JP2005052137A - ホスホジエステラーゼ酵素 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規なホスホジエステラーゼ酵素の提供。及び疾患を治療するための医薬組成物の提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列、その変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体からなるアミノ酸配列を有する新規ジホスホエステラーゼ酵素、及び該酵素をモジュレートする因子についての評価、スクリーニングするための新規な核酸、アミノ酸配列の使用、ならびに当該新規な核酸、及びアミノ酸配列を含んでなるか、それらを発現する、遺伝子操作された宿主細胞を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、酵素に関する。本発明はまた、それをコードするヌクレオチド配列に関する。
特に本発明は、新規なホスホジエステラーゼ酵素をコードする新規な核酸配列に関する。
本発明はまた、疾患の診断および治療における新規な核酸およびアミノ酸配列の使用に関する。
本発明はまた、ホスホジエステラーゼ活性をモジュレートすることができる因子について評価および/またはスクリーニングするための、新規な核酸およびアミノ酸配列の使用に関する。
さらに、本発明は、ホスホジエステラーゼ活性をモジュレートすることができる因子について評価および/またはスクリーニングするための新規な核酸およびアミノ酸配列を含んでなるか、あるいはそれらを発現する、遺伝子操作された宿主細胞に関する。
環状ヌクレオチド、例えば、cAMPおよびcGMPは、重要な細胞内の第2メッセンジャーである。環状ヌクレオチドのホスホジエステラーゼはまた、PDEとして知られており、環状ヌクレオチドの分解を触媒しそして、その実行において、環状ヌクレオチドの濃度を調節する細胞成分の1つである、酵素の1ファミリーであり。
近年、少なくとも10種類のPDE酵素、ならびにこれらの酵素の多数のサブタイプは、基質とのアフィニティーおよびコファクターの要件に基づいて定義されてきている(Beavo JAおよびReifsnyder DH,Trends Pharmacol.Sci.11:150 [1990];Beavo J,Cyclic Nucleotide Phosphodiesterases:Structure,Regulationc and Drug Action,Beavo J およびHousley MD(編),Wiley:Chichester,pp.3-15[1990]) 。
サブファミリーの例は、下記のものを包含する:PDE1(時にはPDEIとして記載される),Ca2+/カルモジュリン依存性;PDE2(時にはPDEII として書かれる),cGMP特異的;PDE3(時にはPDEIIIとして書かれる),cGMP阻害されたcAMP加水分解性;PDE4(時にはPDEIV として書かれる),cAMP特異的,ロリプラム感受性;PDE5(時にはPDEVとして書かれる),cGMP特異的;PDE6(時にはPDEVI として書かれる),光受容体cGMP特異的;PDE7(時にはPDEVIIとして書かれる),cAMP特異的,ロリプラム不感受性;PDE8(時にはPDEVIII として書かれる),cAMP特異的IBMX不感受性;PDE9(時にはPDEIX として書かれる),cGMP特異的IBMX不感受性;PDE10 (時にはPDEXとして書かれる)二重基質、IBMX感受性。
PDEは、約270アミノ酸の保存されたC末端の触媒ドメイン(Charbonneau et al.,PNAS 83(24):9308-12) と、結合性コファクターによる触媒活性の調節、および細胞下局在化の特定に関係するN末端のドメイン(Juilfs et al.,(1999)Rev.Physiol.Biochem.Pharmacol.135:67-104) とを含有する。
各PDEファミリーは2またはそれ以上のイソ型を含有することができる(すなわち、2またはそれより多くのPDEイソ酵素が存在することができる)。1例として、哺乳動物PDEIV 、ドロソフィラ・ヅンス(Drosophila Dunce)遺伝子の相同体(Chen CN et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)83:9313[1986]) は、ラットにおいて4つのイソ型を有することが知られている(Swinnen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)86:5325[1989]) 。ヒトPDEはまた、イソ型として存在することが知られており、そしてスプライス変異型を有する。例えば、単球からのPDEIV の1つのヒトイソ型のクローニングは1990年において報告された(Livi GP et al.,Mol.Cell.Biol.10:2678[1990]) 。さらに1例として、他の研究者らは独立にPDEIV の3つのスプライス変異型をクローニングし、これらは現在hPDEIV-B1 、hPDEIV-B2 、およびhPDEIV-B3 と表示されている。
環状ヌクレオチドのホスホジエステラーゼに関する教示はまた、米国特許第 5,932,423号および米国特許第 5,932,465号の中に見出すことができる。
他の環状ヌクレオチドのホスホジエステラーゼ、例えば、CN PDE8 、に関する教示は、 WO-A-97/35989号の中に見出すことができる。 WO-A-97/35989号によれば、CN PDE8 は2つのイソ酵素を有し、これらはCN PDE8AおよびCN PDE8Bと表示された。用語「イソ酵素」は時にはこの分野において「イソ型」と呼ばれる。
WO-A-97/35989号によれば、異なるPDEの多数のインヒビターが同定され、そしていくつかは臨床的評価がなされた。例えば、PDEIIIインヒビターは、鬱血性心不全の治療において有用な抗血栓剤、抗高血圧剤および強心剤として開発されている。ロリプラム、すなわち、PDEIV インヒビターは鬱病の治療において使用されてきており、そしてPDEIV の他のインヒビターは抗感染症剤として評価されている。
ロリプラムは、また、in vitroにおいてHIV-1 複製を増強することが示された、リポ多糖(LPS)誘導TFN−アルファを阻害することが示された。したがって、ロリプラムはHIV-1 の複製を阻害することができる(Angel, et al.,1995, AIDS 9:1137-44) 。さらに、TFN−アルファおよびベータの産生を抑制するその能力に基づいて、ロリプラムは脳脊髄炎、多発性硬化症のための実験動物の治療において有効であることが示され(Sommer,et al.,1995,Nat Med 1:244-248)そして晩期ジスキネジーの治療において有効であることがある(Sasaki,et al.,1995 Eur.J.Pharmacol.282:71-76) 。
WO-A-97/35989号によればまた、非特異的PDEインヒビター、例えば、気管支性ぜん息および他の呼吸器疾患の治療において使用されるテオフィリン、および間欠性跛行および糖尿病誘導末梢脈管疾患の治療において使用されるペントキシフィリンが存在する。テオフィリンは、気道の平滑筋の機能に対して作用し、ならびに呼吸器疾患の治療における抗炎症または免疫調節能力において作用すると考えられ(Banner et al.,1995,Respir.J.8:996-1000)ここでCN PDE cAMP およびcGMPの双方の加水分解を阻害することによって作用すると考えられる(Banner et al.,Monaldi.Arch.Chest.Dis.50:286-292 )。ペントキシフィリンはまた、TFN−アルファをブロックすることが知られており、HIV-1 の複製を阻害することができる(Angel et al.,supra) 。CN PDEインヒビターのリストは、Beavo 1995 supraに記載されている。
PDEの選択的インヒビターは、それらのイソ酵素およびそれらのサブタイプに加えて、より少ない副作用で、いっそう有効な治療に導くであろう。例えば、下記の文献の概観における教示を参照のこと:Wieshaar RE et al.,J.Med.Chem.28:537[1985]) 、Giembycz MA,Biochem.Pharm.43:2041 [1992]およびLowe JA およびCheng JB,Drugs of the Future, 17:799-807[1992]。
したがって、ある用途において、PDEの個々の型の選択的阻害を有することが望ましい。それゆえ、新規なPDEのクローニングおよび発現は選択的インヒビターの発見を大きく促進する。
本発明の観点は、特許請求の範囲および下記の説明の中に表されている。
簡単に述べると、本発明のいくつかの観点は次の通りである:
1.新規なアミノ酸。
2.新規なヌクレオチド配列。
3.前記新規な配列を使用するアッセイ。
4.前記アッセイを使用して同定された化合物/組成物。
5.前記新規な配列を含んでなるか、あるいはそれらを発現する発現系。
6.前記新規な配列をベースとする治療方法。
7.前記新規な配列をベースとする医薬組成物。
本発明のアミノ酸配列および/または本発明のヌクレオチド配列に関する他の面は、下記のものを包含する:本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができる構築物;本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができるベクター;本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができるプラスミド;本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができる組織;本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができる器官;本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができる形質転換された宿主;本発明の配列を含んでなるか、またはそれらを発現することができる形質転換された器官。本発明はまた、それらを発現する方法、例えば、微生物における発現、例えば、それらを形質転換する方法を包含する。
言及を容易するために、本発明の観点をここで適当な節の題目の下に論考する。しかしながら、各節下の教示は各特定の節に必ずしも限定されない。
下記の解説において、「本発明のヌクレオチド配列」および「本発明のアミノ酸配列」に対する言及は、本明細書において提示するか、あるいは論考するヌクレオチド配列の任意の1またはそれ以上、および本明細書において提示するか、あるいは論考するアミノ酸配列の任意の1またはそれ以上を意味する。また、本明細書において使用するとき、「アミノ酸配列」はペプチドまたはタンパク質の配列を意味し、そしてそれらの一部分を意味することがある。さらに、用語「本発明のアミノ酸配列」は、句「本発明のポリペプチド配列」と同義である。また、用語「本発明のヌクレオチド配列」は句「本発明のポリヌクレオチド配列」と同義である。
本発明の第1の面によれば、式Iとして表される配列またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体からなるアミノ酸配列が提供され、ここでアミノ酸配列はPDE活性を現わすことができる。
式Iは次のように表される:
便宜上、ここでアミノ酸のために使用されるコードを示す表を提示する。
ここで、式I−これは配列番号:9として表すことができる−は一般式である。式Iは本明細書において提示される特定の新規な配列の配列の分析から構築された。
便宜上、本発明のPDEを時には PDE_XIV と呼ぶ。本発明者はまた、この酵素を時にはPDEXIVと呼ぶ。酵素をヒトから得ることができる場合、本発明者は添字または接頭語HS(またはHM)あるいはhs(またはhm)を使用する。酵素をマウスから得ることができる場合、本発明者は添字または接頭語MM(またはMmもしくはmm)を使用する。
本発明のPDEはcAMPの分解を触媒することができる。
配列番号:9について、アミノ酸の任意の1または複数はその類似体であることができる。
用語「類似体」は、本明細書において使用するとき、式Iの配列に類似するが、有害ではない(すなわち、酵素活性に対して有害ではない)アミノ酸の置換または欠失がなされている配列を有する配列を意味する。
好ましくは、本発明のPDE酵素は、C末端の触媒ドメイン内に少なくとも2価のカチオン結合モチーフおよび/または保存されたcAMP依存性タンパク質キナーゼリン酸化モチーフを有する。
好ましくは、本発明のPDE酵素は、C末端の触媒ドメイン内に少なくとも2価のカチオン結合モチーフおよび保存されたcAMP依存性タンパク質キナーゼリン酸化モチーフを有する。
好ましくは、配列番号:9のアミノ酸配列はZ1〜Z26のうちの少なくとも5つを含む。
好ましくは、配列番号:9のアミノ酸配列はZ1〜Z26のうちの少なくとも10を含む。
好ましくは、配列番号:9のアミノ酸配列はZ1〜Z26のうちの少なくとも15を含む。
好ましくは、配列番号:9のアミノ酸配列はZ1〜Z26のうちの少なくとも20を含む。
好ましくは、配列番号:9のアミノ酸配列はZ1〜Z26のうちの少なくとも25を含む。
好ましくは、配列番号:9のアミノ酸配列はZ1〜Z26のうちの少なくとも各々を含む。
好ましくは、アミノ酸配列は約230より多いアミノ酸残基から構成されている。
好ましくは、アミノ酸配列は約250より多いアミノ酸残基から構成されている。
好ましくは、アミノ酸配列は約260より多いアミノ酸残基から構成されている。
好ましくは、アミノ酸配列は少なくとも268のアミノ酸残基から構成されている。
好ましくは、式Iのアミノ酸配列は、Z7、Z9、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17およびZ18またはそれらの類似体の少なくとも1またはそれ以上からなる。
好ましくは、式Iのアミノ酸配列は、Z7、Z9、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17およびZ18またはそれらの類似体の各々からなる。
好ましくは、式Iのアミノ酸配列は、Z1、Z5、Z6、Z7、Z9、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17およびZ18またはそれらの類似体の各々からなる。
式中、
Z1〜Z26の各々は上記において定義した通りであり、そして
X1〜X24の各々は任意の適当なペプチド配列またはアミノ酸から独立して選択される。
式Iとして表される配列を含んでなるアミノ酸配列のより好ましい例は、式IIIとして示されるアミノ酸配列またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体である。
式中、
Z1〜Z26の各々は上記において定義した通りであり、そして
X1 = VまたはI
X2 = SまたはN
X3 = EまたはD
X4 = S、V、NまたはAの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X5 = VまたはI
X6 = PまたはR
X7 = NまたはS
X8 = HまたはY
X9 = TまたはM
X10 = SまたはT
X11 = G、H、S、Qの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X12 = D、A、N、Vの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X13 = EまたはD
X14 = SまたはT
X15 = HまたはR
X16 = GまたはS
X17 = P、R、S、Nの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X18 = SまたはR
X19 = S、G、P、D、H、Qの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X20 = HまたはL
X21 = Q、G、T、P、Aの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X22 = S、E、T、Lの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
X23 = 任意のT
X24 = D、S、A、Tの少なくとも2またはそれ以上からなるペプチド
式Iとして表される配列を含んでなるアミノ酸配列のより好ましい例は、式IVとして示されるアミノ酸配列またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体である。
式中、
Z1〜Z26の各々は上記において定義した通りであり、そして
X1 = VまたはI
X2 = SまたはN
X3 = EまたはD
X4 = SVまたはNA
X5 = VまたはI
X6 = PまたはR
X7 = NまたはS
X8 = HまたはY
X9 = TまたはM
X10 = SまたはT
X11 = GHまたはSQ
X12 = DAまたはNV
X13 = EまたはD
X14 = SまたはT
X15 = HまたはR
X16 = GまたはS
X17 = PRまたはSN
X18 = SまたはR
X19 = SGSGPDH またはGQ
X20 = HまたはL
X21 = QGTまたはPAP
X22 = SEまたはTL
X23 = 任意のT
X24 = DSまたはAT
上記式の任意の1つの例は、基....HZ17GZ18PRZ19 ....が....RZ17SZ18SNZ19 ....で置換されているアミノ酸配列である。
式Iとして表される配列を含んでなる本発明によるアミノ酸の好ましい例は、次のように示される:配列番号:1、配列番号:3もしくは配列番号:5、またはその変異型、相同体、フラグメントもしくは誘導体。
前記式の任意の1または複数に対する言及はまた、配列番号:1、配列番号:3もしくは配列番号:5の任意の1または複数に等しく適用されることを理解すべきである。
好ましくは、本明細書における前記式の任意の1またはそれ以上に対する言及は、配列番号:1、配列番号:3もしくは配列番号:5の任意の1または複数を意味する。
より好ましくは、前記式の任意の1またはそれ以上に対する言及は配列番号:3または配列番号:5を意味する。
本発明の第2の観点によれば、式Iとして表される配列を含んでなるアミノ酸が提供される。
本発明の第3の観点によれば、本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が提供される。
本発明の第4の観点によれば、配列番号:2、配列番号:4もしくは配列番号:6として表される配列、またはその変異型、相同体、フラグメントもしくは誘導体を含んでなるヌクレオチド配列が提供される。
本発明の第5の観点によれば、配列番号:2、配列番号:4または配列番号:6として表される配列を含んでなるヌクレオチド配列が提供される。
本発明の第6の観点によれば、本発明によるヌクレオチド配列、またはそれに対して相補的である配列に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列が提供される。
本発明の第7の観点によれば、本発明の第6の観点に従うヌクレオチド配列、またはそれに対して相補的である配列に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列が提供される。
本発明の第8の観点によれば、本発明のヌクレオチド配列を含んでなるベクターが提供される。
本発明の第9の観点によれば、本発明のヌクレオチド配列が組込まれた宿主細胞が提供される。
本発明の第10の観点によれば、 PDE_XIV の活性または発現に影響を与えることができる因子を同定するアッセイ法が提供され、このアッセイ法は、因子を本発明のアミノ酸または本発明のヌクレオチド配列と接触させ、そして PDE_XIV の活性または発現を測定することを含んでなり、ここでa)前記因子の非存在下でのPDEの活性または発現と、b)前記因子の存在下でのPDEの活性または発現との間の差が、前記因子が PDE_XIV の活性または発現に影響を与えることができることを示す。
好ましくは、前記アッセイは、被殻、脳の尾状核、脳の後頭葉、心臓、卵巣、下垂体、腎臓、肝臓、小腸、胸腺、骨格筋、白血球領域、背根神経節、子宮、蝸牛、小腸(十二指腸)、星状細胞腫、および虫垂の1または複数において見出される障害の治療において使用である因子についてスクリーニングすることである。
本発明の第11の観点によれば、(a)本発明のアッセイを実施し、(b) PDE_XIV の活性または発現に影響を与える1または複数の因子を同定し、そして(c)ある量のそれらの1または複数の同定された因子を調製する、ことを含んでなる方法が提供される。
本発明の第12の観点によれば、in vivo において因子で PDE_XIV の活性または発現に影響を与える方法であって前記因子がin vitroアッセイ法において PDE_XIV の活性または発現に影響を与えることができ、そして前記in vitroアッセイ法が本発明のアッセイ法であることを特徴とする方法が提供される。
本発明の第13の観点によれば、本発明のアッセイ法によりin vitroにおいてアッセイするとき、因子がPDEの活性または発現に対する作用を有することができる、 PDE_XIV に関連する疾患または症状を治療するための医薬組成物の製造における因子の使用が提供される。
本発明の第14の観点によれば、 PDE_XIV に対して発生させた抗体と免疫学的に反応することができる酵素が提供される。
本発明の第15の観点によれば、PDEをコードし、NCIMB40995、NCIMB40996またはNCIMB40997から得ることができるヌクレオチド配列が提供される。
本発明の第16の観点によれば、NCIMB40995、NCIMB40996またはNCIMB40997から得ることができるヌクレオチド配列から発現されるPDEが提供される。
本発明の第17の観点によれば、 PDE_XIV に関連する疾患または症状を治療するための医薬組成物の製造における、 PDE_XIV の活性またはその発現に対する作用を有する因子の使用が提供される。
本発明のそれ以上の観点によれば、下記のヌクレオチド配列から選択されるヌクレオチド配列が提供される:
(a)配列番号:2、4または6の任意の1つとして表されるヌクレオチド配列;
(b)配列番号:2、4または6の任意の1つとして表されるヌクレオチド配列の変異型、相同体、誘導体またはフラグメントであるヌクレオチド配列;
(c)配列番号:2、4または6の任意の1つに記載するヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列;
(d)配列番号:2、4または6の任意の1つとして表されるヌクレオチド配列の変異型、相同体、誘導体またはフラグメントであるヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列;
(e)配列番号:2、4または6の任意の1つに記載するヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
(f)配列番号:2、4または6の任意の1つとして表されるヌクレオチド配列の変異型、相同体、誘導体またはフラグメントに対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
(g)配列番号:2、4または6の任意の1つに記載するヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列;
(h)配列番号:2、4または6の任意の1つとして表されるヌクレオチド配列の変異型、相同体、誘導体またはフラグメントに対してハイブリダイゼーションすることができるヌクレオチド配列の補体であるヌクレオチド配列;
(i)配列番号:2、4または6の任意の1つに記載するヌクレオチド配列の相補体に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
(j)配列番号:2、4または6の任意の1つとして表されるヌクレオチド配列の変異型、相同体、誘導体またはフラグメントの補体に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
(k)前記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)または(j)において規定するヌクレオチドに対する遺伝コードの結果として縮重を有するヌクレオチド配列。
(l)前記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)および/または(k)の任意の1つを含んでなるヌクレオチド配列。
本発明の他の観点をここで下に提示する:
本発明の単離されたヌクレオチド配列または単離されたタンパク質配列。
本発明の実質的に純粋なヌクレオチド配列または実質的に純粋なタンパク質配列。
本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性に影響を与えることができる因子を同定するアッセイ法であって、本発明のヌクレオチド配列または発現産物(「EP」)を前記因子に暴露し;前記因子が本発明のヌクレオチド配列またはその発現産物をモジュレートする(例えば、発現パターンまたは活性に影響を与える)かどうかを決定する。
