JP2005045114A - ダイヤモンドへの異種元素導入方法並びにダイヤモンド及びダイヤモンドを用いたトランジスタ素子、電子放出素子若しくは発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオンを生成させ、イオンをイオン源から引き出し、イオンを質量分離し、イオンを収束させ、イオンを偏向させ、イオン減速し、そしてイオンをダイヤモンド物質に照射し異種元素を導入する方法において、イオンを照射する真空容器の真空度が1×10−6Pa以下であり、かつダイヤモンドに対して、その構成元素以外のイオンを100eV以下のエネルギーで照射することを特徴とするダイヤモンドへの異種元素導入方法。
【選択図】図1
Description
このようなエレクトロニクス応用のためにはダイヤモンド構造物質の電気伝導特性を制御することが極めて重要である。現在のところ十分な特性を示すN型半導体は得られていないが、P型半導体はボロンをドーピングすることにより簡単に得ることができるため、ダイオードやトランジスタが検討されている。
イオン注入技術は、キロエレクトロンボルト〜メガエレクトロンボルトのエネルギーに加速されたイオンを固体の表面から深さ数ナノメートルから数マイクロメートルの表層部に打ち込み、その物性を制御する技術である。
一般に、特定の材料に異種元素を導入する場合、従来技術の気相若しくは液相中の侵入置換反応又は表面吸着より異種元素を導入する方法が知られているが、ダイヤモンドに導入する場合には、平衡プロセスであるために、ダイヤモンドに導入する元素の固溶限界以上の濃度で元素導入することはできなかった。また、濃度の制御も困難であった。
さらに、従来技術であるイオン注入法を用いてダイヤモンドに異種元素を導入する場合には、ダイヤモンドが損傷を受けて内部に欠陥が導入されてしまうという問題があった(例えば、特許文献1参照)。
「イオン注入技術」難波進著、工業調査会発行(1975年)
具体的には、1)イオンを生成させ、イオンをイオン源から引き出し、イオンを質量分離し、イオンを収束させ、イオンを偏向させ、イオン減速し、そしてイオンをダイヤモンド物質に照射し異種元素を導入する方法において、イオンを照射する真空容器の真空度が1×10−6Pa以下、より好ましくは1×10−7Pa以下であり、かつダイヤモンドに対して、その構成元素以外のイオンを100eV以下のエネルギーで照射するダイヤモンドへの異種元素導入方法。2)イオンを生成させ、イオンをイオン源から引き出し、イオンを質量分離し、イオンを収束させ、イオンを偏向させ、イオン減速し、そしてイオンを基材に照射し異種元素を導入する方法において、ダイヤモンドに対して、その構成元素である炭素以外のイオンを100eV以下のエネルギーで照射するダイヤモンドへの異種元素導入方法。3)炭素以外の異種元素イオンを100eV以下のエネルギーで導入したダイヤモンド構造に損傷のないダイヤモンド。4)イオン照射の真空度が1×10−6Pa以下、より好ましくは1×10−7Pa以下である前記3)記載のダイヤモンド。5)前記1)又は2)の異種元素導入方法によって製造されたダイヤモンド。6)前記3)〜5)のいずれかに記載のダイヤモンドを電子伝導体として用いるトランジスタ素子。7)前記3)〜5)のいずれかに記載のダイヤモンドを電子放出体として用いる電子放出素子。8)前記3)〜5)のいずれかに記載のダイヤモンドを用いる発光素子。
を提供するものである。
その結果、イオン源からイオンを引き出し、質量分離装置によりイオンのみを選別し、イオン収束機構により空間電荷によるイオンの発散を防ぎ、さらにイオン偏向機構により電荷交換作用により生じた高速の中性粒子を除去した後に、真空容器中でイオン減速機構により低エネルギーに制御して、超高真空下でイオンを標的に照射させる方法及びそれを実現するための装置を創案した。
イオンエネルギー100eVの炭素イオンを標的に照射して標的上に炭素薄膜を形成したとき、従来条件である照射中の真空度が1×10−5Paであるとき電荷交換効果により生成した高速中性炭素原子による膜への損傷が観察された。
しかし、照射中の真空度が1×10−6Pa以下、特に1×10−7Pa以下では膜への損傷がないことが明らかになった。すなわち、この条件でダイヤモンドにイオンエネルギー40eVの窒素イオンを照射したところ、ダイヤモンドの構造に損傷を与える事なく窒素イオンがダイヤモンド中へ導入されることを確認した。これは超高真空下での低エネルギーイオン照射を可能にしたために初めて可能になったものである。
本発明によればダイヤモンド物質へ損傷を与える事なく、さまざまな種類の異種元素を導入することが可能になり、ダイヤモンドの特性の制御が可能となる。
