JP2005049023A - 床暖房パネル及び床暖房設備 - Google Patents

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JP2005049023A JP2003281672A JP2003281672A JP2005049023A JP 2005049023 A JP2005049023 A JP 2005049023A JP 2003281672 A JP2003281672 A JP 2003281672A JP 2003281672 A JP2003281672 A JP 2003281672A JP 2005049023 A JP2005049023 A JP 2005049023A
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Yasushi Nakagawa
靖 中川
Koji Yasuhira
幸司 安平
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Abstract

【課題】 暖房効率が低下することを防止しながら、しかも、製造コストの上昇を抑えることが可能なものにしながら、充分な遮音機能を発揮させることが可能となる床暖房パネルを提供する。
【解決手段】 上面側に管配設用の凹入溝1aが形成された板状基材1と、凹入溝1a内に配設される熱媒体流通管2とが備えられた床暖房パネルであって、板状基材1の上面における凹入溝1aが形成されていない凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿って緩衝材7が設けられ、熱媒体流通管2が、凹入溝1aの内部において緩衝材7の上側に位置する状態で配置されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、上面側に管配設用の凹入溝が形成された板状基材と、前記凹入溝内に配設される熱媒体流通管とが備えられた床暖房パネル及びその床暖房パネルを備えた床暖房設備に関する。
上記構成の床暖房パネルは、暖房する部屋の床に設置されて使用されるものであり、床暖房設備として部屋の床に設置される場合においては、床暖房パネルの上側に部屋の床面を構成するための例えばフローリング等からなる床仕上げ材を備えるのが一般的である。そして、この床暖房設備を集合住宅に用いるような場合において、従来では、床仕上げ材の上面にて発生する騒音が階下へ伝わるのを防止するために、前記床仕上げ材に遮音機能を備えるように構成したものがあった。具体的には、例えば木質製の床仕上げ材の下面側に緩衝作用を発揮する緩衝材を接着させた積層構造のものを床暖房パネルの上部に設置させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
又、上述したような騒音を抑制するための構成として、床仕上げ材に遮音機能を持たせるものに代えて床暖房パネル側に遮音機能を持たせるように構成したものもあった。
つまり、仕上げ材としては、上述したような緩衝材を備える積層構造のものではなく、床仕上げ材だけを直接に床暖房パネルに設置する構成とする。そして、床暖房パネル側において、板状基材の下側に緩衝材を備える構成とし、更に、このような緩衝材だけでは遮音機能が充分に発揮できないので、板状基材の下部側に複数のスリットを形成して、このスリットにより騒音を減衰させるようにして、緩衝材による緩衝作用とスリットによる音の減衰作用によって遮音機能を高めるようにしたものがあった(例えば、特許文献2参照。)。つまり、この構成は、前記緩衝材は、床仕上げ材の下面に積層状態で備えられるような構成のものに比べて緩衝作用が充分でないおそれがあるので、板状基材自身にも音を減衰させる機能を持たせたものである。