本発明のアッセイ法により同定された因子。
本発明のアッセイ法により同定された因子、であって従来本発明によるPDEモジュレーションを有することが知られていなかった因子。
下記の工程を含んでなる方法:(a)本発明のアッセイを実施し、(b)本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性に影響を与える1または複数の因子を同定し、そして(c)ある量のそれらの1または複数の同定された因子を調製する。
下記の工程を含んでなる方法:(a)本発明のアッセイを実施し、(b)本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性に影響を与える1または複数の因子を同定し、そして(c)1または複数の同定された因子を含んでなる医薬組成物を製造する。
下記の工程からなる方法:(a)本発明のアッセイを実施し、(b)本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性に影響を与える1またはそれ以上の因子を同定し、そして(c)1または複数の同定された因子を修飾して、本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性に対する異なる作用を引き起こす。
本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性に影響を与える薬物の製造における、本発明のアッセイにより同定された因子の使用。
本発明のヌクレオチド配列の発現のパターンまたはその発現産物の活性をモジュレートすることができる因子の有効量を標的に供給する(例えば、投与または暴露する)ことを含んでなる、標的(前記標的は哺乳動物、好ましくはヒトであることができる)を処置する方法。
本発明のアッセイにより同定された因子の有効量を標的に送出す(例えば、投与または暴露する)ことからなる、標的(前記標的は哺乳動物、好ましくはヒトであることができる)を処置する方法。
被検者に本発明のヌクレオチド配列またはその発現産物を投与することを含んでなる、被検者における免疫学的応答を誘導する方法。
PDE_XIV
上に説明したように、本発明は、新規なPDE酵素− PDE_XIV と呼ぶ−およびそれをコードするヌクレオチド配列に関する。本発明はまた、疾患の診断および治療における新規な核酸およびアミノ酸配列の使用に関する。本発明は、また、ホスホジエステラーゼ活性をモジュレートすることができる因子を評価および/またはスクリーニングするための、新規な核酸およびアミノ酸配列の使用に関する。本発明はさらに、ホスホジエステラーゼ活性をモジュレートすることができる因子を評価および/またはスクリーニングするための新規な核酸およびアミノ酸配列を含んでなるか、あるいはそれらを発現する、遺伝子操作された宿主細胞に関する。
本明細書において使用するとき、用語「 PDE_XIV 」は、現在まで、特性決定されてきていない、PDEの新規なファミリーを意味する。
1例として、本発明者はヒト PDE_XIV (時にはHSPDE XIV と呼ぶ)を同定した。本発明者はまた、マウス配列− PDE_XIV (時にはMMPDE XIV と呼ぶ)を同定した。
便宜上、特記しない限り、 PDE_XIV に対する言及はHSPDE XIV および/またはMMPDE XIV を包含するであろう。
PDE_XIV は、種々の源の中に存在し、そしてそれらから得ることができると考えられる。
1例として、 PDE_XIV は、被殻、脳の尾状核、脳の後頭葉、心臓、卵巣、下垂体、腎臓、肝臓、小腸、胸腺、骨格筋、白血球領域、背根神経節、子宮、蝸牛、小腸(十二指腸)、星状細胞腫、および虫垂の1またはそれ以上において見出される。
PDE_XIV は、また、多数の他の源−例えば、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、およびウマの中に存在すると、我々は考える。
好ましくは、本発明は、前述の源の任意のものを包含するが、これらに限定されない、哺乳動物の PDE_XIV を包含する。
より好ましくは、本発明はヒト PDE_XIV を包含する。
PDE_XIV は−この観点について−天然に存在する形態と同一であることができ、好ましくは PDE_XIV は非天然のアミノ酸配列である(すなわち、それはその天然の環境の中に存在しない)か、あるいはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体である。さらに、あるいは別に、 PDE_XIV は単離された PDE_XIV および/または精製された PDE_XIV である。 PDE_XIV は、天然またはそれ以外の、任意の適当な源から得ることができるか、あるいは産生されるか、あるいはそれは合成的、半合成的または組換え体であることができる。
PDE_XIV コード配列は−この観点について−天然に存在する形態と同一であることができ、好ましくは PDE_XIV コード配列は非天然のアミノ酸配列である(すなわち、それはその天然の環境の中に存在しない)か、あるいはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体である。さらに、あるいは別に、 PDE_XIV コード配列は単離された PDE_XIV コード配列および/または精製された PDE_XIV コード配列である。 PDE_XIV コード配列は、天然またはそれ以外の、任意の適当な源から得ることができるか、あるいは産生されるか、あるいはそれは合成的、半合成的または組換え体であることができる。
PDE_XIV および/またはそのコード配列および/またはそれに対してハイブリダイズすることができる配列は、異なるペプチドの間の薬剤の候補の選択性を試験するために有用である。
PDE_XIV はcAMPのAMPへの変換を触媒すると考えられる。
本発明の好ましい観点は、組換え PDE_XIV 酵素および PDE_XIV 酵素をコードする組換えヌクレオチド配列を包含する。
好ましくは、本発明の組換え PDE_XIV 酵素および/または組換えヌクレオチド配列は、組換え哺乳動物 PDE_XIV 酵素および/または組換え哺乳動物ヌクレオチド配列である。
好ましくは、本発明の組換え PDE_XIV 酵素および/または組換えヌクレオチド配列は、組換えヒト PDE_XIV 酵素および/または組換えヒトヌクレオチド配列である。
本発明によれば、組換え PDE_XIV 酵素は少なくとも式Iとして表される式を有する。
PDE_XIV をコードするヌクレオチド配列または酵素 PDE_XIV それ自体のいずれかまたは双方を使用して、 PDE_XIV 活性に影響を与えることができる因子についてスクリーニングすることができる。特に、 PDE_XIV をコードするヌクレオチド配列または PDE_XIV それ自体を使用して、 PDE_XIV 活性を阻害することができる因子についてスクリーニングすることができる。さらに、 PDE_XIV をコードするヌクレオチド配列または酵素 PDE_XIV それ自体を使用して、 PDE_XIV 活性に選択的に影響を与える阻害することができる、例えば、 PDE_XIV 活性を選択的に阻害することができる、因子についてスクリーニングすることができる。
さらに、 PDE_XIV をコードするヌクレオチド配列またはそれに対して相補的である配列は、また、ヒト細胞中の PDE_XIV コード配列の存在を検出するアッセイにおいて使用することができる。これらのアッセイは、この酵素の組織の分布および特定の疾患の状態に関する、その生物学的関連性に関する情報を提供するであろう。
本発明は、また、 PDE_XIV (その誘導体、フラグメント、相同体または変異型を包含する)に対する抗体を包含する。 PDE_XIV に対する抗体は、ヒト細胞中の PDE_XIV の存在を検出するアッセイにおいて使用することができる。これらのアッセイは、この酵素の組織の分布および特定の疾患の状態に関する、その生物学的関連性に関する情報を提供するであろう。
特に、 PDE_XIV アイソザイムの任意の1または複数、をコードするヌクレオチド配列、それに対して相補的であるヌクレオチド配列、およびそれに対して向けられた抗体を、アイソザイムの1つに選択的に影響を与える因子についてスクリーニングするアッセイにおいて使用することができる。これらのアッセイは、アイソザイムの各々の組織の分布および特定の疾患の状態に関するアイソザイムの各々の生物学的関連性に関する情報を提供するであろう。これらのアッセイはまた、 PDE_XIV の発現または活性、例えば、特定の組織中の、または特定の疾患の状態における、 PDE_XIV の発現または活性、に影響を与える因子についての試験および同定を可能とする。
本発明のポリペプチド
用語「ポリペプチド」−これは用語「タンパク質」と互換的である−は、一本鎖のポリペプチド分子ならびに多数のポリペプチドの複合体(ここで個々の構成成分のポリペプチドは共有結合または非共有結合により結合されている)を包含する。
好ましくは、本発明のポリペプチドは一本鎖ポリペプチドである。
本発明のポリペプチドは、実質的に単離された形態であることができる。ポリペプチドをポリペプチドの意図する目的を妨害しない担体または希釈と混合することができ、そしてポリペプチドはなお実質的に単離されていると見なすことができることが理解されるであろう。本発明のポリペプチドは、また、実質的に精製された形態であることができ、この場合において、ポリペプチドは調製物中のポリペプチドの90%より多く、例えば、95%、98%または99%が本発明のポリペプチドである、調製物中のポリペプチドからなる。本発明のポリペプチドは、例えば、ポリペプチドの精製を促進するヒスチジンの付加によるか、あるいは後述するように細胞からのポリペプチドを促進するシグナル配列の付加により、修飾することができる。
本発明のポリペプチドは、合成手段(例えば、Geysen et al.,1996に記載されているように)または、後述するように、組換え的に、製造することができる。
好ましい態様において、本発明の天然の PDE_XIV がその天然の環境中に存在するとき、および同様に天然の環境中に存在する、そのヌクレオチドコード配列により本発明の天然の PDE_XIV が発現されたとき、およびそのヌクレオチド配列が、同様に天然の環境中に存在する、その天然のプロモーターの制御下にあるとき、本発明のアミノ酸配列それ自体は本発明による天然の PDE_XIV を包含しない。言及を容易するために、本発明者はこの好ましい態様を「非天然のアミノ酸配列」と呼ぶ。
本発明の酵素についてのアミノ酸配列に関する用語「変異型」、「相同体」または「フラグメント」は、生ずる酵素が PDE_XIV 活性を有するかぎり、好ましくは付属の配列のリストに示す酵素と少なくとも同様な生物学的活性を有するかぎり、配列からのまたは配列に対する、1つ(またはそれ以上)のアミノ酸の任意の置換、変動、修飾、取替え、欠失または付加を包含する。特に、用語「相同体」は構造および/または機能に関する相同性を包含する。配列の相同性に関すると、式Iとして示す配列に対して、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の相同性が存在する。
より好ましくは、式Iとして示す配列に対して、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の相同性が存在する。より好ましくは、付属する配列のリストに示す配列の任意の1つに対して、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の相同性が存在する。より好ましくは、付属する配列のリストに示す配列の任意の1つに対して、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の相同性が存在する。
典型的には、行うことができるアミノ酸置換の型はアミノ酸配列の疎水性/親水性を維持すべきである。修飾された配列が本発明に従いPDE酵素として作用する能力を保持するかぎり、アミノ酸置換は、例えば、1、2または3〜10、20または30の置換を行うことができる。アミノ酸置換は、例えば、血液プラスミドの半減期を増加するための、天然に存在しない類似体の使用を包含することができる。
本発明のアミノ酸配列は、適当な発現系においてそれをコードするヌクレオチド配列の発現により製造することができる。
さらに、あるいは別に、全体または一部分において、PDEアミノ酸配列を合成する化学的方法を使用して、タンパク質それ自体を製造することができる。例えば、ペプチドを固相技術により合成し、樹脂から切断し、調製用高性能液体クロマトグラフィーにより精製することができる(例えば、Creighton(1983)Proteins Structure And Molecular Principles, WH Freeman and Co.New York,NY)。合成ペプチドの組成は、アミノ酸分析または配列決定により確証することができる(例えば、エドマン分解法)。
直接的ペプチド合成は種々の固相技術(Roberge JY et al.(1995)Science 269:202-204) を使用して実施することができ、そして自動化合成は、例えば、製造業者により提供される取扱説明書に従いABI431A ペプチド合成装置(Perkin Elmer) を使用して達成することができる。さらに、PDEのアミノ酸配列、またはその任意の部分を直接的合成の間に変更し、そして/または化学的方法により他のサブユニットからの配列、またはその任意の部分と組合わせて、変異型ポリペプチドを製造することができる。
本発明の他の態様において、PDEの天然の、修飾されたまたは組換えの配列を異種配列に結合して融合タンパク質をコードすることができる。例えば、PDE活性のインヒビターについてペプチドのライブラリーをスクリーニングするために、商業的に入手可能な抗体により認識される異種エピトープを発現するキメラPDEタンパク質をコードすることが有用であることがある。また、PDE配列と異種タンパク質配列との間に切断部位を含有するように、融合タンパク質を操作し、こうしてPDEを異種部分から切断し、精製することができる。
また、1または複数の追加のポリペプチドドメインが付加された組換えタンパク質としてPDEを発現させて、タンパク質の精製を促進することができる。このような精製促進ドメインは下記のものを包含するが、これらに限定されない:金属キレート化ペプチド、例えば、固定化された金属上の精製を可能とするヒスチジン−トリプトファンモジュール(Porath J(1992)Protein Exp.Purif.3-.26328 1) 、固定化された免疫グロブリン上の精製を可能とするプロテインAドメイン、およびFLAGS エクステンション/アフィニティー精製システムにおいて利用されるドメイン(Immunex Corp. 、ワシントン州シアトル)。精製ドメインとPDEとの間に切断可能なリンカー配列、例えば、因子XAまたはエンテロキナーゼ(Invitrogen、カリフォルニア州サンディエゴ)を含めることは、精製の促進に有効である。好ましい面において、FLAGエピトープ標識を使用して酵素を発現させて、発現された酵素の単離および精製促進する。
PDE_XIV の特定のアミノ酸配列は、配列番号:1、配列番号:3または配列番号:5として示される。しかしながら、本発明は、アミノ酸配列の任意の1つに対して少なくとも60%の同一性(より好ましくは少なくとも75%の同一性)を有するアミノ酸配列を包含する、 PDE_XIV ファミリーからの他のメンバーをコードするアミノ酸配列を包含する。示すように、本発明に従う PDE_XIV ファミリーに適当な一般式は式Iとして表される。
本発明のポリペプチドは、また、提示されたアミノ酸配列のフラグメントおよびそれらの変異型を包含する。適当なフラグメントは少なくとも5、例えば、少なくとも10、12、15または20アミノ酸の大きさであろう。
本発明のポリペプチドは、また、保存された置換を包含する、1または複数(例えば、少なくとも2、3、5または10)の置換を含有するように修飾することができる。これらの面は、後の節において論考される。
本発明のヌクレオチド配列
用語「ヌクレオチド配列」は、本明細書において使用するとき、オリゴヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド配列、およびそれらの変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体(例えば、それらの一部分)を意味する。ヌクレオチド配列はDNAまたはRNAであることができ、ゲノムまたは合成または組換えの由来であることができ、センスまたはアンチセンスの鎖であるかどうかにかかわらず、二本鎖または一本鎖であることができる。
好ましくは、用語「ヌクレオチド配列」はDNAを意味する。
より好ましくは、用語「ヌクレオチド配列」は組換えDNA技術を使用して製造されたDNA(すなわち、組換えDNA)を意味する。
好ましい態様において、本発明の天然のヌクレオチドコード配列が、同様に天然の環境中に存在する、その天然のプロモーターの制御下にあるとき、本発明のアミノ酸配列それ自体はその天然の環境中の本発明による天然のヌクレオチドコード配列を包含しない。言及を容易するために、本発明者はこの好ましい態様を「非天然のヌクレオチド配列」と呼ぶ。
本発明のヌクレオチド配列は、それらの範囲内に、合成のヌクレオチドまたは修飾されたヌクレオチドを包含することができる。オリゴヌクレオチドに対する多数の型の修飾がこの分野において知られている。これらはメチルホスホネートおよびホスホロチオエートの主鎖、分子の3’および/または5’末端におけるアクリジン鎖またはポリリジン鎖の付加を包含する。本発明の目的に対して、本明細書において記載するヌクレオチド配列はこの分野において入手可能な任意の方法により修飾することができる。本発明のヌクレオチド配列のin vivo 活性または寿命を増大するために、このような修飾を実施することができる。
本発明はまた、本明細書において提示する配列に対して相補的であるヌクレオチド配列、またはそれらの任意の誘導体、フラグメントまたは誘導体を包含する。配列がそのフラグメントに対して相補的である場合、他の生物およびその他における同様なコード配列を同定するためのプローブとして、その配列を使用することができる。
本発明はまた、本明細書において提示する配列に対してハイブリダイズすることができる配列、またはそれらの任意の誘導体、フラグメントまたは誘導体を包含する。
本発明は、また、本明細書において提示する配列に対して相補的である配列に対してハイブリダイズすることができる配列、またはそれらの任意の誘導体、フラグメントまたは誘導体を包含する。
用語「変異型」は、また、本明細書において提示するヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができる配列を包含する。
好ましくは、用語「変異型」は、ストリンジェント条件(例えば、55℃および0.5×SSC{1×SSC=0.15MのNaCl、0.015 Na3 クエン酸塩pH7.0})下に本明細書において提示するヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができる配列に対して相補的である配列を包含する。
より好ましくは、用語「変異型」は、高いストリンジェント条件(例えば、65℃および0.1×SSC{1×SSC=0.15MのNaCl、0.015 Na3 クエン酸塩pH7.0})下に本明細書において提示するヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができる配列に対して相補的である配列を包含する。
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列(本明細書において提示する配列の相補的配列を包含する)に関する。
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができる配列に対して相補的であるヌクレオチド配列(本明細書において提示する配列の相補的配列を包含する)に関する。
また、中間〜最大のストリンジェント条件下に本明細書において提示するヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド配列は本発明の範囲内に含まれる。
好ましい観点において、本発明は、ストリンジェント条件(例えば、55℃および0.2×SSC)下に、本発明のヌクレオチド配列、またはその相補体に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を包含する。
より好ましい面において、本発明は、高いストリンジェント条件(例えば、65℃および0.1×SSC)下に、本発明のヌクレオチド配列、またはその補体に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を包含する。
典型的な核酸は、別に、 PDE_XIV タンパク質をコードしかつ付属する配列のリストに示すDNA配列の任意の1または複数に対してハイブリダイズするヌクレオチド配列として特徴づけることができる。付属する配列のリストに示す配列またはそれらの補体の任意の1つに対して高いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズする、 PDE_XIV をコードする、このような配列は好ましい。
好都合には、本発明は、付属する配列のリストに示す配列またはそれらの補体の任意の1つのフラグメントに対して、ストリンジェンシイ条件下に、ハイブリダイズすることができる核酸配列を提供する。好ましくは、フラグメントは15〜50塩基の長さである。好都合には、それは約25塩基の長さである。
本発明の好ましい酵素をコードするヌクレオチド配列に関する、用語「変異型」、「相同体」または「フラグメント」は、生ずるヌクレオチド配列が PDE_XIV 活性を有する酵素をコードするか、あるいはコードすることができるかぎり、好ましくは付属の配列のリストに示す酵素の任意の1つによりコードされる酵素と少なくとも同様な生物学的活性を有するかぎり、配列からのまたは配列に対する、1つ(またはそれより多く)のアミノ酸の任意の置換、変動、修飾、取替え、欠失または付加を包含する。特に、生ずるヌクレオチド配列が PDE_XIV 活性を有する酵素をコードするか、あるいはコードすることができるかぎり、用語「相同体」は構造および/または機能に関する相同性を包含する。
配列の相同性に関すると、式Iとして示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に対して、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の相同性が存在する。より好ましくは、式Iとして示す配列をコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の相同性が存在する。好ましくは、配列の相同体に関すると、付属する配列のリストに示す配列の任意の1つに対して、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の相同性が存在する。より好ましくは、付属する配列のリストに示す配列の任意の1つに対して、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の相同性が存在する。
示されるように、本発明は、 PDE_XIV をコードするDNA配列(好ましくはcDNA配列)に関する。特に、本発明は、 PDE_XIV をコードするcDNA配列に関する。
本発明は、また、付属する配列表に示す配列の任意の1つのDNA配列またはこのような配列のアレレ変異型からなるDNAセグメントに関する。
本発明は、また、前述のDNA配列またはそれらのアレル変異型が組込まれた宿主細胞における発現により産生されたポリペプチドに関する。
本発明は、また、付属する配列表に示す配列の任意の1つのDNA配列またはそれらのアレレ変異型からなるDNAに関する。
本発明は、また、付属する配列表に示す配列の任意の1つのDNA配列またはそれらのアレレ変異型からなる非天然のDNAに関する。
本発明の高度に好ましい面は、付属する配列表に示す配列の任意の1つのDNA配列またはそれらのアレレ変異型からなる組換えDNAに関する。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド酸配列を包含する。理解されるように、遺伝子コードの縮重の結果として、ある範囲の異なるポリヌクレオチドは所定のアミノ酸配列をコードする。
本明細書に記載するアミノ酸配列の知識により、本発明のポリペプチドをコードする部分的および全長の核酸配列、例えば、cDNAおよび/またはゲノムのクローンを案出することができる。例えば、本明細書において提示するアミノ酸配列をコードする配列を標的化するように設計されたプロモーターを使用する縮重PCRを使用して、本発明のポリヌクレオチドを得ることができる。プロモーターは典型的には多重縮重位置を含有するであろう。
