JP2005041896A - 磁気粘性流体 - Google Patents

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Shinko Yamakawa
真弘 山川
Tetsuya Kuwabara
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Abstract

【課題】クラッチやダンパー等の力の伝達機構や、耐震建築構造の一部材として利用される、含まれる磁性粉末が二次凝集せず粗大化しない、磁性粘性流体の長期安定性を向上する。
【解決手段】液状分散媒と磁性粉末を主成分とする磁気粘性流体の、磁性粉末の形状に特徴があり、その磁性粉末は、平均粒径400nm以下の粒子が鎖状につながっている形状をもつか、または、枝分かれのない直鎖状につながっている形状をもつ。その配合量は5重量%〜70重量%が好ましい。また、使用する液状分散媒は25℃における動粘度が100cSt以上のものが好ましく用いられる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクラッチやダンパーなどに利用可能な、磁気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気粘性流体(MR流体)は、液状分散媒中にミクロンサイズの磁性粉末を分散させてなる懸濁液である。この液体に外部から磁場を作用させると、磁性粉末がクラスターを形成し、液体が増粘あるいはゲル化し、液体の内部応力が増加する。すなわち、磁場の作用がない条件では流体として働き、磁場の作用がある条件では剛体のように働き、剪断流れや圧力流れに対し抗力を示す。
このMR流体と類似の作用を有するものに、電気粘性流体(ER流体)がある。ER流体は、誘電性粒子を電気絶縁性液体に分散させてなる懸濁液である。MR流体は磁場による内部応力変化を利用するものであるが、ER流体は電場による内部応力変化を利用するものである。従って、MR流体に比べ、内部応力の変化が小さく、使用可能な温度範囲が狭く、応答速度が遅い等の弱点がある。
【0003】
MR流体は、前記した特徴から、微妙な力の変化を伝達したり、応答したりする手段として注目されている。例えば、クラッチやダンパーと言った力の伝達機構として、耐震建築構造の一部材として、また、バーチャルリアリティーへの応用や人工筋肉等の生体への応用として用途が考えられている。しかし、実用化までには至っていないのが現状である。
【0004】
MR流体の構成は、液状分散媒と磁性粉末を主成分としているが、一方は液体であり、他方が固体であるため、放置しておくと磁性粉末が沈降することがある。また、繰り返し磁場をかけることにより、磁性粉末の一部が凝集し、安定した分散状態を維持できなくなることもある。こうした長期安定性に対し、その対策として磁性粉末の表面をエポキシ基又はアミノ基を含有するシランカップリング剤で処理し、アミノ基変性ポリジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとの混合分散媒中に分散させる手段が開示されている(特許文献1参照)。また、分散媒にポリジメチルシロキサンを用い、磁性粉末の分散剤にポリジメチルシロキサン、並びに、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸の共重合体を用いた例が記載されている(特許文献2参照)。
【0005】
他の例として、2種類の平均直径を有する1〜100μm程度の磁性粉末を分散媒に分散させ、第2の平均直径と第1の平均直径の比が5〜10である磁気粘性流体の開示がある(特許文献3参照)。この目的は、直径の異なる2種類の球状の磁性粉末を用いることにより、磁場の有無での剪断応力の差を大きく取ることが出来ると記載している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−200284号公報、(0007−0010)
【特許文献2】
特開2001−329285号公報、(0008−0012)
【特許文献3】
