JP2005055533A - トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電性、帯電安定性等に優れ、地汚れやフィルミング等を生ずることなく、耐オフセット性が良好で、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能なトナー等の提供。
【解決手段】活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中でトナーバインダーを生成しつつ粒子状に得られ、フッ素原子の含有率が2〜30原子個数%であるトナー。該フッ素含有化合物がフッ素含有4級アンモニウム塩化合物である態様、該フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が、下記構造式(1)で表される態様、などが好ましい。
【化1】
Figure 2005055533

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられるトナー及びその製造方法、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法等による画像形成は、一般に、感光体(静電荷像担持体)上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で該静電荷像を現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙等の記録媒体に転写し定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる(特許文献1及び2等参照)。前記トナーは、バインダー(結着樹脂)中に着色剤、帯電制御剤等を含有してなる着色粒子である。前記トナーの製造方法には、大別して粉砕法と懸濁重合法とが知られている。
【0003】
前記粉砕法は、結着樹脂中に着色剤、帯電制御剤等を溶融混合し均一に分散させて得られたトナー組成物を粉砕、分級等してトナーを製造する方法である。該粉砕法の場合、以下のような問題がある。即ち、トナー組成物の粉砕を行うための粉砕機等が必要であり、コスト高となり効率的ではない。また、前記粉砕の際に粒径分布の広いトナー粒子が形成され易く、高解像度・高階調性の画像を得るためには、例えば粒径が5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉とを分級して除去する必要があり、収率が大幅に低下してしまうという問題がある。更に、結着樹脂中に着色剤、帯電制御剤等の添加剤を均一に分散させることが困難である。該添加剤が均一に分散されていないトナーを用いると、流動性、現像性、耐久性、画像品質等が低下してしまうという問題がある。
【0004】
前記懸濁重合法は、溶媒中にトナー材料を懸濁重合させることによりトナーを製造する方法である。該懸濁重合法の場合、前記粉砕法における問題を解消し得るものの、以下のような問題がある。即ち、得られるトナー粒子が球形であるため、画像面積率の高い写真画像などを形成した際に転写残トナーが多くなり、クリーニング不良が生ずる。また、給紙不良等により未転写の画像を形成した際にトナーが感光体上に残留し、それが蓄積すると画像の地肌汚れ(かぶり)が生じてしまう。その結果、帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力が発揮できなくなってしまうという問題がある。
【0005】
このため、樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を製造する乳化重合法が知られている(特許文献3参照)。しかし、該乳化重合法の場合、洗浄工程を経ても界面活性剤が、トナー粒子の表面だけでなく内部にも多量に残存する結果、該トナー粒子の帯電安定性が低下し、帯電量分布が広くなり、得られたトナーを用いて画像を形成すると、地肌汚れ(かぶり)が生じたり、感光体、帯電ローラ、現像ローラ等に汚れが生じて本来の帯電能力を発揮できなくなるという問題がある。
【0006】
近時、有機溶剤等に溶解したポリマーからトナー粒子を造粒し製造する溶解懸濁法(Emulsion−Aggregation法;EA法)が提案されている(特許文献4参照)。しかし、該溶解懸濁法の場合、トナーの構造制御(コア/シェル構造制御)が可能であるとされているが、該コア/シェル構造におけるシェルは、顔料やワックスのトナー粒子表面への露出を単に抑制するための層であり、特にトナーの表面状態を工夫したものではないことが知られており(非特許文献1参照)、低温定着条件における耐熱保存性、環境帯電安定性等が十分ではないという問題がある。
【0007】
従来における前記懸濁重合法、前記乳化重合法、前記溶解懸濁法等においては、結着樹脂としていずれもスチレン−アクリル酸エステル共重合体が多用され、粒子化が困難で、粒径、粒度分布、形状等の制御が難しく、低温定着条件における定着性に劣るポリエステル樹脂は一般に用いられていない。そこで、耐熱保存性及び低温定着性の向上を図る観点から、ウレア結合で変性されたポリエステル樹脂を使用することが提案されている(特許文献5参照)。しかし、この場合、トナー粒子の表面状態が工夫されていないため、低温定着条件等の厳しい条件下における環境帯電安定性が十分ではないという問題がある。
【0008】
ところで、高画質化には、トナー粒子の小径化及び球形化が重要であるとの認識が高まってきている(特許文献6参照)。しかし、トナーを小径化すると転写性及び定着性が低下し、貧弱な画像となってしまうという問題がある。一方、トナーを球形化すると転写性が改善することから、球形トナーを用いて高画質化及び高速化を図ることも検討されている。前記高画質化及び高速化を可能とするフルカラー画像形成システムとして、「タンデム方式」が提案されており(特許文献7参照)、該「タンデム方式」に前記球形トナーを用いることも考えられるが、該「タンデム方式」の場合、用いる球形トナーに、低温条件での定着を可能とする良好な定着性が要求される。ところが、低温条件で良好な定着性を有する球形トナーは未だ提供されていないのが現状である。また、トナーの一般的特性として、粒径・形状均一性、帯電特性、保管時乃至運搬時の耐凝集性、流動性、転写性、定着性、保存性等が経時劣化しないことが要求されるが、球形トナーにおいては、これらの諸特性を有するものが提供されていないのが現状である。
【0009】
前記諸特性の中でも、前記粒径・形状均一性は画質に影響し重要である。該粒径・形状均一性は、前記球状トナー粒子の表面に樹脂微粒子を存在させることによって達成することできることが知られている。しかし、トナー表面に、前記樹脂微粒子を存在させた場合には定着阻害が発生し定着温度幅を十分に確保することができなくなり、また、耐オフセット性の改善目的で離型剤微粒子を存在させた場合には該離型剤微粒子が前記トナー粒子の内部に取り込まれてしまいその改善効果が十分ではないことがあり、前記樹脂微粒子、前記離型剤微粒子、着色剤微粒子等をランダムに存在させた場合にはトナー粒子間の組成・表面特性が不均一となり画像を安定して形成することができない。
一方、前記諸特性の中でも、前記帯電特性も特に画質に関係し重要である。該帯電特性を向上させる目的で、負帯電トナーにフッ素含有化合物を含有させることが提案されている(特許文献8及び9参照)。しかし、この場合、添加処理するフッ素含有化合物の種類・量、処理条件等によっては、帯電立上り性の改善効果が十分でなかったり、経時的に地肌汚れ(かぶり)やトナー飛散が発生したり、環境帯電安定性が十分でなかったり、帯電特性以外の特性が劣化したりすることがある。
【0010】
したがって、前記諸問題がなく、前記諸特性を満足する球状トナーは、未だ提供されていないのが現状であり、かかる球状トナーの提供が強く望まれている。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第2297691号明細書
【特許文献2】
特公昭43−24748号公報
【特許文献3】
特許第2537503号公報
【特許文献4】
特許第3141783号公報
【特許文献5】
特開平11−133667号公報
【特許文献6】
特開平9−258474号公報
【特許文献7】
特開平5−341617号公報
【特許文献8】
特許第2942588号公報
【特許文献9】
特許第3102797号公報
【非特許文献1】
石山孝雄、外2名「新製法トナーの特徴と将来展望」、第4回日本画像学会・静電気学会ジョイントシンポジウム(2002.07.29)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、弱帯電・逆帯電等のトナーの含量が少なく、長期間にわたって、帯電量分布をシャープに維持可能であり、かつ帯電性、帯電安定性等に優れ、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能なトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用いた、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> 活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中でトナーバインダーを生成しつつ粒子状に得られ、フッ素原子の含有率が2〜30原子個数%であることを特徴とするトナーである。
<2> フッ素含有化合物を含む前記<1>に記載のトナーである。
<3> フッ素含有化合物がフッ素含有4級アンモニウム塩化合物から選択される前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が下記構造式(1)で表される前記<3>に記載のトナーである。
【化3】
Figure 2005055533
ただし、前記構造式(1)中、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。Rは、水素原子、フッ素原子又は炭化水素基を表す。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子又は炭化水素基を表す。Xは、二価有機基を表す。Yは、対イオンを表す。mは、1以上の整数を表す。
<5> フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が下記構造式で表される前記<3>に記載のトナーである。
【化4】
Figure 2005055533
ただし、前記構造式中、Xは、ハロゲン原子を表す。
<6> トナーバインダーがポリエステル樹脂を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 樹脂微粒子を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 樹脂微粒子を0.5〜5.0質量%含む前記<7>に記載のトナーである。
<9> 樹脂微粒子の重量平均分子量(Mw)が9,000〜200,000である前記<7>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)が40〜100℃である前記<7>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で分散させかつ反応させてトナーバインダーを生成させつつ該トナーバインダーによる粒子を得るトナーバインダー生成工程と、該粒子の表面をフッ素含有化合物により処理するフッ素処理工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<12> 前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<13> 前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーを容器中に収容してなることを特徴とするトナー入り容器である。
<14> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<15> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<16> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
【0014】
本発明のトナーは、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させてなるトナーバインダーを含み、フッ素原子の含有率が2〜30原子個数%である。該トナーは、表面に存在するフッ素原子の含有率が所定の範囲内であるので、帯電量分布がシャープであり、鮮鋭性の良好な可視画像を長期間に亘って確保することができ、弱帯電・逆帯電等のトナーの含量が少なく、長期間にわたって、帯電量分布をシャープに維持可能であり、かつ帯電性、帯電安定性等に優れ、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能である。また、該トナーは、前記活性水素基含有化合物及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させてなる前記トナーバインダーを含むので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性等の諸特性に優れる。