しかしながら、縮重を最小するために、ただ1つのトリプレットによりコードされるアミノ酸、例えば、メチオニンを含有する本明細書において提示するアミノ酸配列の領域をコードする配列を選択する。さらに、その核酸がPCR法の鋳型DNAとして使用すされる微生物における、コドンの使用を考慮して、配列は選択されるであろう。既知の配列に対する単一の配列(非縮重)のプライマーを用いる配列のクローニングに使用されるよりも、低いストリンジェンシイの条件下に、PCRは使用されるであろう。
次いで、PCRにより得られた、本発明のポリペプチドフラグメントをコードする核酸配列を、ハイブリダイズライブラリー技術に従って使用して、より大きい配列を得ることができる。例えば、PCRクローンを放射性原子で標識化し、他の種、好ましくは他の哺乳動物種からのcDNAまたはゲノムのライブラリーのスクリーニングに使用することができる。ハイブリダイズ条件は、典型的には、中程度〜高いストリンジェンシイ(例えば、0.03Mの塩化ナトリウムおよび0.03Mのクエン酸ナトリウム、約50℃〜約60℃)の条件であろう。
また、アミノ酸配列のすべてまたは一部分をコードする縮重核酸プローブを使用して、cDNAおよび/またはゲノムのライブラリーを他の種、好ましくは他の哺乳動物種からプローブすることができる。しかしながら、最初にPCR技術実施して、それ以上のスクリーニング手順において使用するためのシグナル配列を得ることが好ましい。
本発明によれば、 PDE_XIV 、ポリペプチドのフラグメント、融合タンパク質またはそれらの機能的同等物を使用して、適当な宿主細胞において PDE_XIV の発現を指令する組換えDNA分子を発生させることができる。遺伝子コードの固有の縮重のために、実質的に同一であるか、あるいは機能的に同等のアミノ酸配列をコードする他のDNA配列を使用して、 PDE_XIV をクローニングし、発現させることができる。当業者は理解するように、天然に存在しないコドンを有するPDEをコードするヌクレオチド配列を生成することが好都合であることがある。特定の原核宿主または真核宿主が好むコドン(Murray E et al.(1989)Nuc.Acids Res.17:477-508 )を選択して、例えば、 PDE_XIV の発現を増加するか、あるいは天然に存在する配列から産生された転写物よりも、望ましい性質、例えば、より長い半減期を有する組換えRNA転写物を生成することができる。
前述の技術を使用して得られた本発明のポリヌクレオチド配列を、前述の技術に従って使用して、相同性配列および変異型をさらに得ることができる。種々の宿主細胞系において本発明のポリペプチドを発現して、例えば、ポリヌクレオチド配列が発現されている特定の宿主細胞のためのコドンの採択を最適化するために、また、それらの相同性配列および変異型を修飾することができる。制限酵素認識部位を導入するか、あるいはポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの性質または機能を変更するために、他の配列の変化が望ましいことがある。
本発明に従い使用することができる変更された PDE_XIV ポリヌクレオチド配列は、異なるヌクレオチド残基の欠失、挿入または置換を含んで、同一の、または機能的に同等のPDEをコードするポリヌクレオチドを生ずる。タンパク質はまた、サイレント変化を生成しかつ機能的に同等のPDEを生ずる、アミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有することができる。PDEの生物学的活性が保持されるかぎり、残基の極性、電荷、安定性、疎水性、親水性、および/または両親媒性の類似性に基づいて、計画的アミノ酸置換を行うことができる。例えば、負に帯電したアミノ酸は、アスパラギン酸およびグルタミン酸を包含する;正に帯電したアミノ酸は、リジンおよびアルギニンを包含する;そして非帯電の極性ヘッドをもち、同様な親水性値を有するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、およびチロシンを包含する。
PDEのアレルは本発明の範囲内に含まれる。本明細書において使用するとき、「アレル」または「アレル配列」はPDEの多くある中の1つ形態である。アレルは突然変異、すなわち、核酸配列における変化から生じ、そして一般に変更されたmRNAまたはポリペプチド生成し、それらの構造または機能は変更されているか、あるいは変更されていないことがある。任意の所定の遺伝子はアレルの形態をもたないか、あるいは1つまたは多数のアレル形態を有することができる。アレルを生ずる普通の突然変異の変化は、一般に、アミノ酸の欠失、付加または置換に帰属される。これらの変化の型の各々は単独で、あるいは他との組合わせで、所定の配列において1回または2回以上起こることがある。
用語「アレル」は、また、遺伝的多形性、例えば、SNPs(単一のヌクレオチドの多形性)を包含する。
本発明のヌクレオチド配列は種々の理由でPDEコード配列を変更するために操作することができる。このような理由は、遺伝子産物のクローニング、プロセシングおよび/または発現を修飾する変更を包含するが、これらに限定されない。例えば、新しい制限部位を挿入し、グリコシル化パターンを変更し、あるいはコドンの採択を変化させるために、この分野においてよく知られている技術、例えば、部位特異的突然変異誘発を使用して、突然変異を導入することができる。
本発明のポリヌクレオチドを使用して、プライマー、例えば、PCRプライマー、オールタネイティブ増幅反応のためのプライマー、プローブ、例えば、放射性または非放射性の標識を使用する慣用手段により顕現標識で標識化されたプローブを生成することができるか、あるいはポリヌクレオチドをベクターの中にクローニングすることができる。このようなプライマー、プローブおよび他のフラグメントは少なくとも15、好ましくは少なくとも20、例えば、少なくとも25、30または40ヌクレオチドの長さであり、そしてまた、本明細書において使用する本発明のヌクレオチドという用語に包含される。
本発明のポリヌクレオチドまたはプロモーターは顕現標識を有することができる。適当なレベルは、放射性同位元素、例えば、32Pまたは35S、酵素の標識、または他のタンパク質の標識、例えば、ビオチンを包含する。このような標識は、それ自体知られている技術に従い、本発明のポリヌクレオチドまたはプライマーに付加し、検出することができる。
本発明によるポリヌクレオチド、例えば、DNAポリヌクレオチドおよびプライマーは、組換え的に、合成的に製造するか、あるいは当業者に利用可能な任意の手段により製造することができる。また、それらを標準的技術によりクローニングすることができる。
一般に、プライマーは合成手段により製造されるであろう、このような合成手段は一度に1つのヌクレオチドの所望の核酸配列の段階的製造を包含する。自動化技術を使用してこれを達成する技術は、この分野において容易に入手可能である。
より長いポリヌクレオチドは、一般に、組換え手段、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術により製造されるであろう。これは、クローニングしようとするヌクレオチド配列の領域に対して1対のプライマー(例えば、約15〜30ヌクレオチドの)を作り、プライマーを菌類、植物または原核細胞から得られたmRNAまたはcDNAと接触させ、所望の領域の増幅を生じさせる条件下にポリメラーゼ連鎖反応を実施し、増幅されたフラグメントを単離し(例えば、反応混合物をアガロースゲル上で精製することによって)そして増幅されたDNAを回収することを含む。増幅されたDNAを適当なクローニングベクターの中にクローニングできるように、適当な制限酵素認識部位を含有するようにプライマーを設計することができる。
細胞内の安定性および半減期を増加するように、DNA分子を修飾することができる。可能な修飾は、分子の5’および/または3’末端のフランキング配列の付加または分子の主鎖内のホスホジエステラーゼ結合よりむしろホスホロチオエートまたは2’O−メチルの使用を包含するが、これらに限定されない。
前述したように、本発明は、また、付属の配列のリストに示す配列の任意の1つのすべてまたは一部分にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列またはそれらのアレレ変異型に関する。これらのヌクレオチド配列をアンチセンス技術において使用して、 PDE_XIV の発現を修飾することができる。また、これらの配列(またはその一部分)をプローブとして使用することができるか、あるいはポリメラーゼ連鎖反応のプライマーとして使用するとき、このような配列のすべてまたは一部分を修飾するために使用することができる。
組換えDNA配列に加えて、ゲノム配列はまた薬剤の発見の関係において実用性を有する。特定のイソ型のmRNA転写を阻害することは、その翻訳されたタンパク質を阻害することよりも、価値があるであろう。スプライス変異型が存在し、それらの異なるスプライス変異型を異なるプロモーターから転写することができる場合、これは PDE_XIV を使用するとき真実であろう。マウス脳の2’,3’−環状ヌクレオチド3’ホスホジエステラーゼの転写を指令する多重プロモーターの先例が存在する(Kurihala T.et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.170:1074 [1990]) 。
本発明の他の実用性は、DNA配列が、いったん知られれると、アイソザイムまたはスプライス変異型を特異的に検出するアッセイを設計するために必要な情報を与えるということである。アイソザイム特異的PCRプライマーの対は、アイソザイムまたはスプライス変異型の特異的DNA配列の知識に完全に依存するアッセイの唯一の例である。このようなアッセイはアイソザイムのmRNAの検出を可能として、各アイソザイムの組織の分布および特定の疾患の状態に対する生物学的関連性をアクセスすることができる。また、このアッセイはただ1つのアイソザイムを自然に発現することができる細胞系統の同定−組換え遺伝子を発現する必要性を排除する発見−を可能とする。特異的 PDE_XIV アイソザイムが特定の疾患の状態に関連することが示される場合、本発明はアイソザイムmRNAを検出する診断アッセイの設計において価値があるであろう。
生物学的試料中の PDE_XIV をコードするヌクレオチド配列の異常なレベルは、染色体の異常、例えば、核酸の欠失または突然変異を反映するであろう。したがって、 PDE_XIV をコードするヌクレオチド配列は、PDEをコードする遺伝子における染色体の異常、例えば、欠失、突然変異または染色体の転位を検出するために診断的に使用できるプローブの基準を提供する。 PDE_XIV 遺伝子の発現はこのような疾患の状態において変更されることがあるか、あるいは PDE_XIV をコードする遺伝子の領域の中に存在する染色体の異常が存在することがある。
本発明の別の態様において、この分野においてよく知られている化学的方法に従い、PDEのコード配列の全体または一部分を合成することができる(Caruthers MH et al.(1980)Nuc.Acids Res.Symp.Ser.215-23、 Horn T et al.(1980)Nuc.Acids Res.Symp.Ser.225-233 、を参照のこと)。
天然に存在する
本明細書において使用する「天然に存在する」は、天然に見出されるアミノ酸配列を有する PDE_XIV を意味する。
単離された/精製された
本明細書において使用する「単離された/精製された」は、天然の環境から取出されそして、天然に関連する少なくとも1つの他の成分から単離または分離された、分子、核酸配列またはアミノ酸配列を意味する。
生物学的活性
本明細書において使用する「生物学的活性」は、天然に存在する PDE_XIV と同様な構造的機能(しかし同一程度に必要ではない)、および/または同様な調節機能(しかし同一程度に必要ではない)、および/または同様な生化学的機能(しかし同一程度に必要ではない)、および/または免疫学的活性(しかし同一程度に必要ではない)を有する、本発明による PDE_XIV −例えば、組換え PDE_XIV −を意味する。
免疫学的活性
本明細書において使用する「免疫学的活性」は、適当な動物または細胞において特異的免疫応答を誘導しかつ特異的抗体と結合する、天然、組換えもしくは合成の PDE_XIV またはそのオリゴペプチドの能力として定義される。
誘導体
アミノ酸配列に関して本明細書において使用する用語「誘導体」は、 PDE_XIV の化学的修飾を包含する。このような修飾は、アルキル、アシルまたはアミノ基による水素の置換であろう。
欠失
本明細書において使用する「欠失」は、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化であって、それぞれ、1または複数のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が存在しないものとして定義される。
挿入/付加
本明細書において使用する「挿入または付加」は、天然に存在するPDEに比較して、それぞれ、1または複数のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の付加が生じたヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化である。
置換
本明細書において使用する「置換」は、それぞれ、異なるヌクレオチドまたはアミノ酸による1または複数のヌクレオチドまたはアミノ酸配列の置換から生ずる。
相同体
本発明のヌクレオチド配列および本発明のアミノ酸配列に関する用語「相同体」は、配列のアレル変異型と同義であることができる。
特に、用語「相同性」は、本明細書において使用するとき、用語「同一性」に等しい場合がある。ここで、本発明のヌクレオチド配列および本発明のアミノ酸配列に関する配列の相同性は、1又は複数の配列と他の配列との単純な肉眼比較(すなわち、厳格な比較)により、その配列に対して他の配列が75%以上の同一性を有するか否かを知ることにより決定することができる。配列の相対的相同性(すなわち、配列の同一性)はまた、2以上の配列の間の相同性%を計算できる商業的に入手可能なコンピュータープログラムにより決定することができる。このようなコンピュータープログラムはCLUSTAL である。
相同性%は隣接する配列にわたって計算することができる。すなわち、1つの配列を他の配列と整列させ、そして1つの配列中の各アミノ酸を他の配列中の対応するアミノ酸と、一度に1つの残基で、比較する。これは「アンギャップド」整列と呼ばれる。典型的には、このようなアンギャップド整列は比較的小さい数の残基(例えば、50より小さい隣接アミノ酸)にわたってのみ実施される。
これは非常に簡単な、終始一貫した方法であるが、例えば、そうでなければ同一の対の配列において、1つの挿入または欠失により次に続くアミノ酸残基を整列から除外し、こうして包括的整列を実施するときに相同性%の大きい減少を生ずるということを考慮していない。従って、大部分の配列比較法は、全体の相同性のスコアに不当にペナルティーを課さないで、起こりうる挿入および欠失を考慮する最適な整列を生成するように設計される。これは配列の整列の中に「ギャップ」を挿入して局所的相同性を最大とすることを試みることによって達成される。
しかしながら、これらのいっそう複雑な方法は整列の中に生ずる各ギャップに「ギャップペナルティー」を割り当て、こうして、同一数の同一アミノ酸について、できるだけ少ないギャップをもつ配列の整列−2つの比較した配列の間のより高い関連性を反映する−は多数のギャップをもつものよりも高いスコアを達成するようにする。典型的には、「密接な関係のあるギャップのコスト」を使用する。密接な関係のあるギャップのコストは、ギャップの存在について比較的高いコストを負荷し、そしてギャップ中の各引き続く残基に小さいペナルティーを負荷する。
これは最も普通に使用されているギャップのスコアリングシステムである。高いギャップのペナルティーは、もちろん、より少ないギャップをもつ最適化された整列を生成するであろう。大部分の整列プログラムは、ギャップのペナルティーの変更を可能とする。しかしながら、このような配列の比較のソフトウェア使用するとき、デフォルト値を使用するすることが好ましい。例えば、GCGウィスコンシン・ベストフィット(Wisconsin Bestfit )パッケージ(下記を参照のこと)を使用するとき、アミノ酸配列についてのデフォルトギャップペナルティーはギャップについて−12であり、そして各エクステンションについて−4である。
したがって、最大の相同性%の計算は、ギャップペナルティー考慮する、最適な整列の生成をまず必要とする。このような整列を実施するために適当なコンピュータープログラムはGCGウィスコンシン・ベストフィット・パッケージである(University of Wisconsin,U.S.A.;Devereux et al.,1984,Nucleic Acids Research 12:387 )。配列の比較を実施できる以外の他のソフトウェアの例は下記のものを包含するが、これらに限定されない:BLASTパッケージ(Ausubel et al.,1999 ibid-Chapter 18,参照)、FASTA(Atschul et al.,1990,J.Mol.Biol.403-410) および比較ツールのGENEWORKS スウィート。BLAST およびFASTA の双方はオフラインおよびオンラインの検索について入手可能である(Ausubel et al., 1999 ibid, pp.7-58〜7-60、参照)。しかしながら、ある適用のために、GCGベストフィットプログラムを使用することが好ましい。
最終的相同性%を同一性により測定することができるが、ある場合において、整列プロセスそれ自体は典型的には有るか無いかの対の比較に基づかない。その代わりに、目盛りのある同様なスコアマトリックスが一般に使用される。このマトリックスは、化学的類似性または進化距離に基づいて各対ずつの比較にスコアを割り当てる。このような普通に使用されているマトリックスの1例はBLOSUM62マトリックス−プログラムのBLAST スウィートのためのデフォルトマトリックスである。一般に、GCGウィスコンシンプログラムは、公衆用デフォルト値、あるいは、供給される場合、カスタムの記号比較テーブルを使用する(それ以上の詳細については、ユーザーのマニュアルを参照のこと)。GCGパッケージのための公衆用デフォルト値を使用するか、あるいは他のソフトウェアの場合において、デフォルトマトリックス、例えば、BLOSUM62を使用することが好ましい。
いったんソフトウェアが最適な整列を生成したとき、相同性%、好ましくは配列の同一性%を計算することができる。ソフトウェアは、典型的には、配列の比較の一部分としてこれを実施し、そして数値の結果を発生する。
示したように、ある用途について、配列の相同性(または同一性)は任意の適当な相同性の整列を使用して、例えば、デフォルトパラメーターを使用して決定することができる。好都合には、デフォルト値に対して設定されたパラメーターを使用して、BLAST アルゴリズムを用いる。BLAST アルゴリズムは、http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/blast _hel.html. に詳細に記載されている。検索のパラメーターは次のように定義され、そして定義されたデフォルトパラメーターに対して好都合に設定される。
好都合には、BLAST により評価された「実質的な相同性」は、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9、最も好ましくは10またはそれ多いEXPECT値と合致する配列に等しい。BLAST 検索におけるEXPECTについてのデフォルト限界値は通常10である。
BLAST(Basic Local Alignment Search Tool )は、プログラムblastp,blastn,tblastn,およびtblastx により用いられる発見的検索アルゴリズムである;これらのプログラムは意味をわずかの強化を伴うKarlinおよびAltschulの統計的方法(http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/blast_hel.html. 参照)を使用するそれらの結果とみなす。BLAST プログラムは配列の類似性の検索のために、例えば、疑問の配列に対する相同体を同定するために、製作される。プログラムはモチーフスタイルの検索について一般に有用ではない。配列のデータベースの類似性の検索における基本的刊行物の論考については、下記の文献を参照のこと:Altschul et al.(1994)Nature Genetics 6:119-129。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov において入手可能なBLAST プログラムは、下記の仕事を実行する:
blastpは、タンパク質配列のデータベースに対するアミノ酸の疑問配列を比較する;
blastnは、ヌクレオチド配列のデータベースに対してヌクレオチドの疑問配列を比較する;
blastxは、タンパク質配列のデータベースに対するヌクレオチドの疑問配列(双方の鎖)の6フレームの概念的翻訳産物からなる;
tblastn は、すべての6つのリーディングフレーム(双方の鎖)においてダイナミックに翻訳されたヌクレオチド配列に対するタンパク質の疑問配列を比較する;
tblastx は、ヌクレオチド配列のデータベースの6フレームの翻訳に対するヌクレオチド疑問配列の6フレームの翻訳を比較する;
BLAST は下記の検索パラメーターを使用する:
HISTOGRAM 各検索のためのスコアのヒストグラムドをディスプレイする;デフォルトはyesである。(BLAST マニュアル中のパラメーターH参照)。
DESCRIPTIONS 特定した数に対して報告された合致する配列の短い記載の数を制限する;デフォルトの限界は100記載である。(マニュアルのページのパラメーターV参照)。また、EXPECTおよびCUTOFF参照。
ALIGNMENTS 高いスコアリングセグメント対(HSPs)が報告されている特定された数に対してデータベースの配列を制限する;デフォルトの限界は50である。これより多いデータベースの配列が報告のための統計的に有意である限界値を満足することがあった場合(下記のEXPECTおよびCUTOFF参照)、合致が帰属する最大の統計的意味のみを報告する。(BLAST マニュアル中のパラメーターB参照)。
EXPECT データベースの配列に対する合致を報告する統計的に有意である限界値;KarlinおよびAltschul(1990)の確率モデルに従い、デフォルト値は10であり、こうして10の合致が偶然に見出されることが期待される。合致に帰属される統計的意味がEXPECT限界値より大きい場合、合致は報告されない。より低いEXPECT限界値はいっそう厳格であり、より少ない機会の合致が報告されることになる。(BLAST マニュアル中のパラメーターE参照)。
CUTOFF 高いスコアリングセグメント対を報告するカットオフスコア。デフォルト値はEXPECT値(上を参照)から計算される。HSPsに帰属される統計的意味がCUTOFF値に等しいスコアを有する唯一のHSPに帰属される程度に少なくとも高い場合にのみ、HSPsはデータベースの配列について報告される。より高いCUTOFF値はいっそう厳格であり、より少ない機会の合致が報告されることになる。(BLAST マニュアル中のパラメーターS参照)。典型的には、EXPECTを使用して、意味の限界値をいっそう直観的に管理することができる。
MATRIX BLASTP, BLASTX, TBLASTNおよびTBLASTX のための別のスコアリングマトリックスを特定する。デフォルトマトリックスはBLOSUM62である(Henikoff & Henikoff, 1992)。有効な別の選択は下記のものを包含する:PAM40, PAM120, PAM250 およびIDENTITY。別のスコアリングマトリックスはBLASTNについて入手可能ではない;BLASTNにおいて欠如するMATRIXの特定はエラーの応答に戻る。
STRAND データベースの配列のちょうど上部または下部の鎖に対するTBLASTN 検索を制限する;または疑問配列の上部または下部上のちょうどリーディングフレームに対するBLASTN, BLASTXまたはTBLASTX の検索を制限する。
FILTER Wootton & Federhen(1993)Computers and Chemistry 17:149-163 のSEGプログラムにより決定して、低い組成の複雑さを有する疑問配列のセグメントをマスクするか、あるいはClaverie & States(1993)Computers and Chemistry 17:191-201 のXNUプログラムにより、またはBLASTNについて、Tatusov およびLipmanのDUSTプログラム(http://www.ncbi.nlm.nih.gov 参照)決定して、短い周期の内部の反復から成るセグメントをマスクする。フィルタリングは統計的に有意であるが、生物学的に重要でない報告をブラストアウトプット(例えば、普通の酸性、塩基性またはプロリンに富んだ領域に対するヒット)から排除し、データベースの配列に対する特異的合致に有効な疑問配列のいっそう生物学的に重要な領域を残す。
