JP2005045910A - ケーブルのデータキャリア設置構造及び設置方法 - Google Patents

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友貴 若尾
Yuji Oi
裕司 大井
Tatsuya Murofushi
辰也 室伏
Hirotetsu Nakayama
弘哲 中山
Toshiaki Ozawa
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Abstract

【課題】 本発明は、芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置し、そのケーブルの敷設路に沿った任意の位置において、該データキャリアと外部の通信機器との間で実用的な通信感度で電磁波通信が出来るケーブルのデータキャリア設置構造及びその設置方法を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】 樹脂製の保護層14と芯線束3との間においてケーブル1の長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリア6が配置されたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ケーブルや電気ケーブルに情報の記憶部を有するデータキャリアを設置した構造及びその設置方法に関し、具体的には芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルへのデータキャリア設置構造及び設置方法に関するものである。
一般に光ケーブルは複数の光ファイバー管を多数束ねた多芯の芯線束をシース層で更に束ね、その表面を樹脂製の保護層で保護した状態で敷設される。また通信用の多芯の電気ケーブルもほぼ同じように構成して敷設される。
一方、都市部におけるケーブルの敷設路は網の目のように張り巡らされ、各ビルや地下街に分岐される。このように複雑且つ大量に敷設されるケーブルのメンテナンスや損傷もしくは切断事故の回復工事を迅速に効率良く行うために、各ケーブルには整理番号が付され、その整理番号を基に接続関係や内容を速やかに把握出来るように管理がなされている。
図8は都市部に敷設されるケーブル敷設路の概念図である。例えば幹線ケーブルNから支線ケーブルN,Nが分岐し、更に支線ケーブルN,Nからそれぞれ支線ケーブルN〜Nが分岐しており、各ケーブル1に整理番号が付与される。
ケーブル1を都市部に敷設する場合は通常、地下にコンクリート製の暗渠を建設し、その中に敷設することが多い。しかし暗渠内に敷設した場合でもネズミ等によるケーブル損傷の被害はしばしば発生するので、ケーブル1の信頼性をより高めるためには樹脂製の保護層の内側に金属管を設け、その金属管による確実な保護が望ましい。
保護用の金属管として金属製のスパイラル管及び継ぎ目なしの金属管が知られている。金属製のスパイラル管は細長い金属製のスパイラルバンドを螺旋状に重ね巻きして管状に形成したものであり、任意の直径及び長さを容易に形成出来るため次第に普及してきた。
図9(a),(b)は金属製のスパイラル管で保護したケーブルを示す外観図及び断面図である。ケーブル1は光ケーブルを構成し、複数の光ファイバー管を束ねた芯線2が更に多数束ねられて芯線束3を形成し、その芯線束3の周囲をシース層4で束ね、該シース層4の外側が金属製のスパイラル管5で保護される。そしてスパイラル管5の表面に樹脂製の保護層14が設けられる。
尚、芯線束3とスパイラル管5との間に施されるシース層4は、各芯線2を被覆する絶縁体への外傷や浸水等を防ぐための防食層として構成されるもので塩化ビニル系材料や、耐燃性ポリエチレン等が使用される。
ネズミ等による被害の少ない場合には樹脂製のスパイラル管を用いることが多い。その場合には細長い樹脂製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いて管状に形成することにより樹脂性のスパイラル管が製造される。また、細長い樹脂製のスパイラルバンドを荒巻きにしても芯線束3を拘束し、ケーブル1本体の強化を図ることが出来る。
従来、多くの現場において、紙や樹脂製のシートに記載した整理番号をケーブル1の外周面に貼り付けて管理する方法が採用されている。一方、管理施設に設置されたコンピュータ装置の記憶装置には整理番号ごとにその接続先、芯線内容等が記憶される。更に記憶装置にはケーブル1の設置年月日、メンテナンス経歴、接続先変更履歴等も記憶される。
地震等によりケーブル敷設路における特定場所に損傷事故が発生したときは、事故現場に駆けつけてケーブル1の整理番号を確認し、端末装置から通信回線を利用して管理施設のコンピュータ装置にアクセスし、その整理番号の内容情報を受信してから適切な回復工事を施工する。
