JP2005044107A - 磁気カード処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気カードに異常情報を確実に書き込んで、不正に入手されたカードであるか否かの判断を可能にする磁気カード処理装置を提供する。
【解決手段】モータを駆動することによって搬送される磁気カード2から情報を読み取る本体内部1aの第1磁気ヘッド7とは別に、磁気カード2に情報を書き込む第2磁気ヘッド8を挿入口3に設ける。磁気カード2が挿入口3から挿入された後に、磁気カード処理装置10で、モータ駆動時の磁気カード2の搬送異常や、シャッタ4の開閉動作異常や、モータ停止時の磁気カード2の移動検知のような異常が発生した場合に、それらの異常を検出し、磁気カード2が挿入口3から排出されるときに、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に書き込む。
【選択図】 図1
【解決手段】モータを駆動することによって搬送される磁気カード2から情報を読み取る本体内部1aの第1磁気ヘッド7とは別に、磁気カード2に情報を書き込む第2磁気ヘッド8を挿入口3に設ける。磁気カード2が挿入口3から挿入された後に、磁気カード処理装置10で、モータ駆動時の磁気カード2の搬送異常や、シャッタ4の開閉動作異常や、モータ停止時の磁気カード2の移動検知のような異常が発生した場合に、それらの異常を検出し、磁気カード2が挿入口3から排出されるときに、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に書き込む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カード処理装置に関し、特に、磁気カードの挿入後に異常が発生した場合に、磁気カードに異常情報を書き込むものに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報を磁気記録した磁気カードを処理する磁気カード処理装置には、磁気カードから磁気情報を読み取るものがある。その磁気カード処理装置は、利用者によって磁気カードが挿入口から挿入されると、磁気カードを本体内部に取り込んで当該カードから磁気情報を読み取る。そして、磁気カード処理装置は、読み取った磁気情報を上位装置に送信し、上位装置との通信が完了すると、本体内部にある磁気カードを挿入口から排出して利用者に返却し、磁気カードに対する処理を終了する。
【0003】
上記のような処理中に磁気カード処理装置では、各部の故障や悪意を持った第三者の細工等により異常が発生して、磁気カードが装置の本体内部に取り込まれたままになることがある。このようになった場合、例えば、異常の発生を上位装置の管理者に知らせるために利用者がその場から離れたすきに、第三者によって磁気カードが本体内部から取り出されて盗まれてしまい、悪用されるおそれがある。そのため、上記のように不正に入手された磁気カードの悪用を防止する対策が従来から行われている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、磁気カード処理装置で異常が検出されると、磁気カードが抜き取られるときに、挿入口の近傍に設けた消去ヘッドを作動させて、磁気カードに記録されている情報を消去することが記載されている。このように磁気カードの情報を消去すると、不正に入手された磁気カードが使用されても、それを悪用できなくなる。なお、下記の特許文献2には、磁気カードまたはICカードを挿入した後のカードの差し替えによる不正を防止するために、搬送手段がカードの搬送を行っていないにもかかわらずカードの位置がずれたときに、カードに異常状態となったことを印す情報を書き込むことが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−326017号公報
【特許文献2】
特公平7−9830号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1のように磁気カードの情報を消去すると、不正に入手された磁気カードがその後磁気カード処理装置に挿入された場合に、磁気カード処理装置はその磁気カードを情報未記録のカードとして返却するだけで、それが不正に入手されたカードであるか否かを判断することはできない。このため、不正に入手された後使用された磁気カードに対して、例えば強制的に使用を禁止したり、使用履歴を残して所定の部署に通報するというような適切な対処が行えない。
【0007】
上記に対して、特許文献2では、カードに異常情報を正しく書き込むことができれば、不正に入手されたカードがその後カード処理装置に挿入された場合に、異常情報を読み取ることでそれが不正に入手されたカードであるか否かを判断することができると推定されるが、特許文献2には、異常情報の書き込みを行うための具体的な構成が記載されていない。このため、カードの位置がずれたときにカードに異常情報を書き込もうとしても、カードがカード処理装置内から素早く抜き取られてしまえば、実際にはカードに異常情報を正しく書き込むことができない。例えば、カードがICカードである場合には、ICカードが抜き取られるときにカードのIC接点とカード処理装置のIC接触子とがずれて接触しなくなり、またカードが磁気カードである場合には、磁気カードが抜き取られるときにカードの磁気記録部とカード処理装置の磁気ヘッドとがずれて接触しなくなるので、カードに異常情報を正しく書き込むことができない。さらに上記に加え、特許文献2では、カード挿入後のカードの位置ずれ以外の異常(例えば、カードを取り込んだり返却したりする際の搬送手段によるカード搬送時の異常等)が発生して、カードが装置内に取り込まれたままになった場合の対策については、何ら記載されていない。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その課題とするところは、磁気カードに異常情報を確実に書き込んで、不正に入手されたカードであるか否かの判断を可能にする磁気カード処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、挿入口から挿入された磁気カードを搬送手段によって搬送しながら、本体内部に設けた第1の磁気ヘッドによって磁気カードから磁気情報を読み取る磁気カード処理装置において、磁気カードに磁気情報を書き込む第2の磁気ヘッドを挿入口に設けるとともに、磁気カードが挿入口から挿入された後に装置で発生する異常を検出する異常検出手段と、異常検出手段によって異常が検出されたことに基づいて磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込む異常書込制御手段とを設ける。なお、「磁気カードが挿入口から排出されるとき」とは、磁気カードが搬送手段によって搬送されて挿入口から排出されるときと、磁気カードが人手によって引っ張られて挿入口から排出されるときの両方を含む。また、「異常情報」とは、例えば、異常を検出した日時、場所、異常の内容、および異常検出時の磁気カードに対する処理等に関する情報のことである。
【0010】
上記のように、挿入口に第2の磁気ヘッドを設け、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込むと、磁気カードが挿入口から完全に排出されるまで、つまり磁気カードが磁気カード処理装置から抜き取られるまで磁気カードと第2の磁気ヘッドとの接触状態が確保されるので、装置で異常が発生した場合にその異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。この結果、後にその磁気カードが使用されても、当該カードの異常情報を読み取ることによって、それが不正に入手されたカードであるか否かの判断を行うことが可能になる。
【0011】
また、本発明においては、磁気カードを本体内部の所定の位置に搬送するために搬送手段の駆動を制御する搬送制御手段と、磁気カードが所定の位置に搬送されたことを検知する搬送検知手段とを設け、異常検出手段は、搬送制御手段が磁気カードを所定の位置に搬送するように搬送手段の駆動を制御しているにもかかわらず、搬送検知手段が所定の位置に磁気カードが搬送されたことを検知しない場合に、異常を検出する。このようにすると、例えば搬送手段が壊されたり、磁気カードの搬送を妨害するような細工が施されたりすることにより、磁気カードの搬送時に磁気カードが所定の位置に搬送されないという異常が発生しても、この異常を検出して、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。
【0012】
また、本発明においては、磁気カードが本体内部で移動したことを検知する移動検知手段を設け、異常検出手段は、搬送手段が磁気カードを搬送していないにもかかわらず、移動検知手段が磁気カードの移動を検知した場合に、異常を検出する。このようにすると、例えば特殊な治具によって磁気カードが引っ張られたり本体内部から引き抜かれたりすることにより、磁気カードの搬送停止時に磁気カードが移動するという異常が発生しても、この異常を検出して、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。
【0013】
また、本発明においては、磁気カードの挿入口から本体内部への挿入または本体内部から挿入口への排出を規制するために開閉するシャッタと、シャッタの開閉を制御する開閉制御手段と、シャッタの開閉を検知する開閉検知手段とを設け、異常検出手段は、開閉制御手段がシャッタを開くように制御しているにもかかわらず、開閉検知手段がシャッタの閉まりを検知した場合、または開閉制御手段がシャッタを閉じるように制御しているにもかかわらず、開閉検知手段がシャッタの開きを検知した場合に、異常を検出する。このようにすると、例えばシャッタの開閉を妨害するような細工が施されることにより、開状態のシャッタを閉じる時にシャッタが閉じないという異常が発生したり、閉状態のシャッタを開く時にシャッタが開かないという異常が発生したり、閉状態を維持している時にシャッタが無理やり開けられるという異常が発生したりしても、これらの異常を検出して、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。
【0014】
また、本発明においては、磁気カードの移動速度を検出する速度検出手段を設け、異常書込制御手段は、速度検出手段によって検出される磁気カードの移動速度に応じた周期で、第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込む。磁気カードが搬送手段によって搬送されて挿入口から排出される場合は、磁気カードの移動速度が所定速度になり、第2の磁気ヘッドによって安定して磁気カードに異常情報を書き込めるが、磁気カードが人手によって引っ張られて挿入口から排出される場合は、磁気カードの移動速度が所定速度にならず、第2の磁気ヘッドによって安定して磁気カードに異常情報を書き込めないおそれがある。然るに、本発明のようにすると、磁気カードが人手によって速く引っ張られたときは、磁気カードの移動速度に応じた速い周期で、また磁気カードが人手によって遅く(ゆっくりと)引っ張られたときは、磁気カードの移動速度に応じた遅い周期で第2の磁気ヘッドによって安定して磁気カードに異常情報を確実に書き込むことができる。
【0015】
また、本発明においては、異常書込制御手段は、第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を繰り返し書き込む。このようにすると、磁気カードに異常情報を一層確実に書き込むことができる。
【0016】
さらに、本発明においては、異常検出手段は、異常を検出した後にさらに装置で発生する異常を検出し、異常情報には、異常検出手段が検出した全ての異常の内容が含まれる。このようにすると、異常情報が書き込まれた磁気カードが後に使用されたときに、当該カードの異常情報を読み取ることによって、それがどのようにして不正に入手されたかということを詳細に判断することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る磁気カード処理装置の概略構造を示す図である。図1において、10は磁気カード処理装置であって、例えば自動現金取引処理装置のような上位装置30(図3に図示)に搭載されて接続されている。1は磁気カード処理装置10の本体、1aは本体1の内部空間(以下、本体内部と記す)である。2は磁気カードであって、磁気記録部としての磁気ストライプ(図示省略)に所定の情報が磁気記録されている。2aは磁気カード2の先端部、2bは後端部である。3は磁気カード2が挿入される挿入口である。この挿入口3は、正面から見ると、図2に示すように上位装置30の前面フレーム31に設けられた開口部31aと連通している。SWは挿入口3に配置されたマイクロスイッチであって、挿入口3で磁気カード2を検知する。このスイッチSWは、磁気カード2を検知していないときはOFF状態であるが、磁気カード2を検知するとON状態になる。
【0018】
