本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1を参照すると、本発明の最良の実施の形態は、電流源切り替え回路100は、入力端子20の信号φ1でオン・オフ制御される電流源31を電源と入出力端子23の間に接続し、入力端子21の信号φ2でオン・オフ制御される電流源32を電源と入出力端子22の間に接続し、入力端子20の信号φ1でオン・オフ制御される電流源33をグランドと入出力端子22の間に接続し、入力端子21の信号φ2でオン・オフ制御される電流源34をグランドと入出力端子23の間に接続する構成とし、電流源切り替え回路100の入出力端子22は抵抗6で帰還をかけたアンプ1の反転入力端子に接続し、電流源切り替え回路100の入出力端子23は抵抗7で帰還をかけたアンプ2の反転入力端子に接続し、アンプ1,2の非反転入力端子はそれぞれ基準電圧入力端子5に接続し、アンプ1の出力をトランス1次側の入力端子12に接続し、アンプ2の出力をトランス1次側の入力端子13に接続し、トランス2次側の出力端子15を伝送路出力端子17に接続し、トランス2次側の出力端子16を伝送路出力端子18に接続して構成する。
次に、本発明の実施形態の動作について、第4図を参照して詳細に説明する。第4図において、φ1は電流源切り替え回路100の入力端子20に入力される信号、φ2は入力端子21に入力される信号である。i1は電流源切り替え回路100の入出力端子22とアンプ1の反転入力端子間に流れる電流を表しており、入出力端子22からアンプ1へ流出する方向を「−」、アンプ1から入出力端子22へ流入する方向を「+」とし、流出も流入もない状態を「0」として表している。同様に、i2は電流源切り替え回路100の入出力端子23とアンプ2の反転入力端子間に流れる電流を表しており、入出力端子22からアンプ2へ流出する方向を「−」、アンプ2から入出力端子23へ流入する方向「+」とし、流出も流入もない状態を「0」として表している。
vrは基準電圧入力端子に入力される電圧である。入出力端子22からアンプ1へ流出する電流は−i1はすべて帰還抵抗6を通りアンプ1の出力端子に流れ込む。また、アンプ1から入出力端子22へ流入する電流+i1は全て帰還抵抗6を介してアンプ1の出力から供給される。従って、アンプ1の出力vpには、抵抗6の抵抗値をRとするとi1の方向により、vrを中心に±i1×Rの振幅が得られる。電流の流出、流入がないときはvpはvrに等しくなる。全く同様に、入出力端子23からアンプ2へ流出する電流−i2はすべて帰還抵抗7を通りアンプ2の出力端子に流れ込む。また、アンプ2から入出力端子23へ流入する電流+i2はすべて帰還抵抗7を介してアンプ2の出力から供給される。従って、アンプ2の出力vmには、抵抗7の抵抗値をRとするとi2の方向により、vrを中心に±i2×Rの振幅が得られる。電流の流出、流入がないときはvmはvrに等しくなる。
voはトランスの出力端子15,16間の電圧、すなわち、伝送路送出端子17,18間の電圧を表しており、伝送路出力端子18の電圧より伝送路出力端子17の電圧が高くなる方向を「+」、低くなる方向を「−」とし電圧差がない状態を「0」として表している。
説明の簡単のため、入力信号φ1,φ2の論理レベルが取りうる3状態を各状態毎に区間A,B,Cに分け、区間毎に動作を説明する。
まず、区間A(φ1=1,φ2=0)の時について説明する。オン・オフ機能をもった電流源31乃至34の電流値は全て等しく、制御信号が論理レベル1の時にオン、0の時にオフになる。φ1が1でφ2が0の時は電流源31,33がオンとなり、電流源32,34はオフとなる。従って、アンプ1の反転入力端子から入出力端子22の方向へ電流源33の電流が流れる。この電流の方向は「+」であるため、+i1として表す。同時に、電流源31の電流が入出力端子23からアンプ2の反転入力端子の方向へ流れる。この電流の方向「−」であるため−i2として表す。+i1はアンプ1の出力端子から抵抗6を介して供給されるため、アンプ1の出力電圧vpはvrから+i1×R上がった電圧となる。−i2は抵抗7を介してアンプ2に供給されるため、アンプ2の出力電圧vmはvrから−i2×R下がった電圧となる。vp−vmの差電圧はトランスの巻線比に応じて増幅あるいは圧縮され伝送路出力端子を介して振幅voのAMI信号を送出する。区間Aではvp>vmであるため+voの正極性パルスを送出する状態となっている。