フィルタープログラムにより見出される複雑さの低い配列を、ヌクレオチド配列において文字「N」を使用して(例えば、「NNNNNNNNNNNNN 」)で置換し、そしてタンパク質において文字「X」を使用して(例えば、「XXXXXXXXX 」)で置換する。
フィルタリングが疑問配列(またはその翻訳産物)のみ適用され、データベースの配列に適用されない。
SWISS-PROT中の配列に適用するとき、SEG、XNU、または双方によりまったくマスクされないことは異常でないので、フィルタリングは常に効果を生ずることを実験すべきではない。さらに、ある場合において、配列はそれらの全体においてマスクされ、フィルタリングされない疑問配列に対して報告された合致が存在する場合、それらの合致の統計的意味を疑うべきであることを示す。
NCBI-gi は、アクセスおよび/または遺伝子座の名称に加えて、アウトプットの中にNCBIgi同定因子を表示させる。
最も好ましくは、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST において提供される簡単なBLAST 検索アルゴリズムを使用して、配列の比較を実施する。
配列を同定するとき、ギャップペナルティーを使用すべきであり、好ましくは下記のパラメーターを使用する:
2つの配列の間の同一性および類似性を決定する他のコンピュータープログラムは、GCGプログラムパッケージ(Devereux et al.,1984,Nucleic Acids Research 12:387) およびFASTA(Atschul et al.,1990,J.Molec.Biol.403-410)を包含するが、これらに限定されない。
ポリペプチドの変異型および誘導体
本発明のアミノ酸配列に関する用語「変異型」および「誘導体」は、生ずるアミノ酸配列がPDE活性を有する、好ましくは配列表中に表されているポリペプチドの任意の1つと少なくとも同一の活性を有するかぎり、配列たらまたは配列に対する1(またはそれ以上)のアミノ酸の任意の置換、変動、修飾、取替え、欠失または付加を包含する。
本発明の配列は本発明において使用するために修飾することができる。典型的には、配列のPDE活性を維持するように、修飾はなされる。アミノ酸の置換は、修飾された配列がPDE活性を保持するかぎり、例えば、1、2または3〜10、20または30の置換であることができる。アミノ酸配列の置換は、例えば、療法的に投与されたポリペプチドの血漿中の半減期を増加するために、天然に存在しない類似体の使用を包含する。
保存的置換は、例えば、下記表に従い、行うことができる。第2列中の同一ブロック、好ましくは第3列中の同一ライン中のアミノ酸を互いに置換することができる:
上に示したように、本発明のタンパク質は、典型的には、組換え手段により、例えば本明細書において記載するように、そして/または当業者によく知られている技術、例えば固相合成を使用する合成手段により製造される。このような配列の変異型および誘導体は融合タンパク質を包含し、ここで融合タンパク質は他のアミノ酸配列に結合した(直接的または間接的に)少なくとも本発明のアミノ酸配列からなる。
これらの他のアミノ酸配列−これらは時には融合タンパク質の相手と呼ぶ−は典型的には好適な機能性を付与して−例えば、本発明のアミノ酸配列の抽出および精製を促進するであろう。融合タンパク質の相手は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6×His、GAL4(DNA結合ドメインおよび/または転写活性化ドメイン)およびβ−ガラクトシダーゼを包含する。また、融合タンパク質の相手と本発明のタンパク質配列との間にタンパク質分解切断部位を含めて後者の除去を可能とすることは好都合であることがある。好ましくは、融合タンパク質の相手は本発明のタンパク質の機能を妨害しない。
ポリヌクレオチドの変異型および誘導体
本発明のヌクレオチド配列に関する用語「変異型」および「誘導体」は、生ずるヌクレオチド配列がPDE活性を有する、好ましくは配列表の中に表されている配列の任意の1つと少なくとも同一の活性を有するポリペプチドをコードするかぎり、配列からまたは配列に対する1(またはそれ以上)の核酸の任意の置換、変動、修飾、取替え、欠失または付加を包含する。
上に示したように、配列の相同性に関し、本明細書において配列表に示す配列に対して好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の相同性が存在する。より好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の相同性が存在する。ヌクレオチドの相同性の比較は前述したように実施することができる。いくつかの用途について、好ましい配列の比較のプログラムは、前述のGCGウィスコンシン・ベストフィットである。デフォルトスコアリングマトリックスは、各同一ヌクレオチドについて10および各ミスマッチについて−9の合致値を有する。各ヌクレオチドについて、デフォルトギャップ発生のペナルティーは−50であり、そしてデフォルトギャップエクステンションのペナルティーは−3である。
本明細書において使用するとき、用語「変異型」、「相同性」、「フラグメント」および「誘導体」は、配列のアレレ変異型を包含する。
用語「変異型」は、また、本明細書において表示されるヌクレオチド配列に対してハイブリダイズすることができる配列に対して相補的である配列を包含する。
ハイブリダイズ
本明細書において使用する用語「ハイブリダイズ」は、「核酸の鎖を塩基対を通して相補的鎖と結合させる方法」(Coombs J(1994)Dictionary of Biotechnology, Stockton Press,New York,NY)ならびにDieffenbach CWおよびGS Dveksler(1995,PCR Primer,a Labotatory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview NY )に記載されているようなポリメラーゼ連鎖反応技術において実施されたような増幅方法を包含するであろう。
ハイブリダイズ条件は、BergerおよびKimmel(1987,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology,Vol.152, Academic Press,カリフォルニア州サンディエゴ)に教示されているように、核酸結合複合体の融点(Tm)に基づき、そして以後説明するように定められた「ストリンジェンシイ」を付与する。
ハイブリダイズのストリンジェンシイは、ポリ核酸のハイブリッドが安定である条件を意味する。このような条件は当業者にとって明らかである。当業者に知られているいるように、ハイブリッドの安定性はハイブリッドの融点(Tm)において反映され、ここで融点(Tm)は配列の相同性の1%減少毎にほぼ1〜1.5℃だけ低下する。一般に、ハイブリッドの安定性はナトリウムイオンおよび温度の関数である。典型的には、ハイブリダイズ反応はより高いストリンジェンシイおよび引き続く変化するストリンジェンシイの洗浄の条件下に実施される。
本明細書において使用するとき、高いストリンジェンシイは1MのNa+ 中で65〜68℃において安定にハイブリッドを形成する核酸配列のみのハイブリダイズを可能とする条件を意味する。
最大のストリンジェンシイは典型的には約Tm−5℃(プローブのTmよりも5℃低い)において起こる。
高いストリンジェンシイはプローブのTmよりも約5℃〜10℃低い温度において起こる。高いストリンジェンシイ条件は、例えば、6×SSC、5×デンハルト溶液、1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、0.1 Na+ピロリン酸塩および非特異的競合体として0.1mg/mlの変性サケ精子DNAを含有する水溶液中のハイブリダイズにより提供される。ハイブリダイズ後、高いストリンジェンシイの洗浄をいくつかの工程において実施することができ、最終の洗浄(約30分)は0.2〜0.1×SSC、0.1%SDS中でハイブリダイズ温度において実施することができる。
中程度の、または中間のストリンジェンシイは典型的にはプローブのTmよりも約10℃〜20℃低い温度において発生する。
低いストリンジェンシイは典型的にはプローブのTmよりも約20℃〜25℃低い温度において発生する。
当業者は理解するように、最大のストリンジェンシイのハイブリダイズを使用して同一のポリヌクレオチド配列を同定または検出することができるが、中間の(低い)ストリンジェンシイのハイブリダイズを使用して同様なまたは関係するポリヌクレオチド配列を同定または検出することができる。
中程度のストリンジェンシイは、前述の溶液中であるが、約60〜62℃におけるハイブリダイズに等しい条件を意味する。その場合において、最終の洗浄は1×SSC、0.1%SDS中でハイブリダイズ温度において実施される。
低いストリンジェンシイは、前述の溶液中で約50〜52℃におけるハイブリダイズに等しい条件を意味する。その場合において、最終の洗浄は2×SSC、0.1%SDSでハイブリダイズ温度において実施される。
ある用途のために、低い〜中程度のストリンジェンシイ条件を使用して、異なる生物からの同様な酵素コード配列を同定することは有用であることがある。
理解されるように、これらの条件は種々の緩衝液、例えば、ホルムアミドをベースとする緩衝液、および温度を使用して適合させかつ重複させることができる。デンハルト溶液およびSSCならびに他の適当なハイブリダイズ緩衝液は当業者によく知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook,et al. 編(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York またはAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.) 。プローブの長さおよびGC含量もまたある役割を演ずるので、最適なハイブリダイズ条件を実験的に決定しなくてはならない。
本明細書において表示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができる本発明のポリヌクレオチドは、本明細書において表示される対応するヌクレオチド配列に対して、少なくとも20、好ましくは少なくとも25または30、例えば、少なくとも40、60または100またはそれ多い隣接ヌクレオチドの領域にわたって、一般に少なくとも70%、好ましくは少なくとも80または90%、より好ましくは少なくとも95%または98%の相同性を有するであろう。
用語「選択的にハイブリダイズ可能」は、本発明のターゲットポリヌクレオチドがバックグラウンドよりも有意に高いレベルにおいてプローブにハイブリダイズすることが見出された条件下に、プローブとして使用するポリヌクレオチドを使用することを意味する。バックグラウンドのハイブリダイズは、他のポリヌクレオチドが、例えば、スクリーニングするcDNAまたはゲノムDNAのライブラリーの中に存在するために、起こることがある。この場合において、バックグラウンドは、プローブとライブラリーの非特異的DNAメンバーとの間の相互作用により発生するシグナルのレベルを意味し、この相互作用はターゲットDNAを使用して観測される特異的相互作用よりも強度が10倍、好ましくは100倍より小さい。本発明の強度は、例えば、プローブを、例えば、32Pで放射能標識化することによって測定することができる。
好ましい観点において、本発明は、ストリンジェント条件(例えば、60℃および0.2×SSC{1×SSC=0,15MのNaCl、0.015 MのNa3 クエン酸塩pH7.0})下に任意の1または複数の本発明のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を包含する。
より好ましい面において、本発明は、ストリンジェント条件(例えば、65℃および0.1×SSC{1×SSC=0,15MのNaCl、0.015 MのNa3 クエン酸塩pH7.0})下に任意の1または複数の本発明のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を包含する。
本発明のポリヌクレオチドが二本鎖である場合、二本鎖の双方の鎖は、個々にまたは組合わせで、本発明に包含される。本発明のポリヌクレオチドが一本鎖である場合、ポリヌクレオチドの相補的配列は、また、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の配列に対して100%相同性ではないが、本発明の範囲内に入るポリヌクレオチドは、多数の方法において得ることができる。本明細書において記載する他の種々の配列は、例えば、ある範囲の個体から、例えば、異なる集団からの個体から、作られたDNAライブラリーをプロービングすることによって得ることができる。
さらに、他のウイルス/細菌、または細胞の相同体、特に哺乳動物細胞(例えば、ラット、ウシおよび霊長類の細胞)の中に見出される細胞の相同体を得ることができ、そしてこのような相同体およびそれらのフラグメントは一般に本明細書において列挙する配列に示す配列に選択的にハイブリダイゼーションすることができるであろう。このような配列は、他の動物種からのcDNAライブラリーまたはゲノムDNAライブラリーをプロービングし、そして付属する配列のリスト中の配列の任意の1つからなるプローブを使用して、このようなライブラリーを中程度〜高いストリンジェンシイの条件下にプロービングすることによって、得ることができる。本発明のポリペプチドまたはヌクレオチド配列の種の相同性およびアレレの変異型に、同様な考察が適用される。
変異型および株/種の相同体はまた、縮重PCRを使用して得ることができる。縮重PCRは、本発明の配列内の保存されたアミノ酸配列をコードする変異型または相同体内の配列ターゲットするように設計されたプライマーを使用する。保存された配列は、例えば、選択的変異型/相同体からのアミノ酸配列を整列させることによって、予測することができる。配列の整列は、この分野において知られているコンピューターのソフトウェアを使用して実施することができる。例えば、GCGウィスコンシン・パイルアップ(PileUp)プログラムが広く使用されている。
デジェネレイトPCRにおいて使用するプライマーは1または複数の縮重位置を含有し、そして既知の配列に対する単一の配列のプライマーを使用する配列のクローニングに使用するよりも、低いストリンジェンシイの条件において使用されるであろう。
あるいは、このようなポリヌクレオチドは、特性決定された配列の部位特異的突然変異誘発により得ることができる。これは、例えば、ポリヌクレオチド配列が発現されている特定の宿主細胞のためにコドンの採択を最適化するために、サイレントコドンの変化が配列に対して要求される場合において、有用であることがある。制限酵素認識部位を導入するために、あるいはポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの性質または機能を変更するために、他の配列の変化を必要とすることがある。
本発明のポリヌクレオチドを使用して、プライマー、例えば、PCRプライマー、オールタネイティブ増幅反応のためのプライマー、プローブ、例えば、放射性または非放射性標識を使用する慣用手段により顕現標識で標識化されたプローブを製造することができるか、あるいはポリヌクレオチドをベクターの中にクローニングすることができる。このようなプライマー、プローブまたは他のフラグメントは、少なくとも15、好ましくは少なくとも20、例えば、少なくとも25、30または40ヌクレオチドの長さであり、そしてまた、本明細書において使用する本発明のポリヌクレオチドという用語により包含される。
本発明によるポリヌクレオチド、例えば、DNAポリヌクレオチドおよびプローブは、組換え的に、合成的に製造するか、あるいは当業者に利用可能な任意の手段により製造することができる。また、それらを標準的技術によりクローニングすることができる。
一般に、プライマーは合成手段により製造されるであろう、このような合成手段は一度に1つのヌクレオチドの所望の核酸配列の段階的製造を包含する。自動化技術を使用してこれを達成する技術は、この分野において容易に入手可能である。
より長いポリヌクレオチドは、一般に、組換え手段、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術により製造されるであろう。これは、クローニングしようとする脂質ターゲッティング配列の領域をフランキングする1対のプライマー(例えば、約15〜30ヌクレオチドの)を作り、プライマーを動物またはヒト細胞から得られたmRNAまたはcDNAと接触させ、所望の領域の増幅を生じさせる条件下にポリメラーゼ連鎖反応を実施し、増幅されたフラグメントを単離し(例えば、反応混合物をアガロースゲル上で精製することによって)そして増幅されたDNAを回収することを含む。増幅されたDNAを適当なクローニングベクターの中にクローニングできるように、適当な制限酵素認識部位を含有するようにプライマーを設計することができる。
調節配列
好ましくは、コード配列を、例えば、選択された宿主細胞により、発現することができる調節配列に、本発明のポリヌクレオチドを作用可能に連結する。1例として、本発明は。このような調節配列に作用可能に連結された本発明のポリヌクレオチドからなるベクターを包含する、すなわち、ベクターは発現ベクターである。
用語「作用可能に連結された」は、記載する成分がそれらの意図する方法で機能できる関係にある、並列位置を意味する。コントロール配列とコンパティブルである条件下にコード配列の発現が達成されるように、コード配列に「作用可能に連結された」調節配列が結合される。
用語「調節配列」は、プロモーターおよびエンハンサー並びに他の発現調節シグナルを包含する。
用語「プロモーター」は、この分野での標準の意味において使用され、例えば、RNAポリメラーゼ結合部位である。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現の増強はまた、選択された発現宿主からの注目のタンパク質の発現および、所望ならば、分泌レベル、を増加し、そして/または本発明のポリペプチドの発現の誘導可能なコントロールを提供する働きをする、異種調節領域、例えば、プロモーター、分泌リーダーおよびターミネーター領域の選択により達成することができる。
好ましくは、本発明のヌクレオチド配列を少なくとも2つのプロモーターに作用可能に連結することができる。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子に対して固有であるプロモーターを別として、他のプロモーターを使用して本発明のポリペプチドの発現を指令することができる。プロモーターは、所望の発現宿主における本発明のポリペプチドの発現を指令する、その効能について選択することができる。
他の態様において、構成的プロモーターを選択して、本発明の所望のポリペプチドの発現を指令することができる。このような発現構築物は、誘導基質を含有する培地上で発現宿主を培養する必要性を回避するので、追加の利点を提供する。
菌類の発現宿主において使用するために好ましい、強い構成的および/または誘導可能なプロモーターの例は、キシラナーゼ(xlnA)、フィターゼ、ATPシンターゼ、サブユニット9(oliC)、トリオースホスフェートイソメラーゼ(tpi)、アルコールデヒドロゲナーゼ(AldhA )、α−アミラーゼ(amy)、アミログルコシダーゼ(AG-glaA 遺伝子から)、アセトアミダーゼ(amdS)およびグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(gpd)のプロモーターの菌類の遺伝子から得るすることができるものである。
強い酵母のプロモーターの例は、アルコールデヒドロゲナーゼ、ラクターゼ、3−ホスホグリセレートキナーゼおよびトリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子から得ることができるものである。
強い細菌のプロモーターの例は、α−アミラーゼおよびSP02プロモーターならびに細胞外プロテアーゼ遺伝子からのプロモーターである。
また、ハイブリッドプロモーターを使用して、発現構築物の誘導可能な調節を改良することができる。
プロモーターは適当な宿主における発現を増強するか、あるいは増加する特徴をさらに含むことができる。例えば、特徴は保存された領域、例えば、Pribnow BoxまたはTATAボックスであることができる。プロモーターは本発明のヌクレオチド配列の発現レベルに影響を与える(例えば、維持する、増強する、減少させる)他の配列を含有することさえできる。例えば、適当な他の配列はSh1−イントロンまたはADHイントロンを包含する。他の配列は誘導可能な因子−例えば、温度、化学的、光またはストレスの誘導可能な因子を包含する。また、転写または翻訳を増強する適当な因子が存在することができる。後者の因子の例は、TMV5’シグナル配列である(Sleat Gene 217[1987]217-225;およびDawson,Plant Mol.Biol.23 [1993] 97、参照)。
分泌
しばしば、本発明のポリペプチドは発現宿主から培地の中に分泌されることが望ましく、この培地から本発明のポリペプチドは最も容易に回収することができる。本発明によれば、分泌リーダー配列は所望の発現宿主に基づいて選択することができる。また、ハイブリッドシグナル配列を本発明の関係して使用することができる。
異種分泌リーダー配列の典型的な例は、菌類のアミログルコシダーゼ(AG)遺伝子(glaA−例えば、アスペルギルス(Aspergillus )からの、18および24アミノ酸のバージョン)、a−因子の遺伝子(酵母、例えば、サッカロマイセス(Saccharomyces )およびクルイベロマイセス(Kluyveromyces)) またはα−アミラーゼ(バシラス(Bacillus))から由来するものである。
構築物
用語「構築物」−これは「複合体」、「カセット」および「ハイブリッド」のような用語と同義である−は、プロモーターに直接的または間接的に結合したヌクレオチド配列を包含する。間接的結合の例は、プロモーターと本発明のヌクレオチド配列の中間に適当なスペーサー基、例えば、イントロン配列、例えば、Sh1−イントロンおよびADHイントロンを設けることである。同一の事柄は本発明に関する用語「融合」について真実であり、これは直接的または間接的結合を包含する。各場合において、用語は通常野生型遺伝子のプロモーターに関連するタンパク質をコードするヌクレオチド配列の天然の組合わせを包含せず、そしてそれらの双方が天然の環境の中に存在するときを包含しない。
構築物は、例えば、細菌、好ましくはバシラス(Bacillus)属の細菌、例えば、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、またはそれが形質転換された植物における、遺伝的構築物の選択を可能とするマーカーを含有するか、あるいは発現することさえできる。使用することができる種々のマーカーが存在し、例えば、マンノース−6−ホスフェートイソメラーゼ(特に植物のための)をコードするもの、あるいは抗生物質耐性、例えば、G418、ヒグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシンおよびゲンタマイシンに対する耐性を提供するマーカーが存在する。
好ましくは、本発明の構築物は、少なくとも、プライマーに作用可能に連鎖された本発明のヌクレオチド配列からなる。
ベクター
用語「ベクター」は、発現ベクターおよび形質転換ベクターおよびシャトルベクターを包含する。
用語「発現ベクター」は、in vivo またはin vitroの発現を行うことができる構築物を意味する。
用語「形質転換ベクター」は、1つの実在物から他の実在物に転移することができる構築物を意味する−他の実在物は同一種であるか、あるいは異なる種であることができる。構築物が1つの実在物から他の実在物に−例えば、大腸菌(E.coli)プラスミドから細菌、例えば、バシラス(Bacillus)属に転移することができる場合、形質転換ベクターは時には「シャトルベクター」と呼ばれる。それは大腸菌(E.coli)プラスミドからアグロバクテリウム(Agrobacterium )に、さらに植物にさえ転移することができる構築物である。
本発明のベクターは、後述するように、適当な宿主細胞の中に形質転換して、本発明のポリペプチドを発現させることができる。したがって、それ以上の面において、本発明は、ポリペプチドをコードするコード配列のベクターによる発現を提供する条件下に、前述の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を培養し、そして発現されたポリペプチドを回収することからなる、本発明のポリペプチドを製造する方法を提供する。
ベクターは、例えば、複製起点を有するプラスミド、ウイルスまたはファージのベクター、必要に応じて前記ポリヌクレオチドの発現のためのプロモーターおよび必要に応じてプロモーターのレギュレーターであることができる。