図1の4はソレノイド17(図3に図示)によって上下方向U、Dに開閉するシャッタであって、磁気カード2の挿入口3から本体内部1aへの挿入または本体内部1aから挿入口3への排出を規制する。図1では、シャッタ4が開いた状態を実線で示し、シャッタ4が閉じた状態を破線で示している。5はシャッタ4の開閉を検知するシャッタセンサであって、シャッタ4の下端部に設けられた磁石5aと、この磁石5aと対向するように挿入口3に設けられたホール素子5bとから構成される。シャッタ4が破線で示すように閉じると、シャッタ4の下端部の磁石5aが所定間隔でホール素子5bに近づくので、ホール素子5bがこれを検知して所定値の電圧を制御部9(図3に図示)へ出力する。また、シャッタ4が実線で示すように開くと、磁石5aが所定間隔でホール素子5bから離れるので、ホール素子5bがこれを検知して上記の磁石5aの接近時とは異なる所定値の電圧を制御部9に出力する。
【0019】
6はモータ15(図3に図示)によって回転する上下1対のローラであって、モータ15が正転駆動すると磁気カード2を往路方向Fへ搬送し、モータ15が逆転駆動すると磁気カード2を復路方向Bへ搬送する。7は磁気カード2と接するように本体内部1aに配置された第1磁気ヘッドである。この第1磁気ヘッド7は、磁気カード2がF方向に搬送されるときに、磁気カード2から磁気情報を読み取る。詳しくは、第1磁気ヘッド7は、内蔵するコアとコイルによって磁気カード2の磁気ストライプの磁力の変化を検出してそれを電圧の変化に変え、その電圧の変化を内蔵するアンプによって増幅して制御部9へ出力する。8は磁気カード2と接するように挿入口3に配置された第2磁気ヘッドである。第2磁気ヘッド8は、磁気カード2が挿入口3から挿入されるときに、磁気カード2の磁力の変化を検出して制御部9に出力する。また、第2磁気ヘッド8は、磁気カード2が挿入口3からB方向に排出されるときに、制御部9に制御されて磁気カード2に情報の書き込みを行う。詳しくは、第2磁気ヘッド8は、内蔵するコアとコイルによって磁気カード2の磁気ストライプを所定の間隔で磁化反転させて、情報を磁気記録する。
【0020】
11〜13は磁気カード2が本体内部1aの所定の位置に搬送されたことを検知するセンサであって、フォトマイクロセンサから構成される。これらのセンサ11〜13は磁気カード2を検知していないときはOFF状態であるが、磁気カード2を検知するとON状態になる。第1センサ11は、挿入口3から挿入された磁気カード2がF方向に搬送されて取り込まれて行くときに、磁気カード2を検知してON状態になり、この後磁気カード2の後端部2bが取込完了位置P1を通り過ぎると、磁気カード2を検知しなくなってOFF状態となる。また、第1センサ11は、本体内部1aに取り込まれた磁気カード2がB方向に搬送されて挿入口3から返却されて行くときに、磁気カード2を検知してON状態になり、この後磁気カード2の先端部2aが返却完了位置(取込完了位置と同位置)P1を通り過ぎると、磁気カード2を検知しなくなってOFF状態となる。第2センサ12は、磁気カード2がF方向に搬送されて行くときに、磁気カード2の先端部2aが読取開始位置P2に到達すると、これを検知してON状態となる。第3センサ13は、磁気カード2がF方向に搬送されて行くときに、磁気カード2の先端部2aが読取完了位置P3に到達すると、これを検知してON状態となる。
【0021】
以上において、挿入口3は、本発明における挿入口の一実施形態を構成する。シャッタ4は、本発明におけるシャッタの一実施形態を構成し、シャッタセンサ5は、本発明における開閉検知手段の一実施形態を構成する。第1磁気ヘッド7は、本発明における第1の磁気ヘッドの一実施形態を構成し、第2磁気ヘッド8は、本発明における第2の磁気ヘッドの一実施形態を構成する。第1〜第3センサ11〜13は、本発明における搬送検知手段の一実施形態を構成する。
【0022】
図3は、磁気カード処理装置10の電気的構成を示すブロック図である。図3において、9は磁気カード処理装置10の各部を制御する制御部であって、CPU、ROM、RAM、および後記の制御回路等からなる。なお、ROMにはCPUの動作プログラム等が記憶されていて、RAMにはCPUが各部を制御する制御データが読み書き可能に記憶される。制御部9は、磁気カード2が挿入口3(図1)から挿入された後に、後述するように磁気カード処理装置10で発生する異常を検出する。そして、制御部9は、異常を検出したことにより、磁気カード2が挿入口3から排出されるときに、前述の第2磁気ヘッド8を制御して磁気カード2に異常情報を書き込む。なお、磁気カード2が挿入口3から排出されるときとは、磁気カード2がモータ15によって搬送されて挿入口3から排出されるときと、磁気カード2が人手によって引っ張られて挿入口3から排出されるときの両方を含む。また、異常情報とは、例えば、磁気カード処理装置10の異常を検出した日時、場所(上位装置30の設置場所)、異常の内容、および異常検出時の磁気カード2に対する処理等に関する情報のことである。
【0023】
14は時間を計測するタイマ、15は前述のローラ6を回転させるモータ、16はモータ15の回転数を検出して信号を出力するエンコーダである。制御部9は、エンコーダ16からの信号に基づいてモータ15の回転数や回転方向を制御するモータ用制御回路を備えていて、この制御回路によってモータ15を正転駆動または逆転駆動し、前述のローラ6を回転させて磁気カード2を本体内部1aの所定の位置P1〜P3に所定速度で搬送する。なお、モータ15が駆動を停止している際に、本体内部1aにある磁気カード2が人手によって引っ張られる等して移動する異常発生時には、磁気カード2の移動にともなってローラ6およびモータ15が回転するため、エンコーダ16が磁気カード2の移動を検知してモータ15の回転数、すなわちこのときの磁気カード2の移動速度を検出して信号を出力する。
【0024】
17は前述のシャッタ4(図1)を開閉させるソレノイド、5はシャッタ4の開閉を検知するシャッタセンサであって、前述したように磁石5a(図1)とホール素子5b(図1)とから構成される。制御部9は、ソレノイド17の駆動を制御するソレノイド用制御回路を備えていて、この制御回路によってソレノイド17を駆動し、シャッタ4を開いたり閉じたりする。シャッタ4が開いているときと閉じているときとでは、前述したようにシャッタセンサ5のホール素子5bが出力する電圧値が異なるので、制御部9は、そのホール素子5bが出力する電圧値によって、シャッタ4が閉じているか開いているかを判断する。
【0025】
7は前述の第1磁気ヘッド、8は前述の第2磁気ヘッドである。制御部9は、各磁気ヘッド7、8をそれぞれ制御する磁気ヘッド用制御回路を備えていて、磁気カード2から情報を読み取る際に、第1磁気ヘッド7または第2磁気ヘッド8が検知した磁気カード2の磁力の変化を、上記制御回路によって変換して情報を生成する。なお、制御部9は、第1磁気ヘッド7により磁気カード2から読み取った情報を上位装置30に送信し、第2磁気ヘッド8により磁気カード2から読み取った情報に基づいて磁気カード2が挿入口3に挿入されたことを判断する。また、制御部9は、第2磁気ヘッド8により磁気カード2に異常情報を書き込む際に、上記制御回路によって第2磁気ヘッド8に流す電流を書き込む情報に基づいて制御する。
【0026】
11〜13は前述のセンサである。制御部9は、各センサ11〜13の状態を検出する検出回路を備えていて、この検出回路によって各センサ11〜13のON状態またはOFF状態を検出することにより、本体内部1aにおける磁気カード2の位置を判断する。なお、前述したモータ15が駆動を停止している際に、本体内部1aの磁気カード2が移動する異常発生時には、センサ11〜13が磁気カード2の移動を検知してセンサ出力が変化することがある。SWは前述のスイッチである。制御部9は、このスイッチSWの状態も上記検出回路によって検出し、後述するように挿入口3に返却した磁気カード2が挿入口3から抜き取られたことを判断する。18は上位装置30と相互に通信を行うための通信部である。制御部9は、この通信部18によって磁気カード2から読み取った情報を上位装置30に送信する。
【0027】
以上の構成において、制御部9は、本発明における異常検出手段と、異常書込制御手段と、搬送制御手段と、開閉制御手段の一実施形態をそれぞれ構成する。モータ15は前述のローラ6とともに、本発明における搬送手段の一実施形態を構成する。エンコーダ16と第1〜第3センサ11〜13は、本発明における移動検知手段の一実施形態をそれぞれ構成する。また、エンコーダ16は、本発明における速度検出手段の一実施形態を構成する。
【0028】
図6〜図13は、上記制御部9(詳しくは、制御部9に備わるCPU)が実行する処理を示すフローチャートである。図6は、磁気カード処理装置10の基本的な動作手順を示し、図7〜図12は、磁気カード処理装置10で発生する異常を検出するための異常検出処理の手順をそれぞれ示し、図13は、磁気カード2に異常情報を書き込むための異常情報書込処理の手順を示している。なお、制御部9は、図6の処理を実行中にこれとは独立して、図7〜図12の各処理をそれぞれ実行し、図7〜図12のいずれかの処理で異常を検出すると、図6の処理を中止して、図13の処理を実行する。
【0029】
最初に、図6に示す磁気カード処理装置10の基本的な動作手順を説明する。なお、説明にあたり、磁気カード処理装置10の基本的な動作状態を示す図4および図5を適宜参照する。図4(a)に示すように、利用者によって磁気カード2が挿入口3からF方向に挿入されると、第2磁気ヘッド8が磁気カード2の磁力の変化を検出して出力するので、制御部9は、第2磁気ヘッド8が磁気カード2の挿入口3への挿入を検知したと判断し(図6のステップS1:YES)、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を開く(ステップS2)。シャッタ4を開くと、制御部9は、挿入された磁気カード2を本体内部1aに取り込むとともに、磁気カード2から情報を読み取るために、モータ15の正転駆動を開始して(ステップS3)、磁気カード2をF方向に搬送して行く。
【0030】
そして、搬送される磁気カード2の先端部2aが、図4(b)に示すようにP2位置に到達すると、第2センサ12がこれを検知してON状態となるので(図6のステップS4:YES)、制御部9は、磁気カード2のP2位置への搬送が完了したと判断して、第1磁気ヘッド7による磁気カード2からの情報の読み取りを開始する(ステップS5)。なお、磁気カード2から読み取った情報は、制御部9のRAMに随時記憶される。読み取りを開始した直後に、磁気カード2の後端部2bが、図4(c)に示すようにP1位置を通り過ぎ、第1センサ11が磁気カード2を検知しなくなってON状態からOFF状態に切り替わるので(図6のステップS6:YES)、制御部9は、磁気カード2が本体内部1aに完全に入ったと判断して、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じる(ステップS7)。シャッタ4を閉じた後、磁気カード2の先端部2aが、図4(d)に示すようにP3位置に到達すると、第3センサ13がこれを検知してON状態となるので(図6のステップS8:YES)、制御部9は、磁気カード2のP3位置への搬送が完了したと判断して、第1磁気ヘッド7による磁気カード2からの情報の読み取りを停止する(ステップS9)。続いて、制御部9は、モータ15の駆動を停止して(ステップS10)、磁気カード2の搬送を停止する。
【0031】
モータ15の駆動を停止すると、制御部9は、通信部18によって上位装置30との通信を開始し、第1磁気ヘッド7により磁気カード2から読み取った情報をRAMから読み出して上位装置30に送信する(ステップS11)。そして、送信した情報に基づく処理が上位装置30で行われて、その処理の終了を知らせる通知を上位装置30から受信すると、制御部9は、通信部18による上位装置30との通信を完了する(ステップS12)。この後、制御部9は、図4(d)に示すP3位置にある磁気カード2を挿入口3から排出して利用者に返却するために、ソレノイド17を駆動して、図5(e)に示すようにシャッタ4を開く(図6のステップS13)。シャッタ4を開くと、制御部9は、モータ15の逆転駆動を開始して(図6のステップS14)、磁気カード2を、図5(f)に示すようにB方向に搬送して行く。
【0032】
そして、搬送される磁気カード2の先端部2aが、図5(g)に示すようにP1位置を通り過ぎると、第1センサ11が磁気カード2を検知しなくなってON状態からOFF状態に切り替わるので(図6のステップS15:YES)、制御部9は、磁気カード2のP1位置への搬送が完了したと判断し、所定時間経過後にモータ15の駆動を停止して(ステップS16)、磁気カード2の搬送を停止する。このとき、磁気カード2は、所定時間経過後にモータ15の駆動を停止したことにより、後端部2bが挿入口3から突出するとともに、先端部2aが例えば図5(g)の最もB方向側にあるローラ6と接しなくなる位置に停止した状態となる。また、挿入口3に設けたスイッチSW(図2)は、磁気カード2を検知してON状態となる。この後、利用者によって磁気カード2が、図5(h)に示すように挿入口3から抜き取られると、スイッチSWがOFF状態になるので(ステップS17:YES)、制御部9は、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じ(ステップS18)、処理を終了する。
【0033】
