JP2005047900A - 経肺投与用医薬組成物 - Google Patents

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由美子 佐藤
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Abstract

【課題】より使い易い医薬[特に、呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎及び喘息等)の予防又は治療、鎮咳、去痰、及び/或いは鼻炎の予防又は治療のための医薬]を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する吸入剤。
【化1】
Figure 2005047900

(Ar:置換可フェニル、Ar:ハロ置換フェニル、X:CH(OH)、SO又はSO、n:1又は2。)

【選択図】なし

Description

本発明は、ニューロキニン受容体拮抗剤を有効成分として含有する吸入剤に関する。
本発明の一般式(1)を有する化合物は公知であり、ニューロキニン受容体拮抗作用を有することが知られている(特許文献1乃至4参照)。しかしながら、これらの化合物を吸入剤の有効成分として用いた場合の効果は知られていない。
米国特許第6159967号明細書 米国特許第6362179号明細書 米国特許第6511975号明細書 特開2000−34288号公報
本発明者らは、モルホリン誘導体の薬理効果について鋭意検討を行った結果、モルホリン誘導体を吸入剤として用いることにより、経口投与する場合に比べ、より強力に呼吸器に作用することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、
(1) 下記一般式(1)
Figure 2005047900
(式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する吸入剤に関する。

上記のうち、好適なものは、
(2)Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである吸入剤、
(3)Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである吸入剤、
(4)Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである吸入剤、
(5)Arが、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である吸入剤、
(6)Arが、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである吸入剤、
(7)Arが、3,4−ジクロロフェニルである吸入剤、
(8)Xが、CH(OH)又はSOである吸入剤、及び
(9)nが、2である吸入剤
である。
これらのうち、特に好適なものは、
(10)一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である吸入剤:
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド
であり、最も好適なものは、
(11) 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する吸入剤
である。

更に、本発明は、
(12)一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩に加えて、β2アゴニスト又はステロイド剤を有効成分として含有する、上記(1)乃至(11)に記載された吸入剤に関する。

上記(1)乃至(12)に記載された吸入剤は、呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎及び喘息等)を予防又は治療するための医薬、鎮咳薬、去痰薬、及び/或いは鼻炎を予防又は治療するための医薬として用いることができる。

更に本発明は、
(13)有効量の下記一般式(1)
Figure 2005047900
(式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩を含有する吸入剤を哺乳動物(好適には、ヒト)に投与することからなる、呼吸器疾患(特に、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎又は喘息)又は鼻炎の予防若しくは治療方法に関する。
(13)に記載された方法においては、一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩と同時に、別々に又は連続的に、β2アゴニスト又はステロイド剤が投与されてもよい。

更に本発明は、
(14)呼吸器疾患(特に、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎又は喘息)又は鼻炎の予防若しくは治療のための吸入剤を製造するための、下記一般式(1)
Figure 2005047900
(式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用に関する。
これらの使用のうち、
(15)吸入剤が、一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩に加えて、β2アゴニスト又はステロイド剤を有効成分として含有する吸入剤である、(14)に記載された使用、及び、
(16)吸入剤が、β2アゴニスト又はステロイド剤と同時に、別々に又は連続的に投与される吸入剤である、(14)に記載された使用が好適である。

上記一般式(1)において、
Arの定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり得、好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好適には、塩素原子である。
置換基群αの定義における「C−Cアルコキシ基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ又はブトキシのような直鎖状若しくは分枝鎖状のアルコキシ基であり得、好適には、メトキシ、エトキシ又はプロポキシであり、更に好適には、メトキシ又はエトキシであり、特に好適には、メトキシである。
置換基群αの定義における「C−Cハロゲン化アルキル基」は、C−Cアルキル基の1個若しくは2個以上の水素原子が前記「ハロゲン原子」で置換された基であり、好適には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル又は2,2−ジブロモエチルであり、更に好適には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル又はフルオロメチルであり、特に好適には、トリフルオロメチルである。
Arの定義における「置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基」は、好適には、水酸基、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基であり、更に好適には、水酸基、メトキシ、トリフルオロメチル、及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基(例えば、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニル)であり、より更に好適には、メトキシ、トリフルオロメチル、及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基(例えば、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニル)であり、特に好適には、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである。
Arの定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」は、好適には、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基であり、更に好適には、2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基であり、より更に好適には、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルであり、特に好適には、3,4−ジクロロフェニルである。