説明を加えると、床仕上げ材の下面に積層状態で緩衝材が備えられる構成では、騒音の原因となる床仕上げ材の上面に加わる衝撃に起因した振動を床仕上げ材の下面にてそのまま吸収することで下側への音の伝わりを遮る機能を発揮させ易いものとなるが、スリットを形成しないで板状基材の下側に緩衝材を備える構成とした場合には、上記したような振動が床仕上げ材から板状基材を介して減衰せずにそのまま伝わるので騒音が階下に伝わり易いものとなるから、上記したようなスリットを形成することで騒音を減衰させる機能を持たせたものである。
特開2002−242414号公報
特開2001−221451号公報
上述したような緩衝材は騒音を遮音して階下に伝わり難くさせる機能を発揮するものであるが、このような緩衝材は遮音機能の他に熱を伝わり難くする断熱機能をも備えるものである。従って、床仕上げ材の下面に積層状態で緩衝材が備えられる従来構成においては、この床仕上げ材が熱媒体流通管の上方側に位置することになるから、熱媒体流通管にて発生する暖房用の熱が床仕上げ材の下面側に設けられた緩衝材の断熱機能によって遮られて、床仕上げ材の上面側すなわち暖房すべき部屋の床に伝わり難いものとなり、熱媒体流通管にて発生する暖房用の熱量のうちの多くのものが板状基材を伝わって床暖房パネルの下面側から外方に逃げてしまうので床暖房パネルの上方側への熱量が少なくなって暖房効率が低下してしまう不利があった。
又、上記したように床暖房パネル側に遮音機能を持たせるために、板状基材の下側に緩衝材を備え、且つ、板状基材の下部側に複数のスリットを形成するようにした従来構成においては、上述したように熱媒体流通管にて発生する暖房用の熱のうちの多くのものが床暖房パネルの下面側から外方に逃げるといった不利はないものの次のような不利な面が残るものであった。
すなわち、上記構成は板状基材の下部側に複数のスリットを形成する構成となっており、このように板状基材に複数のスリットを形成するようにすると、このようなスリットを形成するために床暖房パネルを製造する場合に加工の手間がかかり、それだけ製造コストが高くなるといった不利な面がある。
又、集合住宅等ではコンクリートスラブのような下地部分に接着剤を用いて床暖房パネルを接着させた状態で設置させることがあり、そのように接着剤を用いて接着する場合、床暖房パネルを下地部分に対して複数の適宜箇所を釘で打ち付けて床暖房パネルを仮止め固定する必要がある。そのとき、床暖房パネルを釘で打ち付けると、床暖房パネルの下面を全面にわたって適切に接着させるために、床暖房パネルは下面全域にわたって下地部分との間で圧接することになって緩衝材が全面にわたって圧縮した状態で取り付けられることがある。このように緩衝材が圧縮された状態であれば上述したような遮音機能が低下するといった不利な面もある。
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、暖房効率が低下することを防止しながら、しかも、製造コストの上昇を抑えることが可能なものにしながら、充分な遮音機能を発揮させることが可能となる床暖房パネル及びそれを用いた床暖房設備を提供する点にある。
本願発明の床暖房パネルは、上面側に管配設用の凹入溝が形成された板状基材と、前記凹入溝内に配設される熱媒体流通管とが備えられたものであって、その第1特徴構成は、前記板状基材の上面における前記凹入溝が形成されていない凹入溝非形成部分並びに前記凹入溝の内面部分に沿って緩衝材が設けられ、前記熱媒体流通管が、前記凹入溝の内部において前記緩衝材の上側に位置する状態で配置されている点にある。
すなわち、前記緩衝材が板状基材の上面における凹入溝が形成されていない凹入溝非形成部分並びに凹入溝の内面部分に沿って設けられ、しかも、熱媒体流通管が凹入溝の内部において緩衝材の上側に位置する状態で配置されることになる。ちなみに、前記緩衝材の材質としては、例えば、軟質発泡ウレタン、不織布、発泡ゴム等の緩衝機能を有し且つ断熱性に優れた材質を用いることになる。
つまり、床暖房パネルの上方側で発生した騒音が板状基材の上面側に設けられる緩衝材の緩衝作用によって遮られて板状基材に伝わるのを防止して、板状基材を介して騒音が階下に伝わることを防止することが可能となる。しかも、板状基材自体に遮音機能を持たせる必要がなく、騒音を減衰させるために板状基材に特別な加工を施すことによって製造コストが上昇するといった不利もない。
