないもの)をコンピュータ12に取り込み、コンピュータ12の内部でモアレ低減の画像処理を行うため、適切なモアレ低減の効果を得ることができ、かつ、システム全体としての低コスト化も図られる。
【0031】
なお、上記した第1実施形態では、OLPFが組み込まれていないデジタルカメラ11からの撮影画像(高周波成分が取り除かれていないもの)を処理対象としたが、本発明はこれに限定されない。デジタルカメラにOLPFが組み込まれている場合でも、そのデジタルカメラからの撮影画像(ある程度の高周波成分が取り除かれているもの)を取り込み、モアレ低減の画像処理を行っても良い。この場合、OLPFによる不十分なモアレ低減の効果を修正することができ、全体として適切なモアレ低減の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態ではコンピュータ12の内部でモアレ低減の画像処理を行う例について説明したが、デジタルカメラの内部で同様の処理を行っても良い。第2実施形態では、モアレ低減の画像処理をデジタルカメラの内部で行う例について説明する。この場合、デジタルカメラにおけるOLPFの有無は、どちらでも構わない。OLPFを組み込まない場合には、適切なモアレ低減の効果が得られ、かつ、低コスト化も図られたデジタルカメラを構成することができる。
【0032】
例えば、図7に示すように、第2実施形態のデジタルカメラ40が、撮影レンズ41と撮像素子42とアナログ信号処理部43とA/D変換器44とデジタル信号処理部45とCPU46とバッファメモリ47とで構成される場合、モアレ低減の画像処理は例えばデジタル信号処理部45で行われる。デジタル信号処理部45にはRAWデータが入力される構成としても良い。この場合には、デジタル信号処理部45が、請求項の「モアレ低減装置」に対応する。
【0033】
以下、1次元のサンプリング過程を例にとって、モアレ低減の画像処理について具体的に説明する。
図8(a)に示されるsin波形を、図8(b)に示されるサンプリング周期Tのタイミングでサンプリングすると、図8(c)の波形が得られる。ここでは、簡単のため、図8(b)のタイミングパルスによるサンプリング周期を、図8(a)のsin波形の周期の1.25倍とし、図8(c)に示されるように、タイミングパルスの入力時点のsin波形の振幅方向の値が、J,K,・・・,Qで示される各サンプルのサンプル値として得られるものとする。
【0034】
このようにナイキスト周波数より大きい周波数の波形をサンプリングすると、図8(c)に示されるようなモアレ成分が発生する。なお、図8(c)に併記される数値は、信号レベルを十進数で示したものである。
そこで、図8(c)に破線で示されるように、各サンプルJ〜Qのデータ数を4倍にした後に、各サンプルJ〜Qをランダムに移動させる。最小移動単位をT/4、最大移動量をT未満とする。
【0035】
ここでは、サンプルJを+T/4、サンプルLを−2T/4、サンプルMを+2T/4、サンプルNを−T/4、サンプルOを+2T/4、サンプルQを−2T/4だけ移動させ、サンプルK、サンプルPを移動しない場合について考える。上記移動量の+は図8上の右方向への移動、上記移動量の−は図8上の左方向への移動を示すものとする。
【0036】
このようなランダムな移動を行った後、データ数増加後(分割後)の各サンプル点t1〜t32のサンプル値を求めると、図8(d)のようになる。
例えば、サンプル点t5は、サンプル値50のサンプルJが+T/4移動したものと、サンプル値100のサンプルKの重複した領域であるので、例えば次の式(1)のようにしてサンプル値を得ることができる。
【0037】
(50+100)/2=75 …(1)
ここでは、重複(重なり)領域のサンプル値を、重複する各領域のサンプル値から平均化処理によって算出する例について説明したが、例えば、重複する各領域のサンプル値の最大値や最小値を選択するもの等であっても構わない。
上記と同様な手法によって、サンプル点t7、t8,t16,t17,t18、t25,t26,t27,t28のサンプル値を得ることができる。
【0038】
また、サンプル点t11〜t14は、サンプル値50のサンプルLが−2T/4移動したものと、サンプル値0のサンプルMが+2T/4移動したものとの間に挟まれた空白(欠落)領域に相当する。したがって、サンプル点t11〜t14のサンプル値は、サンプル点t10のサンプル値50と、サンプル点t15のサンプル値0とから、補間によって算出される。
【0039】
例えば、サンプル点t14のサンプル値は、サンプル点t15からの距離がT/4、サンプル点t10からの距離がTであるので、次の式(2)のようにして求められる。
0+(50−0)x1/(4+1)=10 …(2)
上記と同様の手法によって、サンプル点t11,t12,t13,t20,t21,t22、t31,t32のサンプル値を得ることができる。
【0040】
図8(d)は、このようにして得られたサンプル点t1〜t32の各サンプル値を示したものである。
このように、図8(c)に示されるモアレ波形に比較してピーク値をとる期間が低減し、モアレ波形の規則性が崩されており、モアレ成分の視覚上の影響が低減されている。
【0041】
次に、サンプル点t1〜t32の各サンプル値を用いて、サンプルJ〜Qの各々に相当する期間のサンプル値を算出する統合処理について説明する。
