JP2005043333A - レーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 少ない計算量で精度の高いレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】 レーダで電波を海面に照射し、その後方散乱の強度を処理して得られた画像から、波浪の方向スペクトルを逆推定する方法において、波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用し、レーダの方位と周波数の座標で展開し、ベイズモデルを導入して後方散乱波の強度画像から波浪の方向スペクトルを求める。積分方程式に対して、対数をとり、波浪の波向を半円方向に限定し、積分を離散化することで、積分方程式を非線形代数方程式に近似してもよい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、航空機や人工衛星等の飛翔体に搭載された映像化レーダ(合成開口レーダ、実開口レーダ等)で観測された海表面からの後方散乱波の強度を表す画像から、波浪の方向スペクトルを逆推定する方法とシステムに関するものである。
航空機や人工衛星に搭載されている合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)は、マイクロ波を地表面や海面に照射して、そこからの反射や後方散乱を受信する構成になっている。
マイクロ波の照射方向は、通常、航空機や人工衛星の進行方向に対して横向きでかつ斜め下向きである。このため、進行方向に対する反射・後方散乱の左右の曖昧さを避けることができる。マイクロ波を直下に照射するセンサではこの左右の曖昧さのため、左右どちらからの反射・後方散乱かを特定することはできない。
また、地表面及び海面の映像化は、一般的なレーダのようにアンテナを動かして掃引するのではなく、鉛直方向に幅広く水平方向に幅狭いビームを使用し、アンテナを固定したままで航空機や人工衛星の移動とともに地表面や海面を帯状に掃引する。
SARは、太陽光を必要とせずに地表面や海面を観測することができる能動型センサである。このため、季節や昼夜に関係なく観測を行うことができる。また、SARで用いるマイクロ波は、大気における透過率が高いので、雲による影響を受けることなく定期的な観測を行うことができる。これにより、従来の可視・近赤外のセンサでは観測することができなかった台風や低気圧下における海面の様子を観測することができる。
可視・近赤外センサは、観測高度が高くなると地表面の空間分解能は低下する。通常、この種のセンサは観測高度が2倍になると空間分解能は4分の1になる。
SARの空間分解能は、観測に用いているマイクロ波パルスの長さ、パルスの帯域幅、アンテナの大きさなどから決まるため,観測高度や用いているマイクロ波の波長には無関係である。そのため、人工衛星の観測高度からも高い空間分解能で観測することができる。また、SARは、パルス圧縮や合成開口処理によって、他のマイクロ波センサと比較して極めて高い空間分解能を有している。
SARは、マイクロ波を斜め下方向に照射して、海面からの反射・後方散乱波の強度を測定している。マイクロ波の反射・散乱現象は海面の粗さと傾斜による影響を強く受ける。特に、SARで海面を観測すると、海面に存在する波浪によってマイクロ波の入射角の大きさが連続的に変化する様子を観測することができる。このマイクロ波の入射角の変化を解析することにより、波浪の情報(波高、波向、周期、方向スペクトル)を得ることができる。
SAR画像をスペクトル解析することによって得られる2次元波数スペクトルと、波浪の方向スペクトルとの関係については、これまで様々な研究が行われ、両者を関係づける定式化がなされてきた。例えば、Hasellman(1991)は、準線形理論に基づいて合成開口処理の際に生じる非線形の効果を考慮して定式化を行っている。
SAR画像の2次元波数スペクトルから波浪の方向スペクトルを求めるためには、これらの関係式の逆解析を行わなければならない。これまで、この逆問題を解析する方法には以下のようなものがある。
Hasselmann,K.and S.Hasselmann,"On the Nonlinear Mapping of an Ocean Wave Spectra into a Synthetic Apture Radar Image Spectrum and its Inversion",J.Geophys.Res.,Vol.96,No.C6,1991,pp.10713−10799. Engen,G.,H.Johnsen,H.E.Krogstad,S.F.Barstow,"Directional wave spectra by inversion of ERS−1 synthetic aperture radar ocean imagery",IEEE Trans. On Geoscience and Remote sensing,Vol.32,No.2,1994,pp.340−352 泉宮尊司,居場博之,"合成開口レーダによる海面画像の順線形理論に基づいた逆解析解の存在とその特性",海岸工学論文集,第47巻,2000,pp.1326−1330
非特許文献1の逆解析法は、波浪推算で与えた初期条件に依存するような解析法なので、初期条件として与える波浪推算が存在しない場合には解析することができない。いわゆる初期値に依存した解析法(初期値問題がある解析法)になっている。
非特許文献2及び3の逆解析法は、解を一意に決めるために人為的な処理を行っていて、完全に逆問題を解いた形になっていないために、必ずしも精度良く波浪の方向スペクトルを推定できない。また、SAR画像中に存在するノイズの大きさに依存して、その精度が大きく変化してしまう。
そこで、本発明は、合成開口レーダに代表されるレーダ画像から、統計学と情報学に基づいて、初期値や画像中のノイズに依存することなく高精度で、波浪の方向スペクトルを逆推定する方法及びシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定方法は、次の構成を備える。
すなわち、レーダで電波を海面に照射し、その後方散乱の強度を処理して得られた画像から、波浪の方向スペクトルを逆推定する方法において、波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用し、レーダの方位と周波数の座標で展開し、ベイズモデルを導入して後方散乱波の強度画像から波浪の方向スペクトルを求めることを特徴とする。
ここで、波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用した結果得られる積分方程式に対して、対数をとり、波浪の波向を半円方向に限定し、積分を離散化することで、積分方程式を非線形代数方程式に近似して、画像の2次元波数スペクトルの変動を滑らかにし、波浪方向スペクトルの推定精度の向上に寄与させてもよい。
滑らかな分布をする波浪の方向スペクトルの先験条件を、ベイズモデルの事前分布に組み込み、その先験条件の重み係数を、ABIC(赤池のベイズ型情報基準)の最小化によって決定し、ベイズの最尤法によって、波浪の方向スペクトルを逐次近似で求めて、過剰な先験条件と先験条件に対する重み係数の客観的な決定に対応させてもよい。
また、本発明のレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定システムは、レーダで電波を海面に照射し、その後方散乱の強度を処理して得られた画像から、波浪の方向スペクトルを逆推定するシステムであって、波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用し、レーダの方位と周波数の座標で展開し、ベイズモデルを導入して後方散乱波の強度画像から波浪の方向スペクトルを求める演算部を備えることを特徴とする。
本発明によると、少ない計算量で精度高く、レーダ画像から波浪方向スペクトルを逆推定することができる。特に、実際の観測で画像中に生じるスペックルノイズの影響を最小限に抑えて、推定精度を向上させることができる。
SAR等のレーダ画像をスペクトル解析することによって得られる2次元波数スペクトルと、波浪の方向スペクトルとの関係については、これまで様々な研究が行われ、両者を関係づける定式化がなされている。
本発明では、Hasellman(1991)が提案した準線形理論に基づいて定式化された以下の式を用いて、2次元波数スペクトルから波浪の方向スペクトルを逆推定する。
Figure 2005043333
ここで、k=(k,k)は波浪の波数ベクトル、k(=|k|)は波数、kはアジマス方向の波数、kはレンジ方向の波数、Rは人工衛星と観測地点との距離、Vは人工衛星の移動速度、SSAR(k)はSAR画像の2次元波数スペクトル、S(k)は波浪の方向スペクトル、T(k)とT(k)はそれぞれ変調関数を表し、以下のように定式化されている。
Figure 2005043333
Figure 2005043333
ここで、ωは波浪の周波数、kradarはSARで使用しているマイクロ波の波数、θはマイクロ波の海面への入射角、Mtitl(k)、Mhydro(k)、Mvb(k)はそれぞれ傾き変調関数、水理学的変調関数、速度バンチング変調関数を表している。
傾き変調関数Mtitl(k)、水理学的変調関数Mhydro(k)、速度バンチング変調関数Mvb(k)はそれぞれ以下に示すように定式化されている。
Figure 2005043333
Figure 2005043333
Figure 2005043333
Figure 2005043333

