JP2005050959A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートシンクの側面に付着する樹脂バリを除去する。
【解決手段】半導体装置の製造において、ヒートシンク上に配置された半導体チップを封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法に基づいて形成する(a)工程と、前記ヒートシンクの前記樹脂封止体から突出する突出部を切断する(a)工程とを有し、
前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面に前記樹脂封止体と連なる樹脂バリが形成され、前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有する。
【選択図】 図17
【解決手段】半導体装置の製造において、ヒートシンク上に配置された半導体チップを封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法に基づいて形成する(a)工程と、前記ヒートシンクの前記樹脂封止体から突出する突出部を切断する(a)工程とを有し、
前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面に前記樹脂封止体と連なる樹脂バリが形成され、前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有する。
【選択図】 図17
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、ヒートシンクを備えた半導体装置の製造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高放熱性が要求される半導体装置として、例えばヒートシンクを備えた半導体装置が知られている。この種の半導体装置の製造においては、低コスト化を図るため、1枚の金属板に所定の加工を施してリード及びこのリードよりも厚いヒートシンクを一体に形成したリードフレーム(以下、異形条リードフレームと呼ぶ)が使用されている。異形条リードフレーム及びそれを用いた半導体装置の製造については、例えば特開2000−49184号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−49184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、異形条リードフレームを用いたHSOP(with Heat sink Small Outline Package)型半導体装置の製造について検討した結果、以下の問題点を見出した。
【0005】
HSOP型半導体装置は、樹脂封止体の裏面からヒートシンクを露出させたパッケージ構造になっており、ヒートシンクは、半導体チップと共に樹脂封止体によって封止される第1の部分(本体部)と、この第1の部分に連なり、かつ樹脂封止体の側面から突出する第2の部分(突出部)とを有する構成になっている。
【0006】
このようなパッケージ構造のHSOP型半導体装置は、リード及びヒートシンクを有する異形条リードフレームを準備する工程、ヒートシンクの第1の部分の主面に半導体チップを接着固定する工程、半導体チップの電極とリードのインナー部とをボンディングワイヤで電気的に接続する工程、半導体チップ、リードのインナー部、ボンディングワイヤ、ヒートシンクの第1の部分等を樹脂封止して樹脂封止体を形成する工程、リード間のタイバーを含む不要部分を切断する工程、ヒートシンクの第2の部分を切断する工程、リードのアウター部にメッキ層を形成する工程、リードのアウター部を切断して所定の形状に成形する工程、ヒートシンクの第2の部分に連なる吊りリードを切断する工程等の各工程を経て製造される。
【0007】
樹脂封止体は、大量生産に好適なトランスファ・モールディング法で形成される。具体的には、成形金型に異形条リードフレームを位置決めし、その後、成形金型のキャビティの中に例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂を注入することによって形成される。
【0008】
成形金型は、樹脂封止体の側面からヒートシンクの第2の部分が突出するパッケージ構造にするため、ヒートシンクの第2の部分が嵌め込まれる(装着される)凹部を有している。この凹部は、ヒートシンクの着脱を容易にするため、ヒートシンクの第2の部分よりも大きい外形サイズになっており、しかも、樹脂が注入されるキャビティと連なっている。従って、樹脂封止工程において、ヒートシンクの第2の部分の側面に樹脂封止体と連なる樹脂バリ(樹脂性異物)が形成される。
【0009】
一方、樹脂封止工程の後、樹脂封止体の側面から突出するヒートシンクの第2の分部の先端部を切断して除去する切断工程が施される。この切断工程において、切断時のストレスによりヒートシンクの第2の部分の側面に付着する樹脂バリに亀裂が入り、落ちたり、落ちないでヒートシンクの第2の部分の側面に残ったりする。そして、残ったものがリードフレームの搬送中に落下して搬送不良を招く要因となったり、半導体装置の実装工程において実装基板に落下して実装不良を招く要因となったりする。
【0010】
ヒートシンクの第2の部分に付着する樹脂バリは、レーザや液体ホーニング等の手法で除去することができるが、手間が掛かり、しかも樹脂封止体へのダメージがあるため、歩留まりの低下、そして製造コストの増大を招く。
【0011】
本発明の目的は、ヒートシンクの側面に付着する樹脂バリを除去する技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0013】
(1)半導体装置の製造において、
ヒートシンク上に配置された半導体チップを封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法に基づいて形成する(a)工程と、
前記ヒートシンクの前記樹脂封止体から突出する突出部を切断する(a)工程とを有し、
前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面に前記樹脂封止体と連なる樹脂バリが形成され、
前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有する。
【0014】
(2)前記手段(1)に記載の前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面には、前記ヒートシンクよりも厚さの薄い吊りリードが連結されており、前記樹脂バリは、前記ヒートシンクの突出部の側面及び前記吊りリードに付着しており、
前記(a)工程の後であって、前記(b)工程の前に、前記吊りリードから前記樹脂バリを剥がす工程を更に有する。
【0015】
(3)前記手段(2)に記載の前記樹脂バリを剥がす工程は、前記吊りリードに曲げ加工を施すことによって行う。
【0016】
(4)半導体装置の製造において、
第1の部分及びこの第1の部分に連なる第2の部分を有するヒートシンクと、前記ヒートシンクの第2の部分の側面に連なり、かつ前記ヒートシンクよりも厚さが薄い吊りリードとを有するリードフレームを準備する(a)工程と、
前記ヒートシンクの第1の部分に搭載された半導体チップ、及び前記ヒートシンクの第1の部分を封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法に基づいて形成する(b)工程と、
前記樹脂封止体に連なり、かつ前記ヒートシンクの第2の部分の側面及び前記吊りリードに付着して形成された樹脂バリを、前記樹脂バリから離間する方向に前記吊りリードに曲げ加工を施すことによって前記吊りリードから剥がす(c)工程と、
前記樹脂バリに近づく方向に前記吊りリードに曲げ加工を施す(d)工程とを有する。
【0017】
(5)前記手段(4)に記載の前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本実施形態では、SOP型半導体装置に本発明を適用した例について説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の半導体装置の外観構造を示す模式的平面図(上面図)、
図2は、本実施形態の半導体装置の外観構造を示す模式的底面図(下面図)、