なお、本発明のトナーにおいては、前記ポリエステル樹脂がウレア変性ポリエステル樹脂を含む態様、前記樹脂微粒子が、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成された態様、前記樹脂微粒子の平均粒径が5〜500nmである態様、前記非反応性ポリエステル樹脂を含み、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と該非反応性ポリエステル樹脂との質量比(重合体/非反応性ポリエステル樹脂)が、5/95〜75/25である態様、離型剤及び帯電制御剤から選択される少なくとも1種を含む態様、体積平均粒径が3〜8μmである態様、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が1.00〜1.25である態様、平均円形度が0.900〜0.980である態様、トナーがシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックから選択される少なくとも1種である態様、などが好ましい。
【0015】
本発明のトナーの製造方法は、本発明の前記トナーの製造方法であって、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で分散させかつ反応させてトナーバインダーを生成させるトナーバインダー生成工程と、該トナーバインダーにより形成される粒子の表面をフッ素含有化合物により処理するフッ素処理工程とを含む。該トナーの製造方法においては、前記トナーバインダー生成工程において、前記活性水素基含有化合物及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記水系媒体中で分散されかつ反応されてトナーバインダーが生成される。前記フッ素処理工程において、該トナーバインダーにより形成される粒子の表面がフッ素含有化合物により処理される。その結果、表面に存在するフッ素原子の含有率が所定の範囲内に制御された本発明の前記トナーが製造される。
【0016】
本発明の現像剤は、前記本発明のトナーを含む。このため、該現像剤は、長期間にわたって、帯電量分布をシャープに維持可能であり、かつ帯電性、帯電安定性等に優れ、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能である。
本発明の現像剤においては、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかである態様などが好ましい。
【0017】
本発明のトナー入り容器は、前記本発明のトナーを容器中に収容してなる。このため、該トナー入り容器に収容されたトナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、長期間にわたって、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能である。
【0018】
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する。該プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いるので、弱帯電・逆帯電等のトナーの含量が少なく、長期間にわたって、帯電量分布をシャープに維持可能であり、かつ帯電性、帯電安定性等に優れ、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能である。
【0019】
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。該画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、前記静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像し、可視像を形成する。前記転写手段が、前記可視像を記録媒体に転写される。前記定着手段が、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる。その結果、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、長期間にわたって高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
【0020】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む。該画像形成装置においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、前記静電潜像が前記本発明のトナーを用いて現像され、可視像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。その結果、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、長期間にわたって高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
(トナー)
本発明のトナーは、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させてなるトナーバインダーを少なくとも含み、フッ素原子の含有率が2〜30原子個数%であり、更に必要に応じて、樹脂微粒子、着色剤、離型剤、非反応性ポリエステル樹脂、帯電制御剤等のその他の成分を含む。
【0022】
−トナーバインダー−
前記トナーバインダーは、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなるバインダーを少なくとも含み、更に必要に応じて公知のバインダー樹脂から適宜選択した他のバインダーを含んでいてもよい。
【0023】
前記トナーバインダーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10,000以上が好ましく、20,000〜10,000,000がより好ましく、30,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、10,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
【0024】
前記トナーバインダーのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜70℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。
前記ガラス転移温度(Tg)が、50℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
【0025】
前記トナーバインダーの貯蔵弾性率(TG’)、即ちトナーバインダーが測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cmとなる温度(TG’)、としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、100℃以上が好ましく、110℃〜200℃がより好ましい。
前記貯蔵弾性率(TG’)が、100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
【0026】
前記トナーバインダーの粘性温度(Tη)、即ち測定周波数20Hzにおいてトナーバインダーの粘度が1000ポイズとなる温度(Tη)、としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、180℃以下が好ましく、90〜160℃がより好ましい。
前記粘性温度(Tη)が、180℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
【0027】
また、前記トナーバインダーの貯蔵弾性率(TG’)は、耐熱保存性と低温定着性との両立の観点からは、前記トナーバインダーの粘度(Tη)よりも高いことが好ましく、具体的には、前記貯蔵弾性率(TG’)と前記粘性温度(Tη)との差ΔT(TG’−Tη)が、0〜100℃であるのが好ましく、10〜90℃であるのがより好ましく、20〜80℃であるのが特に好ましい。
【0028】
なお、本発明において、前記トナー中に含まれる前記トナーバインダーの物性が該トナーの流動特性等の物性に直接関係し、前記トナーバインダーにおける、前記重量平均分子量、前記ガラス転移温度(Tg)、前記貯蔵弾性率(TG’)、前記貯蔵弾性率(TG’)と前記粘性温度(Tη)との差ΔT(TG’−Tη)等については、そのまま前記トナーにおける物性とすることができる。
【0029】
前記トナーバインダーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
【0030】
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、などが好適に挙げられる。
【0031】
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
【0032】
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)など、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
【0033】
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、などが挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。
【0034】
なお、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記トナーバインダーの分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
【0035】
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/2〜2/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1.5であるのがより好ましく、1.2/1〜1/1.2であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、1未満であると、前記ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなることがあり、2を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
【0036】
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量分布がシャープでメルト性が良好な点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0037】
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、などが挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
【0038】
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、などが挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)などが特に好適に挙げられる。
【0039】
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、などが挙げられる。
【0040】
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、などが好ましい。
【0041】
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、などが挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
【0042】
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、などが挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
【0043】
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
【0044】
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
【0045】
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、などが挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
【0046】
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
【0047】
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
【0048】
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記当量比([OH]/[COOH])が、2/1を超えても、あるいは1/1未満であっても、生成するポリエステル樹脂の分子量分布が低くなり、目的とするポリエステル樹脂が得られないことがある。
