JP2005054188A - 改良された流動性を有する水素化ニトリルゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む、改良された流動性及び耐流体老化性を有する組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含んでなる組成物に、4個未満の炭素原子を有する炭化水素基を少なくも1つ持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む、改良された流動性を有する組成物、少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む組成物の流動性を改良する方法、及び少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む組成物の流体老化性を改良する方法に関する。
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム;NBR、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種の不飽和ニトリル及び所望により更なるコモノマーを含むコポリマー)の選択的水素化により調製される水素化ニトリルゴム(HNBR)は、非常に良好な耐熱性、優れた耐オゾン及び薬品性並びに優れた耐油性を有する特殊ゴムである。ゴムの高水準の機械的特性(特に、高い耐摩耗性)を考えると、NBR及びHNBRが、とりわけ、自動車産業(シール、ホース、軸受パッド)、石油産業(ステーター、油井頭部シール、バルブプレート)、電気産業(ケーブルシース)、機械産業(ホイール、ローラー)及び造船産業(パイプシール、カップリング)において広く使用されていることは、驚くにあたらない。
市販のHNBRは、55から105の範囲のムーニー粘度、200000〜500000g/モルの範囲の分子量、3.0を超える多分散度、及び1〜18%の範囲の残留二重結合(RDB、Residual double bond)(IR分光法による)を有する。
HNBRの加工における1つの制限は、比較的高いムーニー粘度である。原則的に、より小さい分子量及びより低いムーニー粘度を有するHNBRがより良好な加工性を有する。このポリマーの分子量を、素練り(機械的分解)及び化学的手段(例えば、強酸の使用)により低下させる試みがなされているが、これらの方法は、ポリマーに官能基(例えば、カルボン酸又はエステル基)を導入することになり、ポリマーの微細構造を変化させるという欠点を有する。
GB-A-2,019,413は、4個を超える炭素原子を有する炭化水素基を持つオルガノシロキサンを含むゴム組成物を開示する。しかしながら、水素化ニトリルゴム及び4個未満の炭素原子を有する炭化水素基を持つオルガノシロキサンは開示されておらず、この特許公開公報の教示は、熱安定性の改良に限られている。
US-3,332,900は、シロキサンとイソシアネートの付加物を開示する。しかし、水素化ニトリルゴムは開示されていない。
EP-A-0 045 641は、オルガノシロキサンを含むビニル樹脂組成物を開示する。しかし、水素化ニトリルゴムは記載されていない。
US-3,450,736は、変性シロキサンポリマー及びそれを含む組成物を開示する。しかし、水素化ニトリルゴムは開示されていない。
EP-A-0 243 514は、加工助剤としてオルガノシロキサンを含むゴム組成物の製法を開示する。しかし、水素化ニトリルゴムは開示されていない。
GB-A-2,019,413 US-3,332,900 EP-A-0 045 641 US-3,450,736 EP-A-0 243 514
本発明は、少なくとも1種の水素化ニトリルゴム、及び4個未満の炭素原子を有する少なくも1つの炭化水素基を持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを含んでなる組成物を提供する。また本発明は、少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む組成物に、4個未満の炭素原子を有する少なくも1つの炭化水素基を持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを添加することからなる、該組成物の流動性を改良する方法を提供する。さらに本発明は、少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む組成物に、4個未満の炭素原子を有する少なくも1つの炭化水素基を持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを添加することからなる、該組成物の流体老化性を改良する方法を提供する。
本明細書を通じて使用される場合、用語「ニトリルゴム」または「NBR」は、広い意味を有することを意図しており、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル及び場合により1種又はそれ以上の共重合性モノマーから誘導された繰返し単位を含んでなるコポリマーを意味する。
