JP2005038021A - 画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、および画像処理方法をコンピュータで実行するプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、および画像処理方法をコンピュータで実行するプログラム Download PDF

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雄史 長谷川
Takashi Kitaguchi
貴史 北口
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Abstract

【課題】平面形状の被写体を正面から撮影して得られる基準正面画像を算出または選択して、該基準正面画像を用いて、1つの視点のみから撮影された他の画像に対してあおり補正を施す画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、および画像処理方法をコンピュータで実行するプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置が有する行列取得手段21は、異なる2以上の視点から被写体を撮影した二視点画像をあおり補正し、あおり補正されて得た基準正面画像の平面形状を形状検出手段22が検出する。形状検出手段22はまた、1つの視点から撮影された他の撮影画像の形状を検出する。あおり補正手段24は、検出された基準正面画像の形状情報、および検出された他の撮影画像の形状情報に基づいて、他の撮影画像の射影変換行列を求めてあおり補正処理を施す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、および画像処理方法をコンピュータで実行するプログラムに関し、特に平面形状をなす被写体を斜めから撮影して生ずる画像のあおり歪みを補正する画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、および画像処理方法をコンピュータで実行するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子技術の飛躍的な進歩によって、デジタルカメラの価格が安価になるとともに普及が急速に進んでいる。デジタルカメラは小型で持ち運びしやすく、デジタル画像であるので便利なアプリケーションの開発が行われている。中でも、パノラマ画像の作成、画像あおり補正などのアプリケーションが開発されて、撮影した画像を補正することが可能になり始めている。例えば会議でホワイトボードやスライドの映写画像などをデジタルカメラで撮影して資料として残すことが、広く行われている。この場合、ホワイトボードやスライドは平面形状の被写体であり、平面形状をなした被写体を撮影すると、通常、撮像装置の撮像面と平面形状の被写体との位置関係が平行でなくかつ正面同士で対向していないために、撮影画像にいわゆる「あおり歪み」を生じる。この、あおり歪みを補正するあおり補正の工夫が今までにいくつかなされてきた。
【0003】
例えば、カメラの撮像面と被写体とのなす傾斜角を入力する角度設定部と、被写体までの距離を測定する測距部とを設け、角度設定部を介して入力された傾斜角と被写体面距離とに基づいて、被写体を正面から見た画像に一致するように撮影された画像を補正するデジタルカメラの発明がある。この発明によるデジタルカメラは、斜め方向から撮った写真画像を正面から撮った画像に見えるように補正することができるとしている(特許文献1参照)。
【0004】
また、他の発明は、プロジェクタなどの投影装置を使用して複数のマークを画面上に投影し、前記マークを撮像装置で撮影した画像に対して射影変換処理を実行することにより、投影される被写体平面の位置姿勢情報を算出する位置検出装置がある。その発明による位置検出装置は、表示されている画像の部分的な撮像範囲であっても、少ないデータに基づいた簡単な関係式を用いて表示画像上の被検出位置の位置検出を可能とする小型で軽量な位置検出装置であるとしている(特許文献2参照)。
【0005】
またさらに、他の発明は、平面形状をなす被写体を、異なる視点から撮影した画像間の対応点を取得し、その対応点情報から射影変換行列を算出し、画像あおり補正を施す画像処理装置である。この発明による画像処理装置は、簡易な画像処理方式によって適正な画像を得ることができるとしている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−289600号公報
【特許文献2】
特開2001−325069号公報
【特許文献3】
特開2001−177716号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
あおり補正についてみると、従来例によれば、被写体の平面形状が不明である場合においては、異なる視点から同一の被写体を撮影した2枚以上の画像群がないと、射影変換により画像撮像手段の撮影位置関係を算出できなく、画像あおり補正を施すことはできない。
【0008】
しかし、一般にプレゼンテーション会場などで発表されているスライド画像を取り込む際には、視聴席が決められていて撮影者が移動できない場合や、スライドチェンジが早いことが多いため、各スライドに対して異なる視点から2枚以上撮影することは実際上、困難である。このような困難な点があるため、画像あおり補正を可能にする射影変換処理機能を備えた撮像装置であっても、プレゼンテーション会場などで実際に画像あおり補正機能を使用する機会はそれほど多くはなく、実用性に乏しかった。
【0009】
