JP2005040286A - 歩行訓練装置 - Google Patents

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Nobuyoshi Morita
信義 森田
Takao Torii
孝夫 鳥居
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Abstract

【課題】在宅で利用でき、人の歩行の補助ができ、上下運動を行うことができる安全で安価な歩行訓練装置を提供する。
【解決手段】モータ3に連結された回転駆動部4と、この回転駆動部4に連動して上下動する昇降部5と、この昇降部5の上部に設けられた一対の足載せ台6aとを備え、回転駆動部4は、基台上に並設されて両側には右ねじ8aと左ねじ8bがそれぞれ形成され、軸受を介して回転自在に支承された一対の回転軸8を備え、昇降部5は、右ねじ8aと左ねじ8bにそれぞれ螺合するナット10に固定された台座12と、これら台座12と足載せ台6間に揺動自在に軸支された脚部材17を備え、回転軸8の回転によって足載せ台6aを交互に上下動させた。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行機能回復のための訓練を行なう歩行訓練装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、年齢が高くなり脚力が衰えた人や、病気や事故により歩行機能に障害が生じた人に対して、歩行機能を向上・回復・維持する訓練の必要性が高くなってきている。このような人達に対して歩行機能を回復させるリハビリテーションや訓練は重要であり、その主な手段として歩行訓練装置がある。
【0003】
従来の歩行訓練装置としては、無限軌道ベルトが設けられた歩行部を備えたトレッドミルと呼ばれるものがある。この歩行訓練装置においては、無限軌道ベルトが被被訓練者の右足用・左足用に分離されたものもあり、左右の無限軌道ベルトが別々に設定された速度で駆動され、片足麻痺の患者でも無限軌道ベルトの速度に歩調を合わせ、立ち居での歩行訓練が行なえる。
【0004】
しかしながら、このような歩行訓練装置では、無限軌道ベルトは設定された一定速度でしか移動できないため、被被訓練者が一定の歩調で歩行訓練を行なって筋力向上を図るには有意義であるが、歩調の乱れを被被訓練者が自ら補正する、所謂転倒防止訓練等を行なうには充分ではない。
【0005】
こうした問題を解決したものとして、図13および図14に示すような歩行訓練装置が知られている。この歩行訓練装置51は、無限軌道ベルト52が設けられ、無限軌道ベルト52上で被被訓練者が歩行訓練を行なう歩行部60と、無限軌道ベルト52を駆動する駆動部53と、駆動部53を制御して無限軌道ベルト52の速度を調整する制御部54とを備えている。また、制御部54には、無限軌道ベルト52の速度、およびその速度を変化させるタイミング等のデータが入力されるデータ入力部55が接続されている。
【0006】
無限軌道ベルト52は、被被訓練者の右足用ベルト52aと左足用ベルト52bとに分離されている。また、駆動部53も、右駆動部53aと左駆動部53bとに分離され、サーボモータ等のアクチュエータで構成されている。駆動部53a、53bにはパルスエンコーダ等の位置検出器70a、70bがそれぞれ取付けられ、駆動部53a、53bの回転に伴ってパルスを出力し、このパルス信号は制御部54に入力される。制御部54には、CPUとパルス信号をカウントするカウンタが設けられており、カウントデータに基き、駆動部53a、53bの現在の回転速度を算出すると共に、無限軌道ベルト52a、52bがデータ入力部55から入力設定された速度となるように駆動部53a、53bに流す制御電流を調節する。
【0007】
