JP2005044765A - 電線、送電方法及び電気機器 - Google Patents

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JP2005044765A JP2003302034A JP2003302034A JP2005044765A JP 2005044765 A JP2005044765 A JP 2005044765A JP 2003302034 A JP2003302034 A JP 2003302034A JP 2003302034 A JP2003302034 A JP 2003302034A JP 2005044765 A JP2005044765 A JP 2005044765A
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清川  晋
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Abstract

【課題】 通電中に発生する電磁波を可及的に低減可能な電線を提供する。
【解決手段】 電線(1)を、一方の極に接続可能な2n(nは自然数)本の第1絶縁芯線群(11)と、他方の極に接続可能な2n本の第2絶縁芯線群(21)と、により構成する。第1絶縁芯線群(11)を構成する各第1絶縁芯線と、第2絶縁芯線群(21)を構成する各第2絶縁芯線とが、対となって複数の絶縁芯線対(17,27)を構成する。絶縁芯線から発生する電磁波同士が相殺されて、発生する電磁波量が低減する。
【選択図】 図3

Description

発明の詳細な説明
この発明は、各種電気配線、電気コード、暖房用カーペットヒーター、電気機器(電気機器)の配線などから発生する電磁波(電磁波)を低減させるための電線(電線、ケーブル)と、送電方法、および、そのような電線を用いて電力を送電したり受けたりする電気機器(電気部品)に関するものである。
送電線、テレビ、エアコンあるいは電子レンジなどから電磁波が多量発生していることはよく知られている。国立環境研究所と国立ガンセンターが電磁波について調査を行った。同調査は、15歳未満の白血病の子供350人について、室内の電磁波量、送電線までの距離及び各種電気製品の使用状況を調べ、健康な子供約700人と比較したものである。同調査結果によれば、日常生活で被爆する電磁波の平均値が0.4マイクロテラスを超えると、小児白血病の発症率が2倍以上になる(非特許文献1)。
毎日新聞社、2002年9月18日発行「サンデー毎日」(P35〜38)
発明が解決しようとする課題
上記調査結果は、電気機器自体から発生する電磁波を対象としたものであり、本発明者が測定したところ、これらの電気機器からは予想通りの電磁波が放射されていた。他方、これらの電気機器だけではなく、屋内の電気配線や電気機器に接続される電気コード、暖房用カーペットヒーターあるいは電気機器の加熱ヒーターからも微量ではあるが電磁波が発生していることが分かった。しかし、送電線などに比べて身体により近いところにある電気配線や電気コードなどから離れて生活することは極めて難しい。そこで、電気配線や電気コードなどから発生する電磁波を可及的に低減することの重要性を認識した。本発明が解決しようとする課題は、上記実情を改善することであって、通電中に発生する電磁波を可及的に低減可能な電線、送電方法及びそのような電線により電力の送電を行い又は受ける電気機器を提供することにある。
課題を解決するための手段
上記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた発明者は、一方の電極を流れる電流から発生する電磁波と、他方の電極を流れる電流から発生する電磁波とを、重ね合わせることにより両者を相殺させれば電磁波を低減可能であることを見出した。本発明は、そのような知見に基づいてなされたものである。その詳しい内容については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項に係る発明の説明に当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項に係る発明にも適用されるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係る電線(以下、「請求項1の電線」という)は、一方の極(たとえば、正極(+))に接続可能な2n(nは自然数、すなわち、1,2,...)本の第1絶縁芯線群と、他方の極(たとえば、負極(−))に接続可能な2n本の第2絶縁芯線群と、を備え、当該第1絶縁芯線群を構成する各第1絶縁芯線と、当該第2絶縁芯線群を構成する各第2絶縁芯線とが、対となって複数の絶縁芯線対を構成してある。電線は、用途によって電力線やケーブルなどともよばれ、直流又は交流の電流を流す目的の導体の総称である。交流は、その周波数に限定がなく低周波や高周波などを含む。交流電力における単相や三相などの制限もない。流れの量と向きを常に一定に保ちながら流れる直流や流れの向きは変わらずに流れの量を時々変化させながら流れる脈流の場合は、一方の極と他方の極との関係が一定であるが、時々交互に逆向きの電流が流れる交流の場合は時間の変化とともに一方の極と他方の極とが入れ替わる。
