JP2005038627A - 光源装置とこれに用いる反射部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い効率で供給可能な光源装置および光源装置に使用できる反射部材を提供すること。
【解決手段】照明光を供給する光源1と、少なくとも2枚の反射面2、3とを有し、第1の反射面2は第1の波長帯域の前記照明光を反射し、第2の反射面3は第2の波長帯域の前記照明光を反射して射出光とする構成の光源装置。
【選択図】 図1
【解決手段】照明光を供給する光源1と、少なくとも2枚の反射面2、3とを有し、第1の反射面2は第1の波長帯域の前記照明光を反射し、第2の反射面3は第2の波長帯域の前記照明光を反射して射出光とする構成の光源装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、反射鏡に回転楕円体面を用い、反射鏡の第1の焦点位置に照明光を供給する光源を配置し、第2の焦点位置に反射された照明光をライトガイドファイバの端面に集光する光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−283621号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の開示例では、ライトガイドファイバ端面が高温となることを防ぐために、反射鏡に誘電体多層膜を形成し、光源からの赤外線を透過し、可視光や紫外光を反射して集光するように構成している。
【0005】
しかしながら、誘電体多層膜を用いた反射膜では広い範囲の波長帯域の光を高い反射率で反射することが困難である。そこで紫外光のみ、あるいは可視光のみを高い反射率で反射させるために、これら波長帯域を選択的に反射させる誘電体多層膜を付着した反射鏡が別々に用いられている。このため、紫外光と可視光とを同時に、あるいは選択的に使用して照明をする際には、紫外光用、可視光用にそれぞれ光源装置を用意しなければならないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて行われたものであり、紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い効率で供給可能な光源装置および光源装置に使用できる反射部材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、照明光を供給する光源と、少なくとも2枚の反射面とを有し、第1の反射面は第1の波長帯域の前記照明光を反射し、第2の反射面は第2の波長帯域の前記照明光を反射して射出光とすることを特徴とする光源装置を提供する。
【0008】
また、本発明にかかる光源装置では、前記第1および第2の反射面は、それぞれ楕円鏡からなり、前記それそれの楕円鏡の焦点位置が略同じ位置になるように配置され、前記それぞれの楕円鏡には、それぞれ定められた波長帯域の光を反射して他の波長帯域の光を透過する誘電体膜を有し、前記光源は、前記それぞれの楕円鏡の第1、または第2の焦点位置近傍に配置され、前記照明光は、前記それぞれの楕円鏡で反射されて第2、または第1の焦点位置近傍に集光して前記射出光とすることが好ましい。
【0009】
また、本発明にかかる光源装置は、前記第1の反射面は少なくとも230nmから300nmの波長範囲の反射率が90%以上である第1の誘電体膜より構成され、前記第2の反射面は少なくとも500nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上である第2の誘電体膜によって構成され、前記2枚の反射面全体では、少なくとも230nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上であることが好ましい。
【0010】
また、本発明にかかる光源装置は、前記反射面で反射された照明光の波長帯域に対応する光量調整手段が前記射出光の光軸に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明にかかる光源装置は、前記反射面で反射された照明光の波長選択手段が前記射出光の光軸に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、少なくとも2枚の反射面を有する反射部材であって、第1の反射面は少なくとも230nmから300nmの波長範囲の反射率が90%以上である第1の誘電体膜より構成され、第2の反射面は少なくとも500nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上である第2の誘電体膜によって構成され、前記2枚の反射面全体では、少なくとも230nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上であることを特徴とする反射部材を提供する。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態にかかる光源装置について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【0015】