【0049】
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
【0050】
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
【0051】
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、2.5/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、低温定着性が悪化することがある。
【0052】
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
【0053】
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、2〜3がより好ましく、2.01〜2.5がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
【0054】
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられる。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記セルソルブ類としては、例えば、メチルセルソルブ等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メタノールが好ましい。
【0055】
−フッ素原子の含有率−
本発明のトナーは、フッ素原子を含有してなり、該フッ素原子の含有率としては、2〜30原子個数%であることが必要であり、2〜15原子個数%がより好ましい。
前記フッ素原子の含有率が、2原子個数%未満であると、弱帯電・逆帯電等のトナーの含量が多くなり、帯電量分布をシャープに維持できなくなり、帯電性、帯電安定性等が劣化し、地汚れやフィルミング等が生じ易く、耐オフセット性、クリーニング性が悪化し、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成することができない一方、30原子個数%を超えると、更に定着性の悪化が顕著となる点で、いずれも好ましくない。
前記フッ素原子の含有率は、例えば、X線光電子分光法により好適に測定することができる。なお、前記X線光電子分光法(XPS)は、例えば、公知のX線光電子分光(XPS)装置(例えば、PHI社製1600S型X線光電子分光装置など)を用いて行うことができ、前記フッ素原子含有率はフッ素原子に起因するピークを分離することにより、測定することができる。
【0056】
前記フッ素原子の前記トナーにおける存在領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーの粒子表面から数nm程度の表面層であることが好ましく、該粒子表面から0〜10nmの表面層であることがより好ましい。
なお、前記表面層(フッ素含有層)の厚みは、例えば、X線光電子分光法(XPS)により好適に測定することができる。
【0057】
本発明のトナーは、フッ素含有化合物を含むことにより、前記フッ素原子を含有することができ、この場合、該フッ素含有化合物としては、フッ素原子を含有する化合物である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものの中から適宜選択することができ、有機化合物及び無機化合物のいずれであってもよい。
前記フッ素含有化合物としては、例えば、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物、該フッ素含有4級アンモニウム塩化合物に含金属アゾ染料を併用したもの、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、経時帯電性に優れる点で、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が特に好ましい。
【0058】
前記フッ素含有4級アンモニウム塩化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、下記構造式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
【0059】
【化5】
Figure 2005055533
【0060】
前記構造式(1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。該パーフルオロアルキル基としては、炭素数が3〜30のものが好ましく、3〜15のものがより好ましく、例えば、C3n6n−1(ただし、nは1〜20、好ましくは1〜10の整数を表す。)などが挙げられ、具体的には、例えば、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF10−、CF(CF11−、CF(CF12−、CF(CF13−、CF(CF14−、CF(CF15−、CF(CF16−、CF(CF17−、(CFCF(CF−、などが好適に挙げられる。
【0061】
前記構造式(1)において、Yは、対イオンを表す。該対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、チオシアン酸イオン、有機酸イオン、などが挙げられる。これらの中でも、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、等のハロゲンイオンが特に好ましい。
【0062】
前記構造式(1)において、Xは、二価有機基を表す。該二価有機基としては、例えば、−SO−、−CO−、−(CH)x−、−SON(R)−(CH)x−、−(CH)x−CH(OH)−(CH)x−、などが挙げられる。ここで、xは、1〜6の整数を表す。Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。これらの中でも、−SO−、−CO−、−(CH−、−SON(C)−(CH−、又は−CHCH(OH)CH−が好ましく、−SO−、又は−CO−が特に好ましい。
前記構造式(1)において、mは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
【0063】
前記構造式(1)において、Rは、水素原子、フッ素原子、又は炭化水素基を表す。また、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、又は炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、などが挙げられる。これらは、置換基で更に置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。前記アルケニル基としては、炭素数2〜10のものがより好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。前記アリール基としては、炭素数6〜24のものがより好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、スチリル基、メシチル基、シンナミル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
【0064】
前記構造式(1)で表される化合物の好ましい具体例としては、下記構造式で表される化合物など挙げられる。
【化6】
Figure 2005055533
ただし、前記構造式中、Xは、ハロゲン原子を表す。
【0065】
前記構造式で表わされる化合物の好ましい具体例としては、下記構造式(2)から(55)のいずれかで表される化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は、すべて白色又は淡黄色を有している。
【0066】
【化7】
Figure 2005055533
【0067】
【化8】
Figure 2005055533
【0068】
【化9】
Figure 2005055533
【0069】
【化10】
Figure 2005055533
【0070】
【化11】
Figure 2005055533
【0071】
【化12】
Figure 2005055533
【0072】
【化13】
Figure 2005055533
【0073】
【化14】
Figure 2005055533
【0074】
【化15】
Figure 2005055533
【0075】
【化16】
Figure 2005055533
【0076】
【化17】
Figure 2005055533
【0077】
【化18】
Figure 2005055533
【0078】
【化19】
Figure 2005055533
【0079】
【化20】
Figure 2005055533
【0080】
なお、本発明においては、前記構造式(2)から(55)において、ヨウ素イオン(I)又は臭素イオン(Br)を、塩素イオン(Cl)、フッ素イオン(F)等の他のハロゲン原子イオンに代えた化合物も使用可能である。
【0081】
前記構造式(2)から(55)の中でも、帯電付与能力が高い点で、N.N.N.−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム=ヨージド(前記構造式(13))、N.N.N.−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム=ブロミド(前記構造式(40)などが特に好ましい。
【0082】
前記フッ素原子を前記トナー中に含有させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナーの粒子形状を形成する際に、該粒子の表面に対し前記フッ素含有化合物を用いて表面処理等を行う方法、などが好適に挙げられる。
【0083】
なお、本発明のトナーは、前記構造式(1)表される化合物と共に、金属含有アゾ染料を含むと(併用すると)、帯電量の立ち上がりを早くさせることができる点で有利である。
前記金属含有アゾ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、クロム含有モノアゾ染料、コバルト含有モノアゾ染料、鉄含有モノアゾ染料、又はこれらを組み合わせて使用することができる。前記金属含有アゾ染料の市販品としては、例えば、アイゼンスピロンブラックTRH、アイゼンカラーT−37、アイゼンカラーT−77(いずれも保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−32、ボントロンS−34、ボントロンS−40、ボントロンS−44(いずれもオリエント化学社製)、などが挙げられる。
前記金属含有アゾ染料の前記トナーにおける含有量としては、前記トナーバインダー100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
【0084】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂微粒子、着色剤、離型剤、非反応性ポリエステル樹脂、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、などが挙げられる。
【0085】
前記樹脂微粒子は、一般に、トナー形状(平均円形度、粒度分布など)の制御等の目的で使用される。該樹脂微粒子は、前記トナーバインダーが生成され、トナーの粒子形状が形成される際に、該粒子形状の表面等に付着乃至結合等する。なお、前記樹脂微粒子が前記トナーの粒子表面に存在していると、該トナーの表面のフッ素含有率の制御が容易である点で有利である。
【0086】
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成可能な樹脂で形成されているのが好ましく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択した樹脂により形成されていてよく、該樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよい。
該樹脂の具体例としては、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状の樹脂微粒子の水性分散液の調製が容易である点で、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、これらの混合物が好ましい。なお、前記ビニル系樹脂は、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
【0087】
前記樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、40〜100℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。
前記ガラス転移温度(Tg)が、40℃未満であると、前記トナーの保存性が悪化してしまい、前記トナーの保管時及び現像機内でブロッキングが発生することがあり、100℃を超えると、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害して、定着下限温度が上昇することがある。
【0088】