さらに、被被訓練者の身体を支持する介助部56と、被被訓練者の腰に腰ベルト57を装着し、介助部56の先端に腰ベルト57を接続している。これにより、被被訓練者が訓練中に転倒しそうになっても安全に訓練を行なうことができると共に、被被訓練者の下肢神経の感覚統合の機能(バランス機能)を強め、被被訓練者は転倒予防訓練を行なうことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−336315号公報(第3、4頁、第1、2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の歩行訓練装置は受動的な制御であるため、ある程度歩行機能が回復している状態でないと訓練ができないといった課題があった。さらに、映像部58により、被被訓練者に視覚的刺激を与え、被被訓練者は映像部58を見ながら快適に歩行訓練を行なえるよう工夫がなされた装置も市販されているが、装置自体が高価なために、病院等、限られた施設でしか利用できなく、被被訓練者が在宅で気軽に毎日訓練が行なえないという問題があった。
【0010】
また、歩行というのは、重心の揺動、脚の屈伸等を組み合わせた全身で行なう周期的な運動であり、足の運動は前後、上下、回転運動を含んでいる。これらの運動のうち、歩行障害者は特に上下運動を行うことが難しい。したがって、人の歩行訓練においては、水平方向の運動補助だけでなく、脚部の上下運動を補助することが重要である。このような知見に基き、歩行訓練によって歩行に必要な全身の感覚を取り戻すため、本発明に係る歩行訓練装置を開発するに至った。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、在宅で利用でき、人の歩行の補助ができる上下運動を行うことができる安全で安価な歩行訓練装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、基台上に設けられ、モータに連結された回転駆動部と、この回転駆動部に連動して上下動する昇降部と、この昇降部の上部に設けられた一対の足載せ台とを備え、前記回転駆動部は、前記基台上に並設されて両側には右ねじと左ねじがそれぞれ形成され、軸受を介して回転自在に支承された一対の回転軸を備え、前記昇降部は、前記右ねじと左ねじにそれぞれ螺合するナットに固定された台座と、これら台座と前記足載せ台間に揺動自在に軸支された脚部材を備え、前記回転軸の回転によって前記足載せ台を交互に上下動させる構成を採用したので、動力として家庭用100V電源のモータで動作可能となる。したがって、在宅で気軽に毎日利用することができ、かつ、簡単な構成で、安全で安価な歩行訓練装置を提供することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明のように、前記基台と足載せ台間に伸縮自在な弾性部材を配設すれば、この弾性部材の復元力によってモータの負荷トルクが軽減でき、足載せ台の昇降動作をスムーズにすることができる。
【0014】
好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記弾性部材が、立設した支持軸に外挿されたコイルばねからなり、前記足載せ台が左右水平状態よりも下方にある時にそのばね力が発生するように設定されていれば、足載せ台が左右水平状態になるまでの下降過程では、この弾性部材が圧縮されるようなことはなく、弾性部材の復元力が抵抗となってモータに負荷がかかるようなことはない。したがって、モータの負荷トルクが軽減されると共に、一層足載せ台の昇降動作をスムーズにすることができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、前記足載せ台が左右水平状態になる時、前記脚部材と水平面とのなす角度を40〜50°の範囲に設定したので、回転軸に対する水平方向の力を軽減でき、モータの負荷トルクを軽減することができる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、前記回転軸の回転を前記モータにより変化させ、前記足載せ台の昇降量と昇降速度および時間当たりの昇降数を可変としたので、歩行障害程度に応じた訓練メニューを設定することができ、効果的な歩行機能の回復訓練を行うことができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、前記足載せ台に圧力センサを装着し、この圧力センサの信号を制御部に入力して前記モータを制御したので、被訓練者の機能回復度合いに応じた効率的な訓練を行うことができる。
