JP2005054587A - 排ガス処理物品用外装品 - Google Patents
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Abstract
【課題】内管又は外管を破損することなく水蒸気の発生を抑制する。
【解決手段】排気経路に設けられ排ガスに含まれる排気音を消すマフラ又は排ガスを濾過する排気フィルタ装置9に用いられる外装品10であって、中心軸を略水平にして設けられ下部に複数の通孔12aが軸方向に間隔をあけて形成された外管12と、消音機器又はフィルタ11を収容し外管12の内周面との間に隙間をあけて外管12に同軸に収容された内管14と、内管14と外管12の間の隙間に充填された管状の繊維集合体16とを備える。繊維集合体16の通孔12aに相当する部分に切り欠き16aが外管12及び内管14の長手方向に連続して形成される。管状の繊維集合体16の中心軸16bに直交する横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸16bを結ぶ直線の角度が15度から120度の範囲の間にある。
【選択図】 図1
【解決手段】排気経路に設けられ排ガスに含まれる排気音を消すマフラ又は排ガスを濾過する排気フィルタ装置9に用いられる外装品10であって、中心軸を略水平にして設けられ下部に複数の通孔12aが軸方向に間隔をあけて形成された外管12と、消音機器又はフィルタ11を収容し外管12の内周面との間に隙間をあけて外管12に同軸に収容された内管14と、内管14と外管12の間の隙間に充填された管状の繊維集合体16とを備える。繊維集合体16の通孔12aに相当する部分に切り欠き16aが外管12及び内管14の長手方向に連続して形成される。管状の繊維集合体16の中心軸16bに直交する横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸16bを結ぶ直線の角度が15度から120度の範囲の間にある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エンジンの排気管に設けられるマフラや排気フィルタ装置のような排ガス処理物品に用いられる外装品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用エンジンの排気経路にはそのエンジンからの排気音を消音する排ガス処理物品としてのマフラが設けられる。一方、エンジンの排ガス中には、煤、その煤に付着している炭化水素、サルフェート及び金属等の微粒子であるパティキュレートが含まれる。このパティキュレートが比較的多く発生するディーゼルエンジンにあっては、排気経路にこのパティキュレートを捕集して大気に放出することを防止する排気フィルタ装置が排ガス処理物品としてマフラとともに設けられる。これらの排ガス処理物品としてのマフラや排気フィルタ装置は、排気管の途中に設けられた外装品の内部に消音機器やフィルタを装着することによりエンジンの排気経路に設けられる。
【0003】
マフラや排気フィルタ装置等の排ガス処理物品に用いられる従来の外装品は、図4に示すように、遮音や断熱の観点から二重構造をなしており、中心軸を略水平にして設けられた外管2と、消音機器又はフィルタを収容し外管2の内周面との間に隙間をあけて外管2に同軸に収容された内管4と、内管4と外管2の間の隙間に充填された管状の繊維集合体6とを備える(例えば、特許文献1参照。)。そして、マフラの外装品では、内管4と外管2の間の隙間に充填された管状の繊維集合体6が、排気音の要因である微細振動を吸収し及び排気音が微細構造を透過中に干渉・消音し、吸収して遮音するとともに、マフラ又は排気フィルタ装置の外装品では内管4と外管2とを断熱し内管4の温度が外管2に伝わらないようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−84747号公報(第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内管4と外管2、及びそれらの間に充填された管状の繊維集合体6とを備える従来の排ガス処理物品用外装品では、内管4と外管2の間の空間を外部と連通させるために、外管2の下部に複数の通孔2aを軸方向に間隔をあけて形成している。一方、繊維集合体6には繊維間の毛細管現象により水分が吸収されることも多く、繊維集合体6に水分が吸収されている状態でエンジンが始動されると、内管4及び繊維集合体6の温度上昇によりその水分が蒸発して膨張し、その水蒸気が白煙となって通孔2aから排出される。この白煙は水蒸気であるため、本来的に無害ではあるけれども、この白煙によりエンジン又は排気系が不調状態であると誤認されることがあった。この点を解消するために通孔2aを形成しないことも考えられるが、通孔2aが塞がれると外管2と内管4の間の水蒸気が蒸発することに起因する圧力により外管2が破裂し又は内管4が押し潰される不具合がある。