次に、上述した図6の処理の実行中に、それぞれ実行される図7〜図12の異常検出処理を順番に説明する。図7の異常検出処理は、磁気カード2を本体内部1aに取り込んで情報を読み取る際や、磁気カード2を挿入口3から排出して返却する際の、磁気カード2のF方向またはB方向への搬送時に実行される。図6のステップS3またはステップS14で、磁気カード2を搬送するためにモータ15の駆動を開始すると(図7のステップS21)、制御部9は、タイマ14(図3)を起動して(ステップS22)、時間の計測を開始する。そして、制御部9は、第1〜第3センサ11〜13のONまたはOFF状態を検出して、磁気カード2の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS23)。具体的には、磁気カード2の取り込みの際は、第3センサ13の状態に基づいて磁気カード2がP3位置に搬送されたか否かを判定し、このとき、第3センサ13がON状態であれば、P3位置に搬送されたと判断し、第3センサ13がOFF状態であれば、P3位置に搬送されていないと判断する。また、磁気カード2の返却の際は、第1センサ11の状態に基づいて磁気カード2がP1位置を通り過ぎたか否かを判定し、このとき、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わっていれば、P1位置を通り過ぎたと判断し、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わっていなければ、P1位置を通り過ぎていないと判断する。
【0034】
上記のようにしてステップS23で判定を行った結果、磁気カード2の搬送が完了していなければ(ステップS23:NO)、制御部9は、タイマ14を参照して所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS24)。ここで、所定時間が経過していなければ(ステップS24:NO)、制御部9は、再び磁気カード2の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS23)。そして、ステップS23で、磁気カード2の搬送が完了すると(ステップS23:YES)、制御部9は、タイマ14を停止して(ステップS26)、処理を終了する。一方、モータ15やローラ6が壊されたり、磁気カード2の搬送を妨害するような細工が施される等の原因により、ステップS23で、磁気カード2の搬送が完了しないまま(ステップS23:NO)、ステップS24で所定時間が経過すると(ステップS24:YES)、制御部9は、モータ15を駆動するように制御しているにもかかわらず所定時間内に磁気カード2の搬送が完了しなかったという異常を検出する(ステップS25)。そして、制御部9は、タイマ14を停止して(ステップS26)、処理を終了する。
【0035】
図8の異常検出処理も、図7の処理のように、磁気カード2のF方向またはB方向への搬送時に実行される。図6のステップS3またはステップS14で、磁気カード2を搬送するためにモータ15の駆動を開始すると(図8のステップS31)、制御部9は、エンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS32)。このとき、エンコーダ16から信号の出力があれば(ステップS32:YES)、図7のステップS23で説明したのと同様にして、第1〜第3センサ11〜13のON/OFF状態を検出し、磁気カード2の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、磁気カード2の搬送が完了していなければ(ステップS33:NO)、制御部9は、再びエンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS32)。そして、ステップS32で、エンコーダ16から信号の出力があって(ステップS32:YES)、ステップS33で、磁気カード2の搬送が完了すると(ステップS33:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、モータ15が壊れて回転しない等の原因により、ステップS32で、エンコーダ16から信号の出力がなければ(ステップS32:NO)、制御部9は、モータ15を駆動するように制御しているにもかかわらずエンコーダ16から信号の出力がなかったという異常を検出して(ステップS34)、処理を終了する。
【0036】
図9の異常検出処理は、磁気カード2を取り込んだり返却したりする際の、磁気カード2が本体内部1aにある状態でのシャッタ4の開閉動作時に実行される。図6のステップS7で、磁気カード2の本体内部1aからの取り出しを規制するためにシャッタ4を閉じるようにソレノイド17の駆動制御を開始する、または図6のステップS13で、磁気カード2を挿入口3から返却するためにシャッタ4を開くようにソレノイド17の駆動制御を開始すると(図9のステップS41)、制御部9は、所定時間経過後にシャッタセンサ5の出力電圧値に基づいて、制御どおりにシャッタセンサ5がシャッタ4の閉まりまたは開きを検知したか否かを判定する(ステップS42)。ここで、制御どおりにシャッタセンサ5がシャッタ4の閉まりまたは開きを検知していれば(ステップS42:YES)、制御部9は、シャッタ4が正常に動作したと判断して、処理を終了する。一方、シャッタの開閉動作を妨害するような細工が施される等の原因により、ステップS42で、制御どおりにシャッタセンサ5がシャッタ4の閉まりまたは開きを検知していなければ(ステップS42:NO)、制御部9は、シャッタ4を閉じるように制御しているにもかかわらずシャッタ4が正常に閉じなかったという異常、またはシャッタ4を開くように制御しているにもかかわらずシャッタ4が正常に開かなかったという異常を検出して(ステップS43)、処理を終了する。
【0037】
図10の異常検出処理は、磁気カード2を本体内部1aに取り込んでシャッタ4を閉じてから、磁気カード2を排出するためにシャッタ4を開くまでのシャッタ4の閉状態維持時に実行される。図6のステップS7でシャッタ4を閉じるように制御した後、シャッタセンサ5によってシャッタ4の閉まりを検知すると、制御部9は、シャッタ4の閉状態を維持するようにソレノイド17の駆動を制御する(図10のステップS51)。そしてその状態で、制御部9は、シャッタセンサ5の出力電圧値に基づいてシャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知したか否かを判定する(ステップS52)。ここで、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知していなければ(ステップS52:NO)、制御部9は、このときがシャッタ4を開くようにソレノイド17の駆動制御を開始するタイミングか否か、つまり図6のステップS13で磁気カード2を返却するためにシャッタ4を開くタイミングか否かを判定する(ステップS53)。このときがシャッタ4を開くタイミングでなければ(ステップS53:NO)、制御部9は、再びシャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知したか否かを判定する(ステップS52)。そして、ステップS52で、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知しないまま(ステップS52:NO)、ステップS53で、シャッタ4を開くタイミングになると(ステップS53:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、シャッタ4が無理やり開けられる等の原因により、ステップS52で、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知すると(ステップS52:YES)、制御部9は、シャッタ4の閉状態を維持するように制御しているにもかかわらずシャッタ4が開いたという異常を検出して(ステップS54)、処理を終了する。
【0038】
図11の異常検出処理は、磁気カード2を本体内部1aに取り込んでモータ15の駆動を停止してから、モータ15の逆転駆動を開始するまでの磁気カード2の搬送停止時に実行される。図6のステップS10で、モータ15の駆動を停止すると(図11のステップS61)、制御部9は、エンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS62)。ここで、エンコーダ16から信号の出力がなければ(ステップS62:NO)、制御部9は、このときがモータ15の駆動を開始するタイミングか否か、つまり図6のステップS14で磁気カード2を返却するためにモータ15の逆転駆動を開始するタイミングか否かを判定する(ステップS63)。このとき、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングでなければ(ステップS63:NO)、制御部9は、再びエンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS62)。そして、ステップS62で、エンコーダ16から信号の出力がないまま(ステップS62:NO)、ステップS63で、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングになると(ステップS63:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、特殊な治具によって磁気カード2が挿入口3の方へ引っ張られたり、磁気カード2が本体内部1aから引き抜かれる等の原因により、ステップS62で、エンコーダ16から信号の出力があると(ステップS62:YES)、制御部9は、モータ15によって磁気カード2を搬送していないにもかかわらず磁気カード2が移動したという異常を検出して(ステップS64)、処理を終了する。
【0039】
図12の異常検出処理も、図11の処理のように磁気カード2の搬送停止時に実行される。図6のステップS10で、モータ15の駆動を停止すると(図12のステップS71)、制御部9は、第1〜第3センサ11〜13のいずれかからONとOFFの切り替わり信号の出力があるか否かを判定する(ステップS72)。ここで、第1〜第3センサ11〜13のいずれからも切り替わり信号の出力がなければ(ステップS72:NO)、制御部9は、このときがモータ15の駆動を開始するタイミングか否か、つまり図6のステップS14で磁気カード2を返却するためにモータ15の逆転駆動を開始するタイミングか否かを判定する(ステップS73)。このとき、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングでなければ(ステップS73:NO)、制御部9は、再び第1〜第3センサ11〜13のいずれかから切り替わり信号の出力があるか否かを判定する(ステップS72)。そして、ステップS72で、第1〜第3センサ11〜13のいずれからも切り替わり信号の出力がないまま(ステップS72:NO)、ステップS73で、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングになると(ステップS73:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、特殊な治具によって磁気カード2が引っ張られたり、本体内部1aから引き抜かれる等の原因により、ステップS72で、第1〜第3センサ11〜13のいずれかから切り替わり信号の出力があると(ステップS72:YES)、制御部9は、モータ15によって磁気カード2を搬送していないにもかかわらず磁気カード2が移動したという異常を検出して(ステップS74)、処理を終了する。なお、搬送停止時に磁気カード2が移動したという異常は、図12の処理よりも先に図11の処理の方で検出されるが、エンコーダ16が壊れていて信号を出力不可能な状態にある場合には、図11の処理では検出されずに図12の処理で検出される。
【0040】
上述した図7〜図12の処理のいずれかにおいて異常を検出すると、制御部9は、図6の処理を中止して、図13の異常情報書込処理を開始する。なお、図6の処理を中止する際にモータ15が駆動中であれば、制御部9は、強制的にモータ15の駆動を停止する。これにより、図7と図8の処理が中止され、図11と図12の処理が開始される。また、図10の処理については、継続して実行され、図9の処理については、実行中であれば継続して実行される。
【0041】
図13において、制御部9は異常を検出すると(ステップS81)、モータ15によって磁気カード2を搬送可能か否かを判断する(ステップS82)。図9〜図12の処理のいずれかにおいて異常を検出していれば、制御部9は、モータ15によって磁気カード2を搬送可能と判断して(ステップS82:YES)、ステップ83へ移行し、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を開く。なお、図9または図10の処理で異常を検出した場合は、このとき既に人手によってシャッタ4が開いていることがある。また、シャッタ4を開いたことにより、図9の処理が前述したようにステップS41から開始される。その後、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知したことを確認すると、制御部9は、磁気カード2を挿入口3から排出するためにモータ15の逆転駆動を開始して(ステップS84)、磁気カード2をB方向に搬送して行く。続いて、制御部9は、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の書き込みを開始する(ステップS85)。
【0042】
