JP2005052049A - ソバアレルゲンのエピトープポリペプチド - Google Patents
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Abstract
【課題】ソバアレルゲンを検出する手段、個体におけるソバアレルギーの発症の素因を検査する手段、ソバアレルゲンの治療手段を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するソバアレルゲンタンパク質のエピトープ配列からなるポリペプチド及びその機能欠損型変異ポリペプチド、該ポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチド又は該機能欠損型変異ポリペプチドを含有したソバアレルギーの減感作治療剤、該エピトープの配列を検出することを特徴とする、ソバにおけるアレルゲンの検出方法、該ポリペプチドに対する抗体、該ポリペプチドをコードする核酸、該抗体又は該核酸を含有し、該エピトープの配列の検出用キット、並びに該ポリペプチドを含有した、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因の検査用キット。
【選択図】なし
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するソバアレルゲンタンパク質のエピトープ配列からなるポリペプチド及びその機能欠損型変異ポリペプチド、該ポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチド又は該機能欠損型変異ポリペプチドを含有したソバアレルギーの減感作治療剤、該エピトープの配列を検出することを特徴とする、ソバにおけるアレルゲンの検出方法、該ポリペプチドに対する抗体、該ポリペプチドをコードする核酸、該抗体又は該核酸を含有し、該エピトープの配列の検出用キット、並びに該ポリペプチドを含有した、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因の検査用キット。
【選択図】なし
Description
本発明は、ソバアレルギーの原因となるアレルゲンのエピトープからなるポリペプチド及びその機能欠損型変異体に関する。より詳しくは、ソバの主要アレルゲンのエピトープポリペプチド、該ポリペプチドに対する抗体、該ポリペプチドをコードする核酸、該ポリペプチドのエピトープ機能欠損型変異体、ソバアレルギーの減感作治療剤、及びソバのアレルゲンの検出用キットに関する。
花粉、食物等に対するアレルギー等のI型アレルギーにおいては、アレルゲンが、該アレルゲンに特異的なIgEと結合して架橋し、マスト細胞等が活性化し、ヒスタミン、ロイコトリエン等の化学伝達物質が放出されて、即時型過敏反応が引き起こされる。
前記I型アレルギーの中でも、ソバに対するアレルギー(ソバアレルギー)の場合、劇症を引き起こす場合があることが知られている。
前記ソバアレルギーの原因となるソバのアレルゲンとして、例えば、16kDaのタンパク質のフラクション(非特許文献1)、14kDa及び18kDaのタンパク質のフラクション(非特許文献2)等が知られている。
しかしながら、個体により、アレルゲンとして認識される物質が異なる場合があり、また、同じアレルゲンを認識する個体間においても、該アレルゲン分子上の各エピトープの重要性が異なる場合がある。したがって、個体に応じたアレルゲン、エピトープの同定が望まれている。
タナカ(Tanaka,K)ら、Int.Arch Immunol.,129, 49−56 (2002) ヨシマス(M.A. Yoshimasu)ら、Int.Arch Immunol.,123,130−136 (2000)
タナカ(Tanaka,K)ら、Int.Arch Immunol.,129, 49−56 (2002) ヨシマス(M.A. Yoshimasu)ら、Int.Arch Immunol.,123,130−136 (2000)
本発明は、ソバアレルギーの減感作治療剤を供給すること、ソバアレルゲンの検出手段を供給すること、個体におけるソバアレルギーの発症の素因を検査すること等を可能にする、IgE結合性ポリペプチド、すなわち、ソバアレルギー患者によりエピトープとして認識されうるポリペプチドを提供することを目的とする。また、本発明は、ソバアレルギー患者に対して、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させること、ソバアレルギー患者に対して、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させうる減感作治療剤を供給すること等を可能にする、該ポリペプチドの機能欠損型変異ポリペプチドを提供することを目的とする。ソバアレルギー患者に対して、効率よく減感作させること、ソバアレルギー患者に対して、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させること等のいずれかを可能にする、ソバアレルギーの減感作治療剤を提供することを目的とする。本発明は、ソバ、例えば、ソバ粉の製造に一般に用いられる他殖性ソバにおけるアレルゲンを、簡便に検出することができる、ソバにおけるアレルゲンの検出方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、ソバアレルゲンを効率よく検出することができる、抗体を提供することを目的とする。また、本発明は、前記ポリペプチドを効率よく供給すること、前記ソバアレルゲンを大量の供給すること、ソバアレルゲンを検出すること等を可能にする、前記ポリペプチドをコードする核酸を提供することを目的とする。さらに、本発明は、ソバアレルゲンを検出すること、前記ポリペプチドを検出することを可能にする検出用キットを提供することを目的とする。また、本発明は、個体におけるソバアレルギーの発症の素因を高い信頼度で検出することができる、ソバアレルギーを発症する素因の検査用キットを提供することを目的とする。なお、本発明の他の目的は、本明細書における記載により明らかである。