例えば、上記の特開平9−289600号公報の発明においては、カメラの撮像面と被写体とのなす傾斜角を手動作業により設定しなければならないのであるが、正確に傾斜角を入力することは非常に困難であって、補正画像の正確さと操作の利便性に欠けるという問題点があった。
【0010】
また、上記の特開2001−325069号公報の発明においては、投影装置によって画面上に投影された複数のマークを基準にして、投影される被写体平面の位置姿勢情報を算出するのであるため、投影装置によって複数のマークが投影面に投影されていなければ被写体平面の位置姿勢情報を算出することができないので、実用性に欠けるという問題点があった。
【0011】
さらにまた、上記の特開2001−177716号公報の発明においては、撮影した画像のあおり補正を精度良く実行することはできるが、画像あおり補正を実行するためには異なる2つの視点から同一の被写体を撮影した画像が必要であった。しかし、例えばプレゼンテーション会場のスライド画像の撮影時などでは同一のスライドを異なる2以上の場所から撮影することは実際上は非常に困難であるため、画像あおり補正処理を実行するための画像を取得することが実際上は難しく、実用性に欠けるという問題点があった。
【0012】
この解決策として、プレゼンテーション会場などで連続的にスライドを撮影するときには、撮像部が動かないと仮定して、プレゼンテーションが始まる前に映写されたスライドなどの被写体を異なる撮影場所から2枚以上撮影して射影変換行列を求めて、その射影変換行列を使用することにより、その後に撮影される1つの視点からの撮影画像に対して射影変換する手法も考えられる。しかしながら、撮像部を動かさないで連続的にスライドを撮影するには、三脚などの固定手段が必要となり、使い勝手が悪くなる。実用性を高めるためには、三脚などで撮像部が固定されていない条件下で、より少ない撮影回数で画像あおり補正を実行できるようにする必要があるが、その必要性を満たす利便性のある簡易な撮像方式が今までなかった。
【0013】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、投影されたスライドなどの平面形状をなす被写体を撮影して得られる画像に対して、簡易な操作で正確なあおり補正処理を行うことができる利便性の高い画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、および画像処理方法をコンピュータで実行するプログラムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、被写体を異なる2つの視点から撮像手段によって撮影した二視点画像を含む複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理装置であって、撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、前記形状検出手段により検出される前記二視点画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出された前記二視点画像の射影変換行列を用いて前記二視点画像にあおり補正処理を施して基準正面画像を取得し、前記形状検出手段により検出される前記基準正面画像の形状情報および前記二視点画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出される前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この請求項1の発明によれば、形状検出手段により検出される二視点画像の形状情報から行列取得手段によって二視点画像の射影変換行列を求め、その射影変換行列を用いて二視点画像にあおり補正処理を行って正面位置から撮影した基準正面画像を得て、得られた基準正面画像の形状情報および二視点画像以外の他の画像の形状情報から、他の画像の射影変換行列を求め、他の画像に対してあおり補正処理を施す。この構成により、1枚の撮影画像に対して、毎回異なる2つ以上の視点から撮影する必要無しに、通常の一つの視点からの撮影だけであおり補正処理を施すことができるので、少ない撮影回数と簡便な操作で、正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できる。
【0016】
また、請求項2にかかる発明は、被写体を撮像手段によって撮影した複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理装置であって、撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、前記画像の中から正面位置から撮影された基準正面画像を判定して選択する画像判定手段と、前記形状検出手段が検出する前記画像判定手段による選択の前記基準正面画像の形状情報、および前記基準正面画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段が算出する前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明によれば、画像判定手段が画像の中から正面位置から撮影した基準正面画像を判定して選択し、形状検出手段が選択された基準正面画像の形状情報を検出し、また基準正面画像以外の他の画像の形状情報を検出し、それら形状情報に基づいて行列取得手段が他の画像の射影変換行列を求め、あおり補正手段が他の画像に対してあおり補正処理を施す。この構成により、正面から撮影された画像が選択された場合、該判定された正面画像を用いて、1つの視点からの撮影のみの他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数で簡易な操作により迅速な処理速度で正確なあおり補正を施すことができる利便性の高い画像処理装置を提供できる。