図1において、光源1と、2枚の楕円鏡2、および楕円鏡3で光源装置10が構成されている。楕円鏡2、および楕円鏡3は、それぞれ第一焦点aから第二焦点bまでの距離が同じであり、第一焦点a同士、および第二焦点b同士がほぼ同じ位置になるよう配置されている。光源1の発光部は、第一焦点aにあり、ここを発した光は楕円鏡2、および楕円鏡3で反射後、第二焦点bに集光する。
【0016】
光源1は、例えば、水銀ランプで紫外光4(実線で示す)と可視光5(破線で示す)を射出している。楕円鏡2は、ガラス基板に紫外光4を反射して可視光5を透過する後述する誘電体多層膜を付着したもので、光源1から射出された光のうち、紫外光の光束4を反射して集光点6に集光させ、可視光5を透過させている。
【0017】
楕円鏡3は、ガラス基板に可視光5を反射する後述する誘電体多層膜を付着したもので、楕円鏡2を透過した可視光5を反射している。反射した可視光5は、再び楕円鏡2を透過し、集光点6に集光される。従って、光源装置10は、紫外光4と可視光5の集光点が一致している。
【0018】
光源装置10の集光点6に集光された光束は、集光点6の位置に、例えばライトガイドファイバ18の端面を配置し、不図示の光学系に導かれて照明光として用いられる。
【0019】
本第1実施の形態における2枚の楕円鏡の一例に関し説明する。楕円鏡2は、波長が230nmから360nmまでの帯域の反射率が95%以上となるように楕円状のガラス基板に誘電体多層膜を成膜したものである。楕円鏡2の誘電体多層膜は、ハフニュウムの酸化物を主成分とする高屈折率層とケイ素の酸化物を主成分とする低屈折率層とを交互に積層したものである。楕円鏡3は、波長が360nmから800nmまでの帯域の反射率が95%以上となるように楕円状のガラス基板に誘電体多層膜を成膜したものである。楕円鏡3の誘電体多層膜は、チタンの酸化物を主成分とする高屈折率膜とケイ素の酸化物を主成分とする低屈折率層とを交互に積層したものである。このような楕円鏡2および楕円鏡3を用いることによって、光源1から射出された光のうち波長が230nmから800nmまでの帯域の光を高い効率で集光点6に集光することができる。
【0020】
このように、本第1実施の形態にかかる光源装置10によれば、光源装置10は、紫外光を反射する反射面と、可視光を反射する反射面の2つの反射面によって、1つの光源からの照明光を広い波長帯域にわたって高い効率で供給することが可能となる。さらに、光源1を楕円の焦点の1つ(第二焦点b)に配置し、2つの反射面を反射光が楕円のもう一つの焦点(第一焦点a)に集光するように配置することにより、ガイドファイバ18への照明光を効率よく集光できる。
【0021】
なお、第1実施の形態は光源装置に関するものであるが、楕円鏡2および楕円鏡3を一つの反射部材として用いることによって、紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い反射率で反射する反射部材として使用することも可能である。
【0022】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に付いて図面を参照して説明する。
【0023】
図2は、本発明の第2実施の形態にかかる光源装置を示す図であり、第1の実施の形態と同様の部分については、同じ符号を用い説明を省略する。
【0024】
図2の光源装置20は、図1の光源装置10における集光点6の近傍に、2つの楕円鏡2、および楕円鏡3で反射された照明光の波長帯域に対応した光量調整フィルタ7を追加して構成されている。光量調整フィルタ7は例えばメッシュ状の金属の薄板で、メッシュの大きさや密度の異なるフィルタが複数個用意され、適宜交換することでライトガイドファイバ18に入射する入射光量の調整を行うことを可能としている。
【0025】
なお、光量調整フィルタ7はメッシュ状の金属の薄板以外に、ガラス基板に金属薄膜や誘電体多層膜を付けたいわゆるNDフィルタを用いても良い。
【0026】
このように、本第2実施の形態では、楕円鏡で反射し集光する照明光の波長帯域に対応した光量調整フィルタを設けることによって、照明光の波長帯域に応じた効率の良い光量調整が可能となる。
【0027】
なお、誘電体多層膜は、第1実施の形態に記載したものに限定されない。紫外線を含む短波長帯域の照明光を反射させる反射鏡の高屈折率層の物質としては、ハフニウム(Hf)の酸化物あるいはランタン(La)のフッ化物等を使用できる。また、低屈折率層としては、ケイ素の酸化物あるいはマグネシウム(Mg)のフッ化物等を使用することができる。