このように床暖房パネルに遮音機能を発揮させることが可能な緩衝材を備えるので、床暖房パネルの上面側に設置される床仕上げ材に緩衝材を備えさせる必要がなく、床仕上げ材としてはこのような緩衝材を備えない簡素な構成のものを用いることが可能である。
前記緩衝材は遮音機能の他に断熱機能をも備えるものであるが、熱媒体が流通することにより暖房用の熱を発生させる熱媒体流通管が凹入溝の内部において緩衝材の上側に位置する状態で配置されているから、前記熱媒体流通管にて発生する暖房用の熱量が床暖房パネルの下方側に逃げることをこの緩衝材により抑制することができるのである。従って、暖房用の熱量が床暖房パネルの下方側に逃げることを抑制することによって、床暖房パネルの上方側への熱量が減少して暖房効率が低下することを防止することが可能となる。
又、上記構成であれば、例えば、床暖房パネルを下地部分に接着剤で接着させる場合に下地部分に対して板状基材を釘で打ち付けて床暖房パネルを仮止め固定するようにしても、緩衝材は板状基材と下地部分との間には存在しないので、緩衝材が圧縮しないようにして仮止め固定することが可能であり、緩衝材による遮音機能を低下させるおそれを少ないものにできる。
従って、暖房効率が低下することを防止しながら、しかも、製造コストの上昇を抑えることが可能なものにしながら、充分な遮音機能を発揮させることが可能となる床暖房パネルを提供できるに至った。
本願発明の床暖房パネルの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記凹入溝の深さが前記熱媒体流通管の直径と同じ又は略同じであり、前記凹入溝の横幅が、前記熱媒体流通管の直径と前記緩衝材の厚さの2倍に相当する大きさとを合わせた大きさと同じ又は略同じである点にある。
すなわち、熱媒体流通管は、緩衝材の上方側に位置する状態、言い換えると、熱媒体流通管と凹入溝の内面との間に緩衝材が介在する状態で凹入溝内に上方から配設することになるが、凹入溝の深さが熱媒体流通管の直径と同じ又は略同じであるから、熱媒体流通管の最上端位置を前記凹入溝非形成部分の上方側箇所に設けられた緩衝材の上面の位置と略同じ位置にしても、凹入溝内の最下端側部分に位置する緩衝材の厚さと同じ又は略同じ厚さを維持できることになる。
又、凹入溝の横幅が、熱媒体流通管の直径と緩衝材の厚さの2倍に相当する大きさとを合わせた大きさと同じ又は略同じであることから、凹入溝内に熱媒体流通管を配設させても、熱媒体流通管の左右横側箇所に位置する緩衝材の厚さと同じ又は略同じ厚さを維持できることになる。
従って、緩衝材は、板状基材の凹入溝非形成部分に対応する部分だけでなく、前記凹入溝の内面部分に沿って設けられる部分においても厚さをそのまま維持することができ、凹入溝の内部に緩衝材が下側に位置する状態で熱媒体流通管を配設させるようにしても、緩衝材が圧縮することなく緩衝材による遮音機能を十分発揮させ易いものにできる。
本願発明の床暖房パネルの第3特徴構成は、上記第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記熱媒体流通管の熱を均等に伝熱させるための均熱部として、前記熱媒体流通管の下側に位置する下側均熱体と、前記熱媒体流通管の上側に位置する上側均熱体とを備えて構成され、前記下側均熱体は、前記凹入溝非形成部分においては前記緩衝材の上側に沿って設けられ、前記凹入溝の内面部分においては前記緩衝材の上側であって且つ前記熱媒体流通管の下側に位置する状態で設置され、前記上側均熱体は、前記凹入溝非形成部分の上方側箇所においては前記下側均熱体の上側に沿って設けられ、前記凹入溝の上方側箇所では前記熱媒体流通管の上側に位置する状態で設置されている点にある。