図3は、本実施形態の半導体装置の内部構造を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)、
図4は、本実施形態の半導体装置の製造に用いられるリードフレームの一部を示す模式的平面図、
図5は、図4の一部を拡大した模式的平面図、
図6は、図5の一部の構成を拡大して示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)、
図7は、図5の一部の構成を拡大して示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のb−b線に沿う模式的断面図)である。
【0020】
図1、図2、及び図3(a),(b)に示すように、本実施形態の半導体装置1は、半導体チップ2、複数のリード4からなる第1及び第2のリード群4s、ヒートシンク5、複数のボンディングワイヤ6、並びに樹脂封止体7等を有するパッケージ構造になっている。半導体チップ2、第1及び第2のリード群4sの複数のリード4、ヒートシンク(支持基板)5、複数のボンディングワイヤ6等は、樹脂封止体7によって樹脂封止されている。
【0021】
半導体チップ2は、図3(a)に示すように、その厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態では例えば長辺及び短辺を有する長方形になっている。半導体チップ2は、これに限定されないが、例えば、半導体基板、この半導体基板の主面に形成された複数のトランジスタ素子、前記半導体基板の主面上において絶縁層、配線層の夫々を複数段積み重ねた多層配線層、この多層配線層を覆うようにして形成された表面保護膜(最終保護膜)等を有する構成になっている。絶縁層は、例えば酸化シリコン膜で形成されている。配線層は、例えばアルミニウム(Al)、又はアルミニウム合金、又は銅(Cu)、又は銅合金等の金属膜で形成されている。表面保護膜は、例えば、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜等の無機絶縁膜及び有機絶縁膜を積み重ねた多層膜で形成されている。
【0022】
半導体チップ2は、図3(a),(b)に示すように、互いに反対側に位置する主面(回路形成面)及び裏面を有し、半導体チップ2の主面側には集積回路が構成されている。集積回路は、主に、半導体基板の主面に形成されたトランジスタ素子、及び多層配線層に形成された配線によって構成されている。
【0023】
半導体チップ2の主面には、複数のボンディングパッド(電極)3が形成されている。複数のボンディングパッド3は、半導体チップ2の主面の互いに反対側に位置する2つの辺(本実施形態では2つの長辺)に沿って配置されている。複数のボンディングパッド3は、半導体チップ2の多層配線層のうちの最上層の配線層に形成され、各々のボンディングパッド3に対応して半導体チップ2の表面保護膜に形成されたボンディング開口から露出している。
【0024】
樹脂封止体7は、図1及び図2に示すように、厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態では例えば長辺及び短辺を有する長方形になっている。樹脂封止体7は、図1、図2及び図3(b)に示すように、互いに反対側に位置する主面(上面)7x及び裏面(下面,実装面)7yを有し、樹脂封止体7の平面サイズ(外形寸法)は、半導体チップ2の平面サイズ(外形寸法)よりも大きくなっている。
【0025】
樹脂封止体7は、低応力化を図る目的として、例えば、フェノール系硬化剤、シリコーンゴム及びフィラー等が添加されたビフェニール系の熱硬化性樹脂で形成されている。樹脂封止体7の形成方法としては、大量生産に好適なトランスファモールディング法を用いている。トランスファモールディング法は、ポット、ランナー、樹脂注入ゲート、及びキャビティ等を備えた成形金型(モールディング金型)を使用し、ポットからランナー及び樹脂注入ゲートを通してキャビティの内部に熱硬化性樹脂を注入して樹脂封止体を形成する方法である。
【0026】
第1及び第2のリード群4sは、図1、図2、及び図3(a)に示すように、樹脂封止体7の2つの長辺に対応して配置され、各リード群4sの複数のリード4は、樹脂封止体7の長辺に沿って配列されている。また、各リード群4sのリード4は、図3(a),(b)に示すように、樹脂封止体7の内外に亘って延在し、樹脂封止体7の内部に位置する内部リード部(インナーリード)と、この内部リード部と一体に形成され、かつ樹脂封止体7の外部に位置する外部リード部(アウターリード)とを有する構成になっている。各リード4の外部リード部は、例えば面実装型リード形状の1つであるガルウィング形状に曲げ成形されている。
【0027】
半導体チップ2の複数のボンディングパッド3は、第1及び第2のリード群4sの複数のリード4と夫々電気的に接続されている。本実施形態において、半導体チップ2のボンディングパッド3とリード4との電気的な接続は、例えば、図3(a),(b)に示すように、ボンディングワイヤ6で行われており、ボンディングワイヤ6の一端部は、半導体チップ2のボンディングパッド3に接続され、ボンディングワイヤ6の一端部と反対側の他端部は、半導体チップ2の周囲において、リード4の内部リード部に接続されている。ボンディングワイヤ6としては、例えば金(Au)ワイヤを用いている。また、ワイヤ6の接続方法としては、例えば熱圧着に超音波振動を併用したネイルヘッドボンディング(ボールボンディング)法を用いている。
【0028】
ヒートシンク5は、図3(a),(b)に示すように、互いに反対側に位置する主面(上面)5x及び裏面(下面,実装面)5yを有し、その裏面5yは樹脂封止体7の裏面7yから露出している。
【0029】
ヒートシンク5は、図2及び図3(a)に示すように、半導体チップ2と共に樹脂封止体7によって樹脂封止される第1の部分(本体部)5aと、この第1の部分に連なり、かつ樹脂封止体7の側面から突出する第2の部分(突出部)5bとを有する構成になっている。本実施形態において、第2の部分5bは2つ設けられ、この2つの第2の部分5bは、樹脂封止体7の互いに反対側に位置する2つの短辺から夫々突出している。
【0030】
図3(b)に示すように、ヒートシンク5は、リード4よりも厚さが厚くなっており、本実施形態において、ヒートシンク5の厚さは例えば1.26mm程度、リード4の厚さは例えば0.3mm程度になっている。リード4のインナー部の先端は、ヒートシンク5の主面5xよりも樹脂封止体7の主面7x側に位置している。
【0031】
次に、半導体装置1の製造に使用される異形条リードフレームについて、図4乃至図7を用いて説明する。
【0032】
図4に示すように、リードフレームLFは、例えば、外枠部及び内枠部を含むフレーム本体(支持体)10で区画された複数の製品形成領域(デバイス形成領域)11を一方向に沿って配置した多連構造になっている。各製品形成領域11には、図5に示すように、複数のリード4からなる第1及び第2のリード群4sと、1つのヒートシンク5が配置されている。
【0033】
ヒートシンク5は、その厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態では長方形になっている。ヒートシンク5は、樹脂封止体によって封止される第1の部分5aと、この第1の部分5aに連なり、かつ樹脂封止体の側面から突出する2つの第2の部分5bとを有する構成になっている。2つの第2の部分5bは、ヒートシンク5の長手方向の両側に設けられている。
【0034】
第1のリード群4sは、ヒートシンク5の一方の長辺の外側に配置され、第2のリード群4sは、ヒートシンク5の他方の長辺の外側に配置されている。
【0035】
各リード群4sにおいて、複数のリード4は、中間部がダムバー13によって互いに連結され、先端部と反対側が連結バー14によって互いに連結されている。連結バー14は、オフセットバー15及び16を介してフレーム本体10に連結されている。
【0036】
ヒートシンク5は、4本の吊りリード12を介してフレーム本体10に連結されている。4本の吊りリード12のうち、2本は、一端部がヒートシンク5の一方の第2の部分5bの互いに反対側に位置する2つの側面に別々に連結され、一端部と反対側の他端部がフレーム本体10に連結されている。他の2本は、一端部がヒートシンク5の他方の第2の部分5bの互いに反対側に位置する2つの側面に別々に連結され、一端部と反対側の他端部がフレーム本体10に連結されている。
