JP2005044415A - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気記録媒体における記録磁性層の、飽和磁化Msを300emu/cc〜800emu/ccとし、E=(K1−2πMs2)sin2θ+K2sin4θ(θ:磁化と磁化容易軸とのなす角度)で表される垂直磁気異方性エネルギーにおける磁気異方性定数K1及びK2を、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.2≦K2/K1なる関係を満足するようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気記録媒体及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報社会の発展に伴い、高密度記録技術の開発が切望されている。特に、ビット単価が安く、不揮発かつ大容量記録が可能な磁気記録においては、高密度記録の可能な磁気記録媒体の開発が強く要求され、種々の研究開発によりここ数年で著しい高密度化が実現された。しかし、将来的に更なる進化が期待される情報化社会において、例えば十年、二十年先の市場要求に対応できる技術的見通しは殆ど得られていない。
【0003】
この技術的行き詰まりの最も大きな原因の一つに、現行磁気記録媒体が抱える以下のような原理的問題がある。現行の磁気記録媒体用薄膜は、CoCrPtを主体とする合金薄膜であり、この薄膜を構成する個々の微粒子内では磁気相分離によりCoリッチ強磁性領域の中心部を非磁性Crリッチの殻が取り囲む構造をとっている。この構造は、強磁性粒子間の磁気的結合を低減させ、その結果優れたS/Nの実現を可能にしている。
【0004】
しかしながら、記録密度の飛躍的増加に伴い、S/N確保のために個々の磁性粒子の体積を一層低減することが強く求められるようになった。このような構成粒子のサイズ低減は、以下に述べる磁化の熱擾乱(記録状態の不安定化)という実用上深刻な問題を引き起こす。
【0005】
磁気記録媒体を構成する磁性粒子が有する磁気異方性エネルギーをK,粒子体積をVとすると、それらの積KVが磁化の安定性の指標となる。熱エネルギーはkT(k:ボルツマン定数,T:温度)と表されるから、この量がKVに比べ無視できなくなると、熱擾乱が顕著となり、磁化状態(メモリー情報)の消失につながる。
【0006】
上述したように、高密度記録媒体では、S/Nの面から磁化単位Vの微小化が求められ、熱安定性の面からはKVの増加が求められる。このような観点から、これら相反する要求を如何にして両立させるかが現在の磁気記録技術に課せられた大きな問題である。単純に考えれば、低いVを保ちながら高い磁気異方性エネルギー材料を有する材料をことが有効と考えられる。
【0007】
例えば、永久磁石材料であるSm−Co、Nd−Fe−Bなどの希土類化合物やCuAu型構造のFePt、CoPtなどの規則合金は、K〜108erg/cc程度の高い磁気異方性エネルギーを有し、その値は現行のCoCrPt合金の値(K〜106erg/cc)に比べ二桁程度も高い。そのため粒子サイズの低減と熱安定性の確保を両立できる可能性があり、このような背景から記録材料への適用が活発に研究されている。
【0008】
一方で、上述したような高磁気異方性エネルギーの材料を用いて磁気記録媒体を作製した場合に、磁気ヘッドを用いた磁気記録が実現できるか否かを考慮する必要がある。記録層を構成する磁性粒子の磁化を高速で反転させる〈記録する〉のに必要な磁界(磁化反転磁界)はおよそHr≒2K/Msである。したがって、上述した高磁気異方性エネルギー材料から記録層を構成し、熱安定性のために異方性エネルギーKをむやみに増大すると、記録のために要する磁化反転磁界が著しく増大し、記録を行うことができなくなる。
【0009】
したがって、現状においては、記録が可能な範囲の磁気異方性を有し、メモリー情報を熱安定的に長期間保持することのできる磁気記録媒体を得ることができでいる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、比較的小さい磁化反転磁界で記録を可能とするとともに、高い熱的安定性を有し、メモリー情報を長期間安定的に保持しておくことができる新規な磁気記録媒体及びその作製方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
飽和磁化Msが300emu/cc〜800emu/ccであって、E=(K1−2πMs2)sin2θ+K2sin4θ(θ:磁化と磁化容易軸とのなす角度)で表される垂直磁気異方性エネルギーにおける磁気異方性定数K1及びK2が、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.2≦K2/K1なる関係を満足する記録磁性層を具えることを特徴とする、磁気記録媒体に関する。