特開平10−32114号公報、(請求項1,0007−0011)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、これらの特許文献に記載された発明においては、使用される磁性粉末の形状は球状であるか、それに類似するものと受け止められる。このように球状に近い粒子では、本質的に二次凝集し粗大化する可能性を有する。従って、本発明はさらなる長期安定化する(耐久性が向上する)磁気粘性流体を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、液状分散媒、磁性粉末を主成分とする磁気粘性流体であって、前記磁性粉末の量が5重量%〜70重量%であり、かつ平均粒径400nm以下の粒子が鎖状につながった形状であることを特徴とする。すなわち、使用する磁性粉末が鎖状につながって、方向性のある形状を有すると、外部から磁場を作用させたときに、形状の効果によりクラスターの形成がスムーズに行われるため、得られる抗力が安定し、かつ応答性が早い等の特徴がある。
本発明の第2の発明は、液状分散媒、磁性粉末を主成分とする磁気粘性流体であって、前記磁性粉末の量が5重量%〜70重量%であり、かつ平均粒径400nm以下の粒子が枝分かれのない直鎖状につながった形状であることを特徴とする。本発明も、第1の発明と同様の特徴を有する。
【0009】
以上の2つの発明に共通して、嵩密度は小さく、磁性粉末としての配合量が、鎖状につながっていない球状粒子に比べ少量で同等の効果を得ることが出来る。さらには、磁場のON/OFFによる配向/非配向を繰り返しても、2次凝集のような非可逆変化が起こりにくく、磁気粘性特性を保持する。
前記磁性粉末は、形状が合う磁性粉末であれば、酸化物等でも構わないが、チタンよりイオン化傾向が低い金属の単体、合金、複合体のいずれかであるのが好ましく、また、前記磁気粉末が、還元剤として三塩化チタンを用い、液相還元法により作製されたものであるのが好ましい。
そして、前記液状分散媒の25℃における動粘度が100cSt以上であると、長期安定性に優れており、好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明に用いる、平均粒径400nm以下の粒子が鎖状につながった形状を有する磁性粉末は、ほぼ球状の粒子が数十乃至数千個つながって鎖状になっている。特に鎖状とは、前記球状の粒子がある個数並ぶ間に、枝分かれする部分を有していると定義する。
そしてその製造方法の一例は、磁性を有する金属の酸化物とクエン酸ナトリウム等の錯化剤と四塩化チタンを用意し、おのおの水溶液とする。四塩化チタン溶液は、予め陰極電解処理により、一部を還元し、三価のチタンイオンを生成させておく。これらの水溶液を混合し、均一にしてから、この混合液にアンモニア水を加え、pHを大きくする。その後数分から数十分撹拌して、磁性粉末を析出させ、濾過することにより磁性粉末の骨格を得る。得られる磁性粉末の骨格は、平均粒径が400nm以下の粒子が鎖状につながったものになる。鎖の長さは、反応時間の長短で調節できるが、別途、分散剤を用いて調整する手段もある。分散剤には、カルボン酸基を有する炭化水素系分散剤、塩基性窒素原子を含むアミン系分散剤、含硫黄系分散剤等、吸着基を分子内に複数有する高分子系分散剤等を用いるとよい。得られる磁性粉末は、約数μm〜数十μm程度の長さのものとなる。
このままでも使用できるが、この磁性体の骨格を酸化処理することにより、表面を変性しても構わない。また、使用する分散媒に親和性のよい表面処理を施すことによる安定化処理をすることも可能である。
【0011】
本発明の第2の発明に用いる、平均粒径400nm以下の粒子が枝分かれのない直鎖状につながった形状を有する磁性粉末は、ほぼ球状の粒子が数十乃至数千個線状につながっている。直鎖状とは、前記球状粒子が枝分かれなくつながっておればよく、直線でなくても構わない。
そしてその製造方法の例は、前記鎖状の磁性粉末を製造する方法とほぼ同じであるが、アンモニア水を加え、pHを大きくしたあとに、一定方向の磁場を加えた状態で撹拌することによって得られる。出来上がった直鎖状の磁性体骨格は、鎖状の磁性体で説明した内容と同じ処理により、表面処理をすることが可能である。