しかし、ケーブル1の外側に整理番号を記載した紙や樹脂製のシートを貼り付ける方法は、シートの剥がれや記載内容が消失することがあり、管理上の安定性もしくは信頼性が低いという問題がある。
そのような心配のない情報記憶手段として、最近広く普及しつつあるデータキャリアが存在する。一般的なデータキャリアは極めて小型に形成され、記憶部、CPU、電源用コンデンサ、送受信部を含む制御部をIC回路で構成し、その制御部とアンテナコイルを接続し全体を樹脂モールドやガラス管に封入して構成される。
そして、送受信用アンテナコイルを有するリーダライタ機等の通信機器をデータキャリアに近づけることにより、それとの間で非接触による電磁波通信を行うことが出来、通信機器から情報をデータキャリアの記憶部に書き込み、またはデータキャリアの記憶部に記憶されている情報を通信機器に読み出すことが出来る。
例えば、情報通信ケーブル等の線状の物品の表面に非接触データキャリアを設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、地下埋設配管の表面に無線応答タグを設けるか若しくは、配管の端面に形成された穴に無線応答タグを挿入して合成樹脂を充填して無線応答タグを配管に埋設したものもある(例えば、特許文献2参照。)。
一方、本出願人は金属部材で覆われたデータキャリアと外部との間で電磁波通信を実用的な通信感度で行えるようにした技術を提案している(例えば、特許文献3参照。)。この技術は金属部材に形成した微小な間隙を通る漏洩磁束を利用して外部との間で電磁波通信を行っている。
特開2000−339425号公報 特開平4−39483号公報 特開2002−157565号公報
しかしながら、前述の特許文献1、2のようにケーブルや配管の表面にデータキャリアを設けた場合には該ケーブルや配管の引き回し作業時等に外力が作用してデータキャリアが破損する虞があり、ケーブルや配管の表面からデータキャリアが嵩張る場合にはケーブルや配管の引き回しに支障がある。
また、特許文献2のように配管の端面に形成された穴に無線応答タグを挿入して合成樹脂を充填して無線応答タグを配管に埋設した場合でも長期間紫外線に曝されると樹脂が劣化してひび割れ等を起こし、データキャリアに損傷を与える虞れがある。
ところで、データキャリアが送受信に際して利用する磁束は、金属材料と鎖交するとその部分に渦電流が発生する。金属材料に渦電流が流れると、通信に利用する磁束を打消す方向の磁束が発生し、結果として通信感度が低下する。特にデータキャリアの周囲が金属材料で覆われている場合には、従来から電磁波通信は実質的に不可能とされていた。
特許文献3の技術ではデータキャリアを金属部材で覆った状態でも該データキャリアと外部との間で電磁波通信を実用的な通信感度で行えるものであるが金属製のスパイラル管で保護されたケーブルとデータキャリアとの関係については記載されていない。
一方、図8に示すように敷設されるケーブル敷設路は複雑に分岐しており、幹線部分では多数のケーブル1が並行して敷設される。例えばあるケーブル回線が故障した場合、多数のケーブル1の中から当該故障ケーブルを現場で迅速に確認作業を行う必要がある。そのためには敷設したケーブル1に沿った任意の位置で正確に確認出来ることが望ましい。しかし従来のケーブル1の確認方法ではこのような目的を達成することは困難であった。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置し、そのケーブルの敷設路に沿った任意の位置において、該データキャリアと外部の通信機器との間で実用的な通信感度で電磁波通信が出来るケーブルのデータキャリア設置構造及びその設置方法を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係るケーブルのデータキャリア設置構造は、芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置した構造であって、前記保護層と前記芯線束との間において、前記ケーブルの長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリアが配置されていることを特徴とする。
本発明は上述の如く各データキャリアが樹脂製の保護層の内側に配置されるので、外部からの衝撃等により損傷を受けることがない。また、ケーブルの長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリアを配置したので、それらデータキャリアに同じデータを記憶させておくことにより、敷設したケーブルに沿った任意の位置で正確にその内容を確認出来る。