【0037】
リードフレームLFは、図6及び図7に示すように、薄手部分と、この薄手部分よりも厚い厚手部分とを有し、リード4、フレーム本体10、吊りリード(支持リード)12、ダムバー13、連結バー14、オフセットバー15,16等は厚手部分で形成され、ヒートシンク5は厚手部分で形成されている。リード4、タイバー13及び連結バー14は、板厚方向の位置がフレーム本体10よりも上方に位置するようにオフセットバー15,16によってオフセットされている。吊りリード12は、ヒートシンク5の主面5xと同一側の面がヒートシンク5の主面5xと段差を生じることなく平面的に平らになるようにヒートシンク5の第2の部分5aの側面に連結されている。吊りリード12は、樹脂封止体を形成する時の樹脂の漏れを堰き止めるダムバーを兼ねている。ヒートシンク5の第2の部分5bには、この第2の部分5bの切断を容易にする目的としてスリット8が設けられている。
【0038】
このように構成された異形条リードフレームLFは、例えば、Cuを主成分とする金属板にプレス加工を施して所定のパターンのリード及びヒートシンクを形成した後、リードの位置をオフセットするプレス加工を施すことによって形成される。
【0039】
次に、半導体装置1の製造に使用される成型金型について、図8乃至図10を用いて説明する。
【0040】
図8は、本実施形態の半導体装置の製造に用いられる成形金型において、下型の構成を示す模式的平面図であり、
図9は、図8の一部を拡大した模式的平面図であり、
図10は、本実施形態の半導体装置の製造に用いられる成形金型において、上型の構成を示す模式的平面図である。
【0041】
図8乃至図10に示すように、成型金型20は、これに限定されないが、上下に分割された上型20a(図10参照)及び下型20b(図8,9参照)を有し、更に、ポット、カル部、ランナー、樹脂注入ゲート、キャビティ21(図13,14参照)、エアーベント等を有する構成になっている。成形金型20は、上型20aの規準面(合わせ面)22aと、下型20bの規準面(合わせ面)22bとの間にリードフレームLFを位置決めする。樹脂が注入されるキャビティ21は、上型20aの規準面22aと下型20bの規準面22bとを向かい合わせた時、上型20a及び下型20bによって構成される。本実施形態において、成型金型20のキャビティ21は、これに限定されないが、例えば上型20aに設けられた凹部21a及び下型20bに設けられた凹部21bによって構成される。
【0042】
成形金型20の下型20bは、樹脂封止体7の側面からヒートシンク5の第2の部分5bが突出するパッケージ構造にするため、図8及び図9に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bが嵌め込まれる(装着される)凹部25を有している。この凹部25は、ヒートシンク5の着脱を容易にするため、ヒートシンク5の第2の部分5bよりも大きい外形サイズになっており、しかも、樹脂が注入されるキャビティ21を構成する凹部21bと連なっている。
【0043】
凹部25には、凹部21bとの付け根部に、平面的に凹部25の内側に突出する突起部24が設けられている。この突起部24はヒートシンク5の2つの第2の部分5bの各々の側面に対応して4つ設けられている。
【0044】
下型20b及び上型20aには、成形金型20にリードフレームLFを位置決めした時、リードフレームLFを押さえるフレーム押さえ部(23b,23a)が設けられており、フレーム押さえ部23bは下型20bの規準面22bよりも突出しており、フレーム押さえ部23aは上型20aの規準面22aよりも突出している。
次に、半導体装置1の製造について、図11乃至図23を用いて説明する。
【0045】
図11は、本実施形態の半導体装置の製造において、ワイヤボンディング工程を示す模式的平面図であり、
図12は、本実施形態の半導体装置の製造工程中のモールディング工程において、成形金型にリードフレームを位置決めした状態を示す模式的平面図であり、
図13は、図12のa−a線に沿う模式的断面図であり、
図14は、図12のb−b線に沿う模式的断面図であり、
図15は、本実施形態の半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的平面図(上面図)であり、
図16は、本実施形態の半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的底面図(下面図)であり、
図17は、図16の一部を拡大した模式的底面図(下面図)であり、
図18は、図17のa−a線に沿う模式的断面図であり、
図19は、図17のb−b線に沿う模式的断面図てあり、
図20は、本実施形態の半導体装置の製造において、ダムバー切断工程を示す模式的平面図であり、
図21は、本実施形態である半導体装置の製造において、第1の吊りリード曲げ工程を示す模式的断面図であり、
図22は、本実施形態である半導体装置の製造において、第2の吊りリード曲げ工程を示す模式的断面図であり、
図23は、本実施形態の半導体装置の製造において、ヒートシンク切断工程を示す模式的底面図である。
【0046】
まず、図4乃至図7に示すリードフレームLFを準備し、その後、図11に示すように、ヒートシンク5の第1の部分5aの主面5xに半導体チップ2を接着固定し、その後、図11に示すように、半導体チップ2の複数のボンディングパッド3と複数のリード4とを複数のボンディングワイヤ6で夫々電気的に接続する。
【0047】
次に、図12乃至図14に示すように、成形金型20の上型20aと下型20bとの間にリードフレームLFを位置決めする。
【0048】
リードフレームLFの位置決めは、キャビティ21の内部に、半導体チップ2、リード4、ヒートシンク5、ボンディングワイヤ6等が位置する状態で行われる。
【0049】
また、リードフレームLFの位置決めは、キャビティ21の内面にヒートシンク5の裏面5yを接触させた状態で行われる。
【0050】
また、リードフレームLFの位置決めは、下型20bの凹部21bにヒートシンク5の第1の部分5aが位置し、下型20bの凹部25にヒートシンク5の第2の部分2bを嵌め込んだ状態で行われる。
【0051】
また、リードフレームLFの位置決めは、ヒートシンク5の第2の部分5bが上型20aの基準面22bで覆われ、かつ圧接された状態で行われる。
【0052】
また、リードフレーム5の位置決めは、下型20bのフレーム押さえ部23bと上型20aのフレーム押さえ部22aとでリード4、ダムバー13等をクランプした状態で行われる。
【0053】
この工程において、凹部25は、ヒートシンク5の第2の部分5bよりも大きい平面サイズになっているため、ヒートシンク5の第2の部分5bと凹部25との間に隙間が生じる。
【0054】
次に、前述のようにリードフレームLFを位置決めした状態で、成形金型20のポットからカル部、ランナー及び樹脂注入ゲートを通してキャビティ21の内部に例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂を注入して樹脂封止体7を形成する。
【0055】
この工程において、半導体チップ2、複数のリード4のインナー部、ヒートシンク5の第1の部分5a、複数のボンディングワイヤ6等は、樹脂封止体7によって封止される。
【0056】
また、図15及び図16に示すように、樹脂封止体7の短辺側の各々の側面からヒートシンク5の第2の部分5bが突出し、かつ樹脂封止体7の裏面7yからヒートシンク5の裏面5Yが露出したパッケージが形成される。
【0057】
また、この工程において、図15乃至図18に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面に樹脂封止体7と連なる樹脂バリ(樹脂性異物)7aが形成されるが、成型金型20の凹部25には突起部24が設けられているため、樹脂バリ7aは、図17及び図19に示すように、樹脂封止体7との付け根部に括れ部(凹み部)17を有している。
【0058】
また、この工程において、図19に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面には、ヒートシンク5よりも厚さの薄い吊りリード12が連結されているため、樹脂バリ7aは、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面及び吊りリード12に付着(厚手部分と薄手部分の2カ所に接して付着)している。
