JP2005054379A - スクレーパ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の床材などを剥ぎ取るスクレーパには、本体を央部で折り曲げ、折り曲げ部の裏面の角を梃子の支点として使えるものがあった。この折り曲げ角度が大きいほど梃子の作用が大きくなるが、折り曲げ角度が大きくなるほど本体先端の刃部を床下地と床材の間に刺し込む時の抵抗が大きくなりスクレーパとして使えなくなる。本発明のスクレーパは、使い易い本体の折り曲げ角度のままで、梃子の作用を強力に発揮できるスクレーパを提供することを目的としている。
【解決手段】本発明のスクレーパは、板状の本体1の基端に柄5を設けたスクレーパであって、該本体1の裏面に突出部6を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のスクレーパは、板状の本体1の基端に柄5を設けたスクレーパであって、該本体1の裏面に突出部6を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、建築現場や工事現場で残滓収集や清掃時に使用するスクレーパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来、建築現場や工事現場で残滓収集や清掃時に使用するスクレーパに、上方に向けた凹状湾曲面を有する板材からなる集滓部を有する特許文献1(特開平05―179614号公報)があった。この湾曲した集滓部は、残滓を集め易くすることを目的としていた。
【0003】
又、タイルの目地に塗布された古い塗布剤を除去する非特許文献1(意匠登録第1074080号公報)としての目地材用スクレーパがあった。このスクレーパは、作業し易くするために平板状スクレーパ本体が柄の先端に所定の角度で取付けられていた。塗布剤が厚くて強固な場合、スクレーパ本体の先端を強固な塗布剤と目地との隙間に差し込み、所定の角度で柄の先端に取付けたスクレーパ本体と柄の取付け部を梃子の支点として柄を下方向に押し下げると、強固な塗布剤も容易に剥せるようになっている。
【0004】
更に、接着剤などで付着された床材などを剥ぎ取るときに使用するスクレーパに、非特許文献2(意匠登録第1161084号公報)があった。このスクレーパは、スクレーパ本体が平板な板状で、プレス加工によりスクレーパ本体の表側又は裏側を反対側に向けて押し込んで一方に溝を他方に突条を形成したものである。そしてスクレーパ本体の基部の先端に刃部及び刃部近傍部が本体の表面側に向かって所定の角度に折り曲げて取付けられている。床下地と床材の間に刃部を挿入し、この折り曲げられた本体の基部と刃部の裏面の角を梃子の支点とし、柄を下方に押し下げて使っていた。この本体の表裏に設けられた突条と溝は本体の強度を増すためのものである。
【0005】
【特許文献1】特開平05―179614号公報
【非特許文献1】意匠登録第1074080号公報
【非特許文献2】意匠登録第1161084号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
刃部及び刃部近傍部の折り曲げ角度を大きくすれば、梃子としての機能が大きくなるが、この角度が大き過ぎると、床下地と床材の間に刃部を挿入して強く押しこむ際の抵抗が大きくなり、使い難くなる。本発明のスクレーパは、接着剤などで付着された合成樹脂製の床材や、古くなった塗料などを剥ぎ取るときの梃子の働きを一層高めるためのものであり、使い易い範囲の角度で本体の央部を曲げたり柄に取付けた状態で、梃子の機能を強化でき、且つ、床材剥ぎ取り作業自体が刃部の研磨作業にもなるスクレーパを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本願の第1の発明によるスクレーパは、板状の本体の基端に柄を設けたスクレーパであって、該本体の裏面に突出部を設けたことを特徴としている。
本願の第2の発明によるスクレーパは、前記突出部が、本体の基端側から先端側に向かって添設された補強材であることを特徴としている。
本願の第3の発明によるスクレーパは、前記補強材が、本体の両側に設けられ、該本体の裏面方向に折り曲げられた折曲片であることを特徴としている。
本願の第4の発明によるスクレーパは、板状の本体の先端が刃部であり、該本体の基端に柄を設けたスクレーパであって、該本体の少なくとも刃部の表面側が裏面側より高硬度に造られていることを特徴としている。
【0008】
本願の第5の発明によるスクレーパは、前記本体が金属製であり、少なくとも本体の刃部の表側に焼入れを施され、刃部の表面側が裏面側より高硬度に造られていることを特徴としている。