【0018】
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、基台上に設けられ、モータに連結された回転駆動部と、この回転駆動部に連動して上下動する昇降部と、この昇降部の上部に設けられた一対の足載せ台とを備え、予め採取した歩行の運動軌跡の成分に基き、この運動軌跡を歩行補助運動として再現し、この歩行補助運動の振幅、振動数、および波形を被訓練者の障害程度に応じて前記モータで制御するようにしたので、予め測定・構築した運動軌跡等に基き、歩行補助運動の振幅・振動数・波形等を適宜設定・制御することができ、被訓練者の症状に合った訓練条件で効率良く行い、歩行機能の回復を促すことができる。さらに、加減速時間や待機時間等を設定することにより、足載せ台を一定のパターンで昇降させるだけでなく、様々なパターンで行うこともでき、訓練意欲を高め、快適なリハビリを行うことができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、前記歩行の運動軌跡の上下方向の成分と、予め採取した歩行時の足に負荷される荷重成分に基き、歩行補助運動の振幅、振動数、および波形を前記モータで制御し、前記歩行補助運動を直立した被訓練者の足裏から付与したので、重心の揺動を感じながら足の屈曲を促し、歩行機能の回復を効率的に行うことができる。
【0020】
好ましくは、請求項9に記載の発明のように、前記歩行の運動軌跡の成分が、健常者と歩行障害者、あるいは障害程度の異なる歩行障害者との比較において構築されたデータであれば、被訓練者の症状に合った訓練条件で効率良く段階的に選択して行うことができ、歩行機能の回復を促すことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る歩行訓練装置の第1の実施形態を示す平面図、図2は図1の正面図、図3および図4は、それぞれの要部拡大図で、図1における紙面下側(被訓練者を基準にすると右側)を表している。また、図5は、回転駆動部を示す要部平面図である。
【0022】
この歩行訓練装置1は、基台2上に設けられ、モータ3に連結された回転駆動部4と、この回転駆動部4に連動して上下動する昇降部5と、この昇降部5の上部に設けられた一対の足載せ台6とからなっている。また、基台2の左右両側からは上方に向かって一対のフレーム(図示せず)が一体的に立設されている。そして、これらフレームの上端同士が門の字型のアームバー(図示せず)によって互いに連結されている。被訓練者はこのアームバーに支持された状態で、足載せ台6にそれぞれ左右の足を載せて歩行訓練をすることになる。
【0023】
回転駆動部4は、基台2上に並設され、軸受7を介して回転自在に支承された一対の回転軸8、9を備えている。これら回転軸8、9の両側には台形ねじからなるハイリードの右ねじ8a、9aと左ねじ8b、9bがそれぞれ形成されている。そして、これら右ねじ8a、9a、左ねじ8b、9bにはそれぞれナット10が螺合されている。ナット10の外周にはフランジ10aが一体に突設され、これらのフランジ10aに固着された取付金具11を介して台座12が載置されている(図5参照)。なお、ここでは、台形ねじが形成された回転軸8、9にナット10を外挿した滑りねじ手段を例示したが、これに限らず、無論他の形状のねじであっても良いし、また、回転軸とナット間に無数のボールを転動自在に介装したボールねじであっても良い。
【0024】
図3および図4に示すように、昇降部5は、足載せ台6a(被訓練者の右足を載せる方の足載せ台)の下面と台座12の上面にそれぞれ設けられた支持部13、14と、これら支持部13、14に枢軸15、16を介して揺動自在に支持された脚部材17とからなる。足載せ台6aには一対の支持部13a、13bが前後(図中左右)に配設され、これら支持部13a、13bには枢軸15a、15bが架設されている。そして、これら枢軸15a、15bにはそれぞれ一対の脚部材17a、17bが揺動自在に支承されている。
【0025】