本発明のベクターは、1または複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有することができる。工業用微生物に最も適当な選択系は、宿主生物における突然変異を必要としない選択マーカーのグループにより形成されたものである。菌類の選択マーカーの例は、アセトアミダーゼ(amdS)、ATPシンターゼ、サブユニット9(oliC)、オロチジン−5’−ホスフェート−デカルボキシラーゼ(pvrA)、フレオマイシンおよびベノミル耐性(benA)の遺伝子である。非菌類の選択マーカーの例は、細菌のG418耐性遺伝子(これはまた酵母において使用できるが、フィラメント状菌類において使用できない)、アンピシリン耐性遺伝子(E.coli)、ネオマイシン耐性遺伝子(Bacillus)および大腸菌(E.coli)uidA 遺伝子、β−ガラクトシダーゼ(GUS)をコードする、である。
ベクターは、in vitroにおいて、例えば、RNAの製造のために使用できるか、あるいは宿主細胞をトランスフェクトまたは形質転換するために使用できる。
したがって、本発明のポリヌクレオチドを組換えベクター(典型的には複製可能なベクター)、例えば、クローニングまたは発現ベクターの中に組込むことができる。ベクターはコンパティブル宿主細胞中の核酸の複製のために使用することができる。したがって、それ以上の態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを複製可能なベクターの中に導入し、ベクターをコンパティブル宿主細胞の中に導入し、そしてベクターの複製を生じさせる条件下に宿主細胞を成長することによって、本発明のポリヌクレオチドを製造する方法を提供する。ベクターを宿主細胞から回収することができる。適当な宿主細胞は発現ベクターと関連して後述される。
本発明はまた、ホスホジエステラーゼ活性をモジュレートし、これによりサイクルのヌクレオチドレベルをモジュレートする PDE_XIV のインヒビターおよびアンタゴニストを同定するスクリーニング法において、 PDE_XIV またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体を発現する遺伝子操作された宿主細胞の使用に関する。このような遺伝子操作された宿主細胞を使用して、 PDE_XIV 活性をモジュレートすることができるペプチドライブラリーまたは有機分子をスクリーニングすることができる。 PDE_XIV のアンタゴニストおよびインヒビター、例えば、抗体、ペプチドまたは小さい有機分子は、例えば、 PDE_XIV に関連する疾患の治療のための医薬組成物の基礎を提供するであろう。このようなインヒビターまたはアンタゴニストは、単独で、あるいはこのような疾患の治療のための療法と組み合わせて投与することができる。
本発明は、また、 PDE_XIV タンパク質のin vivo またはin vitro生産のための、あるいは PDE_XIV の発現または活性に影響を与えることができる因子についてスクリーニングするための、 PDE_XIV またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体をコードするポリヌクレオチド配列からなる発現ベクターおよび宿主細胞に関する。
組織
用語「組織」は、本明細書において使用するとき、組織それ自体または器官を包含する。
宿主細胞
用語「宿主細胞」は、本発明に関して、本発明による組換えタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られた産物からなることができる、任意の細胞を包含し、ここでプロモーターは、宿主細胞の中に存在するとき、本発明によるヌクレオチド配列の発現を可能とする。
したがって、本発明のそれ以上の態様は、本発明のポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を提供する。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、前記ポリヌクレオチドの複製および発現のためのウイルスの中に担持される。細胞は前記ベクターとコンパティブルであるように選択され、そして、例えば、原核(例えば、細菌)、菌類、酵母または植物の細胞であることができる。
グラム陰性細菌大腸菌(E.coli)は、異種遺伝子の発現のための宿主として広く使用される。しかしながら、大量の異種タンパク質は細胞の内部に蓄積する傾向がある。大量の大腸菌(E.coli)細胞内タンパク質からの所望のタンパク質の引き続く精製は、時には困難であることがある。
大腸菌(E.coli)と対照的に、バシラス(Bacillus)属からの細菌は、培地の中にタンパク質を分泌する能力を有するので、異種宿主として非常に適する。宿主として適当な他の細菌は、ストレプトマイセス(Streptomyces)属およびシュードモナス(Pseudomonas )属からのものである。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの特質および/または発現されたタンパク質のそれ以上のプロセシングの望ましさに依存して、真核宿主、例えば、酵母または他の菌類が好ましいことがある。一般に、酵母細胞は、操作が容易であるので、菌類細胞よりも好ましい。しかしながら、いくつかのタンパク質は酵母細胞からの分泌が低いか、あるいはある場合において、適切にプロセスされない(例えば、酵母における過グリコシル化)。これらの場合において、異なる菌類の宿主微生物を選択すべきである。
本発明の範囲内に入る適当な発現宿主の例は、菌類、例えば、アスペルギルス(Aspergillus )種(例えば、EP-A-0184438号およびEP-A-0284603号に記載されているもの)およびトリコデルマ(Trichoderma )種;細菌、例えば、バシラス(Bacillus)種(例えば、EP-A-0134048号およびEP-A-0253455号に記載されているもの)、ストレプトマイセス(Streptomyces)種およびシュードモナス(Pseudomonas )種;および酵母、例えば、クルイベロマイセス(Kluyveromyces )種(例えば、EP-A-0096430号およびEP-A-0301670号に記載されているもの)およびサッカロマイセス(Saccharomyces )種である。
1例として、典型的な発現宿主は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)var.tubigenis 、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)var.awamori 、アスペルギルス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・ニヅランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、トリコデルマ・リーシエ(Trichoderma reesie)、バシラス・サチリス(B.subtilis)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)およびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から選択することができる。
適当な宿主細胞−例えば、酵母、菌類および植物の宿主細胞−を使用すると、本発明の組換え発現産物に最適な生物学的活性を与えるために必要であることがあるように、翻訳後の修飾(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、トランケーション、ラピデーションおよびチロシン、セリンまたはスレオニンのリン酸化)が可能となる。
生物
本発明に関して用語「生物」は、本発明による組換えタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られた産物からなることができる、任意の生物を包含し、ここでここでプロモーターは、植物の中に存在するとき、本発明によるヌクレオチド配列の発現の発現を可能とすることができる。生物の例は菌類、酵母または植物を包含するすることができる。
本発明に関する用語「トランスジェニック生物」は、本発明によるタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られた産物からなる任意の生物を包含し、ここでプロモーターは生物内の本発明によるヌクレオチド配列の発現を可能とすることができる。好ましくは、ヌクレオチド配列は生物のゲノムの中に組込まれる。
用語「トランスジェニック生物」は、本発明による天然のヌクレオチドのコード配列が同様に天然の環境の中に存在する天然のプロモーター制御下にあるとき、天然の環境の中に存在する本発明による天然のヌクレオチドのコード配列を包含しない。さらに、本発明は、本発明による天然のタンパク質が天然の環境の中に存在するとき、かつ同様に天然の環境の中に存在する天然のヌクレオチドのコード配列により発現されるとき、かつ同様に天然の環境の中に存在する天然のプロモーター制御下にあるとき、本発明による天然のタンパク質を包含しない。
したがって、本発明のトランスジェニック生物は、本発明によるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のの任意の1つ、または組合わせ、本発明による構築物(それらの組合わせを包含する)、本発明によるベクター、本発明によるプラスミド、本発明による細胞、本発明による組織またはその産物からなる生物を包含する。形質転換された細胞または生物は、細胞または生物から容易に取出すすることができる所望の化合物を受容される量で生産することができる。
本発明は、また、増加した量の酵素を発現するように、修飾された生物を包含する。
アテニュエーション/ノックアウトの動物モデル
本発明はまた、酵素活性がアテニュエートまたは排除されように修飾された生物を包含する。このような態様の例は、天然のコード配列が除去され、例えば、リポーター遺伝子、例えば、β−galで置換された、ノックアウトの速度またはマウスである。あるいは、遺伝子の発現が起こらないように、プロモーターをサイレンスさせることができる。これらの型の生物は、標準的技術を使用して製造することができる。
宿主細胞/宿主生物の形質転換
前に示したように、宿主生物は原核生物または真核生物であることができる。適当な原核宿主の例は、大腸菌(E.coli)およびバシラス・サチリス(Bacillus subtilis )を包含する。原核生物の形質転換についての教示はこの分野においてよく記載されており、例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook, et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 第2版, 1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press、およびAusubel,et al.,Current Protocols in Molecular Biology(1985),John Wiley & Sons,Inc.。
原核生物の宿主を使用する場合、形質転換前にヌクレオチド配列を、例えば、イントロンの除去により、適当な修飾することが必要である。
他の態様において、トランスジェニック生物は酵母であることができる。これに関して、酵母はまた異種遺伝子の発現のためのビヒクルとして広く使用されてきている。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)種は、異種遺伝子の発現のための使用を包含する、長い工業的使用の歴史を有する。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)中の0種遺伝子の発現は下記の文献において概観されている:Goodey et al.,1987,Yeast Biotechnology,D R Berry et al.,編、pp.401-429,AllenおよびUnwin,London、およびKing et al.,1989,Molecular and Cell Biology of Yeasts,E F Walton and G T Yarronton編, pp.107-133,Balckie,Galsgow。
いくつかの理由で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は遺伝子の発現のためによく適している。第1に、それはヒトに対して非病原性であり、そしてある種のエンドトキシンを産生することができない。第2に、それは種々の目的で数世紀にわたる商業的利用において安全に使用されてきている歴史を有する。これは広い公衆の受容に導いた。第3に、生物に向けられた広範な商業的使用および研究は、遺伝学および生理学に関する豊富な知識ならびにサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の特徴を示す大規模の発酵を生じた。
サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)における異種遺伝子の発現の原理は下記の文献において概観されている:E Hinchcliffe E Kenny, 1993, ″Yeast as vehicle for the expresson of heterologous genes″,Yeasts,Vol.5, Anthony H Rose およびJ Stuart Harrison,編,第2版,Academic Press Ltd. 。
維持のために宿主ゲノムとの組換えを必要とする、組込みベクター、および自律的に複製するベクターを包含する、いくつかの型の酵母ベクターが入手可能である。
トランスジェニックサッカロマイセス(Saccharomyces ) を調製するために、酵母における発現のために設計された含量の中に本発明のヌクレオチド配列を挿入することによって、発現構築物を調製する。異種発現のために使用された、いくつかの型の構築物が開発されてきている。構築物は、本発明のヌクレオチド配列に融合された酵母中で活性なプロモーターを含有し、通常酵母由来のプロモーター、例えば、GAL1プロモーターが使用される。通常、酵母由来のシグナル配列、例えば、SUC2シグナルペプチドをコードする配列が使用される。酵母において活性なターミネーターは発現系において終わる。
酵母の形質転換のために、いくつかの形質転換のプロトコールが開発された。例えば、本発明によるトランスジェニックサッカロマイセス(Saccharomyces ) は、下記の文献の教示に従い調製することができる:Hinnen et al.,1978, Proceeding of the National Academy of Science of the USA 75,1929;Beggs,J D,1978,Nature,London,275,104;およびIto,H et al.,1983,J.Bacteriology153,163-168 。
形質転換された酵母細胞を種々の選択マーカーを使用して選択する。形質転換に使用されるマーカーとして、多数の栄養要求性マーカー、例えば、LEU2、HIS4およびTRP1、および優性抗生物質耐性マーカー、例えば、アミノグリコシド、抗生物質マーカー、例えば、G418が存在する。
他の宿主生物は植物である。遺伝的に修飾された植物の構築における基本的原理は、植物ゲノムの中に遺伝情報を挿入して、挿入された遺伝物質の安定に維持を得ることである。
遺伝情報を挿入する、いくつかの技術が存在し、2つの主な原理は遺伝情報の直接的導入およびベクター系による遺伝情報の導入である。遺伝技術は下記の文献において概観されている:Potrykus,Ann.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.(1991)42:205-225 、およびChristou,Argo-Food-Industry Hi-Tech.March/April 1994,17-27。植物の形質転換についてのそれ以上の教示は、EP-A-0449375号に記載されている。
したがって、本発明は、また、付属の配列表に示されている配列の任意の1つとして示すヌクレオチド配列またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメントで宿主細胞を形質転換する方法を提供する。
PDEヌクレオチドのコード配列で形質転換された宿主細胞を、細胞培養物からコードされたタンパク質の発現および回収に適当な条件下に、培養することができる。組換え細胞により生産されるタンパク質は、使用する配列および/またはベクターに依存して、分泌されるか、あるいは細胞内に含有されることがある。当業者は理解するように、特定の原核細胞または真核細胞の膜を通してPDEコード配列の分泌を向けるシグナル配列を使用して、PDEコード配列を含有する発現ベクターを設計することができる。他の組換え構築物は、可溶性タンパク質の精製を促進するポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列に、PDEコード配列を結合させることができる(Kroll DJ et al.(1993)DNA Cell Biol.12:441-53、また、融合タンパク質を含有するベクターの論考を参照のこと)。
ポリペプチドの製造
本発明によれば、本発明のポリペプチドの製造は、例えば、本発明の1または複数のポリヌクレオチドで形質転換された微生物の発現宿主を慣用の栄養発酵培地中で培養することによって、実施することができる。適当な培地の選択は、発現宿主の選択および/または発現構築物の調節の要件に基づくことができる。このような培地は当業者によく知られている。培地は、所望ならば、他の潜在的に汚染性の微生物よりも形質転換された発現宿主を好む追加の成分を含有することができる。
したがって、本発明は、また、 PDE_XIV 活性を有するポリペプチドを有する方法を提供し、この方法は下記の工程からなる:a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つとして示すヌクレオチド配列またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメントで宿主細胞を形質転換し、そしてb)前記ポリペプチドの発現に適当な条件下に形質転換された宿主細胞を培養する。
本発明は、また、 PDE_XIV 活性を有するポリペプチドを有する方法を提供し、この方法は下記の工程からなる:a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つとして示すヌクレオチド配列またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメントで形質転換された宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現に適当な条件下に培養し、そしてb)前記ポリペプチドを回収する。
本発明は、また、 PDE_XIV 活性を有するポリペプチドを有する方法を提供し、この方法は下記の工程からなる:a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つとして示すヌクレオチド配列またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメントで宿主細胞を形質転換し、b)前記ポリペプチドの発現に適当な条件下に形質転換された宿主細胞を培養し、そしてc)前記ポリペプチドを回収する。
リボザイム
リボザイムは、RNAの特異的培養を触媒することができる酵素のRNA分子である。リボザイムの作用のメカニズムは、相補的ターゲットRNAに対するリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイズ、引き続くエンドヌクレアーゼ分解的切断を包含する。PDE RNA 配列のエンドヌクレアーゼ分解的切断を特異的にかつ効率よく触媒する、操作されたハンマーヘッドのモチーフのリボザイム分子は本発明の範囲内に入る。
下記の配列を含むリボザイム切断部位について標的分子を走査することによって、任意の潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は最初に同定された:GUA、GUUおよびGUC。いったん同定されると、切断部位を含有する標的遺伝子の領域に対応する15〜20リボヌクレオチドの短いRNA配列を、オリゴヌクレオチド配列を操作不能とする二次構造の特徴について評価することができる。リボヌクレアーゼ保護アッセイを使用して、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズのアクセス可能性を試験することによって、候補の標的の適当性をまた評価することができる。
本発明のアンチセンスRNAおよびDNAおよびリボザイムの双方は、RNA分子の合成についてこの分野において知られている任意の方法により製造することができる。これらはオリゴヌクレオチドの化学的合成、例えば、固相ホスホルアミダイト化学的合成の技術を包含する。あるいは、アンチセンスRNA分子をコードするDNA配列のin vitroまたはin vivo 転写により、RNA分子を発生させることができる。このようなDNA配列は、適当なRNAポリメラーゼプロモーター、例えば、T7またはSP6を使用して、種々のベクターの中に組込むことができる。あるいは、アンチセンスRNAを構成的または誘導可能に合成するアンチセンスcDNA構築物を細胞系統、細胞または組織の中に導入することができる。
検出
PDEポリヌクレオチドコード配列の存在は、付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つとして示す配列のプローブ、部分またはフラグメントを使用して、DNA-DNA またはDNA-RNA ハイブリダイズにより検出することができる。核酸の増幅をベースとするアッセイは、PDEコード配列をベースとするオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーを使用して、PDE DNA またはRNAを含有する形質転換体を検出することを包含する。本明細書において使用するとき、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、少なくとも約10かつ約60程度に多いヌクレオチド、好ましくは約15〜30ヌクレオチド、より好ましくは約20〜25ヌクレオチドの核酸配列を意味し、これはプローブまたはアンプリマーとして使用することができる。好ましくは、オリゴヌクレオチドは付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つとして示すヌクレオチド配列の3’領域から誘導される。
PDEポリペプチドの発現を検出および測定する種々のプロトコール、例えば、タンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用するプロトコールはこの分野において知られている。例は酵素結合イムノアッセイ(ELISA )、ラジオイムノアッセイ(RIA)および蛍光活性化細胞選別(FACS)を包含する。PDEポリペプチド上の2つの非妨害性エピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を利用する2部位のモノクローナルをベースとするイムノアッセイは好ましいが、競合結合アッセイを使用することができる。これらおよび他のアッセイは、なかでも、下記の文献に記載されている:Hampton R et al.,1990,Serological Methods,A Laboratoy Manual,APS Press,St Paul MN 、およびMaddox DE et al.,J.Exp.Med.158:1211 。
広範な種類の標識および結合技術はこの分野において知られており、そして種々の核酸およびアミノ酸のアッセイにおいて使用可能である。PDEポリヌクレオチド配列を検出するための標識化ハイブリダイズまたはPCRプローブを製造する手段は、オリゴ標識化、ニック翻訳、末端標識化または標識化ヌクレオチドを使用するPCR増幅を包含する。あるいは、mRNAプローブ製造するためのベクターの中に、PDEコード配列またはその任意の部分をクローニングすることができる。このようなベクターはこの分野において知られており、商業的に入手可能であり、そして適当なRNAポリメラーゼ、例えば、T7、T3またはSP6および標識化ヌクレオチドの付加によりin vitroのRNAプローブの合成に使用することができる。
多数の会社、例えば、ファーマシア・バイオテク(Pharmacia Biotech.)(ニュージャージイ州ピスカタウェイ)、プロメガ(Promega )(ウイスコンシン州マディソン)、およびUSバイオケミカル・コーポレーション(US Biochemical Corp.)(オハイオ州クレブランド)は、これらの手法のための商用キットおよびプロトコールを供給している。適当なリポーター分子および標識は、それらの放射性核種、酵素、蛍光、化学発光、または色素形成因子ならびに基質、コファクター、磁気粒子およびその他を包含する。このような標識の使用を教示する特許は次の通りである:米国特許第 3,817,837号、米国特許第 3,850,752号、米国特許第 3,939,350号、米国特許第 3,996,345号、米国特許第 4,277,437号、米国特許第 4,275,149号および米国特許第 4,366,241号。また、組換え免疫グロブリンを米国特許第 4,816,567号に示されているように製造することができる。