本発明において、HNBRは、水素化されたニトリルゴム(NBR)中の残留二重結合の50%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%超、最も好ましくは99%超が水素化されているものと理解される。
共役ジエンは、既知の共役ジエンのいずれであってもよく、特にC−C共役ジエンである。好ましい共役ジエンは、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチルブタジエン及びこれらの混合物である。より好ましいC−C共役ジエンは、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物である。最も好ましいC-C共役ジエンはブタジエンである。
α,β−不飽和ニトリルも、既知のα,β−不飽和ニトリルのいずれであってもよく、特にC−Cα,β−不飽和ニトリルである。好ましいC−Cα,β−不飽和ニトリルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル及びこれらの混合物である。最も好ましいC−Cα,β−不飽和ニトリルはアクリロニトリルである。
好ましくは、コポリマーは、1種又はそれ以上の共役ジエンから誘導された繰返し単位40〜85質量%、及び1種又はそれ以上の不飽和ニトリルから誘導された繰返し単位15〜60質量%を含む。より好ましくは、コポリマーは、1種又はそれ以上の共役ジエンから誘導された繰返し単位60〜75質量%、及び1種又はそれ以上の不飽和ニトリルから誘導された繰返し単位25〜40質量%を含む。最も好ましくは、コポリマーは、1種又はそれ以上の共役ジエンから誘導された繰返し単位60〜70質量%、及び1種又はそれ以上の不飽和ニトリルから誘導された繰返し単位30〜40質量%を含む。
場合により、コポリマーは、1種又はそれ以上の共重合性モノマー、例えば不飽和カルボン酸から誘導された繰返し単位をさらに含む。適している不飽和カルボン酸の非制限的な例は、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物である。1種又はそれ以上の共重合性モノマーから誘導された繰返し単位は、ニトリルゴムのニトリル部分又はジエン部分を置換する。当業者には、上記の量範囲の数値が100質量%となるように調節されなければならないことは明らかである。上記不飽和カルボン酸の場合、ニトリルゴムは、1種又はそれ以上の不飽和カルボン酸から誘導された繰返し単位を好ましくはゴムに対して1〜10質量%の割合で含み、この割合は、共役ジエンの対応量を置換したものである。
他の好ましい所望のモノマーは、不飽和モノ又はジカルボン酸若しくはこれらの誘導体(例えば、エステル、アミドなど)及びこれらの混合物である。
適しているHNBRには、TherbanTM A3407、TherbanTM C3467 又はTherbanTM A3907(全てBayer Inc., Canada から販売)が含まれる。
HNBRは、単独で又は他のエラストマーと組み合わせて使用できる。他のエラストマーの例は以下のとおりである:
BR:ポリブタジエン
ABR:ブタジエン/C−Cアルキルアクリレートコポリマー
CR:ポリクロロプレン
IR:ポリイソプレン
SBR:スチレン/ブタジエンコポリマー(スチレン含量1〜60質量%、好ましくは20〜50質量%)
IIR:イソブチレン/イソプレンコポリマー
NBR:ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(アクリロニトリル含量5〜60質量%、好ましくは10〜40質量%)
EPDM:エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー
オルガノポリシロキサンは、4個未満の炭素原子を有する少なくとも1つの炭化水素基を持つ、好ましくは全ての炭化水素基が4個未満の炭素原子を有する、既知のオルガノポリシロキサンのいずれであってもよい。好ましいオルガノポリシロキサンは、式(I):
Figure 2005054188
[式中、R、R’及びR”は、同一又は異なって、独立に、置換又は非置換の、1〜3個の炭素原子を有する1価炭化水素基であり、m/nは1又はそれ未満、特に0.1又はそれ未満、とりわけ0.01又はそれ未満である。]
で示される構造を有する。より好ましくは、オルガノポリシロキサンは、鎖間に架橋を持たない環式又は直鎖構造を有する。好ましくは、R、R’及びR”は、メチル、エチル、プロピル、ビニルからなる群から選択される。最も好ましくは、オルガノポリシロキサンは、R及びR”がメチルであり、R’が4個未満の炭素原子を有する有機基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ビニル)である式(I)の構造を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
オルガノポリシロキサンの粘度は、特に制限されないが、好ましくは500〜250000mPa.sの範囲である。
適当なオルガノポリシロキサンには、PS 447TM(United Technonogy から販売のビニルジメチル末端ポリジメチルシロキサン)、PS 047TM(United Technonogy から販売のトリメチル末端ポリジメチルシロキサン)、SiloprenTM U1及びU165(GE-Bayer Silcones から販売のビニルジメチル末端ポリジメチルシロキサン)が包含される。
