JP2005040241A - 高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】睡眠中に高圧電位治療を行なう場合において、被治療者の睡眠の妨げになることを防止するとともに、睡眠のリズムに合わせて有効な高圧電位治療を行なうことを可能とする高圧電位治療方法を提供すること。
【解決手段】入力電源の電圧を所定の電圧に調整するための電圧調整手段(3)と、該電圧調整手段(3)により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧に変換して出力するための高圧電位発生手段(6)と、前記電圧調整手段(3)を制御して、予め設定された順序にしたがって入力電源の電圧を調整するための制御手段(4)を備え、予め被治療者に加える複数種類の電圧値並びにその電圧を加える順序及び時間を設定しておき、治療開始と同時に、前記予め設定した電圧値並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間にしたがって、入力電源の電圧を調整するとともに高圧に変換して被治療者に加える。
【選択図】 図1
【解決手段】入力電源の電圧を所定の電圧に調整するための電圧調整手段(3)と、該電圧調整手段(3)により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧に変換して出力するための高圧電位発生手段(6)と、前記電圧調整手段(3)を制御して、予め設定された順序にしたがって入力電源の電圧を調整するための制御手段(4)を備え、予め被治療者に加える複数種類の電圧値並びにその電圧を加える順序及び時間を設定しておき、治療開始と同時に、前記予め設定した電圧値並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間にしたがって、入力電源の電圧を調整するとともに高圧に変換して被治療者に加える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被治療者に高圧の電流を加えることにより電位治療を可能とした高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療の方法に係り、より詳しくは、予め、被治療者に加える複数種類の電圧値、並びに、それを加える順序及び加える時間を設定しておき、この設定に基づいて、1回の治療中に異なった値の電圧を加えることを可能とした高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、頭痛、肩こり、不眠等を治療するための装置として、血液循環をよくして体質改善に効果を有する高圧電位治療器が用いられている。
【0003】
ここで、高圧電位治療器とは、被治療者の身体に高圧の電位を加える装置であり、この高圧電位治療器を用いて高圧電位治療を行うことにより、被治療者は、血液循環が良くなり体質が改善され、頭痛、肩こり、不眠等を無くすることができるものである。
【0004】
ところで、この高圧電位治療器による治療では、例えば1時間等のまとまった治療時間が必要であるために、日中にまとまった時間をとれない者の場合には、睡眠中に高圧電位治療を行なう場合がある。またそのほか、睡眠中は心身ともにリラックスしており高圧電位治療の効果があがるために、日中にまとまった時間をとれる者の場合でも睡眠中の高圧電位治療を欲する者が多い。
【0005】
しかしながら、このように睡眠中に高圧電位治療を行なった場合には、交流特有の振動が睡眠の妨げになる場合があり、有効な治療を行なうことが困難になることがあった。
【0006】
即ち、一般的に、睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があり、更にノンレム睡眠は、眠りの浅い第1段階から眠りの深い第4段階までの4段階がある。
【0007】
そして、人が眠るときは、まず、眠りの浅いノンレム睡眠の第1段階から始まって、その後、ノンレム睡眠の第2段階乃至第4段階の深い眠りに移っていき、やがて眠りの浅いレム睡眠に入っていくと言われており、これが睡眠の1サイクルであり、この1サイクルが約90分といわれている。
【0008】
一方、従来の高圧電位治療器では、予め電圧値を設定した後にスイッチをオンにすると、治療の当初より、この予め設定した電圧値が被治療者に加えられるために、例えば1000Vを超える電圧値を設定した場合には、治療開始時から交流特有の振動が被治療者に伝わってしまう。
【0009】
この点、電圧値を低い値に設定した場合には、例えば電圧値を1,000に下げた場合には振動が被治療者に伝わることはないが、高圧電位治療では電圧値が高いほど効果が高いために、電圧値を1,000Vに設定した場合にはより高い効果を得ることが困難になってしまう。
【0010】
そのため、従来の高圧電位治療器を用いて睡眠時に高圧電位治療を行なった場合において、有効な治療を行なうために1,000V以上の電圧を設定したときには、睡眠当初の浅い眠りのときに交流の振動が被治療者に伝わってしまうために、これが睡眠の妨げになることが考えられる。
【0011】
その一方、前述したように、被治療者に加える電圧値を低くすると、有効な治療効果を得ることができない、という問題がある。
【0012】
更に、直流による高圧電位治療を行なう場合には、振動は発生しないが、この場合でも、眠りの深いときに高圧を加えるとより効果があるために、眠りのリズムに応じて電圧値を変更することができればよりよい治療を行なうことが可能である。
【0013】
しかしながら、従来は、このような問題点を解決することができる高圧電位治療器は提供されていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、睡眠中に高圧電位治療を行なう場合において、被治療者の睡眠の妨げになることを防止するとともに、睡眠のリズムに合わせて有効な高圧電位治療を行なうことを可能とした高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療方法を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の高圧電位治療器は、被治療者に対して高圧の電位を加えて電位治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に調整するための電圧調整手段と、