本発明の要旨は、
〔1〕 配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するソバアレルゲンタンパク質のエピトープ配列であり、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列からなるポリペプチド、
〔2〕 前記〔1〕記載のポリペプチドの機能欠損型変異体であり、かつ配列番号:15、19〜23からなる群より選ばれたアミノ酸配列からなる機能欠損型変異ポリペプチド、
〔3〕 前記〔1〕記載のポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチドを有効成分として含有してなる、ソバアレルギーの減感作治療剤、
〔4〕 前記〔2〕記載の機能欠損型変異ポリペプチドを有効成分として含有してなる、ソバアレルギーの減感作治療剤、
〔5〕 下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列を検出することを特徴とする、ソバにおけるアレルゲンの検出方法、
〔6〕 前記〔1〕記載のポリペプチドに対する抗体、
〔7〕 前記〔1〕記載のポリペプチドをコードする核酸、
〔8〕 前記〔6〕記載の抗体又は前記〔7〕記載の核酸を含有してなる、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列の検出用キット、並びに
〔9〕 前記〔1〕記載のポリペプチドを含有してなる、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因の検査用キット、
に関する。
〔1〕 配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するソバアレルゲンタンパク質のエピトープ配列であり、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列からなるポリペプチド、
〔2〕 前記〔1〕記載のポリペプチドの機能欠損型変異体であり、かつ配列番号:15、19〜23からなる群より選ばれたアミノ酸配列からなる機能欠損型変異ポリペプチド、
〔3〕 前記〔1〕記載のポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチドを有効成分として含有してなる、ソバアレルギーの減感作治療剤、
〔4〕 前記〔2〕記載の機能欠損型変異ポリペプチドを有効成分として含有してなる、ソバアレルギーの減感作治療剤、
〔5〕 下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列を検出することを特徴とする、ソバにおけるアレルゲンの検出方法、
〔6〕 前記〔1〕記載のポリペプチドに対する抗体、
〔7〕 前記〔1〕記載のポリペプチドをコードする核酸、
〔8〕 前記〔6〕記載の抗体又は前記〔7〕記載の核酸を含有してなる、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列の検出用キット、並びに
〔9〕 前記〔1〕記載のポリペプチドを含有してなる、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因の検査用キット、
に関する。
本発明のポリペプチドによれば、広く一般のソバアレルギー患者に対して、効率よく減感作させうる、ソバアレルギーの減感作治療剤、ソバアレルゲンの検出手段等を供給することができ、個体におけるソバアレルギーの発症の素因を検査することができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明の機能欠損型変異ポリペプチドによれば、より広範囲のソバアレルギー患者に対して、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させうる減感作治療剤を供給することができ、より広範囲のソバアレルギー患者に対して、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させることができるという優れた効果を奏する。また、本発明の減感作治療剤によれば、より広範囲のソバアレルギー患者に対して、効率よく減感作させることができるという優れた効果を奏する。また、前記機能欠損型ポリペプチドを含有した本発明の減感作治療剤によれば、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させることができるという優れた効果を奏する。本発明の検出方法によれば、ソバ、例えば、ソバ粉の製造に一般に用いられる他殖性ソバにおけるアレルゲンを、簡便に検出することができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明の抗体によれば、ソバアレルゲンを簡便に検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明の核酸によれば、ソバアレルゲンを高い感度で、簡便に検出することができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明のエピトープの配列の検出用キットによれば、被検試料中のソバアレルゲンを高い感度で効率よく、ソバアレルゲン又は前記ポリペプチドを検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明の検査用キットによれば、被検個体におけるソバアレルギーの発症の素因を高い信頼度で検出することができるという優れた効果を奏する。