続いて、区間B(φ1=0,φ2=0)の時について説明する。φ1が0でφ2が0の時は全ての電流源31〜34がオフとなるため、電流源切り替え回路とアンプ間での電流の流出、流入が行われない。従って、i1、i2共に0となり、アンプ1,アンプ2の出力電圧はvrに等しくなる。vp−vmの差電圧も0であるため、伝送路には何も信号を送出しない。区間Bではvp=vmで有るためAMI信号の無信号(スペース信号)に相当する状態となっている。
続いて、区間C(φ1=0,φ2=1)の時について説明する。φ1が0でφ2が1の時は電流源32,34がオンとなり、電流源31,33はオフとなる。従って、アンプ2の反転入力端子から入出力端子23の方向へ電流源34の電流が流れる。この電流の方向は「+」であるため+i2として表す。同時に電流源32の電流が入出力端子22からアンプ1の反転入力端子の方向へ流れる。この電流の方向「−」であるため−i1として表す。+i2はアンプ2の出力端子から抵抗7を介して供給されるため、アンプ2の出力電圧vmはvrから+i2×R上がった電圧となる。−i1は抵抗6を介してアンプ1に供給されるため、アンプ1の出力電圧vpはvrから−i1×R下がった電圧となる。vp−vmの差電圧はトランスの巻線比に応じて増幅あるいは圧縮された伝送路出力端子を介して振幅voのAMI信号を送出する。区間Cではvm>vpであるため−voの負極性パルスを送出する状態となっている。
以上、区間A,B,Cで説明した動作をφ1,φ2の入力信号に応じて行うことにより、伝送路にAMI信号を送出する回路となっている。
次に、AMI信号振幅の安定性について説明する。電流源31〜34の電流値が等しく、温度、電源の変動及び半導体集積回路内の抵抗以外の素子変動に影響されないため、抵抗値がRである限りこれらの変動要素に対してアンプの出力振幅vp−vmは一定である。また、抵抗値の変動に対しては電流と抵抗値が反比例の関係、つまり、半導体集積回路の製造ばらつきで抵抗値が倍になれば電流値が半分になり、抵抗値が半分になれば電流値が倍になるような関係であるため、最終的にアンプの帰還抵抗で変換された電圧vp−vmも常に一定である。このような特性の電流源は容易に実現可能である。したがって、全ての変動要素に対してアンプの出力振幅が影響を受けないため、伝送路に送出するAMI信号には安定した振幅が得られる。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。第2図を参照すると、本発明の実施例では、電流源切り替え回路100は基準電圧入力端子24はアンプ3,4の非反転入力端子に接続し、アンプ3の反転入力及びPchMOSトランジスタ(以下PMOS)50のドレインと基準電圧入力端子25間に抵抗9に配置し、アンプ4の反転入力及びNchMOSトランジスタ(以下NMOS)53のドレインと基準電圧入力端子26間に抵抗10に配置し、PMOS50のソースを電源に、ゲートをアンプ3の出力に接続し、NMOS53のソースをグランドに、ゲートをアンプ4の出力に接続し、PMOS51のゲートとアンプ3の出力端子間にスイッチ60aを、ゲートと電源間にスイッチ60bをそれぞれ配置し、PMOS52のゲートとアンプ3の出力端子間にスイッチ61aを、ゲートと電源間にスイッチ61bをそれぞれ配置し、NMOS54のゲートとアンプ4の出力端子間にスイッチ62aを、ゲートとグランド間にスイッチ62bをそれぞれ配置し、NMOS55のゲートとアンプ4の