本発明の目的は、通孔から発せられる水蒸気を抑制し得る排ガス処理物品用外装品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、排ガスに含まれる排気音を消音するマフラ又は排ガスを濾過する排気フィルタ装置9に用いられる外装品10であって、中心軸を略水平にして排気経路に設けられ下部に複数の通孔12aが軸方向に間隔をあけて形成された外管12と、消音機器又はフィルタ11を収容し外管12の内周面との間に隙間をあけて外管12に同軸に収容された内管14と、内管14と外管12の間の隙間に充填された管状の繊維集合体16とを備えた排ガス処理物品用外装品の改良である。
その特徴ある構成は、繊維集合体16の通孔12aに相当する部分に切り欠き16aが外管12及び内管14の長手方向に連続して形成されたところにある。
【0007】
この請求項1に係る発明では、繊維集合体16に吸収された水分が蒸発すると、その水蒸気は繊維集合体16の内部から切り欠き16aにより形成される空間に排出され、その後通孔12aから外管12の外部に排出される。ここで、水蒸気が繊維集合体16から切り欠き16aにより形成される空間に排出される際に、繊維集合体16の内部に残存する水分がその水蒸気により押し出される。繊維集合体16から押し出された水分は水滴となって外管12の内面を伝って通孔12aから外管12の外部に排出され、水蒸気となって通孔12aから排出されるような事態が回避され、通孔12aから発せられる水蒸気の量は抑制される。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図2に示すように、管状の繊維集合体16の中心軸16bに直交する横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸16bを結ぶ直線n,mの角度θが15度から120度の範囲の間にある排ガス処理物品用外装品である。
この請求項2に係る発明では、繊維集合体16の本来的な機能である断熱性と遮音性を確保しつつ、繊維集合体16に含まれる水分の蒸発を十分に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明の外装品10を用いた排ガス処理物品である排気フィルタ装置9を示す。この排気フィルタ装置9は、パティキュレートを実際に捕集する柱状のパティキュレートフィルタ11を本発明の外装品10に収容したものであり、この実施の形態におけるパティキュレートフィルタ11は円柱状であって、比較的目の粗い発泡金属又は発泡セラミックにより作られる。このパティキュレートフィルタ11は、発泡金属又は発泡セラミックからなる複数の同形同大の円板状フィルタ11aを積層することにより構成され、円板状フィルタ11aは発泡金属又は発泡セラミックからなる板材を円形に打ち抜くことにより作られる。そして、この実施の形態では4枚の円板状フィルタ11aを積層した例を示す。
【0010】
本発明の外装品10は、外管12と、その外管12に同軸に収容された内管14と、内管14と外管12の間の隙間に充填された管状の繊維集合体16とを備える。円板状フィルタ11aを積層して形成されたパティキュレートフィルタ11は内管14に挿入され、パティキュレートフィルタ11の両端縁を押さえるように両端部に押さえ板13,13が外管12にそれぞれ挿入され、積層されたそれぞれの円板状フィルタ11aの積層状態を維持しうるように構成される。また、繊維集合体16は内管14の周囲に巻かれた金属繊維の集合体であって、パティキュレートフィルタ11の外周面はこの繊維集合体16で被包される。
【0011】
外管12は繊維集合体16が巻かれたパティキュレートフィルタ11の外径に相応する内径を有する円筒状に形成され、繊維集合体16が巻かれた内管14はその中心軸が同軸になるように外管16に収容される。パティキュレートフィルタ11が内管14とともに外管16に収容された状態で、内管14の外周面に巻かれた繊維集合体16はパティキュレートフィルタ11の外周面と外管16の内面との間に介在し、この繊維集合体16は断熱材として及び遮音材として機能する。即ち、繊維集合体16は、排気の脈動によりパティキュレートフィルタ11が振動した場合にその振動を吸収して遮音する。また、繊維集合体16は熱膨張率の相違に基づくパティキュレートフィルタ11と外管12の膨張又は収縮に伴う誤差を吸収して断熱する。