本願の第6の発明によるスクレーパは、第4又は第5の発明の本体の裏面に突出部を設けたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図であり、図2は、図1のA―A線断面図である。板状のスクレーパ本体1は、基部2と先端の刃部3と中間の刃部近傍部4とからなり、基部2の先端側に刃部3と刃部近傍部4が、本体1の表面側に折り曲げられている。後述するように、本体1は、全体が1枚の平らな板状であっても良い。このスクレーパ本体1の基端には、柄5が設けられている。この柄5は、断面が楕円形の金属パイプであり、この金属製パイプを楕円が本体1と直交するように縦長に取付けられている。尚、柄5の形状は、断面楕円形に拘らず任意であり、材質も金属製に拘らず木製その他任意である。
【0010】
本体1の折り曲げられた位置近傍(この位置に拘るものではないが、本体1全体の先端側1/3程度の位置が望ましい)の裏面側に突出部6を設ける。図では、この突出部6の形状を本体1の裏面側の折り曲げられた面に沿った湾曲した厚い板で示しているが、断面L型のアングルやパイプを始め、任意の形状の突出部6であって良く、突出部6の厚さは、刃部3と刃部近傍部4を合わせた長さの2〜4割程度が望ましい。
【0011】
上記構成の本体1の裏面に突出部6を設けたスクレーパは、刃部3を床下地と下地面上に貼着された床材の間に強圧で押し込んだ状態で本体1の基端に取付けられた柄5の端部を下方に押し下げると、梃子の作用により突出部6が支点となって刃部3が上方向に強く持ち上げられ、刃部3が当接している床材の近傍から順次剥される。床材が少し剥されたら、再度刃部3を床下地と床材の間に強圧で押し込むことを繰返し、床材を床下地から剥ぎ取る。本体1全体が1枚の平板な板状の場合であっても央部で折り曲げられた本体1であっても使い方は同じである。以上のように、本体1の裏面に突出部6を設けたので、古くなり損傷した床材を取り替える際の床材を剥ぎ取る際の梃子の効果を大きくし、床材剥ぎ取り作業が大変効率的に且つ楽になった。
【0012】
図3は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図であり、図4は、図3のB―B線断面図である。以下、補強材としての突出部を説明する。本体1の裏面の中央部には、基部2から先端に向かう補強材としての帯板である突条11が取り付けられている。この突条11の先端部は、本体1の刃部近傍部4に、突条11の基部は、柄5の先端に夫々溶接(ネジ止など他の方法でも良い)されている。帯板である突条11は、本体1の裏面と略並行に取付けられ、突条11の先端部は、本体1の表面側に折り曲げられている。この突条11の央部と本体1の裏面の間には空間があるが、密着させたり固着させても良い。突条11を本体1の裏面に密着させたときは、本体1の折り曲げ部近傍で突条11を折り曲げたり厚くしたりした突出部を設けると良い。又、突条11の幅は、必要に応じて任意であり、突条11の縦断面をコ状としたり湾曲させたりしても良く、必要に応じて基部から先端に向かって複数本の突条11を設けても良い。
【0013】
上記構成の本体1の裏面に補強材としての突条11を基部から先端に向かって添設したので、前記実施例の効果に加え、本体1の強度が向上した。又、突条11の形状や本数を変更できるので、必要に応じた強度の補強材付スクレーパが得られた。
【0014】
図5は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図であり、図6は、図3のC―C線断面図である。本実施例は、前記実施例の帯板である突条11の代わりに帯板である突条12を本体1の裏面に本体1と直交させて基部2から先端に向かって植設したものである。突条12の基部は、本体1の基部2に取り付けられたパイプ製の柄5の先端に挿入され、突条12と本体1の裏面と当接面が全面的に溶接されているので、安定性が良い上に、帯板である突条12の強度上理に叶った使い方であり、本体1の強度を大幅に向上できた。尚、本体1の刃部近傍部4の裏面で突条12の両側(或は、両側近傍)に駒13を設けた場合は、刃部3を床と床材の間に挿入し梃子として柄5の端部を下方に押し床材を剥す際、安定して押すことができる。
【0015】
図7は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図である。前記実施例の突条12の代わりに本体1の両側を裏面方向に折り曲げた補強材としての折曲片14を設けても良い。本体1の裏面両側に折曲片14を設けた場合も前記実施例と同様の効果が得られる。
【0016】
図8は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図である。図8に示すように平板な本体1を全体が1枚の平らな本体15とし、本体15の裏面側に複数本の補強材としての突条16(本体裏面両側の折り曲げ片でも良い)を設けることができる。尚、図8に示すように、本体15の裏面側に複数の突条16を並立させた場合は、図5の駒付突条の実施例同様複数の突条16を梃子の支点として安定させて使える。
