JP2005051799A - 入力光信号の先行検出装置および入力光信号の障害の先行検出装置 - Google Patents

入力光信号の先行検出装置および入力光信号の障害の先行検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005051799A
JP2005051799A JP2004250522A JP2004250522A JP2005051799A JP 2005051799 A JP2005051799 A JP 2005051799A JP 2004250522 A JP2004250522 A JP 2004250522A JP 2004250522 A JP2004250522 A JP 2004250522A JP 2005051799 A JP2005051799 A JP 2005051799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atomic
optical signal
input optical
frequency
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004250522A
Other languages
English (en)
Inventor
Lijun Wang
リジュン・ワング
Alexander Kuzmich
アレクサンダー・クズミッチ
Arthur Dogariu
アーサー・ドガリュ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Publication of JP2005051799A publication Critical patent/JP2005051799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/30Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range using scattering effects, e.g. stimulated Brillouin or Raman effects
    • H01S3/305Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range using scattering effects, e.g. stimulated Brillouin or Raman effects in a gas

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】 超光速光伝搬を実現すること。
【解決手段】 原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気を供給する段階と、原子蒸気の原子を少なくとも2つの基底状態の1つの中に準備する段階と、原子蒸気を介して、第1の周波数と第1の偏波の第1のラマン励起光を導入する段階と、原子蒸気を介して第2の周波数を有する第2のラマン励起光を導入する段階と、第1及び第2のラマン励起光を原子蒸気の原子遷移周波数から少なくとも2つの基底状態に向けて離調する段階であって、それにより2つのラマン利得ピークが作られる段階と、異常分散の領域の中の原子蒸気を介して第1の偏波とは逆の第2の偏波のプローブ・ビームを導入し、その結果プローブ・ビームの超光速伝搬を実現する段階を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は一般に利得を利用した(gain-assisted)超光速光伝搬に関し、特に、その実現のための利得利用超光速光伝搬の方法及び装置に関する。
アインシュタインの特殊相対性理論及び因果律の原理に示されるように、真空中の光の速度cは、光のパルス及び信号を含むあらゆる動く物体の速度の最大限であると一般に考えられている。従来は、「真空中の光の速度cより速い」光パルスの伝搬を観察するために、吸収線近傍の異常分散、非線形及び線形の利得線、あるいは障壁内のトンネル現象を含むさまざまな現象を使用することが提案されてきた。しかし、すべての実験において光パルスは非常に大きな吸収、すなわち、厳密な信号再生を受けるため、その解釈に関して論争をもたらした。
光パルスの周波数ν及び帯域幅Δνが線形の分散性媒質の光学的屈折率n(ν)に与えられるとき、光パルスは群速度vg=c/ngで伝搬する。ここでvgは群速度であり、群速度指数(group velocity index)のng=n(ν)+νdn(ν)/dνである。群屈折率(group index)がパルス帯域幅Δν上で一定であれば、光パルスは伝搬中その形状を維持する。「電磁気的に誘起される透明度」(EIT: Electromagnetically Induced Transparency)を伴う最近の実験において、密接に配置された2つの吸収線の間の無損失常分散領域を使用して、群屈折率は大幅に増大された。したがって、光の群速度は8メートル/秒と劇的に遅くなった。逆に、非特許文献1(Steinberg, A.M.及び Chiao, R.Y. による「利得ダブレットを有する媒質内の無分散、超高光速伝搬」(highly superluminal propagation)Phys. Rev A 49, 2071-2075 (1994)) (以下「スタインバーグ他」と呼ぶ)は、密接に配置された2つの利得ラインの間で、νdn(ν)/dνが負であり、その大きさが大きくなり得る異常分散領域が出現することを示した。「スタインバーグ他」及び、非特許文献2(Mitchell, M.W. & Chiao, R.Y. による「簡単な帯域通過増幅器における因果律及び負の群遅延」 Am. J. Phys. 66, 14-19 (1998)) は、この状態において、光パルスの群速度がcを超えることが可能であり、負になることも可能であることを示した。
Steinberg, A.M.及び Chiao, R.Y. による「利得ダブレットを有する媒質内の無分散、超高光速伝搬」(highly superluminal propagation)Phys. Rev A 49, 2071-2075 (1994) Mitchell, M.W. & Chiao, R.Y. による「簡単な帯域通過増幅器における因果律及び負の群遅延」 Am. J. Phys. 66, 14-19 (1998)