【0012】
パティキュレートフィルタ11とともに内管14を収容した外管12の両端に挿入された押さえ板13,13は複数の小孔13bが形成された多孔円板であって、押さえ板13,13の外周には互いに外側に向かいかつ外管12の内面に外面が接触するフランジ13a,13aがそれぞれ形成される。押さえ板13,13は、パティキュレートフィルタ11の端部に金網18(図1)を設けた後外管12の両端に挿入され、パティキュレートフィルタ11の端部とこれら押さえ板13,13との間には金網18が設けられる。これらの押さえ板13,13は、外管12の端部に溶接して設けられた蓋体17により押さえられる。
【0013】
蓋体17,17の外管12に臨む一端部はその外管12が嵌着可能な外径に形成され、他端部は図示しない排気管の直径に相応して形成され、この蓋体17,17は漏斗状に形成される。蓋体17,17の一端部が外管の端部に挿入された状態で、蓋体17,17の一端部における端縁は押さえ板13におけるフランジ13aに当接し、押さえ板13は蓋体17,17の一端部により押さえられる。
このようにして、パティキュレートフィルタ11は一対の押さえ板13,13に押さえられて外管12内部に固定される。一方、この蓋体17,17の他端部における外周囲には排気管に接続するための環状のフランジ部材21が溶接によりそれぞれ設けられる。このフランジ部材21には複数の取付孔21aが形成され、図示しない排気管の端縁に設けられた被取付部材にねじ止め可能に構成される。
【0014】
この排気フィルタ装置9は、分断された排気管の中間に外管12の中心軸を略水平にして取付けられる。この外管12の下部には複数の通孔12aが軸方向に間隔をあけて形成され、図1及び図2に示すように、繊維集合体16の通孔12aに相当する部分には切り欠き16aが外管12及び内管14の長手方向に連続して形成される。この実施の形態では、管状の繊維集合体16の中心軸16bに直交する図2に示す横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸16bを結ぶ直線n,mの角度θが15度から120度、好ましくは30度から90度の範囲の間にあるように構成される。この角度θが15度未満であると水蒸気の発生を十分に低減することができず、この角度θが120度を超えると繊維集合体16の本来的機能である断熱性及び遮音性が低下する。なお、本願における切り欠き16aは繊維集合体16の周方向で連続しないように構成される。
【0015】
この排気フィルタ装置9では、エンジンから排出された高圧の排ガスは排気フィルタ装置9における上流側の蓋体17から外管12内部に流入し、パティキュレートフィルタ11を通過する際に排ガス中のパティキュレートを捕集する。パティキュレートフィルタ11を通過した排ガスはその後下流側の蓋体17からその蓋体17に接続された図示しない下流側排気管を介して外部に排出される。
【0016】
一方、エンジンの停止時に内管14と外管12の間に存在する繊維集合体16には水分が吸収される。そして、エンジンを始動した後にはその温度上昇によりその水分が蒸発して外管12に形成された通孔12aからその水蒸気が排出される。本発明では、繊維集合体16の通孔12aに相当する部分に切り欠き16aを形成しているので、図3に示すように、繊維集合体16の内部で水が蒸発して水蒸気が生じると、その水蒸気は繊維集合体16の内部から一端切り欠き16aにより形成される空間に排出され、その後通孔12aから外管12の外部に排出される。ここで、水蒸気が繊維集合体16から一端切り欠き16aにより形成される空間に排出される際に、繊維集合体16の内部に残存する水分がその水蒸気により押し出される。繊維集合体16から押し出された水滴は、通孔12aから外管12の外部に排出され、水蒸気となって通孔12aから白煙として排出されるような事態は解消される。
【0017】
また、このように繊維集合体16に切り欠き16aを形成することにより、通孔12aが塞がれることに起因する外管12の破裂又は内管14の潰れを回避することができ、管状の繊維集合体16の中心軸に直交する横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸を結ぶ直線の角度が15度から120度の範囲にすることにより、繊維集合体16の本来的な機能である断熱性と遮音性を確保することができる。そして、繊維集合体16には切り欠き16aが形成された分だけ水分を吸収する体積が減少して、全体として吸収し得る水分量は減少し、走行時における水はね等により通孔12aから水が外管12の内部に侵入しても、通孔12aの周囲に金属繊維は存在しないので、その水が金属繊維に吸収されることはなく、自重により通孔12aから再び外部に流れ出るので、その水が水蒸気となって排出されることもない。