本発明の組成物の組成は広い範囲で変化し得る。本発明の組成物は、好ましくは1〜20phr、より好ましくは1〜10phr、最も好ましくは3〜7phrのオルガノポリシロキサンを含む。
本発明の組成物は、さらに1種又はそれ以上の充填剤を含み得る。
充填剤は、非鉱物質又は鉱物質充填剤であってよい。鉱物質充填剤の例には、シリカ、珪酸塩、粘土(例えばベントナイト)、石膏、アルミナ、二酸化チタン、タルクなど、及びこれらの混合物が包含される。
充填剤の更なる例は、以下のとおりである:
・例えば、珪酸塩溶液の沈殿又はハロゲン化珪素の火炎加水分解により製造され、5〜1000、好ましくは20〜400m/gの表面積(BET比表面積)及び10〜400nmの一次粒子系を有する高分散シリカ;シリカは、場合により他の金属酸化物、例えばAl、Mg、Ca、Ba、Zn、Zr及びTiの酸化物との混合酸化物として存在してよい。
・合成珪酸塩、例えば珪酸アルミニウム及び珪酸アルカリ土類金属など。
・20〜400m/gのBET比表面積及び10〜400nmの一次粒子径を有する、珪酸マグネシウム又は珪酸カルシウム。
・天然珪酸塩、例えばカオリン及び他の天然珪酸塩。
・ガラス繊維及びガラス繊維製品(マット、押出物)又はガラス微小球。
・金属酸化物、例えば酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム。
・金属炭酸塩、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸亜鉛。
・金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム。
これらの組み合わせも使用できる。
適当なシリカ充填剤は、HiSilTM 210、HiSilTM 233、HiSilTM 243 (全てPPG Industries, Inc.製) の商品名で販売されている。VulkasitTM S 及びVulkasitTM N (共にBayer AG 製)も適している。
非鉱物質充填剤は、ランプブラック法、ファーネスブラック法又はガスブラック法により製造されたカーボンブラック、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF又はGPF カーボンブラックであってよい。
場合により、本発明のゴム組成物は、カルボジイミド、ポリカルボジイミド又はこれらの混合物をさらに含んでいてよい。好ましいカルボジイミドは、RhenogramTM P50及びStabaxolTM P の商品名で販売されている。この成分は、本発明の組成物中で、0〜約15質量部、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜2質量部の範囲の量で使用され得る。
場合により、本発明のゴム組成物は、アクリル化合物をさらに含んでいてよい。本明細書において使用される場合、用語「アクリル化合物」は、広い意味を有しており、式:[R−CH=CR’COO]n+(式中、R及びR’は、同一又は異なって、脂肪族又は芳香族炭化水素基若しくは水素を表し、Mは2、12又は13族(IUPAC 1985)から選択される金属のイオンを表し、nは2又は3の整数である。)で示される構造を有する化合物又は液体アクリレート(例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM)、ブタンジオールジメタクリレート(BDMA)及びエチレングリコールジメタクリレート(EDMA)を包含することを意図している。特に好ましいのは、EP-A1-0 319 320、とりわけ第3頁16〜35頁、US-5,208,294、とりわけ第2欄25〜40行、及びUS-4,983,678、とりわけ第2欄45〜62行から既知のアクリレートである。アクリル酸亜鉛、ジアクリル酸亜鉛又はジメタクリル酸亜鉛又は液体アクリレートが好ましい。異なるアクリレート及び/又はそれらの金属塩の組み合わせを使用するのが有利である。
本発明のゴム組成物中には、アクリル化合物は、0〜100phr(=ゴム100部あたりの部数)、好ましくは0.1〜20phr、より好ましくは0.2〜7phrの範囲の量で存在する。
本発明のゴム組成物は、1種又はそれ以上の加硫剤又は硬化剤を含んでいてよい。本発明は、特定の硬化系に限定されないが、過酸化物硬化系が好ましい。さらに、本発明は、特定の過酸化物硬化系に限定されない。例えば、無機又は有機過酸化物が適している。好ましい過酸化物は、ジアルキルパーオキシド、ケタールパーオキシド、アラルキルパーオキシド、パーオキシドエーテル、パーオキシドエステル、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキセン−3、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド及びt−ブチルパーベンゾエートなどの有機過酸化物である。組成物中の過酸化物の量は、通常1〜10phr、好ましくは4〜8phrである。後の硬化は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で行われる。過酸化物は、有利にはポリマー結合形で適用される。適当な系は、市販されており、例えばPolydispersion T(VC) D-40P(Rhein Chemie Rheinau GmbH, DE)(=ポリマー結合ジ−t−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン)などである。