このとき書き込む異常情報は、異常を検出した日時、場所、検出した全ての異常の内容、および異常検出時の磁気カード2に対する処理である。なお、異常の内容は、例えば所定時間内のカード搬送エラー、モータ駆動時のエンコーダ無信号状態、シャッタ開閉動作エラー、シャッタ閉状態維持時の開き検知、およびモータ停止時のカードの移動検知等である。また、2つ以上の異常を検出した場合は、検出した全ての異常の内容が異常情報に含まれる。具体的には、例えば図10の処理で閉状態のシャッタ4が無理やり開かれた後に、図12の処理で磁気カード2が本体内部1aから引き抜かれた場合は、シャッタ閉状態維持時の開き検知と、モータ停止時のカードの移動検知とが異常の内容として含まれ、また、図7の処理で磁気カード2が所定の位置P1〜P3に搬送されなかった後に、図11の処理で磁気カード2が本体内部1aから引き抜かれた場合は、所定時間内のカード搬送エラーと、モータ停止時のカードの移動検知とが異常の内容として含まれる。また、異常検出時の磁気カード2に対する処理は、例えば、取り込み、情報読み取り、搬送停止、および返却等である。
【0043】
磁気カード2への異常情報の書き込みを開始した後、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わると(ステップS86:YES)、制御部9は、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の書き込みを停止する(ステップS87)。そして、制御部9は、所定時間経過後にモータ15の駆動を停止して(ステップS88)、磁気カード2の搬送を停止し、続けて、磁気カード2が挿入口3から抜き取られているか否かにかかわらず、所定時間経過後にソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じ(ステップS89)、処理を終了する。
【0044】
一方、図7または図8の処理において異常を検出していれば、制御部9は、ステップS82で、モータ15によって磁気カード2を搬送不可能と判断して(ステップS82:NO)、ステップ90へ移行し、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を開く。なお、図7または図8の処理において異常を検出した後に図9または図10の処理で異常を検出した場合は、このとき既に人手によってシャッタ4が開いていることがある。この後、磁気カード2の排出のために、本体内部1aの磁気カード2が人手によってB方向に引っ張られると、エンコーダ16からの出力信号によって磁気カード2の移動速度が検出されるので(ステップS91)、制御部9は、その移動速度に応じた周期で第2磁気ヘッド8に流す電流を制御し、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の繰り返し書き込みを開始する(ステップS92)。具体的には、磁気カード2が人手によって速く引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた速い周期で第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に異常情報を書き込み、磁気カード2が人手によって遅く(ゆっくりと)引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた遅い周期で第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に異常情報を書き込む。また、このとき書き込む異常情報は、情報量の多さよりも書き込みの正確さや精度を考慮して、異常の発生した磁気カード2であることがわかる日時と場所だけになり、第2磁気ヘッド8によって磁気カード2の磁気ストライプに何度も繰り返し書き込まれる。
【0045】
磁気カード2への異常情報の書き込みを開始した後、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わると(ステップS93:YES)、制御部9は、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の繰り返し書き込みを停止する(ステップS94)。そして、制御部9は、磁気カード2が挿入口3から抜き取られているか否かにかかわらず、所定時間経過後にソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じ(ステップS95)、処理を終了する。
【0046】
以上のように、挿入口3に第2磁気ヘッド8を設け、磁気カード2が挿入口3から排出されるときに第2磁気ヘッド8で磁気カード2に異常情報を書き込むと、磁気カード2が挿入口3から完全に排出されるまで、つまり磁気カード2が磁気カード処理装置10から抜き取られるまで磁気カード2と第2磁気ヘッド8との接触状態が確保されるので、装置10で異常が発生した場合にその異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。この結果、後にその磁気カード2が使用されても、当該カード2の異常情報を読み取ることによって、それが不正に入手されたカードであるか否かの判断を行うことが可能になる。またさらに、不正に入手された磁気カード2に対して、例えば強制的に使用を禁止したり、使用履歴を残して所定の部署に通報するというような適切な対処を行うことが可能となる。
【0047】
また、図7および図8の異常検出処理を実行することで、例えばモータ15やローラ6が壊されたり、磁気カード2の搬送を妨害するような細工が施されたりすることにより、磁気カード2の搬送時に磁気カード2が所定の位置P1〜P3に搬送されないという異常が発生しても、この異常を検出して、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。また、図9および図10の異常検出処理を実行することで、例えばシャッタ4の開閉を妨害するような細工が施されることにより、開状態のシャッタ4を閉じる時にシャッタ4が閉じないという異常が発生したり、閉状態のシャッタ4を開く時にシャッタ4が開かないという異常が発生したり、閉状態を維持している時にシャッタ4が無理やり開けられるという異常が発生したりしても、これらの異常を検出して、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。さらに、図11および図12の異常検出処理を実行することで、例えば特殊な治具によって磁気カード2が引っ張られたり、本体内部1aから引き抜かれたりすることにより、磁気カード2の搬送停止時に磁気カード2が移動するという異常が発生しても、この異常を検出して、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。
【0048】
また、図7〜図12の処理のいずれかで異常を検出した後に、さらに図9〜図12の処理を実行して異常を検出し、検出した全ての異常の内容を異常情報に含めて第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に書き込むことで、異常情報が書き込まれた磁気カード2が後に使用されたときに、当該カード2の異常情報を読み取ることによって、それがどのようにして不正に入手されたかということを詳細に判断することが可能になる。
【0049】
また、磁気カード2がモータ15によって搬送されて挿入口3から排出される場合は、磁気カード2の移動速度が所定速度になり、第2磁気ヘッド8によって安定して磁気カード2に異常情報を書き込めるが、磁気カード2が人手によって引っ張られて挿入口3から排出される場合は、磁気カード2の移動速度が所定速度にならず、第2磁気ヘッド8によって安定して磁気カード2に異常情報を書き込めないおそれがある。然るに、上述したように、エンコーダ16で検出した磁気カード2の移動速度に応じた周期で、第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に異常情報を書き込むことで、磁気カード2が人手によって速く引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた速い周期で、また磁気カード2が人手によって遅く(ゆっくりと)引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた遅い周期で第2磁気ヘッド8によって安定して磁気カード2に異常情報を確実に書き込むことができる。さらに、書き込む異常情報を異常の発生した磁気カード2であることがわかる程度に少なくし、第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に繰り返し書き込むことで、磁気カード2に異常情報を一層確実かつ正確に書き込むことができる。
【0050】
以上述べた実施形態においては、図7〜図12の異常検出処理を全て実行する例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、図7〜図12の異常検出処理のいずれか1つを実行するようにしたり、2つ以上を組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、磁気カード2が人手によって挿入口3から排出される場合に、磁気カード2に異常情報を繰り返し書き込んだ例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、磁気カード2がモータ15によって挿入口3から排出される場合にも、磁気カード2に異常情報を繰り返し書き込むようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、磁気カード2が人手によって排出される場合に磁気カード2に書き込む異常情報を、日時と場所にした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、例えば日時と場所に異常の内容を加えたり、日時と場所は省いて異常の内容だけにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、本発明における開閉検知手段として、磁石5aとホール素子5bとから構成されるシャッタセンサ5を用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、シャッタセンサとして、例えばフォトセンサやマイクロスイッチのようなものを用いてもよい。つまり、本発明の開閉検知手段は、シャッタ4の開きと閉まりを確実に検知できる手段であればよい。
【0054】
さらに、上記実施形態では、磁気カード2の挿入口3への挿入を検知する手段として、第2磁気ヘッド8を用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、カード挿入検知手段として、図2に示すマイクロスイッチSWや、磁気カード2の幅を検知するようなセンサを用いてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入口に第2の磁気ヘッドを設け、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込むことで、磁気カードが装置から抜き取られるまで磁気カードと第2の磁気ヘッドとの接触状態が確保されるので、装置で異常が発生した場合にその異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができ、この結果、後にその磁気カードが使用されても、当該カードの異常情報を読み取ることで、それが不正に入手されたカードであるか否かの判断が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気カード処理装置の概略構造を示す図である。
【図2】同装置の挿入口を正面から見た図である。
【図3】同装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】同装置の基本的な動作状態を示す図である。
【図5】同装置の基本的な動作状態を示す図である。
【図6】同装置の基本的な動作手順を示すフローチャートである。
【図7】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】異常情報書込処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a 本体内部
2 磁気カード
3 挿入口
4 シャッタ
5 シャッタセンサ
6 ローラ
7 第1磁気ヘッド
8 第2磁気ヘッド
9 制御部
10 磁気カード処理装置
11 第1センサ
12 第2センサ
13 第3センサ
15 モータ
16 エンコーダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カード処理装置に関し、特に、磁気カードの挿入後に異常が発生した場合に、磁気カードに異常情報を書き込むものに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報を磁気記録した磁気カードを処理する磁気カード処理装置には、磁気カードから磁気情報を読み取るものがある。その磁気カード処理装置は、利用者によって磁気カードが挿入口から挿入されると、磁気カードを本体内部に取り込んで当該カードから磁気情報を読み取る。そして、磁気カード処理装置は、読み取った磁気情報を上位装置に送信し、上位装置との通信が完了すると、本体内部にある磁気カードを挿入口から排出して利用者に返却し、磁気カードに対する処理を終了する。