すなわち、床暖房パネルには、熱媒体流通管にて発生する暖房用の熱を均等に伝熱させるための均熱部が設けられることになるが、この均熱部が前記下側均熱体と前記上側均熱体とで構成されるものである。前記下側均熱体は、凹入溝非形成部分の上方側箇所においては緩衝材の上側に沿って設けられ、凹入溝の上方側箇所では緩衝材の上側であって且つ熱媒体流通管の下側に位置する状態で設けられるものであるから、この下側均熱体は、熱媒体流通管の下側から発生する熱を凹入溝非形成部分の上方側箇所に位置する部分を通して伝えていくことになる。又、前記上側均熱体は、凹入溝非形成部分の上方側箇所においては前記下側均熱体の上側に沿って設けられ、凹入溝の上方側箇所では前記熱媒体流通管の上側に位置する状態で設けられるものであるから、この上側均熱体は、熱媒体流通管の上側から発生する熱を凹入溝非形成部分の上方側箇所に位置する部分を通して伝えていくことになる。又、前記下側均熱体から伝えられる熱は、上側均熱体の凹入溝非形成部分の上方側箇所に位置する部分を通して伝えられることになる。
従って、熱媒体流通管の下部から発生する熱が緩衝材によって遮られることがなく有効に伝えられていくので、熱媒体流通管の上部から発生する熱だけでなく熱媒体流通管の下側から発生する熱をも有効に伝熱させることができて、暖房効率を一層向上させることが可能となる。
本願発明の床暖房設備は、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の床暖房パネルを備えたものであって、その特徴構成は、前記床暖房パネルの上部に床仕上げ材が直接設置されている点にある。
すなわち、前記床暖房パネルの上部に床仕上げ材が直接設置されるものであるから、例えば木質製の床仕上げ材の下面側に緩衝材を接着させた積層構造としたものを設置する場合のように、床暖房パネルにて発生した暖房用の熱がこのような床仕上げ材の下面側に接着された緩衝材により遮られて上方側に伝え難くするという不利を回避して暖房効率の向上を図ることができるとともに、簡素な構成の床仕上げ材を用いることで低コスト化を図ることが可能な床暖房設備を提供できるに至った。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る床暖房パネル及びそれを用いた床暖房設備の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
前記床暖房設備は床暖房パネルPとその上側に設置された床仕上げ材Sとで構成されている。すなわち、図1〜図3に示すように、前記床暖房パネルPは、上面側に管配設用の凹入溝1aが形成された板状基材1と、前記凹入溝1a内に配設される熱媒体流通管2と、凹入溝1a内に配設させた前記熱媒体流通管2の熱を均等に伝熱させる均熱部3とを備えて構成されている。そして、この床暖房パネルPの上側に、表面を仕上げて室内を装飾するために設けられる床仕上げ材Sが設置される構成となっている。ちなみに、図1は、一部を切り欠いた床暖房設備の平面図であり、図2は、床暖房設備を各部材に分解した分解斜視図であり、図3は、床暖房設備の縦断面図である。
前記板状基材1の凹入溝1aは、熱媒体流通管2を蛇行状に配設するように形成され、その蛇行状に配設される熱媒体流通管2に熱媒体供給部4を介して図外の熱源機から温水を通流させる構成となっている。前記熱媒体流通管2は、一般的に架橋ポリエチレン管やポリブテン樹脂管などが使用され、接続部のない管により構成されて、図に示す例では2本の熱媒体流通管2を板状基材1に配管するように構成されている。なお、2本の熱媒体流通管2の両端は、熱媒体供給部4に接続され、熱源機から熱媒体としての温水が熱媒体供給部4の往き側を介して各熱媒体流通管2に供給され、その熱媒体流通管2に供給された温水が、熱媒体流通管2を通流して熱媒体供給部4の戻り側に供給されて排出するように構成されている。この床暖房設備においては、熱源機から供給される温水は約60℃に温度調整される構成となっている。
前記板状基材1は、硬質のポリスチレン発泡体にて構成されている。なお、この板状基材1の材質としてはポリスチレン発泡体に限らず、ポリエチレン発泡体など各種の発泡樹脂製のものや、合板、パーチクルボードなどの木質製のものなどが適応可能である。