【0059】
次に、図20に示すように、ダムバー13を含む不要部分を切断して除去し、その後、図21に示すように、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12に曲げ加工を施して、吊りリード12から樹脂バリ7aを剥がす。本実施形態では、吊りリード12の下側から突き上げて曲げ加工を施す。
【0060】
次に、図22に示すように、樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12に曲げ加工を施す。本実施形態では、吊りリード12の上側から押して曲げ加工を施す。
【0061】
この工程において、樹脂バリ7aを吊りリード12で押すように吊りリード12に曲げ加工を施すことにより、樹脂バリ7aの括れ部17に応力が集中し、この括れ部17に亀裂が入り、図22に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bから樹脂バリ7aが剥がれ落ちるため、第2の部分5bの側面から樹脂バリ7aを除去することができる。
【0062】
なお、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12を曲げる第1の曲げ工程、及び樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12を曲げる第2の曲げ工程は、ダムバー13を切断する切断金型によって行われる。
【0063】
次に、図23に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bの一部を切断して除去し、その後、リード4のアウター部にメッキ層を形成し、その後、連結バー14及び15を切断してフレーム本体10からリード4のアウター部を分離し、その後、リード4のアウター部を所定の形状(例えばガルウィング形状)に曲げ成型し、その後、ヒートシンク5から吊りリード12を切断することにより、図1乃至図3(a),(b)に示す半導体装置1がほぼ完成する。
【0064】
このように、本実施形態によれば、樹脂バリ7aの樹脂封止体7との付け根部に括れ部17(図17参照)を設け、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12に曲げ加工を施して吊りリード12から樹脂バリ7aを剥がし、その後、樹脂バリ7aを吊りリード12で押すように、樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12に曲げ加工を施す。これにより、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面から樹脂バリ7aを容易に除去することができる。
【0065】
また、本実施形態による樹脂バリ7aの除去は、レーザや液体ホーニング等の手法と比較して、手間が掛らず、しかも樹脂封止体7へのダメージがほとんどないため、歩留まりの向上、そして低コストで製造することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12を折り曲げ、更に樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12を折り曲げて樹脂バリ7aを除去した例について説明したが、これらの折り曲げ工程を行わず、ヒートシンク5の第2の部分5bの一部を切断して除去する工程において樹脂バリ7aを第2の部分5bから除去するようにしてもよい。ただし、樹脂バリ7aは、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面及び吊りリード12に付着しているため、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12に曲げ加工を施して吊りリード12から樹脂バリ7aを剥がす工程を実施し、ヒートシンク5の切断工程において、ヒートシンク5の第2の部分5aの側面から樹脂バリ7aが容易に剥がれるようにしておくことが望ましい。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、ヒートシンクの側面に付着する樹脂バリを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である半導体装置の外観構造を示す模式的平面図(上面図)である。
【図2】本発明の一実施形態である半導体装置の外観構造を示す模式的底面図(下面図)である。
【図3】本発明の一実施形態である半導体装置の内部構造を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)である。
【図4】本発明の一実施形態である半導体装置の製造に用いられるリードフレームの一部を示す模式的平面図である。
【図5】図4の一部を拡大した模式的平面図である。
【図6】図5の一部の構成を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)である。
【図7】図5の一部の構成を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のb−b線に沿う模式的断面図)である。
【図8】本発明の一実施形態である半導体装置の製造に用いられる成形金型において、下型の構成を示す模式的平面図である。
【図9】図8の一部を拡大した模式的平面図である。
【図10】本発明の一実施形態である半導体装置の製造に用いられる成形金型において、上型の構成を示す模式的平面図である。
【図11】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、ワイヤボンディング工程を示す模式的平面図である。
【図12】本発明の一実施形態である半導体装置の製造工程中のモールディング工程において、成形金型にリードフレームを位置決めした状態を示す模式的平面図である。
【図13】図12のa−a線に沿う模式的断面図である。
【図14】図12のb−b線に沿う模式的断面図である。
【図15】本発明一実施形態である半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的平面図(上面図)でる。
【図16】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的底面図(下面図)である。
【図17】図16の一部を拡大した模式的底面図(下面図)である。
【図18】図17のa−a線に沿う模式的断面図である。
【図19】図17のb−b線に沿う模式的断面図てある。
【図20】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、ダムバー切断工程を示す模式的平面図である。
【図21】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、支持バー曲げ工程を示す模式的断面図である。
【図22】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、支持バー曲げ工程を示す模式的断面図である。
【図23】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、ヒートシンク切断工程を示す模式的底面図である。
【符号の説明】
1…半導体装置、2…半導体チップ、3…ボンディングパッド、4…リード、4s…リード群、5…ヒートシンク(支持基板)、5a…第1の部分(本体部)、5b…第2の部分(突出部)、6…ボンディングワイヤ、7…樹脂封止体、7a…樹脂バリ(樹脂性異物)、8…スリット、
LF…リードフレーム、10…フレーム本体、11…製品形成領域(デバイス形成領域)、12…吊りリード(支持リード)、13…ダムバー、14…連結バー、15,16…オフセットバー、17…括れ部(窪み部)、
