JP2005038792A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の電源装置101は、メタノールを燃料とする燃料電池116と、負荷に電力を供給する二次電池120と、前記燃料電池に供給する燃料及び/又は反応空気の量を制御する燃料電池制御部117と、前記燃料電池116が出力する電力を所定の電圧又は電流に変換して、負荷及び/又は前記二次電池120に電力を供給し、前記燃料電池が排出するメタノールの量が最小を含む所定の範囲内になるように、その供給電力を制御する電力コンバータ119と、を有する。
【選択図】図1
Description
メタノールタンク114には、数%〜100%のメタノール(CH3OH)が貯蔵されている。
特許文献3の燃料電池システム及び燃料電池制御方法は、改質器を有するため、装置が高価になり大型化するという問題があった。特許文献3においては、エネルギ変換効率(=発電効率×ガス利用率)が最も良いポイントで燃料電池1236を動作させた。燃料を十分に供給する必要があるため、特許文献3の燃料電池システム及び燃料電池制御方法を非循環式のDMFC(ダイレクトメタノール型燃料電池)に適用した場合に、燃料電池から使用されなかったメタノールが多量に排出されてしまう。そのため、排出されたメタノールの浄化方法が問題となった。
本発明は、燃料利用率の優れた電源装置を提供することを目的とする。
本発明は、簡単な構成の電源装置を提供することを目的とする。
従来、燃料電池の排出に含まれるメタノールの量がほとんどなくなるような条件で燃料電池を駆動するという着想はなかった。例えば特許文献3の燃料電池システム及び燃料電池制御方法は、燃料電池に十分な量の燃料を供給する条件において、エネルギ変換効率が最も高い動作ポイントで燃料電池を動作させた。従って、特許文献3に記載された燃料電池の動作条件と、本願発明の燃料電池の動作条件とは全く異なる。
本発明は、燃料電池の制御が容易で、且つ燃料電池の燃料利用率が高い電源装置を実現できるという作用を有する。燃料電池に供給された燃料はほとんど使い切られる故に、排出がクリーンな電源装置を実現できる。
本発明は、燃料電池の制御が容易で、且つ燃料電池の燃料利用率が高い電源装置を実現できるという作用を有する。
本発明は、燃料電池の制御が容易で高い安定性を有し、且つ燃料電池の燃料利用率が高い電源装置を実現できるという作用を有する。
本発明は、分離器を必要としない小型で安価な電源装置を実現できるという作用を有する。本発明は、従来の非循環式燃料電池又は従来の循環式燃料電池と較べて、燃料電池の燃料利用率が高い電源装置を実現できるという作用を有する。
出力する電流に対して供給するメタノールが不足してしまうと、燃料電池の出力電圧が急低下するという問題がある。本発明により、燃料電池に供給する燃料の量の切り換え時に、燃料電池の出力電圧が急低下することを防止できる。安定して電力を供給する燃料電池を実現できる。
本発明によれば、燃料電池が微量のメタノールしか排出しない故、簡易な構成の浄化部を設けることにより、排出がクリーンな電源装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、燃料利用率の優れた電源装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、燃料電池が微量のメタノールしか排出せず、小型で安価な電源装置を実現できるという有利な効果が得られる。
《実施の形態1》
はじめに、実施の形態1の電源装置の構成について説明する。図1は本発明の実施の形態1の電源装置の構成を示すブロック図である。図1において、101は電源装置、102は本体装置である。電源装置101は、リターンポンプ111、希釈タンク112、メタノールポンプ113、メタノールタンク114、浄化部115、燃料電池116、燃料電池制御部117、燃料電池116の出力電流を検出する燃料電池出力電流検出器118、DC−DCコンバータ119、二次電池120、二次電池120の出力電圧を検出する二次電池出力電圧検出器121を有する。燃料電池116は、スタック122、燃料ポンプ123、空気ポンプ124を有する。本体装置102は、負荷131を有する。
出力電流−出力電圧特性203においても、出力電流が0〜A3(A)の時は、出力電流が大きくなるにつれて電圧はやや減少するが安定した電圧が保たれる。出力電流がA3(A)を越えると、出力電流が大きくなるにつれて出力電圧の減少率は増大する。