本発明のポリペプチドは、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するソバアレルゲンタンパク質のエピトープ配列であり、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列からなるポリペプチドである。
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列からなるポリペプチドである。
本発明のポリペプチドは、前記(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含有するものであり、9人の患者によりエピトープとして認識されるものであるため、より広範囲のソバアレルギー患者により認識されるという性質を発現する。したがって、本発明のポリペプチドによれば、広範囲のソバアレルギー患者に対する減感作治療が可能になるという優れた効果を発揮する。
また、前記(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列は、普通ソバの自殖性系統のソバアレルゲン上に存在するエピトープの配列である。したがって、本発明のポリペプチドは、通常、栽培されている他殖性のソバにおけるアレルゲンの検出に用いた場合であっても、他殖性に伴う変化の影響が少ないという優れた効果を発揮する。
さらに、前記(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドは、配列番号:8に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体のアミノ酸配列であり、図4のレーン2、3、5〜7のそれぞれに示されるように、ソバアレルギー患者によりエピトープとして認識されるという性質を発現する。前記(2)のアミノ酸配列のなかでも、特に、配列番号:16又は18に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、配列番号:8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドよりも、IgE結合性が低減されているため、減感作治療における使用に有利である。
なお、前記(1)のアミノ酸配列又は前記(2)のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、アミノ酸残基への糖等による修飾の有無にかかわらず、ソバアレルギー患者によりエピトープとして認識されるという性質を有する。したがって、慣用の合成方法、ポリペプチドの分子生物学的発現方法等により得られたポリペプチドを減感作治療剤の製造に用いることができる。
さらに、本発明のポリペプチドは、例えば、個体におけるソバアレルギーの発症の素因を検査すること、例えば、パッチテスト等に用いることができる。
なお、本明細書において、「ソバアレルギー患者によりエピトープとして認識される」とは、ソバアレルギー患者の血清に含まれるIgEが結合することを意味する。したがって、ポリペプチド等が、「ソバアレルギー患者によりエピトープとして認識される」ことは、ソバアレルギー患者の血清等を用い、慣用のELISA等のイムノアッセイにより、ポリペプチド等と前記IgEとの間の結合を検出することにより確認することができる。
本発明のポリペプチドは、例えば、メリーフィールドらの固相合成方法〔R.B.Merrifield、J.Am.Chem.Soc.,85、2149(1963)〕等のペプチド合成方法に基づき合成すること、ポリペプチドをコードする核酸を用いて、適切な宿主中で発現させること、大腸菌 in vitro合成法等により製造されうる。
なお、前記配列番号:8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドについて、アルギニンをアラニンに置換したポリペプチド(配列番号:19)、前記配列番号:10に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドについて、リジンをアラニンに置換したポリペプチド(配列番号:20)、フェニルアラニンをアラニンに置換したポリペプチド(配列番号:21)、アルギニンをアラニンに置換したポリペプチド(配列番号:22)、及びアラニンをメチオニンに置換したポリペプチド(配列番号:23)は、本発明のポリペプチドと類似したアミノ酸配列を有するが、ソバアレルギー患者により、エピトープとして実質的に認識されないものとなったポリペプチドである(以下、機能欠損型変異ポリペプチドという)。前記機能欠損型変異ポリペプチドも本発明に含まれる。