【0028】
可視光を含む長波長帯域の照明光を反射させる反射鏡の高屈折率層の物質としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)の酸化物あるいはチタン(Ti)とランタン(La)を含む酸化物を使用できる。低屈折率層の物質としては、短波長域と同様にケイ素の酸化物あるいはマグネシウム(Mg)のフッ化物を使用することができる。さらに、多層膜を構成する誘電体層の中や多層膜の初層あるいは最終層に金、銀、アルミニウム等の金属膜を設ける構成としても良い。
【0029】
(第3実施の形態)
次に、本発明にかかる第3実施の形態に付いて図面を参照して説明する。
【0030】
図3は、本発明の第3実施の形態にかかる光源装置を示す図であり、第1実施の形態の光源装置10における集光点6と、ライトガイドファイバ18との間に、波長選択、および光量調整機能を持つ光学系を配置して構成されている。図3では、紫外光4の一部の波長域の光束を選択的に取り出している様子を示している。第1および第2の実施の形態と同様の部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0031】
集光点6に集光された紫外光4および可視光5の光束は、レンズ8によりほぼ平行な光束に変換され、ダイクロイックミラー9に入射される。ダイクロイックミラー9は、紫外光4の光束を反射し、可視光5の光束を透過する特性を有している。
【0032】
可視光5の光束は、反射鏡15で反射されたのち、シャッタ16で遮断される。一方、紫外光4の光束は波長選択フィルタ11にて、紫外光4のうち、一部の波長域の光が選択的に透過して取り出される。波長選択フィルタ11は、波長選択フィルタ11を通過する波長帯域を前もって狭くして置いた方が、選択する波長の透過率を高く、かつ半値幅を狭くすることができる。従って、ダイクロイックミラー9にて、紫外光4と可視光5の光束に分けて、それぞれの光路中に波長選択フィルタ11を置く構成とすることで、選択波長の高透過率と狭い半値幅の透過光を得ることが可能となる。
【0033】
波長選択フィルタ11を通過した光束は、反射鏡12、ダイクロイックミラー13で反射して、光量調整フィルタ7に入射し、適宜光量調整されたのち、レンズ14により集光されてライトガイドファイバ18に導かれる。
【0034】
ダイクロイックミラー13は、ダイクロイックミラー9と同様、紫外光4の光束を反射し、可視光5の光束を透過し、紫外光4の光路と可視光5の光路とを合成するためのミラーである。
【0035】
一方、可視光5の一部の波長域の光を選択的に取り出す場合は、シャッタ10を紫外光4の光路に挿入して紫外光4の光束を遮断すると共に、シャッタ16を可視光5の光路から外すことで得られる。可視光5の光束は、波長選択フィルタ17にて、可視光5のうち、一部の波長域の光が選択的に取り出される。
【0036】
波長選択フィルタ17を通過した光束はダイクロイックミラー13を透過して、光量調整フィルタ7に入射し、適宜光量調整されたのち、レンズ14により集光されてライトガイドファイバ18に導かれる。
【0037】
紫外光4と可視光5の全ての波長域の光束を同時にライトガイドファイバ18に入射する場合は、シャッタ10、およびシャッタ16と、波長選択フィルタ11、および波長選択フィルタ17とをそれぞれの光路から外せば達成できる。
【0038】
なお、波長選択フィルタ11と波長選択フィルタ17は、取り出す波長域の異なるものを複数個用意して、それぞれの光路中で適宜交換しても良い。
【0039】
以上、全ての実施の形態において、光源装置は2つの楕円鏡を用いた構成にて説明をしたが、複数の楕円鏡を用いて、複数の波長帯域の光をそれぞれ反射するように構成しても良い。また楕円鏡に限らず、球面鏡、放物面鏡を用いたものでも同様の効果を得ることが出来る。また、光源と波長帯域についても、広い波長帯域の光を発する光源からの光を二つ以上の波長帯域に分けて構成すれば良いので、水銀ランプからの光を紫外光と可視光に分ける構成に限られないのは言うまでもない。又、2枚の反射鏡ではなく、1枚の反射鏡の表面と裏面にそれぞれ反射波長帯域の異なる誘電体多層膜を付着したもので構成しても良い。
【0040】
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本発明では、紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い効率で供給可能な光源装置および光源装置に使用できる反射部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【図2】本発明の第2実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【図3】本発明の第3実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2、3 楕円鏡