出力端子間にスイッチ63aを、ゲートとグランド間にスイッチ63bをそれぞれ配置し、PMOS51のドレインとNMOS55のドレインを入出力端子23に接続し、PMOS52とNMOS54のドレインを入出力端子22に接続し、入力端子20の信号φ1でスイッチ60a,62aの制御を行い、φ1をインバータ27で反転した反転φ1でスイッチ60b、62bの制御を行い入力端子21の信号φ2でスイッチ61b、63bの制御を行い、φ2をインバータで反転した反転φ2でスイッチ61b、63bの制御を行う構成とし、電流源切り替え回路100の入出力端子22は抵抗6で帰還をかけたアンプ1の反転入力端子に接続し、電流源切り替え回路100の入出力端子23は抵抗7で帰還をかけたアンプ2の反転入力端子に接続し、アンプ1の出力端子と反転入力端子間に容量70を接続し、アンプ2の出力端子と反転入力間に容量71を接続し、アンプ1,2の非反転入力端子はそれぞれ基準電圧入力端子5に接続し、アンプ1の出力をトランス1次側の入力端子12に接続し、アンプ2の出力をトランス1次側の入力端子13に接続し、トランス2次側の出力端子15を伝送路出力端子17に接続し、トランス2次側の出力端子16を伝送路出力端子18に接続して構成する。
次に、本発明の実施例の動作について、第4図を参照して詳細に説明する。第4図において、φ1は電流源切り替え回路100の入力端子20に入力される信号、φ2は入力端子21に入力される信号である。i1は電流源切り替え回路100の入出力端子22とアンプ1の反転入力端子間に流れる電流を表しており、入出力端子22からアンプ1へ流出する方向を「−」、アンプ1から入出力端子22へ流入する方向を「+」とし、流出も流入もない状態を「0」として表している。同様に、i2は電流源切り替え回路100の入出力端子23とアンプ2の反転入力端子間に流れる電流を表しており、入出力端子22からアンプ2へ流出する方向を「−」、アンプ2から入出力端子23へ流入する方向を「+」とし、流出も流入もない状態を「0」として表している。
vrは基準電圧入力端子に入力される電圧である。入出力端子22かアンプ1へ流出する電流は−i1は全て帰還抵抗6を通りアンプ1の出力端子に流れ込む。また、アンプ1から入出力端子22へ流入する電流+i1は全て帰還抵抗6を介してアンプ1の出力から供給される。したがって、アンプ1の出力vpには、抵抗6の抵抗値をRとするとi1の方向により、vrを中心に±i1×Rの振幅が得られる。電流の流出、流入がないときはvpはvrに等しくなる。全く同様に、入出力端子23からアンプ2へ流出する電流−i2はすべて帰還抵抗7を通りアンプ2の出力端子に流れ込む。また、アンプ2から入出力端子23へ流入する電流+i2は全て帰還抵抗7を介してアンプ2の出力から供給される。従って、アンプ2の出力vmには、抵抗7の抵抗値をRとするとi2の方向により、vrを中心に±i2×Rの振幅が得られる。電流の流出、流入がないときはvmはvrに等しくなる。
voはトランスの出力端子15,16間の電圧、即ち、伝送路送出端子17,18間の電圧を表しており、伝送路出力端子18の電圧より伝送路出力端子17の電圧が高くなる方向を「+」、低くなる方向を「−」とし電圧差がない状態を「0」として表している。
第2図の実施例における電流源切り替え回路100内では、アンプ3,PMOS50,抵抗9により電圧電流変換回路を形成している。この回路は基準電圧入力端子24の電圧と基準電圧入力端子25の電圧差を抵抗9により電流に変換する回路として良く知られている。全てのスイッチはその制御信号が論理レベル1の時にオン、0の時にオフになるものとする。PMOS50と51,52はφ1が1でスイッチ60aがオン、φ2が1でスイッチ61aがオン、反転φ1が0でスイッチ60bがオフ、反転φ2が0でスイッチ61bがオフとなったときカレントミラーの関係になり、PMOS50に流れる電流がPMOS51,52に転写される。