【0012】
以上から、前記磁性体粉末が、チタンよりイオン化傾向が低い金属の単体、合金、複合体のいずれかであると、後処理が不要であり、使用しやすい。
ここで、合金とするには、所望の複数種の金属酸化物を最初に加えて反応を進めれば、合金の状態で鎖状もしくは直鎖状の磁性粉末を得ることができる。また、複合体とするには、一旦、鎖状もしくは直鎖状の磁性粉末を作製した後、該磁性粉末にコートする金属の酸化物を水溶液とし、三価のチタンイオンと錯化剤の存在する溶液に前記水溶液を加え、アンモニア水でpHを大きくしてから該磁性粉末を加えれば、作製できる。
以上の製造方法を纏めて、三塩化チタンを用いる液相還元法と呼ぶ。
【0013】
本発明に使用する液状分散媒は、本発明の第1の発明及び第2の発明に共通して使用できるが、常温で蒸気圧が小さい、高沸点溶媒が好ましく利用できる。
具体的には、流動パラフィン、鉱油、スピンドル油、高級アルキルベンゼン、高級アルキルナフタレン、ポリブテン、ポリαオレフィン油等の炭化水素系油類、アルキルジフェニルエーテル、アルキルトリフェニルエーテル等のフェニルエーテル類、ジオクチルアゼレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルフタレート、ジヘキシルマレエート等のジカルボン酸エステル類、トリメチロールプロパンnヘプチルエステル、ペンタエリスリトールテトラ2エチルヘキシルエステル等のポリオールポリエステル類、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリ2エチルヘキシルエステル、リン酸トリクレジルエステル、リン酸トリキシリルエステル、リン酸トリアリルエステル等のリン酸エステル類、ジメチルシリコンオイル、メチルヒドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルシリコンオイル、αメチルスチレン変性シリコンオイル、アルコール変性シリコンオイル、アミン変性シリコンオイル、ポリエーテル変性シリコンオイル、塩素化シリコンオイル、フッ素化シリコンオイル等のシリコンオイル類等が好ましく用いられる。特にシリコンオイル類が好ましい。
【0014】
本発明の第1の発明及び第2の発明において、磁性粘性流体中の磁性粉末の配合量は、磁性粉末が球状もしくはそれに近い形状のものに比べ、磁場を掛けたときに、少量でも十分なクラスター形成が出来るため、配合量を少な目にすることが出来る。これは重量の軽減に効果があり、かつ経済的に有利である。また、磁性粉末自体が、嵩高い形状であるため、見かけの密度が小さくなり、球状粒子より沈降しにくく、磁性粘性流体の寿命が長い。
好ましい配合量は、磁性流体全体の5重量%〜70重量%の範囲が適当である。5重量%未満であると、磁性粉末を外部磁場により配向させても、剪断流れや流体流れに対する抗力が不足であり、70重量%を超えると、嵩高い磁性粉末であるため、外部磁場により配向させる際に、粒子同士の絡み合いや接触により、磁気粘性流体の応答性が低下する。また、得られる抗力が不安定となる可能性がある。
特に好ましい量は、磁性流体全体の10重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは、磁性流体全体の20重量%〜50重量%とするのがよい。
【0015】
前記磁性粉末を用いて、磁性粘性流体とする手段は、特に限定されない。やや粘性のある流体に粉体を混合する、ごく通常の製造方法を用いればよい。
例えば、磁性粉末を液状分散媒の入った容器に加え、プロペラ撹拌等により分散させた後、ホモジナイザー、三本ロール等の分散機を用いるか、自転と公転を組み合わせた回転撹拌脱泡装置を用いるかすれば良い。
ここで用いる液状分散媒は、長期にわたり磁性粉末を沈降させずに保持することで、磁性粘性流体の寿命を長く保つため、常態での粘性を考慮する必要がある。本発明では、第1の発明、第2の発明に共通して、使用する分散媒の25℃における動粘度が100cSt以上有るものが長期安定性があり、好ましい結果を得ている。100cSt未満の場合は、磁性粘性流体の寿命がやや短くなる傾向にある。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(磁性粉末の作製)