前記樹脂微粒子の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、9,000〜200,000が好ましく、9,000〜150,000がより好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)が、9,000未満であると、前記トナーの保存性が悪化してしまい、前記トナーの保管時及び現像機内でブロッキングが発生することがあり、200,000を超えると、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度が上昇することがある。
【0089】
前記樹脂微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜500nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
前記平均粒径が、5nm未満であると、粒子形状の制御が困難になることがあり、500nmを超えると、浮遊した樹脂微粒子が帯電性を悪化させることがある。
【0090】
前記樹脂微粒子の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜5.0質量%が好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記トナーにおける前記フッ素含有率を制御することができず、例えば、前記フッ素含有化合物が前記トナーの粒子表面に十分に付着せず、その結果、帯電性の改善効果が十分でないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂微粒子が前記トナーの粒子表面に多量に存在し、低温定着性に対する阻害要因となり、前記トナーの品質が低下してしまうことがある。
なお、前記樹脂微粒子の前記トナーにおける含有量は、各種方法により測定することができ、前記樹脂微粒子にのみ起因する物質乃至官能基等を、例えば、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計などを用いて分析することにより、そのピーク面積から算出することができる。
【0091】
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0092】
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、所望の着色度が得られないことがあり、15質量%を超えると、必要以上の着色度となることがある。
【0093】
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0094】
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、などが挙げられる。
【0095】
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
【0096】
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
【0097】
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、耐ホットオフセット、低温定着性への向上効果が得られなくなることがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
【0098】
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、低温定着性の阻害や画質の劣化(光沢度が高すぎる)を生ずることがある。
【0099】
前記非反応性ポリエステル樹脂は、低温定着性、光沢性等を向上させる目的で前記トナー中に含有させることができる。
前記非反応性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、などが挙げられる。該非反応性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、即ち互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
【0100】
前記非反応性ポリエステル樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、10,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
【0101】
前記非反応性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5以上が好ましく、10〜120がより好ましく、20〜80が更に好ましい。
前記水酸基価が、5未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記非反応性ポリエステル樹脂の酸価としては、1〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
【0102】
前記非反応性ポリエステル樹脂を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と該非反応性ポリエステル樹脂(PE)との混合質量比(RMPE/PE)としては、5/95〜80/20が好ましく、5/95〜30/70がより好ましく、5/95〜25/75が更に好ましく、7/93〜20/80が特に好ましい。
前記非反応性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、20未満であると、低温定着性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
【0103】
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶媒に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
【0104】
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記トナーバインダーの種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記トナーバインダー100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、トナーの帯電量が低すぎて、トナー飛散や地肌汚れを引き起こすことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
【0105】
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
【0106】
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
【0107】
本発明のトナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、熱特性、画像濃度、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)等を有していることが好ましい。
【0108】
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(T1/2)などとして評価される。
これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃以上が好ましく、80〜120℃がより好ましい。前記軟化温度(Ts)が、50℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、70〜150℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜170℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(T1/2)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
【0109】
前記画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、1.90以上が好ましく、2.00以上がより好ましく、2.10以上が特に好ましい。
前記画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、imagio Neo 450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE 6000<70W>;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
【0110】
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.980が好ましく、0.950〜0.975がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.94未満の粒子が15%以下であることが好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、例えば、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)等を用いて計測することができる。
【0111】
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3〜8μmが好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
【0112】
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
【0113】
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」」を用いて測定することができる。
【0114】
本発明のトナーにおいては、フッ素原子の含有率が所定の範囲に制御されているので、弱帯電・逆帯電等のトナーの含量が少なく、長期間にわたって、帯電量分布をシャープに維持可能であり、かつ帯電性、帯電安定性等に優れ、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能である。また、該トナーは、前記活性水素基含有化合物及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させてなる前記トナーバインダーを含むので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性等の諸特性に優れる。このため、本発明のトナーは、各種分野において好適に使用することができ、電子写真法による画像形成に、より好適に使用することができ、以下の本発明のトナー入り容器、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に使用することができる。
【0115】
本発明のトナーは、公知の方法により製造することができるが、以下の本発明のトナーの製造方法により、好適に製造することができる。
【0116】
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、トナーバインダー生成工程と、フッ素処理工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
【0117】
−トナーバインダー生成工程−
前記トナーバインダー生成工程は、前記活性水素基含有化合物及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で分散させかつ反応させてトナーバインダーを生成させる工程である。
前記トナーバインダー生成工程においては、例えば、水系媒体相の調製、有機溶媒相の調製、乳化・分散、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成など)を行う。
【0118】
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記有機溶媒相の調製は、前記有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記非反応性ポリエステル樹脂等のトナー原料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記トナー原料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記有機溶媒相を前記水系媒体相に添加する際に、該有機溶媒相と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
【0119】
前記有機溶媒としては、前記トナー原料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、などが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー原料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
【0120】