特定の分子の発現を定量する追加の方法は、ヌクレオチドの放射能標識化(Melby PC et al.,1993,J.Immunol.Methods 159:235-44 )またはビオチン化(Duplaa C et al.,Anal.Biochem.229-36 )、対照核酸の共増幅、および実験結果をその上に内挿する標準曲線を包含する。ELISA フォーマットにおけるアッセイの実行により、多数の試料の定量を加速することができ、ここで問題のオリゴマーを種々の希釈で提示し、そして分光光度測定または熱量測定の応答は急速な定量を与える。
マーカー遺伝子の発現の存在/非存在は問題の遺伝子がまた存在すること示唆するが、その存在および発現を確証すべきである。例えば、PDEコード配列がマーカー遺伝子配列内に挿入される場合、PDEコーディング領域を含有する組換え細胞をマーカー遺伝子機能の非存在により同定することができる。あるいは、マーカー遺伝子をシグナルプロモーター制御下にPDEコード配列と直列に配置することができる。誘導または選択に対して応答するマーカー遺伝子の発現は、通常PDEの発現をまた示す。
あるいは、PDEのコード配列を含有しかつPDEコーディング領域を発現する宿主細胞を、この分野において知られている種々の手順により同定することができる。これらの手順は下記のものを包含するが、これらに限定されない:DNA-DNA またはDNA-RNA ハイブリダイズおよびタンパク質のバイオアッセイまたはイムノアッセイ技術、前記技術は核酸またはタンパク質の検出および/または定量のための膜をベースとする、溶液をベースとする、またはチップをベースとする技術を包含する。
抗体
本発明のアミノ酸配列はまた、標準的技術に従い、アミノ酸配列に対する抗体の発生に使用することができる。
PDE_XIV ポリペプチドに対する抗体の製造に、この分野においてよく知られている手法を使用することができる。このような抗体下記のものを包含するが、これらに限定されない:ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、FabフラグメントおよびFab発現ライブラリーにより生産されたフラグメント。中和抗体、すなわち、PDEポリペプチドの生物学的活性を阻害する抗体は診断および療法のために特に好ましい。
抗体を製造するために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウスおよびその他を包含する種々の宿主をインヒビターまたはその任意の部分、変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体、あるいは免疫原性を保持するオリゴペプチドを注射することによって免疫化することができる。宿主種に依存して、種々のアジュバントを使用して免疫学的応答を増加させることができる。このようなアジュバントは下記のものを包含するが、これらに限定されない:フロインドアジュバント、無機質ゲル、例えば、水酸化アルミニウム、および表面活性物質、例えば、リゾレシチン、プロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、およびジニトロフェノール。BCG(Bacille Calmette-Guerin)およびコリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum) は、使用可能な、潜在的に有用なヒトアジュバントである。
培養において連続的細胞系統により抗体分子を産生させる任意の技術により、アミノ酸配列に対するモノクローナル抗体を製造することができる。これらの技術は下記のものを包含するが、これらに限定されない:Koehler およびMilstein(1975 Nature 256:495-497)により最初に記載されたハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor et al.(1983)Immunol.Today 4:72;Cote et al.(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.80:2026-2030)およびEB−ハイブリドーマ技術(Cole et al.(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R Liss Inc., pp.77-96)。
さらに、「キメラ抗体」の製造について開発された技術、マウス抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子にスプライシングして適当な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得る技術を使用することができる(Morrison et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851-6855;Neuberger et al.(1984)Nature 312:604-608;Takeda et al.(1985)Nature 314:452-454 )。あるいは、一本鎖抗体の製造について記載された技術(米国特許第 4,946,779号)をインヒビター特異的一本鎖抗体の製造に適合させることができる。
また、リンパ球集団中のin vivo 産生を誘導するか、あるいは下記の文献に記載されている高度に特異的な結合試薬の組換え免疫グロブリンライブラリーまたはパネルのスクリーニングにより、抗体を製造することができる:Orlandi et al.(1989), Proc.Natl.Acad.Sci.86:3833-3837 、およびWinter G およびMilstein C(1991)Nature 349:293-299。
PDE_XIV に対する特異的結合部位を含有する抗体フラグメントをまた発生させることができる。例えば、このようなフラグメント下記のものを包含するが、これらに限定されない:抗体分子のペプシン消化により製造することができるF(ab')2 およびF(ab')2 フラグメントのジサルファイド架橋の還元により発生させることができるFabフラグメント。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの急速かつ容易な同定を行うことができる(Huse WD et al.(1989)Science 256:1275-1281 )。
別の技術はファージディスプレイライブラリーのスクリーニングを包含し、ここで、例えば、ファージは広範な種類の相補性決定領域(CDRs)を有するコートの表面上にscFvフラグメントを発現する。この技術はこの分野においてよく知られている。
PDE_XIV 特異的抗体は、 PDE_XIV ポリペプチドの発現に関連する症状および疾患の診断に有用である。確立された特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用する、競合結合または免疫放射線測定アッセイの種々のプロトコールはこの分野においてよく知られている。典型的には、このようなイムノアッセイは PDE_XIV ポリペプチドとその特異的抗体(または同様な PDE_XIV 結合性分子)との間の複合体の形成、および複合体形成の測定を包含する。特異的 PDE_XIV タンパク質上の2つの非妨害エピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を利用する2部位モノクローナルをベースとするイムノアッセイは競合結合アッセイを使用することもできる。これらのアッセイはMaddox DE et al.(1983)J.Exp.Med.158:1211に記載されている。
抗 PDE_XIV 抗体は、炎症、造血細胞の増殖およびHIV感染に関連する症状および他の障害または PDE_XIV の異常な発現により特徴づけられる疾患の診断に有用である。 PDE_XIV についての診断アッセイは、抗体および標識を利用して、ヒト体液、細胞、組織またはこのような組織の分泌物または抽出物中の PDE_XIV ポリペプチドを検出する方法を包含する。本発明のポリペプチドおよび抗体は、修飾するか、あるいはしないで、使用することができる。頻繁に、ポリペプチドおよび抗体は、それらを共有結合または非共有結合により、リポーター分子と結合することによって標識化されるであろう。広範な種類のリポーター分子はこの分野において知られている。
抗体は、下記の工程からなる方法により、生物学的試料の中に存在する本発明のポリペプチドを検出する方法において使用することができる:(a)本発明の抗体を準備し、(b)生物学的試料を前記抗体と抗体−抗原複合体の形成を可能とする条件下にインキュベートし、そして(c)前記抗体からなる抗体−抗原複合体が形成されたかどうかを決定する。
環境に依存して、適当な試料は、抽出物、組織、組織、例えば、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉および骨組織またはこのような組織に由来する新形成増殖物を包含する。
本発明の抗体を固体の支持体に結合することができ、および/または適当な試薬、対照、使用説明書およびその他と一緒に適当な容器中のキットの中にパッケージすることができる。
アッセイ/同定の方法
本発明はまた、下記の工程からなる細胞(例えば、ヒト細胞)中の PDE_XIV の存在を検出するアッセイ法に関する:(a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つのDNA配列またはそのアレレ変異型から決定して、 PDE_XIV に対して特異的である、1対のポリメラーゼ連鎖反応のプライマーを使用して、このような細胞からのRNA(例えば、全体のRNA)に対して逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応を実施し、そして(b)例えば、アガロースゲル電気泳動により、適当な大きさなPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)フラグメントの出現をアッセイする。
本発明はまた、 PDE_XIV の活性および/またはその発現に影響を与える(例えば、阻害するか、あるいはそうでなければ修飾する)因子(例えば、化合物、他の物質またはそれらからなる組成物)を同定する方法に関し、この方法は PDE_XIV またはそれをコードするヌクレオチド配列を前記因子と接触させ、次いで PDE_XIV の活性および/またはその発現を測定することからなる。
本発明はまた、 PDE_XIV の活性および/またはその発現に選択的に影響を与える(例えば、阻害するか、あるいはそうでなければ修飾する)因子(例えば、化合物、他の物質またはそれらからなる組成物)を同定する方法に関し、この方法は PDE_XIV またはそれをコードするヌクレオチド配列を前記因子と接触させ、次いで PDE_XIV の活性および/またはその発現を測定することからなる。
本発明はまた、 PDE_XIVA1 または PDE_XIVA2 または PDE_XIVA3 または PDE_XIVA4 の活性および/またはそれらの発現に選択的に影響を与える(例えば、阻害するか、あるいはそうでなければ修飾する)因子(例えば、化合物、他の物質またはそれらからなる組成物)を同定する方法に関し、この方法は関係する PDE_XIV またはそれをコードするヌクレオチド配列を前記因子と接触させ、次いで関係する PDE_XIV の活性および/またはその発現を測定することからなる。
本発明はまた、 PDE_XIV の活性および/またはその発現に影響を与える(例えば、阻害するか、あるいはそうでなければ修飾する)因子(例えば、化合物、他の物質またはそれらからなる組成物)を同定する方法に関し、この方法は、(a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つのDNA配列またはそのアレレ変異型からなる組換えDNAが組込まれた細胞系統、または(b) PDE_XIV を自然に選択的に発現する細胞集団または細胞系統中で、前記因子の存在下に、あるいは前記因子の添加後に、 PDE_XIV の活性および/またはその発現を測定することからなる。好ましくは、前述のアッセイ方法により、 PDE_XIV の活性を測定することからなる。
本発明はまた、 PDE_XIV の活性および/またはその発現に選択的に影響を与える(例えば、阻害するか、あるいはそうでなければ修飾する)因子(例えば、化合物、他の物質またはそれらからなる組成物)を同定する方法に関し、この方法は、(a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つのDNA配列またはそのアレレ変異型からなる組換えDNAが組込まれた細胞系統、または(b) PDE_XIV を自然に選択的に発現する細胞集団または細胞系統中で、前記因子の存在下に、あるいは前記因子の添加後に、 PDE_XIV の活性および/またはその発現を測定することからなる。好ましくは、前述のアッセイ方法により、 PDE_XIV の活性を測定することからなる。
本発明はまた、 PDE_XIVA1 または PDE_XIVA2 または PDE_XIVA3 または PDE_XIVA4 の活性および/またはその発現に選択的に影響を与える(例えば、阻害するか、あるいはそうでなければ修飾する)因子(例えば、化合物、他の物質またはそれらからなる組成物)を同定する方法に関し、この方法は、(a)付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つのそれぞれのDNA配列またはそのアレレ変異型からなる組換えDNAが組込まれた細胞系統、または(b)それぞれの PDE_XIV を自然に選択的に発現する細胞集団または細胞系統中で、前記因子の存在下に、あるいは前記因子の添加後に、それぞれの PDE_XIV の活性および/またはその発現を測定することからなる。好ましくは、前述のアッセイ方法により、 PDE_XIV の活性を測定することからなる。
本発明はまた、 PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)の活性またはそれをコードするヌクレオチド配列(その誘導体、相同体、変異型またはフラグメントを包含する)の発現のモジュレーション(好ましくは特異的モジュレーション)について因子をスクリーニングする方法を提供し、この方法は下記の工程からなる:a)候補の因子を準備し、b) PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)を前記候補の因子と、適当な条件下にモジュレーションを可能とするために十分な時間の間、組合わせ、そしてc) PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)に対する前記候補の因子のモジュレーションを検出して、前記候補の因子が PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)の活性またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)の発現をモジュレートするかどうかを確認する。
本発明はまた、 PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(その誘導体、相同体、変異型またはフラグメントを包含する)との特異的結合のアフィニティーについて因子をスクリーニングする方法を提供し、この方法は下記の工程からなる:a)候補の因子を準備し、b) PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)を前記候補の因子と、適当な条件下に結合を可能とするために十分な時間の間、組合わせ、そしてc) PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)に対する前記候補の因子の結合を検出して、前記候補の因子が PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)に結合するかどうかを確認する。
本発明はまた、 PDE_XIV をモジュレートすることができる因子を同定する方法を提供し、この方法は下記の工程からなる:a)前記因子を PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)と接触させ、b)工程a)の混合物を環状ヌクレオチドと環状ヌクレオチドの加水分解に適当な条件下にインキュベートし、c)環状ヌクレオチドの加水分解の量を測定し、そしてb)工程c)の環状ヌクレオチドの加水分解の量を、前記化合物を使用しないでインキュベートした PDE_XIV (またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)またはそれをコードするヌクレオチド配列(またはその誘導体、相同体、変異型またはフラグメント)を使用して得られた環状ヌクレオチドの加水分解の量と比較し、これにより前記因子が環状ヌクレオチドの加水分解に影響を与える(例えば、刺激または阻害する)かどうかを決定する。
したがって、本発明のある態様において、 PDE_XIV またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体および/または PDE_XIV またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体を発現する細胞系統を使用して、ホスホジエステラーゼ活性のモジュレーターとして作用する、抗体、ペプチド、または他の因子、例えば、有機または無機の分子について、またはそれらの発現についてスクリーニングし、これにより環状ヌクレオチドのレベルをモジュレートすることができる治療剤を同定することができる。例えば、 PDE_XIV の活性を中和することができる抗 PDE_XIV 抗体を使用して、環状ヌクレオチドの PDE_XIV の加水分解を阻害し、これにより環状ヌクレオチドのレベルを増加することができる。
あるいは、組換え的に発現された PDE_XIV またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体または PDE_XIV またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体を発現する細胞系統との組合わせ化学により作られたペプチドまたは有機ライブラリーのスクリーニングは、環状ヌクレオチドの PDE_XIV の加水分解をモジュレートすることによって機能する治療剤の同定に有用であろう。合成化合物、天然の産物、および潜在的に生物学的に活性な物質の他の源を、当業者にとって日常的であると思われる多数の方法でスクリーニングすることができる。
例えば、 PDE_XIV のN末端をコードするヌクレオチド配列を細胞系統中で発現させ、この細胞系統は PDE_XIV 活性のアロステリックモジュレーター、アゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニングに使用することができる。あるいは、 PDE_XIV の保存された触媒ドメインをコードするヌクレオチド配列を細胞系統において発現させ、そして環状ヌクレオチドの加水分解のインヒビターについてスクリーニングするために使用することができる。
PDE_XIV 活性または環状ヌクレオチドの加水分解を妨害する被験因子の能力は、 PDE_XIV のレベルまたは環状ヌクレオチドのレベルを測定することによって決定することができる(Smith et al.,1993,Appl.Biochem.Biotechnol.41:189-218、に開示されているように)。また、商業的に入手可能なcAMPおよびcGMPを測定するイムノアッセイキットが存在する(例えば、Amersham International、イリノイ州アーリントンハイツ、およびDuPont、マサチュセッツ州ボストン)。 PDE_XIV の活性は、また、他の応答、例えば、これらの目的に開発された慣用技術を使用する他のタンパク質のリン酸化または脱リン酸化を測定することによってモニターすることができる。
したがって、本発明は、下記の工程からなる、 PDE_XIV 、またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体の環状ヌクレオチドのホスホジエステラーゼ活性をモジュレートすることができる化合物を同定する方法を提供する:a)前記化合物を PDE_XIV 、またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体と接触させ、b)工程a)の混合物を環状ヌクレオチドと環状ヌクレオチドの加水分解に適当な条件下にインキュベートし、c)環状ヌクレオチドの加水分解の量を測定し、そしてd)工程c)の量を前記化合物を使用しないでインキュベートした、 PDE_XIV 、またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体を使用して得られた環状ヌクレオチドの加水分解の量と比較し、これにより前記化合物が環状ヌクレオチドの加水分解を刺激または阻害するかどうかを決定する。
この方法の1つの態様において、フラグメントは PDE_XIV のN末端領域からのものであることができ、そして PDE_XIV のアロステリックモジュレーターを同定する方法を提供する。本発明の他の態様において、 PDE_XIV のカルボキシ末端領域からのものであることができ、そして環状ヌクレオチドの加水分解のインヒビターを同定する方法を提供する。
種々の薬剤スクリーニング技術の任意の技術において治療化合物をスクリーニングするために、 PDE_XIV ポリペプチド、その免疫原性フラグメントまたはオリゴペプチドを使用することができる。このような試験において使用されるポリペプチドは溶液中で遊離であり、固体の支持体に添付され、細胞表面の担持されるか、あるいは細胞内に位置することができる。 PDE_XIV ポリペプチドと試験される因子との間の結合性複合体の活性または形成の壊滅を測定することができる。
したがって、本発明は、 PDE_XIV またはその発現、またはその一部分、またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体のモジュレーション(好ましくは特異的モジュレーション、例えば、特異的結合のアフィニティー)について1つまたは複数の化合物をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、つまたは複数の化合物を準備し、 PDE_XIV またはそれまたはその一部分をコードするヌクレオチド配列またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体を複数の化合物の各々と、適当な条件下にモジュレーションを可能とするために十分な時間の間、組合わせ、そして複数の化合物の各々に対する PDE_XIV 、またはその一部分、またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体を結合を検出し、これにより PDE_XIV またはそれをコードするヌクレオチド配列をモジュレートする1または複数の化合物を同定することからなる。このようなアッセイにおいて、複数の化合物はこの分野において知られている化学技術の組合わせにより製造することができる。
薬剤をスクリーニングする他の技術は、 PDE_XIV ポリペプチドに対する適当な結合アフィニティーを有する化合物の高い処理量のスクリーニングを提供し、そしてGeysen、欧州特許出願84/03564号、1984年9月13日発行、に詳細に記載されている方法に基づく。要約すると、多数の異なる小さいペプチドの被検化合物を、固体の支持体、例えば、プラスチックピンまたはある種の他の表面上で合成する。ペプチドの被検化合物を PDE_XIV フラグメントと反応させ、洗浄する。次いで結合した PDE_XIV を、例えば、この分野においてよく知られている方法を適当な採用することによって、検出する。精製された PDE_XIV を、また、プレート上に直接的にコーティングして、前述の薬剤スクリーニング技術において使用する。あるいは、非中和性抗体を使用して、ペプチドを捕捉し、それを固体の支持体上に固定化することができる。
本発明はまた、競争的薬剤スクリーニングアッセイを提供し、この方法においては、 PDE_XIV を結合することができる中和抗体が、 PDE_XIV との結合について被験化合物と競争する。この方法において、抗体を使用して1または複数の抗原決定基を PDE_XIV と共有するペプチドの存在を検出することができる。
本発明のアッセイ法は高い処理量のスクリーン(HTS)であることができる。これに関して、 WO84/0356号の技術を本発明のPDEに採用することができる。
米国特許第 5,738,985号の教示を本発明のアッセイ法に採用することができる。
本発明は、また、本発明のアッセイ法および同定法により同定された1または複数の因子を提供する。
本発明の因子は、例えば、有機化合物または無機化合物であることができる。因子は、例えば、付属の配列のリストに示されている配列のすべてまたは一部分に対してアンチセンスであるヌクレオチド配列であることができる。
本発明は、さらに、薬剤として使用するための、本発明の因子(またはその生理学上許容される塩、または薬学上許容される溶媒和物)または前述の任意のものを含有する医薬組成物を提供する。