本発明の目的は、原子ガス状の媒質を介して伝搬する利得利用超光速光伝搬を実現する方法及び装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、伝搬する光パルスの形状を維持し、光吸収を最小限度に抑えながら、利得利用超光速光伝搬を実現する方法及び装置を提供することである。
本出願は、原子ガス状の媒質を介して負の群速度を有する超光速光伝搬をもたらす利得利用線形異常分散効果を明らかにするものである。本質的に無損失な異常分散領域における「利得利用超光速性」(GAS: Gain-Assisted Superluminality)得るために、2つのラマン利得ピークが近接して配置される。ラマン利得は、当該分野において公知である。ラマン利得は本質的には励起光からのエネルギーが原子媒質により吸収され、吸収されたエネルギーがプローブ・ビームに伝達され、その結果、プローブ・ビームが増幅されることである。この領域におけるパルスの群速度はcを超え、負になることさえあり、その間にパルスの形状は維持されている。光パルスは原子蒸気セル(Atomic Vapor Cell)を介して伝搬し、真空中の同じ距離を伝搬する光より速く反対側に抜け出る。実験的には、1つの実施例において、ng=−310(±5)の負の群速度指数(group velocity index)が測定された。したがって、本実施例によれば、原子蒸気セルを介して伝搬する光パルスは、真空光伝搬時間の310倍の時間差で真空中の同じ距離を伝搬するよりも速く出射側に現れる。したがって、パルスのピークは、セルに入る前にセルを抜け出る。この観察された超光速光伝搬は、因果律と異なるものではない。
したがって、原子蒸気内の異常分散の領域を作る方法が提供される。本方法は、原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気を供給する段階と、前記原子蒸気を介して第1の周波数の第1のラマン励起光を導入する段階と、前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入する段階であって、前記第2のラマン励起光は前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有し、前記第1及び第2のラマン励起光を、前記原子蒸気の前記原子遷移周波数から前記少なくとも2つの基底状態に向けて離調する段階を有し、それにより2つのラマン利得ピークが作られ、その結果として2つのラマン利得ピークの間に異常分散の領域が作られる。
原子蒸気の中に異常分散の領域を作る装置がさらに提供される。
本装置は、原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気と、前記原子蒸気を介して第1の周波数の第1のラマン励起光を導入するための第1のレーザーと、前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入するための第2のレーザーであって、前記第2のラマン励起光は、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入するための第2のレーザーと、前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の前記原子遷移周波数から前記少なくとも2つの基底状態に向けて離調する手段を有し、それにより2つのラマン利得ピークが作られ、その結果として2つのラマン利得ピークの間に異常分散の領域が作られる。
原子蒸気の中に異常分散の領域を作る装置は、その中に原子蒸気を収容するクローズド・セルと、前記クローズド・セルの中に、前記第1及び第2のラマン励起光の伝搬方向に平行な磁界を作る手段と、前記クローズド・セルの周りに、前記磁界を地球の磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材をさらに有することが望ましい。
プローブ・ビームの利得利用超光速光伝搬を実現する方法がさらに提供される。
本方法は、原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気を供給する段階と、前記原子蒸気の前記原子を前記少なくとも2つの基底状態のなかの1つとする段階と、前記原子蒸気を介して、第1の周波数および第1の偏波状態の第1のラマン励起光を導入する段階と、前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入する段階であって、前記第2のラマン励起光は、前記第1の偏波状態及び前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有しており、前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入する段階と、前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の前記原子遷移周波数から前記少なくとも2つの基底状態に向けて離調する段階であって、それにより2つのラマン利得ピークが作られ、その結果として2つのラマン利得ピークの間に異常分散の領域が作られる、前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の前記原子遷移周波数から前記少なくとも2つの基底状態に向けて離調する段階と、前記異常分散の領域の中の前記原子蒸気を介して前記第1の偏波状態と反対の第2の偏波状態の前記プローブ・ビームを導入し、その結果前記プローブ・ビームの超光速伝搬を実現する、前記第1の偏波状態と反対の第2の偏波状態の前記プローブ・ビームを導入する段階を有する。
プローブ・ビームの利得利用超光速光伝搬を実現する装置がさらに提供される。
本装置は、原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気と、前記原子蒸気の前記原子を前記少なくとも2つの基底状態の1つとする手段と、第1の周波数及び第1の偏波状態の第1のラマン励起光を、前記原子蒸気を介して導入するための第1のレーザーと、前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入するための第2のレーザーであって、前記第2のラマン励起光は前記第2の偏波状態及び前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する、前記原子蒸気を介して第2のラマン励起光を導入するための第2のレーザーと、前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の前記原子遷移周波数から前記少なくとも2つの基底状態に向けて離調する手段であって、それにより2つのラマン利得ピークが作られ、その結果として2つのラマン利得ピークの間に異常分散の領域が作られる、前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の前記原子遷移周波数から前記少なくとも2つの基底状態に向けて離調する手段と、前記異常分散の領域の中の前記原子蒸気を介して前記第1の偏波状態と反対の第2の偏波状態のプローブ・ビームを導入し、その結果前記プローブ・ビームの超光速伝搬を実現する、第3のレーザーを有する。
