JP2005038872A - シート型トランス及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁耐圧を向上させる。
【解決手段】多層プリント配線板210、220の巻線パターン形成領域212、222内の各導体パターン層に、シート型トランスの1次巻線及び2次巻線を形成する。そしてこれらの巻線の中心に開口部を設ける。こうしてシート型トランスの原形を形成する。このシート型トランスの原形の全面に真空中で蒸着によりパリレン樹脂層214、224を形成する。その後、フェライトコア260を挿入して完成させたシート型トランスの全面を空気中で塗布等によりシリコン樹脂層240を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】多層プリント配線板210、220の巻線パターン形成領域212、222内の各導体パターン層に、シート型トランスの1次巻線及び2次巻線を形成する。そしてこれらの巻線の中心に開口部を設ける。こうしてシート型トランスの原形を形成する。このシート型トランスの原形の全面に真空中で蒸着によりパリレン樹脂層214、224を形成する。その後、フェライトコア260を挿入して完成させたシート型トランスの全面を空気中で塗布等によりシリコン樹脂層240を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート型トランスを用いる電源モジュール等の回路を搭載した電子機器に係り、特にシート型トランスと周辺の電源モジュール等の回路間の絶縁耐圧の向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源などにおいては、昇圧用、降圧用にトランスが使用されていることは周知の事実である。
従来トランスをはじめとするインダクタンス部品の大部分はエナメル被覆等の被覆銅線をコイル状に巻いたものが一般的であり、インダクタンスやQ値を大きくするためにこのコイルの中央部にフェライト等の磁心を使用するのが普通である。
【0003】
このような従来のトランスはその構成が磁心と断面が円となる銅線であることから、必然的に寸法が大きくなってしまう。このため、従来のトランスを携帯機器や車両機器、航空機器、宇宙機器等の搭載用電子機器に組み込む場合には、その取付方法において振動や衝撃による影響を十分配慮する必要があり、機器の小型化や設計の自由度を阻害する要因となっていた。そこで、小型軽量化が進む携帯機器や大きな重力加速度がかかる搭載用機器においては、巻線の代わりにフレキシブルプリント配線板または多層プリント配線板の導体パターンを使用したシート型のトランスが実用化されている。
【0004】
このようなシート型トランスを用いた電源モジュールの一例として図2に示すようなものがある。
この電源モジュールの回路構成は図3のとおりである。図2において、100は電源モジュール、110は多層プリント配線板である。
【0005】
多層プリント配線板110内に2点鎖線で示した領域120は、図3の回路のうちトランス及びリアクトルを除いた電源モジュール機能回路部である。130aは電源モジュール機能回路部120の周縁から突出させて形成されたシート型トランス、150aは電源モジュール機能回路部120の周縁から突出させて形成されたシート型リアクトル、160aはフェライトコアである。
【0006】
135aは、多層プリント配線板110の電源モジュール機能回路部120に隣接して配置される、シート型トランス130a用の端子配置領域、155aは、シート型リアクトル150a用の端子配置領域である。なお、図2では電源モジュール基板たる多層プリント配線板110の形状を明瞭に示すために、フェライトコア160aを破線で記している。
【0007】
この電源モジュール100は、小型・軽量化と振動や衝撃に対する強度向上を達成するため、一枚の多層プリント配線板110にシート型トランス130aおよびシート型リアクトル150aと電源モジュール機能回路部120を一体的に形成したものである(特許文献1参照)。なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0008】
【特許文献1】
特願2002−198472号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来例によれば、小型・軽量化と振動や衝撃に対する強度向上させたシート型トランスとそれを用いた電子機器を提供できる。