該電圧調整手段により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧に変換して出力するための高圧電位発生手段と、
前記電圧調整手段を制御して、予め設定された順序にしたがって入力電源の電圧を高圧にするための制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
また、本発明の高圧電位治療方法は、前記高圧電位治療器を用いた高圧電位治療方法であって、予め被治療者に加える複数種類の電圧値、並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間を設定しておき、治療開始と同時に、前記予め設定した電圧値並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間にしたがって、入力電源の電圧を調整するとともに該調整した電圧を高圧に変換して被治療者に加えることを特徴としている。
【0017】
本発明では、入力電圧を高圧に変換するための高圧電位発生手段を備え、これにより被治療者に高圧電位を加えることを可能にするとともに、電圧調整手段とこの電圧調整手段の作動を制御する制御手段を備えて、制御手段の制御によって、高圧変換の基礎となる電源の電圧を調整可能にしている。
【0018】
そのため、予め、睡眠リズムに合わせて、高圧変換の基礎となる電源の電圧を徐々に上げていくことにより、眠りの深さに応じて電圧値を上げていくことが可能となる。
【0019】
したがって、本発明の高圧電位治療器を用いることにより、例えば、被治療者に加える電圧値を、1,000V、3,000V、5,000V、7,000、8,000V、9,000Vと順次上げていくことができ、これにより、入眠当初の浅い眠りのときは交流の振動を被治療者に伝わらせることを防止でき、睡眠の妨げになることなく、有効な高圧電位治療を行なうことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の高圧電位治療器では、入力された電源電圧を所定の電圧の直流に変換するためのスイッチング電源を備えている。そして、このスイッチング電源には、電圧調整手段を介して高圧発生手段が接続され、この高圧発生手段には通電マットが接続されており、これにより、前記スイッチング電源からの出力は、電圧調整手段によって所定の電圧値に変換され、その後、この変換された電圧値が高圧発生手段により高圧に変換された後に、通電マットに出力される。
【0021】
更に、前記電圧調整手段には制御手段が接続されており、この制御手段においては、操作スイッチを介して設定された指示に従い、前記電圧調整手段を制御して、電圧調整手段によって変換する電圧値を調整可能としている。
【0022】
ここで、電位治療と温熱治療とを切り替えるための切替部を備えて、被治療者の選択に応じて、電位治療と温熱治療との双方を行うことを可能にするとよく、これにより、より効果のある治療を行うことが可能となる。
【0023】
また、前記電圧調整手段としては複数個の抵抗を備えたラダー抵抗回路を用いるとよく、これにより、スイッチング電源より出力された電源の電圧を容易に調整可能となる。
【0024】
【実施例】
本発明の高圧電位治療器用の実施例について図面を参照して説明すると、図1は、本実施例の構成を示すブロック図であり、図1に示す高圧電位治療器1では、電位治療のほかにヒーターによる温熱治療をも可能にしているとともに、直流と交流を被治療者の選択に基づいて切り替えることが可能なものとしている。
【0025】
即ち、本実施例の高圧電位治療器1では、複数個の操作スイッチ11を備えた操作パネルと、操作スイッチ11による初期設定等の際に用いる表示部10及びスピーカー12を有しており、表示部10における表示、及びスピーカー12よる音声案内等を参考にしながら、操作パネル上の操作スイッチ11により、治療の種類、電圧値等を設定可能としている。そして、本実施例において設定可能な電圧値としては、直流電圧の場合は14,000V、13,000V、12,000V、10,000V、2,000V、1,000V、交流の場合は9,000V、8,000V、7,000V、5,000、3,000V、1,000Vとし、更に、温熱に関しても複数段階の選択を可能としている。
【0026】
また、本実施例の高圧電位治療器では、通電マット9を備えているとともに、この通電マット9に、ニクロム線及び特殊カーボンフィルム等の導電手段を内蔵し、この導電手段に、電位治療用の高圧、又は温熱治療用の電圧を出力することで、電位治療及び温熱治療を可能としている。
【0027】
次に、本実施例の高圧電位治療器の回路構成について説明すると、図1において、2はスイッチング電源であり、本実施例においてこのスイッチング電源2は、交流85V〜260Vの入力を受けてこれを直流に変換するとともに、直流30Vを治療用に供給し、それとともに直流5Vを制御用に供給する機能を有している。
【0028】
そして、このスイッチング電源2には、電圧調整手段3が接続されており、この電圧調整手段3において、前記スイッチング電源2より供給された電源の電圧を所望する電圧に調整可能としている。
【0029】
この関係について図2を用いて詳細に説明すると、本実施例において前記スイッチング電源2の出力側にはトランジスタ301が接続されており、このトランジスタ301のベースには、電圧調整用IC303を介してラダー抵抗回路302の出力側が接続され、更に、ラダー抵抗回路302の入力側には、制御手段としてのマイコン4が接続されている。そしてこの構成により、マイコン4からの入力がラダー抵抗回路302において電圧レベルに変換された後に、電圧調整用IC303を介してトランジスタ301のベースに出力され、これにより、前記トランジスタ302を介して、スイッチング電源2より供給される電源の電圧レベルを調整可能としている。従って、マイコン4からラダー抵抗回路302への出力を調整することにより、ラダー抵抗回路302からトランジスタ301に出力される電圧レベルを調整することができ、これにより、スイッチング電源2より供給される電源の電圧レベルを調整可能である。