プローブ・ビームの利得利用超光速光伝搬を実現する装置は、さらに、内部に前記原子蒸気を収容するクローズド・セルであって前記クローズド・セルは内側の表面により定められる内部を有するクローズド・セルと、前記クローズド・セルの中に、前記第1及び第2のラマン励起光の伝搬方向に平行な磁界を作る手段と、前記クローズド・セルの周りに前記磁界を地球の磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材と、前記クローズド・セルの中の前記原子蒸気の基底状態スピン偏極を維持するために前記クローズド・セルの内側の表面に設けられたコーティングとをさらに有することが望ましい。
上述の方法及び装置の有用な応用を実行する装置がさらに提供される。
第1の有用な応用では、先行する入力光信号の検出用の装置が提供される。
先行する入力光信号の検出用の装置は、前記入力光信号を第1及び第2のビームに分割するビーム・スプリッターと、前記第1のビームが入力される光デバイスと、前記第2のビームを超光速度に加速する手段と、前記加速された第2のビームが入力されるプロセッサであって、前記加速された第2のビームの存在を検出し、前記第1のビームが前記光デバイスに到着するのに先だって前記加速された第2のビームの入力にもとづいて前記光デバイスを制御するプロセッサを有する。
光デバイスは前記第2のビームを少なくとも2つの光回路の1つに切り替える光スイッチを有することが望ましく、プロセッサは前記加速された第2のビームの前記検出にもとづいて前記光スイッチを選択的に制御することが望ましい。
上述の方法及び装置の第2の有用な具体化例において、入力光信号の障害を先行して検出するための装置が提供される。入力光信号の障害を先行して検出するための装置は、前記入力光信号を第1及び第2のビームに分割するビーム・スプリッターと、前記第1のビームの光路内の光デバイスと、前記第2のビームを超光速度に加速する手段と、前記第2の加速されたビーム内の障害を検出し、前記光デバイスにおける前記第1のビームの障害に先だって前記光デバイスを制御するための、前記加速された第2のビームの光路内のプロセッサを有する。
前記障害は、前記入力光信号のデータ誤り、あるいは前記入力光信号の中断のいずれかである。
光デバイスは第2の入力光ビームを受信するように切り替え、第2の入力光ビームを光回路に中継する光スイッチを有することが望ましく、プロセッサは前記加速された第2のビームの前記障害の前記検出にもとづいて、前記光スイッチを選択的に制御することが望ましい。
本発明は以上説明したように構成されていることにより、伝搬する光パルスの形状を維持し、光吸収を最小限度に抑えながら、超光速光伝搬を実現することができる効果がある。
光の負の群速度は、ある程度反直観的であるが、次のように理解できる。
長さLの媒質に対して、光パルスが横断するには伝搬時間L/Vg=ngL/cを要する。真空中の同じ距離を光が横断する伝搬時間、すなわち真空走行時間(vacuum transit time)L/cと比較して、媒質に入射する光パルスは、時間差ΔT=L/vg−L/c=(ng−1)×L/cだけ遅れて出射するであろう。異常分散と呼ばれるngが<1であるとき、遅延時間DTは負であり、結果として先行(advancement)を生ずる。換言すれば、負の光の群速度は物理的意味を有しないという従来の誤解に反して、群屈折率ng<1を有する媒質に入射するとき、光パルスは真空中の同じ距離を光が横断するよりも早く他の面に出現することができる。さらに、群屈折率が負になるとき、パルス先行(pulse advancement)−ΔT=(1−ng)L/cは真空走行時間L/cより大となる。換言すれば、パルスがセルに入る前に、セルを出るかのように見える。このある程度反直観的な現象は光が波である性質の結果であり、アインシュタインの特殊相対性理論及び因果律の原理と矛盾しないことを数学的に明らかにすることが可能である。
無損失異常分散領域の実験的な認識の原則、したがって利得利用超光速性(GAS)を図1(a)に示す。図1(a)は現象の例であり、原子のガス状の媒質は2つ以上の励起状態及び3つ以上の基底状態を有しても良いので、限定的なものではないと考えるべきである。本明細書において、基底状態とは、ガス状の原子蒸気に磁界が印加されたときの、セシウムの超微細基底状態の1つを意味する。図1(a)は、それぞれが3つのレベル、1つの励起状態|0>及び2つの基底状態|1>及び|2>を有する原子のガス状の媒質を示す。すべての原子は、光ポンピングを介して、基底状態|1>であるようにまず準備される。簡単にするために、ドップラー・シフトは無視され、原子は静止していると仮定する。2つの強力な連続波(CW)であるラマン励起光E1及びE2が印加され、原子媒質を介して伝搬する。E1及びE2の周波数、すなわちv1及びv2は、わずかに、たとえば2Δ、だけ異なっており、両方の磁界は原子遷移周波数v01(|0>から|1>)から大きい平均の量Δ0だけ離調されている。磁界E1及びE2と組み合わされたラビ周波数は共通の離調Δ0と比較して小さいので、原子は大部分状態|1>にとどまっている。
プローブ光ビームEpが導入されると、ラマン遷移が生ずることができ、原子に磁界E1あるいはE2からラマン・ポンプ・フォトンを吸収させ、磁界Epにフォトンを出射する一方で、それとほぼ同時に|1>から|2>へ遷移して、その結果、図1(b)に示すように、密接に間隔を置いたラマン利得ピーク201,202を創出する。明らかに、プローブ・フィールドにおける利得が最大になる2つの周波数がある。プローブ・フィールドが、2つのポンプ・フィールドE1及びE2のいずれかにより起きるラマン遷移と共振するとき、最大利得は発生する。したがって、プローブ・フィールドの光磁化率は、次式として導出することができる。
Figure 2005051799