一方、台座12は、右ねじ8a側(図中右側)の第1の台座12aと、左ねじ8b側(図中左側)の第2の台座12bとからなる。台座12a、12bには一対の支持部14a、14bが前後(図中左右)に配設され、これら支持部14a、14bには枢軸16a、16bが架設されている。そして、これら枢軸16a、16bには脚部材17a、17bが揺動自在に支承されている。
【0026】
図1および図5において、一対の回転軸8、9の一端部と、モータ3にカップリング18を介して連結された中間軸19には図示しないスプロケットが固着されている。これらのスプロケットにはタイミングベルト20が噛合し、このタイミングベルト20を介してモータ3の回転が一対の回転軸8、9に伝達される。なお、本実施形態では、モータ3にACサーボモータを使用すると共に、回転軸8、9の回転数、ナット10の移動量、および加減速時間等のパラメータを制御部(図示せず)によって制御し、所望の上下運動を行っている。
【0027】
次に、図2を使って、本実施形態の作動について説明する。モータ3を駆動させると、タイミングベルト20を介して一対の回転軸8、9が同じ方向に回転し、ナット10が水平方向に移動する。すると、これらナット10に固定されている第1の台座12aと第2の台座12bは、ナット10と一体となって前後(図中左右)に移動する。これら台座12a、12bの移動に伴い、脚部材17a、17bは随時その傾斜角を変化させて揺動する。そして、脚部材17a、17bの揺動によって、これら脚部材17a、17bの上部に載置された左右の足載せ台6a、6bは上下動を行い、昇降動作を繰り返す。したがって、人の歩行訓練における脚部の上下運動を補助することができる。
【0028】
図6は、回転駆動部4と昇降部5を示す説明図であるが、足載せ台6aが下方に降下するに伴い、回転軸8に対して水平方向の力が増加し、モータ3に大きな負荷トルクが生じる。この負荷トルクが大きくなるとスムーズな回転が阻害されるため、容量の大きなモータを使用しなければならなくなり、在宅における歩行訓練装置としては好ましくない。したがって、家庭用電源である100Vのモータ3を使用して、本出願人は種々な条件で試験を行った。図7のグラフは、体重80kgの人が常に全体重を足載せ台6aにかけているとした場合、脚部材17a、17bのリンク角αと水平方向に生じる力Fとの関係を検証した結果を示している。
【0029】
この結果からも判るように、左右の足載せ台6a、6bの基準位置(両者が水平になる位置)におけるリンク角α0を40〜50°の範囲に設定することが好ましい。基準位置のリンク角α0を45°とした場合、足載せ台6a、6bの最大振幅(昇降量)を150mmとすれば、脚部材17a、17bの最小リンク角αminは25°となる。この場合、例えば、リンク角α0が35°の場合の最小リンク角αmin17°に比べ、水平方向の力Fは略35%軽減できることが判った。ここで、基準位置におけるリンク角α0が40°未満では、急激に水平方向の力Fが増大してモータ3に大きな負荷トルクが生じることになり、また、リンク角が50°を超えると、モータ3の負荷トルクは僅かに減少するも、足載せ台6a、6bの高さが増大して被訓練者に不安感を与えるだけでなく、安全性の面からも好ましくない。
【0030】
図8は、本発明に係る歩行訓練装置の第2の実施形態を示す要部拡大図である。なお、前述した第1の実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
本実施形態では、前述した歩行訓練装置1において、基台2と足載せ台6aとの間にコイルばね等からなる伸縮自在な弾性部材21が配設されている。具体的には、一対の回転軸8、9の上方に門型の固定ブロック22を跨架し、この固定ブロック22の長手方向略中央部に支持軸(図示せず)を立設してこの支持軸にコイルばねを外挿すると共に、足載せ台6aが基準位置よりも下方にある時にそのばね力が発生するように、すなわち、足載せ台6aの基準位置で弾性部材21が自然長となるように設定されている。したがって、足載せ台6aが基準位置よりも上方にある時は、この足載せ台6aと弾性部材21とは接触していない。
【0032】