請求項1の電線によれば、通常の第1心線及び第2心線からなる電線に比べて通電時に発生する電磁波の量を低減することができる。その因果関係については、現在解明中であるが、おそらく、極性が異なる第1絶縁芯線と第2絶縁芯線とに対を構成させてあるため、両者が発生する電磁波の向きが逆になり、これにより、絶縁芯線対発生する電磁波が相殺により低減されるからであると推測できる。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係る電線(以下、「請求項2の電線」という)は、請求項1の電線であって、前記複数の絶縁芯線対の各々を構成する前記第1絶縁芯線と前記第2絶縁芯線とを、所定ピッチで拠りあわせて(捩って)ある。
請求項2の電線によれば、請求項1の電線の作用効果が、第1絶縁芯線と第2絶縁芯線とを拠りあわせることにより、拠りあわせない場合に比べてより顕著なものとなる。すなわち、拠りあわせない場合でも電磁波の低減は期待できるが、拠りあわせることにより低減効果が向上する。その因果関係についても解明中であるが、両者が発生する電磁波の相殺が、絶縁芯線同士のの拠りあわせによって、より効率的に作用する結果、電磁波がより低減されるものと思われる。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係る電線(以下、「請求項3の電線」という)は、請求項1又は2の電線であって、前記複数の絶縁芯線対同士を、所定ピッチで拠りあわせてある。
請求項3の電線によれば、請求項1又は2の電線の作用効果が、複数の絶縁芯線対同士を拠りあわせることにより、拠りあわせない場合に比べてより顕著なものとなる。すなわち、拠りあわせない場合でも電磁波の低減は期待できるが、拠りあわせることにより低減効果が向上する。その因果関係についても解明中であるが、両者が発生する電磁波の相殺が、絶縁芯線同士のの拠りあわせによって、より効率的に作用する結果、電磁波がより低減されるものと思われる。第1絶縁芯線と第2絶縁芯線とを拠りあわせた複数の絶縁芯線対を採用する場合は、第1絶縁芯線と第2絶縁芯線とを、2重に拠りあわせたことになり、その2重の拠りあわせて相乗効果により効率的な電磁波低減を期待することができる。(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係る電線(以下、「請求項4の電線」という)は、請求項1乃至3何れかの電線であって、前記第1絶縁芯線の各々が、所定ピッチで拠りあわせた複数の裸素線を内絶縁材により被覆してなるものであり、前記第2絶縁芯線の各々が、所定ピッチで拠りあわせた複数の裸素線を内絶縁材により被覆してなるものである。
請求項4の電線によれば、請求項1乃至3何れかの電線の作用効果が、複数の裸素線同士を拠りあわせることにより、拠りあわせない場合に比べてより顕著なものとなる。すなわち、拠りあわせない場合でも電磁波の低減は期待できるが、拠りあわせることにより低減効果が向上する。その因果関係についても解明中である。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係る電線(以下、「請求項5の電線」という)は、請求項1乃至4何れか記載の電線であって、外周を外絶縁材により被覆してある。
請求項5の電線によれば、請求項1乃至4何れかの電線の作用効果に加え、外絶縁材が複数の絶縁芯線対を被覆して、複数の絶縁芯線対を電気的物理的に保護する。さらに、被覆することにより、第1絶縁芯線と第に素線との相対位置、絶縁芯線対間の相対位置などを敷設時や使用時において変化させないので、電線の特性を一定に保つ効果もある。外絶縁材以外の部材により、複数の絶縁芯線対を束ねることは可能であるが、複数の絶縁芯線対外周の全体を被覆するほうが好ましいのは、上記の理由による。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係る電線は、請求項1乃至5何れかの電線であって、前記複数の絶縁芯線対が、2本の第1絶縁芯線と2本の第2絶縁芯線のみにより構成してあり、直径方向断面において、当該第1絶縁芯線の中心同士を結ぶ第1想像線と、当該第2絶縁芯線の中心同士を結ぶ第2想像線とが交差するように、当該2本の第1絶縁芯線と当該2本の第2絶縁芯線とを配してある。つまり、4芯の電線であり、交差する位置に同じ極性の絶縁芯線が位置している。