前記乳化・分散は、先に調製した前記有機溶媒相を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化・分散させることにより行うことができる。そして、該乳化・分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記トナーバインダーが生成する。
前記トナーバインダー(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記有機溶媒相を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記有機溶媒相を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記有機溶媒相を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
【0121】
前記乳化・分散により、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させて前記トナーバインダーを生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
【0122】
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記有機溶媒に溶解乃至分散させた前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記非反応性ポリエステル樹脂などの前記トナー原料を加えて、せん断力により分散させる方法、などが挙げられる。
前記分散は、その方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1000〜30000rpmが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
【0123】
前記乳化・分散において、前記水系媒体の使用量としては、前記トナー原料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。
前記使用量が、50質量部未満であると、前記トナー原料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
【0124】
前記乳化・分散においては、必要に応じて、粒度分布をシャープにし、安定に分散を行う観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
【0125】
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
【0126】
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
【0127】
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
【0128】
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0129】
前記乳化・分散においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものなどが挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法などによって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
【0130】
前記乳化・分散においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、などが挙げられる。
【0131】
前記乳化・分散において得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。該有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、液滴中の前記有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、などが挙げられる。
【0132】
前記有機溶媒の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。該分級により得られた不要な微粒子又は粗粒子は、前記トナーバインダー生成工程に用いることができる。
【0133】
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
【0134】
−フッ素処理工程−
前記フッ素処理工程は、前記トナーバインダーにより形成される粒子の表面を上述したフッ素含有化合物により処理する工程である。このフッ素処理工程により、前記トナーにおける前記フッ素原子の含有率を2〜30原子個数%の範囲内に制御することができる。
【0135】
前記処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記トナーバインダーを生成させることにより、トナーの粒子形状を形成する際に、あるいは、該粒子形状を形成した後で外添剤を該粒子に添加処理する前に、該粒子を、前記フッ素含有化合物を分散した状態で含有する前記水系媒体中に分散させ、該粒子の表面に前記フッ素含有化合物を付着させた後、該水系媒体を除去し、乾燥させる方法、などが挙げられる。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、界面活性剤を含有する水、などが挙げられる。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記フッ素含有化合物の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
【0136】
ここで、本発明のトナーの製造方法の好適な具体例を以下に示す。
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩、スチレン、メタクリル酸、及び過硫酸アンモニウムを仕込み、400回転/分にて15分間撹拌すると、白色の乳濁液が得られる。該乳濁液を加熱し系内温度を75℃まで昇温して5時間反応させ、更に該反応液に1質量%過硫酸アンモニウム水溶液を加え、75℃にて5時間熟成させてビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下、「微粒子分散液」と略記する。)を調製する。その後、水、前記微粒子分散液、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液、及び酢酸エチルを混合撹拌し、乳白色の液体(以下「水相」と略記する。)を調製する。
【0137】
−−低分子ポリエステルの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、テレフタル酸、アジピン酸、及びジブチルチンオキサイドを入れ、常圧230℃にて8時間反応させ、更に該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸を入れ、常圧下、180℃にて2時間反応して、低分子ポリエステルを合成する。
【0138】
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸、無水トリメリット酸、及びジブチルチンオキサイドを仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル、イソホロンジイソシアネート、及び酢酸エチルを仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
【0139】
−−ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン及びメチルエチルケトンを仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成する。
【0140】
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水、前記着色剤としてのカーボンブラック、及びポリエステル樹脂を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
【0141】
−−有機溶媒相の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、前記低分子ポリエステル、カルナバワックス、CCA(「サリチル酸金属錯体E−84」)、及び酢酸エチルを仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、反応容器中に、前記マスターバッチ及び酢酸エチルを仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック、及びカルナバワックスの分散を行った。次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶媒相を調製した。
【0142】
−−乳化・分散−−
反応容器中に、前記有機溶媒相、前記プレポリマー、及び前記ケチミン化合物を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数13,000rpmにて20分間混合して、乳化・分散を行い、乳化スラリーを調製した。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した。その後、該乳化スラリーを45℃にて4時間熟成した。
【0143】
−−洗浄・乾燥−−
熟成後の前記乳化スラリーを減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後、減圧濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%塩酸を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
【0144】
−フッ素処理工程−
得られた最終濾過ケーキを水に添加し、更に、前記フッ素含有化合物を分散させて、前記トナーの粒子表面に前記フッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩うと、前記トナーの粒子を得ることができる。
そして、得られたトナー粒子に対し、ヘンシェルミキサーを用いて疎水性シリカ及び疎水化酸化チタンを混合することにより、本発明のトナーを製造することができる。
【0145】
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0146】
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
【0147】
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
【0148】
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
【0149】
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0150】
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
【0151】
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
【0152】
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
【0153】
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
【0154】
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
【0155】
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、画像形成時における帯電性と定着性とをバランス良く両立することができ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
【0156】
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
【0157】
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する帯電手段やクリーニング手段などが好適に挙げられる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
【0158】
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
【0159】
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
【0160】
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
【0161】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0162】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0163】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0164】