【0030】
なお、本実施例において前記電圧調整用IC303は、ラダー抵抗回路302から出力される電圧レベルと基準電圧との比較を行うために用いている。
【0031】
次に、図1において、前記トランジスタ302には、切替器としてのリレー5が接続されているとともに、このリレー5はマイコン4により制御可能としており、更に、リレー5には、高圧発生手段6と通電マット9が接続されている。そして、リレー5の切替により、電位治療を行う場合には、供給された主電源は高圧発生手段6に供給されて高圧に変換された後に通電マット9に出力され、一方、温熱治療の場合には主電源は通電マット9に出力される。
【0032】
ここで、前記高圧電位発生手段6について説明すると、本実施例においてこの高圧電位発生手段6は、変圧手段7と逓倍回路8とを備えており、まず、前記トランジスタ302を介して供給された電源は変圧手段7において昇圧される。
【0033】
即ち、本実施例において前記変圧手段7としては、DC/DC/コンバーターとしてのトランスを用いており、このトランス7において、前記入力された電源の電圧を約93倍に変圧可能としている。従って、例えば30Vが入力された場合には、この変圧手段7において2,800Vに変圧される。
【0034】
なお、本実施例において、この変圧手段7には前記マイコン4が接続されており、マイコン4において現在の電圧を監視するとともに、検知した電圧に基づいて前記ラダー抵抗回路302を制御する構成としている。
【0035】
次に、この変圧手段7には逓倍回路8が接続されており、前記変圧手段7において約93倍の電圧に変換された電源を、この逓倍回路8において逓倍することを可能としている。
【0036】
そして、本実施例において前記逓倍回路8としては、複数個のダイオードと複数個のコンデンサーを組み合わせた5逓倍回路としており、従って、本実施例においては、変圧手段において高圧に変換された電源の電圧が、この逓倍回路8において約5倍の電圧に変換され、その後に、この変換された高圧が前記通電マット9に出力される。
【0037】
なお、図3は、本実施例の高圧電位治療器1の制御系を示す図であり、本実施例においては、前記スイッチング電源2、電圧調整回路としてのラダー抵抗回路302、切替部としてのリレー5、変圧手段7、操作パネル11に配置された複数個の操作スイッチが接続されたスイッチのコントロール回路、表示部10に接続された表示回路、そして、音声案内回路を介したスピーカー12がマイコン4に接続されており、これにより、マイコン4により装置全体の作動の制御を可能としている。
【0038】
そして、本実施例において前記操作スイッチ11としては、電源スイッチとともに、(1)治療モード選択スイッチ、(2)治療時間選択スイッチ、(3)電位選択スイッチ、(4)治療時間選択スイッチ、(5)温熱治療の際の温熱段階選択スイッチ、そして、(6)温熱治療の際の治療時間選択スイッチ等を備えている。
【0039】
また、表示部10においては、前記操作スイッチで初期設定を行なう際に各種数値等を表示可能としており、その他、治療中の経過時間等を表示可能としている。
【0040】
更に、本実施例においては、前記マイコン4に音声案内回路を備えており、スピーカー12を介して、初期設定の際に音声による案内を出力し、これにより初期設定等の操作を容易にしている。
【0041】
次に、このように構成される本実施例の高圧電位治療器1の作用について説明すると、例えば商用100Vが入力されると、まず、スイッチング電源2において、この入力電源が直流に変換されるとともに、30Vが主電源として電圧調整手段3に供給され、5Vがマイコン4に供給される。
【0042】
次に、供給された主電源は、電圧調整手段3において、所望する電圧に調整される。即ち、マイコン4からの入力に従ってラダー抵抗回路302から出力される電圧が調整されるとともに、この電圧が電圧調整用IC302を介してトランジスタ301のベースに供給され、これにより、トランジスタ302を介して流れてくる主電源の電圧が調整される。
【0043】
次に、電圧調整手段3によって所望する電圧に調整された主電源は、切替部5を介して、電位治療の場合には、高圧発生手段6に供給された後に高圧に変換されて通電マット9に出力され、一方、温熱治療の場合には通電マット9に供給される。
【0044】
まず、電位治療の場合について説明すると、前記電圧調整手段3により所望する電圧に調整された主電源は、変圧手段7により高圧に、より具体的には約93倍に変換される。
【0045】
そしてその後、この約93倍の電圧に変換された主電源は、逓倍回路8において約5倍の電圧に変換された後に通電マット9に出力され、その後、通電マット9を介して被治療者に加えられる。
【0046】
そしてこのとき、本実施例においては、前述したように、電圧調整手段3において、スイッチング電源2より供給された30Vの主電源の電圧を任意に調整可能としており、従って、この調整された電圧に基づいて高圧変換が行なわれるために、通電マット9に加えられる電源の電圧を任意に調整可能である。従って、本実施例においては、例えば、入眠当初は1,000Vの低電圧に設定しておき、その後、睡眠が深くなるに従って電圧を高くしていき、最も睡眠が深い段階における電圧を9,000Vにすることができる。そのため、睡眠を妨げることなく、有効な電位治療を行うことが可能である。
【0047】
また、電圧調整手段における調整によって、主電源の電圧の調整を繰り返すことによって、供給されてきた直流を交流波形に変換することもでき、これにより、交流治療と直流治療の双方を行うことが可能となるとともに、高圧変換前の電源を交流変換するため、大型で重量が大きい高圧トランスを用いる必要もなくなる。
【0048】