【0017】
図9は、本発明のスクレーパの斜視図で、図10は、図9のD―D線断面図で、図11は、本体を二層鋼で形成した場合の図10に対応する図である。図9、図10に示すように、平板なスクレーパの本体21(全体が1枚の平らな板である本体であっても良い)は、基部22と、先端の刃部24と、央部の刃部近傍部23からなり、基部22の先端側に刃部近傍部23が本体21の表面方向に折り曲げた状態で取付けられており、基部22の基端に柄25が取付けられている。上記刃部24(又は刃部24及び刃部近傍部23)の表面側を焼入れにより裏面側より高硬度に仕上げた焼入れ部26とする。或は、図11に示すように、表裏で硬度の異なる複数層鋼(例えば、二層鋼)の高硬度側の層27を表面に使っても良い。
【0018】
上記構成を有するスクレーパを用いて床材剥し作業をすると、先端の刃部24は、床材剥し作業中、常時床下地面に押圧された状態で摺動され、刃部24の裏面側が研がれて先に磨耗する。従って、刃部24は、作業中常時刃研ぎ作業がなされるので、改めて刃部24研ぎ作業をする必要がない。
【0019】
上記スクレーパを接着剤等により床下地面に貼り付けられた床材剥し用スクレーパを例示して説明しているが、コンクリート打設用型枠に付着したセメントの残滓取り用スクレーパや塗膜剥し用スクレーパを始め手動具としての各種スクレーパに施すことができる。
【0020】
図9、図11に示すスクレーパに、図1の突出部6、図3の突条11、図5の突条12、駒13、図7の折曲片14、突条16のいずれかを取り付けることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明のスクレーパは、スクレーパ本体の裏面側に突出部を設けたので、刃部の形状や柄に取付けた刃部の角度に関りなく梃子の支点として突出部を使い柄を下方に押し下げられるので、床下地上に貼着した床材の剥ぎ取り作業が容易にできる。このことは、突出部が、本体の基端側から先端側に向かって添設された補強材であっても、本体の両側に設けられ、本体の裏面方向に折り曲げられた折曲片であっても同様である。
【0022】
本体の裏面側に補強材を設けたり、補強材としての折曲げ片を設けたので、補強材の設け方次第で、スクレーパ本体の強度を自在に高めることができた。
【0023】
少なくとも刃部の裏面側より表面側の硬度を高くしたので、床材などの剥ぎ取り作業により刃部の裏面側が先に削られ、剥ぎ取り作業自体に刃研ぎ作業を兼ねさせることができたので、改めて刃研ぎ作業をしなくても常に刃先を鋭利に維持できるようになった。このことは、本体を金属製とし、刃部の表面側に焼入れを施した場合であっても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクレーパの本体の裏面に突出部を設けた裏面側から見た斜視図である。
【図2】図1のA―A線断面図である。
【図3】本発明のスクレーパの補強材としての突条を本体の裏面に裏面と並行に取付けた裏面側から見た斜視図である。
【図4】図3のB―B線断面図である。
【図5】本発明のスクレーパの補強材としての突条を本体の裏面に植設した裏面側から見た斜視図である。
【図6】図5のC―C線断面図である。
【図7】本発明のスクレーパの補強材としての折曲げ片を本体の裏面の両側に設けた裏面側から見た斜視図である。
【図8】本発明のスクレーパの補強材としての2本の突条を全体が1枚の平板な本体の裏面に植設した裏面側から見た斜視図である。
【図9】本発明のスクレーパの焼入れ位置を示す斜視図である。
【図10】図9のD―D線断面図である。
【図11】本発明のスクレーパ本体を二層鋼で造った時の図10に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 スクレーパ本体
2 本体の基部
3 本体の刃部
4 本体の刃部近傍部
5 柄
6 突出部
11 突条
12 突条
13 駒
14 折曲片
15 平らな本体
16 突条
21 本体
22 本体の基部
23 刃部近傍部
24 刃部
25 柄
26 焼入れ部
27 複数層鋼の高硬度側の層
【技術分野】
本発明は、建築現場や工事現場で残滓収集や清掃時に使用するスクレーパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来、建築現場や工事現場で残滓収集や清掃時に使用するスクレーパに、上方に向けた凹状湾曲面を有する板材からなる集滓部を有する特許文献1(特開平05―179614号公報)があった。この湾曲した集滓部は、残滓を集め易くすることを目的としていた。
【0003】