しかしながら、小型化をより一層進めたシート型トランスを、その構成要素である多層基板に形成された巻線パターンに高い電圧を誘起させて使用する場合には、このシート型トランスと外部の回路間およびシート型トランスを構成する巻線パターンとフェライトコア間との絶縁耐圧を十分にとることが困難で、これらの部品間の間隔を十分にとる必要がある等使用上の制限があるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、絶縁耐圧を高くすることで使用上の制限を少なくすることができるシート型トランス及び電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明になるシート型トランスは、上下2分割された三脚コアの中央脚を挿入してこの三脚コアにより挟み込むことによりなるシート型トランスであって、この三脚コア挿入前のシート型トランスの全面に真空中で電気絶縁性の第1の合成樹脂材を蒸着させた後、この三脚コアを挿入して完成されたシート型トランスの全面を空気中で電気絶縁性の第2の合成樹脂材でコーティングすること、を特徴とするものである。
【0011】
本発明になる電子機器は、多層プリント配線板の一部分に形成されたシート型トランスと、このシート型トランスと接続される、前記多層プリント配線板に形成された電子機器回路とを有する電子機器において、前記電子機器回路が実装され、三脚コア挿入前の電子機器の全面に真空中で電気絶縁性の第1の合成樹脂材を蒸着させた後、この三脚コアを挿入してからこの電子機器の全面に空気中で電気絶縁性の第2の合成樹脂材でコーティングすること、を特徴とするものである。
【0012】
そして、前述のシート型トランスおよび電子機器に使用される第1の合成樹脂材はパリレン樹脂であること、また第2の合成樹脂材はシリコン樹脂であることを特徴とするものである。
【0013】
本願発明によれば、シート型トランスや電子機器を電気絶縁性の合成樹脂材でコーティングすることにしたので、このシート型トランスと外部の回路間およびシート型トランスを構成する巻線パターンとフェライトコア間との絶縁耐圧を高くできる。特に二重にコーティングすることにしたので、第2の合成樹脂材のコーティング層は第1の合成樹脂でのコーティング層を機械的に保護すると共に全体の絶縁耐圧を倍加できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態となる電源モジュールのシート型トランスを中心とした一部の断面模式図である。本実施の形態においては、シート型トランスの一次側と二次側を別々の多層プリント配線板で製造する場合を例にとって説明する。
図1において、200は電源モジュール、230はシート型トランス、210はシート型トランス230の一次側巻線パターンを含む電源モジュール200の電気回路を実装する多層プリント配線板、220はシート型トランス230のニ次側巻線パターンを含む電源モジュール200の電気回路を実装する多層プリント配線板である。
【0015】
図3は従来例でも用いた本実施の形態の電源モジュールである液晶ディスプレーのバックライト用冷陰極線管を放電発光させるためのインバータ原理図である。
図3において、1、2はフリップフロップを構成するトランジスタ、3は一次巻線パターン3a、3b、二次巻線3cおよび帰還巻線3dとからなるトランス、4は冷陰極線管である。この回路の動作を簡単に説明すると次のとおりである。トランジスタ1、2が交互にオン・オフを繰り返すことによってトランス3の一次側に印加される直流電圧をスイッチングし、トランス3の二次側に巻数比に応じた高圧電圧を誘起させ、冷陰極線管4を点灯させる。
【0016】
次に、絶縁耐圧向上手段について、図1を用いて説明する。
まず、図3に示すような回路を、公知の手段を用いてパターン設計し、多層プリント配線板210と多層プリント配線板220を製造する。
図1において、212は多層プリント配線板210に形成された巻線パターン形成領域、222は多層プリント配線板220に形成された巻線パターン形成領域、260はフェライトコア、214は絶縁耐圧向上のための第1のコーティングとして多層プリント配線板210に施されたパリレン樹脂層、224は同じ目的のための第1のコーティングとして多層プリント配線板220に施されたパリレン樹脂層、240は同じ目的のための第2コーティングとして施されたシリコン樹脂層、230はシート型トランスである。
【0017】
以下、絶縁耐圧向上手段について具体的に説明する。
多層プリント配線板210、220にフェライトコア260以外の所要電子部品を実装する。そして、この部品が実装された多層プリント配線板210、220を真空の状態で、その表面にパリレン樹脂を蒸着する。こうして、多層プリント配線板210、220には所要電子部品の上から一様の厚みでパリレン樹脂層214、224が形成される。このパリレン樹脂層212、224の厚さは10ミクロン〜50ミクロンが適当である。パリレン樹脂を蒸着によってコーティングするのは、空気泡を最小限に押さえると共に狭い隙間にもパリレン樹脂を充填させることができるからである。
【0018】
