JP2005048213A - 磁性体ナノ粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つ1つの粒子が独立し、溶媒中に均一に分散できる磁性体ナノ粒子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】直径0.5〜100nmの金属粒子の表面に有機配位分子が結合している磁性体ナノ粒子、および、表面に有機配位分子が結合している直径0.5〜100nmの非晶質粒子の分散スラリーにレーザーを照射することにより非晶質粒子を加熱して結晶化する磁性体ナノ粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体ナノ粒子およびその製造方法に関し、詳しくは、FePt等のナノ粒子であって、特に、高密度記録材料、診断・治療薬などに好適に使用される磁性体ナノ粒子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータ等に使用される記録媒体への要求は益々高度となり、高密度記録媒体材料の開発が切望されている。また、診断などの医療分野に磁性材料を使用した例も数多く報告されており、より高感度で応用範囲の広い磁性材料が望まれている。
【0003】
高密度記録媒体として、1テラビット毎平方インチを超える程の高密度記録媒体を開発しようとした場合、数ナノメーターレベルの小さな領域に情報を記録することが必要になる。この場合、ナノレベルの微小材料、例えば1つ1つ独立に存在し得る強磁性体ナノ粒子を利用するのが有効と考えられている。また、斯かる強磁性体ナノ粒子は、その表面物性をコントロールして生体内の特定部分に選択的に結合させて画像化する等の手段により診断分野に応用することが可能となる。
【0004】
しかしながら、本来、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性体材料は、ナノレベルの微細な粒子構造になると、個々の粒子の強磁性体としての磁気モーメントを束縛する磁気異方性エネルギーよりも室温における熱的エネルギーが大きくなるため、各粒子の磁気モーメントの向きが乱雑となって打ち消される超常時性と呼ばれる状態となり、記録材料には使用できないという問題がある。
【0005】
上記の問題を解決するために提案された、有機配位子を利用する手法によって合成されたFePt(Feは鉄、Ptは白金)ナノ粒子は、合成したままでは20℃程度の室温において常磁性であるが、電気炉中580℃以上で熱処理することにより、室温において9000Oe(エルステッド)の保持力を示す。これは、室温における磁気異方性エネルギーが極めて大きいfct構造(L10構造と呼ばれることがある)に相転移を起こすためであるとされている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、580℃以上の熱処理温度は有機配位子の分解温度を超える高温であり、従って、熱処理後のナノ粒子は、表面に有機配位子を有せず、粒子同士が強く凝集して溶媒に分散できないという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6,254,662号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、1つ1つの粒子が独立し、溶媒中に均一に分散できる磁性体ナノ粒子およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、表面に有機配位分子が結合している非晶質粒子の分散スラリーにレーザーを照射するならば、有機配位分子の分解を惹起させることなく、電気炉で施した熱処理と同様の相転移を個々のナノ粒子に引き起こすことが出来との知見を得た。
【0010】
本発明は、上記の知見に基づき更に検討を重ねた結果、完成されたものであり、その第1の要旨は、直径0.5〜100nmの金属粒子の表面に有機配位分子が結合していることを特徴とする磁性体ナノ粒子に存する。