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
【0165】
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
【0166】
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
【0167】
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
【0168】
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
【0169】
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
【0170】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0171】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0172】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0173】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0174】
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0175】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。図1に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
【0176】
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
【0177】
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
【0178】
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
【0179】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、図1に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図1に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図2においては、図1におけるものと同じものは同符号で示した。
【0180】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。前記タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
【0181】
次に、前記タンデム画像形成装置を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
【0182】
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
【0183】
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム画像形成装置120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図4に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図4中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
【0184】
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ150を回転して手差しトレイ51上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
【0185】
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
【0186】
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、長期間に亘って十分かつ安定な帯電性を確保できる本発明のトナーを用いるので、印字品質が良好であり、連続印字での画質の安定性にも優れ、安定したクリーニング性を有し、感光体、現像ローラ等に対するフィルミング汚染が防止でき、低温定着性に優れた、銀塩写真法や印刷法等で形成したフルカラー画像に匹敵する高画質が効率よく得られる。
【0187】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0188】
(実施例1)
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)11質量部、スチレン80質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、チオグリコール酸ブチル12質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分にて15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱し系内温度を75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、該反応液に1質量%過硫酸アンモニウム水溶液を30質量部添加し、75℃にて5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液1」と称する。)を調製した。
得られた「微粒子分散液1」は、レーザー回折式粒度分布測定器(「LA−920」;島津製作所製)で測定した体積平均粒径が120nmであった。また、得られた「微粒子分散液1」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、重量平均分子量(Mw)は30,000であった。
その後、水990質量部、前記「微粒子分散液1」83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を調製(以下「水相」と称する。)を調製した。
【0189】
−−低分子ポリエステルの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸45質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、低分子ポリエステルを合成した。
得られた低分子ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が6,700、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が25であった。
【0190】
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が51であった。
そして、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記「中間体ポリエステル1」410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー1(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
【0191】
−−ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)のアミン価は418であった。
【0192】
−マスターバッチ(MB)の調製−
水1200質量部、前記着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」;デクサ製)540質量部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂(「RS801」;三洋化成工業(株)製)1200質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
【0193】
−−有機溶媒相の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、前記「低分子ポリエステル1」378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、反応容器中に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック、及びカルナバワックスの分散を行った。次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1324質量部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶媒相を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分)は、50質量%であった。
【0194】
−−乳化・分散−−
反応容器中に、前記有機溶媒相749質量部、前記プレポリマー115質量部、及び前記ケチミン化合物2.9質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数13,000rpmにて20分間混合して、乳化・分散を行い、乳化スラリーを調製した。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した。その後、該乳化スラリーを45℃にて4時間熟成した。
得られた乳化スラリーは、マルチサイザーII(コールターカウンター製)で測定した体積平均粒径が5.99μmであり、個数平均粒径が5.70μmであった。
【0195】
−−洗浄・乾燥−−
熟成後の前記乳化スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後、減圧濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、「最終濾過ケーキ1」を得た。該「最終濾過ケーキ1」を45℃で48時間乾燥させた。
【0196】
−フッ素処理工程−
得られた「最終濾過ケーキ1」15質量部を水90質量部に添加し、更に、下記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物0.0005質量部を分散させて、トナー粒子表面にフッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、「トナー母体粒子1」を調製した。
【0197】
【化21】
Figure 2005055533
【0198】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、「トナー1」を調製した。
得られた「トナー1」について、以下のようにして、体積平均粒径及び粒度分布、平均円形度、フッ素含有率、樹脂微粒子の含有率、帯電量、及びガラス転移温度のトナー物性値を測定した。結果を表1に示す。
【0199】
(実施例2)
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
実施例1において、スチレンを80質量部から78質量部に変え、アクリル酸ブチルを110質量部から115質量部に変え、チオグリコール酸ブチルを12質量部から2質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、ビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液2」と称する。)を調製した。
得られた「微粒子分散液2」は、レーザー回折式粒度分布測定器(「LA−920」;島津製作所製)で測定した体積平均粒径が115nmであった。また、得られた「微粒子分散液2」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は51℃であり、重量平均分子量(Mw)は100,000であった。
次に、実施例1において、前記「微粒子分散液1」を前記「微粒子分散液2」に代えた以外は、実施例1と同様にして、「最終濾過ケーキ2」を調製した。
【0200】
−フッ素処理工程−
得られた「最終濾過ケーキ2」15質量部を水90質量部に添加し、更に、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物0.001質量部を分散させて、トナー粒子表面にフッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、「トナー母体粒子2」を調製した。
【0201】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子2」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー2」を調製した。得られた「トナー2」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0202】
(実施例3)
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