「その薬理上許容される塩」とは、前記一般式(1)で表される化合物はその分子内にアミン構造を含み、酸と反応させることにより酸付加塩にすることができるので、そのような塩を示す。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩若しくは沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩又は燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩若しくはエタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩若しくはp−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩又は酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩若しくはマレイン酸塩のようなカルボン酸塩等の有機酸塩;或いは、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩又はアスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、ハロゲン化水素酸塩又はカルボン酸塩であり、更に好適には、塩酸塩又はコハク酸塩である。
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明に包含される。

β2アゴニストは、通常気管支拡張薬として用いられるものであれば特に限定はなく、好適には、キシナホ酸サルメテロール、硫酸サルブタモール、塩酸レバロブテロール、フマル酸フォルモテロール、臭化水素酸フェノテロール又は塩酸ツロブテロールであり得、特に好適には、キシナホ酸サルメテロール、硫酸サルブタモール、塩酸レバロブテロール又はフマル酸フォルモテロールである。
ステロイド剤は、臨床において、喘息発作の予防のために用いられるもの、喘息発作時に用いられるもの、又は慢性閉塞性肺疾患の予防若しくは治療のために用いられるものであれば特に限定は無く、好適には、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、プロピオン酸ベクロメタゾン又は酢酸プレドニゾロンであり得、特に好適には、プロピオン酸フルチカゾン又はブデソニドである。

[発明の実施の形態]
前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩は、例えば、米国特許第6159967号、米国特許第6362179号、米国特許第6511975号及び特開2000−34288号に記載されている方法にしたがって製造することができる。
本発明に用いられるβ2アゴニスト及びステロイド剤は、商業的に入手可能なものを用いることができる。

本発明の吸入剤は、前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を、受容者の気管、気管支、肺等へ到達させるための医薬組成物を意味し、好適には、点鼻剤又は経鼻若しくは経肺投与に適した組成物であり得、更に好適には、経肺投与に適した組成物である。
本発明の吸入剤は、前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として用いて、粉末、溶液又は懸濁液の形態として製造することができる。
吸入剤を粉末として製造する場合には、前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩をそのまま、若しくは賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤などの添加剤を加えて微細化することにより製造することができる。
賦形剤は、例えば、乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニット若しくはソルビットのような糖誘導体、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−デンプン、デキストリン若しくはカルボキシメチルデンプンのような澱粉誘導体、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム若しくは内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体、アラビアゴム、デキストラン、又は、プルラン等の有機系賦形剤;或いは、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム若しくはメタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体、燐酸カルシウムのような燐酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、又は、硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤であり得る。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム若しくはゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム若しくはラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸若しくは珪酸水和物のような珪酸類;又は、上記澱粉誘導体であり得る。
結合剤は、例えば、ポリビニルピロリドン若しくはマクロゴール、或いは、前記賦形剤と同様の化合物であり得る。
崩壊剤は、例えば、前記賦形剤と同様の化合物、又は、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム若しくは架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類であり得る。
安定剤は、例えば、メチルパラベン若しくはプロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール若しくはフェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール若しくはクレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;又は、ソルビン酸であり得る。
矯味矯臭剤は、通常使用される甘味料、酸味料若しくは香料等であり得る。

吸入剤を溶液又は懸濁液として製造する場合には、例えば、前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を、水又は水と補助溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)の混合物に溶解若しくは懸濁させることにより製造することができる。そのような溶液又は懸濁液は、更に、防腐剤(例えば、塩化ベンザウコニウム)、可溶化剤(例えば、Tween 80若しくはSpan 80のようなポリソルベート、又は塩化ベンザルコニウムのような表面活性剤)、緩衝剤、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム)、吸収促進剤及び/又は増粘剤を含有していてもよい。また、懸濁液は、懸濁化剤(例えば、微結晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)を更に含有していてもよい。

上記のように製造した吸入剤は、吸入剤の分野で一般的な手段(例えばスポイト、ピペット、カニューレ又は噴霧器を用いて)により鼻腔又は口腔に直接投与される。噴霧器を用いる場合は、前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩を、適当な噴射剤(例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン若しくはジクロロテトラフルオロエタンのようなクロロフルオロカーボン、又は二酸化炭素等のガス等)と共に加圧パックの形にされたエアロゾールとして噴霧するか、ネブライザーを用いて投与することができる。
尚、一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩及びβ2アゴニスト若しくはステロイド剤を有効成分として含有する吸入剤を製造する場合にも上記の添加剤を用いて製造することができる。β2アゴニスト若しくはステロイド剤を、一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩と別々に又は連続的に投与する場合、市販されている吸入用β2アゴニスト若しくは吸入用ステロイド剤を用いることもできる。