統合処理は、データ量の削減の必要がある場合に、操作者の指示によって行われる。
例えば、サンプルJに相当する期間は、サンプル点t1〜t4の4つのサンプル点で構成される。
【0042】
したがって、サンプルJに相当する期間のサンプル値は、サンプルt1のサンプル値25,サンプル点t2のサンプル値50,サンプル点t3のサンプル値50,サンプル点t4のサンプル値50より、次の式(3)のようにして求められる。
(25+50+50+50)/4=43.75 …(3)
上記と同様な手法により、サンプルK〜Qの各々に相当する期間のサンプル値は、図8(e)に示されるように各々、81.25,42.5,13.75,40.625、90.625,50,12.525となる。
【0043】
このようにして得られた波形は、図8(c)に示されるモアレの波形に比較してその振幅が小さくなっており、モアレ量が低減されていることがわかる。
上述の演算処理は、図7のデジタル信号処理部45,CPU46,バッファメモリ47によって行われる。
なお、上記説明においては、タイミングパルスの入力時点のsin波形の振幅方向の値が、図8(c)にJ,K,・・・,Qで示されるサンプリング値として得られるものとした例について説明を行ったが、タイミングパルスの入力時点より遡った時点からのsin波形の積分値がサンプリング値として得られる構成とした場合にも同様の効果を得ることができる。
【0044】
サンプリング値として上述の積分値が得られるのは、図7の撮像素子42による空間的サンプリングに相当する。すなわち、上記のsin波形は、撮像素子42の撮像面に形成された被写体像であり、上記の積分の範囲は、撮像素子42の撮像面を構成する画素の画素開口範囲に相当する。
一方、図8で説明したタイミングパルスの入力時点のsin波形の振幅方向の値が、図8(c)にJ,K,・・・,Qで示されるサンプリング値として得られるものとした例は、A/D変換器44として並列型(フラッシュ型)A/D変換器を使用した場合に相当する。
【0045】
モアレは、上述の空間的な(撮像による)サンプリングと、信号処理上の(A/D変換による)サンプリングとによって発生する。
本実施形態によれば、いずれのサンプリングにおいて発生したモアレも低減させることが可能となるとともに、両方のサンプリングで発生したモアレについても低減させることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態によれば、撮影画像(図4)における画素データ20の位置をランダムに移動させるため、写真フィルムと同様の状態、つまり、写真フィルムの銀粒子に相当する画素がランダムに配置された状態を作り出すことができ、撮影画像の高周波成分を取り除くことができる。したがって、被写体の繰り返し模様の周期に拘わらず、撮影画像のモアレを確実に低減することができる。
【0047】
さらに、撮像素子42から取り込んだ撮影画像(図3)に対して分割処理を行うため、画素データ20の位置を、分割後の画素データ30を最小単位として(つまり1画素以下の移動量で)、細かくランダム移動させることができる。したがって、撮影画像の劣化(解像度の低下)を回避しつつ、モアレを低減させることができる。
【0048】
また、画素データ20のランダム移動において、その移動量を可変することにより、モアレ低減の効果を調整することも可能である。すなわち、移動量を大きくした場合には、モアレ低減の効果を高めることができる。逆に移動量を小さくすると、モアレ低減の効果は低下するが、解像度重視の鮮鋭な撮影画像を得ることができる。
【0049】
さらに、最終的な撮影画像を生成する際にデータ量を元に戻すことができるため、その撮影画像を記憶する媒体の容量を大きくする必要がない。データ量を元に戻す際の統合処理は、ランダム移動後の画素データ20どうしで行われるため、この統合処理により再びモアレが発生することはない。
上記した第2実施形態では、1次元のサンプリング過程によるモアレ低減の画像処理をデジタルカメラ40の内部で行う例について説明したが、同様のサンプリング過程によるモアレ低減の画像処理を第1実施形態のコンピュータ12(図1参照)の内部で行っても良い。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、デジタルカメラ11(図1)または撮像素子42(図7)からの撮影画像(図3)に対して分割処理を行う際、画素データ20の分割数を16個としたが、本発明はこれに限定されない。分割数をN個(Nは2以上の整数)とした場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0050】
また、上記した実施形態では、デジタルカメラ11(図1)または撮像素子42(図7)からの撮影画像(図3)に対して分割処理を行った後で、画素データ20のランダム移動を行ったが、分割処理を省略しても構わない。この場合には、撮影画像(図3)における画素データ20を1画素単位の移動量でランダム移動させることになり、十分なモアレ低減の効果を得ることができる。
【0051】
さらに、上記した実施形態では、デジタルカメラ11の撮像素子がモノクロ撮像素子である例について説明したが、カラー撮像素子の場合にも本発明を適用できる。