又、タイルの目地に塗布された古い塗布剤を除去する非特許文献1(意匠登録第1074080号公報)としての目地材用スクレーパがあった。このスクレーパは、作業し易くするために平板状スクレーパ本体が柄の先端に所定の角度で取付けられていた。塗布剤が厚くて強固な場合、スクレーパ本体の先端を強固な塗布剤と目地との隙間に差し込み、所定の角度で柄の先端に取付けたスクレーパ本体と柄の取付け部を梃子の支点として柄を下方向に押し下げると、強固な塗布剤も容易に剥せるようになっている。
【0004】
更に、接着剤などで付着された床材などを剥ぎ取るときに使用するスクレーパに、非特許文献2(意匠登録第1161084号公報)があった。このスクレーパは、スクレーパ本体が平板な板状で、プレス加工によりスクレーパ本体の表側又は裏側を反対側に向けて押し込んで一方に溝を他方に突条を形成したものである。そしてスクレーパ本体の基部の先端に刃部及び刃部近傍部が本体の表面側に向かって所定の角度に折り曲げて取付けられている。床下地と床材の間に刃部を挿入し、この折り曲げられた本体の基部と刃部の裏面の角を梃子の支点とし、柄を下方に押し下げて使っていた。この本体の表裏に設けられた突条と溝は本体の強度を増すためのものである。
【0005】
【特許文献1】特開平05―179614号公報
【非特許文献1】意匠登録第1074080号公報
【非特許文献2】意匠登録第1161084号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
刃部及び刃部近傍部の折り曲げ角度を大きくすれば、梃子としての機能が大きくなるが、この角度が大き過ぎると、床下地と床材の間に刃部を挿入して強く押しこむ際の抵抗が大きくなり、使い難くなる。本発明のスクレーパは、接着剤などで付着された合成樹脂製の床材や、古くなった塗料などを剥ぎ取るときの梃子の働きを一層高めるためのものであり、使い易い範囲の角度で本体の央部を曲げたり柄に取付けた状態で、梃子の機能を強化でき、且つ、床材剥ぎ取り作業自体が刃部の研磨作業にもなるスクレーパを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本願の第1の発明によるスクレーパは、板状の本体の基端に柄を設けたスクレーパであって、該本体の裏面に突出部を設けたことを特徴としている。
本願の第2の発明によるスクレーパは、前記突出部が、本体の基端側から先端側に向かって添設された補強材であることを特徴としている。
本願の第3の発明によるスクレーパは、前記補強材が、本体の両側に設けられ、該本体の裏面方向に折り曲げられた折曲片であることを特徴としている。
本願の第4の発明によるスクレーパは、板状の本体の先端が刃部であり、該本体の基端に柄を設けたスクレーパであって、該本体の少なくとも刃部の表面側が裏面側より高硬度に造られていることを特徴としている。
【0008】
本願の第5の発明によるスクレーパは、前記本体が金属製であり、少なくとも本体の刃部の表側に焼入れを施され、刃部の表面側が裏面側より高硬度に造られていることを特徴としている。
本願の第6の発明によるスクレーパは、第4又は第5の発明の本体の裏面に突出部を設けたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図であり、図2は、図1のA―A線断面図である。板状のスクレーパ本体1は、基部2と先端の刃部3と中間の刃部近傍部4とからなり、基部2の先端側に刃部3と刃部近傍部4が、本体1の表面側に折り曲げられている。後述するように、本体1は、全体が1枚の平らな板状であっても良い。このスクレーパ本体1の基端には、柄5が設けられている。この柄5は、断面が楕円形の金属パイプであり、この金属製パイプを楕円が本体1と直交するように縦長に取付けられている。尚、柄5の形状は、断面楕円形に拘らず任意であり、材質も金属製に拘らず木製その他任意である。
【0010】
本体1の折り曲げられた位置近傍(この位置に拘るものではないが、本体1全体の先端側1/3程度の位置が望ましい)の裏面側に突出部6を設ける。図では、この突出部6の形状を本体1の裏面側の折り曲げられた面に沿った湾曲した厚い板で示しているが、断面L型のアングルやパイプを始め、任意の形状の突出部6であって良く、突出部6の厚さは、刃部3と刃部近傍部4を合わせた長さの2〜4割程度が望ましい。
【0011】
上記構成の本体1の裏面に突出部6を設けたスクレーパは、刃部3を床下地と下地面上に貼着された床材の間に強圧で押し込んだ状態で本体1の基端に取付けられた柄5の端部を下方に押し下げると、梃子の作用により突出部6が支点となって刃部3が上方向に強く持ち上げられ、刃部3が当接している床材の近傍から順次剥される。床材が少し剥されたら、再度刃部3を床下地と床材の間に強圧で押し込むことを繰返し、床材を床下地から剥ぎ取る。本体1全体が1枚の平板な板状の場合であっても央部で折り曲げられた本体1であっても使い方は同じである。以上のように、本体1の裏面に突出部6を設けたので、古くなり損傷した床材を取り替える際の床材を剥ぎ取る際の梃子の効果を大きくし、床材剥ぎ取り作業が大変効率的に且つ楽になった。