【0011】
そして、本発明の第2の要旨は、表面に有機配位分子が結合している直径0.5〜100nmの非晶質粒子の分散スラリーにレーザーを照射することにより非晶質粒子を加熱して結晶化することを特徴とする磁性体ナノ粒子の製造方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、説明の便宜上、本発明に係る磁性体ナノ粒子の製造方法について説明する。
【0013】
本発明においては、原料として、表面に有機配位分子が結合している直径0.5〜100nmの非晶質粒子を使用する。斯かるナノ粒子は、コロイド手法を利用した有機合成法で製造され、溶媒中に1つ1つ単独で存在することが出来、コロイド粒子と称さることもある。上記のナノ粒子の直径は、SEM、TEM等の電子顕微鏡、AFM、STM、SNOM等の操作型プローブ顕微鏡で観察して求めることができる。また、動的光散乱測定により求めることも可能である。
【0014】
コロイド手法のナノ粒子の合成方法としては、ホットソープ法、逆ミセル法、均一液相法、界面活性剤混合法などが挙げられるが、粒子の粒径分布がシャープであること、表面配位子の交換反応が容易であること等の理由から、ホットソープ法が好ましい。
【0015】
ホットソープ法は、有機金属化合物と高温に加熱した有機配位子融液を混合し、有機金属化合物を熱分解して非晶質ナノ粒子を生成させると同時にその表面を有機配位子で覆い安定化させる手法である。この際、同時に長鎖アルコールの様な還元剤を混在させ、異種の金属錯体を添加、還元して非晶質ナノ粒子を生成させる反応を行ってもよい。この場合、生成する非晶質ナノ粒子は非晶質の合金(固溶体)となる。
【0016】
有機金属化合物としては、鉄ペンタカルボニル、ジコバルトオクタカルボニル、ジマンガンデカカルボニル等の金属カルボニル化合物が使用される。金属錯体としては、アセチルアセトン白金(II)、アセチルアセトン鉄(III)等のアセチルアセトン錯体、酢酸銀などの酸金属塩が使用される。有機配位子としては、ラウリン酸、オクタン酸などの脂肪酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸、トリオクチルホスフィンオキサイド等の有機リン化合物が挙げられる。配位子の配位力を調節するためにオレイルアミン等のアミンを加えてもよい。また、オクチルエーテル等の高沸点溶媒を加えてもよい。
【0017】
ホットソープ法で合成された非晶質ナノ粒子は、親和性の低い貧溶媒と混合することで余剰の有機配位子を分離し、非晶質ナノ粒子のみ単離することが出来る。非晶質ナノ粒子の表面に結合した有機配位子の割合は、非晶質ナノ粒子当たり、通常5〜300重量%、好ましくは20〜200重量%である。有機配位子の割合が余りに少ない場合は、溶媒への親和性が低くなり1つ1つの粒子が単独で溶媒中に存在ず、また、有機配位子の割合が余りに少ない場合は、後述の相転移によって形成される金属粒子(結晶粒子)の割合が減少して磁性体としての機能を発揮できない恐れがある。非晶質ナノ粒子の表面に結合した有機配位子の割合はは、例えば、窒素気流中でサンプルを600℃程度まで昇温し、飛散した有機物の減量を測定する、熱重量分析法で求めることが出来る。
【0018】
上記の非晶質ナノ粒子は、合成後、より配位力の強い有機配位子と混合することにより配位子交換することが出来る。メルカプトウンデカン酸などの水溶性有機配位子と交換すれば、得られる非晶質ナノ粒子は、水に分散するものとなり、例えば生体内に容易に取り込まれる様になる。
【0019】
本発明の磁性体ナノ粒子は、高密度記録媒体や生体内の診断に使用することを目的としていることから、強磁性体であり、しかも、高い保磁力を有することが好ましい。従って、使用する材料は、ナノサイズの粒子になっても大きな磁気異方性エネルギーを持つFePtやCoPt等が好適である。また、同一の材料であっても、結晶構造に違いがあれば、磁気異方性エネルギーには差がある。例えば、FePtではL10構造の際に大きな磁気異方性を示す。