本発明は、また、被殻、脳の尾状核、脳の後頭葉、心臓、卵巣、下垂体、腎臓、肝臓、小腸、胸腺、骨格筋、白血球領域、背根神経節、子宮、蝸牛、小腸(十二指腸)、星状細胞腫、および虫垂の任意の1または複数における PDE_XIV 活性に影響を与える(例えば、阻害、変調または作用する)因子の使用を提供する。
診断
本発明はまた、 PDE_XIV ヌクレオチド配列を検出する診断組成物を提供する。診断組成物は、付属の配列表に示されている配列の任意の1つまたはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体、あるいは付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つのすべてまたは一部分にハイブリダイズすることができる配列またはそのアレレ変異型を含んでなることができる。
疾患の診断の基準を提供するするために、 PDE_XIV ポリペプチドの発現からの正常または標準の値を確立すべきである。これは、動物またはヒトの正常の被検体から採った体液または細胞抽出物を PDE_XIV に対して抗体と、この分野においてよく知られている複合体形成の条件下に、組合わせることによって達成される。標準の複合体の形成量を、既知の量の抗体を既知の濃度の精製された PDE_XIV ポリペプチドと組合わせた陽性の対照の希釈系列と比較することによって、標準の複合体の形成量を定量することができる。次いで、正常の試料から得られた標準値を、 PDE_XIV ポリペプチドの発現に関係する障害または疾患により潜在的に影響を受けた被検体からの試料から得られた値と比較することができる。標準値と被検体の値との間の偏りは、疾患の状態を確立する。
PDE_XIV ポリヌクレオチド、またはその任意の部分は、診断化合物および/または治療化合物のための基準を提供することができる。診断の目的で、 PDE_XIV ポリヌクレオチド配列を使用して、 PDE_XIV 活性が関係づけられる症状、障害または疾患における遺伝子の発現を検出しかつ定量することができる。
PDE_XIV をコードするポリヌクレオチド配列を PDE_XIV の発現から生ずる疾患の診断に使用することができる。例えば、 PDE_XIV をコードするポリヌクレオチド配列をバイオプシーまたは剖検または生物学的流体、例えば、血清、滑液または腫瘍のバイオプシーからの組織のハイブリダイズまたはPCRアッセイにおいて使用して、 PDE_XIV の発現の異常を検出することができる。このような定性的または定量的方法は、サザンまたはノザン分析、ドットブロットまたは他の膜に基づく技術;PCR技術;ディップスティック、ピンまたはチップ技術;およびELISAまたは他の多数の試料の形式的技術を包含する。これらの技術のすべてはこの分野においてよく知られており、そして事実多数の商業的に入手可能な診断キットの基礎である。
このようなアッセイは特定の療法的処置の養生法の効能のために調製し、そして動物の研究、臨床的試験、または個々の患者の治療のモニターにおいて使用することができる。疾患の診断の基礎を提供するために、PDE発現の正常または標準のプロフィルを確立すべきである。これは動物またはヒトの正常の被検体から採った体液または細胞抽出物を PDE_XIV またはその一部分と、ハイブリダイズまたは増幅に適当な条件下に、組合わせることによって達成される。標準的ハイブリダイズは、正常の被検体から得られた値を、既知量の精製された PDE_XIV を使用する同一実験においてなされた陽性の対照の希釈系列と比較することによって、定量することができる。
正常の試料から得られた標準値を、PDEコード配列の発現に関係する障害または疾患により潜在的に影響を受けた被検体からの試料から得られた値と比較することができる。標準値と被検体の値との間の偏りは疾患の状態を確立する。疾患が確立された場合、現存する治療剤を投与し、そして治療のプロフィルまたは値を発生させることができる。最後に、アッセイを規則的な基準で反復して、値が正常または標準のパターンに向かうまたは戻る進行であるかどうかを評価することができる。連続的治療のプロフィルを使用して、数日または数カ月の期間にわたる治療の効能を示すことができる。
したがって、本発明は、例えば、診断的を使用して疾患の状態における PDE_XIV のレベルを検出または定量することができる抗 PDE_XIV 抗体を生産するための、 PDE_XIV ポリペプチド、またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体の使用に関する。
さらに、本発明は、陽性の対照として使用することができる、精製された PDE_XIV と、抗 PDE_XIV 抗体とからなる、細胞および組織中の PDE_XIV を検出する診断アッセイおよびキットを提供する。このような抗体は溶液をベースとする、膜をベースとする、または組織をベースとする技術においてを使用して、 PDE_XIV タンパク質の発現または欠失またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体の発現に関係する疾患の状態または症状を検出することができる。
プローブ
本発明の他の面は、PDEコーディング領域をコードする、ゲノムの配列を包含する、ポリヌクレオチド配列または密接に関係する分子、例えば、アレレを検出することができる、核酸のハイブリダイズまたはPCRプローブを提供することである。プローブの特異性、例えば、プローブが高度に保存された、保存されたまたは非保存の領域またはドメインから誘導されたかどうか、およびハイブリダイズまたは増幅のストリンジェンシイ(高い、中間または低い)は、プローブが天然に存在するPDEコード配列のみ、または関係する配列を同定するかどうかを決定するであろう。
関係する核酸配列を検出するプローブは、環状ヌクレオチドのPDEファミリーのメンバーの保存されたまたは高度に保存されたヌクレオチド領域、例えば、3’領域から選択され、そしてこのようなプローブはデジェネレイトプローブのプールにおいて使用することができる。同一の核酸配列を検出するために、または最大の特異性を望む場合、核酸プローブをPDEポリヌクレオチドの非保存ヌクレオチド領域またはユニーク領域から選択する。本明細書において使用するとき、用語「非保存ヌクレオチド領域」は、本明細書において開示するPDEコード配列に対してユニークでありかつ関係するファミリーのメンバー、例えば、既知の環状ヌクレオチドのPDEsの中に存在しない、ヌクレオチド領域を意味する。
米国特許第 4,683,195号、米国特許第 4,800,195号および米国特許第 4,965,188号に記載されているようなPCRは、 PDE_XIV 配列をベースとするオリゴヌクレオチドについての追加の使用を提供する。このようなオリゴマーは一般に化学的に合成されるが、酵素的に発生させるか、あるいは組換え源から製造することができる。オリゴマーは一般に2つのヌクレオチド配列からなり、1つはセンスの向き(5’→3’)をもち、そして1つはアンチセンスの向き(3’←5’)をもち、特異的遺伝子または症状の同定のために最適化された条件下に使用される。同一の2つのオリゴマーは、オリゴマーのネスチングされた組、またはさらにオリゴマーのデジェネレイトプールを密接に関係するDNAまたはRNA配列の検出および/または定量のために低いストリンジェント条件下に使用することができる。
内因的ゲノム配列のマッピングのために、前に記載したハイブリダイズプローブを発生させるために、 PDE_XIV の核酸配列を使用することもできる。よく知られている技術を使用して、配列を特定の染色体に、または染色体の特異的領域にマッピングすることができる。これらは染色体の拡大に対するin situ ハイブリダイズ(Verma et al.(1988)Human Chromsomes:A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York City) 、流れ選別染色体調製物、または人工的染色体構築物、例えば、YACs、細菌の人工的染色体(BACs)、細菌のPI構築物または単一の染色体cDNAライブラリーを包含する。
染色体調製物のin situ ハイブリダイズおよび物理的マッピング技術、例えば、確立された染色体マーカーを使用する連鎖分析は遺伝地図の拡張において非常に価値がある。遺伝地図の例はScience(1995;270:410f および1994;265:1981f)の中に見出される。しばしば、特定のヒト染色体の数またはアームが未知である場合であってさえ、他の哺乳動物種の染色体上の遺伝子の配置は関連するマーカーを明らかにすることがある。新しい配列は、物理的マッピングにより、染色体のアームまたは一部分に帰属させることができる。
これは、位置のクローニングまたは他の遺伝子の発見技術を使用して疾患の遺伝子を検索する研究者らに、価値がある情報を提供する。いったん疾患または症候群、例えば、毛細血管拡張性運動失調(AT)は、特定のゲノム領域に対する遺伝的連鎖、例えば、ATの1lq22-23への連鎖によりありのままに局在化され(Gatti et al.(1988)Nature 336:577-580)、その領域に対する配列のマッピングはそれ以上の研究のためにアソシエートした遺伝子または調節遺伝子を表すことがある。また、本発明のヌクレオチド配列を使用して、正常の、キャリヤーまたは影響を受けた個体の間の転位、逆位、およびその他における差を検出することができる。
薬品
本発明は、また、 PDE_XIV 活性のために治療を必要とする個体を治療する医薬組成物を提供し、この組成物は治療的に有効量の前記活性に影響を与える(例えば、それを阻害する)因子と、薬学上許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントとを含んでなる。
したがって、本発明は、また、本発明の因子(本発明の寝汗の発現パターンまたはその発現産物の活性および/または本発明によるアッセイにより同定された因子の活性をモジュレートすることができる因子)を含んでなる医薬組成物を包含する。これに関して、そしてヒトの療法において、本発明の因子を単独で投与することができるが、因子は一般に意図する投与の経路および標準的薬学上の実施に関して選択された薬学上の担体、賦形剤または希釈剤と混合されて投与されるであろう。
1例として、本発明の医薬組成物において、本発明の因子を1種または2種以上の任意の適当な結合剤、滑剤、懸濁剤、被覆剤、または可溶化剤と混合することができる。
一般に、本発明の因子の療法的に有効な毎日の経口的または静脈内の投与量は0.01〜50mg/治療すべき被検体の体重kg、好ましくは0.1〜20mg/kgであろう。本発明の因子は、また、静脈内注入により投与することができ、その投与量は0.001 〜10mg/kg/時である。
因子の錠剤またはカプセル剤を、適当に、単一でまたは一度に2回またはそれ以上の回数で投与することができる。また、本発明の因子を持続放出性処方物の形態で投与することができる。
したがって、本発明は、また、 PDE_XIV 活性のために治療を必要とする個体に有効量の本発明の医薬組成物を投与することからなる、前記個体を治療する方法を提供する。
典型的には、医師は個々の患者に最も適当である実際の投与量を決定し、そして投与量は特定の患者の年齢、体重および応答とともに変化するであろう。前述の投与量は平均の症例の典型である。もちろん、より高いまたはより低い投与量の範囲が有益である個々の場合が存在することがあり、そしてこのような場合は本発明の範囲内に入る。
適当ならば、医薬組成物は吸入により、坐剤またはペッサリーの形態で、典型的にはローション、溶液、クリーム、軟膏またはダスチング粉剤の形態で、皮膚パッチの使用により、賦形剤、例えば、澱粉またはラクトースを含有する錠剤の形態で経口的に、あるいは単独でまたは賦形剤と混合したカプセル剤または小卵の形態で、あるいは香味剤または着色剤を含有するエリキシル剤、溶液または懸濁液の形態で投与することができるか、あるいは医薬組成物は非経口的に、例えば、空洞内、静脈内、筋肉内または皮下に注射することができる。非経口的投与のために、組成物は無菌の水溶液の形態で最良に使用することができ、前記水溶液は他の物質、例えば、溶液を血液と等張するために十分な塩類または単糖類を含有することができる。頬または舌下の投与のために、組成物は慣用法で処方することができる錠剤またはロゼンジの形態で投与することができる。
ある適用のために、好ましくは組成物は経口的に賦形剤、例えば、澱粉またはラクトースを含有する錠剤の形態で、あるいは単独でまたは賦形剤と混合したカプセル剤または小卵の形態で、あるいは香味剤または着色剤を含有するエリキシル剤、溶液または懸濁液の形態で投与することができる。
非経口投与のために、組成物は無菌の水溶液の形態で最良に使用することができ、前記水溶液は他の物質、例えば、溶液を血液と等張するために十分な塩類または単糖類を含有することができる。
頬または舌下の投与のために、組成物は慣用法で処方することができる錠剤またはロゼンジの形態で投与することができる。
被検体(例えば、患者)に経口的、非経口的、頬および舌下に投与するために、本発明の因子の毎日の投与レベルは典型的には10〜500mg(単一または分割した投与量)であることができる。したがって、1例として、錠剤またはカプセル剤は、適当に、単一でまたは一度に2回またはそれ以上の回数で投与するために5〜100mgの活性因子を含有することができる。上に示したように、医師は個々の患者に最も適当である実際の投与量を決定し、そして投与量は特定の患者の年齢、体重および応答とともに変化するであろう。前述の投与量は平均の症例の典型であるが、もちろん、より高いまたはより低い投与量の範囲が有益である個々の場合が存在することがあり、そしてこのような場合は本発明の範囲内に入ることに注意すべきである。
ある適用において、一般に、ヒトにおいて、本発明の因子の経口投与は好ましい経路であり、最も好都合であり、そして、ある場合において、他の投与の経路に関連する欠点、例えば、空洞内(i.c.)投与に関連する欠点を回避することができる。受容体が嚥下の障害または経口投与後の薬剤の吸収の障害を患う場合において、薬剤は非経口的に、例えば、舌下または頬に投与することができる。
獣医学的使用のために、本発明の因子は典型的には通常の獣医学的実施に従い適当に許容される処方物として投与され、そして獣医外科医は特定の動物に対して最も適当な投与の養生法および投与経路を決定するであろう。しかしながら、ヒトの治療におけるように、獣医学的治療のために因子を単独で投与することができる。
典型的には、医薬組成物−これはヒトまたは動物の用途であることができる−は、任意の1または複数の薬学上許容される希釈剤、担体、賦形剤またはアジュバントを含むであろう。薬学上の担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図する投与経路および標準的薬学上の実施に関する選択することができる。上に示したように、医薬組成物は、担体、賦形剤または希釈剤として、あるいはそれらに加えて、任意の適当な1または2以上の結合剤、滑剤、懸濁剤、被覆剤、可溶化剤を含むことができる。
本発明のある態様において、医薬組成物は下記の1または2以上の成分を含んでなるであろう:本発明のアッセイによりスクリーニングされた因子;付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つまたはその誘導体、フラグメント、相同体または変異型、あるいは付属の配列のリストに示されている配列の任意の1つにハイブリダイズすることができる配列と相互作用することができる因子。
PDE_XIV mRNAを脱安定化するか、あるいは PDE_XIV の翻訳を阻害する機能をする、オリゴヌクレオチド配列、アンチセンスRNAおよびDNA分子およびリボザイムは本発明の範囲内に含まれる。このようなヌクレオチド配列は、環状ヌクレオチドのレベルを増加させることが好ましい症状、例えば、炎症において使用することができる。
PDE_XIV アンチセンス分子は、例えば、 PDE_XIV 活性の増加に関する、種々の異常な症状の治療の基礎を提供することができる。
PDE_XIV 核酸のアンチセンス分子は、環状ヌクレオチドのレベルを増加させることが好ましい症状において PDE_XIV の活性をブロックするために使用できる。
レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスまたはワクシニアウイルスから、あるいは種々の細菌のプラスミドに由来する発現ベクターは、組換え PDE_XIV センスまたはアンチセンス分子をターゲッテッド細胞集団に送出すために使用できる。当業者によく知られている方法を使用して、 PDE_XIV を含有する組換えベクターを構築することができる。あるいは、組換え PDE_XIV をリポソーム中のターゲット細胞に送出することができる。
全長のcDNA配列および/またはその調節因子は、遺伝子機能のセンスの研究(Youssoufian H およびHF Lodish 1993P,Mol.Cell.Biol.13:98-104 )またはアンチセンスの研究(Eguchi et al.(1991)Ann.Rev.Biochem.60:631-652 )における道具として PDE_XIV が研究者らが使用できるようにする。ゲノムDNAから得られたcDNAまたは制御配列から設計されたオリゴヌクレオチドを、in vitroまたはin vivo において使用して発現を阻害することができる。このような技術は現在この分野においてよく知られており、そしてセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはより大きいフラグメントをコーディングまたは制御領域に沿った種々の位置から設計することができる。適当なオリゴヌクレオチドは、20ヌクレオチドの長さであることができ、 PDE_XIV 配列または密接に関係する分子をヒトライブラリーから単離するために使用することができる。
さらに、ホスホジエステラーゼ活性をブロックするために好ましい条件において、高いレベルの PDE_XIV フラグメントを発現する発現ベクターで細胞または組織をトランスフェクトすることによって、 PDE_XIV の発現をモジュレートし、これにより環状ヌクレオチドのレベルを増加させることができる。このような構築物は、非翻訳可能なセンスまたはアンチセンス配列で細胞を氾濫させることができる。DNAの中への組込みの非存在においてさえ、ベクターのすべてのコピーが内因的ヌクレアーゼにより不能とされるまで、このようなベクターはRNA分子を転写し続けることができる。このような一時的発現は非複製ベクターとともに1月またはそれ以上持続し、適当な複製因子がベクター系の一部分である場合、さらに長く持続することができる。
PDE遺伝子の制御領域、例えば、プロモーター、エンハンサー、およびイントロンに対してアンチセンス配列を設計することによって、遺伝子の発現を修飾することができる。
転写開始部位、例えば、リーダー配列の−10〜+10から誘導されたオリゴヌクレオチドは好ましい。転写物がリボソームへ結合するのを妨害することによって、mRNAの翻訳をブロックするように、アンチセンスRNAおよびDNA分子を設計することもできる。同様に、ホウジブーム(Hogeboom)塩基対の方法(また、「三重らせん」塩基対として知られている)を使用して、阻害を達成することができる。三重らせんの対合は二重らせんの能力を弱体化して、ポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の結合のために十分に開かせる。
したがって、本発明は、本発明の因子(またはその薬学上許容される塩、または薬学上許容される溶媒和物)と、生理学上許容される希釈剤、賦形剤または担体とを含んでなる医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、獣医学的(すなわち、動物)にまたはヒトに使用することができる。
したがって、本発明は、また、有効量の PDE_XIV タンパク質(アンチセンスの核酸配列を包含する)のインヒビターまたはアンタゴニストと、薬学上許容される希釈剤、担体、賦形剤またはアジュバント(それらの組合わせを包含する)とを含んでなる医薬組成物に関する。
本発明は、 PDE_XIV ポリヌクレオチド配列のすべてまたは一部分、 PDE_XIV アンチセンス分子、 PDE_XIV ポリペプチド、タンパク質、ペプチドまたは PDE_XIV 生物活性の有機モジュレーター、例えば、インヒビター、アンタゴニスト(抗体を包含する)またはアゴニストを単独で、あるいは少なくとも1種の他の因子、例えば、安定化化合物と組み合わせてを含んでなることができ、そして生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、および水を包含するが、これらに限定されない、任意の無菌の、生体適合性の薬学上の担体と組み合わせて投与できる医薬組成物に関する。
一般的方法の参考文献
一般に本明細書において説明した技術はこの分野においてよく知られており、特に下記の文献において言及されている:Sambrook et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)およびAusubel et al., Short Protocols in Molecular Biolgy(1999) 第4版、John Wiley & Sons,Inc. 。PCRは米国特許第 4,683,195号、米国特許第 4,800,195号および米国特許第 4,965,188号に記載されている。
寄託
下記の試料は、ブダベスト条約の規定に従い、承認された寄託機関(The National Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited(NCIMB),23 St.Machar Drive,Aberdeen,Scotland,United Kingdam,AB2 1RY)に1998年12月18日に受託された:
大腸菌(E.coli)pHS-PDE_XIVNCIMB No.NCIMB 40995
大腸菌(E.coli)pMM-PDE_XIV NCIMB No.NCIMB40996
下記の試料は、ブダベスト条約の規定に従い、承認された寄託機関(The National Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited(NCIMB),23 St.Machar Drive,Aberdeen,Scotland,United Kingdam,AB2 1RY)に1999年9月9日に受託された:
NCIMB No.NCIMB 41027は、大腸菌(E.coli)pHS-PDE_XIVhm である。
本発明は、また、それらの受託物およびそれらからなる態様から誘導可能なおよび/または発現可能なな配列を包含する。本発明は、また、部分的配列が活性酵素部位をコードする、それらの受託物およびそれらからなる態様から誘導可能なおよび/または発現可能なな部分的配列を包含する。本発明は、また、それらの受託物およびそれらからなる態様から誘導可能なおよび/または発現可能なな配列からなるタンパク質を包含する。本発明は、また、部分的配列が活性酵素部位をコードする、それらの受託物およびそれらからなる態様から誘導可能なおよび/または発現可能なな部分的配列からなるタンパク質を包含する。
本発明は、また、それらの受託物およびそれらからなる態様から誘導可能なおよび/または発現可能なな配列を包含する。
実施例の節および図面に対して序論
1例として、添付図面を参照して、本発明を説明する。
第1図は、写真の影像を表し、
第2図は、写真の影像を表し、
第3図は、表1および写真の影像を表し、
第4図は、ヌクレオチド配列の整列を表し(ここでヒト配列はトランケート配列である)、
第5図は、タンパク質配列の整列を表し(ここでヒト配列はトランケート配列である)、そして
第6図は、グラフを表す。
ノザンハイブリダイズおよびプローブの調製
クロンテク(Clontech)から入手したノザンブロットをExpressHybハイブリダイズ溶液(Clontech)中の55℃において1時間プレハイブリダイズした後、放射能標識化 PDE_XIV フラグメント(厳格に製造業者の指示に従い50μCiの32P−dATPでメガプライム(Megaprime )ランダム標識化系(Amersham)を使用して、DNAを標識化した)を新鮮なExpresshybに添加し、おだやかに震盪しながら55℃においてブロットに一夜ハイブリダイズさせた。次いでブロットを室温において各10分間2×SSC(150mMのNaCl、30mMのクエン酸ナトリウム)中で3回洗浄し、次いで55℃において各20分間0.2×SSC(15mMのNaCl、3mMのクエン酸ナトリウム)中で2回洗浄した。次いでブロットをオートラジオグラフィーのフィルムに対して露出した。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
標準的試薬および条件を使用して、PCRを実施した。簡単に述べると、すべての反応の緩衝液および酵素はキットのフォーマットでクロンテク(Clontech)(cDNA末端の(RACE)反応の急速増幅のために)から、あるいは標準的PCRのためにライフ・テクノロジーズ(Life technologies )から入手した。オリゴヌクレオチドは商業的供給会社(OSWEL DNA サービス)から入手し、400nMの濃度で使用した。使用するキットの製造業者により推奨されるサイクリングパラメーターを使用して、反応をMJリサーチPTC-200 サーマルサイクラー上で実施した。