【0018】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像判定手段は、操作者からの入力を受け付けて、撮影された前記画像が正面から撮影された前記基準正面画像であるとの指定を行う入力手段を有することを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明によれば、画像判定手段は、操作者からの入力を受け付けて撮影された画像が正面から撮影された基準正面画像であるとの指定を行う入力手段を有する。この構成により、操作者が正面から撮影された画像として基準正面画像を指定し入力することによって、その画像を基準正面画像として用い、1つの視点からの撮影のみの他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数でも、簡易な操作により迅速で正確なあおり補正を施すことができる利便性の高い画像処理装置を提供できる。
【0020】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置において、撮影された前記画像情報には、撮影時の前記撮像手段の姿勢情報が含まれ、前記姿勢情報を検出する姿勢検出手段を、さらに備え、前記あおり補正手段は、前記基準正面画像の前記射影変換行列および前記姿勢検出手段により検出される前記撮像手段の前記基準正面画像取得時の姿勢情報の少なくとも1つから前記被写体の法線方向を算出し、算出された前記被写体の法線方向、および前記撮像手段の前記他の画像取得時の姿勢情報を用いて、前記他の撮影画像にあおり補正処理を施すことを特徴とする。
【0021】
この請求項4の発明によれば、撮影画像を取得する撮像手段の姿勢情報を検出する姿勢検出手段を備え、あおり補正手段は、基準正面画像の射影変換行列、および姿勢検出手段により検出される撮像手段の基準正面画像取得時の姿勢情報の少なくとも1つから被写体の法線方向を算出し、算出された被写体の法線方向、および姿勢検出手段により検出される撮像手段の他の画像取得時の姿勢情報を用いて、他の撮影画像にあおり補正処理を施す。この構成により、基準正面画像の射影変換または基準正面画像取得時の撮像手段の姿勢情報を用いて他の画像にあおり補正処理を施すことができるので、一の視点のみから撮影された他の画像に対して、煩わしい操作を必要とせず正確なあおり補正処理が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できる。
【0022】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置において、撮影コマ数に対して変化する前記被写体画像の形状変化量を検出し、前記形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、前記画像のあおり補正を施すように指示する変化量判定手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0023】
この請求項5の発明によれば、撮影コマ数に対して変化する被写体画像の形状変化量を検出し、形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、画像のあおり補正を施すように指示する変化量判定手段を、さらに備える。この構成によって、自動的にあおり補正すべきでない画像を判定できるので、煩わしい操作無しに、必要に応じた正確なあおり補正処理が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できる。
【0024】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像処理装置において、影した前記複数の画像について、操作者からの画像あおり補正処理を実行するか否かの選択の入力を受け付け、実行選択の入力を受け付けた場合、前記あおり補正手段にあおり補正を実行させるよう指示する選択手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0025】
この請求項6の発明によれば、撮影した複数の画像について、操作者からの画像あおり補正処理を実行するか否かの選択の入力を受け付けて、あおり補正手段にあおり補正を実行させるよう指示する選択手段を、さらに備える。この構成によって、あおり補正処理を施すか否かをユーザに選択させることができるので、正確なあおり補正処理が可能でユーザーフレンドリーな利便性の高い画像処理装置を提供できる。
【0026】
また、請求項7にかかる発明は、被写体を異なる2つの視点から撮影した二視点画像を含む複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像入力装置であって、前記画像を撮影する撮像手段と、撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、前記形状検出手段により検出される前記二視点画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出された前記二視点画像の射影変換行列を用いて前記二視点画像にあおり補正処理を施して基準正面画像を取得し、前記形状検出手段により検出される前記基準正面画像の形状情報および前記二視点画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出される前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