四塩化チタン(0.2mol/L)水溶液を用意し、陰極電解処理により、約60%のチタンイオンを三価に還元した。水溶液のpHは約4となった。次に、塩化ニッケル水溶液とクエン酸三ナトリウム水溶液を、塩化ニッケル0.04mol/L、クエン酸三ナトリウム0.3mol/Lとなるように混合し、反応液とした。
前記チタン水溶液を撹拌しつつ、pH調整剤のアンモニア水を加え、pHを9.2とした。この溶液に、溶液中心で0.01Tとなる磁場を印加した状態で前記反応液を加え、液温を40℃に保ちつつ数分撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液を濾過により回収し、水洗して非活性ガス雰囲気中で乾燥し、磁性粉末を得た。得られた磁性粉末は、電子顕微鏡観察により、ほぼ直鎖状で、長さ10μm、平均粒径は100nmであった。この直鎖状ニッケル微粉末をサンプル1とした。
【0017】
次に、前記の作製手段において、磁場を加えずに同様の操作をし、懸濁液を作製した。この懸濁液を濾過、水洗、乾燥したのち、得られた金属微粉末を電子顕微鏡で観察した。得られた金属微粉末は、分岐を有する鎖状につながったニッケル微粉末であり、平均サイズは、長さ5μm、平均粒径は100nmであった。この鎖状ニッケル微粉末をサンプル2とした。
別途、比較用にカルボニル鉄粉(球状、平均粒径4μm)を用意した。
【0018】
(磁性粘性流体の作製)
液状分散媒は、25℃における動粘度の異なる種類のポリジメチルシロキサンを選び使用した。
前記サンプルの磁性粉末を液状分散媒に加え、予備混合した後、三本ロールに3回通して均一な磁気粘性流体を作製した。その配合量(重量%)を表1(実施例)、表2(比較例)に記載する。
【0019】
(特性評価)
出来上がった磁気粘性流体は、その性状を以下の評価方法を用いて評価した。(初期磁気粘性特性) 図1に磁気粘性特性評価試験装置の概要を示す。この装置は、装置本体1と制御及びデータを採取するパソコン5からなり、装置中央部のシリンダー2の内部に磁性粘性流体3を満たし、その周囲に電磁石4を配備している。装置上部には上下するピストン7が用意され、パソコン5からの入力6により、ピストン7が作動し、磁性粘性流体3の特性を調査できる。電磁石4のオンオフにより、磁性粘性流体3の特性が変化する状況を出力8を経由してパソコン5に記録される。
前記装置に、作製直後の磁気粘性流体を充填し、これに周波数1Hz、振幅10mmの繰り返し変位を加え、磁場オフ、及び0.1Tの負荷における変位と荷重との関係を調べた。横軸に変位をとり、縦軸に荷重をとってプロットすると、変位−荷重曲線が囲む面積が得られる。磁場オフの場合と、磁場0.1Tの場合とでその面積が異なり、該面積が損失エネルギーを示すため、磁場オフ時の損失エネルギーに対する、磁場0.1T時の損失エネルギーの増加率を算出できる。使用した磁気粘性流体は、全て3サイクル目で損失エネルギーの値が一定になったため、3サイクル目の値を採用した。
この評価において、磁気による損失エネルギーの大きいほど、磁性粘性流体としては好ましいものとなるため、前記損失エネルギーの増加率が200%以上となるものを良好と判断した。
【0020】
(クリープ特性) 図1に示す磁気粘性特性評価試験装置のシリンダーに、作製直後の磁気粘性流体を満たし、0.1Tの磁場を印可するとともに、前記の初期磁気粘性特性測定時に用いた最大荷重の50%の荷重を加えた。荷重負荷時の位置から、5mm変位するまでの時間を記録した。時間が長いほど、クリープ特性が大きく、磁性粉末による効果が大きい。この評価においては、クリープ特性4時間以上となるものを良好と判断した。
【0021】
(回復特性) 前記の初期磁気粘性特性を測定した磁気粘性流体を、50℃の雰囲気に3ヶ月静置した。3ヶ月放置後、室温に戻し撹拌してから、初期磁気粘性特性を測定した方法に合わせて同様の測定をし、放置後の損失エネルギーの増加率を得た。この値を初期の損失エネルギーの増加率で割った値を回復特性の尺度とした。放置による影響がない場合は、回復率が100%である。従って、放置による劣化の指標として、回復率90%以上となるものが、良好と判断した。