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、実験面及び理論面から種々の検討を実施した。その結果、磁気記録媒体を構成する記録磁性層において、その飽和磁化Msを300emu/cc〜800emu/ccとし、E=(K1−2πMs2)sin2θ+K2sin4θ(θ:磁化と磁化容易軸とのなす角度)で表される垂直磁気異方性エネルギーにおける磁気異方性定数K1及びK2が、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.2≦K2/K1なる関係を満足するようにすることにより、比較的小さい磁化反転磁界で記録を行うことができ、かつ熱的安定性を十分に確保するに足る大きな磁気異方性を有することを見出した。
【0013】
飽和磁化Ms<300emu/ccでは、熱的安定性を確保するための磁気異方性(定数)に対し、飽和磁化Msが小さいために、磁化反転磁界Hr≒2K/Msが過大になって、通常の磁気ヘッド(飽和磁束密度Bs〜2T)で確実に記録を行うことが困難となる。また、飽和磁化Ms>800emu/ccでは、垂直記録を行う場合の反磁場が大きくなり過ぎて、確実に記録を行うことが困難となる。したがって、本発明においては、300emu/cc<Ms<800emu/ccとすることにおり、確実に記録を行うことができるようになる。また、飽和磁化Msが前述した範囲外であると熱的安定性にもある程度の影響を及ぼし、メモリー情報を長期に亘って保持することができなくなる
【0014】
また、異方性定数K1<5×103Msでは、異方性エネルギーが小さくなり過ぎて熱的安定性を確保することができず、異方性定数K1>15×103Msでは、磁化反転磁界Hr≒2K/Msが過大となって、記録動作が困難になる。したがって、5×103Ms≦K1≦15×103Msを満足することが必要となる。
【0015】
しかしながら、上述した第1次の磁気異方性定数K1に比較して、第2次の磁気異方性定数K2が磁化の熱的ゆらぎに大きく寄与するので、上述した第1次の磁気異方性定数K1に対する関係式が満足されたのみでは、十分な熱的安定性を実現することができず、さらなる熱的安定性向上のためには、0.2≦K2/K1なる関係を満足することが必要である。すなわち、記録のための磁化反転磁界Hrに関連して、第1次の磁気異方性定数K1を小さくした場合においても、第2次の磁気異方性定数K2をある程度大きくして前記関係式を満足するようにすれば、前記磁気記録媒体に対して十分な熱的安定性を付与することができる。
【0016】
このように本発明においては、磁気記録媒体の十分な熱的安定性を確保するために、2つの磁気異方性定数K1及びK2が同時に上述した関係を満足することが必要である。
【0017】
磁性材料を構成する電子のエネルギーから見れば、異方性エネルギーは極めて小さいために、上述した2つの磁気異方性定数が上述した関係式を満足させるための理論的な指針は存在しない。しかしながら、本発明者らは、磁性材料の組成及び構造を広範に変化させてそれらの挙動を実験により丹念に調べていくことにより、前記磁性材料における価電子数と結晶格子とが磁気異方性定数K1及びK2に重大な影響を及ぼすことを見出し、以下に詳述するように、磁気記録媒体を構成する材料組成は層構成などを適宜制御することによって、上述した関係式を満足するようにしている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の好ましい態様の一例を示す構成図である。図1に示す磁気記録媒体10においては、基板11上に、軟磁性下地層12、配向制御用シード層13、記録磁性層14及び保護潤滑層15が順次に形成されている。
【0019】
基板11は、強化ガラス、非晶質メッキ層を有するアルミニウム基板、又はポリカーボネート基板などの樹脂基板を使用することができる。
【0020】
軟磁性下地層12は、パーマロイ、センダスト、CoあるいはFe基微結晶合金、CoあるいはFe基非晶質合金などの材料から構成することができる。また、磁性層/磁性層あるいは磁性層/非磁性層などの多層膜構造体から構成することができる。また、その厚さは10nm〜500nmであることが好ましい。このような軟磁性下地層12を設けることによって、記録磁性層14の結晶格子などが所望の状態となると考えられ、記録磁性層14の、磁気異方性定数K1及びK2に関する上述した関係式を簡易に実現できるようになる。但し、本発明において、軟磁性下地層12は必須の構成要素ではない。
【0021】
なお、軟磁性下地層12は、CVDやスパッタリング法、メッキ法など公知の成膜手法を用いて形成することができる。また、基板11上に非磁性及び磁性のシード層を形成した後、このシード層を介して形成することもできる。
【0022】