この請求項7の発明によれば、撮像手段によって撮影された画像の中から二視点画像を選び、形状検出手段により検出される二視点画像の形状情報から行列取得手段によって二視点画像の射影変換行列を求め、その射影変換行列を用いて二視点画像にあおり補正処理を行って正面位置から撮影した基準正面画像を得て、得られた基準正面画像の形状情報および二視点画像以外の他の画像の形状情報から、他の画像の射影変換行列を求め、他の画像に対してあおり補正処理を施す。この構成により、1枚の撮影画像に対して、毎回異なる2つ以上の視点から撮影する必要無しに、通常の一つの視点からの撮影だけであおり補正処理を施すことができるので、少ない撮影回数と簡便な操作で、正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できる。
【0028】
また、請求項8にかかる発明は、被写体を撮影した複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像入力装置であって、前記画像を撮影する撮像手段と、撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、前記画像の中から正面位置から撮影された基準正面画像を判定して選択する画像判定手段と、前記形状検出手段が検出する前記画像判定手段による選択の前記基準正面画像の形状情報、および前記基準正面画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段が算出する前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
この請求項8の発明によれば、撮像手段が撮影した画像から、画像判定手段が正面位置から撮影した基準正面画像を判定して選択し、形状検出手段が選択された基準正面画像の形状情報を検出し、また基準正面画像以外の他の画像の形状情報を検出し、それら形状情報に基づいて行列取得手段が他の画像の射影変換行列を求め、あおり補正手段が他の画像に対してあおり補正処理を施す。この構成により、正面から撮影された画像が選択されて、該判定された正面画像を用いて、1つの視点からの撮影のみの他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数で簡易な操作により迅速な処理速度で正確なあおり補正を施すことができる利便性の高い画像入力装置を提供できる。
【0030】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載の画像入力装置において、前記画像判定手段は、操作者からの入力を受け付けて、撮影された前記画像が正面から撮影された前記基準正面画像であるとの指定を行う入力手段を有することを特徴とする。
【0031】
この請求項9の発明によれば、画像判定手段は、操作者からの入力を受け付けて撮影された画像が正面から撮影された基準正面画像であるとの指定を行う入力手段を有する。この構成により、操作者が正面から撮影された画像として基準正面画像を指定し入力することによって、その画像を基準正面画像として用い、1つの視点からの撮影のみの他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数でも、簡易な操作により迅速で正確なあおり補正を施すことができる利便性の高い画像入力装置を提供できる。
【0032】
また、請求項10にかかる発明は、請求項7〜9のいずれか1つに記載の画像入力装置において、前記撮像手段が撮影するときの姿勢情報を検出する姿勢検出手段を、さらに備え、前記あおり補正手段は、前記基準正面画像の前記射影変換行列および前記姿勢検出手段により検出される前記撮像手段の前記基準正面画像取得時の姿勢情報の少なくとも1つから前記被写体の法線方向を算出し、算出された前記被写体の法線方向、および前記撮像手段の前記他の画像取得時の姿勢情報を用いて、前記他の撮影画像にあおり補正処理を施すことを特徴とする。
【0033】
この請求項10の発明によれば、撮影画像を取得する撮像手段の姿勢情報を検出する姿勢検出手段を備え、あおり補正手段は、基準正面画像の射影変換行列、および姿勢検出手段により検出される撮像手段の基準正面画像取得時の姿勢情報の少なくとも1つから被写体の法線方向を算出し、算出された被写体の法線方向、および姿勢検出手段により検出される撮像手段の他の画像取得時の姿勢情報を用いて、他の撮影画像にあおり補正処理を施す。この構成により、基準正面画像の射影変換または基準正面画像取得時の撮像手段の姿勢情報を用いて他の画像にあおり補正処理を施すことができるので、一の視点のみから撮影された他の画像に対して、煩わしい操作を必要とせず正確なあおり補正処理が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できる。
【0034】
また、請求項11にかかる発明は、請求項7〜10のいずれか1つに記載の画像入力装置において、撮影コマ数に対して変化する前記被写体画像の形状変化量を検出し、前記形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、前記画像のあおり補正を施すように指示する変化量判定手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0035】
この請求項11の発明によれば、撮像手段が撮影する撮影コマ数に対して変化する被写体画像の形状変化量を検出し、形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、画像のあおり補正を施すように指示する変化量判定手段を、さらに備える。この構成によって、自動的にあおり補正すべきでない画像を判定できるので、煩わしい操作無しに、必要に応じた正確なあおり補正処理が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できる。