本発明の機能欠損型変異ポリペプチドは、本発明のポリペプチドの機能欠損型変異体であり、かつ配列番号:15、19〜23からなる群より選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
本発明の機能欠損型変異ポリペプチドは、前記配列番号:15、19〜23からなる群より選ばれたアミノ酸配列を有するため、例えば、減感作治療に用いる場合、ソバアレルギー患者におけるアナフィラキシーの発生が抑制され、かつより効率よく減感作させることができるという優れた効果を発揮する、また、本発明の機能欠損型変異ポリペプチドは、前記配列番号:15、19〜23からなる群より選ばれたアミノ酸配列を有するため、ソバアレルギー患者に対して、アナフィラキシーの発生を抑制し、かつより効率よく減感作させうる減感作治療剤を製造することができるという優れた効果を発揮する。
本発明の機能欠損型変異ポリペプチドは、本発明のポリペプチドと同様に、慣用の合成方法、ポリペプチドの分子生物学的発現方法等により製造することができる。
なお、本発明の機能欠損型変異ポリペプチドが、「ソバアレルギー患者により、エピトープとして認識されない」ものであることは、本発明のポリペプチド等とソバアレルギー患者のIgEとの間の結合が検出される条件で、ELISA等のイムノアッセイを行ない、本発明の機能欠損型変異ポリペプチドとソバアレルギー患者のIgEとの結合が検出されないことを指標として評価されうる。
本発明のポリペプチドは、エピトープの配列からなるポリペプチドであるため、該ポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチドを、減感作治療に用いることができる。したがって、本発明のポリペプチドによれば、ソバアレルギーの減感作治療剤が提供されうる。また、本発明の機能欠損型変異ポリペプチドは、本発明のポリペプチドと類似したアミノ酸配列を有するが、ソバアレルギー患者により、エピトープとして実質的に認識されないものとなったポリペプチドであるため、減感作治療に用いることができる。したがって、本発明の機能欠損型変異ポリペプチドによれば、ソバアレルギーの減感作治療剤が提供されうる。
すなわち、本発明の減感作治療剤は、
本発明のポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチドを有効成分として含有した減感作治療剤(以下、治療剤1という)と、
本発明の機能欠損型変異ポリペプチドを有効成分として含有した減感作治療剤(以下、治療剤2という)と
に大別される。
本発明のポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチドを有効成分として含有した減感作治療剤(以下、治療剤1という)と、
本発明の機能欠損型変異ポリペプチドを有効成分として含有した減感作治療剤(以下、治療剤2という)と
に大別される。
前記治療剤1に用いられる変性ポリペプチドは、本発明のポリペプチドを、慣用のタンパク質変性剤等で変性させることにより得られうる。
なお、タンパク質変性剤による本発明のポリペプチドの変性の後、得られた変性ポリペプチドを含む混合物から、タンパク質変性剤を除去して用いてもよい。
前記タンパク質変性剤の除去は、例えば、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、透析、限外ろ過、凍結乾燥等の慣用の手法により行なわれうる。
前記タンパク質変性剤としては、例えば、界面活性剤、アルコール(例えば、エタノール等)、フェノール、クロロホルム等が挙げられる。
本発明のポリペプチドの変性について、用いられるタンパク質変性剤の種類により適宜条件を設定することができる。
前記治療剤1中における有効成分(前記変性ポリペプチド)の含有量は、投与形態、投与対象のソバアレルギー患者の体重等により適宜設定されうる。
前記治療剤2中における有効成分(前記機能欠損型変異ポリペプチド)の含有量は、投与形態、投与対象のソバアレルギー患者の体重等により適宜設定されうる。
本発明の減感作治療剤は、前記有効成分に加え、例えば、安定剤、賦形剤、緩衝剤等の、薬理学的に許容されうる助剤、担体等をさらに含有してもよい。
本発明の減感作治療剤の薬理作用は、例えば、ソバアレルギー患者により、エピトープとして認識される本発明のポリペプチド又は本発明の減感作治療剤の存在下において、ソバアレルギー患者の末梢血リンパ球におけるインターロイキン(IL−4)産生量、IFN−γ産生量等を調べることにより評価されうる。なお、本発明の減感作治療剤によれば、本発明のポリペプチドの存在下での場合に比べ、IL−4産生量が減少し、IFN−γ産生量が増加する。
本発明の減感作治療剤の投与形態としては、経口投与、皮下投与、経皮投与、筋肉内投与等が挙げられる。
また、本発明の減感作治療剤の剤形としては、例えば、注射剤、錠剤、経口投与剤等が挙げられる。
さらに、本発明の減感作治療剤の投与量は、ソバアレルギー患者の年齢、体重、症状等に応じて適宜設定され得る。
なお、ソバにおける本発明のポリペプチドの存在を調べることにより、ソバアレルギーの原因となるアレルゲンの有無を検査することができる。本発明には、ソバにおけるアレルゲンの検出方法も含まれる。
本発明の検出方法は、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列を検出することを1つの大きな特徴とする。
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列を検出することを1つの大きな特徴とする。