【0012】
図3は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図であり、図4は、図3のB―B線断面図である。以下、補強材としての突出部を説明する。本体1の裏面の中央部には、基部2から先端に向かう補強材としての帯板である突条11が取り付けられている。この突条11の先端部は、本体1の刃部近傍部4に、突条11の基部は、柄5の先端に夫々溶接(ネジ止など他の方法でも良い)されている。帯板である突条11は、本体1の裏面と略並行に取付けられ、突条11の先端部は、本体1の表面側に折り曲げられている。この突条11の央部と本体1の裏面の間には空間があるが、密着させたり固着させても良い。突条11を本体1の裏面に密着させたときは、本体1の折り曲げ部近傍で突条11を折り曲げたり厚くしたりした突出部を設けると良い。又、突条11の幅は、必要に応じて任意であり、突条11の縦断面をコ状としたり湾曲させたりしても良く、必要に応じて基部から先端に向かって複数本の突条11を設けても良い。
【0013】
上記構成の本体1の裏面に補強材としての突条11を基部から先端に向かって添設したので、前記実施例の効果に加え、本体1の強度が向上した。又、突条11の形状や本数を変更できるので、必要に応じた強度の補強材付スクレーパが得られた。
【0014】
図5は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図であり、図6は、図3のC―C線断面図である。本実施例は、前記実施例の帯板である突条11の代わりに帯板である突条12を本体1の裏面に本体1と直交させて基部2から先端に向かって植設したものである。突条12の基部は、本体1の基部2に取り付けられたパイプ製の柄5の先端に挿入され、突条12と本体1の裏面と当接面が全面的に溶接されているので、安定性が良い上に、帯板である突条12の強度上理に叶った使い方であり、本体1の強度を大幅に向上できた。尚、本体1の刃部近傍部4の裏面で突条12の両側(或は、両側近傍)に駒13を設けた場合は、刃部3を床と床材の間に挿入し梃子として柄5の端部を下方に押し床材を剥す際、安定して押すことができる。
【0015】
図7は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図である。前記実施例の突条12の代わりに本体1の両側を裏面方向に折り曲げた補強材としての折曲片14を設けても良い。本体1の裏面両側に折曲片14を設けた場合も前記実施例と同様の効果が得られる。
【0016】
図8は、本発明のスクレーパの裏面側から見た斜視図である。図8に示すように平板な本体1を全体が1枚の平らな本体15とし、本体15の裏面側に複数本の補強材としての突条16(本体裏面両側の折り曲げ片でも良い)を設けることができる。尚、図8に示すように、本体15の裏面側に複数の突条16を並立させた場合は、図5の駒付突条の実施例同様複数の突条16を梃子の支点として安定させて使える。
【0017】
図9は、本発明のスクレーパの斜視図で、図10は、図9のD―D線断面図で、図11は、本体を二層鋼で形成した場合の図10に対応する図である。図9、図10に示すように、平板なスクレーパの本体21(全体が1枚の平らな板である本体であっても良い)は、基部22と、先端の刃部24と、央部の刃部近傍部23からなり、基部22の先端側に刃部近傍部23が本体21の表面方向に折り曲げた状態で取付けられており、基部22の基端に柄25が取付けられている。上記刃部24(又は刃部24及び刃部近傍部23)の表面側を焼入れにより裏面側より高硬度に仕上げた焼入れ部26とする。或は、図11に示すように、表裏で硬度の異なる複数層鋼(例えば、二層鋼)の高硬度側の層27を表面に使っても良い。
【0018】
上記構成を有するスクレーパを用いて床材剥し作業をすると、先端の刃部24は、床材剥し作業中、常時床下地面に押圧された状態で摺動され、刃部24の裏面側が研がれて先に磨耗する。従って、刃部24は、作業中常時刃研ぎ作業がなされるので、改めて刃部24研ぎ作業をする必要がない。
【0019】
上記スクレーパを接着剤等により床下地面に貼り付けられた床材剥し用スクレーパを例示して説明しているが、コンクリート打設用型枠に付着したセメントの残滓取り用スクレーパや塗膜剥し用スクレーパを始め手動具としての各種スクレーパに施すことができる。
【0020】