請求項6の電線によれば、請求項1乃至5何れかの電線の作用効果が、交差する位置に同じ極性の絶縁芯線が位置することによって、より顕著になる。上記位置に限定する趣旨ではないが、上記位置に配することにより、絶縁芯線間の電磁波の相殺が効率よく作用するものと思われる。
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7記載の発明に係る電線(以下、「請求項7の電線」という)は、請求項6の電線であって、前記第1想像線が、前記第2想像線に対してほぼ直交するように両絶縁芯線群を配してある。
請求項7の電線によれば、請求項6の電線の作用効果が、より顕著なものとなる。両絶縁芯線群間でバランスがとれ、これが電磁波低減に有効に作用したものと推測できる。
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8記載の発明に係る送電方法(以下、「請求項8の送電方法」という)は、一方の極を流れる第1電流と他方の極を流れる第2電流とからなる送電方法であって、当該第1電流を2n(nは自然数)に分流してなる第1分流群を形成するとともに、当該第2電流を2nに分流してなる第2分流群を形成する工程と、当該第1分流群の各々と当該第2分流群の各々とを、送電方向に渡って沿わせることにより複数の対電流を形成する工程と、を含むことを特徴とする。送電対象となる電流は直流であっても交流であってもよい。送電する電流が交流であるならその交流は、その周波数に限定がなく、単相や三相などの制限もない。流れの量と向きを常に一定に保ちながら流れる直流や流れの向きは変わらずに流れの量を時々変化させながら流れる脈流の場合は、一方の極と他方の極との関係が一定であるが、時々交互に逆向きの電流が流れる交流の場合は時間の変化とともに一方の極と他方の極とが入れ替わる。
請求項8の送電方法によれば、通常の送電方法に比べて通電時に発生する電磁波の量を低減することができる。その因果関係については、現在解明中であるが、おそらく、極性が異なる第1分流と第2分流とに対を構成させてあるため、両者が発生する電磁波の向きが逆になり、これにより、両分流が発生する電磁波が相殺により低減されるからであると推測できる。
(請求項9記載の発明の特徴)
請求項9記載の発明に係る送電方法(以下、「請求項9の送電方法」という)は、請求項8の送電方法であって、前記複数の対電流を構成する各第1分流群を合流させて第1電流に戻すとともに、当該第2分流群を合流させて第2電流に戻す工程と、を含むことを特徴とする。
請求項9の送電方法によれば、請求項8の送電方法に加え、第1分流群と第2分流群に分かれていた電流が、第1電流及び第2電流に戻る。これにより、2線式の電気機器(負荷)に、従来の送電方法と同じ方法により送電することができる。
(請求項10記載の発明の特徴)
請求項10記載の発明に係る送電方法(以下、「請求項10の送電方法」という)は、請求項8又は9の送電方法であって、前記第1分流群の各々と、前記第2分流群の各々と、を所定ピッチで拠りあわせながら送電することに特徴がある。
請求項10の送電方法によれば、請求項8又は9の送電方法の作用効果が、第1分流と第2分流とを拠りあわせることにより、拠りあわせない場合に比べてより顕著なものとなる。すなわち、拠りあわせない場合でも電磁波の低減は期待できるが、拠りあわせることにより低減効果が向上する。その因果関係についても解明中であるが、両者が発生する電磁波の相殺が、絶縁芯線同士のの拠りあわせによって、より効率的に作用する結果、電磁波がより低減されるものと思われる。
(請求項11記載の発明の特徴)
請求項11記載の発明に係る電線(以下、「請求項11の電線」という)は、請求項8乃至10何れかの電極送電方法であって、前記複数の対電流同士を、拠りあわせながら送電することを特徴とする。
請求項11の送電方法によれば、請求項8乃至10何れかの送電方法の作用効果が、対電流同士を拠りあわせることにより、拠りあわせない場合に比べてより顕著なものとなる。すなわち、拠りあわせない場合でも電磁波の低減は期待できるが、拠りあわせることにより低減効果が向上する。その因果関係についても解明中であるが、両者が発生する電磁波の相殺が、絶縁芯線同士のの拠りあわせによって、より効率的に作用する結果、電磁波がより低減されるものと思われる。
(請求項12記載の発明の特徴)