【0020】
本発明において、前記の非晶質ナノ粒子の結晶化は、非晶質ナノ粒子の分散スラリーにレーザーを照射し非晶質ナノ粒子を加熱して行う。斯かる加熱処理は、個々の非晶質ナノ粒子毎に局部的に行われるため、非晶質ナノ粒子の表面に結合している有機配位の分解が防止される。そして、非晶質ナノ粒子は、相転移を起こし、高い保持力を示す結晶構造に変化する。
【0021】
分散スラリー中の非晶質ナノ粒子の濃度は、通常10〜10万重量ppm、好ましくは100〜5万重量ppmである。上記の範囲より低濃度の場合は、処理する液量が増えすぎ、上記の範囲より高濃度の場合は、レーザーに向かって前面の非晶質ナノ粒子にレーザーが吸収され、後方の非晶質ナノ粒子にはレーザーが届かないことがある。
【0022】
照射するレーザーの波長は、非晶質ナノ粒子が吸収を持つ波長であれば特に制限されないが、エネルギー効率の観点から、通常200〜1000nm、好ましくは300〜600nmである。また、レーザーの照射時間は、散スラリー中の非晶質ナノ粒子の濃度によって異なるが、通常0.1フェムト秒から10時間、好ましくは1フェムト秒から1時間である。照射時間が余りに長い場合は、非晶質ナノ粒子の表面の有機配位子に熱が伝わり有機配位子が熱分解する恐れがある。また、使用するレーザーの強度は、通常0.1mWから10W、好ましくは1mWから5Wである。強度が余りに弱すぎる場合は相変化が起こらず、強度が余りに強すぎる場合は非晶質ナノ粒子の表面の有機配位子が破壊される恐れがある。
【0023】
上記の相変化を調べる手段として、X線による構造解析が有効である。コロイド手法で合成したままのナノ粒子は非晶質部分が多くを占める。X線回折パターンのうち、111面からの比較的大きな反射((111)と略称する)の他には(200)、(220)、(202)、(001)の微小な反射ピークが確認される。ところが、熱処理を加えて相転移を起こすことにより、(001)の反射ピークが大きくなってくる。それ故、ピーク強度比R=(001)/〔(001)+(111)〕を結晶構造の指標として考えるのが適している。本発明において好ましい結晶のR値は0.16〜0.50である。
【0024】
例えば、記録媒体として本発明の磁性体ナノ粒子を使用する場合は、室温における保持力が重要である。保持力は、磁性体の磁化の強さと磁場の強さとの関係を測定する際に求められ、外部磁場を取り去った後の残留磁化を打ち消すのに必要な磁界の強さである。この値が大きければ、一度記録された情報が消され難いため、記録材料として適している。ただし、大き過ぎる場合は、書き込みが出来ないため適した範囲が存在する。一般に、好ましい保持力の範囲は、20℃に於いて200〜50000Oeである。
【0025】
次に、本発明の磁性体ナノ粒子について説明する。本発明の磁性体ナノ粒子は、直径0.5〜100nmの金属粒子の表面に有機配位分子が結合していることを特徴とする。斯かる本発明の磁性体ナノ粒子は上記の様な製造方法で容易に製造することが出来る。そして、本発明の磁性体ナノ粒子において、金属粒子はFePtであり、X線の回折ピーク強度比R=(001)/〔(001)+(111)〕のR値は0.16〜0.50、保持力は20℃に於いて200〜50000Oeであることが好ましい。
【0026】
そして、本発明の磁性体ナノ粒子は、その表面に結合している有機位分子により、1つ1つの粒子が独立し、溶媒中に均一に分散できる。本発明の磁性体ナノ粒子は、溶媒を除去して粉体として使用してもよく、また、基板の上に並べて薄膜として使用してもよい。大きさの異なるナノ粒子や異種元素から成るナノ粒子と混合して使用してもよい。特に、大きさの異なるナノ粒子と混合して薄膜を形成させる場合、ナノ粒子の自己組織化により、都合よく配列させることが出来る場合がある。なお、磁性体ナノ粒子の磁化処理は、公知の方法によって行うことが出来る。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