本発明のゴム組成物は、さらに、ゴム産業において知られているゴム用助剤、例えば反応促進剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、発泡剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、加工助剤、可塑剤、粘着付与剤、起泡剤、染料、顔料、ワックス、増量剤、有機酸、禁止剤、金属酸化物、活性化剤(例えば、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオールなど)を含んでよい。ゴム用助剤は、通常の量で使用されるが、その量は、とりわけ意図した用途に依存する。通常の量は、例えば0.1〜50phrである。好ましくは、該ゴム組成物を含む加硫性コンパウンドは、助剤物質として、1種又はそれ以上の有機脂肪酸、好ましくは分子中に1、2又は3個の炭素二重結合を有する不飽和脂肪酸を含み、より好ましくは分子中に少なくとも1つの共役炭素−炭素二重結合を有する共役ジエン酸10質量%又はそれ以上を含む。好ましくは、これら脂肪酸は、8〜22個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有する。脂肪酸の例には、ステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸並びにこれらのカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が包含される。
ゴム組成物の成分は、多くの場合、適切には25〜200℃であってよい高温で、一緒に混合される。一般に、混合時間は1時間を超えず、2〜30分の範囲の時間が通常適している。ゴム及びオルガノポリシロキサン、場合により充填剤、加硫剤及び/又は他の成分の混合は、密閉式ミキサー、例えばバンバリーミキサー又はハーケ(Haake)若しくはブラベンダー密閉式ミキサーにより行われる。2本ロールミル混合機も、最終生成物中で化合物を良好に分散する。押出機も、良好に混合でき、より短い混合時間を可能にする。混合は2段階又はそれ以上で行うこともでき、混合を異なる装置により行うこともできる。例えば、1つの段階を密閉式ミキサーで行い、別の段階を押出機で行う。しかしながら、望ましくない早期架橋(スコーチ)が混合段階で生じないように注意すべきである。配合及び加硫については、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Vol. 4, 66頁以降(Comounding)及びVol. 17, 666頁以降(Vulcanization)を参照することができる。
本発明のゴム組成物は、理想的には、射出成形技術により加工されるように適合されるが、これに限定されるものではない。ゴム組成物は、トランスファー成形、圧縮成形、液体射出成形にも有用である。架橋系を含むゴム組成物は、一般に、通常の射出成形機に導入され、ホットフォーム(約160〜230℃)に射出され、そこで、ゴム組成物及び金型温度に依存して架橋/加硫が起こる。
本発明のゴム組成物は、成形物品、例えばシール、ホース、軸受パッド、ステーター、油井頭部シール、バルブプレート、ケーブルシース、ホイール、ローラー、パイプシール、ガスケット、履物要素などの製造に非常によく適している。さらに、ゴム組成物は、ワイヤ及びケーブルの製造に非常に適している。
本発明のゴム組成物は、改良された流動性を有し、これは、加工方法、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形においてより優れた成形特性を与える。改良された加工性は、流速を増し、より鋭いエッジ及びより平滑な表面を有する部品をもたらす。加えて、抽出され得る可塑剤に対して流体老化挙動が改良される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
試験の説明:
ムーニー粘度は、ASTM D1646 に従って測定した。MDR は、ASTM D5289に従って測定した。応力−歪み及び流体老化は、それぞれASTM D412及びD471 に従って測定した。毛管レオメトリーは、Monsanto Processability Tester (MPT) を用いて測定した。手順は、キャピラリーダイの仕様(バレル内径:19mm、バレル長:25.4mm)を除き、技術的にはASTM D5099-93 Method A と同等であった。
実施例1−7
一般的混合方法:
成分は、標準的な実験室手順(40℃、10分間混合)を用い、単一混合工程においてオープンミルにより混合した。この評価に使用した組成は、簡略化した過酸化物処方(表1)に基づいている。
Figure 2005054188
注:
カーボンブラック N660 Sterling-V、Cabot Tire Blacks 製