【0036】
また、請求項12にかかる発明は、請求項7〜11のいずれか1つに記載の画像入力装置において、撮影した前記複数の画像について、操作者からの画像あおり補正処理を実行するか否かの選択の入力を受け付け、実行選択の入力を受け付けた場合、前記あおり補正手段にあおり補正を実行させるよう指示する選択手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0037】
この請求項12の発明によれば、撮影した複数の画像について、操作者からの画像あおり補正処理を実行するか否かの選択の入力を受け付けて、あおり補正手段にあおり補正を実行させるよう指示する選択手段を、さらに備える。この構成によって、あおり補正処理を施すか否かをユーザに選択させることができるので、正確なあおり補正処理が可能でユーザーフレンドリーな利便性の高い画像入力装置を提供できる。
【0038】
また、請求項13にかかる発明は、撮像手段により被写体を異なる2つの視点から撮影した二視点画像を含む複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理方法であって、前記二視点画像の形状情報を検出してあおり補正処理を施す射影変換行列を算出し、射影変換して基準正面画像を取得する基準射影変換工程と、撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出工程と、前記形状検出工程によって検出された前記基準正面画像の形状情報および前記二視点画像以外の他の画像の形状情報から算出される前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正工程と、を含むことを特徴とする。
【0039】
この請求項13の発明によれば、二視点画像の形状情報を検出してあおり補正処理を施す射影変換行列を求めて射影変換し基準正面画像を得る基準射影変換工程と、画像の形状情報を検出する形状検出工程と、基準正面画像の形状情報、および二視点画像以外の他の画像の形状情報から、他の画像にあおり補正処理を施す射影変換行列を求めて射影変換してあおり補正処理を施すあおり補正工程と、を含む。この構成によって、毎回異なる2つ以上の視点で撮影する必要無くして、通常の一の視点からの撮影画像に対してあおり補正処理を施すことができるので、少ない撮影回数で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できる。
【0040】
また、請求項14にかかる発明は、被写体を撮像手段によって撮影した複数の画像の中の正面から撮影した基準正面画像を用いて、前記基準正面画像以外の他の画像に対して、正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理方法であって、前記複数の画像から前記基準正面画像を判定して選択する画像判定工程と、撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出工程と、前記形状検出工程によって検出される前記基準正面画像の形状情報および前記他の画像の形状情報から、前記他の画像に対してあおり補正処理を施す射影変換行列を算出して前記他の画像にあおり補正処理を施すあおり補正工程と、を含むことを特徴とする。
【0041】
この請求項14の発明によれば、複数の画像から基準正面画像を判定して選択する画像判定工程と、画像の形状情報を検出する形状検出工程と、検出された基準正面画像および他の画像の形状情報から、他の画像に対してあおり補正処理を施す射影変換行列を求めて、他の画像に射影変換によりあおり補正処理を施すあおり補正工程と、を含む。この構成によって、正面から撮影した基準正面画像が選択されてそれを基準にして、他の画像にあおり補正処理を施すことができるので、一の視点のみから撮影された他の画像に対して、煩わしい操作を必要とせず正確なあおり補正処理が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できる。
【0042】
また、請求項15にかかる発明は、請求項14に記載の画像処理方法において、前記画像判定工程は、撮影された前記画像について、外部からの入力を受け付けて前記画像が前記基準正面画像であるとの指定を行う正面入力工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0043】
この請求項15の発明によれば、画像判定工程は、撮影された画像について、外部からの入力を受け付けて画像が基準正面画像であるとの指定を行う正面入力工程を、さらに含む。この構成によって、正面撮影画像をユーザによる入力で選択できるので、簡易な操作により迅速な処理速度で正確なあおり補正を施すことができる利便性の高い画像処理方法を提供できる。
【0044】
また、請求項16にかかる発明は、請求項13〜15のいずれか1つに記載の画像処理方法において、前記撮像手段の撮影時における前記撮像手段の姿勢情報を検出する姿勢検出工程と、前記基準正面画像の射影変換行列および前記姿勢検出手段によって検出された前記基準正面画像取得時の前記撮像手段の姿勢情報の少なくとも1つから、前記被写体の法線方向を算出する法線算出工程と、をさらに含み、前記あおり補正工程が、前記法線算出工程によって算出された前記被写体の法線方向、および前記姿勢検出工程によって検出される前記撮像手段の前記他の画像取得時の姿勢情報を用いて、前記他の画像にあおり補正処理を施すことを特徴とする。
【0045】