図9のグラフは、体重80kgの人が常に全体重を足載せ台6aにかけているとした場合、脚部材17a、17bのリンク角αと水平方向に生じる力Fとの関係を検証した結果を示している。設定条件は前述した図7の場合と同様であるが、弾性部材21を装着した場合は、足載せ台6aの下降に伴い弾性部材21が圧縮され、そのばね力(復元力)によって被訓練者の体重をある程度支えることができるため、水平方向の力Fを最大で略40%軽減することができた。ここで、図中、実線は弾性部材を装着した場合、破線は弾性部材がない場合を示している。また、弾性部材21としては、全長300mm、ばね定数3.07N/m、全たわみ215mmからなるコイルばねを使用した。
【0033】
このように、基台2と足載せ台6aとの間に弾性部材21を配設したので、回転軸8に対して発生する水平方向の力を軽減することができ、モータ3に大きな負荷トルクが生じない。したがって、一般家庭用の100V電源によるモータであっても充分な駆動力を得ることができ、スムーズに足載せ台6aを上下動させることができる。さらに、足載せ台6aの基準位置でこの弾性部材21が自然長となるように設定されているので、足載せ台6aが基準位置までの下降過程では、この弾性部材21が圧縮されるようなことはなく、弾性部材21のばね力が抵抗となってモータ3に負荷がかかるようなことはなく、一層足載せ台6aの昇降動作をスムーズにすることができる。
【0034】
図10は、モータ3の半周期における回転数の変化を示したグラフである。ここで、t1は加速時間、t2は定速時間、t3は減速時間である。加減速を要するのは足載せ台6が下降から上昇に移行する時であって、この時の急激な反転による衝撃力を防止するため本実施形態では、t1=t2=t3に設定している。また、回転数は正弦波的に加速・減速するようにし、足載せ台6の所望の振幅・振動数からモータ3の回転数を演算して各パラメータを設定している。
【0035】
また、本出願人は、左右の足載せ台6a、6bの前後に歪ゲージ式のロードセル(図示せず)を取り付け、左右の足にかかる荷重を測定すると共に、歩行訓練時に、被訓練者の体の各部位にポジションセンサを装着させ、体の各部位(肩、大腿部、膝、足首の4箇所)の軌跡を測定した。ポジションセンサとしては赤外線LEDを使用し、その発光点の位置変化をCCDカメラで撮影すると共に、その信号をセンサシステムに入力し、コンピュータに表示させるようにした。
【0036】
図11は、膝にポジションセンサを装着し検証した場合の一例を示している。ここで、モデル0は健常者、モデル1は右小脳出血、失調症、歩行器使用の患者を想定した被訓練者、モデル2は脳梗塞(中程度)、左片麻痺を想定し、左膝に装具を装着して膝の屈曲が充分にできない状態にした被訓練者の結果を示している。
【0037】
図11でも明らかなように、モデル1では、X(水平)方向、Y(上下)方向の変位がモデル0に比べて小さく、モデル2においては、ほぼ直線に近い軌跡を呈しており、モデル1に比べ障害の程度が重く、膝が充分に屈曲できずにY方向にしか変位しないことが判る。これらの結果より、障害を持つ人の歩行というのは、足が真っ直ぐな棒のような状態となり、膝を充分に屈曲せず、すり足に近い歩行をしていることが判り、足載せ台6の上下動に合わせて足を屈曲させることが難しいと考えられる。したがって、本発明に係る歩行訓練装置において、膝の軌跡を測定することにより回復状態を判定することができ、被訓練者の症状に合った振幅を適宜選択して足載せ台6を昇降させることにより、重心の揺動を感じながら足の屈曲を促し、歩行機能の回復に寄与することができる。
【0038】
図12は、モデル2の足(踵部分)にかかる荷重を測定した結果の一例を示している。図12(a)は、足載せ台の振幅40mmで振動数0.3Hz、(b)は、振幅70mmで振動数0.3Hzの条件で測定を行った結果を示している。なお、Rは右踵、Lは左踵を表している。
【0039】
これらの検証結果から、振幅が大きくなると右の踵に大きな負荷が生じることが判る。これは障害を持つ左足に負担をかけないように右足でカバーしたためと考えられる。したがって、本発明に係る歩行訓練装置において、足載せ台6の振幅を徐々に大きくし、障害を持つ足に自重による負荷を少しずつ加えることで効率的な歩行機能の回復を促すことができる。
【0040】