つまり、出力電流が0〜A3(A)の範囲では、燃料電池116は供給されたメタノールを使い切れずに残りのメタノールを排出する。出力電流がA3(A)以上の時、燃料電池116は供給されたメタノールをほとんど使い切り、微量のメタノールしか排出しない。出力電流がA3(A)より所定量以上大きいと、燃料電池116の出力電圧は急落する。燃料の量が0.2cc/min、0.1cc/minの場合においても同様である。
実施の形態1の電源装置101の燃料電池制御部117は、燃料の量をパラメータとする出力電流−出力電圧特性、出力電流−出力電力特性図(例えば図2)に基づき、各発電モードにおける一定の燃料の量と、それに対応する目標出力電流値(その燃料の量で電力が最大となる電流値からその電流値より所定量だけ多い電流値(出力電圧が急落する前の電流値)までの範囲内の値)と、を対応させて記憶している。燃料電池制御部117は、DC−DCコンバータ119に、燃料の量に対応する目標出力電流値を指示する。例えば燃料の量0.1cc/minでスタック122にメタノールを供給した場合、燃料電池制御部117は上記特性図に基づき燃料電池116の出力電流値がA1〜A1+α(αは正数)の範囲内の値になるように、DC−DCコンバータ119に指示する。
その結果、従来の循環式燃料電池の有効電力量は7.6%(損失電力量が92.4%)なのに対し、本発明の実施の形態1のバランス式燃料電池の有効電力量は15.9%(損失電力量が84.1%)となる。本発明の実施の形態1のバランス式燃料電池は、同一の燃料により従来の2倍以上の電力を供給することができる。
本発明の実施の形態1の本体装置102の動作モードは、平均消費電力の概略値に基づいて分類された4つの動作モードに大きく分けられる。下記表1を用いて、本体装置102(パーソナルコンピュータ)の4つの動作モードについて説明する。
第2の動作モードは、パーソナルコンピュータで動画再生中のモードである。第2の動作モードにおける平均消費電力は14Wである。
第3の動作モードは、パーソナルコンピュータでアプリケーションソフトを実行している(例えばワードプロセッサのキー入力操作をしている)モードである。通常この動作モードが一番頻度が高く長時間使用されるモードである。第3の動作モードにおける平均消費電力は10Wである。
第4の動作モードは、パーソナルコンピュータがスタンバイ状態、休止状態のモードである。第4の動作モードは、第3の動作モードの次に頻度が高く長時間使用されるモードである。第4の動作モードにおける平均消費電力は0.5Wである。
なお、本体装置の起動に要する平均消費電力は、14Wである。
表2は、本体装置102の動作モードと、燃料電池116の発電モードとを組み合わせた時の二次電池120の充放電電力を示す。燃料電池116自体を運転するための電力(自己消費電力)はどの発電モードにおいても3Wである。表2において、全消費電力は本体装置102の平均消費電力(表1)と燃料電池116の自己消費電力(3W)とを合わせた値である。表2において、二次電池120の充放電電力=本体装置102の平均消費電力(表1)+燃料電池116の自己消費電力(3W)−燃料電池116の発電電力で表される(正値が放電、負値が充電)。
本体装置102が第3の動作モードであって、燃料電池116の発電量が中間値(13W発電モード)である時、二次電池120はほとんど充電も放電もしない。燃料電池116は13W発電モードを長時間に渡って継続できる。同様に、本体装置102が第4の動作モードであって、燃料電池116の発電量が最小値(3W発電モード)である時、燃料電池116が出力する電力は、電源装置101の自己消費電力と略同一である。二次電池120は0.5W放電するが、燃料電池116は3W発電モードを10数時間に渡って継続できる。
図4は、一般的な二次電池(例えばリチウム電池)の放電特性(残存容量−電圧特性)を示す図である。図4において、横軸は残存容量(%)を表し、縦軸は出力電圧(V)を表す。図4に示すように、二次電池120の出力電圧を検出すれば、二次電池120の残存容量を知ることが出来る。二次電池120が過充電又は過放電されないようにするため、及び例えば燃料電池116が起動した時燃料電池116が電力を供給出来るようになるまで、二次電池120が単独で負荷に電力を供給出来る程度の電力量を常に有するようにするため、本発明の実施の形態1の電源装置101は、二次電池120の残存容量が35%〜95%の範囲内になるように制御する。