4 紫外光
5 可視光
6 集光点
7 光量調整フィルタ
8、14 レンズ
9、13 ダイクロイックミラー
10、16 シャッタ
11、17 波長選択フィルタ
12、15 反射鏡
18 ライトガイドファイバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、反射鏡に回転楕円体面を用い、反射鏡の第1の焦点位置に照明光を供給する光源を配置し、第2の焦点位置に反射された照明光をライトガイドファイバの端面に集光する光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−283621号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の開示例では、ライトガイドファイバ端面が高温となることを防ぐために、反射鏡に誘電体多層膜を形成し、光源からの赤外線を透過し、可視光や紫外光を反射して集光するように構成している。
【0005】
しかしながら、誘電体多層膜を用いた反射膜では広い範囲の波長帯域の光を高い反射率で反射することが困難である。そこで紫外光のみ、あるいは可視光のみを高い反射率で反射させるために、これら波長帯域を選択的に反射させる誘電体多層膜を付着した反射鏡が別々に用いられている。このため、紫外光と可視光とを同時に、あるいは選択的に使用して照明をする際には、紫外光用、可視光用にそれぞれ光源装置を用意しなければならないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて行われたものであり、紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い効率で供給可能な光源装置および光源装置に使用できる反射部材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、照明光を供給する光源と、少なくとも2枚の反射面とを有し、第1の反射面は第1の波長帯域の前記照明光を反射し、第2の反射面は第2の波長帯域の前記照明光を反射して射出光とすることを特徴とする光源装置を提供する。
【0008】
また、本発明にかかる光源装置では、前記第1および第2の反射面は、それぞれ楕円鏡からなり、前記それそれの楕円鏡の焦点位置が略同じ位置になるように配置され、前記それぞれの楕円鏡には、それぞれ定められた波長帯域の光を反射して他の波長帯域の光を透過する誘電体膜を有し、前記光源は、前記それぞれの楕円鏡の第1、または第2の焦点位置近傍に配置され、前記照明光は、前記それぞれの楕円鏡で反射されて第2、または第1の焦点位置近傍に集光して前記射出光とすることが好ましい。
【0009】
また、本発明にかかる光源装置は、前記第1の反射面は少なくとも230nmから300nmの波長範囲の反射率が90%以上である第1の誘電体膜より構成され、前記第2の反射面は少なくとも500nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上である第2の誘電体膜によって構成され、前記2枚の反射面全体では、少なくとも230nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上であることが好ましい。
【0010】
また、本発明にかかる光源装置は、前記反射面で反射された照明光の波長帯域に対応する光量調整手段が前記射出光の光軸に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明にかかる光源装置は、前記反射面で反射された照明光の波長選択手段が前記射出光の光軸に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、少なくとも2枚の反射面を有する反射部材であって、第1の反射面は少なくとも230nmから300nmの波長範囲の反射率が90%以上である第1の誘電体膜より構成され、第2の反射面は少なくとも500nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上である第2の誘電体膜によって構成され、前記2枚の反射面全体では、少なくとも230nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上であることを特徴とする反射部材を提供する。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態にかかる光源装置について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【0015】