以上説明したように、本発明に係る歩行訓練装置1は、動力として100V電源のモータ3で動作可能なため、在宅で気軽に毎日利用でき、安全で安価な歩行訓練装置を提供することができると共に、予め測定・構築した運動軌跡等に基き、歩行補助運動の振幅・振動数・波形等を適宜設定・制御することができるので、被訓練者の症状に合った訓練条件で効率よく行い、歩行機能の回復を促すことができる。さらに、加減速時間や待機時間等を設定することにより、足載せ台6を一定のパターンで昇降させるだけでなく、様々なパターンで行うこともでき、訓練意欲を高め、快適なリハビリを行うことができる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る歩行訓練装置は、基台上に設けられ、モータに連結された回転駆動部と、この回転駆動部に連動して上下動する昇降部と、この昇降部の上部に設けられた一対の足載せ台とを備え、前記回転駆動部は、前記基台上に並設されて両側には右ねじと左ねじがそれぞれ形成され、軸受を介して回転自在に支承された一対の回転軸を備え、前記昇降部は、前記右ねじと左ねじにそれぞれ螺合するナットに固定された台座と、これら台座と前記足載せ台間に揺動自在に軸支された脚部材を備え、前記回転軸の回転によって前記足載せ台を交互に上下動させる構成を採用したので、動力として家庭用100V電源のモータで動作可能なため、在宅で気軽に毎日利用することができ、かつ、簡単な構成で、安全で安価な歩行訓練装置を提供することができる。
【0043】
また、本発明に係る歩行訓練装置にあっては、基台上に設けられ、モータに連結された回転駆動部と、この回転駆動部に連動して上下動する昇降部と、この昇降部の上部に設けられた一対の足載せ台とを備え、予め採取した歩行の運動軌跡の成分に基き、この運動軌跡を歩行補助運動として再現し、この歩行補助運動の振幅、振動数、および波形を被訓練者の障害程度に応じて前記モータで制御するようにしたので、予め測定・構築した運動軌跡等に基き、歩行補助運動の振幅・振動数・波形等を適宜設定・制御することができ、被訓練者の症状に合った訓練条件で効率良く行い、歩行機能の回復を促すことができる。さらに、加減速時間や待機時間等を設定することにより、足載せ台を一定のパターンで昇降させるだけでなく、様々なパターンで行うこともでき、訓練意欲を高め、快適なリハビリを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歩行訓練装置の第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】同上、正面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】図2の要部拡大図である。
【図5】本発明に係る歩行訓練装置における回転駆動部を示す要部平面図である。
【図6】本発明に係る回転駆動部と昇降部を示す説明図である。
【図7】脚部材のリンク角と水平方向の力の関係を検証した結果を示すグラフである。
【図8】本発明に係る歩行訓練装置の第2の実施形態を示す要部平面図である
【図9】脚部材のリンク角と水平方向の力の関係を検証した結果を示すグラフである。
【図10】本発明に係るモータの回転数の変化を示したグラフである。
【図11】歩行時における膝部の運動軌跡を測定した結果を示すグラフである。
【図12】足にかかる負荷を測定した結果を示すグラフで、(a)は、足載せ台の振幅40mmで振動数0.3Hz、(b)は、振幅70mmで振動数0.3Hzの条件で行った場合の結果を示している。
【図13】従来の歩行訓練装置を示す全体構成図である。
【図14】同上、歩行部の構成図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・歩行訓練装置
2・・・・・・・・・・・・・・基台
3・・・・・・・・・・・・・・モータ
4・・・・・・・・・・・・・・回転駆動部
5・・・・・・・・・・・・・・昇降部
6・・・・・・・・・・・・・・足載せ台
6a・・・・・・・・・・・・・右足用の足載せ台
6b・・・・・・・・・・・・・左足用の足載せ台
7・・・・・・・・・・・・・・軸受
8、9・・・・・・・・・・・・回転軸
8a、9a・・・・・・・・・・右ねじ
8b、9b・・・・・・・・・・左ねじ
10・・・・・・・・・・・・・ナット