【0003】
上記のような処理中に磁気カード処理装置では、各部の故障や悪意を持った第三者の細工等により異常が発生して、磁気カードが装置の本体内部に取り込まれたままになることがある。このようになった場合、例えば、異常の発生を上位装置の管理者に知らせるために利用者がその場から離れたすきに、第三者によって磁気カードが本体内部から取り出されて盗まれてしまい、悪用されるおそれがある。そのため、上記のように不正に入手された磁気カードの悪用を防止する対策が従来から行われている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、磁気カード処理装置で異常が検出されると、磁気カードが抜き取られるときに、挿入口の近傍に設けた消去ヘッドを作動させて、磁気カードに記録されている情報を消去することが記載されている。このように磁気カードの情報を消去すると、不正に入手された磁気カードが使用されても、それを悪用できなくなる。なお、下記の特許文献2には、磁気カードまたはICカードを挿入した後のカードの差し替えによる不正を防止するために、搬送手段がカードの搬送を行っていないにもかかわらずカードの位置がずれたときに、カードに異常状態となったことを印す情報を書き込むことが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−326017号公報
【特許文献2】
特公平7−9830号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1のように磁気カードの情報を消去すると、不正に入手された磁気カードがその後磁気カード処理装置に挿入された場合に、磁気カード処理装置はその磁気カードを情報未記録のカードとして返却するだけで、それが不正に入手されたカードであるか否かを判断することはできない。このため、不正に入手された後使用された磁気カードに対して、例えば強制的に使用を禁止したり、使用履歴を残して所定の部署に通報するというような適切な対処が行えない。
【0007】
上記に対して、特許文献2では、カードに異常情報を正しく書き込むことができれば、不正に入手されたカードがその後カード処理装置に挿入された場合に、異常情報を読み取ることでそれが不正に入手されたカードであるか否かを判断することができると推定されるが、特許文献2には、異常情報の書き込みを行うための具体的な構成が記載されていない。このため、カードの位置がずれたときにカードに異常情報を書き込もうとしても、カードがカード処理装置内から素早く抜き取られてしまえば、実際にはカードに異常情報を正しく書き込むことができない。例えば、カードがICカードである場合には、ICカードが抜き取られるときにカードのIC接点とカード処理装置のIC接触子とがずれて接触しなくなり、またカードが磁気カードである場合には、磁気カードが抜き取られるときにカードの磁気記録部とカード処理装置の磁気ヘッドとがずれて接触しなくなるので、カードに異常情報を正しく書き込むことができない。さらに上記に加え、特許文献2では、カード挿入後のカードの位置ずれ以外の異常(例えば、カードを取り込んだり返却したりする際の搬送手段によるカード搬送時の異常等)が発生して、カードが装置内に取り込まれたままになった場合の対策については、何ら記載されていない。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その課題とするところは、磁気カードに異常情報を確実に書き込んで、不正に入手されたカードであるか否かの判断を可能にする磁気カード処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、挿入口から挿入された磁気カードを搬送手段によって搬送しながら、本体内部に設けた第1の磁気ヘッドによって磁気カードから磁気情報を読み取る磁気カード処理装置において、磁気カードに磁気情報を書き込む第2の磁気ヘッドを挿入口に設けるとともに、磁気カードが挿入口から挿入された後に装置で発生する異常を検出する異常検出手段と、異常検出手段によって異常が検出されたことに基づいて磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込む異常書込制御手段とを設ける。なお、「磁気カードが挿入口から排出されるとき」とは、磁気カードが搬送手段によって搬送されて挿入口から排出されるときと、磁気カードが人手によって引っ張られて挿入口から排出されるときの両方を含む。また、「異常情報」とは、例えば、異常を検出した日時、場所、異常の内容、および異常検出時の磁気カードに対する処理等に関する情報のことである。
【0010】
上記のように、挿入口に第2の磁気ヘッドを設け、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込むと、磁気カードが挿入口から完全に排出されるまで、つまり磁気カードが磁気カード処理装置から抜き取られるまで磁気カードと第2の磁気ヘッドとの接触状態が確保されるので、装置で異常が発生した場合にその異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。この結果、後にその磁気カードが使用されても、当該カードの異常情報を読み取ることによって、それが不正に入手されたカードであるか否かの判断を行うことが可能になる。
【0011】
また、本発明においては、磁気カードを本体内部の所定の位置に搬送するために搬送手段の駆動を制御する搬送制御手段と、磁気カードが所定の位置に搬送されたことを検知する搬送検知手段とを設け、異常検出手段は、搬送制御手段が磁気カードを所定の位置に搬送するように搬送手段の駆動を制御しているにもかかわらず、搬送検知手段が所定の位置に磁気カードが搬送されたことを検知しない場合に、異常を検出する。このようにすると、例えば搬送手段が壊されたり、磁気カードの搬送を妨害するような細工が施されたりすることにより、磁気カードの搬送時に磁気カードが所定の位置に搬送されないという異常が発生しても、この異常を検出して、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。
【0012】
また、本発明においては、磁気カードが本体内部で移動したことを検知する移動検知手段を設け、異常検出手段は、搬送手段が磁気カードを搬送していないにもかかわらず、移動検知手段が磁気カードの移動を検知した場合に、異常を検出する。このようにすると、例えば特殊な治具によって磁気カードが引っ張られたり本体内部から引き抜かれたりすることにより、磁気カードの搬送停止時に磁気カードが移動するという異常が発生しても、この異常を検出して、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。
【0013】
また、本発明においては、磁気カードの挿入口から本体内部への挿入または本体内部から挿入口への排出を規制するために開閉するシャッタと、シャッタの開閉を制御する開閉制御手段と、シャッタの開閉を検知する開閉検知手段とを設け、異常検出手段は、開閉制御手段がシャッタを開くように制御しているにもかかわらず、開閉検知手段がシャッタの閉まりを検知した場合、または開閉制御手段がシャッタを閉じるように制御しているにもかかわらず、開閉検知手段がシャッタの開きを検知した場合に、異常を検出する。このようにすると、例えばシャッタの開閉を妨害するような細工が施されることにより、開状態のシャッタを閉じる時にシャッタが閉じないという異常が発生したり、閉状態のシャッタを開く時にシャッタが開かないという異常が発生したり、閉状態を維持している時にシャッタが無理やり開けられるという異常が発生したりしても、これらの異常を検出して、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができる。
【0014】
また、本発明においては、磁気カードの移動速度を検出する速度検出手段を設け、異常書込制御手段は、速度検出手段によって検出される磁気カードの移動速度に応じた周期で、第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込む。磁気カードが搬送手段によって搬送されて挿入口から排出される場合は、磁気カードの移動速度が所定速度になり、第2の磁気ヘッドによって安定して磁気カードに異常情報を書き込めるが、磁気カードが人手によって引っ張られて挿入口から排出される場合は、磁気カードの移動速度が所定速度にならず、第2の磁気ヘッドによって安定して磁気カードに異常情報を書き込めないおそれがある。然るに、本発明のようにすると、磁気カードが人手によって速く引っ張られたときは、磁気カードの移動速度に応じた速い周期で、また磁気カードが人手によって遅く(ゆっくりと)引っ張られたときは、磁気カードの移動速度に応じた遅い周期で第2の磁気ヘッドによって安定して磁気カードに異常情報を確実に書き込むことができる。
【0015】
また、本発明においては、異常書込制御手段は、第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を繰り返し書き込む。このようにすると、磁気カードに異常情報を一層確実に書き込むことができる。
【0016】
さらに、本発明においては、異常検出手段は、異常を検出した後にさらに装置で発生する異常を検出し、異常情報には、異常検出手段が検出した全ての異常の内容が含まれる。このようにすると、異常情報が書き込まれた磁気カードが後に使用されたときに、当該カードの異常情報を読み取ることによって、それがどのようにして不正に入手されたかということを詳細に判断することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る磁気カード処理装置の概略構造を示す図である。図1において、10は磁気カード処理装置であって、例えば自動現金取引処理装置のような上位装置30(図3に図示)に搭載されて接続されている。1は磁気カード処理装置10の本体、1aは本体1の内部空間(以下、本体内部と記す)である。2は磁気カードであって、磁気記録部としての磁気ストライプ(図示省略)に所定の情報が磁気記録されている。2aは磁気カード2の先端部、2bは後端部である。3は磁気カード2が挿入される挿入口である。この挿入口3は、正面から見ると、図2に示すように上位装置30の前面フレーム31に設けられた開口部31aと連通している。SWは挿入口3に配置されたマイクロスイッチであって、挿入口3で磁気カード2を検知する。このスイッチSWは、磁気カード2を検知していないときはOFF状態であるが、磁気カード2を検知するとON状態になる。
【0018】
図1の4はソレノイド17(図3に図示)によって上下方向U、Dに開閉するシャッタであって、磁気カード2の挿入口3から本体内部1aへの挿入または本体内部1aから挿入口3への排出を規制する。図1では、シャッタ4が開いた状態を実線で示し、シャッタ4が閉じた状態を破線で示している。5はシャッタ4の開閉を検知するシャッタセンサであって、シャッタ4の下端部に設けられた磁石5aと、この磁石5aと対向するように挿入口3に設けられたホール素子5bとから構成される。シャッタ4が破線で示すように閉じると、シャッタ4の下端部の磁石5aが所定間隔でホール素子5bに近づくので、ホール素子5bがこれを検知して所定値の電圧を制御部9(図3に図示)へ出力する。また、シャッタ4が実線で示すように開くと、磁石5aが所定間隔でホール素子5bから離れるので、ホール素子5bがこれを検知して上記の磁石5aの接近時とは異なる所定値の電圧を制御部9に出力する。
【0019】
6はモータ15(図3に図示)によって回転する上下1対のローラであって、モータ15が正転駆動すると磁気カード2を往路方向Fへ搬送し、モータ15が逆転駆動すると磁気カード2を復路方向Bへ搬送する。7は磁気カード2と接するように本体内部1aに配置された第1磁気ヘッドである。この第1磁気ヘッド7は、磁気カード2がF方向に搬送されるときに、磁気カード2から磁気情報を読み取る。詳しくは、第1磁気ヘッド7は、内蔵するコアとコイルによって磁気カード2の磁気ストライプの磁力の変化を検出してそれを電圧の変化に変え、その電圧の変化を内蔵するアンプによって増幅して制御部9へ出力する。8は磁気カード2と接するように挿入口3に配置された第2磁気ヘッドである。第2磁気ヘッド8は、磁気カード2が挿入口3から挿入されるときに、磁気カード2の磁力の変化を検出して制御部9に出力する。また、第2磁気ヘッド8は、磁気カード2が挿入口3からB方向に排出されるときに、制御部9に制御されて磁気カード2に情報の書き込みを行う。詳しくは、第2磁気ヘッド8は、内蔵するコアとコイルによって磁気カード2の磁気ストライプを所定の間隔で磁化反転させて、情報を磁気記録する。
【0020】
11〜13は磁気カード2が本体内部1aの所定の位置に搬送されたことを検知するセンサであって、フォトマイクロセンサから構成される。これらのセンサ11〜13は磁気カード2を検知していないときはOFF状態であるが、磁気カード2を検知するとON状態になる。第1センサ11は、挿入口3から挿入された磁気カード2がF方向に搬送されて取り込まれて行くときに、磁気カード2を検知してON状態になり、この後磁気カード2の後端部2bが取込完了位置P1を通り過ぎると、磁気カード2を検知しなくなってOFF状態となる。また、第1センサ11は、本体内部1aに取り込まれた磁気カード2がB方向に搬送されて挿入口3から返却されて行くときに、磁気カード2を検知してON状態になり、この後磁気カード2の先端部2aが返却完了位置(取込完了位置と同位置)P1を通り過ぎると、磁気カード2を検知しなくなってOFF状態となる。第2センサ12は、磁気カード2がF方向に搬送されて行くときに、磁気カード2の先端部2aが読取開始位置P2に到達すると、これを検知してON状態となる。第3センサ13は、磁気カード2がF方向に搬送されて行くときに、磁気カード2の先端部2aが読取完了位置P3に到達すると、これを検知してON状態となる。