図7の撮像素子42が、例えば、赤、青、緑の各々の光を光電変換する3つの光電変換素子で構成されており、デジタル信号処理部45が、撮像素子42で得られたカラー撮影画像のモアレ低減処理を行う場合には、カラー撮影画像を構成する3色の画像で各画素の移動方向と移動量を同じにすることで、モアレを低減しつつ、画面上細部での色付きを防止することが可能となる。
【0052】
さらに、撮像素子42が、撮像面上に異なる色の光を透過させる複数のフィルタを含む1以上の光電変換素子で構成されており、デジタル信号処理部45が、撮像素子42で得られたカラー撮影画像のモアレ低減処理を行う場合には、色情報の欠落している画素部分の明るさの情報を周囲の画素の明るさの情報から補間によって算出する所謂色補間のなされた各色信号に対して、各画素の移動方向と移動量を同じにすることで、モアレを低減しつつ、画面上細部での色付きを防止することが可能となる。
【0053】
さらに、上記のモアレ低減のための画像処理は、撮像素子42の撮像により得られたカラ−画像から生成された輝度画像で行うものであっても良い。
さらに、上記した実施形態では、デジタルカメラによる撮影画像のモアレ低減を例に説明したが、その他の画像を処理対象とした場合でも、繰り返し模様の周期に拘わらず確実にモアレを低減することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パターンや網点などの繰り返し模様の周期に拘わらず確実にモアレを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラ11とコンピュータ12とからなるシステムの概略図である。
【図2】モアレ低減の画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】デジタルカメラ11からの撮影画像を説明する図である。
【図4】画素データ20の拡大処理を説明する図である。
【図5】拡大後の画素データ20の移動を説明する図である。
【図6】複数の画素データ20のランダム移動を説明する図である。
【図7】デジタルカメラ40の概略構成を示すブロック図である。
【図8】モアレ低減の画像処理の内容を説明する図である。
【符号の説明】
11,40 デジタルカメラ
12 コンピュータ
20,30 画素データ
41 撮影レンズ
42 撮像素子
44 デジタル信号処理部

Claims (7)

  1. 複数の画素データからなる処理対象の画像を取り込む画像取込手段と、
    前記画像における前記複数の画素データの位置を各画素データの近傍領域内で各画素データごとにランダムに移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするモアレ低減装置。
  2. 請求項1に記載のモアレ低減装置において、
    前記画像における前記画素データをN個(Nは2以上の整数)の単位領域に分割する分割手段をさらに備え、
    前記移動手段は、前記分割手段による分割後の前記単位領域を前記移動の最小単位として、分割前の前記画素データの位置をランダムに移動させることを特徴とするモアレ低減装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモアレ低減装置において、前記移動手段による移動後、前記画像における前記画素データの重なり部分と欠落部分とに対して濃度情報の生成処理を行う演算手段をさらに備えたことを特徴とするモアレ低減装置。
  4. 請求項3に記載のモアレ低減装置において、
    前記移動手段による移動後、前記演算手段によって生成された前記濃度情報を用いて、前記移動前の前記画素データの位置に存在する前記分割移動後のN個の前記単位領域を1つの画素データとして統合する統合手段をさらに備えたことを特徴とするモアレ低減装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載のモアレ低減装置において、
    前記画像取込手段は、前記画像としてカラー画像を取り込み、
    前記移動手段は、前記カラー画像に対して色情報の補間処理が行われた後に、前記画素データの位置をランダムに移動させることを特徴とするモアレ低減装置。
  6. 請求項5に記載のモアレ低減装置において、
    前記画素データの位置の移動量および移動方向は、前記カラー画像を構成する複数の色画像の同一箇所の画素データに対して同一であることを特徴とするモアレ低減装置。
  7. 複数の画素データからなる処理対象の画像を取り込む画像取込手順と、
    前記画像における前記複数の画素データの位置を各画素データの近傍領域内で各画素データごとにランダムに移動させる移動手順とをコンピュータに実行させるためのモアレ低減プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9350962B2 (en) 2012-08-23 2016-05-24 Fujifilm Corporation Image processing device, imaging apparatus, computer, image processing method, and non-transitory computer readable medium
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