一方、温熱治療の場合には、切替部5を介した主電源は通電マット9にそのまま出力され、これにより通電マット9に内臓したニクロム線及び特殊カーボンフィルム等の導電手段を加熱して温熱治療を可能にする。そして、このとき、前述した電位治療の場合と同様に、電圧調整手段3により、主電源の電圧を調整することにより、通電マット9に供給する電源の電圧を調整することが可能であり、そのため、所望する温熱を得ることが可能である。
【0049】
このように、本実施例の高圧電位治療器では、供給された電源の電圧を所望の電圧に調整し、その後に、この、電圧を調整した主電源を高圧にし、あるいは通電マットに供給可能としているために、被治療者に加える電位の電圧又は温熱を自在に調整することができ、被治療者の睡眠リズムに応じた治療を行うことが可能である。
【0050】
次に、前記高圧電位治療器1を用いた本発明における高圧電位治療方法の実施例について図4のフローチャートを用いて説明すると、本実施によって高圧電位治療を行う場合には、まず、ステップ1において、操作スイッチ1を用いて初期設定を行なう。そして、この初期設定においては、第1に治療モードの選択を行なう。
【0051】
即ち、本実施例においてこの治療モードとしては、(1)高圧電位治療のみ、(2)温熱治療のみ、(3)電位/温熱治療、(4)温熱治療と電位治療とを短時間、例えば2.5分間隔で交互に繰り返す治療、(5)交流のプラス側をカットした電位治療、(6)睡眠時の交流治療、(7)睡眠時の直流治療、(8)睡眠のリズムに合わせた睡眠時の直流治療、(9)睡眠のリズムに合わせた睡眠時の交流治療、の9段階のモードを備えている。
【0052】
そして、例えば、睡眠のリズムに合わせた睡眠時の交流あるいは直流治療を選択した場合には、睡眠の段階に応じた被治療者に加える電圧値、及び、その電圧を加える順序及び時間を設定しておく。
【0053】
例えば、ノンレム睡眠の第1段階では1,000V、その後段階が進んでいくに従って、3,000V、5,000V、7,000V、8,000Vと電圧を上げていき、最も深い睡眠に入ったときに9,000Vを加え、その後レム睡眠に入ったときに再び1,000Vを加えるような設定を行う。
【0054】
そして、ステップ2においてスイッチをオンにして治療を開始すると、この設定に従って、マイコン4の制御によって電圧調整手段3の調整で主電源の電圧を調整するとともに、この電圧を調整された電源を高圧に変換して通電マット9に出力する。
【0055】
即ち、例えば、図4において、ステップ3において、入眠当初の最も浅い眠りのとき(ノンレム睡眠の第1段階)の場合には1,000Vを生成して被治療者に加える。
【0056】
そしてその後、予め設定してある時間が経過した後に、ステップ4において、電圧を3,000Vに変換し、その電圧を被治療者に加える。
【0057】
そして、その後、ステップ5〜ステップ8において、それぞれ、所定時間の経過後に、即ち、睡眠段階が徐々に深い段階に進むにしたがって、5,000V、7,000V、8,000V、9,000Vと電圧を高くしていき、その後、ステップ9において、眠りの浅いレム睡眠に入る時間に応じて再び電圧を1,000Vに降下させて被治療者に加え、その後終了する。
【0058】
そうすると、睡眠のリズムに合わせて、被治療者にとって最も適切と思われる電圧を加えることができ、被治療者の睡眠を妨げることなく電位治療を行うことが可能となる。
【0059】
また、直流による電位治療においても、最も深い睡眠のときに最も高い電圧を加えることができ、これにより有効な治療を行うことが可能となる。
【0060】
なお、前述のように、現在では、睡眠のリズムに関してはノンレム睡眠の4段階とレム睡眠を1サイクルとして約90分であり、それぞれの段階に関しても平均的な時間が解明されているために、本実施例においても、予めその時間に応じて各電圧を加える時間を設定している。但しこのとき、3,000V以上の電位治療の時間は60分以内に設定する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の高圧電位治療器は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0062】
本発明では、入力電圧を高圧に変換するための高圧電位発生手段を備え、これにより被治療者に高圧電位を加えることを可能にするとともに、電圧調整手段とこの電圧調整手段の作動を制御する制御手段を備えて、制御手段の制御によって、高圧変換の基礎となる電源の電圧を調整可能にしている。
【0063】
そのため、予め、睡眠リズムに合わせて、高圧変換の基礎となる電源の電圧を徐々に上げていくことにより、眠りの深さに応じて電圧値を上げていくことが可能となり、したがって、本発明の高圧電位治療器を用いることにより、例えば、被治療者に加える電圧値を、1,000V、3,000V、5,000V、7,000、8,000V、9,000Vと順次上げていくことができ、これによって、入眠当初の浅い眠りのときは交流の振動を被治療者に伝わらせることを防止でき、睡眠の妨げになることなく、有効な高圧電位治療を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧電位治療器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の高圧電位治療器の実施例における電圧調整手段を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の高圧電位治療器の実施例における制御系を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の高圧電位治療方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 高圧電位治療器
2 スイッチング電源(SW電源)
3 電圧調整手段
4 マイコン
5 リレー(切換器)
6 高圧発生手段
7 変圧手段(トランス)
8 5逓倍回路
9 通電マット
10 表示部
11 操作パネル
12 スピーカー
【発明の属する技術分野】