この請求項16の発明によれば、撮像手段の姿勢情報を検出する姿勢検出工程と、基準正面画像の射影変換行列、および基準正面画像取得時の撮像手段の姿勢情報の少なくとも1つから、被写体の法線方向を算出する法線算出工程と、をさらに含み、あおり補正工程が、算出された被写体の法線方向、および撮像手段の他の画像取得時の姿勢情報を用いて、他の画像にあおり補正処理を施す。この構成により、撮像手段の姿勢情報を取得して他の画像にあおり補正処理を施すことができるので、一の視点のみから撮影された他の画像に対して、煩わしい操作を必要とせず正確なあおり補正処理が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できる。
【0046】
また、請求項17にかかる発明は、請求項13〜16のいずれか1つに記載の画像処理方法において、前記複数の画像の撮影コマ数に対する前記画像の形状変化量を検出し、前記形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、前記他の画像に対してあおり補正を施すように指示する変化量判定工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0047】
この請求項17の発明によれば、複数の画像の撮影コマ数に対する画像の形状変化量を検出して所定の閾値以上であるか否かを判定し、他の画像に対してあおり補正を施すように指示する変化量判定工程を、さらに含む。この構成によって、自動的にあおり補正すべきでない画像を判定できる利便性の高い画像処理方法を提供できる。
【0048】
また、請求項18にかかる発明は、請求項13〜17のいずれか1つに記載の画像処理方法をコンピュータが実行することを特徴とする画像処理プログラムであるので、請求項7〜11のいずれか1つに記載の画像処理方法をコンピュータで実行できる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像入力装置、画像処理方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの好適な実施の形態を、実施の形態1〜4に分けて詳細に説明する。
【0050】
一般に、平面形状をなす被写体をカメラで撮像すると、被写体と撮像装置の撮像面とのなす角度や、撮像装置の光軸と被写体との交点位置によって、撮影された画像に「あおり歪み」と呼ぶ歪みが生じる。本発明は、このあおり歪みを補正処理することができる画像処理装置である。
【0051】
本発明による画像処理装置は、デジタルカメラによって撮影された画像をあおり補正処理する画像処理用コンピュータとして、説明する。但し、デジタルカメラ自体があおり補正処理機能を一体的に有する画像入力装置の構成は、後述する。
【0052】
ここで扱う被写体は平面形状、あるいは略平面形状をなした被写体であり、例えばスクリーンおよびスクリーンに映し出された映像や、ポスターなど各種の外周形状をなす平面形状の被写体である。
【0053】
ここでいう被写体を正面から撮影した画像とは、例えばスクリーンに映し出された映像をスクリーの矩形を基準にして最もあおり歪みのない位置で撮影する画像のことである。一般的には、スクリーンの法線方向とデジタルカメラの光軸方向を合わせて、かつデジタルカメラのファインダーの縦横の枠(あるいは液晶モニタ)とスクリーンの縦横のフレームラインとが最も平行になる位置から撮影する画像である。あおり補正とは、斜めから撮影した画像に対して、このような位置から撮影したであろう画像に補正する補正のことである。
【0054】
[実施の形態1]
(1.1.実施の形態1による画像処理装置の概要)
本発明の実施の形態1による画像処理装置においては、先ず、平面形状をなす被写体に対して、少なくとも2以上の視点から撮像された2以上の画像を二視点画像として採用する。そして、この二視点画像に基づいて二視点画像に対して正面から撮影して得た基準正面画像に変換するあおり補正処理を行う。このあおり補正処理を施すための射影変換行列を、二視点画像の形状を検出してそれを用い、算出する。そして、算出された射影変換行列を用いて二視点画像に対してあおり処理を行う。
【0055】
次に、被写体に対して1つの視点のみから撮影された他の撮影による画像に対して、該他の撮影による画像と上記あおり処理を施された基準正面画像とを用いて、他の撮影画像の射影変換行列を算出する。そして、他の撮影画像に対して、該他の撮影画像の射影変換行列を施して、あおり補正を行うものである。
【0056】
上記二視点画像は、被写体の他の撮影に利用できるので、最初に撮影されることが望ましい。しかし、必ずしも最初でなくても良く、例えば撮影した画像データを記憶しておいて後であおり補正する場合には、1つの被写体画像に対して2点以上の視点から撮影した2以上の撮影データを適宜選択して用いればよい。
【0057】
こうして、少なくとも1つの画像に対して2以上の視点から撮影した2以上の画像である二視点画像を用いて、射影行列を算出してあおり変換処理を施すことによって、新たな撮影の都度、新ためて2点以上の視点で同一の被写体を撮影しなくても、1点のみの撮影(即ち該被写体に対して1度だけの撮影)によって、あおり歪みを受けた画像に対して、効率的にあおり補正を施して正面位置から撮影した画像に変換することができる。
【0058】
図1は、本発明の実施の形態1による画像処理装置の機能的ブロック図である。図2は実施の形態1による画像処理装置を説明する図である。実施の形態1による画像処理装置は、デジタルカメラ10と接続した画像処理用コンピュータ20として構成する。デジタルカメラ10は、撮像部11と、第1記憶部12と、画像情報転送部13とを備える。画像処理用コンピュータ20は、射影変換部21と、平面形状検出部22と、平面形状記憶部23と、あおり補正部24と、第2記録部25とを備える。
【0059】
ここで、平面形状検出部22は本発明の形状検出手段を構成し、以下それぞれ射影変換部21は行列取得手段を、そしてあおり補正部24はあおり補正手段を構成する。
【0060】