MagliteTM D:C.P. Hall 製酸化マグネシウム
NaugardTM 445:Uniroyal Chemical 製ジフェニルアミン
PlasthallTM TOTM:C.P. Hall 製トリオクチルトリメリテート
Vulkanox ZMB-2/C5:Bayer AG 製4−及び5−メチルメルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩
DIAKTM #7:DuPont Dow Elastomers 製トリアリルイソシアヌレート
VulcupTM 40KE:Harwick Standard 製2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシジ−イソプロピルベンゼン)
Figure 2005054188
注:
PS 447TM:United Technology 製ビニルジメチル末端ポリジメチルシロキサン
PS 047TM:United Technology 製トリメチル末端ポリジメチルシロキサン
SiloprenTM U5、U65及びU165:GE-Bayer Silicones 製ビニルジメチル末端ポリジメチルシロキサン
StruktolTM WB-222:Struktol Company 製加工助剤
結果
実施例1〜7の組成物の性質を調べた。結果を表3に示す。
考察
実施例3〜7の本発明の組成物の(応力−歪みを用いて測定した)物理的性質は、比較である実施例1〜2の組成物の物理的性質に同程度である。
実施例3〜7の組成物は、毛管レオメトリーにより測定したところ、類似の流動特性を示す。比較組成物についてのバレル圧は、本発明組成物についてのバレル圧の約1.8倍である。ASTM Oil #1 及びIRM 903 中での150℃、168時間の流体老化試験の結果は、Plasthall TOTM のような溶解性低分子量可塑剤を用いると、マトリックスポリマーからOil #1 中へのPlasthall TOTM の抽出によって、約2%の質量損失が生じることを示している(5phr のPlasthall TOTM は2.8%に換算される)。処方に可塑剤を添加しなかった参照組成物では、小さい正の質量変化があった。
一方、ポリシロキサン添加物は、約1%の質量増加を示したが、これはポリシロキサンがポリマーマトリックスから抽出されなかったことを示している。
Figure 2005054188

Claims (10)

  1. 少なくとも1種の水素化ニトリルゴム、及び4個未満の炭素原子を有する少なくも1つの炭化水素基を持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを含んでなる組成物。
  2. オルガノポリシロキサンは、4個未満の炭素原子を有する炭化水素基を少なくも1つ含み、式(I):
    Figure 2005054188
    [式中、R、R’及びR”は、同一又は異なって、独立に、置換又は非置換の、1〜3個の炭素原子を有する1価炭化水素基であり、m/nは1又はそれ未満である。]
    で示される構造を有する請求項1に記載の組成物。
  3. オルガノポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である請求項2に記載の組成物。
  4. 水素化ニトリルゴムは、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル及び場合により1種又はそれ以上の共重合性モノマーから誘導された繰返し単位を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. さらに、1種又はそれ以上の充填剤及び/又は1種又はそれ以上の加硫剤又は硬化剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 改良された流動性を有する請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 改良された耐流体老化性を有する請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  8. 少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む組成物に、4個未満の炭素原子を有する少なくも1つの炭化水素基を持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを添加することからなる、該組成物の流動性を改良する方法。
  9. 少なくとも1種の水素化ニトリルゴムを含む組成物に、4個未満の炭素原子を有する少なくも1つの炭化水素基を持つ少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを添加することからなる、該組成物の流体老化性を改良する方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を射出成形、押出し成形又は圧縮成形に付すことからなる成形物品の製造方法。
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