逆にφ1が0でスイッチ60aがオフ、φ2が0でスイッチ61aがオフ、反転φ1が1でスイッチ60bがオン、反転φ2が1でスイッチ61bがオンとなったときPMOS51,52はオフとなり電流が流れない状態となる。同様に、アンプ4,NMOS53,抵抗10により電圧電流変換回路を形成している。この回路は基準電圧入力端子24の電圧と基準電圧入力端子26の電圧差を抵抗10により電流に変換する回路として良く知られている。NMOS53と54,55はφ1が1でスイッチ62aがオン、φ2が1でスイッチ63aがオン、反転φ1が0でスイッチ62bがオフ、反転φ2が0でスイッチ63bがオフとなったときカレントミラーの関係になり、NMOS53に流れる電流がNMOS54,55に転写される。逆にφ1が0でスイッチ62aがオフ、φ2が0でスイッチ63aがオフ、反転φ1が1でスイッチ62bがオン、反転φ2が1でスイッチ63bがオンとなったときNMOS54,55はオフとなり電流が流れない状態となる。
電流源切り替え回路から流出、あるいは流入する電流を数式で求めるために、仮に、基準電圧入力端子24の電圧を基準電圧入力端子5の電圧と等しいvr、基準電圧入力端子25の電圧をvrm、基準電圧入力端子26の電圧をvrpとし、vr、vrp、vrmの電圧をvrp>vr>vrmとなる関係に設定し、抵抗9,10の抵抗値をR、PMOS50,51,52のチャネルの長さと幅の比が全て等しく、NMOS53,54,55のチャネルの長さと幅の比が全てが等しいとするとPMOS50に流れる電流ip50は(1)で表され、同様にNMOS53に流れる電流in53は(2)で表すことができる。
また、スイッチ60aがオンあるいは61aがオンとなりPMOS50,51,52にカレントミラーの関係が成り立つときの状態を考える。
PMOS51のドレインはアンプ2の仮想接地点に接続され、PMOS52のドレインはアンプ1の仮想接地点に接続されている。アンプ1,2の比反転入力端子にはvrが供給されているのでPMOS51,52のドレイン電圧はvrとなる。またPMOS50のドレインはアンプ3の仮想接地点に接続されており、アンプ3の比反転入力端子にはvrが供給されているのでPMOS50のドレイン電圧もvrとなる。更に、PMOS50,51,52のゲートは全てアンプ3の出力端子電圧になり、ソースは全て電源に接続されている。従って、PMOS50,51,52のゲート・ソース間電圧は等しく、ドレイン−ソース間電圧も等しい状態となり、(1)式で表したPMOS50の電流がPMOS51,PMOS52に正確に転写される。同様に、スイッチ62aがオンあるいは63aがオンとなりNMOS53,54,55にカレントミラーの関係が成り立つときの状態を考える。
NMOS54のドレインはアンプ1の仮想接地点に接続され、NMOS55のドレインはアンプ2の仮想接地点に接続されている。アンプ1,2の比反転入力端子にはvrが供給されているのでNMOS54,55のドレイン電圧はvrとなる。またNMOS53のドレインはアンプ4の仮想接地点に接続されており、アンプ4の比反転入力端子にはvrが供給されているのでNMOS53のドレイン電圧もvrとなる。更に、NMOS53,54,55のゲートは全てアンプ4の出力端子電圧になり、ソースは全てグランドに接続されている。従って、NMOS53,54,55のゲート・ソース間電圧は等しく、ドレイン−ソース間電圧も等しい状態となり、(2)式であらわしたNMOS53,PMOS54に正確に転写される。
PMOS51を流れる電流はi2は、(1)式のip50に等しく入出力端子23からアンプ2へ流出する電流であるため、−i2として(6)式に表す。同様に、PMOS52を流れる電流はi1は、(1)式のip50に等しく入出力端子22からアンプ1へ流出する電流であるため、−i1として(4)式で表す。同様に、NMOS54を流れる電流i1は、(2)式のin53に等しくアンプ1から入出力端子22へ流入する電流であるため、+i1として(3)式で表す。同様に、NMOS55を流れる電流はi2は、(2)式のin53に等しくアンプ2から入出力端子23へ流出する電流であるため、−i1として(5)式で表すことができる。