【0021】
以上において、挿入口3は、本発明における挿入口の一実施形態を構成する。シャッタ4は、本発明におけるシャッタの一実施形態を構成し、シャッタセンサ5は、本発明における開閉検知手段の一実施形態を構成する。第1磁気ヘッド7は、本発明における第1の磁気ヘッドの一実施形態を構成し、第2磁気ヘッド8は、本発明における第2の磁気ヘッドの一実施形態を構成する。第1〜第3センサ11〜13は、本発明における搬送検知手段の一実施形態を構成する。
【0022】
図3は、磁気カード処理装置10の電気的構成を示すブロック図である。図3において、9は磁気カード処理装置10の各部を制御する制御部であって、CPU、ROM、RAM、および後記の制御回路等からなる。なお、ROMにはCPUの動作プログラム等が記憶されていて、RAMにはCPUが各部を制御する制御データが読み書き可能に記憶される。制御部9は、磁気カード2が挿入口3(図1)から挿入された後に、後述するように磁気カード処理装置10で発生する異常を検出する。そして、制御部9は、異常を検出したことにより、磁気カード2が挿入口3から排出されるときに、前述の第2磁気ヘッド8を制御して磁気カード2に異常情報を書き込む。なお、磁気カード2が挿入口3から排出されるときとは、磁気カード2がモータ15によって搬送されて挿入口3から排出されるときと、磁気カード2が人手によって引っ張られて挿入口3から排出されるときの両方を含む。また、異常情報とは、例えば、磁気カード処理装置10の異常を検出した日時、場所(上位装置30の設置場所)、異常の内容、および異常検出時の磁気カード2に対する処理等に関する情報のことである。
【0023】
14は時間を計測するタイマ、15は前述のローラ6を回転させるモータ、16はモータ15の回転数を検出して信号を出力するエンコーダである。制御部9は、エンコーダ16からの信号に基づいてモータ15の回転数や回転方向を制御するモータ用制御回路を備えていて、この制御回路によってモータ15を正転駆動または逆転駆動し、前述のローラ6を回転させて磁気カード2を本体内部1aの所定の位置P1〜P3に所定速度で搬送する。なお、モータ15が駆動を停止している際に、本体内部1aにある磁気カード2が人手によって引っ張られる等して移動する異常発生時には、磁気カード2の移動にともなってローラ6およびモータ15が回転するため、エンコーダ16が磁気カード2の移動を検知してモータ15の回転数、すなわちこのときの磁気カード2の移動速度を検出して信号を出力する。
【0024】
17は前述のシャッタ4(図1)を開閉させるソレノイド、5はシャッタ4の開閉を検知するシャッタセンサであって、前述したように磁石5a(図1)とホール素子5b(図1)とから構成される。制御部9は、ソレノイド17の駆動を制御するソレノイド用制御回路を備えていて、この制御回路によってソレノイド17を駆動し、シャッタ4を開いたり閉じたりする。シャッタ4が開いているときと閉じているときとでは、前述したようにシャッタセンサ5のホール素子5bが出力する電圧値が異なるので、制御部9は、そのホール素子5bが出力する電圧値によって、シャッタ4が閉じているか開いているかを判断する。
【0025】
7は前述の第1磁気ヘッド、8は前述の第2磁気ヘッドである。制御部9は、各磁気ヘッド7、8をそれぞれ制御する磁気ヘッド用制御回路を備えていて、磁気カード2から情報を読み取る際に、第1磁気ヘッド7または第2磁気ヘッド8が検知した磁気カード2の磁力の変化を、上記制御回路によって変換して情報を生成する。なお、制御部9は、第1磁気ヘッド7により磁気カード2から読み取った情報を上位装置30に送信し、第2磁気ヘッド8により磁気カード2から読み取った情報に基づいて磁気カード2が挿入口3に挿入されたことを判断する。また、制御部9は、第2磁気ヘッド8により磁気カード2に異常情報を書き込む際に、上記制御回路によって第2磁気ヘッド8に流す電流を書き込む情報に基づいて制御する。
【0026】
11〜13は前述のセンサである。制御部9は、各センサ11〜13の状態を検出する検出回路を備えていて、この検出回路によって各センサ11〜13のON状態またはOFF状態を検出することにより、本体内部1aにおける磁気カード2の位置を判断する。なお、前述したモータ15が駆動を停止している際に、本体内部1aの磁気カード2が移動する異常発生時には、センサ11〜13が磁気カード2の移動を検知してセンサ出力が変化することがある。SWは前述のスイッチである。制御部9は、このスイッチSWの状態も上記検出回路によって検出し、後述するように挿入口3に返却した磁気カード2が挿入口3から抜き取られたことを判断する。18は上位装置30と相互に通信を行うための通信部である。制御部9は、この通信部18によって磁気カード2から読み取った情報を上位装置30に送信する。
【0027】
以上の構成において、制御部9は、本発明における異常検出手段と、異常書込制御手段と、搬送制御手段と、開閉制御手段の一実施形態をそれぞれ構成する。モータ15は前述のローラ6とともに、本発明における搬送手段の一実施形態を構成する。エンコーダ16と第1〜第3センサ11〜13は、本発明における移動検知手段の一実施形態をそれぞれ構成する。また、エンコーダ16は、本発明における速度検出手段の一実施形態を構成する。
【0028】
図6〜図13は、上記制御部9(詳しくは、制御部9に備わるCPU)が実行する処理を示すフローチャートである。図6は、磁気カード処理装置10の基本的な動作手順を示し、図7〜図12は、磁気カード処理装置10で発生する異常を検出するための異常検出処理の手順をそれぞれ示し、図13は、磁気カード2に異常情報を書き込むための異常情報書込処理の手順を示している。なお、制御部9は、図6の処理を実行中にこれとは独立して、図7〜図12の各処理をそれぞれ実行し、図7〜図12のいずれかの処理で異常を検出すると、図6の処理を中止して、図13の処理を実行する。
【0029】
最初に、図6に示す磁気カード処理装置10の基本的な動作手順を説明する。なお、説明にあたり、磁気カード処理装置10の基本的な動作状態を示す図4および図5を適宜参照する。図4(a)に示すように、利用者によって磁気カード2が挿入口3からF方向に挿入されると、第2磁気ヘッド8が磁気カード2の磁力の変化を検出して出力するので、制御部9は、第2磁気ヘッド8が磁気カード2の挿入口3への挿入を検知したと判断し(図6のステップS1:YES)、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を開く(ステップS2)。シャッタ4を開くと、制御部9は、挿入された磁気カード2を本体内部1aに取り込むとともに、磁気カード2から情報を読み取るために、モータ15の正転駆動を開始して(ステップS3)、磁気カード2をF方向に搬送して行く。
【0030】
そして、搬送される磁気カード2の先端部2aが、図4(b)に示すようにP2位置に到達すると、第2センサ12がこれを検知してON状態となるので(図6のステップS4:YES)、制御部9は、磁気カード2のP2位置への搬送が完了したと判断して、第1磁気ヘッド7による磁気カード2からの情報の読み取りを開始する(ステップS5)。なお、磁気カード2から読み取った情報は、制御部9のRAMに随時記憶される。読み取りを開始した直後に、磁気カード2の後端部2bが、図4(c)に示すようにP1位置を通り過ぎ、第1センサ11が磁気カード2を検知しなくなってON状態からOFF状態に切り替わるので(図6のステップS6:YES)、制御部9は、磁気カード2が本体内部1aに完全に入ったと判断して、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じる(ステップS7)。シャッタ4を閉じた後、磁気カード2の先端部2aが、図4(d)に示すようにP3位置に到達すると、第3センサ13がこれを検知してON状態となるので(図6のステップS8:YES)、制御部9は、磁気カード2のP3位置への搬送が完了したと判断して、第1磁気ヘッド7による磁気カード2からの情報の読み取りを停止する(ステップS9)。続いて、制御部9は、モータ15の駆動を停止して(ステップS10)、磁気カード2の搬送を停止する。
【0031】
モータ15の駆動を停止すると、制御部9は、通信部18によって上位装置30との通信を開始し、第1磁気ヘッド7により磁気カード2から読み取った情報をRAMから読み出して上位装置30に送信する(ステップS11)。そして、送信した情報に基づく処理が上位装置30で行われて、その処理の終了を知らせる通知を上位装置30から受信すると、制御部9は、通信部18による上位装置30との通信を完了する(ステップS12)。この後、制御部9は、図4(d)に示すP3位置にある磁気カード2を挿入口3から排出して利用者に返却するために、ソレノイド17を駆動して、図5(e)に示すようにシャッタ4を開く(図6のステップS13)。シャッタ4を開くと、制御部9は、モータ15の逆転駆動を開始して(図6のステップS14)、磁気カード2を、図5(f)に示すようにB方向に搬送して行く。
【0032】
そして、搬送される磁気カード2の先端部2aが、図5(g)に示すようにP1位置を通り過ぎると、第1センサ11が磁気カード2を検知しなくなってON状態からOFF状態に切り替わるので(図6のステップS15:YES)、制御部9は、磁気カード2のP1位置への搬送が完了したと判断し、所定時間経過後にモータ15の駆動を停止して(ステップS16)、磁気カード2の搬送を停止する。このとき、磁気カード2は、所定時間経過後にモータ15の駆動を停止したことにより、後端部2bが挿入口3から突出するとともに、先端部2aが例えば図5(g)の最もB方向側にあるローラ6と接しなくなる位置に停止した状態となる。また、挿入口3に設けたスイッチSW(図2)は、磁気カード2を検知してON状態となる。この後、利用者によって磁気カード2が、図5(h)に示すように挿入口3から抜き取られると、スイッチSWがOFF状態になるので(ステップS17:YES)、制御部9は、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じ(ステップS18)、処理を終了する。
【0033】
次に、上述した図6の処理の実行中に、それぞれ実行される図7〜図12の異常検出処理を順番に説明する。図7の異常検出処理は、磁気カード2を本体内部1aに取り込んで情報を読み取る際や、磁気カード2を挿入口3から排出して返却する際の、磁気カード2のF方向またはB方向への搬送時に実行される。図6のステップS3またはステップS14で、磁気カード2を搬送するためにモータ15の駆動を開始すると(図7のステップS21)、制御部9は、タイマ14(図3)を起動して(ステップS22)、時間の計測を開始する。そして、制御部9は、第1〜第3センサ11〜13のONまたはOFF状態を検出して、磁気カード2の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS23)。具体的には、磁気カード2の取り込みの際は、第3センサ13の状態に基づいて磁気カード2がP3位置に搬送されたか否かを判定し、このとき、第3センサ13がON状態であれば、P3位置に搬送されたと判断し、第3センサ13がOFF状態であれば、P3位置に搬送されていないと判断する。また、磁気カード2の返却の際は、第1センサ11の状態に基づいて磁気カード2がP1位置を通り過ぎたか否かを判定し、このとき、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わっていれば、P1位置を通り過ぎたと判断し、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わっていなければ、P1位置を通り過ぎていないと判断する。
【0034】
上記のようにしてステップS23で判定を行った結果、磁気カード2の搬送が完了していなければ(ステップS23:NO)、制御部9は、タイマ14を参照して所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS24)。ここで、所定時間が経過していなければ(ステップS24:NO)、制御部9は、再び磁気カード2の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS23)。そして、ステップS23で、磁気カード2の搬送が完了すると(ステップS23:YES)、制御部9は、タイマ14を停止して(ステップS26)、処理を終了する。一方、モータ15やローラ6が壊されたり、磁気カード2の搬送を妨害するような細工が施される等の原因により、ステップS23で、磁気カード2の搬送が完了しないまま(ステップS23:NO)、ステップS24で所定時間が経過すると(ステップS24:YES)、制御部9は、モータ15を駆動するように制御しているにもかかわらず所定時間内に磁気カード2の搬送が完了しなかったという異常を検出する(ステップS25)。そして、制御部9は、タイマ14を停止して(ステップS26)、処理を終了する。