する。これにより、方向スペクトルS(f,θ)は、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数を用いて以下のように定義する。
Figure 2005043333
ここで、Iは周波数分割数、Jは方向分割数で、δi,j(f,θ)はデルタ関数をそれぞれ表している。デルタ関数δi,j(f,θ)は以下のような関係を満足している。
Figure 2005043333
また、式7における周波数fと方向角θは、それぞれ次式によって離散化する。
Figure 2005043333
式7を式1に代入すれば、式1は未知数X=(x1,1,・・・,xI,Jを含む積分方程式になる。
しかしながら、式1において指数部に積分が存在するため、容易には式1から波浪の方向スペクトルを逆推定することはできない。
そこで、本発明では、式1の両辺の対数を取り、以下のように式変形を行った。
Figure 2005043333
上記のように変形することにより、観測より得られるSARなどのレーダ画像の2次元波数スペクトルの変動は滑らかになり、推定する方向スペクトルの推定精度が向上する。
特に、実際の観測では、画像中にはスペックルノイズと呼ばれる時空間での変動が激しいノイズ成分が混入し、画像の2次元波数スペクトルの変動を大きくしている。そのため、この大きな変動ために推定される方向スペクトルの精度が著しく低下する。本発明では、対数を取ることにより、このノイズの影響を最小限にし、推定精度を向上させた。
画像から特定される波浪の波向には180度のあいまいさが存在する。
この180度のあいまいさを表現するために式10の右辺第2項は、{|T(k)|(k)+|T(−k)|(−k)}の形を取っている。
本発明では、推定する方向スペクトルにおいて、波浪の波向を0〜180度に限定することにより式10の第2項中の|T(−k)|(−k)を省略することができるようにした。つまり、式10は以下のように変形することができる。
Figure 2005043333
式11の積分を離散化することにより、積分方程式は非線形代数方程式で近似することができる。
本発明では、式11の離散化した積分を計算するために、求める波浪の方向スペクトル値をその4近傍の格子点上の方向スペクトルを用いて、以下のようにして内挿することにより算定する。
Figure 2005043333
Figure 2005043333