式(3)〜(6)で分かるように、電流源切り替え回路からアンプへ流出、あるいはアンプから流入する電流は電源、温度及び抵抗以外の素子の変動の影響を受けず、抵抗値に対しては反比例する関係となっている。
次にアンプ1の出力vp、アンプ2の出力vmを求める。説明の簡単のため抵抗6,7の抵抗値をそれぞれRとすると(3)〜(6)式を用いてvpは(7)、(8)式で表すことが出来る。同様にvmも(9)、(10)式で表すことが出来る。
更に、アンプ1,アンプ2の出力振幅を求めると、それぞれ(11)、(12)式で表すことができる。
(11),(12)式から分かるように、出力振幅を表す式には、電源、温度の変動及び半導体製造ばらつきによって変化する要素を表す項が全くない。したがって、アンプ1,2の出力振幅が常に一定であり、最終的に伝送路へ出力されるAMI信号の振幅が安定であることが分かる。
次に、第4図を用いて実施例の動作を説明する。説明の簡単のため、入力信号φ1、φ2の論理レベルが取りうる3状態を各状態ごとに区間A,B,Cに分け、区間毎の動作を説明する。
スイッチ60a、60b、61a、61b、62a、62b、63a、63bは制御信号が論理レベル1の時にオン、0の時にオフとなる。
先ずは区間A(φ1=1,φ2=0)の時について説明する。このとき、反転φ1は0で反転φ2が1となる。従って、スイッチ60a、61b、62a、63bがオンになり、スイッチ60b、61a、62b、63aがオフになる。この時、PMOS50とPMOS51にカレントミラーの関係が成立し、入出力端子23からアンプ2の方向に(6)式で示した電流−i2が流れる。同様に、NMOS53とNMOS54にカレントミラーの関係が成立するため、アンプ1から入出力端子22の方向に(3)式で示した電流+i1が流れる。電流+i1はアンプ1の出力端子から抵抗6を介して供給されるため、アンプ1の出力電圧vpは(7)式で示す電圧vrpになる。電流−i2は抵抗7を介してアンプ2に供給されるためアンプ2の出力電圧vmは(10)式で示す電圧vrmになる。vp−vmの差電圧はトランスの巻線比に応じて増幅あるいは圧縮され伝送路出力端子を介して振幅voのAMI信号を送出する。区間Aではvp>vmで有るため+voの正極性パルスを送出する状態となっている。
続いて区間B(φ1=0,φ2=0)の時について説明する。このとき、反転φ1は1で反転φ2は1になる。したがって、スイッチ60b、61b、62b、63bがオンになり、スイッチ60a、61a、62a、63aがオフになる。この時、PMOS51,52,NMOS54,55は全てオフになり電流源切り替え回路とアンプ間での電流の流出、流入が行われない。従ってi1,i2ともに0となり、アンプ1,アンプ2の出力電圧はvrに等しくなる。vp−vmの差電圧も0であるため、伝送路には何も信号を送出しない。区間Bではvp=vmであるためAMI信号の無信号(スペース信号)に相当する状態となっている。
続いて区間C(φ1=0,φ2=1)の時について説明する。このとき反転φ1は1で反転φ2が0になる。従って、スイッチ60b、61a、62b、63aがオンになり、スイッチ60a、61b、62a、63bがオフになる。この時、PMOS50とPMOS52にカレントミラーの関係が成立し、入出力端子22からアンプ1の方向に(4)式で示した電流−i1が流れる。同様に、NMOS53とNMOS55にカレントミラー関係が成立するため、アンプ2から入出力端子23の方向に(5)式で示した電流+i2が流れる。電流−i1は抵抗6を介してアンプ1の出力端子に供給されるため、アンプ1の出力電圧vpは(8)式で示す電圧vrmになる。電流+i2はアンプ2から抵抗7を介して供給されるためアンプ2の出力電圧vmは(9)式で示す電圧vrpになる。vp−vmの差電圧はトランスの巻線比に応じて増幅あるいは圧縮され伝送路出力端子を介して振幅voのAMI信号を送出する。区間Cではvm>vpで有るため−voの負極性パルスを送出する状態となっている。