図1において、光源1と、2枚の楕円鏡2、および楕円鏡3で光源装置10が構成されている。楕円鏡2、および楕円鏡3は、それぞれ第一焦点aから第二焦点bまでの距離が同じであり、第一焦点a同士、および第二焦点b同士がほぼ同じ位置になるよう配置されている。光源1の発光部は、第一焦点aにあり、ここを発した光は楕円鏡2、および楕円鏡3で反射後、第二焦点bに集光する。
【0016】
光源1は、例えば、水銀ランプで紫外光4(実線で示す)と可視光5(破線で示す)を射出している。楕円鏡2は、ガラス基板に紫外光4を反射して可視光5を透過する後述する誘電体多層膜を付着したもので、光源1から射出された光のうち、紫外光の光束4を反射して集光点6に集光させ、可視光5を透過させている。
【0017】
楕円鏡3は、ガラス基板に可視光5を反射する後述する誘電体多層膜を付着したもので、楕円鏡2を透過した可視光5を反射している。反射した可視光5は、再び楕円鏡2を透過し、集光点6に集光される。従って、光源装置10は、紫外光4と可視光5の集光点が一致している。
【0018】
光源装置10の集光点6に集光された光束は、集光点6の位置に、例えばライトガイドファイバ18の端面を配置し、不図示の光学系に導かれて照明光として用いられる。
【0019】
本第1実施の形態における2枚の楕円鏡の一例に関し説明する。楕円鏡2は、波長が230nmから360nmまでの帯域の反射率が95%以上となるように楕円状のガラス基板に誘電体多層膜を成膜したものである。楕円鏡2の誘電体多層膜は、ハフニュウムの酸化物を主成分とする高屈折率層とケイ素の酸化物を主成分とする低屈折率層とを交互に積層したものである。楕円鏡3は、波長が360nmから800nmまでの帯域の反射率が95%以上となるように楕円状のガラス基板に誘電体多層膜を成膜したものである。楕円鏡3の誘電体多層膜は、チタンの酸化物を主成分とする高屈折率膜とケイ素の酸化物を主成分とする低屈折率層とを交互に積層したものである。このような楕円鏡2および楕円鏡3を用いることによって、光源1から射出された光のうち波長が230nmから800nmまでの帯域の光を高い効率で集光点6に集光することができる。
【0020】
このように、本第1実施の形態にかかる光源装置10によれば、光源装置10は、紫外光を反射する反射面と、可視光を反射する反射面の2つの反射面によって、1つの光源からの照明光を広い波長帯域にわたって高い効率で供給することが可能となる。さらに、光源1を楕円の焦点の1つ(第二焦点b)に配置し、2つの反射面を反射光が楕円のもう一つの焦点(第一焦点a)に集光するように配置することにより、ガイドファイバ18への照明光を効率よく集光できる。
【0021】
なお、第1実施の形態は光源装置に関するものであるが、楕円鏡2および楕円鏡3を一つの反射部材として用いることによって、紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い反射率で反射する反射部材として使用することも可能である。
【0022】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に付いて図面を参照して説明する。
【0023】
図2は、本発明の第2実施の形態にかかる光源装置を示す図であり、第1の実施の形態と同様の部分については、同じ符号を用い説明を省略する。
【0024】
図2の光源装置20は、図1の光源装置10における集光点6の近傍に、2つの楕円鏡2、および楕円鏡3で反射された照明光の波長帯域に対応した光量調整フィルタ7を追加して構成されている。光量調整フィルタ7は例えばメッシュ状の金属の薄板で、メッシュの大きさや密度の異なるフィルタが複数個用意され、適宜交換することでライトガイドファイバ18に入射する入射光量の調整を行うことを可能としている。
【0025】
なお、光量調整フィルタ7はメッシュ状の金属の薄板以外に、ガラス基板に金属薄膜や誘電体多層膜を付けたいわゆるNDフィルタを用いても良い。
【0026】
このように、本第2実施の形態では、楕円鏡で反射し集光する照明光の波長帯域に対応した光量調整フィルタを設けることによって、照明光の波長帯域に応じた効率の良い光量調整が可能となる。
【0027】
なお、誘電体多層膜は、第1実施の形態に記載したものに限定されない。紫外線を含む短波長帯域の照明光を反射させる反射鏡の高屈折率層の物質としては、ハフニウム(Hf)の酸化物あるいはランタン(La)のフッ化物等を使用できる。また、低屈折率層としては、ケイ素の酸化物あるいはマグネシウム(Mg)のフッ化物等を使用することができる。
【0028】
可視光を含む長波長帯域の照明光を反射させる反射鏡の高屈折率層の物質としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)の酸化物あるいはチタン(Ti)とランタン(La)を含む酸化物を使用できる。低屈折率層の物質としては、短波長域と同様にケイ素の酸化物あるいはマグネシウム(Mg)のフッ化物を使用することができる。さらに、多層膜を構成する誘電体層の中や多層膜の初層あるいは最終層に金、銀、アルミニウム等の金属膜を設ける構成としても良い。