【0018】
なお、上述した実施の形態では、4枚の円板状フィルタ11aを積層したパティキュレートフィルタ11を説明したが、2枚、3枚、5枚、6枚又は7枚以上の板状フィルタ11aを積層してパティキュレートフィルタを構成しても良い。
また、上述した実施の形態では、円柱状のパティキュレートフィルタ11を使用して説明したが、パティキュレートフィルタ11は長円柱状であっても、楕円柱状であっても、角柱状であっても良い。
更に、上述した実施の形態では、フィルタ11を収容して排ガスを濾過する排気フィルタ装置9に用いられる外装品10を説明したが、図示しないが、本発明の外装品は、消音機器が内管14に収容されて排気経路に設けられ排ガスに含まれる排気音を消音するマフラに用いられるものであっても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、下部に通孔が形成された外管とその外管に同軸に収容された内管との間の隙間に充填された管状の繊維集合体の通孔に相当する部分に切り欠きを外管及び内管の長手方向に連続して形成したので、繊維集合体に吸収された水分が蒸発すると、その水蒸気は繊維集合体の内部から切り欠きにより形成される空間に排出され、その後通孔から外管の外部に排出される。ここで、水蒸気が繊維集合体から切り欠きにより形成される空間に排出される際に、繊維集合体の内部に残存する水分がその水蒸気により押し出される。この結果、繊維集合体から押し出された水分は水滴となって外管の内面を伝って通孔から外管の外部に排出され、水蒸気となって通孔から排出されるような事態を回避することができる。
この場合、管状の繊維集合体の中心軸に直交する横断面において、切り欠きの両側部と中心軸を結ぶ直線の角度を15度から120度の範囲の間にすれば、繊維集合体の本来的な機能である断熱性と遮音性を確保しつつ、繊維集合体に含まれる水分の蒸発を十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装品を含む排気フィルタ装置の縦断面図。
【図2】その外装品の図1のA−A線断面図。
【図3】水蒸気の流れを示す図2に対応する断面図。
【図4】従来の外装品における水蒸気の流れを示す図3に対応する断面図。
【符号の説明】
9 排気フィルタ装置
10 外装品
11 フィルタ
12 外管
12a 通孔
14 内管
16 繊維集合体
16a 切り欠き
16b 中心軸
n,m 切り欠きの両側部と中心軸を結ぶ直線
θ 切り欠きの両側部と中心軸を結ぶ直線の角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エンジンの排気管に設けられるマフラや排気フィルタ装置のような排ガス処理物品に用いられる外装品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用エンジンの排気経路にはそのエンジンからの排気音を消音する排ガス処理物品としてのマフラが設けられる。一方、エンジンの排ガス中には、煤、その煤に付着している炭化水素、サルフェート及び金属等の微粒子であるパティキュレートが含まれる。このパティキュレートが比較的多く発生するディーゼルエンジンにあっては、排気経路にこのパティキュレートを捕集して大気に放出することを防止する排気フィルタ装置が排ガス処理物品としてマフラとともに設けられる。これらの排ガス処理物品としてのマフラや排気フィルタ装置は、排気管の途中に設けられた外装品の内部に消音機器やフィルタを装着することによりエンジンの排気経路に設けられる。
【0003】
マフラや排気フィルタ装置等の排ガス処理物品に用いられる従来の外装品は、図4に示すように、遮音や断熱の観点から二重構造をなしており、中心軸を略水平にして設けられた外管2と、消音機器又はフィルタを収容し外管2の内周面との間に隙間をあけて外管2に同軸に収容された内管4と、内管4と外管2の間の隙間に充填された管状の繊維集合体6とを備える(例えば、特許文献1参照。)。