20…成形金型、20a…上型、20b…下型、21…キャビティ、21a,21b…凹部、22a,22b…規準面(合わせ面)、23a,23b…フレーム押さえ部、24…突起部、25…凹部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、ヒートシンクを備えた半導体装置の製造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高放熱性が要求される半導体装置として、例えばヒートシンクを備えた半導体装置が知られている。この種の半導体装置の製造においては、低コスト化を図るため、1枚の金属板に所定の加工を施してリード及びこのリードよりも厚いヒートシンクを一体に形成したリードフレーム(以下、異形条リードフレームと呼ぶ)が使用されている。異形条リードフレーム及びそれを用いた半導体装置の製造については、例えば特開2000−49184号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−49184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、異形条リードフレームを用いたHSOP(with Heat sink Small Outline Package)型半導体装置の製造について検討した結果、以下の問題点を見出した。
【0005】
HSOP型半導体装置は、樹脂封止体の裏面からヒートシンクを露出させたパッケージ構造になっており、ヒートシンクは、半導体チップと共に樹脂封止体によって封止される第1の部分(本体部)と、この第1の部分に連なり、かつ樹脂封止体の側面から突出する第2の部分(突出部)とを有する構成になっている。
【0006】
このようなパッケージ構造のHSOP型半導体装置は、リード及びヒートシンクを有する異形条リードフレームを準備する工程、ヒートシンクの第1の部分の主面に半導体チップを接着固定する工程、半導体チップの電極とリードのインナー部とをボンディングワイヤで電気的に接続する工程、半導体チップ、リードのインナー部、ボンディングワイヤ、ヒートシンクの第1の部分等を樹脂封止して樹脂封止体を形成する工程、リード間のタイバーを含む不要部分を切断する工程、ヒートシンクの第2の部分を切断する工程、リードのアウター部にメッキ層を形成する工程、リードのアウター部を切断して所定の形状に成形する工程、ヒートシンクの第2の部分に連なる吊りリードを切断する工程等の各工程を経て製造される。
【0007】
樹脂封止体は、大量生産に好適なトランスファ・モールディング法で形成される。具体的には、成形金型に異形条リードフレームを位置決めし、その後、成形金型のキャビティの中に例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂を注入することによって形成される。
【0008】
成形金型は、樹脂封止体の側面からヒートシンクの第2の部分が突出するパッケージ構造にするため、ヒートシンクの第2の部分が嵌め込まれる(装着される)凹部を有している。この凹部は、ヒートシンクの着脱を容易にするため、ヒートシンクの第2の部分よりも大きい外形サイズになっており、しかも、樹脂が注入されるキャビティと連なっている。従って、樹脂封止工程において、ヒートシンクの第2の部分の側面に樹脂封止体と連なる樹脂バリ(樹脂性異物)が形成される。
【0009】
一方、樹脂封止工程の後、樹脂封止体の側面から突出するヒートシンクの第2の分部の先端部を切断して除去する切断工程が施される。この切断工程において、切断時のストレスによりヒートシンクの第2の部分の側面に付着する樹脂バリに亀裂が入り、落ちたり、落ちないでヒートシンクの第2の部分の側面に残ったりする。そして、残ったものがリードフレームの搬送中に落下して搬送不良を招く要因となったり、半導体装置の実装工程において実装基板に落下して実装不良を招く要因となったりする。
【0010】
ヒートシンクの第2の部分に付着する樹脂バリは、レーザや液体ホーニング等の手法で除去することができるが、手間が掛かり、しかも樹脂封止体へのダメージがあるため、歩留まりの低下、そして製造コストの増大を招く。
【0011】
本発明の目的は、ヒートシンクの側面に付着する樹脂バリを除去する技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0013】
(1)半導体装置の製造において、
ヒートシンク上に配置された半導体チップを封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法に基づいて形成する(a)工程と、
前記ヒートシンクの前記樹脂封止体から突出する突出部を切断する(a)工程とを有し、
前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面に前記樹脂封止体と連なる樹脂バリが形成され、
前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有する。
【0014】
(2)前記手段(1)に記載の前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面には、前記ヒートシンクよりも厚さの薄い吊りリードが連結されており、前記樹脂バリは、前記ヒートシンクの突出部の側面及び前記吊りリードに付着しており、
前記(a)工程の後であって、前記(b)工程の前に、前記吊りリードから前記樹脂バリを剥がす工程を更に有する。
【0015】
(3)前記手段(2)に記載の前記樹脂バリを剥がす工程は、前記吊りリードに曲げ加工を施すことによって行う。
【0016】
(4)半導体装置の製造において、
第1の部分及びこの第1の部分に連なる第2の部分を有するヒートシンクと、前記ヒートシンクの第2の部分の側面に連なり、かつ前記ヒートシンクよりも厚さが薄い吊りリードとを有するリードフレームを準備する(a)工程と、
前記ヒートシンクの第1の部分に搭載された半導体チップ、及び前記ヒートシンクの第1の部分を封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法に基づいて形成する(b)工程と、
前記樹脂封止体に連なり、かつ前記ヒートシンクの第2の部分の側面及び前記吊りリードに付着して形成された樹脂バリを、前記樹脂バリから離間する方向に前記吊りリードに曲げ加工を施すことによって前記吊りリードから剥がす(c)工程と、
前記樹脂バリに近づく方向に前記吊りリードに曲げ加工を施す(d)工程とを有する。
【0017】
(5)前記手段(4)に記載の前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本実施形態では、SOP型半導体装置に本発明を適用した例について説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の半導体装置の外観構造を示す模式的平面図(上面図)、
図2は、本実施形態の半導体装置の外観構造を示す模式的底面図(下面図)、
図3は、本実施形態の半導体装置の内部構造を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)、
図4は、本実施形態の半導体装置の製造に用いられるリードフレームの一部を示す模式的平面図、
図5は、図4の一部を拡大した模式的平面図、
図6は、図5の一部の構成を拡大して示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)、
図7は、図5の一部の構成を拡大して示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のb−b線に沿う模式的断面図)である。
【0020】
図1、図2、及び図3(a),(b)に示すように、本実施形態の半導体装置1は、半導体チップ2、複数のリード4からなる第1及び第2のリード群4s、ヒートシンク5、複数のボンディングワイヤ6、並びに樹脂封止体7等を有するパッケージ構造になっている。半導体チップ2、第1及び第2のリード群4sの複数のリード4、ヒートシンク(支持基板)5、複数のボンディングワイヤ6等は、樹脂封止体7によって樹脂封止されている。
【0021】
半導体チップ2は、図3(a)に示すように、その厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態では例えば長辺及び短辺を有する長方形になっている。半導体チップ2は、これに限定されないが、例えば、半導体基板、この半導体基板の主面に形成された複数のトランジスタ素子、前記半導体基板の主面上において絶縁層、配線層の夫々を複数段積み重ねた多層配線層、この多層配線層を覆うようにして形成された表面保護膜(最終保護膜)等を有する構成になっている。絶縁層は、例えば酸化シリコン膜で形成されている。配線層は、例えばアルミニウム(Al)、又はアルミニウム合金、又は銅(Cu)、又は銅合金等の金属膜で形成されている。表面保護膜は、例えば、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜等の無機絶縁膜及び有機絶縁膜を積み重ねた多層膜で形成されている。