本発明は、被治療者に高圧の電流を加えることにより電位治療を可能とした高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療の方法に係り、より詳しくは、予め、被治療者に加える複数種類の電圧値、並びに、それを加える順序及び加える時間を設定しておき、この設定に基づいて、1回の治療中に異なった値の電圧を加えることを可能とした高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、頭痛、肩こり、不眠等を治療するための装置として、血液循環をよくして体質改善に効果を有する高圧電位治療器が用いられている。
【0003】
ここで、高圧電位治療器とは、被治療者の身体に高圧の電位を加える装置であり、この高圧電位治療器を用いて高圧電位治療を行うことにより、被治療者は、血液循環が良くなり体質が改善され、頭痛、肩こり、不眠等を無くすることができるものである。
【0004】
ところで、この高圧電位治療器による治療では、例えば1時間等のまとまった治療時間が必要であるために、日中にまとまった時間をとれない者の場合には、睡眠中に高圧電位治療を行なう場合がある。またそのほか、睡眠中は心身ともにリラックスしており高圧電位治療の効果があがるために、日中にまとまった時間をとれる者の場合でも睡眠中の高圧電位治療を欲する者が多い。
【0005】
しかしながら、このように睡眠中に高圧電位治療を行なった場合には、交流特有の振動が睡眠の妨げになる場合があり、有効な治療を行なうことが困難になることがあった。
【0006】
即ち、一般的に、睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があり、更にノンレム睡眠は、眠りの浅い第1段階から眠りの深い第4段階までの4段階がある。
【0007】
そして、人が眠るときは、まず、眠りの浅いノンレム睡眠の第1段階から始まって、その後、ノンレム睡眠の第2段階乃至第4段階の深い眠りに移っていき、やがて眠りの浅いレム睡眠に入っていくと言われており、これが睡眠の1サイクルであり、この1サイクルが約90分といわれている。
【0008】
一方、従来の高圧電位治療器では、予め電圧値を設定した後にスイッチをオンにすると、治療の当初より、この予め設定した電圧値が被治療者に加えられるために、例えば1000Vを超える電圧値を設定した場合には、治療開始時から交流特有の振動が被治療者に伝わってしまう。
【0009】
この点、電圧値を低い値に設定した場合には、例えば電圧値を1,000に下げた場合には振動が被治療者に伝わることはないが、高圧電位治療では電圧値が高いほど効果が高いために、電圧値を1,000Vに設定した場合にはより高い効果を得ることが困難になってしまう。
【0010】
そのため、従来の高圧電位治療器を用いて睡眠時に高圧電位治療を行なった場合において、有効な治療を行なうために1,000V以上の電圧を設定したときには、睡眠当初の浅い眠りのときに交流の振動が被治療者に伝わってしまうために、これが睡眠の妨げになることが考えられる。
【0011】
その一方、前述したように、被治療者に加える電圧値を低くすると、有効な治療効果を得ることができない、という問題がある。
【0012】
更に、直流による高圧電位治療を行なう場合には、振動は発生しないが、この場合でも、眠りの深いときに高圧を加えるとより効果があるために、眠りのリズムに応じて電圧値を変更することができればよりよい治療を行なうことが可能である。
【0013】
しかしながら、従来は、このような問題点を解決することができる高圧電位治療器は提供されていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、睡眠中に高圧電位治療を行なう場合において、被治療者の睡眠の妨げになることを防止するとともに、睡眠のリズムに合わせて有効な高圧電位治療を行なうことを可能とした高圧電位治療器及びそれを用いた高圧電位治療方法を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の高圧電位治療器は、被治療者に対して高圧の電位を加えて電位治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に調整するための電圧調整手段と、
該電圧調整手段により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧に変換して出力するための高圧電位発生手段と、
前記電圧調整手段を制御して、予め設定された順序にしたがって入力電源の電圧を高圧にするための制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
また、本発明の高圧電位治療方法は、前記高圧電位治療器を用いた高圧電位治療方法であって、予め被治療者に加える複数種類の電圧値、並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間を設定しておき、治療開始と同時に、前記予め設定した電圧値並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間にしたがって、入力電源の電圧を調整するとともに該調整した電圧を高圧に変換して被治療者に加えることを特徴としている。
【0017】
本発明では、入力電圧を高圧に変換するための高圧電位発生手段を備え、これにより被治療者に高圧電位を加えることを可能にするとともに、電圧調整手段とこの電圧調整手段の作動を制御する制御手段を備えて、制御手段の制御によって、高圧変換の基礎となる電源の電圧を調整可能にしている。
【0018】
そのため、予め、睡眠リズムに合わせて、高圧変換の基礎となる電源の電圧を徐々に上げていくことにより、眠りの深さに応じて電圧値を上げていくことが可能となる。
【0019】