イオンの質量分離機構としてセクター型の電磁石を、イオン収束機構として4重極電磁石3つからなる電磁レンズを用いた。イオン偏向機構としてセクター型の電磁石を、イオン減速機構としては静電場を形成する電極を用いた。
イオン源部分に2台、質量分離機構とイオン収束機構の間に1台、イオン収束機構とイオン偏向機構の間に1台、及び真空容器部分に1台クライオポンプを取り付け、さらにクライオポンプの前段ポンプとしてロータリーポンプとターボ分子ポンプからなる排気機構を取り付け、真空排気を行った。
これらの真空排気機構により、到達真空後は真空容器部分で3×10−8Pa、イオン偏向機構部分で8×10−7Pa、質量分離機構部分で5×10−5Paとなった。
イオン源内で原料ガスのプラズマを生成した後、イオンを接地電位に対して-35kVで引き出した。この時、イオンをイオン源から引き出す機構、イオンの質量分離機構、イオン収束機構、イオン偏向機構は全て-35kVとなっている。
イオン源は接地電位に対して正電位にし、この電位により最終的に真空容器内のダイヤモンド基板に到達するイオンエネルギーを決めた。
さらにイオン偏向電磁石により炭素イオンを真空容器内曲げて真空容器内に導入し、イオンを減速してダイヤモンド基板に照射した。イオン照射中の真空容器内の真空度は3×10−7Paであった。イオン電流密度は0.01mA/cm2となるように調整した。
さらに、窒素イオンエネルギーを40eV に固定して、上記記載の3×10−7Paの真空中でダイヤモンドに照射して窒素を導入した。
3×10−7Paの真空中で窒素イオン照射したダイヤモンドの電子線回折からはダイヤモンド単結晶に起因した回折スポットが明瞭に観察され、損傷は見られなかった。またダイヤモンド中には0.2原子%の窒素原子が含まれる事が分かった。
(比較例1)
このように、6×10−4Paの真空中で窒素イオン照射したダイヤモンドの電子線回折からはダイヤモンド単結晶に起因した回折スポットの他にリング状回折が観察された。
これは6×10−4Paの真空中で作製した場合、窒素イオンがダイモンドまでの輸送中に残留ガスと衝突して電荷交換効果により中性粒子となり、減速されずにダイヤモンドに照射されたために損傷を受けたためである。
その真空度の臨界条件を確認するために、真空度を変えて窒素イオン照射を行いダイヤモンドの構造を観察したところ、イオン照射中の圧力を1×10−6Pa以下とすることにより、ダイヤモンドに損傷を与える事なく窒素を導入できることが分かった。
また、ダイヤモンドへの照射エネルギーも、ダイヤモンドに損傷を与えずに異種元素を導入するためには重要であり、導入元素のイオンを100eV以下のエネルギーで照射することが望ましい。
真空度とイオンエネルギーを種々変更した場合の、ダイヤモンド損傷との相関を図1に示す。図1から明らかなように、真空度1×10−6Pa以下とし、かつ100eV以下のエネルギーで照射することにより良好な結果が得られ、さらに真空度1×10−7Pa以下とし、かつ50eV以下のエネルギーで照射することにより、ダイヤモンドへの損傷が全く無くなるという極めて良好な結果が得られることが分かる。
Claims (8)
- イオンを生成させ、イオンをイオン源から引き出し、イオンを質量分離し、イオンを収束させ、イオンを偏向させ、イオン減速し、そしてイオンをダイヤモンド物質に照射し異種元素を導入する方法において、イオンを照射する真空容器の真空度が1×10−6Pa以下であり、かつダイヤモンドに対して、その構成元素以外のイオンを100eV以下のエネルギーで照射することを特徴とするダイヤモンドへの異種元素導入方法。
- イオンを生成させ、イオンをイオン源から引き出し、イオンを質量分離し、イオンを収束させ、イオンを偏向させ、イオン減速し、そしてイオンを基材に照射し異種元素を導入する方法において、ダイヤモンドに対して、その構成元素である炭素以外のイオンを100eV以下のエネルギーで照射することを特徴とするダイヤモンドへの異種元素導入方法。
- 炭素以外の異種元素イオンを100eV以下のエネルギーで導入したことを特徴とするダイヤモンド構造に損傷のないダイヤモンド。
- イオン照射の真空度が1×10−6Pa以下であることを特徴とする請求項3記載のダイヤモンド。
- 請求項1又は2の異種元素導入方法によって製造されたダイヤモンド。
- 請求項3〜5のいずれかに記載のダイヤモンドを電子伝導体として用いることを特徴とするトランジスタ素子。
- 請求項3〜5のいずれかに記載のダイヤモンドを電子放出体として用いることを特徴とする電子放出素子。
- 請求項3〜5のいずれかに記載のダイヤモンドを用いることを特徴とする発光素子。
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