本発明の検出方法においては、前記(1)のアミノ酸配列又は前記(2)のアミノ酸配列が検出されるため、本発明の検出方法は、一般的にソバ粉に用いられる他殖性ソバの品種に影響されずに、ソバにおけるアレルゲンを検出することができるという優れた効果を発揮する。
本発明の検出方法において、前記(1)のアミノ酸配列又は前記(2)のアミノ酸配列の検出は、本発明のポリペプチドに対する抗体、本発明のポリペプチドをコードする核酸等を用いることにより行われうる。本発明には、前記抗体及び核酸も含まれる。本発明の抗体によれば、ソバアレルゲンを簡便に検出することができる。また、本発明の核酸によれば、ソバアレルゲンを高い感度で、簡便に検出することができる。
本発明の抗体は、本発明のポリペプチドに特異的に結合する能力を有するものであれば、ポリクローナル抗体であってもよく、モノクローナル抗体であってもよい。また、前記抗体は、本発明のポリペプチドに特異的に結合する能力を有するものであれば、前記抗体の誘導体、例えば、抗体をペプチダーゼ等で処理することにより得られる断片、Fabフラグメント、単鎖抗体等であってもよい。
また、本発明のかかる抗体は、慣用の酵素(例えば、ペルオキシダーゼ等)、蛍光色素、放射性物質、ビオチン、アビジン等で標識されていてもよい。
なお、「本発明のポリペプチドに特異的に結合する能力」は、例えば、オクタロニー法等により、本発明のポリペプチド以外のポリペプチドとは、沈降線を生じないことを指標として評価されうる。
本発明の抗体は、例えば、本発明のポリペプチドを用いてウサギやマウス等を免疫することにより、容易に作製され得る。
本発明の核酸としては、配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列をコードする核酸、配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列をコードする核酸等が挙げられる。
本発明の核酸は、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列を基に、化学的合成法、例えば、ホスホロアミダイト法等で合成することにより得られる。
なお、本発明のポリペプチドは、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するソバアレルゲン上に存在するため、本発明の検出方法の別の態様としては、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又はその一部を検出する方法等も挙げられる。かかる態様の検出方法においては、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部に対する抗体、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部をコードする核酸又は配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部を増幅するためのプライマー対が用いられうる。
配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部に対する抗体は、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部を用いてウサギやマウス等を免疫することにより、容易に作製され得る。
配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部をコードする核酸は、配列番号:4に示されるアミノ酸配列から推定される塩基配列(例えば、配列番号:3の塩基配列又は該配列番号:3と縮重を介して異なる塩基配列)に基づき、慣用のクローニング手段で、普通ソバの自殖性系統から得ること等により得られうる(例えば、後述の実施例を参照のこと)。
配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド若しくはその一部を増幅するためのプライマー対は、例えば、配列番号:3の塩基配列又は該配列番号:3と縮重を解して異なる塩基配列に基づき、二次構造の形成、Tm値、当該配列に特異的な領域の配列(公知データベースに登録されている当該塩基配列以外の配列には見出されない配列)等を考慮してデザインされうる。前記プライマーのデザインには、例えば、市販のソフトウェア(GENETYX等)が用いられうる。
本発明の検出方法において、抗体を用いる場合、例えば、ソバから、慣用の方法で無細胞抽出物を調製し、得られた無細胞抽出物を、本発明の抗体によるイムノアッセイに供することにより行なわれうる。
本発明の検出方法において、核酸又はプライマー対を用いる場合、例えば、ソバから、慣用の方法で核酸含有試料を調製し、得られた核酸含有試料について、本発明の核酸を用いたサザンブロット解析、ノーザンブロット解析、RT−PCR、PCR等により解析することにより行なわれうる。
なお、本発明の検出方法には、ソバにおけるアレルゲンの存在を、本発明の検出方法により調べた結果の情報の提供、表示等も含まれる。具体的には、本発明の検出方法においては、例えば、検出方法による検出結果の生データをコンピューター等により解析し、特定されたアレルゲンの種類に基づき、表示ラベル、電子媒体等を介して提供、表示等を行なうことができる。