請求項12記載の発明に係る電気機器(以下、「請求項12の電気機器」という)は、請求項1乃至7何れかの電線により送電又は受電を行う電気機器である。送電行う電気機器には、たとえば、柱上トランスや商用電力を室内に分配する配電盤、負荷となる機器に接続するソケット、高周波信号発生器などがあり、受電を行う電気機器には、たとえば、家庭用コンセントに差し込むプラグやそのようなプラグを接続した各種電化製品、内部配線の一部又は全部に上記電線が使われている電子機器がある。
請求項12の電気機器によれば、請求項1乃至7何れかの電線により送電又は受電を行うようになっているので、電線により電磁波発生が低減されている。このため、少なくともその分だけ電気機器全体が発生する電磁波の量が低減されている。したがって、そのような電気機器を使用する者が被爆する電磁波量を相対的に少なくすることができる。
各図を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図1は、部分的に内部を露出させた電線の部分斜視図である。図2(a)(b)は、何れも図1に示す電線のA−A断面図である。図3は、電線の使用例を示す斜視図である。図4は、実験に使用した電線(ケーブル)の仕様を示す図表である。図5は、実験結果を示す図表である。図6及び図7は、電線の変形例を示す斜視図である。
(電線の全体構造)
図1及び2に基づいて説明する。符合1は、100V/50(60)Hzの商用交流電源に主として使用可能な電線を示す。電線1は、ある時点における一方の極(たとえば、正極(+))に接続した2本の第1絶縁芯線11と、同じく他方の極(たとえば、負極(−))に接続した2本の第2絶縁芯線21と、を有している。本明細書では、必要に応じて前者を第1絶縁芯線11(+)と、同じく後者を第2絶縁芯線21(−)と、それぞれ示すことにする。なお、正極(+)と負極(−)は、上述したように、交流電流のある時点における極性を示しており、時間とともに反転が繰り返される。したがって、以下の説明では、部材の説明のために(+)と(−)とを使用する場合があるが、これは、あくまでも理解を容易にするための便宜的なものであって、特に断らない限り時間の経過とともに反転が繰り返され他の時点では図示する極性(図2(a)に参照)と反対の極性(図2(b)参照)を示す場合もある。さらに、本明細書では、同じ部材を区別するために「第1」「第2」と称する場合があるが、これも説明の便宜のために行うものであって、特に断らない限り何れかの部材を特定する趣旨ではない。
各第1絶縁芯線11(+)は、拠りあわせた複数の裸素線13とそれを被覆する内絶縁材15とにより構成してあり、同じく各第2絶縁芯線21(−)は、拠りあわせた複数の裸素線23とそれを被覆する内絶縁材25とにより構成してある。複数の裸素線は、これらを拠りあわせなくても使用可能であるが、その理由は解明中であるが実験によれば、拠りあわせたほうが電磁波低減のためにより効果的であった。また、裸素線の直径や本数は、送電又は受電しようとする電力の大きさや、その用途に応じて適宜設定することができる。電線1を、商業電源ではなく、たとえば、高周波の送受電に使用するのであれば、特性インピーダンスの調整や表皮効果による効率低下の抑制などのために、裸素線の本数を増減するとよい。第1絶縁芯線11及び第2絶縁芯線21を、それぞれ本ずつとしたが、これは、後述するように互いに逆方向の電流を得るために最小限の本数である。したがって、必要に応じてそれぞれを、2n(nは自然数)本、すなわち、4本、6本...のように偶数本とすることもできる。
絶縁芯線群の配置について説明する。2本あるうちの一方の第1絶縁芯線11(+)と同じく第2絶縁芯線21(−)と、対(ペアー)にして送電方向(電線の長さ方向)に渡って沿わせることにより第1絶縁芯線対17を編成し、他方の第1絶縁芯線11(+)と同じく第2絶縁芯線(−)とを、対にして送電方向に渡って沿わせることにより第2絶縁芯線対27を編成する。第1絶縁芯線対17は、第1絶縁芯線11(+)と第2絶縁芯線21(−)とを所定ピッチで拠りあわせることが好ましい。第1絶縁芯線11(+)と第2絶縁芯線21(−)とを拠りあわせることなく平行配置することも可能であるが、実験によれば、拠りあわせた方がより効率的に電磁波を低減することができた。さらに、可能であれば、第1絶縁芯線対17と第2絶縁芯線対27とを所定ピッチで拠りあわせるとよい。絶縁芯線同士を拠りあわせて構成した絶縁芯線対同士を拠りあわせると、絶縁芯線は二重に拠りあわせられることになるが、この拠りあわせが、各絶縁芯線から出る反対方向の電磁波を効率よく相殺するものと推測される。なお、本実施形態における絶縁芯線対は2組であるが、絶縁芯線の数を、各極2本ずつではなく、たとえば、4本ずつとすれば、絶縁芯線対は4組となる。また、三相電力を供給するときに各相2本ずつとすれば、絶縁芯線対は3組となる。