【0029】
(第3実施の形態)
次に、本発明にかかる第3実施の形態に付いて図面を参照して説明する。
【0030】
図3は、本発明の第3実施の形態にかかる光源装置を示す図であり、第1実施の形態の光源装置10における集光点6と、ライトガイドファイバ18との間に、波長選択、および光量調整機能を持つ光学系を配置して構成されている。図3では、紫外光4の一部の波長域の光束を選択的に取り出している様子を示している。第1および第2の実施の形態と同様の部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0031】
集光点6に集光された紫外光4および可視光5の光束は、レンズ8によりほぼ平行な光束に変換され、ダイクロイックミラー9に入射される。ダイクロイックミラー9は、紫外光4の光束を反射し、可視光5の光束を透過する特性を有している。
【0032】
可視光5の光束は、反射鏡15で反射されたのち、シャッタ16で遮断される。一方、紫外光4の光束は波長選択フィルタ11にて、紫外光4のうち、一部の波長域の光が選択的に透過して取り出される。波長選択フィルタ11は、波長選択フィルタ11を通過する波長帯域を前もって狭くして置いた方が、選択する波長の透過率を高く、かつ半値幅を狭くすることができる。従って、ダイクロイックミラー9にて、紫外光4と可視光5の光束に分けて、それぞれの光路中に波長選択フィルタ11を置く構成とすることで、選択波長の高透過率と狭い半値幅の透過光を得ることが可能となる。
【0033】
波長選択フィルタ11を通過した光束は、反射鏡12、ダイクロイックミラー13で反射して、光量調整フィルタ7に入射し、適宜光量調整されたのち、レンズ14により集光されてライトガイドファイバ18に導かれる。
【0034】
ダイクロイックミラー13は、ダイクロイックミラー9と同様、紫外光4の光束を反射し、可視光5の光束を透過し、紫外光4の光路と可視光5の光路とを合成するためのミラーである。
【0035】
一方、可視光5の一部の波長域の光を選択的に取り出す場合は、シャッタ10を紫外光4の光路に挿入して紫外光4の光束を遮断すると共に、シャッタ16を可視光5の光路から外すことで得られる。可視光5の光束は、波長選択フィルタ17にて、可視光5のうち、一部の波長域の光が選択的に取り出される。
【0036】
波長選択フィルタ17を通過した光束はダイクロイックミラー13を透過して、光量調整フィルタ7に入射し、適宜光量調整されたのち、レンズ14により集光されてライトガイドファイバ18に導かれる。
【0037】
紫外光4と可視光5の全ての波長域の光束を同時にライトガイドファイバ18に入射する場合は、シャッタ10、およびシャッタ16と、波長選択フィルタ11、および波長選択フィルタ17とをそれぞれの光路から外せば達成できる。
【0038】
なお、波長選択フィルタ11と波長選択フィルタ17は、取り出す波長域の異なるものを複数個用意して、それぞれの光路中で適宜交換しても良い。
【0039】
以上、全ての実施の形態において、光源装置は2つの楕円鏡を用いた構成にて説明をしたが、複数の楕円鏡を用いて、複数の波長帯域の光をそれぞれ反射するように構成しても良い。また楕円鏡に限らず、球面鏡、放物面鏡を用いたものでも同様の効果を得ることが出来る。また、光源と波長帯域についても、広い波長帯域の光を発する光源からの光を二つ以上の波長帯域に分けて構成すれば良いので、水銀ランプからの光を紫外光と可視光に分ける構成に限られないのは言うまでもない。又、2枚の反射鏡ではなく、1枚の反射鏡の表面と裏面にそれぞれ反射波長帯域の異なる誘電体多層膜を付着したもので構成しても良い。
【0040】
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本発明では、紫外光から可視光までの広い波長帯域の光を高い効率で供給可能な光源装置および光源装置に使用できる反射部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【図2】本発明の第2実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【図3】本発明の第3実施の形態にかかる光源装置を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2、3 楕円鏡
4 紫外光
5 可視光
6 集光点
7 光量調整フィルタ
8、14 レンズ
9、13 ダイクロイックミラー
10、16 シャッタ
11、17 波長選択フィルタ
12、15 反射鏡
18 ライトガイドファイバ
Claims (6)
- 照明光を供給する光源と、