なお、本発明により、本発明の抗体又は本発明の核酸を含有した、前記(1)のアミノ酸配列又は前記(2)のアミノ酸配列に示されるエピトープの配列の検出用キットも提供される。
本発明の検出用キットは、検出に必要な試薬、例えば、標識試薬、標識を検出するための試薬、発色試薬、緩衝液、免疫クロマトグラフィー用試験片、核酸分離用ゲル、メンブラン、本発明の抗体を固定化したELISAプレート等をさらに含有していてもよい。
本発明の検出用キットによれば、本発明の検出方法を簡便かつ迅速に行なうことができ、被検試料中のソバアレルゲンを高い感度で効率よく、ソバアレルゲン又は前記ポリペプチドを検出することができる。
さらに、本発明のポリペプチドは、被検個体におけるソバアレルギーの発症の素因を調べるために用いることができる。したがって、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因の検査用キットも本発明に含まれる。
本発明の検査用キットは、本発明のポリペプチドを含有することに1つの大きな特徴がある。したがって、本発明の検査用キットによれば、例えば、本発明の検査用キットに含まれるポリペプチドと、被検個体の生検試料、例えば、血液等と接触させ、抗原抗体反応の有無を指標として、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因を検査することができる。本発明の検査用キットによれば、被検個体におけるソバアレルギーの発症の素因を高い信頼度で検出することができる
本発明の検査用キットに含まれる本発明のポリペプチドは、例えば、適切な溶液、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水等で適切な希釈率で希釈されていてもよい。また、本発明の検査用キットに含まれる本発明のポリペプチドは、例えば、プロテインチップ上に固定化されていてもよく、免疫クロマトグラフィー用試験片上に固定化されていてもよい。
以下、本発明を実施例により、より詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により何ら限定されるものではない。
自殖性の近縁野生種(Fagopyrum homotropicum)と普通ソバ〔Fagopyrum esculentum (thrum)〕との種間雑種において、自殖性を示す種間雑種後代に対し、普通ソバによる戻し交雑を6世代繰り返して得られた系統で自殖を1回行なって得られた普通ソバ自殖性系統より、以下のように、種子胚乳からタンパク質を抽出した。
普通ソバ自殖性系統の種子1粒を乳棒で粉砕した。得られた粉砕物に、蒸留水 80μlを添加し、15〜20分間、ボルテックスミキサーで攪拌しながら1時間室温にて、タンパク質成分を溶出させた。得られた溶出物を、4℃で、15000rpm(16350×g)、10分間遠心分離し、上清を得た。前記上清に、4倍量のエタノールを添加し、ボルテックスミキサーで攪拌した。得られた混合物を、−30℃で30分間冷却し、ついで、4℃で、15000rpm(16500×g)、15分間遠心分離して、上清を除去し、タンパク質の沈殿を得た。前記沈殿を乾燥させた後、試料用緩衝液〔10ml中の組成:0.5M トリス塩酸緩衝液(pH6.8) 2ml、10% SDS 4ml、2−メルカプトエタノール 1.2ml、グリセロール 2ml、ブロモフェノールブルー 1mg、残部 脱イオン水〕 50μlを添加し、SDS−PAGE(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)用の試料を得た。
得られた試料を、12% SDSポリアクリルアミドゲルによるSDS−PAGEに供し、電気泳動後、ゲル上のタンパク質をPVDF膜に転写させた。
転写後のニトロセルロース膜を、患者由来の血清とともに、室温で16時間インキュベーションし、ついで、アルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgEヤギIgG抗体を添加して、室温で16時間さらにインキュベートした。その後、発色反応を行なった。
その結果、複数の患者血清のIgEと反応するアレルゲンタンパク質の存在が見出された。
前記実施例1のアレルゲンタンパク質について、プライマーをデザインし、かかるプライマーを用いて、普通ソバ自殖性系統の全RNAを鋳型としてRT−PCRを行なうことにより、前記アレルゲンタンパク質をコードするcDNAのクローニングを行なった。
なお、RT−PCRの際、フォワードプライマーとして、5'-gagagagctctggattggagcaagcgttctg-3'(配列番号:1)と、リバースプライマーとして、5'-agagtctagacgagaattcactcttttattgac-3'(配列番号:2)を用いた。
また、普通ソバ自殖性系統の種子を、脱イオン水で湿らせたろ紙〔アドバンテック(ADVANTEC)社製〕上において、30℃暗条件下に48時間インキュベートし、発根が確認された種子について、温室内で育成させ、他家受粉を防ぐように袋がけをし、その後、開花した花序の花粉を同じ花序の柱頭に受粉し、受粉後10〜15日の普通ソバ自殖性系統の未熟種子を用いて、フルウールト(Verwoerd,T.C.)ら〔Nucleic Acids Research、第17巻、第2362頁、(1989)〕の方法で全RNAを抽出した。
RT−PCRは、ロシュ(Roche)社製、商品名:One Tube RT−PCR Systemを用い、50℃30分間の逆転写反応の後、94℃2分のインキュベーションの後、94℃10秒と54℃30秒と68℃90秒とを1サイクルとする30サイクルを行ない、その後、68℃5分インキュベーションすることにより行なった。