本発明の一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用量は症状、年齢、性別等によって異なるが、例えば、成人男性に対して1日あたり、下限として0.01μg/kg(好ましくは0.05μg/kg)、上限として、1000μg/kg(好ましくは100μg/kg、より好ましくは20μg/kg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。

β2アゴニストの成人への投与量については、キシナホ酸サルメテロール(吸入)の場合、10μg乃至100μg(好適には25μg乃至75μg、特に好適には50μg)が1日2回投与され;硫酸サルブタモール(吸入)の場合、50μg乃至200μg(好適には100μg乃至200μg、特に好適には180μg)が1日3又は4回投与され;塩酸レバロブテロール(吸入)の場合、0.031mg乃至1.25mg(好適には0.63mg乃至1.25mg)が1日3回投与され;フマル酸フォルモテロール(吸入)の場合、6μg乃至24μg(好適には12μg乃至24μg)が1日2回投与され;臭化水素酸フェノテロール(吸入)の場合、0.2mg乃至0.6mg(好適には0.2mg乃至0.4mg)が1日1乃至4回投与され;塩酸ツロブテロール(経口)の場合、0.5mg乃至2mg(特に好適には1mg)が1日2回投与される。その他のβ2アゴニストについては、好適には、気管支拡張剤として臨床で用いられる通常の用量が用いられる。
ステロイド剤の成人への投与量については、プロピオン酸フルチカゾン(吸入)の場合、50μg乃至1000μg(好適には100μg乃至1000μg)が1日2乃至4回投与され;ブデソニド(吸入)の場合、50μg乃至500μg(好適には100μg乃至400μg)が1日2乃至4回投与され;プロピオン酸ベクロメタゾン(吸入)の場合、50μg乃至200μg(好適には100μg乃至200μg)が1日4回投与される。その他のステロイド剤については、好適には、喘息発作の予防、喘息発作、又は慢性閉塞性肺疾患の予防若しくは治療のために臨床で用いられる通常の用量が用いられる。
本発明の吸入剤を採用することにより、より少ない有効成分で薬効が発現され、ニューロキニン拮抗剤の副作用の程度を軽減することができるので、本発明の吸入剤は、より使い易い医薬[特に、呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎及び喘息等)を予防又は治療するための医薬、鎮咳薬、去痰薬、及び/或いは鼻炎を予防又は治療するための医薬]として有用である。
以下に、実施例、製造例及び製剤例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
[実施例1] NK受容体拮抗試験(経気管投与)
被験物質を5%水溶液グルコースに溶解し、ペントバルビタール(0.2〜0.25ml/body、i.p.)麻酔下、0.5ml/kgの溶液を気管内投与器具(1A-1B、penn-century.Inc製)を用いてモルモット(体重400g前後、Hartley系雄性モルモット)に経気管投与した。薬物投与直後、大腿(内側)静脈よりエバンスブルー(40mg/2ml/kg、i.v.)、ついでNK受容体アゴニストであるサブスタンスP (1μg/2ml/kg、i.v.)を投与した。
サブスタンスP投与15分後に炭酸ガスで安楽死させ、頸部より主気管を約2cm摘出した。摘出した主気管をアセトンと0.5%NaSOの7:3混合液4mlに約24時間浸して色素を抽出し、抽出液の吸光度(OD620nm)を測定した。
検量線より色素量を換算し、気管0.1gあたりの色素漏出量を血管透過性亢進の強度とし、コントロール(5%グルコース経気管投与群)に対する抑制率を算出した。薬用量の対数値と各個体の抑制率との直線回帰分析により、50%抑制薬用量(ID50値)を算出した。
本試験において、化合物A(下記構造式Aの化合物)をエバンスブルー投与の直前に経気管投与したときのID50値は5.8μg/kgであった。また、化合物B(下記構造式B)をエバンスブルー投与の4時間前に100μg/kg経気管投与したときの抑制率は5.7%であった。
Figure 2005047900
[実施例2] NK受容体拮抗試験(経気管投与)
健常モルモット(体重500g前後、ハートレー系雄性モルモット)を用い、NK2 受容体アゴニストであるneurokinin A(NKA)による気道収縮に対する抑制作用をKonzett-Roessler(Naunyn-Schmiedebergs Arch. Exp. Pathol. pharmakol. 195, 71(1940))の変法を用いて、気道内圧を指標として調べた。
ペントバルビタール(50mg/ml液、0.40−0.50ml/body、s.c.)で麻酔したモルモットに気管カニューレ、静脈カニューレを装着する。また、ヘパリン含生理食塩水(100U/ml)を充たした動脈カニューレを装着して、増幅器および瞬時心拍計を介して血圧・心拍数をモニターする。次いで、ガラミン(gallamine 20mg/kg、i.v.)を投与し、自発呼吸を停止した後、速やかに10ml/kg、60回/分の陽圧呼吸(Ugo-Basile Biological Research Apparatus、Cat. No.7025)を施した。人工呼吸時の気道内圧は、気管カニューレの側枝に装着した圧力トランスデューサー(日本光電工業株式会社、TP-200TまたはTP-400T)により検出し、増幅(日本光電、AP-601G)して、レコーダー(日本光電工業株式会社、WT-645GまたはWT-685G)に記録した。気道内圧および血圧心拍数が安定した後、標準気道収縮物質Methacholineの10μg/kg(100μg/ml、0.10ml/kg)で気道反応性を確認した。規定の収縮反応が得られなかった場合Methacholineの12μg/kg(120μg/ml、0.10ml/kg)で気道反応性を確認した。気道反応性確認5分後にNKAを4μg/kgを静脈カニューレより静脈内投与して気道収縮を誘発させ、以後10分間の気道内圧を測定した。
被験物質は5%グルコース液に溶解し、0.5ml/kgの溶液を気管内投与器具(1A-1B、penn-century.Inc製)を用いて気管内投与した。
NKA投与後10分間の増加気道内圧面積値をNKA誘発気道収縮の強度をとし、control(5%グルコース経気管投与群)に対する抑制率を算出した。薬用量の対数値と各個体の抑制率との直線回帰分析により、50%抑制薬用量(ID50値)を算出した。
本試験において、化合物AをNKA投与の30分前に経気管投与したときのID50値は0.21μg/kgであった。また、化合物BをNKA投与の4時間前に経気管投与したときのID50値は1.8μg/kgであった。