そして、前記床暖房パネルPは、板状基材1の上面における凹入溝1aが形成されていない凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿って緩衝材7が設けられ、熱媒体流通管2が、凹入溝1aの内部において緩衝材7の上側に位置する状態で配置されている。つまり、前記緩衝材7は、材質としてはポリエステル不織布を用いて所定の厚さを有するシート状として構成されている。このポリエステル不織布は、緩衝機能に優れ、且つ、断熱性に優れた特性を有するものである。
つまり、上述したようなシート状に構成される緩衝材7が板状基材1の上面に接着される状態で備えられるのである。説明を加えると、板状基材1の上面における凹入溝1aが形成されていない凹入溝非形成部分5においては、その表面にそのまま積み重ねた状態となるように設置され、又、凹入溝1aが形成される部分においては、その凹入溝1aの内面に沿うように屈曲させる状態で設置されている。そして、この緩衝材7は板状基材1の上面に接着される状態で固定設置される構成となっている。
この緩衝材7を板状基材1に接着させる方法について説明を加えると、緩衝材7を板状基材1の上面における凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿う形状となるように予め成型しておき、金型8のプレス成型により緩衝材7を板状基材1の上面に接着させるようにしている。
つまり、図4に示すように、前記緩衝材7を前記板状基材1の上面における凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿う形状となるように予め成型しておく。そして、金型8の台座部分9に板状基材1を載置させておき、その上方側に上述したように予め成型された緩衝材7を位置させて、その上方側から押圧作用する金型8のプレス作用部10に板状基材1の凹入溝1aの内面形状に対応するように突起部11を形成しておき、プレス作用部10にて緩衝材7を板状基材1に向けて押圧することで板状基材1と緩衝材7とを接着させるようにしている。つまり、緩衝材7の下面側には予め常温にて接着する接着剤を塗付しておき、プレス作用部10を押圧作用させることによりその接着剤の接着力により板状基材1と緩衝材7とを接着させるのである。板状基材1と緩衝材7とを接着させる構成としては、このような常温にて接着する接着剤に代えて、加熱することで接着する接着剤、例えば、ホットメルトと称される接着剤や潜在性硬化剤と称される接着剤等を用いて加熱しながら接着させるようにしてもよい。
又、図3に示すように、板状基材1に形成される凹入溝1aの深さDが熱媒体流通管2の直径と同じ又は略同じであり、凹入溝1aの横幅Wが、熱媒体流通管2の直径と緩衝材7における厚さの2倍に相当する大きさとを合わせた大きさと同じ又は略同じであるように構成されている。具体的な数値を例示すると、前記緩衝材7は、その厚みt1が約4.0mmであり、重量が1平方メートル当たり約150gの板状のポリエステル不織布を用いており、熱媒体流通管2の直径φが約7.2mmとすると、凹入溝1aの深さDが約7.2mmになるように形成され、凹入溝1aの横幅Wが約15.2mmになるように形成されている。つまり、この凹入溝1aの横幅Wは、熱媒体流通管2の直径(7.2mm)と、緩衝材7における厚さ(4.0mm)の2倍に相当する大きさ(8.0mm)とを合わせた大きさ(15.2mm)と同じ又は略同じ大きさに対応するものである。
ちなみに、板状基材1の厚さは約12mmであり、床暖房パネルPとしての厚さは約16mmになるように構成されている。尚、ここで例示した上記各部材の厚みは一例であって、このような厚みに限定されるものではなく種々変更して実施するようにしてもよい。
このように構成することで、緩衝材7の上部に位置させて熱媒体流通管2を凹入溝1aに入り込む状態で配設されるようにしても、緩衝材7は、凹入溝非形成部分5に対応する箇所だけでなく凹入溝1aの内部においても圧縮されることがなく、圧縮されていない状態での本来の厚さを維持することができ、充分な遮音機能を発揮できるようになっている。