したがって、本発明の高圧電位治療器を用いることにより、例えば、被治療者に加える電圧値を、1,000V、3,000V、5,000V、7,000、8,000V、9,000Vと順次上げていくことができ、これにより、入眠当初の浅い眠りのときは交流の振動を被治療者に伝わらせることを防止でき、睡眠の妨げになることなく、有効な高圧電位治療を行なうことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の高圧電位治療器では、入力された電源電圧を所定の電圧の直流に変換するためのスイッチング電源を備えている。そして、このスイッチング電源には、電圧調整手段を介して高圧発生手段が接続され、この高圧発生手段には通電マットが接続されており、これにより、前記スイッチング電源からの出力は、電圧調整手段によって所定の電圧値に変換され、その後、この変換された電圧値が高圧発生手段により高圧に変換された後に、通電マットに出力される。
【0021】
更に、前記電圧調整手段には制御手段が接続されており、この制御手段においては、操作スイッチを介して設定された指示に従い、前記電圧調整手段を制御して、電圧調整手段によって変換する電圧値を調整可能としている。
【0022】
ここで、電位治療と温熱治療とを切り替えるための切替部を備えて、被治療者の選択に応じて、電位治療と温熱治療との双方を行うことを可能にするとよく、これにより、より効果のある治療を行うことが可能となる。
【0023】
また、前記電圧調整手段としては複数個の抵抗を備えたラダー抵抗回路を用いるとよく、これにより、スイッチング電源より出力された電源の電圧を容易に調整可能となる。
【0024】
【実施例】
本発明の高圧電位治療器用の実施例について図面を参照して説明すると、図1は、本実施例の構成を示すブロック図であり、図1に示す高圧電位治療器1では、電位治療のほかにヒーターによる温熱治療をも可能にしているとともに、直流と交流を被治療者の選択に基づいて切り替えることが可能なものとしている。
【0025】
即ち、本実施例の高圧電位治療器1では、複数個の操作スイッチ11を備えた操作パネルと、操作スイッチ11による初期設定等の際に用いる表示部10及びスピーカー12を有しており、表示部10における表示、及びスピーカー12よる音声案内等を参考にしながら、操作パネル上の操作スイッチ11により、治療の種類、電圧値等を設定可能としている。そして、本実施例において設定可能な電圧値としては、直流電圧の場合は14,000V、13,000V、12,000V、10,000V、2,000V、1,000V、交流の場合は9,000V、8,000V、7,000V、5,000、3,000V、1,000Vとし、更に、温熱に関しても複数段階の選択を可能としている。
【0026】
また、本実施例の高圧電位治療器では、通電マット9を備えているとともに、この通電マット9に、ニクロム線及び特殊カーボンフィルム等の導電手段を内蔵し、この導電手段に、電位治療用の高圧、又は温熱治療用の電圧を出力することで、電位治療及び温熱治療を可能としている。
【0027】
次に、本実施例の高圧電位治療器の回路構成について説明すると、図1において、2はスイッチング電源であり、本実施例においてこのスイッチング電源2は、交流85V〜260Vの入力を受けてこれを直流に変換するとともに、直流30Vを治療用に供給し、それとともに直流5Vを制御用に供給する機能を有している。
【0028】
そして、このスイッチング電源2には、電圧調整手段3が接続されており、この電圧調整手段3において、前記スイッチング電源2より供給された電源の電圧を所望する電圧に調整可能としている。
【0029】
この関係について図2を用いて詳細に説明すると、本実施例において前記スイッチング電源2の出力側にはトランジスタ301が接続されており、このトランジスタ301のベースには、電圧調整用IC303を介してラダー抵抗回路302の出力側が接続され、更に、ラダー抵抗回路302の入力側には、制御手段としてのマイコン4が接続されている。そしてこの構成により、マイコン4からの入力がラダー抵抗回路302において電圧レベルに変換された後に、電圧調整用IC303を介してトランジスタ301のベースに出力され、これにより、前記トランジスタ302を介して、スイッチング電源2より供給される電源の電圧レベルを調整可能としている。従って、マイコン4からラダー抵抗回路302への出力を調整することにより、ラダー抵抗回路302からトランジスタ301に出力される電圧レベルを調整することができ、これにより、スイッチング電源2より供給される電源の電圧レベルを調整可能である。
【0030】
なお、本実施例において前記電圧調整用IC303は、ラダー抵抗回路302から出力される電圧レベルと基準電圧との比較を行うために用いている。
【0031】
次に、図1において、前記トランジスタ302には、切替器としてのリレー5が接続されているとともに、このリレー5はマイコン4により制御可能としており、更に、リレー5には、高圧発生手段6と通電マット9が接続されている。そして、リレー5の切替により、電位治療を行う場合には、供給された主電源は高圧発生手段6に供給されて高圧に変換された後に通電マット9に出力され、一方、温熱治療の場合には主電源は通電マット9に出力される。
【0032】
ここで、前記高圧電位発生手段6について説明すると、本実施例においてこの高圧電位発生手段6は、変圧手段7と逓倍回路8とを備えており、まず、前記トランジスタ302を介して供給された電源は変圧手段7において昇圧される。
【0033】
即ち、本実施例において前記変圧手段7としては、DC/DC/コンバーターとしてのトランスを用いており、このトランス7において、前記入力された電源の電圧を約93倍に変圧可能としている。従って、例えば30Vが入力された場合には、この変圧手段7において2,800Vに変圧される。
【0034】
なお、本実施例において、この変圧手段7には前記マイコン4が接続されており、マイコン4において現在の電圧を監視するとともに、検知した電圧に基づいて前記ラダー抵抗回路302を制御する構成としている。
【0035】
次に、この変圧手段7には逓倍回路8が接続されており、前記変圧手段7において約93倍の電圧に変換された電源を、この逓倍回路8において逓倍することを可能としている。
【0036】