きるようにした。
さらに、画像の2次元波数スペクトルの誤差Eε4を考慮し、最終的には、式1の積分方程式は、次式で表される未知数X=(x1,1,・・・,xI,Jを含む非線形代数方程式で近似される。
Figure 2005043333
ここで、F(X)は波数ごとに積分方程式を離散化したベクトル関数、サフィック
Figure 2005043333

は、次式で与えられる。
Figure 2005043333
波浪の方向スペクトルは離散的一定値関数として近似したが、各区間のエネルギーの相関については考慮していない。波の線形性からは各微小区間毎のエネルギー分布はそれぞれ独立であると見なされるが、方向スペクトルが不連続なエネルギー分布をしているとは考えにくい。また、一般に方向スペクトルは滑らかな連続関数であると見なされている。
したがって、ここでは方向スペクトルS(f,θ)が滑らかであるという仮定の表現として、8方向の微分オペレータを用いて以下のように先験条件を規定する。
Figure 2005043333
また,解析対象周波数の上限(i=I)及び下限(i=1)では、5方向の微分オペレータを用いて以下のように先験条件を規定する。
Figure 2005043333
以上、式15と式16を用いると先験条件は、次のように表せる。
Figure 2005043333
ただし、xi,0=xi,J、xi,−1=xi,J−1とする。式13は作用行列Dを導入することにより、次のように行列表現できる。
Figure 2005043333
式18は、その値が小さいほど、方向スペクトルの推定値が滑らかになることを表している。
したがって、方向スペクトルS(f,θ)の推定値としては、式18をあまり大きくしない範囲で尤度(式14)の大きいものが望ましい。
これを定式化すると、適当なパラメータu(超パラメータ、重み係数)を用いて、
Figure 2005043333
を最大化するX=(x1,1,・・・,xI,Jを求めればよい。
これはベイズの推論方法において、事後分布pPOST( )の
Figure 2005043333
の関係式において、X=(x1,1,・・・,xI,Jの事前分布として、次式を想定したことに相当する。
Figure 2005043333
を与えれば、式21を最大化するXは、λに無関係に決まり、
Figure 2005043333