(FePtナノ粒子の合成)
50mL四つ口フラスコに、アセチルアセトン白金(II)(Aldrich製)197mg、1,2−ヘキサンジオール(Aldrich製)390mg、ジオクチルエーテル(Aldrich製)20mLを仕込み、撹拌しながら10分間アルゴンガスで雰囲気置換した。マントルヒーターの設定を100℃にし、昇温を開始すると、約5分後に液温は100℃に達し、フラスコ内容物は黄色透明の均一液体になった。
【0029】
グローブボックス中、オレイン酸(Aldrich製)0.16mL、オレイルアミン(Aldrich製)0.17mL、鉄ペンタカルボニル(関東化学(株)製)0.13mLをそれぞれ専用の注射器で5mL褐色バイヤル瓶に計り採り、よく混合した後、2mL注射器で吸出した。約1分後、注射器内部を観察すると、2層に分かれていた。この注射器をグローブボックスから取り出し、先の4つ口フラスコ中に注入した。
【0030】
マントルヒーターの設定を297℃に上げて昇温したところ、170℃付近で液色は茶黒色に変化し、240℃付近で黄色い液体の還流を開始した。この時点を反応開始とし、30分間継続した後、マントルヒーターを取り除き50℃まで降温して反応を停止した。
【0031】
フラスコ内にエタノール(純正化学(株)製)40mLを添加したところ液色が濁った。フラスコ内容物を全て50mLバイヤル瓶2本に移し、コクサン製の遠心分離機「P3C」で3000rpmで5分間遠心分離し、黒色の上澄み液を除去したところ、バイヤル瓶底部に黒色の固形物が沈殿していることが確認できた。この沈殿物にヘキサン(純正化学(株)製)25mL、オレイン酸0.05mL、オレイルアミン0.05mLの混合液を添加したところ、速やかに茶黒色の均一透明液になった。この液にエタノール20mLを添加し遠心分離した。
【0032】
上澄み液を除去し、沈殿物にヘキサン20mLを加えて遠心分離したところ、バイヤル瓶底部に微量の不溶物が確認されたので上澄み液と分離した後に廃棄した。上澄み液にエタノールを加え遠心分離して沈殿物を得る洗浄操作を行った。この洗浄操作をもう一度行ったところ、バイヤルビンの底部に黒色の沈殿物が得られた。
【0033】
上記の沈殿物にヘキサン20mLを加えて均一な液にし、FePtナノ粒子のヘキサン分散液を得た。この液を0.0654gシャーレに計り採り、ヘキサンを揮散させ乾燥させたところ0.0010gになっていた。これより、ヘキサン分散液中のナノ粒子濃度は1.529重量%であることが分かった。このFePtナノ粒子ヘキサン分散液0.3gをヘキサン5.7gで希釈し、FePtナノ粒子のヘキサン希釈液を作成した。このヘキサン希釈液をMalvern製動的光散乱測定装置「HPP5001(DLS)」に入れて粒径分布を測定したところ、FePtナノ粒子の平均粒径は4.2nmであった。このヘキサン希釈液1.3mLを1cm角の石英製セルに入れ、レーザー熱処理用の液とした。
【0034】
(FePtナノ粒子のレーザー熱処理)
日本電子製「YAGフェムト秒パルスレーザー」を使用し、出力5mW、波長400nm、1000ヘルツ、波長幅100フェムト秒、ビーム面積3.1cmに調節し、上記のレーザー熱処理用の液に36秒間照射した。レーザー照射後も液は均一で何の沈殿もなく、ナノ粒子は単独で存在していた。この液中のナノ粒子の粒径をDLSで測定したところ、平均粒径4.8nmであり、粒子同士の著しい凝集は起こっていなかった。
【0035】
(X線測定)
レーザー照射後の液に窒素ガス流を当てて溶媒であるヘキサンを揮散させ、10分ほど掛けて残量0.3mL程度にまで濃縮してからパスツールピペットでガラス基板上に1滴滴下し、乾燥後、更に1滴ずつ滴下しながら全量滴下してFePtナノ粒子薄膜を形成した。因みに、このナノ粒子薄膜のごく一部を薬さじで掻き取りヘキサンと混合したところ、速やかに分散し、薄茶色の均一分散液になったことから、ナノ粒子の表面配位子は壊れることなく存在していることが確認された。