また、前記複数のデータキャリアの片面または両面を支持層で支持してデータキャリア支持体を構成し、そのデータキャリア支持体を前記保護層と前記芯線束との間に配置することが出来る。このように構成すると、複数のデータキャリアを正確な間隔と配置姿勢を確保した状態で配置することが出来る。そのためケーブルの確認位置にバラツキを生じることがない。
前記データキャリア支持体を全体が可撓性とし、前記保護層または前記芯線束の曲面に沿って変形された状態でそれらの間に配置することが出来る。データキャリアは空芯で円形のアンテナコイルと、その両端部に接続された微細なIC回路からなる制御部を有して合成樹脂によりラミネートパッケージされたものが使用出来、このようなデータキャリアは前記保護層または前記芯線束の曲面に沿って自在に変形し得る可撓性を有している。
さらに上記設置構造において、前記保護層と前記芯線束との間に樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管を設け、そのスパイラル管と前記芯線束との間において、前記ケーブルの長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリアを配置し、前記スパイラル管が金属製の場合はそれに形成した螺旋状の微細な磁束漏洩路を利用して前記データキャリアと前記ケーブルの外部との間で電磁波通信を行うように構成することが出来る。
上述の如く構成した場合には、各データキャリアが樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管で保護されるので、ネズミによる被害なども防止出来る。また、金属製のスパイラル管に形成した螺旋状の微細な磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して該スパイラル管の内側に配置したデータキャリアとケーブルの外部の通信機器との間で実用的な通信感度において電磁波通信を行うことが出来る。
また、前記芯線束の周囲にシース層が形成され、そのシース層の外周面に前記データキャリアが配置されている場合には、シース層を利用してデータキャリアを安定に所定位置に配置することが容易に出来る。これにより所定の通信方向を確実に設定出来る。ここで、シース層は、各芯線を被覆する絶縁体への外傷や浸水等を防ぐための防食層として構成されるもので塩化ビニル系材料や、耐燃性ポリエチレン等が使用出来る。
また、本発明に係るケーブルのデータキャリア設置方法は、芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置する方法であって、複数のデータキャリアを列状に所定間隔で配列し、それら配列したデータキャリアの片面または両面を細長い支持層で支持してなるデータキャリア支持体を用意し、前記データキャリア支持体を前記保護層と前記芯線束との間で前記ケーブルの長手方向に沿って配置することを特徴とする。
上記設置方法によれば、上述のケーブルのデータキャリア設置構造を効率良く製造することが出来、各データキャリアを所定の位置に正確に配置出来ると共に、それらの通信方向も安定化出来る。
また、本発明に係る別のケーブルのデータキャリア設置方法は、芯線束の周囲を樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管で保護したケーブルにデータキャリアを設置する方法であって、複数のデータキャリアを列状に所定間隔で配列し、それら配列したデータキャリアの片面または両面を細長い支持層で支持してなるデータキャリア支持体を用意し、前記データキャリア支持体を前記芯線束の外周面で前記ケーブルの長手方向に沿って配置し、その上から細長い樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いてスパイラル管を形成し、その際、前記スパイラルバンドが金属製の場合は重ね巻きし、その重ね部分に沿って微細な磁束漏洩路が形成されるように巻回することを特徴とする。
上記設置方法によれば、芯線束の周囲を樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管で保護した上述のケーブルのデータキャリア設置構造を効率良く製造することが出来、各データキャリアを所定の位置に正確に配置出来ると共に、それらの通信方向も安定化出来る。
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置し、そのケーブルの敷設路に沿った任意の位置において、該データキャリアと外部の通信機器との間で実用的な通信感度で電磁波通信が出来る。
図により本発明に係るケーブルのデータキャリア設置構造及びその設置方法の一実施形態を具体的に説明する。
図1(a),(b)は本発明に係るケーブルのデータキャリア設置構造を示す正面説明図及び部分断面図、図2(a),(b)はデータキャリア支持体の構成を説明する側面説明図及び正面説明図である。