実施例1において、スチレンを80質量部から103質量部に変え、アクリル酸ブチルを110質量部から90質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液3」と称する。)を調製した。
得られた「微粒子分散液3」は、レーザー回折式粒度分布測定器(「LA−920」;島津製作所製)で測定した体積平均粒径が110nmであった。また、得られた「微粒子分散液3」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は78℃であり、重量平均分子量(Mw)は25,000であった。
次に、実施例1において、前記「微粒子分散液1」の代わりに前記「微粒子分散液3」を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、「最終濾過ケーキ3」を調製した。
【0203】
−フッ素処理工程−
得られた「最終濾過ケーキ3」15質量部を水90質量部に添加し、更に、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物0.001質量部を分散させて、トナー粒子表面にフッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、「トナー母体粒子3」を調製した。
【0204】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子3」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー3」を調製した。得られた「トナー3」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0205】
(実施例4)
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
実施例1において、スチレンを80質量部から68質量部に変え、メタクリル酸を83質量部から93質量部に変え、アクリル酸ブチルを110質量部から115質量部に変え、チオグリコール酸ブチルを添加しない以外は、実施例1と同様にして、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液4」と称する。)を調製した。
得られた「微粒子分散液4」は、レーザー回折式粒度分布測定器(「LA−920」;島津製作所製)で測定した体積平均粒径が90nmであった。また、得られた「微粒子分散液4」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は56℃であり、重量平均分子量(Mw)は150,000であった。
次に、実施例1において、前記「微粒子分散液1」の代わりに前記「微粒子分散液4」を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、「最終濾過ケーキ4」を調製した。
【0206】
−フッ素処理工程−
得られた「最終濾過ケーキ4」15質量部を水90質量部に添加し、更に、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物0.002質量部を分散させて、トナー粒子表面にフッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、「トナー母体粒子4」を調製した。
【0207】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子4」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー4」を調製した。得られた「トナー4」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0208】
(実施例5)
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
実施例1において、スチレンを80質量部から83質量部に変え、チオグリコール酸ブチルを添加しない以外は、実施例1と同様にして、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液5」と称する。)を調製した。
得られた「微粒子分散液5」は、レーザー回折式粒度分布測定器(「LA−920」;島津製作所製)で測定した体積平均粒径が105nmであった。また、得られた「微粒子分散液5」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、重量平均分子量(Mw)は150,000であった。
次に、実施例1において、前記「微粒子分散液1」の代わりに前記「微粒子分散液5」を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、「最終濾過ケーキ5」を調製した。
【0209】
−フッ素処理工程−
得られた「最終濾過ケーキ5」15質量部を水90質量部に添加し、更に、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物0.003質量部を分散させて、トナー粒子表面にフッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、「トナー母体粒子5」を調製した。
【0210】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子5」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー5」を調製した。得られた「トナー5」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0211】
(実施例6)
−トナーバインダー生成工程−
−−水系媒体相(水相)の調製−
実施例1において、スチレンを80質量部から83質量部に変え、チオグリコール酸ブチルを添加しない以外は、実施例1と同様にして、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液6」と称する。)を調製した。
得られた前記「微粒子分散液6」は、レーザー回折式粒度分布測定器(「LA−920」;島津製作所製)で測定した体積平均粒径が110nmであった。また、得られた前記「微粒子分散液6」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は78℃であり、重量平均分子量(Mw)は250,000であった。
次に、実施例1において、前記「微粒子分散液1」の代わりに前記「微粒子分散液6」を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、「最終濾過ケーキ6」を調製した。
【0212】
−フッ素処理工程−
得られた「最終濾過ケーキ6」15質量部を水90質量部に添加し、更に、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物0.005質量部を分散させて、トナー粒子表面にフッ素含有化合物を付着させた後、循風乾燥機を用いて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、「トナー母体粒子6」を調製した。
【0213】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子6」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー6」を調製した。得られた「トナー6」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0214】
(比較例1)
−「トナー母体粒子7」の調製−
イオン交換水709g中に、0.1MのNaPO水溶液451gを投入し60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて12,000rpmにて撹拌混合した。該混合液に、1.0MのCaCl水溶液68gを徐々に添加し、Ca(POを含む水系媒体を作製した。
次に、スチレン170g、2−エチルヘキシルアクリレート30g、前記着色剤としてのカーボンブラック(「リーガル400R」;キャボット社製)10g、パラフィンワックス(s.p.70℃)60g、ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物5g、及びスチレン−メタクリル酸共重合体(重量平均分子量(Mw)=50,000、酸価=20mgKOH/g)10gをTK式ホモミキサーに投入し、60℃に加温し、12,000rpmにて均一に溶解、分散した。該分散液に、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体を得た。該重合性単量体を前記水系媒体中に添加し、N雰囲気下、60℃にてTK式ホモミキサーを用いて10,000rpmにて20分間撹拌して、重合性単量体を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃にて3時間反応させた後、80℃にて10時間重合反応させた。重合反応終了後、冷却し、塩酸を添加してリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、及び乾燥を行い、「トナー母体粒子7」を調製した。
【0215】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子7」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー7」を調製した。得られた「トナー7」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0216】
(比較例2)
−「トナー母体粒子8」の調製−
実施例1におけるフッ素処理工程において、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物を0.0005質量部から0.0004質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー母体粒子8」を調製した。
【0217】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子8」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー8」を調製した。得られた「トナー8」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0218】
(比較例3)
−「トナー母体粒子9」の調製−
実施例4において、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物を使用せず、フッ素表面処理を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、「トナー母体粒子9」を調製した。
【0219】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子9」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー9」を調製した。得られた「トナー9」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0220】
(比較例4)
−「トナー母体粒子10」の調製−
実施例5における表面処理工程において、前記構造式(13)で表されるフッ素含有化合物を0.003質量部から0.01質量部に変えた以外は、実施例5と同様にして、「トナー母体粒子10」を調製した。
【0221】
−外添剤処理−
得られた「トナー母体粒子10」につき、実施例1における「トナー母体粒子1」と同様にして外添剤を添加し、「トナー10」を調製した。得られた「トナー10」について、実施例1と同様にして諸物性等を測定した。結果を表1に示す。
【0222】
<トナー粒径>
各トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「コールターカウンターTAII」;コールターエレクトロニクス社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定した。これらの結果から(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))を算出した。
【0223】
<平均円形度>
各トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;東亜医用電子株式会社製)を用いて計測した。具体的には、容器中に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlに分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml添加し、更に、各トナーを0.1〜0.5g添加して分散させた。得られた分散液を超音波分散器(BRANSON、ヤマト科学製)で約1〜3分間分散処理して、分散液の濃度を3000〜1万個/μlとして静電荷像現像用トナーの形状及び分布を測定した。これらの測定結果から平均円形度を算出した。
【0224】
<トナー中のフッ素含有率の測定>