【0036】
上記のナノ粒子薄膜について、Rigaku社製薄膜X線回折装置「RINT2000PC」を使用し、CuKα線、出力:50kV250mA、走査軸:2theta、固定角(theta):1.0゜、走査範囲(2theta):10.0゜〜80.0゜、測定モード:Step、計数時間:1.0secの条件下、XRD測定を行った。
【0037】
その結果、24゜((110)の反射ピーク、ベースラインを差し引いた強度は413)、47゜、68゜に微小ピーク:40゜((111)の反射ピーク:ベースラインを差し引いた強度は620)に比較的大きなピークが観察された。24゜のピークと40゜のピークの比R=(001)/〔(001)+(111)〕は0.40であった。参照用としてレーザー熱処理を受けていないFePtナノ粒子へキサン希釈液に対して同様の測定をしたところ、24゜のピークと40゜のピークの比R=(001)/〔(001)+(111)〕は0.40であった。
【0038】
実施例2
実施例1と同様の方法でFePtナノ粒子を合成した。FePtナノ粒子のへキサン希釈液1.3mLを石英セルに計り採り、Brilliant製「YAGナノ秒パルスレーザー」で熱処理を加えた。レーザーの条件は、出力:100mW、波長:355nm、周波数:10ヘルツ、波長幅:5ナノ秒、ビーム面積:3.1cm、レーザー照射時間:50分とした。レーザー照射後も液は均一で何の沈殿もなく、ナノ粒子は単独で存在していた。この液中のナノ粒子の粒径をDLSで測定したところ、平均粒径11.1nmであり、粒子同士の著しい凝集は起こっていなかった。実施例1と同様の方法でナノ粒子薄膜を作成したところ、実施例1と同じくナノ粒子の表面配位子は壊れることなく存在していることが確認された。このナノ粒子薄膜のXRD測定を行ったところ、R=(001)/〔(001)+(111)〕は0.27であった。
【0039】
比較例
実施例1と同様の方法でFePtナノ粒子を合成した。FePtのへキサン希釈液に窒素ガス流を当て、溶媒であるヘキサンを揮散させ、10分ほど掛けて残量0.3mL程度にまで濃縮してからパスツールピペットでガラス基板上に1滴滴下し、乾燥後、更に1滴ずつ滴下しながら全量滴下してFePtナノ粒子薄膜を形成した。このナノ粒子薄膜を石英管の中に入れ、アルゴンを流しながら電気炉で熱処理を加えた。600℃で30分処理し、その後、室温まで降温したところ、ナノ粒子薄膜は銀色に変色しており、ヘキサンに分散しなかったことから、ナノ粒子の表面配位子が破壊され、ナノ粒子同士の著しい凝集が起こっていることが確認された。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、1つ1つの粒子が独立し、溶媒中に均一に分散できる磁性体ナノ粒子およびその製造方法が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。

Claims (6)

  1. 直径0.5〜100nmの金属粒子の表面に有機配位分子が結合していることを特徴とする磁性体ナノ粒子。
  2. 金属粒子がFePtである請求項1に記載の磁性体ナノ粒子。
  3. 表面に有機配位分子が結合している直径0.5〜100nmの非晶質粒子の分散スラリーにレーザーを照射することにより非晶質粒子を加熱して結晶化することを特徴とする磁性体ナノ粒子の製造方法。
  4. 表面に有機配位分子が結合している直径0.5〜100nmの非晶質金属粒子がホットソープ法で調製されたものである請求項3に記載の製造方法。
  5. 磁性体ナノ粒子のX線の回折ピーク強度比R=(001)/〔(001)+(111)〕が0.16〜0.50である請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 非晶質金属粒子がFePtである請求項3〜5の何れかに記載の製造方法。
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