【0022】
半導体チップ2は、図3(a),(b)に示すように、互いに反対側に位置する主面(回路形成面)及び裏面を有し、半導体チップ2の主面側には集積回路が構成されている。集積回路は、主に、半導体基板の主面に形成されたトランジスタ素子、及び多層配線層に形成された配線によって構成されている。
【0023】
半導体チップ2の主面には、複数のボンディングパッド(電極)3が形成されている。複数のボンディングパッド3は、半導体チップ2の主面の互いに反対側に位置する2つの辺(本実施形態では2つの長辺)に沿って配置されている。複数のボンディングパッド3は、半導体チップ2の多層配線層のうちの最上層の配線層に形成され、各々のボンディングパッド3に対応して半導体チップ2の表面保護膜に形成されたボンディング開口から露出している。
【0024】
樹脂封止体7は、図1及び図2に示すように、厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態では例えば長辺及び短辺を有する長方形になっている。樹脂封止体7は、図1、図2及び図3(b)に示すように、互いに反対側に位置する主面(上面)7x及び裏面(下面,実装面)7yを有し、樹脂封止体7の平面サイズ(外形寸法)は、半導体チップ2の平面サイズ(外形寸法)よりも大きくなっている。
【0025】
樹脂封止体7は、低応力化を図る目的として、例えば、フェノール系硬化剤、シリコーンゴム及びフィラー等が添加されたビフェニール系の熱硬化性樹脂で形成されている。樹脂封止体7の形成方法としては、大量生産に好適なトランスファモールディング法を用いている。トランスファモールディング法は、ポット、ランナー、樹脂注入ゲート、及びキャビティ等を備えた成形金型(モールディング金型)を使用し、ポットからランナー及び樹脂注入ゲートを通してキャビティの内部に熱硬化性樹脂を注入して樹脂封止体を形成する方法である。
【0026】
第1及び第2のリード群4sは、図1、図2、及び図3(a)に示すように、樹脂封止体7の2つの長辺に対応して配置され、各リード群4sの複数のリード4は、樹脂封止体7の長辺に沿って配列されている。また、各リード群4sのリード4は、図3(a),(b)に示すように、樹脂封止体7の内外に亘って延在し、樹脂封止体7の内部に位置する内部リード部(インナーリード)と、この内部リード部と一体に形成され、かつ樹脂封止体7の外部に位置する外部リード部(アウターリード)とを有する構成になっている。各リード4の外部リード部は、例えば面実装型リード形状の1つであるガルウィング形状に曲げ成形されている。
【0027】
半導体チップ2の複数のボンディングパッド3は、第1及び第2のリード群4sの複数のリード4と夫々電気的に接続されている。本実施形態において、半導体チップ2のボンディングパッド3とリード4との電気的な接続は、例えば、図3(a),(b)に示すように、ボンディングワイヤ6で行われており、ボンディングワイヤ6の一端部は、半導体チップ2のボンディングパッド3に接続され、ボンディングワイヤ6の一端部と反対側の他端部は、半導体チップ2の周囲において、リード4の内部リード部に接続されている。ボンディングワイヤ6としては、例えば金(Au)ワイヤを用いている。また、ワイヤ6の接続方法としては、例えば熱圧着に超音波振動を併用したネイルヘッドボンディング(ボールボンディング)法を用いている。
【0028】
ヒートシンク5は、図3(a),(b)に示すように、互いに反対側に位置する主面(上面)5x及び裏面(下面,実装面)5yを有し、その裏面5yは樹脂封止体7の裏面7yから露出している。
【0029】
ヒートシンク5は、図2及び図3(a)に示すように、半導体チップ2と共に樹脂封止体7によって樹脂封止される第1の部分(本体部)5aと、この第1の部分に連なり、かつ樹脂封止体7の側面から突出する第2の部分(突出部)5bとを有する構成になっている。本実施形態において、第2の部分5bは2つ設けられ、この2つの第2の部分5bは、樹脂封止体7の互いに反対側に位置する2つの短辺から夫々突出している。
【0030】
図3(b)に示すように、ヒートシンク5は、リード4よりも厚さが厚くなっており、本実施形態において、ヒートシンク5の厚さは例えば1.26mm程度、リード4の厚さは例えば0.3mm程度になっている。リード4のインナー部の先端は、ヒートシンク5の主面5xよりも樹脂封止体7の主面7x側に位置している。
【0031】
次に、半導体装置1の製造に使用される異形条リードフレームについて、図4乃至図7を用いて説明する。
【0032】
図4に示すように、リードフレームLFは、例えば、外枠部及び内枠部を含むフレーム本体(支持体)10で区画された複数の製品形成領域(デバイス形成領域)11を一方向に沿って配置した多連構造になっている。各製品形成領域11には、図5に示すように、複数のリード4からなる第1及び第2のリード群4sと、1つのヒートシンク5が配置されている。
【0033】
ヒートシンク5は、その厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態では長方形になっている。ヒートシンク5は、樹脂封止体によって封止される第1の部分5aと、この第1の部分5aに連なり、かつ樹脂封止体の側面から突出する2つの第2の部分5bとを有する構成になっている。2つの第2の部分5bは、ヒートシンク5の長手方向の両側に設けられている。
【0034】
第1のリード群4sは、ヒートシンク5の一方の長辺の外側に配置され、第2のリード群4sは、ヒートシンク5の他方の長辺の外側に配置されている。
【0035】
各リード群4sにおいて、複数のリード4は、中間部がダムバー13によって互いに連結され、先端部と反対側が連結バー14によって互いに連結されている。連結バー14は、オフセットバー15及び16を介してフレーム本体10に連結されている。
【0036】
ヒートシンク5は、4本の吊りリード12を介してフレーム本体10に連結されている。4本の吊りリード12のうち、2本は、一端部がヒートシンク5の一方の第2の部分5bの互いに反対側に位置する2つの側面に別々に連結され、一端部と反対側の他端部がフレーム本体10に連結されている。他の2本は、一端部がヒートシンク5の他方の第2の部分5bの互いに反対側に位置する2つの側面に別々に連結され、一端部と反対側の他端部がフレーム本体10に連結されている。
【0037】
リードフレームLFは、図6及び図7に示すように、薄手部分と、この薄手部分よりも厚い厚手部分とを有し、リード4、フレーム本体10、吊りリード(支持リード)12、ダムバー13、連結バー14、オフセットバー15,16等は厚手部分で形成され、ヒートシンク5は厚手部分で形成されている。リード4、タイバー13及び連結バー14は、板厚方向の位置がフレーム本体10よりも上方に位置するようにオフセットバー15,16によってオフセットされている。吊りリード12は、ヒートシンク5の主面5xと同一側の面がヒートシンク5の主面5xと段差を生じることなく平面的に平らになるようにヒートシンク5の第2の部分5aの側面に連結されている。吊りリード12は、樹脂封止体を形成する時の樹脂の漏れを堰き止めるダムバーを兼ねている。ヒートシンク5の第2の部分5bには、この第2の部分5bの切断を容易にする目的としてスリット8が設けられている。
【0038】
このように構成された異形条リードフレームLFは、例えば、Cuを主成分とする金属板にプレス加工を施して所定のパターンのリード及びヒートシンクを形成した後、リードの位置をオフセットするプレス加工を施すことによって形成される。
【0039】
次に、半導体装置1の製造に使用される成型金型について、図8乃至図10を用いて説明する。
【0040】
図8は、本実施形態の半導体装置の製造に用いられる成形金型において、下型の構成を示す模式的平面図であり、
図9は、図8の一部を拡大した模式的平面図であり、
図10は、本実施形態の半導体装置の製造に用いられる成形金型において、上型の構成を示す模式的平面図である。
【0041】