得られた増幅産物を、pUC18クローニングベクターに挿入し、得られた組換えプラスミドを用いて、大腸菌株DH5αを形質転換した。その後、ポジティブクローンを選抜し、商品名:CEQ2000〔ベックマン コールター(BECKMAN COULTER)社製〕を用い、cDNA挿入断片の塩基配列を決定した。その結果、確認されたcDNAの塩基配列(配列番号:3)及び該塩基配列より推定されたアミノ酸配列(配列番号:4)を図1に示す。
発現用プラスミドpET32a(+)〔商品名、ノバジェン(Novagen)社製〕に、前記cDNAを挿入し、得られた組換えプラスミドを用いて大腸菌株BL21(DE3)pLysSを形質転換した。形質転換体を2ml LB液体培地〔組成:1% ポリペプトン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl〕中、37℃で一晩培養した。ついで、得られた培養液 1mlを、50ml LB液体培地に播種し、O.D.660=1.0になるまで、37℃で培養した。
ついで、得られた培養液に、イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(IPTG)を、終濃度1mMとなるように添加し、さらに37℃で3時間培養し、チオレドキシン・ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質の発現を誘導した。
得られた培養物を用い、慣用の方法により、無細胞抽出物を調製した。その後、ニッケルカラム〔アマシャム(Amersham)社製〕を用いて、チオレドキシン・ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質を精製した。精製されたチオレドキシン・ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質を、エンテロキナーゼで処理して、組換えタンパク質を得た。
ついで、得られた組換えタンパク質を、15%アクリルアミドゲルを用いたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、分離後のゲル上のタンパク質をポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜〔アマシャム(Amersham)社製〕に転写させた。
転写後のPVDF膜を、1次抗体として、ソバアレルギー患者血清とともにインキュベーションし、ついで、2次抗体として、アルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgEヤギIgG抗体とともにインキュベーションした。その後、発色反応を行なった。その結果を、図2に示す。
図2に示されるように、組換えタンパク質は、ソバアレルギー患者のIgE抗体との免疫反応を示したことからアレルゲン性を有することがわかる。また、前記組換えタンパク質は、大腸菌内で発現させたにもかかわらず、アレルゲン性を示したことから、ソバアレルギー患者のIgE抗体は、アミノ酸の修飾糖鎖を認識するのではなく、タンパク質のアミノ酸鎖のみを認識することが示された。
また、前記組換えタンパク質は、cDNAの塩基配列及び推定アミノ酸配列とから、他殖性の普通ソバに見出されるFag e 1に類似していることがわかる。
前記実施例2の組換えタンパク質の推定アミノ酸配列に基づき作製したペプチドライブラリーと、9人のソバアレルギー患者血清の混合物とを用い、以下のように、エピトープマッピングを行なった。
決定したFag e 1 cDNAの塩基配列から予測されるFag e 1を構成する191アミノ酸配列をもとに10アミノ酸をオーバーラップする12アミノ酸からなるペプチドライブラリーを作製し、12アミノ酸からなる各ペプチドを2残基ずつずらしながら重複させるように、セルロース膜にブロットした。
その後、前記セルロース膜を、9人のソバアレルギー患者血清の混合物とともにインキュベーションし、ついで、アルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgE抗体ともにインキュベーションした。その後、発色反応を行ない、IgEとペプチドとの結合を検出した。結果を、図3に示し、IgEとの結合が見られるペプチド群に含まれる共通のアミノ酸配列を表1に示す。
図3及び表1に示されるように、配列番号:4に示されるアミノ酸配列のうち、アミノ酸番号:13−20、38−43、64−69、87−92、113−118、135−144、159−164及び179−188の8つの配列が、ソバアレルギー患者9人のIgEにより認識されるエピトープ配列であることがわかる。
前記実施例3で得られたエピトープを構成するアミノ酸の1つを他のアミノ酸に置換する変異ペプチドをメンブレン上に合成し、9人のソバアレルギー患者血清の混合物を用いて、イムノブロッティングを行なった。以下、前記表1のエピトープ4、6及び7について、調べた結果を例として示す。
エピトープ4(配列番号:8)を構成するアミノ酸残基を、それぞれアラニンに置換した変異ペプチド(配列番号:13〜18)をメンブラン上に合成した。