図5は、本発明の実施の形態1の電源装置の燃料電池の発電モードの遷移を示すフローチャートである。図5において、本体装置102の電源が投入された時、ステップ501で燃料電池制御部117は、燃料電池116を3W発電モードとする。ステップ502で、燃料電池制御部117は燃料電池116が所定の温度に達したか否かを判断する。燃料電池116が所定の温度に達するまでは、燃料電池制御部117は3W発電モードを維持する。燃料電池116はその温度が40℃〜60℃に達した段階で安定して発電することができる。つまり、燃料電池116は、スタック122の温度が40℃〜60℃に上昇するまで(通常、電源投入後この温度に達するまでに15分程度の時間を要する。)十分な発電を行うことはできない。燃料電池116が所定の温度に達するまでに、燃料電池制御部117が例えば17W発電モードに設定し、多量のメタノールを燃料電池116に供給しても、燃料電池116は処理できず多量のメタノールを排出することになる。そこでこのようなことが生じない様に、燃料電池116が所定の温度に達するまで、燃料電池制御部117は3W発電モードを維持する。実施の形態1において、所定の温度は40℃である。
601で、本体装置102の電源が投入され、本体装置102は起動を開始する。燃料電池116は、3W発電モードで発電を開始する(ステップ501)。601〜602の間、二次電池120は本体装置102の起動に要する平均消費電力(14W)及び燃料電池116の自己消費電力(3W)のほとんどの電力を供給する(放電する)。602で、本体装置102の起動が完了し、本体装置102はアプリケーションソフトであるワードプロセッサのキー入力操作を実行する(第3の動作モード)。602〜603の間、二次電池120は本体装置102の動作電力(10W)及び燃料電池116の自己消費電力(3W)の大部分の電力を供給する(放電する)。601〜603の間、二次電池120の残存容量は減少する。
607で、本体装置102は動画再生中(第2の動作モード)となる。607〜608の間、二次電池120は14W放電する(二次電池120の残存容量は減少する。)。608で、燃料電池制御部117は二次電池120の残存容量(65%)を判定して13W発電モードに切り換える(ステップ505)。608以降、二次電池120は4W放電する(二次電池120の残存容量は減少する。)。
実施の形態1においては、従来例の循環式燃料電池と比較して、燃料電池に供給するメタノールに対して燃料電池が出力する有効電力量を倍増させることが可能である。
《実施の形態2》
はじめに、実施の形態2の電源装置の構成について説明する。図7は本発明の実施の形態2の電源装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2の電源装置701は、実施の形態1の燃料電池出力電流検出器118及びDC−DCコンバータ119に代えて、燃料電池出力電圧検出器718及びDC−DCコンバータ719を有する。それ以外の点において、実施の形態2の電源装置701は、実施の形態1と同一である。図7において、実施の形態1と同一のブロックには同一の符号を付している。
燃料電池116は、メタノールを原料とするバランス式燃料電池である。二次電池120は、リチウムイオン二次電池である。メタノールタンク114には、数%〜100%のメタノール(CH3OH)が貯蔵されている。本体装置102は、パーソナルコンピュータである。
実施の形態2の電源装置101の燃料電池制御部117は、燃料の量をパラメータとする出力電流−出力電圧特性、出力電圧−出力電力特性図(例えば図2、図8)に基づき、各発電モードにおける一定の燃料の量と、それに対応する目標出力電圧値(その燃料の量で電力が最大となる電圧値からその電圧値より所定量だけ低い電圧値までの範囲内の値)と、を対応させて記憶している。燃料電池制御部117は、DC−DCコンバータ719に、燃料の量に対応する目標出力電圧値を指示する。例えば燃料の量0.1cc/minでスタック122にメタノールを供給した場合、燃料電池制御部117は上記特性図に基づき燃料電池116の出力電圧値がV1〜V1−β(βは正数)の範囲内の値になるように、DC−DCコンバータ719に指示する。実施の形態1と2とにおいて、目標となる動作点は、実質的に同一である。例えば燃料の量が0.3cc/minの場合(出力電流−出力電圧特性203)を例に取ると、実施の形態1における定電流制御の目標電流と、実施の形態2における定電圧制御の目標電圧とで定まる点は、出力電流−出力電圧特性203上に位置する。