ここで、μ02、Ω1,2、及びNを、それぞれ、|0>から|2>における原子遷移の双極子モーメント、ラマン・ポンプ・フィールドE1及びE2のラビ周波数、及び状態|1>及び|2>の実効原子密度差とすれば、
Figure 2005051799
である。γはラマン遷移逆寿命である。数式(1)で与えられる磁化率を使用して得られた屈折率100及び利得係数200の1例を図1(b)に示す。2つの利得ピーク201、202の間の領域に、異常分散領域102(すなわち、ng<1である)が見られる。
当然ながら、ガス状の原子媒質の中に、光の伝搬方向に異なる速度で動く原子に対して共通の離調(common detuning)Δ0がシフトされるドップラー幅がある。ドップラー幅の効果は2つある。第1に、数式(1)のM−因数は次式により置換される。
Figure 2005051799
ここでN(V)は、速度グループV内の原子の実効密度である。共通の離調Δ0は、ドップラー離調Δ0+v×V/cにより置換される。しかし、ドップラー離調による係数Mの2次従属性が相殺を防止する。第2に、ドップラー型プロファイルの中で、離調Δ0+v×V/cが消失するとき、上式で与えられるMに対する式は特異になると見られる。このことは、実際には以下により自動的に避けられる。
自然の線幅及びパワー・ブロードニングからの寄与を含む一定の線幅未満の離調Δ0+v×V/cを有する原子に対して、これらの速度グループを使い果たす反転された光ポンピング・ビームのようにラマン励起光が作用することにより、上式で与えられるMに対する式が特異になることが避けられる。実効離調Δ0+v×V/cが消失する速度グループ内の原子に対しては、原子数の差N(V)も消失する。
最後に、レベル|1>から汲み出される原子は、広帯域における弱い部分のアブソーバーとして作用する。これは、図1(b)に示す2つのラマン利得ピーク201、202の間の領域のわずかな残留利得を単に補償する。
ここで図2を参照すると、全体として参照番号300で呼ばれる装置が示されている。図2及び本明細書における以下の論議は特定の実施形態を参照しているが、その教示は一般的なものであり、したがって限定的なものではない。本装置は、摂氏30度のセシウム原子を含む原子セシウム(Cs)蒸気セル302を有する。セシウムは、オーブンでの加熱を含む当該技術分野において公知の技術を使用して気化される。セシウムは例として取り上げられただけであり、本発明による範囲を制限するものではない。本発明による範囲あるいは技術思想から逸脱せずに、ルビジウム及び同等物のような、望ましくは、アルカリ金属からの他の原子蒸気が利用できることを、当業者は認めるであろう。
セシウムでは、原子核は、価電子のスピン1/2と結合して全角運動量F=3及びF=4の基底エネルギー準位(すなわち、621/2)状態を作るスピン7/2を有する。これらの状態のエネルギーには、わずかな相違がある。印加される磁界の関数としてのこれらの超微細状態におけるサブ準位のエネルギーは、当該分野において公知である。印加される磁界が零に対して、状態は7つのF=3サブ準位と、9つのF=4サブ準位の2つの超微細状態に分かれる。超微細エネルギーの差によって、これらの状態はエネルギーが異なる。
蒸気セル302は、基底状態スピン偏極(ground state spin polarization)を保つために、パラフィン302aのような当該技術分野において公知の材料で塗布された長さ6センチのパイレックス・ガラス・セルを有することが望ましい。パイレックス以外の他の材料を利用することもできるが、材料は、原子蒸気に反応することができず、実質的に光学的に透過でなければならない。パラフィンは基底状態準位の保存に役立つので、パラフィンがコーティングとして使用される。
蒸気セル302は、光の伝搬方向に平行で、均一で小さい(たとえば、1.0ガウス)磁界303の中に配置される。磁界303は、エネルギー準位が16の磁気的なスプリッティングを作る。スプリッティングの量は当該分野において公知であり、増加する磁界の関数である。磁界は当該技術分野において公知の方法により生成され、その説明は省略する。地球の磁界からの干渉を防止するために、鉛の板であることが望ましい遮蔽部材304により、磁界が遮蔽されていることが望ましい。
第1の領域(I)では、状態|1>(図1(a)参照)として作用する超微細な磁気的サブ準位の基底状態|F=4,m=−4>にセシウム原子を光学的に励起するために、2つのポンピング・レーザー・ビーム306、308が蒸気セル302に導入される。2つのポンピング・レーザー・ビーム306、308は、それぞれレーザー310、312により生成され、鏡314、316により蒸気セル302の中に反射される。第1の四分の一波長板317が、2つのポンピング・レーザー・ビーム306、308の直線偏波を円偏波ビームに変換する。一方のポンピング・レーザー・ビーム306は、狭い線幅のダイオード・レーザー310からの左回り(σ−)偏波であり、6S1/2F=3の超微細な基底状態(図1a参照)を空(empty)にするために、852ナノメートルD2遷移に調整されている。他のポンピング・レーザー・ビーム308も、6P1/2の超微細な励起状態(図1(a)参照)へのD1遷移を介して、蒸気セル302内のセシウム原子を|F=4,m=−4>状態(基底状態|1>)に光学的に励起(pump)するために、左回り(σ−)偏波である。蒸気セル302の中のセシウム原子が、パラフィン302aが塗布されたガラス壁に衝突すると、セシウム原子はドップラー型プロファイル内における速度が変化する一方で、基底状態|F=4,m=−4>に留まり、したがって蒸気セル302の中のセシウム原子の大多数はこの状態に準備される。
第2の領域(II)では、同じレーザー(図示せず)から導出された3つの光ビームは、蒸気セル302を介して共に線形的に伝搬する。2つの強力なCWラマン励起光318は、第1の四分の一波長板317により直線偏波から右回り円偏波(σ+)に変換され、望ましくは2つの音響光学変調器(A/O)(図示せず)を使用して2.7メガヘルツだけ周波数シフトされる。音響光学変調器の帯域幅は、約20キロヘルツであることが望ましい。ラマン励起光318は、偏波コンバイニング・キューブ324を介して送られ、蒸気セル302の中に導かれる。