PDE_XIV の同定
クローン(IMAGE クローン id 1364394 )をリサーチ・ジェネティクス(Research Genetics)(2130,Memorial Pkwy,SW Huntsville,AL 358801,USA )からL−寒天中のスタブ培養物として入手した。スタブ培養物からの細菌を37mmのL−寒天プレート上に100mg/mlの濃度のアンピシリンの存在においてストリーキングした。
37℃において一夜増殖させた後、無菌の技術を使用して単一のクローンを取り上げて、100mg/mlの濃度のアンピシリンを含有するLB−ブロスの中に入れ、37℃において一夜震盪(220rpm)しながら増殖させた。厳格に製造業者の指示に従い標準的な商業的に入手可能なミニプレプキット(QiagenTM)を使用して、プラスミドDNAを細菌から単離した。次いで、標準的な登録のキットおよび試薬およびABI (PE Applied Biosystems Incoporated)自動配列決定装置を使用して、単離されたDNAを全長の配列決定に付した。
PDE_XIV をコードする推定上の全長のcDNAクローンの単離
完全なコード領域およびターミネーター環状ヌクレオチドを含有する PDE_XIV のための全長のcDNA の単離を促進するために、 PDE_XIV の発現を組織のある領域においてノザンハイブリダイズを使用して測定した。これらのデータ(第1図および第2図)が示すように、 PDE_XIV に対してハイブリダイズするメッセンジャーRNA(長さ5.5kb)はいくつかの組織の中に存在するが、それはネズミ脳、骨格筋および肝臓においてかつ下記の胚発生段階において特に高度に発現される:10.5、13.5、15.5日。
13.5日のネズミ胚cDNAライブラリーをcDNA陽性選択法 (Gene Trappe,Life Technologies,Inc.) において使用して PDE_XIV を単離した。この方法を製造業者の使用説明書のように実施した。クローン1364394 のもとのEST配列は逆向きであったので、選択オリゴヌクレオチドの設計は5’→3’に走るコーディング鎖と同一であることが必要であり、この工程はクローニング戦略を成功に導くために重大であった。選択および修復のために使用したオリゴヌクレオチドを下に詳述する。
オリゴ1:
選択1 5'-GGT CAC AGA ACT GCC ACT ATG GTT AAA TGT-3'
ネズミ PDE_XIV のヒト相同体を単離するために、PCRプライマーを既知のEST1364394配列をベースとして設計し(プライマー1およびプライマー2)そしてcDNAライブラリーのパネルをスクリーニングするために使用した。これらのプライマーを使用して実施したPCR(標準的サイクリングのパラメーターを使用し、製造業者の指示に従いPCR試薬系キット(Life Technologies )から入手した試薬を使用して、PCRを設定した)は、ヒトHELA細胞系統cDNAライブラリー(Life Technologies,Inc.)から入手した、期待された大きさ164bpのフラグメントを発生させ、同一選択/修復オリゴヌクレオチド(オリゴ1)を使用して、ヒトクローンを単離した。
プライマー1:
新しいPDE1 5'-ACC GCT CAG AGA TTT CAC AGC A-3'
プライマー2:
新しいPDE2 5'-CCC GTC TGA CCC CTT AGT CGT A-3'
前述のプライマーおよび下記の方法を使用するコロニーPCRによる引き続くスクリーニングのために、クローンを選択した。
無菌のつまようじを使用して、単一のコロニーを取り上げ、25μlの1*PCRスーパーミックス(Life Technologies,Inc.)および200nMのプライマーを含有する管に添加した。この管を1秒間渦形成し、14,000×gで2秒間遠心した。次いで、管を前もって加温したサーマルサイクラー(MJ Research PTC-200 サーマルサイクラー)の中に94℃において入れた。下記のプログラムを使用して、PCRを実施した:1サイクル;94℃、1分、次いで30サイクル:94℃、30秒、55℃、30秒、72℃、1分。次いでPCR生成物を標準的方法に従いゲル電気泳動により分析した。
単離されたネズミクローンの分析により、446残基のORFを含有する2823bpの隣接配列を組立てることができた。ネズミ PDE_XIV の全長のcDNA配列は配列番号:7として表され、このcDNA内の最大のオープンリーディングフレームの翻訳は配列番号:1として表される。コーディング領域は配列番号:3として表される。
単離されたヒトクローンの分析により、288残基のORFを含有する2992bpの隣接配列を組立てることができた。ヒト PDE_XIV の全長のcDNA配列は配列番号:8として表され、このcDNA内の最大のオープンリーディングフレームの翻訳は配列番号:3として表される。コーディング領域は配列番号:4として表される。このクローンを使用して、標準的ノザンブロット法に従いマスターRNAブロット(Clontech)をスクリーニングして、このcDNAについての組織の分布を同定した。
結果(第3図参照)が示すように、転写物は被殻および脳の尾状核、ならびに脳の後頭葉、心臓、卵巣、下垂体、腎臓、肝臓、小腸、胸腺、および虫垂骨において高度に発現される。
今日までに配列決定されたすべての哺乳動物のホスホジエステラーゼと同様に、 PDE_XIV は、触媒活性について必須であると考えられるタンパク質のカルボキシル末端の半分の中に、ほぼ250アミノ酸の保存された触媒ドメインの配列を含有する。このセグメントは配列番号:1中のアミノ酸108−413からなり、そして他のPDEの対応する領域をもつ配列の保存を示す。ヌクレオチドの整列(第4図参照)およびタンパク質の整列(第5図参照)から明らかように、位置1102bpにおける未成熟の停止コドンのために、ヒト PDE_XIV クローンは3’末端においてトランケートされている。
PDE_XIV をコードする推定上の全長のヒトcDNAの単離
ヒト胎児脳cDNAライブラリーをライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Life Technologies,Inc.) (LTI) から購入した。100mlのルリア・ブロス(Luria Broth )(10gのトリプシン、5gの酵母エキス、5gのNaCl/リットル)+100μg/mlのアンピシリンに、2.5×109 c.f.u.の各cDNAライブラリーを接種した。各ライブラリーを個々に増殖させ、調製した。培養物を30℃において一夜増殖させ、そしてGene TrapperTMプロトコール(LTI)に記載されているようにして、プラスミドDNAを調製した。
Gene TrapperTM (LTI)を使用するcDNAクローンの陽性の選択について詳細な方法はキットのプロトコールの中に概説されており、下記の変更を除外して、これらに従った。一本鎖cDNAライブラリーを20ngのビオチニル化捕捉オリゴヌクレオチドと組合わせ、37℃において1時間インキュベートした。DNAポリメラーゼエクステンションのプライマーとして捕捉オリゴヌクレオチドを使用して、溶離された一本鎖DNAを調製した。修復されたcDNAライブラリーを、製造業者のプロトコールに従い、大腸菌(E.coli) DH10B 株(LTI)の中にエレクトロポレーションした。
ヒト PDE_XIV のクローニング、組織分布および配列の分析
全長のcDNAの単離を促進するために、 PDE_XIV の発現プロフィルをある範囲のマウス組織中でノザンハイブリダイズにより決定した。これは5.0bkの転写物を同定し、この転写物はマウス胚中で13.5日においてそして成体マウスの心臓、脳および肝臓において特に高度に発現される。この転写物は、また、8.5、10.5、15.5日の胚において、そして成体の骨格筋、腎臓および肺において低いレベルで存在する。
転写物は脾臓または精巣において検出されなかった。データに基づいて、陽性cDNA選択技術、Gene Trapper (LTI)に従い、13.5日の胚のcDNAライブラリー(LTI)を鋳型として使用して、全長の配列を単離した。これは PDE_XIV 特異的オリゴヌクレオチド使用することによって達成される。PCRを実施し、少なくともESTフラグメントを含有するcDNAを同定することができた。制限エンドヌクレアーゼの消化により、2885bpのインサートを含有する多数のクローンが同定され、そして全長の配列の分析により、これらのクローンが51.3kDAの予測分子量を有する446アミノ酸のORFをコードすることが示された。
さらに、Gene Trapperにより同一の特異的捕捉オリゴヌクレオチドおよび鋳型としてヒト胎児脳cDNAライブラリーを使用して、全長のヒトcDNAを単離した。2653bpのインサートを含有する多数のクローンが単離され、そして完全な配列の分析は51.8kDAの予測分子量を有する450残基のORFを同定した。全長のヒトcDNAを使用して、RNAマスターブロットをプロービングした。これにより、ヒト PDE_XIV のmRNAは候補の核、被殻および脳の後頭葉において高度に発現され、そして心臓、卵巣、下垂体、腎臓、肝臓、小腸および胸腺において末梢的に発現されることが同定された。低いレベルが骨格筋、結腸、膀胱、子宮、前立腺、胃、下垂体、胸腺において観測された。転写物は、精巣、脾臓、膵臓、末梢白血球、リンパ節、骨髄、大動脈または小脳において観測されなかった。
マウスおよびヒト PDE_XIV の配列の比較は、それらが91%のアミノ酸の同一性を有することを示す。予測されたヒトORFは4アミノ酸だけ拡張されており、これはマウス配列の位置428における5つのアミノ酸の挿入および位置441における単一のアミノ酸の欠失の結果である。さらに、双方のcDNAはセリン45において単一のcAMPタンパク質キナーゼリン酸化部位を含有する。 PDE_XIV の230アミノ酸の触媒ドメイン(アミノ酸172−420)と他のPDEの代表との系統発生的整列は、 PDE_XIV がPDE7A に対して最高の相同性(約70%の同一性)を有し、それにクラスターすることを示す。
それ以上の生物情報科学的分析は、このドメインが他の9つの既知のPDEサブファミリーにおける同等の領域と50%の配列の同一性を共有することを示し、こうしてこれは PDE_XIV がPDE7ファミリーの第2の代表であるうることを示すことができる。
PDE_XIV 配列は2つの推定上の2価のカチオン結合モチーフHXXXHX8-20D(アミノ酸173−180、213−270)を含有し、これらは加水分解活性のために必須であると考えられる。それゆえ、これは PDE_XIV が機能的ホスホジエステラーゼ酵素をコードするというそれ以上の証拠である。
粗製の哺乳動物細胞ライゼイトについてのホスホジエステラーゼアッセイ
リポフェクタミン(Life Technologies,Inc.)および標準的方法を使用して、ネズミおよびヒト双方の PDE_XIV cDNAを哺乳動物COS7細胞系統(ATCC)の中にトランスフェクトした。COS7細胞をトランスフェクション後72時間に収集し、cAMP SPAアッセイ(Amersham)のための商業的に入手可能なSPA(シンチレーション近接性アッセイ)キット(Amersham)により、下記のホスホジエステラーゼ活性を使用して、PDE活性についてアッセイした。溶解緩衝液(50mMのHEPES 、pH7.2、1.92mMのMgCl2 、50mMのKCl、10mMのEGTA、1プロテアーゼインヒビタータブレット/50ml)中で細胞ライゼイトの連続希釈を行って、内因的阻害作用を希釈した。
25mlの希釈された粗製のライゼイトに、25mlの緩衝液D(緩衝液C+BSA、2mg/ml)を添加し、次いで500nMのcAMP基質(20μlの[ 3H]cAMP(1μMの4μCi/ml)+423μlの冷cAMP、10μM/5ml)を含有する25mlの緩衝液C(20mMのTris/HCl(pH7.4)、5mMのMgCl2 ・6H2O)を添加した。この反応を30℃において30分間インキュベートした。次いで50μlのSPAビーズを添加し、直ちに2000rpmにおいて5分間遠心した。読みをトップカウント(Topcount) (Wallac)シンチレーションカウター上の収集した。
結果(第6図)が示すように、ヒトおよびネズミの双方の PDE_XIV クローンは、モック形質転換された対照よりも、10倍より高い活性を有した。
バキュロウイルス中のホスホジエステラーゼの発現
PDE_XIV は、N末端のFLAG標識に融合されたとき、バキュロウイルス中で発現された。その詳細は後に提示される。
ホスホジエステラーゼcDNAの活性
cAMP濃度が0〜10μMの精製された発現した PDE_XIV についてのcAMPシンチレーション近接性アッセイを使用して、発現された PDE_XIV は0.08μMの強いcAMP活性を示した(反応速度の曲線から誘導されたヘンズ(Hanes )プロットにより決定して)。また、研究において、 PDE_XIV はcGMPに対して活性をもたないことが明らかにされた。こうして、 PDE_XIV はcAMP特異的であることができる。
ホスホジエステラーゼ阻害の研究
PDE_XIV はPDEインヒビターのミルリノン(Rolipram and Ariflo )に対して感受性ではないことが見出された。しかしながら、ジピリダモールおよびIBMX(それぞれ、10.72 μMおよび9.32μMのIC50値を有する)を使用して、 PDE_XIV 活性の阻害が見られた。これらの研究のデータを下記表に表す。
バキュロウイルスの発現
下記の研究において、バキュロウイルス発現合成を使用して、本発明のPDE酵素(ここで略してPDEと呼ぶ)を発生させることができることを証明する。
下記の研究においても、PDEがバキュロウイルス系において発現されたとき、PDEは環状ヌクレオチドの加水分解活性を示すことを証明する。
スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda )昆虫細胞(Sf9細胞)のオートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核の多核体病ウイルス(AcNPV )の感染をベースとするバキュロウイルスの発現系を使用して、PDE酵素を発生させた。
これらの研究において、ミニ−Tn7転位因子を含有するドナープラスミドpFASTBAC-FLAG の中に、PDEをコードするcDNAをクローニングした。親バクミドbBON14272 (AcNPV感染性DNA)およびヘルパープラスミドを含有するDH10BAC コンピテント細胞の中に、組換えプラスミドを形質転換した。pFASTBACドナー上のミニ−Tn7因子はバクミド上のattTn7結合部位に転位することができ、こうしてPDE遺伝子をウイルスのゲノムの中に導入する。組換えバクミドを含有するコロニーはlacZ遺伝子の崩壊により同定される。次いでPDE/バクミド構築物を単離し、昆虫細胞(Sf9細胞)の中に感染させると、感染性組換えバキュロウイルス粒子が生成し、そして組換えPDE-FLAG融合タンパク質が発現される。
粗製の細胞抽出物のホスホジエステラーゼ活性を測定した。
細胞を収集し、トランスフェクション後24、48および72時間に抽出物を調製した。
これらの結果が確証するように、PDE cDNAはcAMPを加水分解することができるホスホジエステラーゼをコードする。
精製されたIgG1モノクローナル抗FLAG抗体が加水分解可能な結合により結合されたアガロースビーズ(M2アフィニティーゲル)を含有するカラム(Eastman Kodak )を使用するFPLCにより、粗製のライゼイト物質を精製した。これにより、組換え物質をカラム上に特異的に保持することができる(組換え物質はFLAGエピトープに融合されるので)が、内因的昆虫タンパク質は溶出液の中に洗浄除去される。次いで組換え物質を低いpHの条件下に洗浄除去する。
この精製された物質は詳細な酵素およびインヒビターの研究のためにいっそう適当であった。ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲルの電気泳動(SDS-PAGE)後におけるクーマッシー染色によるか、あるいは非染色SDS-PAGE(組換えPDEを含有する)のニトロセルロース膜上へのウェスタンブロッティングおよびIgG1モノクローナル抗FLAGエピトープ抗体を使用する分析により、この物質の純度をアッセイする。抗FLAG抗体と、PDEタンパク質に融合されたFLAGエピトープとの間の相互作用のために、PDE-FLAG融合タンパク質は検出される。
商業的に入手可能なSPA(シンチレーション近接性アッセイ)キット(Amersham-Amersham place,Little Chalfont,Bucks,HP79NA UK )を使用して、精製されたPDE-FLAG融合タンパク質のホスホジエステラーゼ活性をcAMPおよび/またはcGMPについてアッセイした。これを使用すると、ある範囲の基質濃縮において酵素活性を測定することによって、cAMPに対するPDEのKm値を測定し、これにより酵素について近似Vmaxを計算することができる。
これらの実験結果が示すように、PDE cDNAはcAMPを加水分解することができるホスホジエステラーゼをコードする。
要約すると、なかでも、下記の事実を本発明は提供しそして実施例はを示す:
1.新規なアミノ酸。
2.新規なヌクレオチド配列。
3.前記新規な配列を使用するアッセイ。
4.前記アッセイの使用により同定された化合物/組成物。
5.前記新規な配列からなるか、あるいはそれらを発現する発現系。
6.前記新規な配列をベースとする治療の方法。
7.前記新規な配列をベースとする医薬組成物。
上記明細書の中に記載されたすべての刊行物は引用することによって本明細書の一部とされる。本発明の範囲および精神から逸脱しないで、本発明の記載された方法および系の種々の変更および変化は当業者にとって明らかとなるであろう。本発明は特定の好ましい態様と関連して記載されたが、請求の範囲に記載されている本発明はこのような特定の態様に不当に限定されないことを理解すべきである。事実、生化学およびバイオテクノロジーまたは関係する分野において当業者にとって明らかである、本発明を実施する記載されたモードの種々の変更は本発明の範囲内に入ることを意図する。
下記の配列が提示される:
配列表:1=ネズミアミノ酸配列
配列表:2=ネズミコーディングヌクレオチド配列
配列表:3=トランケートヒトアミノ酸配列
配列表:4=トランケートヒトコーディングヌクレオチド配列
配列表:5=ヒトアミノ酸配列
配列表:6=ヒトコーディングヌクレオチド配列
配列表:7=ネズミcDNA配列
配列表:8=トランケートヒトcDNA配列
配列表:9=式I
(上記テキストにおいて、配列表:2に関する言及は配列表:7に等しく適用可能であることに注意すべきである。また、配列表:4または配列表:6に関する言及は配列表:8に等しく適用可能である。)
図1は、32P標識化ネズミペプチドによりプロービングしたネズミMTNのブロットを示す電気泳動図であり図面代用写真である。 図2は、32P標識化ネズミペプチドによりプロービングしたネズミ胚MTNのブロットを示す電気泳動図であり、図面代用写真である。 図3は、32P標識化ヒトペプチドによりプロービングしたヒトRNAのマスターブロットの図である。 図4は、ネズミ及びヒトの PDE_XIV ヌクレオチド配列の整列を示す図である。新しい配列は PDE_XIV である。パップル:遺伝子コンピューターグループである。 図5は、ネズミ及びヒトの PDE_XIV ヌクレオチド配列の整列を示す図である。新しい配列は PDE_XIV である。パップル:遺伝子コンピューターグループである。 図6は、ネズミ及びヒトの PDE_XIV ヌクレオチド配列の整列を示す図である。新しい配列は PDE_XIV である。パップル:遺伝子コンピューターグループである。 図7は、ネズミ及びヒトの PDE_XIV ヌクレオチド配列の整列を示す図である。新しい配列は PDE_XIV である。パップル:遺伝子コンピューターグループである。 図8は、ネズミ及びヒト PDE_XIV の整列を示す図である。 図9は、ネズミ及びヒトの PDE_XIV のcAMP加水分解活性を測定した結果を示すグラフである。

Claims (25)

  1. 下記式I:
    として表される配列またはその変異型、相同体、フラグメントまたは誘導体からなるアミノ酸配列。
  2. 前記式Iとして表される配列からなるアミノ酸配列。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列。
  4. 配列番号:2、配列番号:4もしくは配列番号:6として表される配列、またはその変異型、相同体、フラグメントもしくは誘導体を含んでなるヌクレオチド配列。
  5. 配列番号:2、配列番号:4または配列番号:6として表される配列を含んでなるヌクレオチド配列。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列。
  7. 請求項6に記載のヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列。
  8. 請求項3〜7のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列を含んでなるベクター。
  9. 請求項3〜7のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列が組込まれた宿主細胞。
  10. PDE_XIV の活性または発現に影響を与えることができる因子を同定するアッセイ法において、
    因子を請求項1もしくは請求項2に記載のアミノ酸または請求項3〜7のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列と接触させ;そして
    PDE_XIV の活性または発現を測定する;
    ことを含んでなり、ここでa)前記因子の不存在下でのPDEの活性または発現と、b)前記因子の存在下でのPDEの活性または発現との間の差が、前記因子が PDE_XIV の活性または発現に影響を与えることができることの示すものである、ことを特徴とする方法。
  11. 前記アッセイが、被殻、脳の尾状核、脳の後頭葉、心臓、卵巣、下垂体、腎臓、肝臓、小腸、胸腺、骨格筋、白血球領域、背根神経節、子宮、蝸牛、小腸(十二指腸)、星状細胞腫、および虫垂の1または複数において見出される障害の治療において有用である因子についてスクリーニングすることである、請求項10に記載のアッセイ法。
  12. 下記工程:
    (a)請求項10または請求項11に記載のアッセイを実施し;
    (b) PDE_XIV の活性または発現に影響を与える1または複数の因子を同定し;そして
    (c)ある量のそれらの1または複数の同定された因子を調製する;
    ことを含んでなる方法。
  13. in vivo において因子により PDE_XIV の活性または発現に影響を与える方法であって、該因子がin vitroアッセイ法において PDE_XIV の活性または発現に影響を与えることができ、そして前記in vitroアッセイ法が請求項10または請求項11に規定するのアッセイ法である、ことを特徴とする方法。
  14. 請求項10または請求項11に記載のアッセイ法によりin vitroにおいてアッセイするとき、因子が PDEの活性または発現に対する作用を有することができる、 PDE_XIV に関連する疾患または症状を治療するための医薬組成物の製造における因子の使用。
  15. PDE_XIV に対して発生させた抗体と免疫学的に反応することができる酵素。
  16. PDEをコードし、NCIMB40995またはNCIMB40996またはN CIMB40997 から得ることができるヌクレオチド配列。
  17. NCIMB40995またはNCIMB40996またはNCIMB41027から得ることができるヌクレオチド配列から発現可能であるPDE。
  18. PDE_XIV に関連する疾患または症状を治療するための医薬組成物の製造における、 PDE_XIV の活性またはその発現に対する作用を有する因子の使用。
  19. PDE_XIV の不均衡または障害に関連する障害の治療および/または調整のための薬剤の製造における、 PDE_XIV 遺伝子および/または発現産物の使用。
  20. PDE_XIV および/またはその発現産物の活性をモジュレートすることができる因子についてスクリーニングするために、 PDE_XIV および/またはその発現産物を使用する、請求項19に記載の使用。
  21. PDE_XIV が請求項1において定義された通りであるか、あるいはそれをコードするヌクレオチド配列である、 PDE_XIV アゴニスト。
  22. PDE_XIV が請求項1において定義された通りであるか、あるいはそれをコードするヌクレオチド配列である、 PDE_XIV アンタゴニスト。
  23. 組換え PDE_XIV 酵素。
  24. PDE_XIV 酵素をコードする組換えヌクレオチド配列。
  25. 実質的に本明細書において記載する PDE_XIV 酵素。
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