各トナー(トナー母体粒子)中のフッ素含有率は、X線光電子分光法(XPS)により、下記の測定装置及び測定条件に従って測定した。なお、フッ素原子はトナー粒子表面から数nm程度の極表面の領域に存在していた。
〔測定装置及び測定条件〕
測定装置:1600S型X線光電子分光装置(PHI社製)
X線源 :MgKα(400W)
分析領域:0.8×2.0mm
前処理 :試料をアルミニウム製皿にのせて、表面を平滑にして測定した。
表面フッ素原子濃度の算出には、PHI社製の相対感度因子を用いた。なお、フッ素含有率の結果は、atomic%(原子個数%)である。
【0225】
<樹脂微粒子の含有率の測定方法>
スチレン−アクリル系共重合体の樹脂微粒子に由来するスチレンモノマーを標識として、トナーを熱分解して熱分解生成物中におけるスチレンモノマーの量を測定し、トナー中における樹脂微粒子の含有量を算出した。即ち、組成が既知であるスチレン−アクリル系共重合体の樹脂微粒子を標識として用い、トナー粒子中にスチレン−アクリル系共重合体の樹脂微粒子の含有量が0.01質量%、0.10質量%、1.00質量%、3.00質量%、及び10.0質量%となるように添加した。得られた組成が既知の各モデルトナーを590℃×12秒の条件で熱分解させて、下記の測定機器及び測定条件に従って熱分解生成物を分析し、各トナーについてスチレンモノマーのピーク面積を求め、トナー中における樹脂微粒子の含有量を算出した。
〔測定機器及び測定条件〕
分析機器:熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計
装置本体:QR−5000(島津製作所製)
付属品の熱分解炉:JHP−3S(日本分析工業製)
熱分解温度:590℃×12秒
カラム:「DB−1」
(L=30m I.D.=0.25mm Film=0.25μm)
カラム温度:40℃(保持2分)〜300℃(10℃/分昇温)
気化室温度:300℃
【0226】
<ガラス転移温度(Tg)測定方法>
TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、下記方法により、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
まず、試料約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットした。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置した。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測した。
得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出した。
【0227】
<帯電量>
「スタート時」の帯電量は、初期剤セットアップが終了した現像装置を取り出し、現像剤担持体上の現像剤をマグネットを用いて採取し、該現像剤1.0gを計量し、密閉可能な金属円柱に仕込み、ブローして帯電量を測定した。
「5万枚後」の帯電量は、5万枚通紙終了時の現像装置を取り出し、上記同様に帯電量を測定した。
【0228】
【表1】
Figure 2005055533
【0229】
−現像剤の調製−
次に、外添剤処理済の各トナー5質量%と、シリコーン樹脂で被覆した平均粒径40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%とから常法により実施例1〜6及び比較例1〜4の各現像剤を調製した。
【0230】
得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、(a)定着性、(b)画像濃度、(c)地肌汚れ、(d)クリーニング性、(e)フィルミング性、及び(i)総合評価を測定した。結果を表2及び表3に示す。なお、用いたimagioNeo 450(株式会社リコー製)は、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるタンデム型カラー電子写真装置(画像形成装置)である。
【0231】
<性能評価>
(a)定着性
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製「タイプ6200」及びNBSリコー製「複写印刷用紙<135>」)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cmのトナーが現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整した。この状態の前記画像形成装置を用いて、普通紙におけるオフセットの発生しない温度(オフセット未発生温度)を測定した。また、厚紙における定着下限温度を測定した。なお、定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。なお、定着下限温度が約160℃より高いものを不良と判断した。
【0232】
(b)画像濃度
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「TYPE 6000<70W>」;株式会社リコー製)に5%画像面積の画像チャート(ベタ画像)を5万枚まで連続でランニングし、スタート時、及び5万枚後における各色単独に任意の5箇所の画像濃度を、(「938 スペクトロデンシトメータ」;X−Rite社製)を用いて測定した。画像濃度値は、5箇所の画像濃度の平均値で示した。
なお、この画像濃度値が高いほど画像濃度が高く、高濃度の画像が形成できることを意味する。
【0233】
(c)地肌汚れ
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「TYPE 6000<70W>」;株式会社リコー製)に白紙画像を5万枚まで連続でランニングし、スタート時、及び5万枚後における現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を(「938 スペクトロデンシトメータ」;X−Rite社製)を用いて測定した。
【0234】
(d)クリーニング性
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「TYPE 6000<70W>」;株式会社リコー製)を用いてベタ画像を5万枚まで連続でランニングし、スタート時、及び5万枚後における清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、該白紙をマクベス反射濃度計RD514型(サカタエンジニアリング(株)製)を用いて測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○(良好):ブランクとの差が0.01以下である。
×(不良):ブランクとの差が0.01超である。
【0235】
(e)フィルミング性
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「TYPE 6000<70W>」;株式会社リコー製)を用いてベタ画像を5万枚連続ランニングした後における現像ローラ又は感光体におけるトナーフィルミング発生状況の有無を観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:現像ローラ又は感光体にフィルミング発生がない。
△:現像ローラ又は感光体にスジ状のフィルミング発生が見られる。
×:現像ローラ又は感光体に全体的にフィルミング発生が認められる。
【0236】
(i)総合評価
前記総ての性能評価の結果から、下記基準に基づき総合評価を行った。
〔評価基準〕
○:総合的に優れている状態
△:総合的に普通である状態
×:総合的に不良である状態
【0237】
【表2】
Figure 2005055533
【0238】
【表3】
Figure 2005055533
【0239】
表1〜表3の結果から、実施例1〜6については、トナー帯電の経時的な安定性、画像濃度品質、地肌汚れ、クリーニング性、及びフィルミング性の各品質の評価結果が良好であり、総合評価を良好(○)であると評価した。
比較例1〜3については、帯電性不良によるトナー飛散が悪化したため、5万枚まで連続印刷することができず、評価を途中で中止した。このため、総合評価を不良(×)と評価した。
なお、比較例2については、評価を継続したものの、5万枚後では帯電低下による地肌汚れの悪化が顕著となり、総合評価を不良(×)と評価した。
比較例4については、初期の帯電量が大きすぎる値であるため、画像濃度が初期より不足して連続印刷することができず、評価を途中で中止した。このため、総合評価を不良(×)と評価した。
【0240】
【発明の効果】
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、弱帯電・逆帯電等のトナーの含量が少なく、長期間にわたって、帯電量分布をシャープに維持可能であり、かつ帯電性、帯電安定性等に優れ、種々の環境下においても地汚れやフィルミング等を生ずることなく、低温定着システムにおいても耐オフセット性が良好であり、クリーニング性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像を形成可能なトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用いた、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。
【図2】図2は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。
【図3】図3は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。
【図4】図4は、図3に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
【符号の説明】
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (16)

  1. 活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中でトナーバインダーを生成しつつ粒子状に得られ、フッ素原子の含有率が2〜30原子個数%であることを特徴とするトナー。
  2. フッ素含有化合物を含む請求項1に記載のトナー。
  3. フッ素含有化合物がフッ素含有4級アンモニウム塩化合物から選択される請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が下記構造式(1)で表される請求項3に記載のトナー。
    Figure 2005055533
    ただし、前記構造式(1)中、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。Rは、水素原子、フッ素原子又は炭化水素基を表す。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子又は炭化水素基を表す。Xは、二価有機基を表す。Yは、対イオンを表す。mは、1以上の整数を表す。
  5. フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が下記構造式で表される請求項3に記載のトナー。
    Figure 2005055533
    ただし、前記構造式中、Xは、ハロゲン原子を表す。
  6. トナーバインダーがポリエステル樹脂を含む請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. 樹脂微粒子を含む請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. 樹脂微粒子を0.5〜5.0質量%含む請求項7に記載のトナー。
  9. 樹脂微粒子の重量平均分子量(Mw)が9,000〜200,000である請求項7から8のいずれかに記載のトナー。
  10. 樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)が40〜100℃である請求項7から9のいずれかに記載のトナー。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で分散させかつ反応させてトナーバインダーを生成させつつ該トナーバインダーによる粒子を得るトナーバインダー生成工程と、該粒子の表面をフッ素含有化合物により処理するフッ素処理工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  13. 請求項1から10のいずれかに記載のトナーを容器中に収容してなることを特徴とするトナー入り容器。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項1から10のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を請求項1から10のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  16. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項1から10のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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