を最小化することにより得られる。
つまり、画像の2次元波数スペクトルから方向スペクトルを逆推定する逆問題を、式22で表される最小値検索問題に帰着したことに相当する。
ここで、式22の第1項は客観的な誤差エネルギーを表し、第2項は主観的な誤差エネルギーをそれぞれ表している。
客観的な誤差エネルギーは、観測値と推定値の一致度を表し、この値が小さいほど観測値と推定値が良く一致していることを表している。これに対して、主観的な誤差エネルギーは、推定された方向スペクトルが先験条件をどの程度満たしているのかを表している。
超パラメータuは主観的な誤差エネルギーの重みを与える定数で、その値が小さくなれば推定される方向スペクトルは画像の2次元波数スペクトルに一致するように推定され、その値が0のときは事前確率分布(先験条件)を考慮しない最小2乗法によって推定される方向スペクトルと同じ結果を得る。これに対して、超パラメータuの値が大きくなると、推定される方向スペクトルは主観(先験条件)にかなったものになり、画像の2次元波数スペクトルの値が推定に反映されなくなる。
超パラメータuとλは、次式で表されるABIC(赤池のベイズ型情報量基準、赤池(1980))を最小化することで、解の確からしさと滑らかさの両方の観点から望ましいuが決められる。
Figure 2005043333
方向スペクトルを推定する場合、式17の最小化及び式18の積分と最小化を実行しなければならない。しかしながら、いまの場合それらを解析的に行うことは不可能である。
そこで、テイラーの微分補正法を用いて式22を線形化し、繰り返し計算によ
Figure 2005043333

てXのまわりでF(X)をTaylor展開すると、
Figure 2005043333
Figure 2005043333
となる。
式24を用いて式13を行列表示すると、次のようになる。
Figure 2005043333
Figure 2005043333
Figure 2005043333

まず、適当なu及びXの初期値Xを与えて、式28で示される最小2乗法によ
Figure 2005043333
Figure 2005043333
ここで、最初にXを与えて式28に最小2乗法を適用し、第1近似解X(1)を算出する。次に式26のXをX(1)に置き換えて、式28に最小2乗法を適用し、X(2)
Figure 2005043333
得られた結果を用いて、次式により、与えられたuに対するABICを算出する。
Figure 2005043333
Figure 2005043333
次いで、uを種々に変えて上記の計算を繰り返す。
Figure 2005043333
Figure 2005043333

S(f,θ)が得られる。
なお、本発明では、適用する際の数値計算の利便性を考え、全ての計算ケースで初期値Xを0として計算し、数値計算の安定性を確認している。また、式28の繰り返し計算の収束基準としては、(k+1)ステップ目における未知数の変化の大きさ‖X(k+1)−X(k)‖と(k)ステップ目における未知数の大きさ‖X(k)‖との比が10−2以下に
Figure 2005043333

また、超パラメータuの設定に際しては、一般には下式を用い、格子探索法による繰り返し計算を行っている。
Figure 2005043333
本発明の推定精度及び問題点を明らかにするために、数値シミュレーションによる検証を行った。
この検証では、モデル波浪の方向スペクトルからSAR画像の2次元波数スペクトルを算定し、本発明による波浪の方向スペクトル逆推定法によって波浪の方向スペクトルを逆推定した。推定結果と計算の初期条件で与えたモデル波浪の方向スペクトルとの比較を行うことにより、本発明で提案した推定法の精度及び問題点を検証した。
計算の初期条件で与えるモデル波浪の方向スペクトルS(f,θ)のは以下に示すBretschneider−Mitsuyasu型周波数スペクトルS(f)と光易型型方向分布関数G(θ)のを掛け合わせたものを用いた。
Figure 2005043333
Figure 2005043333
Figure 2005043333
Figure 2005043333
ここで、fは周波数、θは波向、H1/3は有義波高、T1/3は有義周期、θは主波向、
Figure 2005043333