以上より区間A,B,Cで説明した動作をφ1,φ2の入力信号に応じて行うことにより、伝送路にAMI信号を送出する回路となっている。
本実施例で示したスイッチは全て、PMOS、NMOS、あるいはPMOS、NMOS抱き合わせのトランスファーゲートに置き換えることも可能である。PMOS、NMOS、トランスファーゲートはゲートに入力される信号によって、オンすることが出来るため、スイッチと全く同一の機能が得られる。従って、PMOS、NMOS、トランスファーゲートのいずれかに置き換えた場合でも、それぞれのゲートに与えるφ1,反転φ1,φ2,反転φ2の接続を変更し、上述したスイッチと同じタイミングでオン・オフ制御を行うことで、実施例で示した動作と同じ動作になり、伝送路に安定なAMI信号を送出するという効果も変わらないものとなる。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。第2図を参照すると、本実施例は、電流源切り替え回路100は入力端子20の信号φ1で制御されるスイッチ60を介して電源と入出力端子23に接続される電流源41と、入力端子21の信号φ2で制御されるスイッチ61を介して電源と入出力端子22に接続される電流源42と、信号φ1で制御されるスイッチ62を介して入出力端子22とグランドに接続される電流源43と、信号φ2で接続されるスイッチ63を介して入出力端子23とグランドに接続される電流源44で構成し、電流源切り替え回路100の入出力端子22は抵抗6で帰還をかけたアンプ1の反転入力端子に接続し、電流源切り替え回路100の入出力端子23は抵抗7で帰還をかけたアンプ2の反転入力端子に接続し、アンプ1,2の非反転入力端子はそれぞれ基準電圧入力端子5に接続し、アンプ1の出力をトランス1次側の入力端子12に接続し、アンプ2の出力をトランス1次側の入力端子13に接続し、トランス2次側の出力端子15を伝送路出力端子17に接続し、トランス2次側の出力端子16を伝送路出力端子18に接続して構成する。
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について、図4を参照して詳細に説明する。図4において、φ1は電流源切り替え回路100の入力端子20に入力される信号、φ2は入力端子21に入力される信号である。i1は電流源切り替え回路100の入出力端子22とアンプ1の反転入力端子間に流れる電流を表しており、入出力端子22からアンプ1へ流出する方向を「−」、アンプ1から入出力端子22へ流入する方向を「+」とし、流出も流入もない状態を「0」として表している。同様に、i2は電流切り替え回路100の入出力端子23とアンプ2の反転入力端子間に流れる電流を表しており、入出力端子22からアンプ2へ流出する方向を「−」、アンプ2から入出力端子23へ流入する方向「+」とし、流出も流入もない状態を「0」として表している。
vrは基準電圧入力端子に入力される電圧である。入出力端子22からアンプ1へ流出する電流−i1はすべて帰還抵抗6を通りアンプ1の出力端子に流れ込む。また、アンプ1から入出力端子22へ流入する電流+i1は全て帰還抵抗6を介してアンプ1の出力から供給される。従って、アンプ1の出力vpには、抵抗66の抵抗値をRとするとi1の方向により、vrを中心に±i1×Rの振幅が得られる。電流の流出、流入がないときはvpはvrに等しくなる。全く同様に、入出力端子23からアンプ2へ流出する電流−i2は全て帰還抵抗7を通りアンプ2の出力端子に流れ込む。また、アンプ2から入出力端子23へ流入する電流+i2は全て帰還抵抗7を介してアンプ2の出力から供給される。したがって、アンプ2の出力vmには、抵抗7の抵抗値をRとするとi2の方向により、vrを中心に±i2×Rの振幅が得られる。電流の流出、流入がないときはvmはvrに等しくなる。