そして、マフラの外装品では、内管4と外管2の間の隙間に充填された管状の繊維集合体6が、排気音の要因である微細振動を吸収し及び排気音が微細構造を透過中に干渉・消音し、吸収して遮音するとともに、マフラ又は排気フィルタ装置の外装品では内管4と外管2とを断熱し内管4の温度が外管2に伝わらないようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−84747号公報(第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内管4と外管2、及びそれらの間に充填された管状の繊維集合体6とを備える従来の排ガス処理物品用外装品では、内管4と外管2の間の空間を外部と連通させるために、外管2の下部に複数の通孔2aを軸方向に間隔をあけて形成している。一方、繊維集合体6には繊維間の毛細管現象により水分が吸収されることも多く、繊維集合体6に水分が吸収されている状態でエンジンが始動されると、内管4及び繊維集合体6の温度上昇によりその水分が蒸発して膨張し、その水蒸気が白煙となって通孔2aから排出される。この白煙は水蒸気であるため、本来的に無害ではあるけれども、この白煙によりエンジン又は排気系が不調状態であると誤認されることがあった。この点を解消するために通孔2aを形成しないことも考えられるが、通孔2aが塞がれると外管2と内管4の間の水蒸気が蒸発することに起因する圧力により外管2が破裂し又は内管4が押し潰される不具合がある。
本発明の目的は、通孔から発せられる水蒸気を抑制し得る排ガス処理物品用外装品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、排ガスに含まれる排気音を消音するマフラ又は排ガスを濾過する排気フィルタ装置9に用いられる外装品10であって、中心軸を略水平にして排気経路に設けられ下部に複数の通孔12aが軸方向に間隔をあけて形成された外管12と、消音機器又はフィルタ11を収容し外管12の内周面との間に隙間をあけて外管12に同軸に収容された内管14と、内管14と外管12の間の隙間に充填された管状の繊維集合体16とを備えた排ガス処理物品用外装品の改良である。
その特徴ある構成は、繊維集合体16の通孔12aに相当する部分に切り欠き16aが外管12及び内管14の長手方向に連続して形成されたところにある。
【0007】
この請求項1に係る発明では、繊維集合体16に吸収された水分が蒸発すると、その水蒸気は繊維集合体16の内部から切り欠き16aにより形成される空間に排出され、その後通孔12aから外管12の外部に排出される。ここで、水蒸気が繊維集合体16から切り欠き16aにより形成される空間に排出される際に、繊維集合体16の内部に残存する水分がその水蒸気により押し出される。繊維集合体16から押し出された水分は水滴となって外管12の内面を伝って通孔12aから外管12の外部に排出され、水蒸気となって通孔12aから排出されるような事態が回避され、通孔12aから発せられる水蒸気の量は抑制される。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図2に示すように、管状の繊維集合体16の中心軸16bに直交する横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸16bを結ぶ直線n,mの角度θが15度から120度の範囲の間にある排ガス処理物品用外装品である。
この請求項2に係る発明では、繊維集合体16の本来的な機能である断熱性と遮音性を確保しつつ、繊維集合体16に含まれる水分の蒸発を十分に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明の外装品10を用いた排ガス処理物品である排気フィルタ装置9を示す。この排気フィルタ装置9は、パティキュレートを実際に捕集する柱状のパティキュレートフィルタ11を本発明の外装品10に収容したものであり、この実施の形態におけるパティキュレートフィルタ11は円柱状であって、比較的目の粗い発泡金属又は発泡セラミックにより作られる。このパティキュレートフィルタ11は、発泡金属又は発泡セラミックからなる複数の同形同大の円板状フィルタ11aを積層することにより構成され、円板状フィルタ11aは発泡金属又は発泡セラミックからなる板材を円形に打ち抜くことにより作られる。そして、この実施の形態では4枚の円板状フィルタ11aを積層した例を示す。
【0010】
本発明の外装品10は、外管12と、その外管12に同軸に収容された内管14と、内管14と外管12の間の隙間に充填された管状の繊維集合体16とを備える。円板状フィルタ11aを積層して形成されたパティキュレートフィルタ11は内管14に挿入され、パティキュレートフィルタ11の両端縁を押さえるように両端部に押さえ板13,13が外管12にそれぞれ挿入され、積層されたそれぞれの円板状フィルタ11aの積層状態を維持しうるように構成される。また、繊維集合体16は内管14の周囲に巻かれた金属繊維の集合体であって、パティキュレートフィルタ11の外周面はこの繊維集合体16で被包される。