プローブ・ビーム320と呼ばれる第3の光ビームは、ラマン励起光318とは逆の偏波を有し、第1の四分の一波長板317により直線偏波から左回り円偏波(σ−)に変換されることが望ましく、別の音響光学変調器(図示せず)を使用して周波数を調整し、CW・モードあるいはパルス・モードのいずれかで作動する。プローブ・ビーム320は、偏波コンバイニング・キューブ324によりラマン励起光318の中に反射される。ラマン励起光318及びプローブ・ビーム320は、蒸気セル302の中では単一のビーム322として示されている。あらかじめ空にされた超微細な磁気的サブ準位|F=4,m=−2>は、ラマン遷移最終状態|2>として作用する。この例においては、中間のラマン遷移状態|0>は、6P3/2励起状態の超微細なサブ準位|F=4,m=−3>により主として作用され、|F=3,m=−3>及び|F=5,m=−3>からの超微細なサブ準位を介しての遷移に付加的な寄与を有する。
第1に、ラマン・プローブ・ビームは、原子系(atomic system)の利得及び屈折率をプローブ周波数離調の関数として測定するために、調整可能なCWモードで作動される。図3は、測定した利得係数402及び屈折率404を示す。利得係数402を得るために、送信されたプローブ・ビーム320の強度が、プローブ周波数の関数として測定される。次に利得係数が求められる。屈折率404は、当該技術分野において公知の高周波干渉技術を使用して測定される。重畳された曲線は、利得測定から得られたパラメータを使用して数式(1)から求められる。図示する実施例において、図3から、2つの利得ピーク406、408の間のDn=1.9メガヘルツの狭いプローブ周波数範囲にわたって、屈折率のDn=−1.8×10-6の負の変化が生じており、その結果として異常分散410の領域を生じていることが容易に判る。群屈折率の式を使用して、その周波数領域内で結果、ng=−33O(±30)が得られる。10%の誤差は、位相測定の確度を反映している。
図2に戻ってこれを参照すると、超光速伝搬を観察するために、パルス・ラマン・プローブ・ビームが次に使用される。たとえば、プローブ・ビーム音響光学変調器(図示せず)に電子的パルスを印加することにより、3.7ミリ秒の半値全幅を有する近ガウス・プローブ・パルスが生成される。パルス・プローブ・ビーム320の一部は、蒸気セル302の前のビーム・スプリッター326で分割され、リファレンスとして鏡327によりフォトダイオードD1に合わせられる。プローブ内の原子の総数がプローブ・パルスの正味の最大エネルギー利得を制限するので、飽和を避け、したがって異常分散を最適化するために、非常に弱いプローブ・ビーム(<1μW)が使用される。第2の四分の一波長板330は、円偏波プローブ及びラマン・ビーム320、318をそれぞれ直線偏波に再変換する。蒸気セル302を横断した後に、偏光ビーム・スプリッター328がラマン励起光318を送り、プローブ・ビーム320の一部を第2の光電検出器(D2)に反射する。
蒸気セル302を介して伝搬する弱いプローブ・パルス320を測定するために、第2の光電検出器(D2)は、ブレーク・ダウン以下の逆バイアスがかけられた高感度のアバランシェ・フォトダイオードであることが望ましい。検出器D2により発生した光電流は、望ましくは500オームの負荷抵抗器(図示せず)を使用して電圧信号に変換され、ディジタイジング・オシロスコープ332あるいは、パルス・ジェネレータからの同期出力信号をトリガーとして使用するように装備されたパーソナル・コンピューターにより記録される。検出器D1からのパルスも同様に記録される。
パルス伝搬時間を測定するために、ラマン励起光318及びプローブビーム320を作るダイオード・レーザーは、時間に依存するプローブ・パルス強度を測定するために、まず、852ナノメートルのセシウムD2線から遠い(2.5ギガ・ヘルツだけ)非共振周波数に調整される。レーザーが非共振周波数にされると、原子は効果を有せず、プローブ・パルスは蒸気セル302の中を速度cで伝搬する。ダイオード・レーザーは、次に、ドップラー吸収プロファイル以内に再調整され、ロックされる。同じ同期パルス・ジェネレータ出力信号をトリガーとして使用して、検出器D2により測定された時間に依存するプローブ・パルス強度は記録される。
系統的なドリフトが存在しない証明は、レーザーを同じ量だけ再び非共振周波数に調整し、プローブ・パルス信号を記録することにより行われる。2つの共振しないパルスは、1ns未満まで同一である。共振するプローブ・パルスと共振しないプローブ・パルスを共に図4に示す。共振するプローブ・パルスの例は40%の透過率を示し、このことはそれらの原子の広帯域吸収が|F=4,m=−4>の励起状態から逆に送り込まれることによる。パルス形状500、502に、ほとんど変化がないことは明白である。パルスの立ち上がり間及び立ち下がり区間を、それぞれ挿入図504、506として示す。パルス502の両方のエッジは同じ量だけ前方向にシフトされている。
最小2乗法を使用して、62(±1)nsのパルス先行シフトが得られた。真空中の蒸気セル302の6センチの長さを横断する光に対する0.2nsの伝搬時間と比較して、62nsの先行はng=−310(±5)の実効群屈折率(effective group index)が与えられる。屈折率データから推測される群屈折率の僅かな相違は、実験的な誤差のためである。検出器D1で測定されたパルスも、非共振周波数、共振周波数、非共振周波数、によるパルス伝搬測定が連続して記録され、1.5ns以内で同一であることが判明した。
観察された超光速光伝搬を支配する物理的メカニズムは、従来研究されている、吸収あるいは利得共振(gain resonance)と組み合わされた異常分散とは異なることに注目するべきである。具体的にいうと、正常な利得共振(regular gainresonance)の異常分散領域において、パルスの超光速伝搬は、パルス立ち上がり区間の増幅とパルス立ち下がり区間の吸収の結果であると見なすことができる。本発明による装置の説明において、3.5マイクロ秒(半値全幅)のプローブ・パルスは、僅か120キロヘルツの帯域幅(半値全幅)を有し、これは2つの利得ラインの2.7メガヘルツの間隔よりもはるかに狭く、プローブ・パルスはスペクトル的にこれらの利得ラインの中央に配置されることが望ましい。したがって、プローブパルスは、増幅されるべきラマン利得ラインと共振するスペクトル成分を本質的に含んでいない。したがって、プローブ・パルスがその立ち上がり区間の増幅により先行されるという議論は適用されない。ここで観察された超光速光伝搬は、2つの近傍ラマン利得共振の補助によって創られた異常分散領域のみの結果である。観察された超光速光伝搬は光の波の性質の結果であることが、さらに強調されるべきである。異なる周波数成分の間の干渉がむしろ反直観的なこの効果を作る異常分散領域内の波の伝搬の古典的理論により、それは理解できる。