また、図3は円形データキャリアの模式的構成図、図4は棒状データキャリアの模式的構成図、図5はデータキャリアの制御部のブロック図、図6はリーダライタ機の制御部のブロック図、図7はリーダライタ機とデータキャリアとの間で電磁波通信を行うと共に、該リーダライタ機と遠隔にあるコンピュータ装置との間で通信を行う様子を示す図である。
尚、以下に説明する実施形態は樹脂製の保護層14の内側に金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管5を設けた場合の一例である。尚、金属製のスパイラル管5を設けず、樹脂製の保護層14だけの場合は、各データキャリア6が保護層14と芯線束13(もしくはその上のシース層4)との間に配置され、その他は同様に構成される。
また、樹脂製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管5を設けた場合や樹脂製の保護層14だけの場合は電磁波通信に使用する磁束φを遮蔽することなく通すので、ケーブル1の外部との間での電磁波通信は容易である。
図1において、ケーブル1は図9に示して前述したと同様な光ケーブルであり、複数の光ファイバー管を束ねた芯線2が更に多数束ねられて芯線束3を形成し、その芯線束3の周囲をシース層4で束ね、該シース層4の外側が金属製のスパイラルバンドを螺旋状に重ね巻きしたスパイラル管5で保護される。そしてスパイラル管5の外側にポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂製の保護層14が形成される。
芯線束3とスパイラル管5との間に施されるシース層4は、各芯線2を被覆する絶縁体への外傷や浸水等を防ぐための防食層として構成されるもので塩化ビニル系材料や、耐燃性ポリエチレン等が使用出来る。
シース層4とスパイラル管5との間にはケーブル1の長手方向に沿って複数のデータキャリア6を所定間隔で配置して支持するデータキャリア支持体12が設けられている。データキャリア支持体12を構成する細長い支持層7,8の間に複数のデータキャリア6の両面が所定間隔で支持され、一方の支持層7側がスパイラル管5の内周面に接するように配置され、他方の支持層8側がシース層4の外周面に接するように配置される。
支持層7,8としてはポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂製のシート材を用いることが出来る。これら樹脂製のシート材は柔軟で可撓性を有することが望ましい。データキャリア支持体12の全体を可撓性とすることにより図1(b)に示すように、断面が曲面形成される保護層14、スパイラル管5、シース層4(若しくは芯線束3)の曲面に沿って、データキャリア支持体12が変形し、それらの間にデータキャリア支持体12を密着した状態で配置出来、それによってデータキャリア6をより安定した状態で配列することが出来る。
後述するように、本発明に使用されるデータキャリア6は円形の空芯コイルを有し、比較的小型で全体が円板状に形成されるものと、棒状に形成されたフェライト等のコア9の外周にアンテナコイル10を螺旋状に密に巻回したロッドアンテナを有し、極めて小型で全体が棒状に形成されたものがある。前者の円板状のものはそのまま1列に配列すればよいが、後者の棒状のものは、その軸方向がケーブル1の長手方向に並行になるように配列することが望ましい。
可撓性を有するデータキャリア6の一例としては、空芯で円形のアンテナコイル10と、その両端部に接続された微細なIC回路からなる制御部11を有して合成樹脂によりラミネートパッケージされたものが株式会社ハネックスにより市販されており、このようなデータキャリア6が好適に使用出来る。
即ち、複数のデータキャリア6がケーブル1の長手方向に沿って直線状に配列され、保護層14と芯線束3との間に配置される。尚、支持層8とシース層4との間を粘着層または接着層で固定することも出来る。また支持層7,8のいずれか一方を省略してデータキャリア6の片面を何れかの支持層7,8で支持することも出来る。
支持層7の表面上は金属製のスパイラル管5で覆われる。表面側の支持層7とスパイラル管5との間にクッション性を有する繊維質等の緩衝層を設けることも出来、そのような緩衝層を設けることにより、スパイラル菅5を巻回する際の不用意な衝撃やケーブル施工時等における外部衝撃がデータキャリア6に伝達されることを防止または緩和することが出来る。
金属製のスパイラル管5は鉄帯やステンレス帯のような細長い金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻回して製造されるが、従来からの標準的な製造工程における通常の巻回操作において、金属製のスパイラルバンドの縁部が重なる部分に沿って細長いスリット状の微細な間隙(例えば数十μmから数百μmの間隙幅)が自動的に形成されることが分かった。