次に、巻線パターン形成領域212、222にフェライトコア260をそれぞれの巻線パターン形成領域の中央に形成された開口部に中央脚を挿入して、それぞれの巻線パターン形成領域を上下方向から挟み込むようにして装着する。
【0019】
このようにして製造された完成手前の電源モジュールは、今度は通常の空気中でその表面にシリコン樹脂を塗布または含漬によりコーティングする。こうして完成手前の電源モジュールにはフェライトコアおよび所要電子部品の上から一様の厚みでシリコン樹脂層240が形成される。シリコン樹脂層240の厚さは0.1mm〜2mmが適当である。
このように2段階の電気絶縁性樹脂を用いたコーティングを施すことにより、シート型トランスの巻線パターンに誘起される電圧によって層間接続材である絶縁樹脂層からの放電が阻止されるのでシート型トランスの絶縁耐圧が向上する。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように、シート型トランスを二重に電気的絶縁材で覆うこととしたので、巻線パターンからの放電を阻止することができるから絶縁耐圧の向上したシート型トランスを実現することができる。
【0021】
また、このように絶縁耐圧が向上したシート型トランスが実現できるので、小型で信頼性の高い液晶ディスプレーのバックライト用冷陰極線管を放電発光させるためのインバータやその他の高圧電源等の電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態となる電源モジュールのシート型トランスを中心とした一部の断面模式図である。
【図2】従来の実施の形態となる電源モジュールの平面図である。
【図3】従来のそして本実施の形態の電源モジュールである液晶ディスプレーのバックライト用冷陰極線管を放電発光させるためのインバータ原理図である。
【符号の説明】
200 電源モジュール
210、220 多層プリント配線板
212、222 巻線パターン形成領域
214、224 パリレン樹脂層
230 シート型トランス
240 シリコン樹脂層
260 フェライトコア
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート型トランスを用いる電源モジュール等の回路を搭載した電子機器に係り、特にシート型トランスと周辺の電源モジュール等の回路間の絶縁耐圧の向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源などにおいては、昇圧用、降圧用にトランスが使用されていることは周知の事実である。
従来トランスをはじめとするインダクタンス部品の大部分はエナメル被覆等の被覆銅線をコイル状に巻いたものが一般的であり、インダクタンスやQ値を大きくするためにこのコイルの中央部にフェライト等の磁心を使用するのが普通である。
【0003】
このような従来のトランスはその構成が磁心と断面が円となる銅線であることから、必然的に寸法が大きくなってしまう。このため、従来のトランスを携帯機器や車両機器、航空機器、宇宙機器等の搭載用電子機器に組み込む場合には、その取付方法において振動や衝撃による影響を十分配慮する必要があり、機器の小型化や設計の自由度を阻害する要因となっていた。そこで、小型軽量化が進む携帯機器や大きな重力加速度がかかる搭載用機器においては、巻線の代わりにフレキシブルプリント配線板または多層プリント配線板の導体パターンを使用したシート型のトランスが実用化されている。
【0004】
このようなシート型トランスを用いた電源モジュールの一例として図2に示すようなものがある。
この電源モジュールの回路構成は図3のとおりである。図2において、100は電源モジュール、110は多層プリント配線板である。
【0005】
多層プリント配線板110内に2点鎖線で示した領域120は、図3の回路のうちトランス及びリアクトルを除いた電源モジュール機能回路部である。130aは電源モジュール機能回路部120の周縁から突出させて形成されたシート型トランス、150aは電源モジュール機能回路部120の周縁から突出させて形成されたシート型リアクトル、160aはフェライトコアである。
【0006】
135aは、多層プリント配線板110の電源モジュール機能回路部120に隣接して配置される、シート型トランス130a用の端子配置領域、155aは、シート型リアクトル150a用の端子配置領域である。なお、図2では電源モジュール基板たる多層プリント配線板110の形状を明瞭に示すために、フェライトコア160aを破線で記している。
【0007】
この電源モジュール100は、小型・軽量化と振動や衝撃に対する強度向上を達成するため、一枚の多層プリント配線板110にシート型トランス130aおよびシート型リアクトル150aと電源モジュール機能回路部120を一体的に形成したものである(特許文献1参照)。なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0008】