配向制御用シード層13は、Ti、Ru、Pt、Mo、Ta及びWなどの金属や、B、C、Si、Geなどの共有結合性物質から構成することができる。また、その厚さは5nm以下とすることが好ましい。このような配向制御用シード層13を設けることにより、記録磁性層14の成長初期からの結晶配向性を改善することができるとともに、記録磁性層14の結晶格子などが所望の状態となると考えられ、記録磁性層14の、磁気異方性定数K1及びK2に関する上述した関係式を簡易に実現できるようになる。但し、本発明において、配向制御用シード層13は必須の構成要素ではない。
【0023】
なお、配向制御用シード層13も、CVDやスパッタリング法など公知の成膜手法を用いて形成することができる。
【0024】
記録磁性層14は、上述したように、飽和磁化Msが300emu/cc〜800emu/ccであって、E=(K1−2πMs2)sin2θ+K2sin4θ(θ:磁化と磁化容易軸とのなす角度)で表される垂直磁気異方性エネルギーにおける磁気異方性定数K1及びK2が、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.2≦K2/K1、好ましくは0.4≦K2/K1なる関係を満足することが要求される。
【0025】
このような要件を満足すべく、記録磁性層14はコバルト基合金薄膜から構成することができる。前記コバルト基合金薄膜としては、CoCr、CoMo及びCoWの少なくとも一つから構成されることが好ましい。また、前記コバルト基合金薄膜は、Pt、Ir、B、Rh、Pd及びNiの少なくとも一つを含むことができる。
【0026】
また、記録磁性層14はグラニュラー薄膜から構成することができる。前記グラニュラー薄膜はコバルト基合金粒を含むことが好ましい。また、前記コバルト基合金粒は、Pt、Ir、B、Rh、Pd及びNiの少なくとも一つを含むことができる。なお、前記グラニュラー薄膜の母材は、SiO2、Al2O3及びZrO2などから構成することができる。
【0027】
記録磁性層14を上述した材料から構成することにより、その価電子数や結晶格子が所望の値になると考えられ、上述した関係式を簡易に実現できるようになる。
【0028】
なお、記録磁性層14の厚さは50nm以下であることが好ましく、さらには2nm〜20nmであることが好ましい。
【0029】
また、記録磁性層14をグラニュラー薄膜から構成する場合、前述したコバルト基合金粒に代えて、Sm−Co、Nd−Fe−Bなどの希土類化合物やCuAu型構造のFePt、CoPtなどの規則合金の微粒子を用いることもできる。
【0030】
前記コバルト基合金薄膜は、上述したように、CVDやスパッタリング法など公知の成膜手法を用いて形成することができる。また、前記グラニュラー薄膜は、母材となるSiO2などの材料と、コバルト基合金などの磁性材料とを、スパッッタリングなどの手法を用いて同時に堆積させるようにすることによって形成することができる。
【0031】
潤滑層15は記録再生の際の磁気ヘッドの摩擦を抑制するために設けらえれているものであり、例えば非晶質カーボンなどから厚さ数nmに形成することができる。なお、必要に応じて、フルオロカーボン系の潤滑層を追加することもできる。
【0032】
図1に示す磁気記録媒体10では、その最小磁化単位を103nm3以下にまで極小化することができ、1平方インチ当り200ギガビット以上、特には400ギガビット以上の記録密度を実現することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例)
直径2インチの強化ガラス基板上に、軟磁性下地層として膜厚180nmのCoNbZr膜を直流マグネトロンスパッタにより室温で形成した。次いで、前記CoNbZr膜上に、配向制御用シード層として膜厚5nmの非磁性シード層を積層した。非磁性シード層としてはRu、Pd、Ptなどの材料を用いた。次いで、基板温度Tsを20℃〜150℃の範囲で変化させるとともに、記録磁性層として厚さ15nmのグラニュラー薄膜を形成した。
【0034】
前記グラニュラー薄膜は、[Co1−(X+Y+Z)CrXPtYIrZ]合金(0≦X≦20,0≦Y≦30,0≦Z≦15)とSiO2とを同時に堆積して形成した。なお、前記グラニュラー薄膜中におけるSiO2の体積充填率は30〜50%の範囲で変化させた。
【0035】
次いで、前記グラニュラー薄膜上に、厚さ3nmの非晶質カーボン層を形成し、次いで平均膜厚1nmのフルオロカーボン系潤滑層をディップ塗布して潤滑層を形成した。
【0036】
このようにして得た磁気記録媒体に対して記録再生操作を行い、SN比、重ね書きSN、及び出力劣化率の評価を実施した。記録再生実験に用いた磁気ヘッドは、シールドギャップに磁気抵抗効果素子を埋め込んだ単磁極型ヘッドである。記録トラック幅は80nm、再生トラック幅は65nm、主磁極の飽和磁束密度は2.4Tである。また磁気ヘッド浮上量は記録磁性層表面を基準にして10nmとした。
【0037】