また、通常のスパイラル管5の螺旋ピッチは5mm〜20mm程度であり、この程度の螺旋ピッチであればケーブル1に沿っていずれの位置にデータキャリア6を配置しても、それに近接するいずれかの螺旋状の磁束漏洩路13により外部との間で実用的な通信感度を維持して電磁波通信を行えることが分かった。尚、データキャリア6の相互の間隔は特に制限はなく、メンテナンスの容易性から適宜決めれば良い。
そこで本発明はこの知見を基に、細長い螺旋状の微細な間隙を磁束漏洩路13として利用してデータキャリア6とケーブル1の外部との間で電磁波通信を行うようにしたものである。従って、スパイラル管5の製造工程において特別な工夫を行わなくても、スパイラル管5の巻回工程と磁束漏洩路13の形成工程が同時並行的に進行し、本発明のデータキャリア設置構造の一部が自動的に完了する。
図2は本発明のデータキャリア設置方法の一実施形態を示す図であり、図2(a)はデータキャリア支持体12の構成を示す模式的な側面図、図2(b)はその部分的な平面図である。データキャリア支持体12は帯状の支持層7,8及びそれらの間に列状に所定間隔で配列支持された複数のデータキャリア6を有している。
データキャリア支持体12を製造するには、片面に粘着層を塗布した支持層7を巻回したロールから繰り出し、ベルトコンベア上に所定間隔で搬送されるデータキャリア6の上面にその支持層7を押し付けながら貼着し、次いで片面に粘着層を塗布した支持層8をデータキャリア6の下面に押し付けて貼着し、それを図2(a)のように巻回して完成する。
上記データキャリア支持体12を使用して図1のようにシース層4の外周面に沿って固定するには、全体が図2(a)のように巻回されたロール12aから繰り出してシース層4の上に延長すれば良い。これによりシース層4の外周面に複数のデータキャリア6が配置される。
このように複数のデータキャリア6を列状に所定間隔で配列して支持したデータキャリア支持体12をケーブル1の芯線束3の周囲に形成したシース層4の外周面の長手方向に沿って配置し、その上から細長い金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻回してシース層4にデータキャリア支持体12を押圧した状態でスパイラル管5を形成し、その際に金属製のスパイラルバンドの重ね部分に沿って微細な磁束漏洩路13が形成されるように巻回する。
これにより、金属製のスパイラル管5と芯線束3との間においてケーブル1の長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリア6が配列され、スパイラル管5に形成した螺旋状の微細な磁束漏洩路13を利用してデータキャリア6とスパイラル管5の外部との間で電磁波通信を行うことが出来る。尚、スパイラル管5を構成する金属製のスパイラルバンドの端部同士が重なって巻回される場合でも磁束漏洩路13が有効に機能することが確認出来た。
図3及び図4は円形或いは棒状データキャリア6の模式的な図であり、図5は各データキャリア6における制御部11のブロック図である。ケーブル1に適用する場合、図3に示すように全体が平板状で可撓性を有して形成されたデータキャリア6を使用すると、厚さをより小さく出来るので好ましい。
図3に示すデータキャリア6は、円形の空芯コイルで構成されたアンテナコイル10と、その両端に接続した制御部11を備えている。一方、図4に示すデータキャリア6は、棒状に形成されたフェライト等のコア9の外周にアンテナコイル10を螺旋状に密に巻回したロッドアンテナを有し、そのアンテナコイル10の両端をIC回路で構成した制御部11に接続して構成される。
そして、アンテナコイル10が送受信を行う際には、アンテナコイル10の中心を貫通する磁束φが発生し、その磁束φによりリーダライタ機20やリーダ機等の通信機器との間で通信を行う。
尚、図3に示す円形状或いは環状のデータキャリア6は、空芯コイルからなるアンテナコイル10と、制御部11を樹脂に埋め込んで成形し、外径直径20mm〜50mm程度、厚さ0.7mm〜12.0mm程度のものが市販されている。
また図4に示す全体が棒状に形成されたデータキャリア6は、コア9とアンテナコイル10を含むロッドアンテナ部分とIC回路からなる制御部11を細長いガラス容器に密封し、外径直径が数ミリ程度で全長を十数ミリから数十ミリ程度に小型化したものが市販されている。
図5はデータキャリア6の制御部11のブロック図である。制御部11はアンテナコイル10に接続した送受信部15と、該送受信部15に接続した電源用のコンデンサ16及びCPU(中央演算処理装置)17と、該CPU17に接続した記憶部18を備え、コンデンサ16からの電源は送受信部15及びCPU17に供給される。