【0011】
外管12は繊維集合体16が巻かれたパティキュレートフィルタ11の外径に相応する内径を有する円筒状に形成され、繊維集合体16が巻かれた内管14はその中心軸が同軸になるように外管16に収容される。パティキュレートフィルタ11が内管14とともに外管16に収容された状態で、内管14の外周面に巻かれた繊維集合体16はパティキュレートフィルタ11の外周面と外管16の内面との間に介在し、この繊維集合体16は断熱材として及び遮音材として機能する。即ち、繊維集合体16は、排気の脈動によりパティキュレートフィルタ11が振動した場合にその振動を吸収して遮音する。また、繊維集合体16は熱膨張率の相違に基づくパティキュレートフィルタ11と外管12の膨張又は収縮に伴う誤差を吸収して断熱する。
【0012】
パティキュレートフィルタ11とともに内管14を収容した外管12の両端に挿入された押さえ板13,13は複数の小孔13bが形成された多孔円板であって、押さえ板13,13の外周には互いに外側に向かいかつ外管12の内面に外面が接触するフランジ13a,13aがそれぞれ形成される。押さえ板13,13は、パティキュレートフィルタ11の端部に金網18(図1)を設けた後外管12の両端に挿入され、パティキュレートフィルタ11の端部とこれら押さえ板13,13との間には金網18が設けられる。これらの押さえ板13,13は、外管12の端部に溶接して設けられた蓋体17により押さえられる。
【0013】
蓋体17,17の外管12に臨む一端部はその外管12が嵌着可能な外径に形成され、他端部は図示しない排気管の直径に相応して形成され、この蓋体17,17は漏斗状に形成される。蓋体17,17の一端部が外管の端部に挿入された状態で、蓋体17,17の一端部における端縁は押さえ板13におけるフランジ13aに当接し、押さえ板13は蓋体17,17の一端部により押さえられる。
このようにして、パティキュレートフィルタ11は一対の押さえ板13,13に押さえられて外管12内部に固定される。一方、この蓋体17,17の他端部における外周囲には排気管に接続するための環状のフランジ部材21が溶接によりそれぞれ設けられる。このフランジ部材21には複数の取付孔21aが形成され、図示しない排気管の端縁に設けられた被取付部材にねじ止め可能に構成される。
【0014】
この排気フィルタ装置9は、分断された排気管の中間に外管12の中心軸を略水平にして取付けられる。この外管12の下部には複数の通孔12aが軸方向に間隔をあけて形成され、図1及び図2に示すように、繊維集合体16の通孔12aに相当する部分には切り欠き16aが外管12及び内管14の長手方向に連続して形成される。この実施の形態では、管状の繊維集合体16の中心軸16bに直交する図2に示す横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸16bを結ぶ直線n,mの角度θが15度から120度、好ましくは30度から90度の範囲の間にあるように構成される。この角度θが15度未満であると水蒸気の発生を十分に低減することができず、この角度θが120度を超えると繊維集合体16の本来的機能である断熱性及び遮音性が低下する。なお、本願における切り欠き16aは繊維集合体16の周方向で連続しないように構成される。
【0015】
この排気フィルタ装置9では、エンジンから排出された高圧の排ガスは排気フィルタ装置9における上流側の蓋体17から外管12内部に流入し、パティキュレートフィルタ11を通過する際に排ガス中のパティキュレートを捕集する。パティキュレートフィルタ11を通過した排ガスはその後下流側の蓋体17からその蓋体17に接続された図示しない下流側排気管を介して外部に排出される。
【0016】
一方、エンジンの停止時に内管14と外管12の間に存在する繊維集合体16には水分が吸収される。そして、エンジンを始動した後にはその温度上昇によりその水分が蒸発して外管12に形成された通孔12aからその水蒸気が排出される。本発明では、繊維集合体16の通孔12aに相当する部分に切り欠き16aを形成しているので、図3に示すように、繊維集合体16の内部で水が蒸発して水蒸気が生じると、その水蒸気は繊維集合体16の内部から一端切り欠き16aにより形成される空間に排出され、その後通孔12aから外管12の外部に排出される。ここで、水蒸気が繊維集合体16から一端切り欠き16aにより形成される空間に排出される際に、繊維集合体16の内部に残存する水分がその水蒸気により押し出される。繊維集合体16から押し出された水滴は、通孔12aから外管12の外部に排出され、水蒸気となって通孔12aから白煙として排出されるような事態は解消される。