又、前記均熱部3は、30〜80μm程度の厚さの熱伝導率が高いアルミ箔からなる1枚のシート状部材にて構成されており、板状基材1の凹入溝非形成部分5の上方側箇所においては緩衝材7の上側に沿って設けられ、凹入溝1aの上方側箇所においては熱媒体流通管2の上側に位置する状態で設置されている。具体的には、板状基材1と均熱部3との接着については、板状基材1の凹入溝1aに熱媒体流通管2を配設させた状態で、板状基材1の上面部と均熱体3の下面部との間に接着剤を介在させて、板状基材1上に均熱体3を固定させるように構成されている。
このような床暖房パネルPの上面に設置される前記床仕上げ材Sは、例えば木質製のフローリングにて構成され、図5に示すように、その下面側に複数のスリット12が形成されており、上部側で発生する騒音を減衰させる機能を有する構成となっている。そして、このような床仕上げ材Sを、直接、床暖房パネルPの上部に設置させる構成となっている。つまり、床仕上げ材Sを均熱部3の上面に沿わせて両面テープ等を用いてそのまま接着させる構成としている。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。
この実施形態では、均熱部3の構成が異なる他の構成は第1実施形態と同じであるから異なる構成についてのみ説明し、同じ内容については説明は省略する。
この実施形態では、前記熱媒体流通管2の熱を均等に伝熱させるための均熱部3として、前記熱媒体流通管2の下側に位置する下側均熱体3aと、前記熱媒体流通管2の上側に位置する上側均熱体3bとを備えて構成され、前記下側均熱体3aは、前記凹入溝非形成部分5の上方側箇所においては前記緩衝材7の上側に沿って設けられ、前記凹入溝1aの上方側箇所においては前記緩衝材7の上側であって且つ前記熱媒体流通管2の下側に位置する状態で設置され、前記上側均熱体3bは、前記凹入溝非形成部分5の上方側箇所においては前記下側均熱体3aの上側に沿って設けられ、前記凹入溝1aの上方側箇所においては前記熱媒体流通管2の上側に位置する状態で設置されている。
すなわち、第1実施形態と同様に前記緩衝材7が所定の厚さを有するシート状として構成され、均熱部3としての下側均熱体3a及び上側均熱体3bは夫々、熱伝導率が高いアルミ箔を用いて構成されている。そして、図6(イ)に示すように、板状基材1に装着される前に、シート状の緩衝材7の上面に予め前記下側均熱体3aを接着させておき、このように予め上面に下側均熱体3aが接着されている緩衝材7を、前記板状基材1の上面における凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿う形状となるように予め成型しておき、第1実施形態にて説明したような接着方法と同じような方法により板状基材1に接着させる。次に、上方側から板状基材1の凹入溝1aに熱媒体流通管2を入り込ませて配設する(図6(ロ)参照)。そして、下側均熱体3aの上面に接着剤を塗付するか又は上側均熱体3bの下面に接着剤を塗付する等、下側均熱体3aの上面と上側均熱体3bの下面との間に接着剤を介在させて下側均熱体3aの上面に上側均熱体3bの下面とを接着して固定させるのである(図6(ハ)参照)。尚、前記緩衝材7を板状基材1に接着させる方法としては、上記第1実施形態にて説明した方法と同じ方法を用いることができる。
この実施形態においては、前記下側均熱体3a及び前記上側均熱体3bは、板状基材1の凹入溝1aに熱媒体流通管2が上方から入り込ませた場合においても、緩衝材7による緩衝機能を損なわない程度の厚さにする必要がある。具体的な数値で例示すると、板状基材1における凹入溝1aや熱媒体流通管2の形状並びに寸法として第1実施形態の場合と同じにした場合、前記下側均熱体3a及び前記上側均熱体3bとしては、10〜20μm程度の厚さt2のアルミ箔を使用することになる。