【0035】
図8の異常検出処理も、図7の処理のように、磁気カード2のF方向またはB方向への搬送時に実行される。図6のステップS3またはステップS14で、磁気カード2を搬送するためにモータ15の駆動を開始すると(図8のステップS31)、制御部9は、エンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS32)。このとき、エンコーダ16から信号の出力があれば(ステップS32:YES)、図7のステップS23で説明したのと同様にして、第1〜第3センサ11〜13のON/OFF状態を検出し、磁気カード2の搬送が完了したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、磁気カード2の搬送が完了していなければ(ステップS33:NO)、制御部9は、再びエンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS32)。そして、ステップS32で、エンコーダ16から信号の出力があって(ステップS32:YES)、ステップS33で、磁気カード2の搬送が完了すると(ステップS33:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、モータ15が壊れて回転しない等の原因により、ステップS32で、エンコーダ16から信号の出力がなければ(ステップS32:NO)、制御部9は、モータ15を駆動するように制御しているにもかかわらずエンコーダ16から信号の出力がなかったという異常を検出して(ステップS34)、処理を終了する。
【0036】
図9の異常検出処理は、磁気カード2を取り込んだり返却したりする際の、磁気カード2が本体内部1aにある状態でのシャッタ4の開閉動作時に実行される。図6のステップS7で、磁気カード2の本体内部1aからの取り出しを規制するためにシャッタ4を閉じるようにソレノイド17の駆動制御を開始する、または図6のステップS13で、磁気カード2を挿入口3から返却するためにシャッタ4を開くようにソレノイド17の駆動制御を開始すると(図9のステップS41)、制御部9は、所定時間経過後にシャッタセンサ5の出力電圧値に基づいて、制御どおりにシャッタセンサ5がシャッタ4の閉まりまたは開きを検知したか否かを判定する(ステップS42)。ここで、制御どおりにシャッタセンサ5がシャッタ4の閉まりまたは開きを検知していれば(ステップS42:YES)、制御部9は、シャッタ4が正常に動作したと判断して、処理を終了する。一方、シャッタの開閉動作を妨害するような細工が施される等の原因により、ステップS42で、制御どおりにシャッタセンサ5がシャッタ4の閉まりまたは開きを検知していなければ(ステップS42:NO)、制御部9は、シャッタ4を閉じるように制御しているにもかかわらずシャッタ4が正常に閉じなかったという異常、またはシャッタ4を開くように制御しているにもかかわらずシャッタ4が正常に開かなかったという異常を検出して(ステップS43)、処理を終了する。
【0037】
図10の異常検出処理は、磁気カード2を本体内部1aに取り込んでシャッタ4を閉じてから、磁気カード2を排出するためにシャッタ4を開くまでのシャッタ4の閉状態維持時に実行される。図6のステップS7でシャッタ4を閉じるように制御した後、シャッタセンサ5によってシャッタ4の閉まりを検知すると、制御部9は、シャッタ4の閉状態を維持するようにソレノイド17の駆動を制御する(図10のステップS51)。そしてその状態で、制御部9は、シャッタセンサ5の出力電圧値に基づいてシャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知したか否かを判定する(ステップS52)。ここで、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知していなければ(ステップS52:NO)、制御部9は、このときがシャッタ4を開くようにソレノイド17の駆動制御を開始するタイミングか否か、つまり図6のステップS13で磁気カード2を返却するためにシャッタ4を開くタイミングか否かを判定する(ステップS53)。このときがシャッタ4を開くタイミングでなければ(ステップS53:NO)、制御部9は、再びシャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知したか否かを判定する(ステップS52)。そして、ステップS52で、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知しないまま(ステップS52:NO)、ステップS53で、シャッタ4を開くタイミングになると(ステップS53:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、シャッタ4が無理やり開けられる等の原因により、ステップS52で、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知すると(ステップS52:YES)、制御部9は、シャッタ4の閉状態を維持するように制御しているにもかかわらずシャッタ4が開いたという異常を検出して(ステップS54)、処理を終了する。
【0038】
図11の異常検出処理は、磁気カード2を本体内部1aに取り込んでモータ15の駆動を停止してから、モータ15の逆転駆動を開始するまでの磁気カード2の搬送停止時に実行される。図6のステップS10で、モータ15の駆動を停止すると(図11のステップS61)、制御部9は、エンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS62)。ここで、エンコーダ16から信号の出力がなければ(ステップS62:NO)、制御部9は、このときがモータ15の駆動を開始するタイミングか否か、つまり図6のステップS14で磁気カード2を返却するためにモータ15の逆転駆動を開始するタイミングか否かを判定する(ステップS63)。このとき、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングでなければ(ステップS63:NO)、制御部9は、再びエンコーダ16から信号の出力があるか否かを判定する(ステップS62)。そして、ステップS62で、エンコーダ16から信号の出力がないまま(ステップS62:NO)、ステップS63で、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングになると(ステップS63:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、特殊な治具によって磁気カード2が挿入口3の方へ引っ張られたり、磁気カード2が本体内部1aから引き抜かれる等の原因により、ステップS62で、エンコーダ16から信号の出力があると(ステップS62:YES)、制御部9は、モータ15によって磁気カード2を搬送していないにもかかわらず磁気カード2が移動したという異常を検出して(ステップS64)、処理を終了する。
【0039】
図12の異常検出処理も、図11の処理のように磁気カード2の搬送停止時に実行される。図6のステップS10で、モータ15の駆動を停止すると(図12のステップS71)、制御部9は、第1〜第3センサ11〜13のいずれかからONとOFFの切り替わり信号の出力があるか否かを判定する(ステップS72)。ここで、第1〜第3センサ11〜13のいずれからも切り替わり信号の出力がなければ(ステップS72:NO)、制御部9は、このときがモータ15の駆動を開始するタイミングか否か、つまり図6のステップS14で磁気カード2を返却するためにモータ15の逆転駆動を開始するタイミングか否かを判定する(ステップS73)。このとき、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングでなければ(ステップS73:NO)、制御部9は、再び第1〜第3センサ11〜13のいずれかから切り替わり信号の出力があるか否かを判定する(ステップS72)。そして、ステップS72で、第1〜第3センサ11〜13のいずれからも切り替わり信号の出力がないまま(ステップS72:NO)、ステップS73で、モータ15の逆転駆動を開始するタイミングになると(ステップS73:YES)、制御部9は処理を終了する。一方、特殊な治具によって磁気カード2が引っ張られたり、本体内部1aから引き抜かれる等の原因により、ステップS72で、第1〜第3センサ11〜13のいずれかから切り替わり信号の出力があると(ステップS72:YES)、制御部9は、モータ15によって磁気カード2を搬送していないにもかかわらず磁気カード2が移動したという異常を検出して(ステップS74)、処理を終了する。なお、搬送停止時に磁気カード2が移動したという異常は、図12の処理よりも先に図11の処理の方で検出されるが、エンコーダ16が壊れていて信号を出力不可能な状態にある場合には、図11の処理では検出されずに図12の処理で検出される。
【0040】
上述した図7〜図12の処理のいずれかにおいて異常を検出すると、制御部9は、図6の処理を中止して、図13の異常情報書込処理を開始する。なお、図6の処理を中止する際にモータ15が駆動中であれば、制御部9は、強制的にモータ15の駆動を停止する。これにより、図7と図8の処理が中止され、図11と図12の処理が開始される。また、図10の処理については、継続して実行され、図9の処理については、実行中であれば継続して実行される。
【0041】
図13において、制御部9は異常を検出すると(ステップS81)、モータ15によって磁気カード2を搬送可能か否かを判断する(ステップS82)。図9〜図12の処理のいずれかにおいて異常を検出していれば、制御部9は、モータ15によって磁気カード2を搬送可能と判断して(ステップS82:YES)、ステップ83へ移行し、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を開く。なお、図9または図10の処理で異常を検出した場合は、このとき既に人手によってシャッタ4が開いていることがある。また、シャッタ4を開いたことにより、図9の処理が前述したようにステップS41から開始される。その後、シャッタセンサ5がシャッタ4の開きを検知したことを確認すると、制御部9は、磁気カード2を挿入口3から排出するためにモータ15の逆転駆動を開始して(ステップS84)、磁気カード2をB方向に搬送して行く。続いて、制御部9は、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の書き込みを開始する(ステップS85)。
【0042】
このとき書き込む異常情報は、異常を検出した日時、場所、検出した全ての異常の内容、および異常検出時の磁気カード2に対する処理である。なお、異常の内容は、例えば所定時間内のカード搬送エラー、モータ駆動時のエンコーダ無信号状態、シャッタ開閉動作エラー、シャッタ閉状態維持時の開き検知、およびモータ停止時のカードの移動検知等である。また、2つ以上の異常を検出した場合は、検出した全ての異常の内容が異常情報に含まれる。具体的には、例えば図10の処理で閉状態のシャッタ4が無理やり開かれた後に、図12の処理で磁気カード2が本体内部1aから引き抜かれた場合は、シャッタ閉状態維持時の開き検知と、モータ停止時のカードの移動検知とが異常の内容として含まれ、また、図7の処理で磁気カード2が所定の位置P1〜P3に搬送されなかった後に、図11の処理で磁気カード2が本体内部1aから引き抜かれた場合は、所定時間内のカード搬送エラーと、モータ停止時のカードの移動検知とが異常の内容として含まれる。また、異常検出時の磁気カード2に対する処理は、例えば、取り込み、情報読み取り、搬送停止、および返却等である。
【0043】
磁気カード2への異常情報の書き込みを開始した後、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わると(ステップS86:YES)、制御部9は、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の書き込みを停止する(ステップS87)。そして、制御部9は、所定時間経過後にモータ15の駆動を停止して(ステップS88)、磁気カード2の搬送を停止し、続けて、磁気カード2が挿入口3から抜き取られているか否かにかかわらず、所定時間経過後にソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じ(ステップS89)、処理を終了する。
【0044】
一方、図7または図8の処理において異常を検出していれば、制御部9は、ステップS82で、モータ15によって磁気カード2を搬送不可能と判断して(ステップS82:NO)、ステップ90へ移行し、ソレノイド17を駆動してシャッタ4を開く。なお、図7または図8の処理において異常を検出した後に図9または図10の処理で異常を検出した場合は、このとき既に人手によってシャッタ4が開いていることがある。この後、磁気カード2の排出のために、本体内部1aの磁気カード2が人手によってB方向に引っ張られると、エンコーダ16からの出力信号によって磁気カード2の移動速度が検出されるので(ステップS91)、制御部9は、その移動速度に応じた周期で第2磁気ヘッド8に流す電流を制御し、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の繰り返し書き込みを開始する(ステップS92)。具体的には、磁気カード2が人手によって速く引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた速い周期で第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に異常情報を書き込み、磁気カード2が人手によって遅く(ゆっくりと)引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた遅い周期で第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に異常情報を書き込む。また、このとき書き込む異常情報は、情報量の多さよりも書き込みの正確さや精度を考慮して、異常の発生した磁気カード2であることがわかる日時と場所だけになり、第2磁気ヘッド8によって磁気カード2の磁気ストライプに何度も繰り返し書き込まれる。