[実施例3] NK受容体拮抗試験(経気管投与)
NK受容体アゴニストであるneurokinin B(NKB)による気道収縮に対する被検薬物の抑制効果を実施例2に記載された方法に準じて、気道内圧を指標として調べた。
即ち、NKAの静脈内投与に代えてNKB 4.0μg/kgを静脈内投与する以外は実施例2と同様に実験をおこなった。
NKB投与後10分間の増加気道内圧面積値をNKB誘発気道収縮の強度とし、control(5%グルコース経気管投与群)に対する抑制率を算出した。薬用量の対数値と各個体の抑制率との直線回帰分析により、50%抑制薬用量(ID50値)を算出した。
本試験において、化合物AをNKB投与の30分前に経気管投与したときのID50値は3.2μg/kgであった。また、化合物BをNKB投与の4時間前に経気管投与したときのID50値は75μg/kgであった。

[実施例4] 気道収縮の抑制作用(in vivo、経気管投与)
健常モルモット(体重500g前後、ハートレー系雄性モルモット)を用い、迷走神経刺激誘発性気道収縮に対する被験物質の抑制作用をKonzett-Roessler(Naunyn-Schmiedebergs Arch. Exp. Pathol. pharmakol. 195, 71(1940))の変法を用いて、気道内圧を指標として調べた。
ペントバルビタール(pentobarbital sodium、50mg/ml液、0.40−0.50ml/body、s.c.)で麻酔したモルモットに気管カニューレ、静脈カニューレを装着した。また、ヘパリン含生理食塩水(100U/ml)を充たした動脈カニューレを装着して、増幅器および瞬時心拍計を介して血圧・心拍数をモニターした。次いで、ガラミン(gallamine triethiodide 20mg/kg、i.v.)を投与し、自発呼吸を停止した後、速やかに10ml/kg、60回/分の陽圧呼吸を施した。さらに、右または左迷走神経に刺激用白金電極を接続した。人工呼吸時の気道内圧は、気管カニューレの側枝に装着した圧力トランスデューサーにより検出し、増幅して、レコーダーに記録した。気道内圧および血圧・心拍数が安定した後、白金電極より迷走神経を低頻度で短時間刺激(2Hz、20秒、5V、duration 5 msec)し、気道反応性を確認した。気道反応性確認5分後に迷走神経を本刺激(20Hz、60秒、5V、duration 5 msec)し、気道収縮を誘発させ、以後10分間の気道内圧を測定した。
被験物質は試験当日に5%グルコース液に溶解し、0.5ml/kgの溶液を気管内投与器具(1A-1B、penn-century.Inc製)を用いて、迷走神経本刺激の30分前に気管内投与した。
迷走神経本刺激後10分間の増加気道内圧面積値を迷走神経刺激誘発気道収縮の強度とし、control(5%グルコース液投与群)に対する抑制率を算出した。
本試験において、化合物A 10μg/kgを経気管投与したときの抑制率は51%であった。