図8は本発明の実施の形態2の電源装置のバランス式燃料電池の燃料の量による出力電圧−出力電力特性を示す図である。図8は、横軸が電流である図2を、横軸を電圧にして書き換えたものである。図8において、横軸は出力電圧(V)を表し、縦軸は出力電力(W)を表す。801、802、803は、燃料の量がそれぞれ0.1cc/min、0.2cc/min、0.3cc/minの場合の出力電圧−出力電力特性を示す。図8において出力電力が最大となる点よりも電圧が低い領域における出力電圧−出力電力特性の傾きは、図2において出力電力が最大となる点よりも電流が大きい領域における出力電流−出力電力特性の傾きよりはるかに緩やかである。このことは、実施の形態2における定電圧制御が実施の形態1における定電流制御よりはるかに容易であることを示す。
実施の形態2においては、DC−DCコンバータが、燃料電池の出力電圧が目標電圧になるように燃料電池の出力電力を制御することにより、実施の形態1より安定した電力を供給することが可能である。
ここで、実施の形態2の電源装置701は、実施の形態1の電源装置と同等の燃料利用率を実現した(図3)。
実施の形態1及び2では本体装置102はパーソナルコンピュータであったが、電源を必要とする他の装置であっても良い。
実施の形態1において、電源装置は出力電力が略最大になる状態における燃料電池の出力電流値以上の値を目標電流とした。これに代えて、燃料電池が排出するメタノールがそれ程増加しない範囲であれば、目標電流値が、出力電力が略最大になる状態における燃料電池の出力電流値よりも小さな値であっても良い。実施の形態2において、電源装置は出力電力が略最大になる状態における燃料電池の出力電圧値以下の値を目標電圧とした。これに代えて、燃料電池が排出するメタノールがそれ程増加しない範囲であれば、目標電流値が、出力電力が略最大になる状態における燃料電池の出力電圧値よりも大きな値であっても良い。但し、実施の形態1及び2の構成の方が好ましい。
本発明を適用して、分離器を有する電源装置を実現することも出来るし、分離器を使用しない構成の電源装置を実現することも出来る。
102 本体装置
111 リターンポンプ
112 希釈タンク
113 メタノールポンプ
114 メタノールタンク
115 浄化部
116 燃料電池
117 燃料電池制御部
118 燃料電池出力電流検出器
119、719 DC−DCコンバータ
120 二次電池
121 二次電池出力電圧検出器
122 スタック
123 燃料ポンプ
124 空気ポンプ
131 負荷
718 燃料電池出力電圧検出器
Claims (6)
- メタノールを燃料とする燃料電池と、
負荷に電力を供給する二次電池と、
前記燃料電池に供給する燃料及び/又は反応空気の量を制御する燃料電池制御部と、
前記燃料電池が出力する電力を所定の電圧又は電流に変換して、負荷及び/又は前記二次電池に電力を供給し、前記燃料電池が排出するメタノールの量が最小を含む所定の範囲内になるように、その供給電力を制御する電力コンバータと、
を有することを特徴とする電源装置。 - メタノールを燃料とする燃料電池と、
負荷に電力を供給する二次電池と、
少なくとも所定の発電モードにおいて、単位時間当たり一定量の燃料を前記燃料電池に供給する燃料電池制御部と、
前記燃料電池が出力する電力を所定の電圧又は電流に変換して、負荷及び/又は前記二次電池に電力を供給し、単位時間当たり一定量の燃料を前記燃料電池に供給している状態において、前記燃料電池の出力電力が最大を含む所定の範囲内になるように、その供給電力を制御する電力コンバータと、
を有することを特徴とする電源装置。 - 前記電力コンバータは前記燃料電池が出力する電流が目標電流になるように制御して、
前記目標電流が、前記燃料電池の出力電力が略最大になる状態における出力電流値より、所定量だけ多い値であることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。 - 前記電力コンバータは前記燃料電池が出力する電圧が目標電圧になるように制御して、
前記目標電圧が、前記燃料電池の出力電力が略最大になる状態における出力電圧値より、所定量だけ低い値であることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。 - 前記燃料電池が燃料と前記燃料電池の出力電力とをバランスさせるバランス式であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の電源装置。
- 前記燃料電池が出力する電力を増加させる時は、燃料の量を増加させた後、前記電力コンバータの供給電力を増加させ、前記燃料電池が出力する電力を減少させる時は、前記電力コンバータの供給電力を減少させた後、燃料の量を減少させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の電源装置。
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