【0045】
磁気カード2への異常情報の書き込みを開始した後、第1センサ11がON状態からOFF状態に切り替わると(ステップS93:YES)、制御部9は、第2磁気ヘッド8による磁気カード2への異常情報の繰り返し書き込みを停止する(ステップS94)。そして、制御部9は、磁気カード2が挿入口3から抜き取られているか否かにかかわらず、所定時間経過後にソレノイド17を駆動してシャッタ4を閉じ(ステップS95)、処理を終了する。
【0046】
以上のように、挿入口3に第2磁気ヘッド8を設け、磁気カード2が挿入口3から排出されるときに第2磁気ヘッド8で磁気カード2に異常情報を書き込むと、磁気カード2が挿入口3から完全に排出されるまで、つまり磁気カード2が磁気カード処理装置10から抜き取られるまで磁気カード2と第2磁気ヘッド8との接触状態が確保されるので、装置10で異常が発生した場合にその異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。この結果、後にその磁気カード2が使用されても、当該カード2の異常情報を読み取ることによって、それが不正に入手されたカードであるか否かの判断を行うことが可能になる。またさらに、不正に入手された磁気カード2に対して、例えば強制的に使用を禁止したり、使用履歴を残して所定の部署に通報するというような適切な対処を行うことが可能となる。
【0047】
また、図7および図8の異常検出処理を実行することで、例えばモータ15やローラ6が壊されたり、磁気カード2の搬送を妨害するような細工が施されたりすることにより、磁気カード2の搬送時に磁気カード2が所定の位置P1〜P3に搬送されないという異常が発生しても、この異常を検出して、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。また、図9および図10の異常検出処理を実行することで、例えばシャッタ4の開閉を妨害するような細工が施されることにより、開状態のシャッタ4を閉じる時にシャッタ4が閉じないという異常が発生したり、閉状態のシャッタ4を開く時にシャッタ4が開かないという異常が発生したり、閉状態を維持している時にシャッタ4が無理やり開けられるという異常が発生したりしても、これらの異常を検出して、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。さらに、図11および図12の異常検出処理を実行することで、例えば特殊な治具によって磁気カード2が引っ張られたり、本体内部1aから引き抜かれたりすることにより、磁気カード2の搬送停止時に磁気カード2が移動するという異常が発生しても、この異常を検出して、第2磁気ヘッド8によって異常情報を磁気カード2に確実に書き込むことができる。
【0048】
また、図7〜図12の処理のいずれかで異常を検出した後に、さらに図9〜図12の処理を実行して異常を検出し、検出した全ての異常の内容を異常情報に含めて第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に書き込むことで、異常情報が書き込まれた磁気カード2が後に使用されたときに、当該カード2の異常情報を読み取ることによって、それがどのようにして不正に入手されたかということを詳細に判断することが可能になる。
【0049】
また、磁気カード2がモータ15によって搬送されて挿入口3から排出される場合は、磁気カード2の移動速度が所定速度になり、第2磁気ヘッド8によって安定して磁気カード2に異常情報を書き込めるが、磁気カード2が人手によって引っ張られて挿入口3から排出される場合は、磁気カード2の移動速度が所定速度にならず、第2磁気ヘッド8によって安定して磁気カード2に異常情報を書き込めないおそれがある。然るに、上述したように、エンコーダ16で検出した磁気カード2の移動速度に応じた周期で、第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に異常情報を書き込むことで、磁気カード2が人手によって速く引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた速い周期で、また磁気カード2が人手によって遅く(ゆっくりと)引っ張られたときは、磁気カード2の移動速度に応じた遅い周期で第2磁気ヘッド8によって安定して磁気カード2に異常情報を確実に書き込むことができる。さらに、書き込む異常情報を異常の発生した磁気カード2であることがわかる程度に少なくし、第2磁気ヘッド8によって磁気カード2に繰り返し書き込むことで、磁気カード2に異常情報を一層確実かつ正確に書き込むことができる。
【0050】
以上述べた実施形態においては、図7〜図12の異常検出処理を全て実行する例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、図7〜図12の異常検出処理のいずれか1つを実行するようにしたり、2つ以上を組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、磁気カード2が人手によって挿入口3から排出される場合に、磁気カード2に異常情報を繰り返し書き込んだ例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、磁気カード2がモータ15によって挿入口3から排出される場合にも、磁気カード2に異常情報を繰り返し書き込むようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、磁気カード2が人手によって排出される場合に磁気カード2に書き込む異常情報を、日時と場所にした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、例えば日時と場所に異常の内容を加えたり、日時と場所は省いて異常の内容だけにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、本発明における開閉検知手段として、磁石5aとホール素子5bとから構成されるシャッタセンサ5を用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、シャッタセンサとして、例えばフォトセンサやマイクロスイッチのようなものを用いてもよい。つまり、本発明の開閉検知手段は、シャッタ4の開きと閉まりを確実に検知できる手段であればよい。
【0054】
さらに、上記実施形態では、磁気カード2の挿入口3への挿入を検知する手段として、第2磁気ヘッド8を用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、カード挿入検知手段として、図2に示すマイクロスイッチSWや、磁気カード2の幅を検知するようなセンサを用いてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入口に第2の磁気ヘッドを設け、磁気カードが挿入口から排出されるときに第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込むことで、磁気カードが装置から抜き取られるまで磁気カードと第2の磁気ヘッドとの接触状態が確保されるので、装置で異常が発生した場合にその異常情報を磁気カードに確実に書き込むことができ、この結果、後にその磁気カードが使用されても、当該カードの異常情報を読み取ることで、それが不正に入手されたカードであるか否かの判断が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気カード処理装置の概略構造を示す図である。
【図2】同装置の挿入口を正面から見た図である。
【図3】同装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】同装置の基本的な動作状態を示す図である。
【図5】同装置の基本的な動作状態を示す図である。
【図6】同装置の基本的な動作手順を示すフローチャートである。
【図7】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】異常情報書込処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a 本体内部
2 磁気カード
3 挿入口
4 シャッタ
5 シャッタセンサ
6 ローラ
7 第1磁気ヘッド
8 第2磁気ヘッド
9 制御部
10 磁気カード処理装置
11 第1センサ
12 第2センサ
13 第3センサ
15 モータ
16 エンコーダ
Claims (7)
- 挿入口から挿入された磁気カードを搬送手段によって搬送しながら、本体内部に設けた第1の磁気ヘッドによって磁気カードから磁気情報を読み取る磁気カード処理装置において、
前記挿入口に設けられ、磁気カードに磁気情報を書き込む第2の磁気ヘッドと、
磁気カードが前記挿入口から挿入された後に、装置で発生する異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって異常が検出されたことに基づいて、磁気カードが前記挿入口から排出されるときに、前記第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込む異常書込制御手段と、を備えたことを特徴とする磁気カード処理装置。 - 請求項1に記載の磁気カード処理装置において、
磁気カードを本体内部の所定の位置に搬送するために前記搬送手段の駆動を制御する搬送制御手段と、
磁気カードが所定の位置に搬送されたことを検知する搬送検知手段と、を備え、
前記異常検出手段は、前記搬送制御手段が磁気カードを所定の位置に搬送するように前記搬送手段の駆動を制御しているにもかかわらず、前記搬送検知手段が所定の位置に磁気カードが搬送されたことを検知しない場合に、異常を検出することを特徴とする磁気カード処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の磁気カード処理装置において、
磁気カードが本体内部で移動したことを検知する移動検知手段を備え、
前記異常検出手段は、前記搬送手段が磁気カードを搬送していないにもかかわらず、前記移動検知手段が磁気カードの移動を検知した場合に、異常を検出することを特徴とする磁気カード処理装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の磁気カード処理装置において、
磁気カードの前記挿入口から本体内部への挿入または本体内部から前記挿入口への排出を規制するために開閉するシャッタと、
前記シャッタの開閉を制御する開閉制御手段と、
前記シャッタの開閉を検知する開閉検知手段と、を備え、
前記異常検出手段は、前記開閉制御手段が前記シャッタを開くように制御しているにもかかわらず、前記開閉検知手段が前記シャッタの閉まりを検知した場合、または前記開閉制御手段が前記シャッタを閉じるように制御しているにもかかわらず、前記開閉検知手段が前記シャッタの開きを検知した場合に、異常を検出することを特徴とする磁気カード処理装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の磁気カード処理装置において、
磁気カードの移動速度を検出する速度検出手段を備え、
前記異常書込制御手段は、前記速度検出手段によって検出される磁気カードの移動速度に応じた周期で、前記第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を書き込むことを特徴とする磁気カード処理装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の磁気カード処理装置において、
前記異常書込制御手段は、前記第2の磁気ヘッドによって磁気カードに異常情報を繰り返し書き込むことを特徴とする磁気カード処理装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の磁気カード処理装置において、
前記異常検出手段は、異常を検出した後にさらに装置で発生する異常を検出し、
前記異常情報には、前記異常検出手段が検出した全ての異常の内容が含まれることを特徴とする磁気カード処理装置。
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- 2003-07-28 JP JP2003202614A patent/JP2005044107A/ja active Pending
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