このように構成すると、熱媒体流通管2の上部から発生する熱だけでなく熱媒体流通管2の下部から発生する熱をも有効に伝熱させることができ、しかも、下側均熱体3aは熱媒体流通管2に対して広い面積にわたり面接触状態で接触する構成となるから熱媒体流通管2が発生する熱が伝わり易い構成となっており、第1実施形態における均熱部3のように線接触状態で熱媒体流通管2に接触するようなものに比べて熱の伝達効率が高くなり、暖房効率を向上させることができる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記各実施形態では、前記緩衝材7を前記板状基材1の上面における凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿う形状となるように予め成型しておき、このように予め成型された前記緩衝材7を板状基材1の上面に押圧作用する金型によって接着させるようにしたが、このように、緩衝材7を板状基材1の上面における凹入溝非形成部分5並びに凹入溝1aの内面部分6に沿う形状となるように成型する構成に限らず、緩衝材7として屈曲変形させ易い軟質の材質で構成されるものであれば、図7に示すように、下面側に接着用の粘着部13を備えた緩衝材7をそのまま板状基材1の上面に沿わせながら張り付けるようにしてもよい。
(2)上記各実施形態では、緩衝材として、その厚さが約4.0mmであり、重量が1平方メートル当たり約150gの板状のポリエステル不織布を用いる場合を例示したが、緩衝材として、このようなポリエステル不織布に代えて、厚さが4.0mmで且つ密度が22Kg/m3程度である軟質発泡ウレタンを用いるようにしてもよい。
又、緩衝材としては、ポリエステル不織布や軟質発泡ウレタン以外にも、発泡ゴム等、緩衝機能があり、且つ、断熱性に優れた材質のものであればよく、例示したような材質のものに限定されるものではない。
(3)上記実施形態では、床仕上げ材としては床暖房パネルに直接設置される構成であるが、下面側に複数のスリットが形成されるものに限らず、スリットが形成されていない床仕上げ材を用いてもよい。
床暖房設備の一部切欠平面図 床暖房設備の分解斜視図 床暖房設備の縦断面図 緩衝材の取り付け状態を示す図 床仕上げ材の側面図 別実施形態の均熱部の取り付け状態を示す図 別実施形態の緩衝材の取り付け状態を示す図
符号の説明
1 板状基材
1a 凹入溝
2 熱媒体流通管
3 均熱部
3a 下側均熱体
3b 上側均熱体
5 凹入溝非形成部分
6 内面部分
7 緩衝材
D 深さ
W 横幅
φ 直径

Claims (4)

  1. 上面側に管配設用の凹入溝が形成された板状基材と、前記凹入溝内に配設される熱媒体流通管とが備えられた床暖房パネルであって、
    前記板状基材の上面における前記凹入溝が形成されていない凹入溝非形成部分並びに前記凹入溝の内面部分に沿って緩衝材が設けられ、
    前記熱媒体流通管が、前記凹入溝の内部において前記緩衝材の上側に位置する状態で配置されている床暖房パネル。
  2. 前記凹入溝の深さが前記熱媒体流通管の直径と同じ又は略同じであり、前記凹入溝の横幅が、前記熱媒体流通管の直径と前記緩衝材の厚さの2倍に相当する大きさとを合わせた大きさと同じ又は略同じである請求項1記載の床暖房パネル。
  3. 前記熱媒体流通管の熱を均等に伝熱させるための均熱部として、前記熱媒体流通管の下側に位置する下側均熱体と、前記熱媒体流通管の上側に位置する上側均熱体とを備えて構成され、
    前記下側均熱体は、前記凹入溝非形成部分の上方側箇所においては前記緩衝材の上側に沿って設けられ、前記凹入溝の上方側箇所においては前記緩衝材の上側であって且つ前記熱媒体流通管の下側に位置する状態で設置され、
    前記上側均熱体は、前記凹入溝非形成部分の上方側箇所においては前記下側均熱体の上側に沿って設けられ、前記凹入溝の上方側箇所においては前記熱媒体流通管の上側に位置する状態で設置されている請求項1又は2記載の床暖房パネル。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の床暖房パネルを備えた床暖房設備であって、
    前記床暖房パネルの上部に床仕上げ材が直接設置されている床暖房設備。
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