【0022】
(分散安定性) メスシリンダーに作製直後の磁気粘性流体を30ml入れ、蒸発防止用処置を施してから、50℃の雰囲気中で3ヶ月放置した。3ヶ月放置後、上澄み層の有無を確認すると共に、その量をチェックした。分散が、50℃で3ヶ月の放置にもかかわらず、安定しておれば、上澄み層の存在がない。従って、上澄み層の存在量は少ないほど好ましいが、分散安定性の指標として、上澄み層の量をとり、その量が5ml以下であれば良好と判断した。
以上の評価により得られたデータを表1(実施例)及び表2(比較例)に示す。
【0023】
【表1】
Figure 2005041896
【0024】
【表2】
Figure 2005041896
【0025】
表1及び表2の結果に示されるとおり、本発明の第1の発明である実施例4と5は、損失エネルギー増加率、クリープ特性も大きく、多量の磁性粉末を加えずとも十分な磁性粘性流体の特性を有する。回復性も良く、長寿命である。本発明の第2の発明である実施例1,2及び3は、実施例4と5の特性には届かないが、十分な磁性粘性流体の特性を有する。特に第1の発明に比べ、回復性が良い。
液状分散媒の動粘度を小さいもの(50cSt)にした実施例6では、球状粒子のカルボニル鉄粉を用いた比較例1及び2に比べ、やや優れているが、他の実施例に用いた動粘度100cSt以上のもの(300cSt)にくらべ、磁性粘性流体としての特性は見劣りする。
本発明に用いた磁性粉末の量を減少した配合である比較例3では、磁性粉末の量が不足するため、十分な特性を有しない。逆に多くの磁性粉末を加えた配合である比較例4では、初期の磁気粘性特性は十分であるが、長期安定性に問題があり、回復率が大幅に低下した。これは、磁性粉末の密度が高くなりすぎ、互いに絡み合った状態となってしまったものと推察する。なお、磁性粉末の配合量が少なく、かつ液状分散媒の動粘度が100cStより小さいものを用いた、比較例5は、十分な磁性粘性媒体としての特性を持たず、かつ長期安定性にも欠ける結果となった。
【0026】
【発明の効果】
本発明になる磁性粘性流体は、従来の磁性粘性流体に比べ、加える磁性粉末の量を軽減でき、それでいて同等以上の特性を有するものであり、軽量化でき、かつ長期安定性のあるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特性調査に用いた装置の模式図である。
【符号の説明】
1.装置本体
2.シリンダー
3.磁性粘性流体
4.電磁石
5.パソコン
6.入力
7.ピストン
8.出力

Claims (5)

  1. 液状分散媒、磁性粉末を主成分とする磁気粘性流体であって、前記磁性粉末の量が5重量%〜70重量%であり、かつ平均粒径400nm以下の粒子が鎖状につながった形状であることを特徴とする磁気粘性流体。
  2. 液状分散媒、磁性粉末を主成分とする磁気粘性流体であって、前記磁性粉末の量が5重量%〜70重量%であり、かつ平均粒径400nm以下の粒子が枝分かれのない直鎖状につながった形状であることを特徴とする磁気粘性流体。
  3. 前記磁性粉末が、チタンよりイオン化傾向が低い金属の単体、合金、複合体のいずれかである請求項1または2に記載の磁気粘性流体。
  4. 前記磁性粉末が、還元剤として三塩化チタンを用い、液相還元法により作製されたものである請求項3に記載の磁気粘性流体。
  5. 前記液状分散媒の25℃における動粘度が100cSt以上である請求項1または2に記載の磁気粘性流体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266407A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Fujikura Kasei Co Ltd 電気レオロジーゲルおよびその製造方法
CN114641627A (zh) * 2019-11-14 2022-06-17 西门子歌美飒可再生能源公司 用于风力涡轮机的阻尼器

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