観察された超光速光パルス伝搬は因果律あるいは特殊相対性理論と異なるものではないことが、さらに指摘されるべきである。実際に、数式(1)で与えられる無損失異常分散領域の存在そのものが、それ自身が電磁気的応答の因果律必要条件にもとづくクラマース・クローニッヒの関係式の結果である。珍しいことに、本発明においては、パルス前面の半分の点が進む速度として定義される光パルスの信号速度も、真空中の光の速度cを超える。当然ながら、情報が光パルスにより運ばれる真の速度は、cを超えないことが示されている階段関数状の信号の「正面」速度として定義されるべきであることも、示唆されている。しかし、この定義は、普通の実験室の信号発生及び検出操作と一致するとは見えない。
ここで図5を参照すると、装置300を有する先行信号処理装置600が示されている。しかし、この実施例のみに対しては、装置300は検出器D1及びD2あるいはオシロスコープ332を有する必要はない。先行信号処理装置600は、入ってくるプローブ・ビーム及び出ていくプローブ・ビームを比較する必要はなく、装置300を抜け出る超光速プローブ・ビームを単に利用している。たとえば、プローブ・ビームが超光速度を実現していることを連続して検証する必要はない。装置600の中に入射する光信号602は、ビーム・スプリッター604により、第1及び第2のビーム606、608に、それぞれ分割される。第1のビーム606は、処理のために光スイッチのような光デバイス609に導かれる。第2のビーム608(図2におけるプローブ・ビーム320)は実験設備300に入射し、その結果、超光速ビーム610と呼ばれる超光速度で抜け出る。その超光速度のために、ビーム606が光デバイス609に到達する前に、超光速ビーム610はプロセッサ607の中に入射する。プロセッサ607は、超光速ビーム610を検出し、第1のビーム606が光デバイス609に到着するときに、第1のビーム606を他の光回路(図示せず)に送るような、第1のビーム606の処理を行うために光デバイス609に信号を出力する。
先行信号処理装置に入射するすべての光信号が装置609により処理される必要がないことは、当業者には明白である。入力光信号を選択的に処理することが望ましいこともある。装置609により処理されるべき信号に対して入力光信号を選択的に分割することにより、あるいは、すべての入力信号を分割し、光デバイス609で処理されるべき信号に対して光デバイス609への制御信号のみを出力することにより、これを達成することができる。
装置600は、障害が光デバイス609で判明するに先だって、入力光信号602の障害を検出するために使用することもできる。この変形において、プロセッサ607は、超光速ビーム610の形状が保存されるので超光速ビーム610内の誤りを検出することができ、あるいは入力光信号の中断を検出することができ、また、何らかの修正動作を行うために、光デバイス609において障害が発生する前に光デバイス609に信号を出力することができる。たとえば、光デバイス609がスイッチであれば、障害が修復されるまで、スイッチは補助入力光信号に切り替えることができる。したがって、光信号の障害は光デバイスで発生する前に「予測する」ことができ、修正動作が常に行われることを前提に、修正動作を行うことにより無障害信号を保証する。
本発明による好適実施例と考えられるものを示し説明したが、本発明による技術思想から逸脱することなく、形式あるいは細部のさまざまな修正及び変更が容易に行えることは、当然理解されよう。したがって、本発明は説明し例示した正確な形式に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内に含まれるすべての修正を含むように、構成されていると解釈される。
上述した本発明による方法は純粋な波動現象として説明を行ったが、このことは、電子回路の電磁波に適用できることを示している。本発明を用いた応用例としては、例えば、光回路もしくは電気回路におけるクロック信号の遅延(スキュー)の補償が考えられ、また、本発明を光ICに適用することも考えられ、このように構成してもよい。
本発明は光通信において、信号光に宛先のデータをのせ、行き先の経路を自分でスイッチして進んでいくようなシステムの実現を可能とする。インターネットの光版であって、このようなシステムの実現はますます期待されている。このようなシステムを実現するには、従来の技術を用いるとすれば、波長λ1の信号光の先頭に波長λ2のアドレス光を付与して光ファイバ中を伝送させることとなる。先頭のアドレス光のみが、図5におけるビームスプリッター604に相当する波長フィルターによってフィルタリングされ、受光素子で電気信号に変換された後にプロセッサに入力される。プロセッサでは入力信号を解読し、光デバイス(光スイッチ)の経路の設定がなされる。
従来技術を用いた場合には、アドレス光は当然ながら時間軸上で信号光の前方に置かなければならない。具体的には、プロセッサがアドレス情報を解読して経路設定を行うのに必要な時間分だけ前方に置かなければならない。ところがこのような方法は必ずしも好ましいものではない。なぜならば、経路設定にどのくらいの時間が必要かは、光デバイス(光スイッチ)の種類によって異なるからである。したがって、送り手がそのことを考慮してアドレス光の時間軸上での位置を決定することは容易ではなく、送り手がその位置関係をきにすることなく同じタイミングで送れるようになっていることが望ましい。
上記のことを実現するためには、光デバイス(光スイッチ)の自体がアドレス光を検出して、信号光に対して必要な時間分だけ早めることができるように構成されていることが望ましく、本発明はこのようなことを実現することができる。
(a)は利得利用超光速性(GAS)を概略原子準位図で示す図、(b)は周波数に依存する利得係数及び図1aに示すレベル構造を有する原子媒質を介して伝搬するプローブ光ビームに対する屈折率を表すグラフである。 蒸気セル(vapor cell)を介して超光速光伝搬を実現するための装置を示す図である。 測定された屈折率及び実験的に得られたパラメータν1、ν2及びΥを有する利得係数を表すグラフを示す図である。 図2の装置を横断する光パルスに対する測定されたパルス先行(pulse advancement)を表すグラフを示す図である。 図2の装置を有する先行信号処理装置(advance signal processing apparatus)の概念図を示す図である。

Claims (10)

  1. 入力光信号の先行検出装置であって、