図9、図11に示すスクレーパに、図1の突出部6、図3の突条11、図5の突条12、駒13、図7の折曲片14、突条16のいずれかを取り付けることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明のスクレーパは、スクレーパ本体の裏面側に突出部を設けたので、刃部の形状や柄に取付けた刃部の角度に関りなく梃子の支点として突出部を使い柄を下方に押し下げられるので、床下地上に貼着した床材の剥ぎ取り作業が容易にできる。このことは、突出部が、本体の基端側から先端側に向かって添設された補強材であっても、本体の両側に設けられ、本体の裏面方向に折り曲げられた折曲片であっても同様である。
【0022】
本体の裏面側に補強材を設けたり、補強材としての折曲げ片を設けたので、補強材の設け方次第で、スクレーパ本体の強度を自在に高めることができた。
【0023】
少なくとも刃部の裏面側より表面側の硬度を高くしたので、床材などの剥ぎ取り作業により刃部の裏面側が先に削られ、剥ぎ取り作業自体に刃研ぎ作業を兼ねさせることができたので、改めて刃研ぎ作業をしなくても常に刃先を鋭利に維持できるようになった。このことは、本体を金属製とし、刃部の表面側に焼入れを施した場合であっても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクレーパの本体の裏面に突出部を設けた裏面側から見た斜視図である。
【図2】図1のA―A線断面図である。
【図3】本発明のスクレーパの補強材としての突条を本体の裏面に裏面と並行に取付けた裏面側から見た斜視図である。
【図4】図3のB―B線断面図である。
【図5】本発明のスクレーパの補強材としての突条を本体の裏面に植設した裏面側から見た斜視図である。
【図6】図5のC―C線断面図である。
【図7】本発明のスクレーパの補強材としての折曲げ片を本体の裏面の両側に設けた裏面側から見た斜視図である。
【図8】本発明のスクレーパの補強材としての2本の突条を全体が1枚の平板な本体の裏面に植設した裏面側から見た斜視図である。
【図9】本発明のスクレーパの焼入れ位置を示す斜視図である。
【図10】図9のD―D線断面図である。
【図11】本発明のスクレーパ本体を二層鋼で造った時の図10に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 スクレーパ本体
2 本体の基部
3 本体の刃部
4 本体の刃部近傍部
5 柄
6 突出部
11 突条
12 突条
13 駒
14 折曲片
15 平らな本体
16 突条
21 本体
22 本体の基部
23 刃部近傍部
24 刃部
25 柄
26 焼入れ部
27 複数層鋼の高硬度側の層
Claims (6)
- 板状の本体の基端に柄を設けたスクレーパであって、該本体の裏面に突出部を設けたことを特徴とするスクレーパ。
- 前記突出部が、本体の基端側から先端側に向かって添設された補強材であることを特徴とするする請求項1記載のスクレーパ。
- 前記補強材が、本体の両側に設けられ、該本体の裏面方向に折り曲げられた折曲片であることを特徴とする請求項2記載のスクレーパ。
- 板状の本体の先端が刃部であり、該本体の基端に柄を設けたスクレーパであって、
該本体の少なくとも刃部の表面側が裏面側より高硬度に造られていることを特徴とするスクレーパ。 - 前記本体が金属製であり、少なくとも本体の刃部の表側に焼入れを施され、刃部の表面側が裏面側より高硬度に造られていることを特徴とする請求項4記載のスクレーパ。
- 前記本体の裏面に突出部を設けたことを特徴とする請求項4又は5記載のスクレーパ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003206187A JP2005054379A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | スクレーパ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005054379A true JP2005054379A (ja) | 2005-03-03 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007262814A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Toli Corp | 床面付着物剥離具 |
JP7427184B1 (ja) | 2023-05-27 | 2024-02-05 | 株式会社インテリア河野 | スクレーパー用刃 |
-
2003
- 2003-08-06 JP JP2003206187A patent/JP2005054379A/ja active Pending
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