少なくとも2枚の反射面とを有し、
第1の反射面は第1の波長帯域の前記照明光を反射し、第2の反射面は第2の波長帯域の前記照明光を反射して射出光とすることを特徴とする光源装置。 - 前記第1および第2の反射面は、それぞれ楕円鏡からなり、
前記それそれの楕円鏡の焦点位置が略同じ位置になるように配置され、
前記それぞれの楕円鏡は、それぞれ定められた波長帯域の光を反射して他の波長帯域の光を透過する誘電体膜を有し、
前記光源は、前記それぞれの楕円鏡の第1、または第2の焦点位置近傍に配置され、
前記照明光は、前記それぞれの楕円鏡で反射されて第2、または第1の焦点位置近傍に集光して前記射出光とすることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。 - 前記第1の反射面は少なくとも230nmから300nmの波長範囲の反射率が90%以上である第1の誘電体膜より構成され、
前記第2の反射面は少なくとも500nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上である第2の誘電体膜によって構成され、
前記2枚の反射面全体では、少なくとも230nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射部材。 - 前記反射面で反射された照明光の波長帯域に対応する光量調整手段が前記射出光の光軸に配置されていることを特徴とする請求項1または2または3に記載の光源装置。
- 前記反射面で反射された照明光の波長選択手段が前記射出光の光軸に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光源装置。
- 少なくとも2枚の反射面を有する反射部材であって、
第1の反射面は少なくとも230nmから300nmの波長範囲の反射率が90%以上である第1の誘電体膜より構成され、
第2の反射面は少なくとも500nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上である第2の誘電体膜によって構成され、
前記2枚の反射面全体では、少なくとも230nmから700nmの波長範囲の反射率が90%以上であることを特徴とする反射部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197311A JP2005038627A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 光源装置とこれに用いる反射部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003197311A JP2005038627A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 光源装置とこれに用いる反射部材 |
Publications (1)
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JP2005038627A true JP2005038627A (ja) | 2005-02-10 |
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ID=34207506
Family Applications (1)
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JP2003197311A Withdrawn JP2005038627A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 光源装置とこれに用いる反射部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005038627A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013168274A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Iwasaki Electric Co Ltd | 紫外線照射装置、照度調整方法、及び照度分布測定用具 |
JP2019003153A (ja) * | 2017-06-20 | 2019-01-10 | 株式会社Jvcケンウッド | 光源ユニット、映像生成装置、及びヘッドアップディスプレイ |
-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003197311A patent/JP2005038627A/ja not_active Withdrawn
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