図8乃至図10に示すように、成型金型20は、これに限定されないが、上下に分割された上型20a(図10参照)及び下型20b(図8,9参照)を有し、更に、ポット、カル部、ランナー、樹脂注入ゲート、キャビティ21(図13,14参照)、エアーベント等を有する構成になっている。成形金型20は、上型20aの規準面(合わせ面)22aと、下型20bの規準面(合わせ面)22bとの間にリードフレームLFを位置決めする。樹脂が注入されるキャビティ21は、上型20aの規準面22aと下型20bの規準面22bとを向かい合わせた時、上型20a及び下型20bによって構成される。本実施形態において、成型金型20のキャビティ21は、これに限定されないが、例えば上型20aに設けられた凹部21a及び下型20bに設けられた凹部21bによって構成される。
【0042】
成形金型20の下型20bは、樹脂封止体7の側面からヒートシンク5の第2の部分5bが突出するパッケージ構造にするため、図8及び図9に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bが嵌め込まれる(装着される)凹部25を有している。この凹部25は、ヒートシンク5の着脱を容易にするため、ヒートシンク5の第2の部分5bよりも大きい外形サイズになっており、しかも、樹脂が注入されるキャビティ21を構成する凹部21bと連なっている。
【0043】
凹部25には、凹部21bとの付け根部に、平面的に凹部25の内側に突出する突起部24が設けられている。この突起部24はヒートシンク5の2つの第2の部分5bの各々の側面に対応して4つ設けられている。
【0044】
下型20b及び上型20aには、成形金型20にリードフレームLFを位置決めした時、リードフレームLFを押さえるフレーム押さえ部(23b,23a)が設けられており、フレーム押さえ部23bは下型20bの規準面22bよりも突出しており、フレーム押さえ部23aは上型20aの規準面22aよりも突出している。
次に、半導体装置1の製造について、図11乃至図23を用いて説明する。
【0045】
図11は、本実施形態の半導体装置の製造において、ワイヤボンディング工程を示す模式的平面図であり、
図12は、本実施形態の半導体装置の製造工程中のモールディング工程において、成形金型にリードフレームを位置決めした状態を示す模式的平面図であり、
図13は、図12のa−a線に沿う模式的断面図であり、
図14は、図12のb−b線に沿う模式的断面図であり、
図15は、本実施形態の半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的平面図(上面図)であり、
図16は、本実施形態の半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的底面図(下面図)であり、
図17は、図16の一部を拡大した模式的底面図(下面図)であり、
図18は、図17のa−a線に沿う模式的断面図であり、
図19は、図17のb−b線に沿う模式的断面図てあり、
図20は、本実施形態の半導体装置の製造において、ダムバー切断工程を示す模式的平面図であり、
図21は、本実施形態である半導体装置の製造において、第1の吊りリード曲げ工程を示す模式的断面図であり、
図22は、本実施形態である半導体装置の製造において、第2の吊りリード曲げ工程を示す模式的断面図であり、
図23は、本実施形態の半導体装置の製造において、ヒートシンク切断工程を示す模式的底面図である。
【0046】
まず、図4乃至図7に示すリードフレームLFを準備し、その後、図11に示すように、ヒートシンク5の第1の部分5aの主面5xに半導体チップ2を接着固定し、その後、図11に示すように、半導体チップ2の複数のボンディングパッド3と複数のリード4とを複数のボンディングワイヤ6で夫々電気的に接続する。
【0047】
次に、図12乃至図14に示すように、成形金型20の上型20aと下型20bとの間にリードフレームLFを位置決めする。
【0048】
リードフレームLFの位置決めは、キャビティ21の内部に、半導体チップ2、リード4、ヒートシンク5、ボンディングワイヤ6等が位置する状態で行われる。
【0049】
また、リードフレームLFの位置決めは、キャビティ21の内面にヒートシンク5の裏面5yを接触させた状態で行われる。
【0050】
また、リードフレームLFの位置決めは、下型20bの凹部21bにヒートシンク5の第1の部分5aが位置し、下型20bの凹部25にヒートシンク5の第2の部分2bを嵌め込んだ状態で行われる。
【0051】
また、リードフレームLFの位置決めは、ヒートシンク5の第2の部分5bが上型20aの基準面22bで覆われ、かつ圧接された状態で行われる。
【0052】
また、リードフレーム5の位置決めは、下型20bのフレーム押さえ部23bと上型20aのフレーム押さえ部22aとでリード4、ダムバー13等をクランプした状態で行われる。
【0053】
この工程において、凹部25は、ヒートシンク5の第2の部分5bよりも大きい平面サイズになっているため、ヒートシンク5の第2の部分5bと凹部25との間に隙間が生じる。
【0054】
次に、前述のようにリードフレームLFを位置決めした状態で、成形金型20のポットからカル部、ランナー及び樹脂注入ゲートを通してキャビティ21の内部に例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂を注入して樹脂封止体7を形成する。
【0055】
この工程において、半導体チップ2、複数のリード4のインナー部、ヒートシンク5の第1の部分5a、複数のボンディングワイヤ6等は、樹脂封止体7によって封止される。
【0056】
また、図15及び図16に示すように、樹脂封止体7の短辺側の各々の側面からヒートシンク5の第2の部分5bが突出し、かつ樹脂封止体7の裏面7yからヒートシンク5の裏面5Yが露出したパッケージが形成される。
【0057】
また、この工程において、図15乃至図18に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面に樹脂封止体7と連なる樹脂バリ(樹脂性異物)7aが形成されるが、成型金型20の凹部25には突起部24が設けられているため、樹脂バリ7aは、図17及び図19に示すように、樹脂封止体7との付け根部に括れ部(凹み部)17を有している。
【0058】
また、この工程において、図19に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面には、ヒートシンク5よりも厚さの薄い吊りリード12が連結されているため、樹脂バリ7aは、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面及び吊りリード12に付着(厚手部分と薄手部分の2カ所に接して付着)している。
【0059】
次に、図20に示すように、ダムバー13を含む不要部分を切断して除去し、その後、図21に示すように、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12に曲げ加工を施して、吊りリード12から樹脂バリ7aを剥がす。本実施形態では、吊りリード12の下側から突き上げて曲げ加工を施す。
【0060】
次に、図22に示すように、樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12に曲げ加工を施す。本実施形態では、吊りリード12の上側から押して曲げ加工を施す。
【0061】
この工程において、樹脂バリ7aを吊りリード12で押すように吊りリード12に曲げ加工を施すことにより、樹脂バリ7aの括れ部17に応力が集中し、この括れ部17に亀裂が入り、図22に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bから樹脂バリ7aが剥がれ落ちるため、第2の部分5bの側面から樹脂バリ7aを除去することができる。
【0062】
なお、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12を曲げる第1の曲げ工程、及び樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12を曲げる第2の曲げ工程は、ダムバー13を切断する切断金型によって行われる。
【0063】
次に、図23に示すように、ヒートシンク5の第2の部分5bの一部を切断して除去し、その後、リード4のアウター部にメッキ層を形成し、その後、連結バー14及び15を切断してフレーム本体10からリード4のアウター部を分離し、その後、リード4のアウター部を所定の形状(例えばガルウィング形状)に曲げ成型し、その後、ヒートシンク5から吊りリード12を切断することにより、図1乃至図3(a),(b)に示す半導体装置1がほぼ完成する。