SN比は、トラック密度2.8×105トラック/インチ、線密度14×105ビット/インチの記録条件で評価した。これはおよそ400ギガビット/(インチ)2の面記録密度に相当する。また、重ね書きSN比は、線密度14×105ビット/インチの2fパターン上に1.7×105ビット/インチの1fパターンを記録することによって評価した。さらに、出力劣化率は、室温での放置時間に対する信号の減衰を追った。十分な熱的安定性を有し、長期に亘ってメモリー情報を保持するためには、出力劣化率を0.6%/decade以内に抑える必要がある。
【0038】
また、前記磁気記録媒体の記録磁性層である前記グラニュラー薄膜の飽和磁化Msは試料振動型磁力計で計測し、磁気異方性定数K1及びK2は磁気光学効果を一般化した用いたSucksmith−Thompson法[S.Okamoto et al. Joumal of Applied Physics,90巻,8号,4085頁,2001年]により決定した。
【0039】
さらに、結晶学的配向性の評価にはCu−Kα線によるX線回折装置を用い、粒子サイズは電界放射型走査電子顕微鏡と透過電子頃微鏡により測定した。今回作製した全試料について、その粒径分布はほぼ次の対数正規分布に従うことがわかった。
【0040】
【数1】
ここでβvが分布の広がり、D0が中心粒子直径である。
【0041】
対数正規分布へのフイッティングから求めたD0を用いて粒子体積Vを計算した結果、本実施例で準備した全試料の粒子体積Vは600nm3〜800nm3の範囲に入ることが確認された。評価結果及び計測結果を表1におけるNo.1〜9に示す。
【0042】
(比較例1)
上記実施例において、前記グラニュラー薄膜中のSiO2の体積充填率を30%未満とした。この場合、飽和磁化Msは800emu/ccよりも大きくなった。この場合においても、SN比や粒子サイズなどを実施例同様にして評価及び計測した。評価結果及び計測結果を表1のNo.10及び11として示す。
【0043】
(比較例2)
上記実施例において、前記グラニュラー薄膜中のSiO2の体積充填率を60%以上とした。この場合、飽和磁化Msは300emu/ccよりも小さくなった。この場合においても、SN比や粒子サイズなどを実施例同様にして評価及び計測した。評価結果及び計測結果を表1のNo.12及び13として示す。
【0044】
(比較例3)
上記実施例において、記録磁性層のPtの含有率をゼロとすることにより異方性定数K1を低下させた。評価結果及び計測結果を表1のNo.14として示す。
【0045】
(比較例4)
上記実施例において、記録磁性層のIr含有率をゼロとすることにより異方性定数K2を低下させ、K2/K1<0.2とした。評価結果及び計測結果を表1のNo.15及び16として示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1から明らかなように、本発明の要件を満足する記録磁性層としてのグラニュラー薄膜を有する実施例の磁気記録媒体においては、良好なSN比及び重書SN比を呈するとともに、十分に低い出力劣化率であることが分かる。したがって、極めて良好な高記録密度記録を実現できるとともに、高い熱的安定性に起因してメモリー情報を長期に亘って保持できることが分かる。
【0048】
一方、比較例1〜4で得た磁気記録媒体においては、実施例で得た磁気記録媒体と比較して、SN比及び重書SN比が低下するとともに、出力劣化率が増大していることが分かる。したがって、高密度記録に劣るとともに、低い熱的安定性に起因してメモリーの長期保存に適していないことが分かる。
【0049】
以上、具体例を示しながら発明の実施の形態に則して本発明を説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲において、あらゆる変形や変更が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、比較的小さい磁化反転磁界で記録を可能とするとともに、高い熱的安定性を有し、メモリー情報を長期間安定的に保持しておくことができる新規な磁気記録媒体及びその作製方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の好ましい態様の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
10 磁気記録媒体
11 基板
12 軟磁性下地層
13 配向制御用シード層
14 記録磁性層
15 潤滑層
Claims (23)
- 飽和磁化Msが300emu/cc〜800emu/ccであって、E=(K1−2πMs2)sin2θ+K2sin4θ(θ:磁化と磁化容易軸とのなす角度)で表される垂直磁気異方性エネルギーにおける磁気異方性定数K1及びK2が、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.2≦K2/K1なる関係を満足する記録磁性層を具えることを特徴とする、磁気記録媒体。