拠りあわせた第1絶縁芯線対17と第2絶縁芯線対32とは、ゴム製の外絶縁材5により被覆してある。外絶縁材5には、必要に応じてカーボンのような導電性充填材や、亜鉛華のような電磁波シールド材などを添加してもよい。このような添加材を添加することにより、特に高周波に対するシールド効果を期待することができる。さらに、必要に応じて、外絶縁材5の内側に電磁波シールド網組(図示を省略)を設けてもよい。本実施形態では、外絶縁材5を、さらに保護するために合成樹脂製のカバー材7により被覆してある。カバー材7は必須ではないが、このカバー材7により被覆することにより、電線1の防水性や対衝撃性を高めたりすることが可能になる。特に、電線1を屋外で使用するときに効果がある。
図2(a)に基づいて説明する。図2(a)には、電線1の直径方向断面において、第1絶縁芯線11,11の中心同士を結ぶ第1想像線L1と、第2絶縁芯線21,21の中心同士を結ぶ第2想像線L2とがほぼ直交するように2本の第1絶縁芯線11,11と2本の第2絶縁芯線21,21とを配してある。2本の想像線を直交させたのは、第1絶縁芯線11と第2絶縁芯線21とを隣接させることにより両者間の電磁波相殺を促進させるためである。第1想像線L1と第2想像線L2とは、必ずしも直交させる必要はないが、直交させることにより第1絶縁芯線対17と第2絶縁芯線対27との相対位置が第1想像線L1又は第2想像線L2を境にして線対称となるため、両者のバランスがよくなり、それだけ電磁波相殺が促進されるであろうからである。なお、図6及び7に示すように、絶縁芯線同士を捩りあわせずに、また、絶縁芯線対同士を拠りあわせずに電線を構成してもよい。
(電線の使用例)
図3に基づいて説明する。符合Cは、100V/50(60)Hz単相2線式の商用交流を供給するためのコンセントを、符合Pは、コンセントCに差込可能な電源プラグを、符合Hは、たとえば、床暖房用のパネルヒーターや炊飯ジャーやパーソナルコンピューターのような電気機器(負荷)を、それぞれ示している。コンセントCは、一方の極Caと他方の極Cbとを有し、プラブPは、一方の極Paと他方の極Pbとを有している。プラグPには電線1が接続してあり、電線1を介して電気機器Hへ電力を送電可能に構成してある。なお、図3に示す電線は、コンセントCから電気機器Hまでの送電経路に使用されているが、上述の例にの中の、たとえば、パーソナルコンピューターの内部配線(電源配線、高周波回線など)にも使用可能である。さらに、発電所から変電所への高圧送や、変電所から柱上トランスまでの高圧送電、柱上トランスから家庭用配電盤までの送電などにも適宜使用可能であることは言うまでもない。
(電流の流れ)
図3に戻り説明を続ける。コンセントCの一方の極Ca及び他方の極Cbと、プラブPの一方の極Pa及び他方の極Pbを介して送電されるが、そのときのある時点における電流の流れは次のとおりである。すなわち、一方の極を流れる第1電流は2本の第1絶縁芯線11(+),第1絶縁芯線11(+)に分流されて2つの分流からなる第1分流群を形成する。これと同様に他方の極を流れる第2電流は2本の第2絶縁芯線21(−),第2絶縁芯線21(−)に分流されて2つの分流からなる第2分流群を形成する。ここで、第1絶縁芯線11(+)と第2絶縁芯線21(−)とが対をなしているので第1分流と第2分流とが送電方向である電気機器H方向に渡って沿って流れ2つの対電流を形成する。このとき、第1分流群の各々と第2分流群の各々とが所定ピッチで拠りあいながら、さらに、複数の対電流同士が拠りあいながら送電される。送電される際の第1分流と第2分流とは、互いの極性が逆になるため、両者から出る電磁波の方向も逆となる。逆の極性を持つ第1分流と第2分流とを対にして送電するため、電磁波同士が相殺され、電線1全体から出る電磁波の総量が大幅に低減できる。このため、電線1の近くにいる人が電磁波の被爆から解放され、また、近くにある電子機器などが電磁波の悪影響を受けづらくなる。
(実験結果)
図3乃至5に基づいて説明する。上述した電線1に該当する防磁用ケーブル2種類(ケーブル1及びケーブル2)と一般用ケーブル(図4参照)とを直列に接続しておき、100V/60Hzの商用交流を通電したときの各ケーブルの表面2箇所(測定個所1及び測定個所2)及びその鉛直線上における電磁波の測定を行った。測定には、株式会社カスタム製のEMF TESTER(型式:EMF−822)を使用した。実験結果は、図5に示すとおりである。