[比較例]
[比較例1] NK受容体拮抗試験(経口投与)
被験化合物を経口投与する以外は、実施例1と同様に実験を行った。被験物質は、5%トラガント対溶液に懸濁して経口投与した。
本試験において、化合物Aをエバンスブルー投与の1時間前に経口投与したときのID50値は3.6mg/kgであった。また、化合物Bをエバンスブルー投与の2時間前に10mg/kg経口投与したときの抑制率は−25%、33mg/kg経口投与したときの抑制率は31%であった。

[比較例2] NK受容体拮抗試験(経口投与)
被験化合物を経口投与する以外は、実施例2と同様に実験を行った。被験物質は、5%トラガント対溶液に懸濁して経口投与した。
本試験において、化合物AをNKA投与の1時間前に経口投与したときのID50値は1.3mg/kgであった。また、化合物BをNKA投与の2時間前に経口投与したときのID50値は4.4mg/kgであった。

[比較例3] NK受容体拮抗試験(経口投与)
被験化合物を経口投与する以外は、実施例3と同様に実験を行った。被験物質は、5%トラガント対溶液に懸濁して経口投与した。
本試験において、化合物AをNKB投与の1時間前に経気管投与したときのID50値は0.89mg/kgであった。また、化合物BをNKB投与の2時間前に経口投与したときのID50値は1.2mg/kgであった。

[製造例]
[製造例1]1−{2−[(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[(2S)−2−ヒドロキシ]インダン−1,4’−ピペリジン]塩酸塩 (化合物B)
(1a)2−{(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル}エタノール メタンスルフォネート
Figure 2005047900
2−[(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イル]エタノール(米国特許第6159967号明細書、EXAMPLE 51(d))5.60g(20.3mmol)を塩化メチレン(60mL)に溶解し、トリエチルアミン2.83mL(24.3mmol)を加えた。氷冷下3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド5.60g(20.3mmol)及び、4−ジメチルアミノピリジン248mg(2.03mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレン層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製して、2−{(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル}エタノール5.68g(54%)を得た。
得られたアルコール体5.68g(11mmol)を塩化メチレン(60mL)に溶解し、窒素雰囲気下、トリエチルアミン2.3mL(16.5mmol)を加え、氷冷下メタンスルホニルクロリド1.02ml(13.2mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温にて30分間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレン層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、標記化合物6.09g(93%)を得た。
H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl3) δppm : 8.05-7.71 (3H, m), 7.70-7.29 (3H, m), 4.56-4.19 (2H, m), 4.08-3.23 (6H, m), 2.95 (3H, s), 2.52-2.16 (2H, m).
マススペクトル(FAB),m/z:594((M+H))

(1b)1−{2−[(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[(2S)−2−ヒドロキシ]インダン−1,4’−ピペリジン]塩酸塩
Figure 2005047900
(1a)で得られた2−{(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル}エタノール メタンスルフォネート126g(212mmol)をジメチルアセトアミド1300mLに溶解し、炭酸水素ナトリウム26.7g(318mmol)、ヨウ化カリウム52.8g(318mmol)及びスピロ[(2S)−2−ヒドロキシ]インダン−1,4’−ピペリジン]43.1g(212mmol)を加え、80℃にて8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル層を合わせ、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/メタノール=100/1)により精製して、1−{2−[(2R)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[(2S)−2−ヒドロキシ]インダン−1,4’−ピペリジン]129g(87%)を得た。
得られたフリー体2.01g(2.85mmol)をエタノール20mlに溶解し、窒素雰囲気下、氷冷にて4N-塩酸ジオキサン3.58ml(14.3mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌後、減圧下溶媒を留去し、ジエチルエーテルにて共沸した。得られた残渣をn−ヘキサンで結晶化を行い、標記化合物1.92g(91%)を白色結晶として得た。
H−核磁気共鳴スペクトル(500MHz、CD3OD) δppm: 8.18-8.10 (1H, m), 7.98-7.91 (2H, m), 7.83-7.29 (3H, m), 7.26-7.11 (4H, m), 4.52-4.42 (1H, m), 4.30-3.62 (5H, m), 3.61-3.39 (4H, m), 3.38-3.09 (3H, m), 3.01-2.79 (2H, m), 2.71-2.52 (1H, m), 2.40-2.21 (2H, m), 2.17-1.93(2H, m), 1.81-1.68 (1H, m).
赤外吸収スペクトル νmax cm-1 (KBr):3378.2927.1645.1281.1138.
マススペクトル(FAB) m/z 701 ((M + H )+、 フリー体)
元素分析値 (C34H33Cl3F6N2O3・H2Oとして)
計算値 : C: 54.02; H: 4.67; Cl: 14.07; F: 15.08; N: 3.71
実測値 : C: 54.20; H: 4.45; Cl: 14.13; F: 14.82; N: 3.66
旋光度:[α]D 27=+36.84(c=1.00、メタノール)。