- 前記記録磁性層において、前記磁気異方性定数Kl及びK2は、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.4≦K2/K1なる関係を満足することを特徴とする、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記記録磁性層の厚さが50nm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
- 前記記録磁性層の厚さが2nm〜20nmであることを特徴とする、請求項3に記載の磁気記録媒体。
- 前記記録磁性層はコバルト基合金薄膜からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の磁気記録媒体。
- 前記コバルト基合金薄膜は、CoCr、CoMo及びCoWの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項5に記載の磁気記録媒体。
- 前記コバルト基合金薄膜は、Pt、Ir、B、Rh、Pd及びNiの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の磁気記録媒体。
- 前記記録磁性層はグラニュラー薄膜からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の磁気記録媒体。
- 前記グラニュラー薄膜は、コバルト基合金粒を含むことを特徴とする、請求項8に記載の磁気記録媒体。
- 前記コバルト基合金粒は、Pt、Ir、B、Rh、Pd及びNiの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載の磁気記録媒体。
- 前記記録磁性層の下方において、軟磁性下地層を具えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載の磁気記録媒体。
- 前記軟磁性下地層の厚さが10nm〜500nmであることを特徴とする、請求項11に記載の磁気記録媒体。
- 前記軟磁性下地層と前記記録磁性層との間に、配向制御用シード層を具えることを特徴とする、請求項11又は12に記載の磁気記録媒体。
- 前記配向制御用シード層の厚さが5nm以下であることを特徴とする、請求項13に記載の磁気記録媒体。
- 前記配向制御用シード層は、Ti、Ru、Pt、Mo、Ta及びWの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の磁気記録媒体。
- 前記配向制御用シード層は、B、C、Si、Geの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の磁気記録媒体。
- 面記録密度が、1平方インチ当り400ギガビット以上であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一に記載の磁気記録媒体。
- 軟磁性下地層を形成する工程と、
前記軟磁性下地層の上方に、飽和磁化Msが300emu/cc〜800emu/ccであって、E=(K1−2πMs2)sin2θ+K2sin4θ(θ:磁化と磁化容易軸とのなす角度)で表される垂直磁気異方性エネルギーにおける磁気異方性定数K1及びK2が、5×103Ms≦K1≦15×103Ms及び0.2≦K2/K1なる関係を満足する記録磁性層を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、磁気記録媒体の作製方法。 - 前記軟磁性下地層の厚さを10nm〜500nmにすることを特徴とする、請求項18に記載の磁気記録媒体の作製方法。
- 前記記録磁性層の厚さを50nm以下とすることを特徴とする、請求項18又は19に記載の磁気記録媒体の作製方法。
- 前記記録磁性層の厚さを2nm〜20nmとすることを特徴とする、請求項20に記載の磁気記録媒体の作製方法。
- 前記軟磁性下地層と前記記録磁性層との間に、配向制御用シード層を形成する工程を具えることを特徴とする、請求項18〜21のいずれか一に記載の磁気記録媒体の作製方法。
- 前記配向制御用シード層の厚さを5nm以下にすることを特徴とする、請求項22に記載の磁気記録媒体の作製方法。
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US7611783B2 (en) | 2005-03-31 | 2009-11-03 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium and magnetic recording device |
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