voはトランスの出力端子15,16間の電圧、すなわち伝送路送出端子17,18間の電圧を表しており、伝送路出力端子18の電圧より伝送路出力端子17の電圧が高くなる方向を「+」、低くなる方向を「−」とし電圧差がない状態を「0」として表している
説明の簡単のため、入力信号φ1,φ2の論理レベルが取りうる3状態を各状態毎に区間A,B,Cにわけ、区間毎に動作を説明する。
まず、区間A(φ1=1,φ2=0)の時について説明する。電流源41〜44の電流値は全て等しく、スイッチ60〜63は制御信号が論理レベル1の時にオン、0の時にオフとなる。φ1が1でφ2が0の時はスイッチ60,62がオンとなり、スイッチ61,63はオフとなる。従って、アンプ1の反転入力端子から入出力端子22の方向へ電流源43の電流が流れる。この電流の方向は「+」であるため+i1として表す。同時に、電流源41の電流が入出力端子23からアンプ2の反転入力端子の方向へ流れる。この電流の方向「−」であるため−i2として表す。+i1はアンプ1の出力端子から抵抗6を介して供給されるため、アンプ1の出力電圧vpはvrから+i1×Rあがった電圧となる。−i2は抵抗7を介してアンプ2に供給されるため、アンプ2の出力電圧vmはvrから−i2×R下がった電圧となる。vp−vmの差電圧はトランス巻線比に応じて増幅あるいは圧縮され伝送路出力端子を介して振幅voのAMI信号を送出する。区間Aではvp>vmであるため+voの正極性パルスを送出する状態となっている。
続いて、区間B(φ1=0,φ2=0)の時について説明する。φ1が0でφ2が0の時は全てのスイッチ60〜63がオフとなるため、電流源切り替え回路とアンプ間での電流の流出、流入が行われない。したがって、i1,i2ともに0となり、アンプ1,アンプ2の出力電流はvrに等しくなる。vp−vmの差電圧も0であるため、伝送路には何も信号を送出しない。区間Bではvp=vmであるためAMI信号の無信号(スペース信号)に相当する状態となっている。
続いて区間C(φ1=0,φ2=1)の時について説明する。φ1が0でφ2が1の時はスイッチ61,63がオンとなり、スイッチ60,62はオフとなる。従って、アンプ2の反転入力端子から入出力端子23の方向へ電流源44の電流が流れる。この電流の方向は「+」で有るため+i2として表す。同時に、電流源42の電流が入出力端子22からアンプ1の反転入力端子の方向へ流れる。この電流の方向「−」であるため−i1として表す。+i2はアンプ2の出力端子から抵抗7を介して供給されるため、アンプ2の出力電圧vmはvrから+i2×Rあがった電圧となる。−i1は抵抗6を介してアンプ1に供給されるため、アンプ1の出力電圧vpはvrから−i1×R下がった電圧となる。vp−vmの差電圧はトランスの巻線比に応じて増幅あるいは圧縮され伝送路出力端子を介して振幅voのAMI信号を送出する。区間Cではvm>vpであるため−voの負極性パルスを送出する状態となっている。
以上区間A,B,Cで説明した動作をφ1,φ2の入力信号に応じて行うことにより、伝送路にAMI信号を送出する回路となっている。
次にAMI信号振幅の安定性について説明する。電流源41〜44の電流値が等しく、温度、電源の変動及び、半導体集積回路内の抵抗以外の素子変動に影響されないため、抵抗値がRである限りこれらの変動要素に対してアンプの出力振幅vp−vmは一定である。また、抵抗値の変動に対しては電流と抵抗値が反比例の関係、つまり、半導体集積回路の製造ばらつきで抵抗値が倍になれば電流値が半分になり、抵抗値が半分になれば電流値が倍になるような関係であるため、最終的にアンプの帰還抵抗で変換された電圧vp−vmも常に一定である。このような特性の電流源は容易に実現可能である。従って、全ての変動要素に対してアンプの出力振幅が影響をうけないため、伝送路に送出するAMI信号には安定な振幅が得られる。