    前記入力光信号を第1及び第2のビームに分割するビーム・スプリッターと、
    前記第1のビームが入力される光デバイスと、
    前記第2のビームを超光速度に加速する手段と、
    前記加速された第2のビームが入力されるプロセッサであって、前記プロセッサは、前記加速された第2のビームの存在を検出し、前記第1のビームが前記光デバイスに到着するのに先だって前記加速された第2のビームの入力にもとづいて前記光デバイスを制御するプロセッサを有する入力光信号の先行検出装置。
  2. 前記光デバイスは、前記第2のビームを少なくとも2つの光回路の1つに切り替える光スイッチを有する請求項1記載の入力光信号の先行検出装置。
  3. 前記プロセッサは、前記加速された第2のビームの前記検出にもとづいて前記光スイッチを選択的に制御する請求項2記載の入力光信号の先行検出装置。
  4. 前記第2のビームを超光速度に加速する手段は、
    原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気と、前記原子蒸気の前記原子を前記少なくとも2つの基底状態の1つに準備する手段と、
    第1の周波数及び第1の偏波の第1のラマン励起光を前記原子蒸気を介して導入する第1のレーザーと、
    前記原子蒸気を介して前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する第2のラマン励起光を導入する第2のレーザーと、
    前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の励起状態から1つの基底状態までの原子遷移周波数よりも大きな量離調する手段であって、それにより2つのラマン利得ピークが作られ、その結果として2つのラマン利得ピークの間に異常分散の領域を作る手段と、
    前記異常分散の領域の中の前記原子蒸気を介して前記第1の偏波と反対の第2の偏波の前記第2のビームを導入し、その結果前記第2のビームの超光速伝搬を実現する手段を有する請求項1記載の入力光信号の先行検出装置。
  5. 入力光信号の障害の先行検出装置であって、
    前記入力光信号を第1及び第2のビームに分割するビーム・スプリッターと、
    前記第1のビームの光路内の光デバイスと、
    前記第2のビームを超光速度に加速する手段と、
    前記第2の加速されたビーム内の障害を検出し、前記光デバイスにおける前記第1のビームの障害に先だって前記光デバイスを制御するための、前記加速された第2のビームの光路内のプロセッサ、を有する入力光信号の障害の先行検出装置。
  6. 前記光デバイスは、第2の入力光ビームを受信するように切り替え、第2の入力光ビームを光回路に中継する光スイッチを有する請求項5記載の入力光信号の障害の先行検出装置。
  7. 前記プロセッサは、前記加速された第2のビームの前記障害の前記検出にもとづいて、前記光スイッチを選択的に制御する請求項6記載の入力光信号の障害の先行検出装置。
  8. 前記第2のビームを超光速度へ加速する前記手段は、
    原子遷移周波数及び少なくとも2つの基底状態を有する原子蒸気と、前記原子蒸気の前記原子を前記少なくとも2つの基底状態の1つに準備する手段と、
    第1の周波数及び第1の偏波の第1のラマン励起光を前記原子蒸気を介して導入する第1のレーザーと、
    前記原子蒸気を介して前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する第2のラマン励起光を導入する第2のレーザーと、
    前記第1及び第2のラマン励起光を前記原子蒸気の励起状態から1つの基底状態までの原子遷移周波数よりも大きな量離調する手段であって、それにより2つのラマン利得ピークが作られ、その結果として2つのラマン利得ピークの間に異常分散の領域を作る手段と、前記異常分散の領域の中の前記原子蒸気を介して前記第1の偏波と反対の第2の偏波の前記第2のビームを導入し、その結果前記第2のビームの超光速伝搬を実現する手段を有する請求項5記載の装置。
  9. 前記障害は、前記入力光信号のデータ誤りである請求項5記載の入力光信号の障害の先行検出装置。
  10. 前記障害は、前記入力光信号の中断である請求項5記載の入力光信号の障害の先行検出装置。
JP2004250522A 2000-07-06 2004-08-30 入力光信号の先行検出装置および入力光信号の障害の先行検出装置 Pending JP2005051799A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US21607900P 2000-07-06 2000-07-06
US61786200A 2000-07-17 2000-07-17

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001200757A Division JP3716916B2 (ja) 2000-07-06 2001-07-02 原子蒸気の中に異常分散の領域を作る方法及び装置、利得利用超光速光伝搬の方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005051799A true JP2005051799A (ja) 2005-02-24

Family

ID=26910626

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001200757A Expired - Fee Related JP3716916B2 (ja) 2000-07-06 2001-07-02 原子蒸気の中に異常分散の領域を作る方法及び装置、利得利用超光速光伝搬の方法及び装置
JP2004250522A Pending JP2005051799A (ja) 2000-07-06 2004-08-30 入力光信号の先行検出装置および入力光信号の障害の先行検出装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001200757A Expired - Fee Related JP3716916B2 (ja) 2000-07-06 2001-07-02 原子蒸気の中に異常分散の領域を作る方法及び装置、利得利用超光速光伝搬の方法及び装置

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP1178581A3 (ja)