をそれぞれ表している。
図1に、モデル波浪の方向スペクトルの一例を示す。主波向0度、有義波高2[m]、有義周期6[s]、集中度パラメータ80の場合の方向スペクトルを示している。
図1に示される波浪の方向スペクトルを式6に代入して計算したSAR画像の2次元波数スペクトルを図2に示す。図2は、SARによって海表面を観測して得られる画像を2次元のスペクトル解析をすることによって得られる。
図3にSAR画像の2次元波数スペクトル(図2)から、波浪の方向スペクトルを逆推定した結果を示す。
図1と図3を比較すると、波浪の方向スペクトルの形状が非常に類似していることがわかる。また、両者の有義波高と有義周期がほぼ一致し、SAR画像の2次元波数スペクトルから波浪の方向スペクトルを精度良く推定できていることがわかる。
図4〜7に主波向を変化(90度、180度、225度、270度)させたときの逆推定結果を示す。これらの図より、波向によらず、SAR画像の2次元波数スペクトルから波浪の方向スペクトルを精度良く逆推定することができることがわかる。
本発明によると、実際の観測で画像中に生じるスペックルノイズの影響を抑えて、レーダ画像から波浪方向スペクトルを実用レベルの高精度で逆推定することができる。これによって、気象海象予報や海難防止の他、海洋学や、海岸工学、水産業等の分野でも有用である。
モデル波浪の方向スペクトルの例を示すグラフ SAR画像の2次元波数スペクトルのグラフ SAR画像2次元波数スペクトルから、波浪方向スペクトルを逆推定した結果のグラフ 主波向を変化(90度)させたときの真値とその逆推定結果のグラフ 主波向を変化(180度)させたときの真値とその逆推定結果のグラフ 主波向を変化(225度)させたときの真値とその逆推定結果のグラフ 主波向を変化(270度)させたときの真値とその逆推定結果のグラフ

Claims (4)

  1. レーダで電波を海面に照射し、その後方散乱の強度を処理して得られた画像から、波浪の方向スペクトルを逆推定する方法であって、
    波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、
    これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用し、
    レーダの方位と周波数の座標で展開し、ベイズモデルを導入して後方散乱波の強度画像から波浪の方向スペクトルを求める
    ことを特徴とするレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定方法。
  2. 波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用した結果得られる積分方程式に対して、
    対数をとり、波浪の波向を半円方向に限定し、積分を離散化することで、
    積分方程式を非線形代数方程式に近似する
    請求項1に記載のレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定方法。
  3. 滑らかな分布をする波浪の方向スペクトルの先験条件を、ベイズモデルの事前分布に組み込み、
    その先験条件の重み係数を、ABIC(赤池のベイズ型情報基準)の最小化によって決定し、
    ベイズの最尤法によって、波浪の方向スペクトルを逐次近似で求める
    請求項1または2に記載のレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定方法。
  4. レーダで電波を海面に照射し、その後方散乱の強度を処理して得られた画像から、波浪の方向スペクトルを逆推定するシステムであって、
    波浪の方向スペクトルを、指数部に離散的一定値関数を有する指数関数で表し、
    これを、準線形理論に基づく波浪の方向スペクトルとレーダ画像の2次元波数スペクトルとの関係式に適用し、
    レーダの方位と周波数の座標で展開し、ベイズモデルを導入して後方散乱波の強度画像から波浪の方向スペクトルを求める演算部を備える
    ことを特徴とするレーダ画像からの波浪方向スペクトル逆推定システム。
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