【0017】
また、このように繊維集合体16に切り欠き16aを形成することにより、通孔12aが塞がれることに起因する外管12の破裂又は内管14の潰れを回避することができ、管状の繊維集合体16の中心軸に直交する横断面において、切り欠き16aの両側部と中心軸を結ぶ直線の角度が15度から120度の範囲にすることにより、繊維集合体16の本来的な機能である断熱性と遮音性を確保することができる。そして、繊維集合体16には切り欠き16aが形成された分だけ水分を吸収する体積が減少して、全体として吸収し得る水分量は減少し、走行時における水はね等により通孔12aから水が外管12の内部に侵入しても、通孔12aの周囲に金属繊維は存在しないので、その水が金属繊維に吸収されることはなく、自重により通孔12aから再び外部に流れ出るので、その水が水蒸気となって排出されることもない。
【0018】
なお、上述した実施の形態では、4枚の円板状フィルタ11aを積層したパティキュレートフィルタ11を説明したが、2枚、3枚、5枚、6枚又は7枚以上の板状フィルタ11aを積層してパティキュレートフィルタを構成しても良い。
また、上述した実施の形態では、円柱状のパティキュレートフィルタ11を使用して説明したが、パティキュレートフィルタ11は長円柱状であっても、楕円柱状であっても、角柱状であっても良い。
更に、上述した実施の形態では、フィルタ11を収容して排ガスを濾過する排気フィルタ装置9に用いられる外装品10を説明したが、図示しないが、本発明の外装品は、消音機器が内管14に収容されて排気経路に設けられ排ガスに含まれる排気音を消音するマフラに用いられるものであっても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、下部に通孔が形成された外管とその外管に同軸に収容された内管との間の隙間に充填された管状の繊維集合体の通孔に相当する部分に切り欠きを外管及び内管の長手方向に連続して形成したので、繊維集合体に吸収された水分が蒸発すると、その水蒸気は繊維集合体の内部から切り欠きにより形成される空間に排出され、その後通孔から外管の外部に排出される。ここで、水蒸気が繊維集合体から切り欠きにより形成される空間に排出される際に、繊維集合体の内部に残存する水分がその水蒸気により押し出される。この結果、繊維集合体から押し出された水分は水滴となって外管の内面を伝って通孔から外管の外部に排出され、水蒸気となって通孔から排出されるような事態を回避することができる。
この場合、管状の繊維集合体の中心軸に直交する横断面において、切り欠きの両側部と中心軸を結ぶ直線の角度を15度から120度の範囲の間にすれば、繊維集合体の本来的な機能である断熱性と遮音性を確保しつつ、繊維集合体に含まれる水分の蒸発を十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装品を含む排気フィルタ装置の縦断面図。
【図2】その外装品の図1のA−A線断面図。
【図3】水蒸気の流れを示す図2に対応する断面図。
【図4】従来の外装品における水蒸気の流れを示す図3に対応する断面図。
【符号の説明】
9 排気フィルタ装置
10 外装品
11 フィルタ
12 外管
12a 通孔
14 内管
16 繊維集合体
16a 切り欠き
16b 中心軸
n,m 切り欠きの両側部と中心軸を結ぶ直線
θ 切り欠きの両側部と中心軸を結ぶ直線の角度
Claims (2)
- 排ガスに含まれる排気音を消音するマフラ又は排ガスを濾過する排気フィルタ装置(9)に用いられる外装品(10)であって、中心軸を略水平にして排気経路に設けられ下部に複数の通孔(12a)が軸方向に間隔をあけて形成された外管(12)と、消音機器又はフィルタ(11)を収容し前記外管(12)の内周面との間に隙間をあけて前記外管(12)に同軸に収容された内管(14)と、前記内管(14)と前記外管(12)の間の隙間に充填された管状の繊維集合体(16)とを備えた排ガス処理物品用外装品において、
前記繊維集合体(16)の前記通孔(12a)に相当する部分に切り欠き(16a)が前記外管(12)及び内管(14)の長手方向に連続して形成されたことを特徴とする排ガス処理物品用外装品。 - 管状の繊維集合体(16)の中心軸(16b)に直交する横断面において、切り欠き(16a)の両側部と前記中心軸(16b)を結ぶ直線(n,m)の角度(θ)が15度から120度の範囲の間にある請求項1記載の排ガス処理物品用外装品。
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