ここで、デジタルカメラ10の撮像部11は、被写体の画像情報を取得する。第1記録部12は、撮像部11で撮影した画像情報を記録し、例えば半導体メモリ、HDD、磁気テープ、DVD−RWで構成される。画像情報転送部13は、第1記録部12で記録された画像データを画像処理用コンピュータ20に転送する。データの転送方式は有線方数例えばUSB(Universal Serial Bus)、SCSI、およびIEEE1394)や無線方数例えば無線LAN、Blue Tooth)による転送方式が可能である。あるいは、記憶メディアをデジタルカメラ10から画像処理用コンピュータ20に差し替えることによって、画像情報を移し替えることもできる。ここで画像情報転送部13から射影変換部21に転送される画像情報は、少なくとも2箇所以上の視点、即ち異なる撮影位置から被写体を撮影した2以上の画像(二視点画像)が、少なくとも1セット(2回の撮影分)必要である。
【0061】
画像処理用コンピュータ20の射影変換部21は、デジタルカメラ10の画像情報転送部13から転送された二視点画像情報に基づいて、射影変換行列を求めて、画像あおり補正処理を施し、あおり補正された画像情報を平面形状検出部22に出力する。ここで、二視点画像があおり補正されて正面位置から撮影された画像に補正処理された画像を基準正面画像と称する。
【0062】
平面形状検出部22は、二視点画像が、あおり補正を施されて射影変換部21から出力された基準正面画像から被写体の平面形状を検出する。そして、検出した被写体画像の平面形状情報を、平面形状記録部23に出力する。平面形状記録部23は、平面形状検出部22で出力した平面形状情報を記録し、あおり補正部24に出力する。
【0063】
あおり補正部24は、平面形状記録部23から出力される基準正面画像情報を受信するとともに、画像情報転送部13から出力される二視点画像以外の他の撮影による被写体の画像情報を受信する。そして、基準正面画像情報と他の撮影画像情報とを用いて、他の撮影による被写体の画像に対してあおり補正処理を行う射影変換行列を求め、他の撮影による画像に対して求めた射影変換行列を使ってあおり補正処理を施し、あおり補正後の他の撮影による画像情報を第2記録部25に出力する。
【0064】
第2記録部25は、あおり補正部24で出力されたあおり補正処理後の画像情報を記録する。第2記録部25は、例えば半導体メモリ、HDD、磁気テープ、DVD−RWで構成される。
【0065】
(1.2.デジタルカメラのハードウェア構成)
ここで説明している実施の形態は、デジタルカメラからのデータを利用して画像をあおり補正処理する画像処理装置である。以下デジタルカメラについて説明する。
【0066】
図3は、実施の形態1に用いるデジタルカメラのハードウェア構成の1例を示す図である。デジタルカメラ10のハードウェア構成は、固定レンズ101、ズームレンズ102、絞り機構103、フォーカスレンズ105、シャッタ104、撮像素子106、CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)回路107、A/D変換器108、TG(Timing Generator)109、IPP(Image Pre−Processor)110、画像バッファメモリ111、およびMPU(Micro Processing Unit)112を備える。
【0067】
ここで被写体の像は、固定レンズ101、ズームレンズ102、絞り機構103、およびフォーカスレンズ105を介して入射し、シャッタ104により露光時間が制御され、撮像素子106上に投影される。撮像素子106からの画像信号はCDS回路107でサンプリングされた後、A/D変換器108でデジタル信号化される。この時、タイミングはTG109で生成される。画像信号はその後、IPP110でアパーチャ補正などの画像処理、および圧縮などの処理を施し、一時的に画像バッファメモリ111に保存される。一時的に画像バッファメモリ111に保存された画像情報は、外部通信機器118を介して外部機器に転送されて保存される。各ユニットの動作は、MPU112にて制御される。
【0068】
(1.3.画像処理用コンピュータのハードウェア構成)
図4は、実施の形態1による画像処理用コンピュータのハードウェア構成の1例を示す図である。画像処理用コンピュータ20は画像処理の各部における制御および処理を行うCPU(central processing unit)201と、SDRAM(synchronous dynamic random access memory)202と、HDD(hard disk drive)203と、例えばマウスであるポインティングデバイス、キーボード、およびボタンの各種入力インタフェース(以下I/Fと略す)204と、表示I/F206と、表示I/Fを介して接続される例えばCRT(cathode ray tube)であるディスプレイ209と、例えばCD−RW(compact disk rewritable)ドライブからなる記録装置207と、撮像部11およびプリンタである外部機器並びにインターネット(電気通信回線)と有線又は無線接続するための外部I/F208とを、バス210を介して接続して構成される。
【0069】
SDRAM202は、CPU201の作業領域として利用されるとともに、本発明における画像処理方法の各工程を実行するための処理プログラムや、その他制御プログラムなどの固定情報の記録領域として利用される。処理プログラムは、例えば記録装置207を介してSDRAM202にロードされ、又はHDD203に一旦保存された後に必要なときにSDRAM202にロードされ、又は外部I/F208に接続された電気通信回線を介してSDRAM202にロードされる。処理の対象となる画像は、記録装置207又は外部I/F208に接続された撮像部11を介して入力される。