図6は通信機器としてのリーダライタ機20のブロック図である。21は制御部、22は出力部、23は送信アンテナコイル、24は受信アンテナコイル、25は受信回路、26は記憶部、27は外部コンピュータ装置30との間で送受信を行う送受信部、28は電源部、29は送信用アンテナコイル23と受信用アンテナコイル24を収容した検出部である。尚、ループ状に形成した送信用アンテナコイル23と受信用アンテナコイル24とを共用とし、送受信の選択回路を設けて構成することも出来る。
そして、図7に示すように、リーダライタ機20の検出部29をデータキャリア6のアンテナコイル10に接近させた状態で電磁波通信により情報の書き込みや読み出しを行う。尚、データキャリア6を読み出し専用とする場合は、通信機器として簡単なリーダ機を使用することが出来る。
次に図1、図5及び図6を参照して金属製のスパイラル管5の内部に設置されたデータキャリア6と外部との間で非接触通信を行う様子について説明する。先ず図1に示すスパイラル管5に形成された螺旋状の微細な磁束漏洩路13に通信機器となるリーダライタ機20を接近して、その通信開始ボタン(図示せず)を押すと、該リーダライタ機20に予め設定されたシーケンスにより、該リーダライタ機20の送信用アンテナコイル23から最初に電源用電磁波が送信される。
その電磁波はスパイラル管5に形成された磁束漏洩路13を介してデータキャリア6のアンテナコイル10で受信され、該アンテナコイル10には電磁誘導による電流が流れ、その電流がコンデンサ16に充電され、該コンデンサ16が所定電圧まで充電されると送受信部15及びCPU17が作動状態になる。
次にデータキャリア6のアンテナコイル10から応答信号の電磁波がリーダライタ機20に送信され、それによってリーダライタ機20は次に読み出し信号または書き込み信号をデータキャリア6に送信する。
データキャリア6はその信号を受けてCPU17が読み出し制御または書き込み制御を行う。そして読み出し制御の場合は、その読み出し信号に応じた情報を記憶部18から読み出し、アンテナコイル10からリーダライタ機20に送信する。またリーダライタ機20から送信された書き込み情報は記憶部18に記憶される。
尚、リーダライタ機20はこの分野では周知のものであり、上記電源用電磁波送信、応答用電磁波送信、データキャリア6からの受信制御等のシーケンスは、前記通信開始ボタンを押した後、極めて短時間のインターバルで繰り返されるようになっている。
そして、リーダライタ機20を利用してデータキャリア6に、そのデータキャリア6が取り付けられるケーブル1の整理番号や接続先等に関する各種情報を非接触で記憶させるか、または読み出すことが出来る。
図7はリーダライタ機20とデータキャリア6との間で電磁波通信を行うと共に、リーダライタ機20と遠隔にあるコンピュータ装置30との間で通信をしている状態を示す図である。リーダライタ機20はデータキャリア6から整理番号やその他の情報を読み出し、または書き込む。またリーダライタ機20はデータキャリア6から読み出した整理番号をコンピュータ装置30に無線または携帯電話網で送信し、コンピュータ装置30の記憶装置からその整理番号に対応したケーブル情報を受信する。
次に図1に示すケーブルのデータキャリア設置構造によりケーブル1の外部との間で電磁波通信が可能なことを基礎的な実験により確認した結果について説明する。
先ずケーブルのデータキャリア設置構造の有効性を確認するため、外径80mmの長い紙筒の中央部表面にデータキャリア6(株式会社ハネックスから市販の形式 Clear Dics 20mm)を配置し、その上からステンレス材SUS304のテープ(幅20mm、厚さ0.1mm)をスパイラル状に巻きつけた。
その際、SUS304のテープが全て二層になるように重ね巻きし、且つそれを2回巻きして合計4層とした。これによりデータキャリア6は厚さ0.4mmのSUS304製のスパイラル管5で周囲を覆われた状態になる。
次にiD System社製の携帯型リーダライタ機20(ハンディータイプ マルチスキャン・リーダーフェライトロッドアンテナ付き)を通信装置として電磁波通信を行った。使用した電磁波は125KHzである。その結果、通信距離は30mmであった。
また、GP社製のP30固定式リーダ(空芯アンテナ付き)を通信装置として同様に実験したが、通信距離は65mmであった。このように使用する通信装置の形式や構造により通信距離は変化するが、通常の通信装置を使用することにより図1に示すケーブルのデータキャリア設置構造は実用的な通信感度で電磁波通信が可能である。
本発明の活用例として、光ケーブルや電気ケーブルに情報の記憶部を有するデータキャリアを設置した構造及びその設置方法に利用出来、具体的には芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルへのデータキャリア設置構造及び設置方法に利用することが出来る。