JP (2) JP3716916B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5367663B2 (ja) * 2010-09-09 2013-12-11 株式会社東芝 量子情報処理方法及び量子情報処理装置
JP5367666B2 (ja) * 2010-09-21 2013-12-11 株式会社東芝 誘導ラマン断熱通過の操作方法及び位相ゲート操作の方法
US10989811B2 (en) * 2019-03-29 2021-04-27 Honeywell International Inc. Image sensing using atomic vapor cell assemblies
CN112729355B (zh) * 2020-12-24 2023-03-17 华中光电技术研究所(中国船舶重工集团公司第七一七研究所) 一种适用于原子干涉仪的标定拉曼光入射角度的方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1178581A3 (en) 2004-09-29
EP1178581A2 (en) 2002-02-06
JP2002049063A (ja) 2002-02-15
JP3716916B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dogariu et al. Transparent anomalous dispersion and superluminal light-pulse propagation at a negative group velocity
Gebs et al. High-speed asynchronous optical sampling with sub-50fs time resolution
Bartels et al. Femtosecond time-resolved optical pump-probe spectroscopy at kilohertz-scan-rates over nanosecond-time-delays without mechanical delay line
Arkhipov et al. Experimental determination of the unipolarity of pulsed terahertz radiation
Shi et al. Review of low timing jitter mode-locked fiber lasers and applications in dual-comb absolute distance measurement
US9625323B2 (en) Method for determining the relative temporal position of electromagnetic pulses and determination device
McDonald Negative group velocity
KR20220040053A (ko) 원자 앙상블에서 주파수 간격 얽힘과 편광 얽힘 광자쌍 생성 시스템 및 생성 방법
JP3598375B2 (ja) テラヘルツ電磁波時間分解分光装置
CN110731052A (zh) 光学频率梳偏移频率的量子干涉检测
EP2951896B1 (en) Burst-laser generator using an optical resonator
JP3716916B2 (ja) 原子蒸気の中に異常分散の領域を作る方法及び装置、利得利用超光速光伝搬の方法及び装置
Theuer et al. Terahertz generation in an actively controlled femtosecond enhancement cavity
Mi et al. Active stabilization of terahertz waveforms radiated from a two-color air plasma
Sargsyan et al. The effect of electromagnetically induced transparency in a potassium nanocell
Dolan et al. Effects and mitigation of pulsed power radiation on optical fiber velocimetry
Luiten et al. Detection of vacuum birefringence using intense laser pulses
Benis et al. Nondegenerate, transient nonlinear refraction of indium tin oxide excited at epsilon-near-zero
KR101540541B1 (ko) 펨토초 레이저 발생장치 및 그와 연동하는 도막두께 측정장치
WO2013120832A1 (en) Rapid optical delay scanning method and apparatus using time dependence of acousto-optic diffraction
KR101880440B1 (ko) 레이저 주파수 안정화 방법 및 장치
JP7000117B2 (ja) ノイズ低減装置およびそれを有する検出装置
Akagi et al. Demonstration of the stabilization technique for nonplanar optical resonant cavities utilizing polarization
JP2017075923A (ja) 計測装置
JP2016085396A (ja) 短光パルス発生装置、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置、および計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050224

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050224

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070711

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071107