10a・・・・・・・・・・・・フランジ
11・・・・・・・・・・・・・取付金具
12・・・・・・・・・・・・・台座
12a・・・・・・・・・・・・第1の台座
12b・・・・・・・・・・・・第2の台座
13、13a、13b・・・・・支持部
14、14a、14b・・・・・支持部
15、15a、15b・・・・・枢軸
16、16a、16b・・・・・枢軸
17、17a、17b・・・・・脚部材
18・・・・・・・・・・・・・カップリング
19・・・・・・・・・・・・・中間軸
20・・・・・・・・・・・・・タイミングベルト
21・・・・・・・・・・・・・弾性部材
22・・・・・・・・・・・・・固定ブロック
51・・・・・・・・・・・・・歩行訓練装置
52・・・・・・・・・・・・・無限軌道ベルト
52a・・・・・・・・・・・・右足用ベルト
52b・・・・・・・・・・・・左足用ベルト
53・・・・・・・・・・・・・駆動部
53a・・・・・・・・・・・・右駆動部
53b・・・・・・・・・・・・左駆動部
54・・・・・・・・・・・・・制御部
55・・・・・・・・・・・・・データ入力部
56・・・・・・・・・・・・・介助部
57・・・・・・・・・・・・・腰ベルト
60・・・・・・・・・・・・・歩行部
70a、70b・・・・・・・・位置検出器
F・・・・・・・・・・・・・・水平方向の力
t1・・・・・・・・・・・・・加速時間
t2・・・・・・・・・・・・・定速時間
t3・・・・・・・・・・・・・減速時間
α・・・・・・・・・・・・・・リンク角
α0・・・・・・・・・・・・・基準位置でのリンク角
αmin・・・・・・・・・・・最小リンク角

Claims (9)

  1. 基台上に設けられ、モータに連結された回転駆動部と、この回転駆動部に連動して上下動する昇降部と、この昇降部の上部に設けられた一対の足載せ台とを備え、前記回転駆動部は、前記基台上に並設されて両側には右ねじと左ねじがそれぞれ形成され、軸受を介して回転自在に支承された一対の回転軸を備え、前記昇降部は、前記右ねじと左ねじにそれぞれ螺合するナットに固定された台座と、これら台座と前記足載せ台間に揺動自在に軸支された脚部材を備え、前記回転軸の回転によって前記足載せ台を交互に上下動させたことを特徴とする歩行訓練装置。
  2. 前記基台と足載せ台間に伸縮自在な弾性部材を配設した請求項1に記載の歩行訓練装置。
  3. 前記弾性部材が、立設した支持軸に外挿されたコイルばねからなり、前記足載せ台が左右水平状態よりも下方にある時にそのばね力が発生するように設定されている請求項2に記載の歩行訓練装置。
  4. 前記足載せ台が左右水平状態になる時、前記脚部材と水平面とのなす角度を40〜50°の範囲に設定した請求項1乃至3いずれかに記載の歩行訓練装置。
  5. 前記回転軸の回転を前記モータにより変化させ、前記足載せ台の昇降量と昇降速度および時間当たりの昇降数を可変とした請求項1乃至4いずれかに記載の歩行訓練装置。
  6. 前記足載せ台に圧力センサを装着し、この圧力センサの信号を制御部に入力して前記モータを制御した請求項1乃至5いずれかに記載の歩行訓練装置。
  7. 基台上に設けられ、モータに連結された回転駆動部と、この回転駆動部に連動して上下動する昇降部と、この昇降部の上部に設けられた一対の足載せ台とを備え、予め採取した歩行の運動軌跡の成分に基き、この運動軌跡を歩行補助運動として再現し、この歩行補助運動の振幅、振動数、および波形を被訓練者の障害程度に応じて前記モータで制御したことを特徴とする歩行訓練装置。
  8. 前記歩行の運動軌跡の上下方向の成分と、予め採取した歩行時の足に負荷される荷重成分に基き、歩行補助運動の振幅、振動数、および波形を前記モータで制御し、前記歩行補助運動を直立した被訓練者の足裏から付与した請求項7に記載の歩行訓練装置。
  9. 前記歩行の運動軌跡の成分が、健常者と歩行障害者、あるいは障害程度の異なる歩行障害者との比較において構築されたデータである請求項7または8に記載の歩行訓練装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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