[製剤例]
[製剤例1]吸入用液剤1
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩が10%(W/W)、塩化ベンザルコニウムが0.04%(W/W)、フェネチルアルコールが0.40%(W/W)、精製水が89.56%(W/W)となるように液剤を調製する。

[製剤例2]吸入用液剤2
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩が10%(W/W)、塩化ベンザルコニウムが0.04%(W/W)、ポリエチレングリコールが10%(W/W)、プロピレングリコールが30%(W/W)、精製水が39.96%(W/W)となるように液剤を調製する

[製剤例3]吸入用散剤
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩が40%(W/W)、ラクトースが60%(W/W)となるように散剤を調製する。

[製剤例4]エアゾール剤
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩が10%(W/W)、レシチンが0.5%(W/W)、フロン11が34.5%(W/W)、フロン12が55%(W/W)となるようにエアゾール剤を調製する。
実施例及び比較例に示した結果から明らかなように、前記一般式(1)を有する化合物を経気管投与することにより、経口投与するよりも少ない用量で薬効が発現される。
本発明の吸入剤を採用することにより、より少ない有効成分で薬効が発現され、ニューロキニン拮抗剤の副作用の程度を軽減することができるので、本発明の吸入剤は、より使い易い医薬[特に、呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎及び喘息等)の予防又は治療、鎮咳、去痰、及び/或いは鼻炎の予防又は治療のための医薬]として有用である。
更に、本発明の吸入剤は、β2アゴニスト及び/又はステロイド剤と併用することができる。

Claims (24)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2005047900

    (式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
    を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する吸入剤。
  2. Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである、請求項1に記載された吸入剤。
  3. Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである、請求項1に記載された吸入剤。
  4. Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである、請求項1に記載された吸入剤。
  5. Arが、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  6. Arが、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  7. Arが、3,4−ジクロロフェニルである、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  8. Xが、CH(OH)又はSOである、請求項1乃至請求項7から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  9. nが、2である、請求項1乃至請求項8から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  10. 一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である、請求項1に記載された吸入剤:
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド。
  11. 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する、請求項1に記載された吸入剤。
  12. 一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩に加えて、β2アゴニスト又はステロイド剤を有効成分として含有する、請求項1乃至請求項11から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  13. 呼吸器疾患の予防又は治療に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  14. 慢性閉塞性肺疾患の予防又は治療に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  15. 気管支炎の予防又は治療に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  16. 喘息の予防又は治療に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  17. 鎮咳に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  18. 去痰に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  19. 鼻炎の予防又は治療に用いるための、請求項1乃至請求項12から選択されるいずれか1項に記載された吸入剤。
  20. 呼吸器疾患又は鼻炎の予防若しくは治療のための吸入剤を製造するための、下記一般式(1)
    Figure 2005047900

    (式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
    を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用。
  21. 吸入剤が、一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩に加えて、β2アゴニスト又はステロイド剤を有効成分として含有する吸入剤である、請求の範囲第20に記載された使用。
  22. 吸入剤が、β2アゴニスト又はステロイド剤と同時に、別々に又は連続的に投与される吸入剤である、請求の範囲第20に記載された使用。
  23. 有効量の下記一般式(1)
    Figure 2005047900

    (式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
    を有する化合物又はその薬理上許容される塩を含有する吸入剤を哺乳動物に投与することからなる、呼吸器疾患又は鼻炎の予防若しくは治療方法。
  24. 一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩と同時に、別々に又は連続的に、β2アゴニスト又はステロイド剤を投与することからなる、請求項23に記載された方法。
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