(a),(b)は本発明に係るケーブルのデータキャリア設置構造を示す正面説明図及び部分断面図である。 (a),(b)はデータキャリア支持体の構成を説明する側面説明図及び正面説明図である。 円形データキャリアの模式的構成図である。 棒状データキャリアの模式的構成図である。 データキャリアの制御部のブロック図である。 リーダライタ機の制御部のブロック図である。 リーダライタ機とデータキャリアとの間で電磁波通信を行うと共に、該リーダライタ機と遠隔にあるコンピュータ装置との間で通信を行う様子を示す図である。 従来例を説明する図である。 従来例を説明する図である。
符号の説明
1…ケーブル
2…芯線
3…芯線束
4…シース層
5…スパイラル管
6…データキャリア
7,8…支持層
9…コア
10…アンテナコイル
11…制御部
12…データキャリア支持体
12a…ロール
13…磁束漏洩路
14…保護層
15…送受信部
16…コンデンサ
17…CPU
18…記憶部
19…金属管
20…リーダライタ機
21…制御部
22…出力部
23…送信用アンテナコイル
24…受信用アンテナコイル
25…受信回路
26…記憶部
27…送受信部
28…電源部
29…検出部
30…コンピュータ装置

Claims (7)

  1. 芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置した構造であって、前記保護層と前記芯線束との間において、前記ケーブルの長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリアが配置されていることを特徴とするケーブルのデータキャリア設置構造。
  2. 前記複数のデータキャリアの片面または両面を支持層で支持してデータキャリア支持体を構成し、そのデータキャリア支持体が前記保護層と前記芯線束との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブルのデータキャリア設置構造。
  3. 前記データキャリア支持体は全体が可撓性とされ、前記保護層または前記芯線束の曲面に沿って変形された状態でそれらの間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のケーブルのデータキャリア設置構造。
  4. 前記保護層と前記芯線束との間に樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管が設けられ、そのスパイラル管と前記芯線束との間において、前記ケーブルの長手方向に沿って所定間隔で複数のデータキャリアが配置され、前記スパイラル管が金属製の場合はそれに形成した螺旋状の微細な磁束漏洩路を利用して前記データキャリアと前記ケーブルの外部との間で電磁波通信を行うように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブルのデータキャリア設置構造。
  5. 前記芯線束の周囲にシース層が形成され、そのシース層の外周面に前記データキャリアが配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーブルのデータキャリア設置構造。
  6. 芯線束の周囲を樹脂製の保護層で保護したケーブルにデータキャリアを設置する方法であって、複数のデータキャリアを列状に所定間隔で配列し、それら配列したデータキャリアの片面または両面を細長い支持層で支持してなるデータキャリア支持体を用意し、前記データキャリア支持体を前記保護層と前記芯線束との間で前記ケーブルの長手方向に沿って配置することを特徴とするケーブルのデータキャリア設置方法。
  7. 芯線束の周囲を樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いたスパイラル管で保護したケーブルにデータキャリアを設置する方法であって、複数のデータキャリアを列状に所定間隔で配列し、それら配列したデータキャリアの片面または両面を細長い支持層で支持してなるデータキャリア支持体を用意し、前記データキャリア支持体を前記芯線束の外周面で前記ケーブルの長手方向に沿って配置し、その上から細長い樹脂製または金属製のスパイラルバンドを螺旋状に巻いてスパイラル管を形成し、その際、前記スパイラルバンドが金属製の場合は重ね巻きし、その重ね部分に沿って微細な磁束漏洩路が形成されるように巻回することを特徴とするケーブルのデータキャリア設置方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006286396A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Furukawa Electric Co Ltd:The 長尺体用標識表示装置及び表示方法

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