【0064】
このように、本実施形態によれば、樹脂バリ7aの樹脂封止体7との付け根部に括れ部17(図17参照)を設け、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12に曲げ加工を施して吊りリード12から樹脂バリ7aを剥がし、その後、樹脂バリ7aを吊りリード12で押すように、樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12に曲げ加工を施す。これにより、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面から樹脂バリ7aを容易に除去することができる。
【0065】
また、本実施形態による樹脂バリ7aの除去は、レーザや液体ホーニング等の手法と比較して、手間が掛らず、しかも樹脂封止体7へのダメージがほとんどないため、歩留まりの向上、そして低コストで製造することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12を折り曲げ、更に樹脂バリ7aに近づく方向に吊りリード12を折り曲げて樹脂バリ7aを除去した例について説明したが、これらの折り曲げ工程を行わず、ヒートシンク5の第2の部分5bの一部を切断して除去する工程において樹脂バリ7aを第2の部分5bから除去するようにしてもよい。ただし、樹脂バリ7aは、ヒートシンク5の第2の部分5bの側面及び吊りリード12に付着しているため、樹脂バリ7aから離間する方向に吊りリード12に曲げ加工を施して吊りリード12から樹脂バリ7aを剥がす工程を実施し、ヒートシンク5の切断工程において、ヒートシンク5の第2の部分5aの側面から樹脂バリ7aが容易に剥がれるようにしておくことが望ましい。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、ヒートシンクの側面に付着する樹脂バリを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である半導体装置の外観構造を示す模式的平面図(上面図)である。
【図2】本発明の一実施形態である半導体装置の外観構造を示す模式的底面図(下面図)である。
【図3】本発明の一実施形態である半導体装置の内部構造を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)である。
【図4】本発明の一実施形態である半導体装置の製造に用いられるリードフレームの一部を示す模式的平面図である。
【図5】図4の一部を拡大した模式的平面図である。
【図6】図5の一部の構成を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のa−a線に沿う模式的断面図)である。
【図7】図5の一部の構成を示す図((a)は模式的平面図,(b)は(a)のb−b線に沿う模式的断面図)である。
【図8】本発明の一実施形態である半導体装置の製造に用いられる成形金型において、下型の構成を示す模式的平面図である。
【図9】図8の一部を拡大した模式的平面図である。
【図10】本発明の一実施形態である半導体装置の製造に用いられる成形金型において、上型の構成を示す模式的平面図である。
【図11】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、ワイヤボンディング工程を示す模式的平面図である。
【図12】本発明の一実施形態である半導体装置の製造工程中のモールディング工程において、成形金型にリードフレームを位置決めした状態を示す模式的平面図である。
【図13】図12のa−a線に沿う模式的断面図である。
【図14】図12のb−b線に沿う模式的断面図である。
【図15】本発明一実施形態である半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的平面図(上面図)でる。
【図16】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、モールディング工程後の状態を示す模式的底面図(下面図)である。
【図17】図16の一部を拡大した模式的底面図(下面図)である。
【図18】図17のa−a線に沿う模式的断面図である。
【図19】図17のb−b線に沿う模式的断面図てある。
【図20】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、ダムバー切断工程を示す模式的平面図である。
【図21】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、支持バー曲げ工程を示す模式的断面図である。
【図22】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、支持バー曲げ工程を示す模式的断面図である。
【図23】本発明の一実施形態である半導体装置の製造において、ヒートシンク切断工程を示す模式的底面図である。
【符号の説明】
1…半導体装置、2…半導体チップ、3…ボンディングパッド、4…リード、4s…リード群、5…ヒートシンク(支持基板)、5a…第1の部分(本体部)、5b…第2の部分(突出部)、6…ボンディングワイヤ、7…樹脂封止体、7a…樹脂バリ(樹脂性異物)、8…スリット、
LF…リードフレーム、10…フレーム本体、11…製品形成領域(デバイス形成領域)、12…吊りリード(支持リード)、13…ダムバー、14…連結バー、15,16…オフセットバー、17…括れ部(窪み部)、
20…成形金型、20a…上型、20b…下型、21…キャビティ、21a,21b…凹部、22a,22b…規準面(合わせ面)、23a,23b…フレーム押さえ部、24…突起部、25…凹部。
Claims (5)
- ヒートシンク上に配置された半導体チップを封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法で形成する(a)工程と、
前記ヒートシンクの前記樹脂封止体から突出する突出部を切断する(b)工程とを有し、
前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面に前記樹脂封止体と連なる樹脂バリが形成され、
前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記(a)工程において、前記ヒートシンクの突出部の側面には、前記ヒートシンクよりも厚さの薄い吊りリードが連結されており、前記樹脂バリは、前記ヒートシンクの突出部の側面及び前記吊りリードに付着しており、
前記(a)工程の後であって、前記(b)工程の前に、前記吊りリードから前記樹脂バリを剥がす工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記樹脂バリを剥がす工程は、前記吊りリードに曲げ加工を施すことによって行うことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 第1の部分及びこの第1の部分に連なる第2の部分を有するヒートシンクと、前記ヒートシンクの第2の部分の側面に連なり、かつ前記ヒートシンクよりも厚さが薄い吊りリードとを有するリードフレームを準備する(a)工程と、
前記ヒートシンクの第1の部分に搭載された半導体チップ、及び前記ヒートシンクの第1の部分を封止する樹脂封止体をトランスファモールディング法で形成する(b)工程と、
前記樹脂封止体に連なり、かつ前記ヒートシンクの第2の部分の側面及び前記吊りリードに付着して形成された樹脂バリを、前記樹脂バリから離間する方向に前記吊りリードに曲げ加工を施すことによって前記吊りリードから剥がす(c)工程と、
前記樹脂バリに近づく方向に前記吊りリードに曲げ加工を施す(d)工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記樹脂バリは、前記樹脂封止体との付け根部に括れ部を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
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