まず、電流を5Aとしたときを比較する。一般用ケーブルの電磁波は、ケーブル表面において9.2又は10.2mGであったが、ケーブル1の電磁波は、表面において0.2又は0.8mG、ケーブル2の電磁波は、0.2又は0.5mGであった。およそ98%の減少を見た。測定個所にもよるが、ケーブル1及びケーブル2の表面から10mm以上離れると、電磁波は0.1mGまで下がることが判明した。表面から50mm以上離れれば、一般用ケーブルでさえ0.1mGまで電磁波が低減するが、50mm未満の距離にあるときは、ケーブル1及びケーブル2の電磁波低減の効果が大きいことがわかった。通電する電流を、5Aづつ順次増加させたところ、電磁波の量は増加したが、多少のバラツキはあるものの、それでも35Aのときにケーブル1の表面で2.5mG、ケーブル2の表面で1.6mGであった。同じ条件のときに90mGとなった一般ケーブルと比べて顕著な差を観測した。以上の実験から明らかなように、ケーブル1及びケーブル2を用いて送電することにより、概ね98%の電磁波低減が可能であることがわかった。
発明の効果
本発明によれば、通電中に発生する電磁波を可及的に低減可能な電線、送電方法及びそのような電線により電力の送電を行い又は受ける電気機器を提供することができる。
部分的に内部を露出させた電線の部分斜視図である。 (a)(b)何れも図1に示す電線のA−A断面図である。 電線の使用例を示す斜視図である。 実験に使用した電線(ケーブル)の仕様を示す図表である。 実験結果を示す図表である。 電線の変形例を示す斜視図である。 電線の変形例を示す斜視図である。
符合の説明
1 電線
5 外絶縁材
11 第1絶縁芯線
17 第1絶縁芯線対
21 第2絶縁芯線
27 第2絶縁芯線対

Claims (12)

  1. 一方の極に接続可能な2n(nは自然数)本の第1絶縁芯線群と、
    他方の極に接続可能な2n本の第2絶縁芯線群と、を備え、
    当該第1絶縁芯線群を構成する各第1絶縁芯線と、当該第2絶縁芯線群を構成する各第2絶縁芯線とが、対となって複数の絶縁芯線対を構成してある
    ことを特徴とする電線。
  2. 前記複数の絶縁芯線対の各々を構成する前記第1絶縁芯線と前記第2絶縁芯線とを、所定ピッチで拠りあわせてある
    ことを特徴とする請求項1記載の電線。
  3. 前記複数の絶縁芯線対同士を、所定ピッチで拠りあわせてある
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電線。
  4. 前記第1絶縁芯線の各々が、所定ピッチで拠りあわせた複数の裸素線を内絶縁材により被覆してなるものであり、
    前記第2絶縁芯線の各々が、所定ピッチで拠りあわせた複数の裸素線を内絶縁材により被覆してなるものである
    ことを特徴とする請求項1乃至3何れが記載の電線。
  5. 外周を外絶縁材により被覆してある
    ことを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の電線。
  6. 前記複数の絶縁芯線対が、2本の第1絶縁芯線と2本の第2絶縁芯線のみにより構成してあり、
    直径方向断面において、当該第1絶縁芯線の中心同士を結ぶ第1想像線と、当該第2絶縁芯線の中心同士を結ぶ第2想像線とが交差するように、当該2本の第1絶縁芯線と当該2本の第2絶縁芯線とを配してある
    ことを特徴とする請求項1乃至5何れか記載の電線。
  7. 前記第1想像線が、前記第2想像線に対してほぼ直交している
    ことを特徴とする請求項6記載の電線。
  8. 一方の極を流れる第1電流と他方の極を流れる第2電流とがらなる送電方法であって、
    当該第1電流を2n(nは自然数)に分流してなる第1分流群を形成するとともに、当該第2電流を2nに分流してなる第2分流群を形成する工程と、
    当該第1分流群の各々と当該第2分流群の各々とを、送電方向に渡って沿わせることにより複数の対電流を形成する工程と、を含む
    ことを特徴とする送電方法。
  9. 前記複数の対電流を構成する各第1分流群を合流させて第1電流に戻すとともに、当該第2分流群を合流させて第2電流に戻す工程と、を含むことを特徴とする
    請求項8記載の送電方法。
  10. 前記第1分流群の各々と、前記第2分流群の各々と、を所定ピッチで拠りあわせながら送電する
    ことを特徴とする請求項8又は9記載の送電方法。
  11. 前記複数の対電流同士を、拠りあわせながら送電する
    ことを特徴とする請求項8乃至10何れか記載の送電方法。
  12. 請求項1乃至7何れか記載の電線により送電又は受電を行う電気機器。
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