【特許文献1】
特願2002−198472号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来例によれば、小型・軽量化と振動や衝撃に対する強度向上させたシート型トランスとそれを用いた電子機器を提供できる。
しかしながら、小型化をより一層進めたシート型トランスを、その構成要素である多層基板に形成された巻線パターンに高い電圧を誘起させて使用する場合には、このシート型トランスと外部の回路間およびシート型トランスを構成する巻線パターンとフェライトコア間との絶縁耐圧を十分にとることが困難で、これらの部品間の間隔を十分にとる必要がある等使用上の制限があるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、絶縁耐圧を高くすることで使用上の制限を少なくすることができるシート型トランス及び電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明になるシート型トランスは、上下2分割された三脚コアの中央脚を挿入してこの三脚コアにより挟み込むことによりなるシート型トランスであって、この三脚コア挿入前のシート型トランスの全面に真空中で電気絶縁性の第1の合成樹脂材を蒸着させた後、この三脚コアを挿入して完成されたシート型トランスの全面を空気中で電気絶縁性の第2の合成樹脂材でコーティングすること、を特徴とするものである。
【0011】
本発明になる電子機器は、多層プリント配線板の一部分に形成されたシート型トランスと、このシート型トランスと接続される、前記多層プリント配線板に形成された電子機器回路とを有する電子機器において、前記電子機器回路が実装され、三脚コア挿入前の電子機器の全面に真空中で電気絶縁性の第1の合成樹脂材を蒸着させた後、この三脚コアを挿入してからこの電子機器の全面に空気中で電気絶縁性の第2の合成樹脂材でコーティングすること、を特徴とするものである。
【0012】
そして、前述のシート型トランスおよび電子機器に使用される第1の合成樹脂材はパリレン樹脂であること、また第2の合成樹脂材はシリコン樹脂であることを特徴とするものである。
【0013】
本願発明によれば、シート型トランスや電子機器を電気絶縁性の合成樹脂材でコーティングすることにしたので、このシート型トランスと外部の回路間およびシート型トランスを構成する巻線パターンとフェライトコア間との絶縁耐圧を高くできる。特に二重にコーティングすることにしたので、第2の合成樹脂材のコーティング層は第1の合成樹脂でのコーティング層を機械的に保護すると共に全体の絶縁耐圧を倍加できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態となる電源モジュールのシート型トランスを中心とした一部の断面模式図である。本実施の形態においては、シート型トランスの一次側と二次側を別々の多層プリント配線板で製造する場合を例にとって説明する。
図1において、200は電源モジュール、230はシート型トランス、210はシート型トランス230の一次側巻線パターンを含む電源モジュール200の電気回路を実装する多層プリント配線板、220はシート型トランス230のニ次側巻線パターンを含む電源モジュール200の電気回路を実装する多層プリント配線板である。
【0015】
図3は従来例でも用いた本実施の形態の電源モジュールである液晶ディスプレーのバックライト用冷陰極線管を放電発光させるためのインバータ原理図である。
図3において、1、2はフリップフロップを構成するトランジスタ、3は一次巻線パターン3a、3b、二次巻線3cおよび帰還巻線3dとからなるトランス、4は冷陰極線管である。この回路の動作を簡単に説明すると次のとおりである。トランジスタ1、2が交互にオン・オフを繰り返すことによってトランス3の一次側に印加される直流電圧をスイッチングし、トランス3の二次側に巻数比に応じた高圧電圧を誘起させ、冷陰極線管4を点灯させる。
【0016】
次に、絶縁耐圧向上手段について、図1を用いて説明する。
まず、図3に示すような回路を、公知の手段を用いてパターン設計し、多層プリント配線板210と多層プリント配線板220を製造する。
図1において、212は多層プリント配線板210に形成された巻線パターン形成領域、222は多層プリント配線板220に形成された巻線パターン形成領域、260はフェライトコア、214は絶縁耐圧向上のための第1のコーティングとして多層プリント配線板210に施されたパリレン樹脂層、224は同じ目的のための第1のコーティングとして多層プリント配線板220に施されたパリレン樹脂層、240は同じ目的のための第2コーティングとして施されたシリコン樹脂層、230はシート型トランスである。