そして、本実施例において前記逓倍回路8としては、複数個のダイオードと複数個のコンデンサーを組み合わせた5逓倍回路としており、従って、本実施例においては、変圧手段において高圧に変換された電源の電圧が、この逓倍回路8において約5倍の電圧に変換され、その後に、この変換された高圧が前記通電マット9に出力される。
【0037】
なお、図3は、本実施例の高圧電位治療器1の制御系を示す図であり、本実施例においては、前記スイッチング電源2、電圧調整回路としてのラダー抵抗回路302、切替部としてのリレー5、変圧手段7、操作パネル11に配置された複数個の操作スイッチが接続されたスイッチのコントロール回路、表示部10に接続された表示回路、そして、音声案内回路を介したスピーカー12がマイコン4に接続されており、これにより、マイコン4により装置全体の作動の制御を可能としている。
【0038】
そして、本実施例において前記操作スイッチ11としては、電源スイッチとともに、(1)治療モード選択スイッチ、(2)治療時間選択スイッチ、(3)電位選択スイッチ、(4)治療時間選択スイッチ、(5)温熱治療の際の温熱段階選択スイッチ、そして、(6)温熱治療の際の治療時間選択スイッチ等を備えている。
【0039】
また、表示部10においては、前記操作スイッチで初期設定を行なう際に各種数値等を表示可能としており、その他、治療中の経過時間等を表示可能としている。
【0040】
更に、本実施例においては、前記マイコン4に音声案内回路を備えており、スピーカー12を介して、初期設定の際に音声による案内を出力し、これにより初期設定等の操作を容易にしている。
【0041】
次に、このように構成される本実施例の高圧電位治療器1の作用について説明すると、例えば商用100Vが入力されると、まず、スイッチング電源2において、この入力電源が直流に変換されるとともに、30Vが主電源として電圧調整手段3に供給され、5Vがマイコン4に供給される。
【0042】
次に、供給された主電源は、電圧調整手段3において、所望する電圧に調整される。即ち、マイコン4からの入力に従ってラダー抵抗回路302から出力される電圧が調整されるとともに、この電圧が電圧調整用IC302を介してトランジスタ301のベースに供給され、これにより、トランジスタ302を介して流れてくる主電源の電圧が調整される。
【0043】
次に、電圧調整手段3によって所望する電圧に調整された主電源は、切替部5を介して、電位治療の場合には、高圧発生手段6に供給された後に高圧に変換されて通電マット9に出力され、一方、温熱治療の場合には通電マット9に供給される。
【0044】
まず、電位治療の場合について説明すると、前記電圧調整手段3により所望する電圧に調整された主電源は、変圧手段7により高圧に、より具体的には約93倍に変換される。
【0045】
そしてその後、この約93倍の電圧に変換された主電源は、逓倍回路8において約5倍の電圧に変換された後に通電マット9に出力され、その後、通電マット9を介して被治療者に加えられる。
【0046】
そしてこのとき、本実施例においては、前述したように、電圧調整手段3において、スイッチング電源2より供給された30Vの主電源の電圧を任意に調整可能としており、従って、この調整された電圧に基づいて高圧変換が行なわれるために、通電マット9に加えられる電源の電圧を任意に調整可能である。従って、本実施例においては、例えば、入眠当初は1,000Vの低電圧に設定しておき、その後、睡眠が深くなるに従って電圧を高くしていき、最も睡眠が深い段階における電圧を9,000Vにすることができる。そのため、睡眠を妨げることなく、有効な電位治療を行うことが可能である。
【0047】
また、電圧調整手段における調整によって、主電源の電圧の調整を繰り返すことによって、供給されてきた直流を交流波形に変換することもでき、これにより、交流治療と直流治療の双方を行うことが可能となるとともに、高圧変換前の電源を交流変換するため、大型で重量が大きい高圧トランスを用いる必要もなくなる。
【0048】
一方、温熱治療の場合には、切替部5を介した主電源は通電マット9にそのまま出力され、これにより通電マット9に内臓したニクロム線及び特殊カーボンフィルム等の導電手段を加熱して温熱治療を可能にする。そして、このとき、前述した電位治療の場合と同様に、電圧調整手段3により、主電源の電圧を調整することにより、通電マット9に供給する電源の電圧を調整することが可能であり、そのため、所望する温熱を得ることが可能である。
【0049】
このように、本実施例の高圧電位治療器では、供給された電源の電圧を所望の電圧に調整し、その後に、この、電圧を調整した主電源を高圧にし、あるいは通電マットに供給可能としているために、被治療者に加える電位の電圧又は温熱を自在に調整することができ、被治療者の睡眠リズムに応じた治療を行うことが可能である。
【0050】
次に、前記高圧電位治療器1を用いた本発明における高圧電位治療方法の実施例について図4のフローチャートを用いて説明すると、本実施によって高圧電位治療を行う場合には、まず、ステップ1において、操作スイッチ1を用いて初期設定を行なう。そして、この初期設定においては、第1に治療モードの選択を行なう。
【0051】
即ち、本実施例においてこの治療モードとしては、(1)高圧電位治療のみ、(2)温熱治療のみ、(3)電位/温熱治療、(4)温熱治療と電位治療とを短時間、例えば2.5分間隔で交互に繰り返す治療、(5)交流のプラス側をカットした電位治療、(6)睡眠時の交流治療、(7)睡眠時の直流治療、(8)睡眠のリズムに合わせた睡眠時の直流治療、(9)睡眠のリズムに合わせた睡眠時の交流治療、の9段階のモードを備えている。
【0052】
そして、例えば、睡眠のリズムに合わせた睡眠時の交流あるいは直流治療を選択した場合には、睡眠の段階に応じた被治療者に加える電圧値、及び、その電圧を加える順序及び時間を設定しておく。
【0053】
例えば、ノンレム睡眠の第1段階では1,000V、その後段階が進んでいくに従って、3,000V、5,000V、7,000V、8,000Vと電圧を上げていき、最も深い睡眠に入ったときに9,000Vを加え、その後レム睡眠に入ったときに再び1,000Vを加えるような設定を行う。