前記メンブランを、9人のソバアレルギー患者血清の混合物とともに一晩インキュベーションし、ついで、アルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgE抗体とともにインキュベーションした。その後、発色反応を行ない、IgEとエピトープとの結合を検出した。結果を図4に示す。
その結果、図4のレーン4に示されるように、アルギニンがアラニンに置換された場合(配列番号:15)、IgEとエピトープとの結合が消失することが示された。したがって、ソバアレルギー患者のIgEによるエピトープの認識には、アルギニンが重要な役割を果たしていることがわかる。
一方、図4のレーン2及び3に示されるように、グルタミン酸をアラニンに置換すること(配列番号:13)又はグリシンをアラニンに置換すること(配列番号:14)により、レーン1に示される野生型に比べ、IgEとエピトープとの結合が増大した。
同様にエピトープの認識に重要なアミノ酸残基を調べたところ、エピトープ6においては、アルギニンをアラニンに置換した場合(配列番号:19)、エピトープ7においては、リジン、フェニルアラニン若しくはアルギニンをアラニンに置換した場合(順に、配列番号:20、21若しくは22)又はアラニンを他のアミノ酸残基(メチオニン)に置換した場合(配列番号:23)、IgEとエピトープとの結合が消失することが示された。したがって、エピトープ6におけるアルギニン並びにエピトープ7におけるリジン、フェニルアラニン、アルギニン及びアラニンのそれぞれは、ソバアレルギー患者のIgEによるエピトープの認識に重要な役割を果たしていることがわかる。
本発明は、ソバにおけるソバアレルギーの原因となるアレルゲンの検出、ソバアレルギーの減感作治療、ソバアレルギーの発症の素因の検査等への応用が期待される。
配列番号:1は、RT−PCR用のプライマーの配列である。
配列番号:2は、RT−PCR用のプライマーの配列である。
配列番号:5は、エピトープ1のアミノ酸配列である。
配列番号:6は、エピトープ2のアミノ酸配列である。
配列番号:7は、エピトープ3のアミノ酸配列である。
配列番号:8は、エピトープ4のアミノ酸配列である。
配列番号:9は、エピトープ5のアミノ酸配列である。
配列番号:10は、エピトープ6のアミノ酸配列である。
配列番号:11は、エピトープ7のアミノ酸配列である。
配列番号:12は、エピトープ8のアミノ酸配列である。
配列番号:13は、エピトープ4の変異ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:14は、エピトープ4の変異ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:15は、エピトープ4の機能欠損型変異ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:16は、エピトープ4の変異ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:17は、エピトープ4の変異ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:18は、エピトープ4の変異ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:19は、エピトープ6の機能欠損型ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:20は、エピトープ7の機能欠損型ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:21は、エピトープ7の機能欠損型ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:22は、エピトープ7の機能欠損型ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:23は、エピトープ7の機能欠損型ペプチドのアミノ酸配列である。
Claims (9)
- 配列番号:4に示されるアミノ酸配列を有するソバアレルゲンのエピトープ配列であり、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列からなるポリペプチド。 - 請求項1記載のポリペプチドの機能欠損型変異体であり、かつ配列番号:15、19〜23からなる群より選ばれたアミノ酸配列からなる機能欠損型変異ポリペプチド。
- 請求項1記載のポリペプチドを変性させることにより得られる変性ポリペプチドを有効成分として含有してなる、ソバアレルギーの減感作治療剤。
- 請求項2記載の機能欠損型変異ポリペプチドを有効成分として含有してなる、ソバアレルギーの減感作治療剤。
- 下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列を検出することを特徴とする、ソバにおけるアレルゲンの検出方法。 - 請求項1記載のポリペプチドに対する抗体。
- 請求項1記載のポリペプチドをコードする核酸。
- 請求項6記載の抗体又は請求項7記載の核酸を含有してなる、下記アミノ酸配列:
(1)配列番号:5〜12からなる群より選ばれたアミノ酸配列、又は
(2)配列番号:13、14、16〜18からなる群より選ばれたアミノ酸配列
に示されるエピトープの配列の検出用キット。 - 請求項1記載のポリペプチドを含有してなる、被検個体におけるソバアレルギーを発症する素因の検査用キット。
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