【0017】
以下、絶縁耐圧向上手段について具体的に説明する。
多層プリント配線板210、220にフェライトコア260以外の所要電子部品を実装する。そして、この部品が実装された多層プリント配線板210、220を真空の状態で、その表面にパリレン樹脂を蒸着する。こうして、多層プリント配線板210、220には所要電子部品の上から一様の厚みでパリレン樹脂層214、224が形成される。このパリレン樹脂層212、224の厚さは10ミクロン〜50ミクロンが適当である。パリレン樹脂を蒸着によってコーティングするのは、空気泡を最小限に押さえると共に狭い隙間にもパリレン樹脂を充填させることができるからである。
【0018】
次に、巻線パターン形成領域212、222にフェライトコア260をそれぞれの巻線パターン形成領域の中央に形成された開口部に中央脚を挿入して、それぞれの巻線パターン形成領域を上下方向から挟み込むようにして装着する。
【0019】
このようにして製造された完成手前の電源モジュールは、今度は通常の空気中でその表面にシリコン樹脂を塗布または含漬によりコーティングする。こうして完成手前の電源モジュールにはフェライトコアおよび所要電子部品の上から一様の厚みでシリコン樹脂層240が形成される。シリコン樹脂層240の厚さは0.1mm〜2mmが適当である。
このように2段階の電気絶縁性樹脂を用いたコーティングを施すことにより、シート型トランスの巻線パターンに誘起される電圧によって層間接続材である絶縁樹脂層からの放電が阻止されるのでシート型トランスの絶縁耐圧が向上する。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように、シート型トランスを二重に電気的絶縁材で覆うこととしたので、巻線パターンからの放電を阻止することができるから絶縁耐圧の向上したシート型トランスを実現することができる。
【0021】
また、このように絶縁耐圧が向上したシート型トランスが実現できるので、小型で信頼性の高い液晶ディスプレーのバックライト用冷陰極線管を放電発光させるためのインバータやその他の高圧電源等の電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態となる電源モジュールのシート型トランスを中心とした一部の断面模式図である。
【図2】従来の実施の形態となる電源モジュールの平面図である。
【図3】従来のそして本実施の形態の電源モジュールである液晶ディスプレーのバックライト用冷陰極線管を放電発光させるためのインバータ原理図である。
【符号の説明】
200 電源モジュール
210、220 多層プリント配線板
212、222 巻線パターン形成領域
214、224 パリレン樹脂層
230 シート型トランス
240 シリコン樹脂層
260 フェライトコア
Claims (3)
- 上下2分割された三脚コアの中央脚を挿入してこの三脚コアにより挟み込むことによりなるシート型トランスであって、
この三脚コア挿入前のシート型トランスの全面に真空中で電気絶縁性の第1の合成樹脂材を蒸着させた後、
この三脚コアを挿入して完成されたシート型トランスの全面を空気中で電気絶縁性の第2の合成樹脂材でコーティングすること、
を特徴とするシート型トランス。 - 多層プリント配線板の一部分に形成されたシート型トランスと、
このシート型トランスと接続される、前記多層プリント配線板に形成された電子機器回路とを有する電子機器において、
前記電子機器回路が実装され、三脚コア挿入前の電子機器の全面に真空中で電気絶縁性の第1の合成樹脂材を蒸着させた後、
この三脚コアを挿入してからこの電子機器の全面に空気中で電気絶縁性の第2の合成樹脂材でコーティングすること、
を特徴とする電子機器。 - 請求項1および請求項2記載の第1の合成樹脂材はパリレン樹脂であること、また第2の合成樹脂材はシリコン樹脂であることを特徴とする請求項1記載のシート型トランス又は請求項2記載の電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2003196933A JP2005038872A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | シート型トランス及び電子機器 |
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-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003196933A patent/JP2005038872A/ja active Pending
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