【0054】
そして、ステップ2においてスイッチをオンにして治療を開始すると、この設定に従って、マイコン4の制御によって電圧調整手段3の調整で主電源の電圧を調整するとともに、この電圧を調整された電源を高圧に変換して通電マット9に出力する。
【0055】
即ち、例えば、図4において、ステップ3において、入眠当初の最も浅い眠りのとき(ノンレム睡眠の第1段階)の場合には1,000Vを生成して被治療者に加える。
【0056】
そしてその後、予め設定してある時間が経過した後に、ステップ4において、電圧を3,000Vに変換し、その電圧を被治療者に加える。
【0057】
そして、その後、ステップ5〜ステップ8において、それぞれ、所定時間の経過後に、即ち、睡眠段階が徐々に深い段階に進むにしたがって、5,000V、7,000V、8,000V、9,000Vと電圧を高くしていき、その後、ステップ9において、眠りの浅いレム睡眠に入る時間に応じて再び電圧を1,000Vに降下させて被治療者に加え、その後終了する。
【0058】
そうすると、睡眠のリズムに合わせて、被治療者にとって最も適切と思われる電圧を加えることができ、被治療者の睡眠を妨げることなく電位治療を行うことが可能となる。
【0059】
また、直流による電位治療においても、最も深い睡眠のときに最も高い電圧を加えることができ、これにより有効な治療を行うことが可能となる。
【0060】
なお、前述のように、現在では、睡眠のリズムに関してはノンレム睡眠の4段階とレム睡眠を1サイクルとして約90分であり、それぞれの段階に関しても平均的な時間が解明されているために、本実施例においても、予めその時間に応じて各電圧を加える時間を設定している。但しこのとき、3,000V以上の電位治療の時間は60分以内に設定する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の高圧電位治療器は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0062】
本発明では、入力電圧を高圧に変換するための高圧電位発生手段を備え、これにより被治療者に高圧電位を加えることを可能にするとともに、電圧調整手段とこの電圧調整手段の作動を制御する制御手段を備えて、制御手段の制御によって、高圧変換の基礎となる電源の電圧を調整可能にしている。
【0063】
そのため、予め、睡眠リズムに合わせて、高圧変換の基礎となる電源の電圧を徐々に上げていくことにより、眠りの深さに応じて電圧値を上げていくことが可能となり、したがって、本発明の高圧電位治療器を用いることにより、例えば、被治療者に加える電圧値を、1,000V、3,000V、5,000V、7,000、8,000V、9,000Vと順次上げていくことができ、これによって、入眠当初の浅い眠りのときは交流の振動を被治療者に伝わらせることを防止でき、睡眠の妨げになることなく、有効な高圧電位治療を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧電位治療器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の高圧電位治療器の実施例における電圧調整手段を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の高圧電位治療器の実施例における制御系を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の高圧電位治療方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 高圧電位治療器
2 スイッチング電源(SW電源)
3 電圧調整手段
4 マイコン
5 リレー(切換器)
6 高圧発生手段
7 変圧手段(トランス)
8 5逓倍回路
9 通電マット
10 表示部
11 操作パネル
12 スピーカー
Claims (4)
- 被治療者に対して高圧の電位を加えて電位治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に調整するための電圧調整手段(3)と、
該電圧調整手段(3)により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧に変換して出力するための高圧電位発生手段(6)と、
前記電圧調整手段(3)を制御して、予め設定された順序にしたがって入力電源の電圧を調整するための制御手段(4)と、を備えたことを特徴とする高圧電位治療器。 - 被治療者に対して高圧の電位又は温熱を加えて治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に調整するための電圧調整手段(3)と、
該電圧調整手段(3)により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧に変換して出力するための高圧電位発生手段(6)と、
電位治療と温熱治療とを切り替えるための切替手段(5)と、
前記電圧調整手段(3)を制御して、予め設定された順序にしたがって入力電源の電圧を調整するとともに、前記切替手段(5)の作動を制御するための制御手段(4)と、を備えたことを特徴とする高圧電位治療器。 - 前記電圧調整手段(3)としてラダー抵抗回路を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高圧電位治療器。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかを用いた高圧電位治療方法であって、予め被治療者に加える複数種類の電圧値、並びにそれらの電圧を被治療者に加える順序及び時間を設定しておき、
治療開始と同時に、前記予め設定した電圧値並びにその電圧を被治療者に加える順序及び時間にしたがって、入力電源の電圧を調整するとともに該調整した電圧を高圧に変換して被治療者に加えることを特徴とする高圧電位治療方法。
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