【0070】
(1.4.あおり補正処理動作)
(1.4.1.あおり補正処理方法の概要)
本発明の実施の形態1による画像処理装置、即ち画像処理用コンピュータにおけるあおり補正処理は、平面形状をなす被写体に対して、少なくとも1つの被写体に対する2以上の視点(撮像装置の撮影位置)から撮像した2以上の画像(二視点画像)を用いて、上記二視点画像以外の1つの視点から撮影された他の撮影による画像に対しても、あおり補正を行うものである。具体例としては、例えばスライド画像を映写された被写体に対して、そのスライドのコマが変わらないうちに2つ以上の異なる視点(撮影位置)から撮影した二視点画像を用いてスライド画像の正面画像を取得し、他の1点から撮影した画像に対してもあおり補正処理を施すのである。
【0071】
そのため、ここではあおり補正処理に用いる射影行列など、画像情報の数学的処理について説明するが、このような数学的手法は既に公知のものである。
【0072】
異なる視点(撮影位置)からデジタルカメラ10によって撮影された2以上の二視点画像情報は、画像情報転送部13を介して、画像処理用コンピュータ20における平面形状検出部22に転送される。平面形状検出部22は、2つの画像情報における画像の対応点、または画像面に投影された被写体平面形状の四隅の位置情報を検出する。射影変換部21は、対応点位置情報又は被写体平面形状の四隅の位置情報を用いて射影変換行列を求める。また、平面形状をなす被写体の平面における法線方向を算出し、正面から被写体を撮影した場合に得られる画像情報に変換する。
【0073】
(1.4.2.二視点画像の特徴点の抽出)
図5は、実施の形態1による画像処理装置で、被写体平面形状の四隅の位置情報の検出を説明する図である。例えば、スライドの映写画面を撮影すると、一般にゆがんだ四角形の画像が得られる。これがあおり歪みを受けた撮影画像である。スライドの場合は例えば、スライドスクリーンの角の4点が、被写体の四隅の点として特徴的な点となる。ただし、このような角の4点でなければならないことはなく、それぞれの平面形状に特徴的な点を選択することができる。
【0074】
まず、二視点画像に対して射影変換部21が施す射影変換処理、即ち、あおり補正処理に関して説明する。
【0075】
被写体平面形状の四隅を検出する前段階の処理として、撮影画像に撮影される被写体領域と背景領域との領域分割を実行する。領域分割の方法としては、「画像の処理と認識」(安居院猛・長尾智晴共著、昭和堂)に記載されているように、(a)領域成長法や領域分割法のように画像上でクラスタリングを行う方法、(b)ヒストグラムによる領域分割など特徴空間上でクラスタリングを行う方法、(c)輪郭線追跡などの画像中のエッジを用いる方法、(d)テクスチャ解析を用いる方法、などが適用できる。領域分割を実行した後、撮影画像の端から被写体を探索して被写体平面形状における四隅を検出する。また、被写体輪郭線の曲率を算出することによって被写体の平面形状の凸部分を検出することも可能である。曲率の算出方法の例としては、数1式のガウス曲率rを用いる方法が挙げられる。
【0076】
【数1】
Figure 2005038021
ここで行列式Hは数2式で示すヘッセ行列である。
【0077】
【数2】
Figure 2005038021
【0078】
ただし、
,Iは画像値Iのx方向の一次微分,画像値Iのy方向の一次微分であり、Ixx,Iyyは画像値Iのx方向の二次微分,画像値Iのy方向の二次微分であり、
xyは画像値Iのx方向とy方向への一次微分である。
【0079】
以上により、画像面に投影された被写体平面形状の四隅の位置情報を検出する。ここで被写体の平面形状の検出として四隅の位置情報の検出を用いた。
【0080】
(1.4.3.二視点画像の特徴点の対応の検出)
図6は、実施の形態1による画像処理装置において、二視点画像における対応点の検出を説明する図であり、(a)は画像Aの画像対応点の検出を示し、(b)は画像Bの画像対応点の検出を示す。ここで画像Aおよび画像Bはそれぞれ異なる2つの視点から撮影された二視点画像である。
【0081】
まず、図6に示された画像A内にある画像情報から、特徴量の抽出を行って特徴点を検出する。画像情報から特徴量の抽出および特徴点検出方法の一例としては従来から多くの研究がなされている(例えば「三次元ビジョン」(著者徐 剛、辻 三郎、共立出版)の3章)。
【0082】
画像Aから抽出した特徴量を元にして、画像Aの特徴点に対応する対応点を、画像Bにおいて検出する。対応点検出方法の一例として、相互相関によるブロックマッチングにより対応点を検出する手法を示す。画像Aにおけるi番目の特徴点(xi0,yi0)と、画像Bにおける点(xi0+dx,yi0+dy)との対応付けを、図7に示すように(2N+1)(2P+1)の相関窓を用いたブロックマッチングで行う。ここでN、Pは相関窓の大きさを表す任意に定めた定数であり、相関窓を設定する画素の数である。即ち、2N+1はxi0を中心にした水平方向の探索点の個数であり、2P+1はyi0を中心にした垂直方向の探索点の個数である。この場合の相互相関値Siは次式で計算される。
【0083】
【数3】
Figure 2005038021
【0084】
ここで、数3式における各記号の意味は以下の通りである。
(x,y):画像Aの点 における濃度
(x,y):画像Bの点 における濃度
(x,y):画像Aの点 を中心とする(2N+1)(2P+1)の相関窓における平均濃度
(x,y):画像Bの点 を中心とする(2N+1)(2P+1)の相関窓における平均濃度
K:定数
各特徴点に対して、相互相関値Siを最大にする対応点を順次検出することによって、二視点画像である画像Aと画像B間の対応点を検出する。
【0085】
(1.4.4.二視点画像の射影変換行列Bの求め方)
次に検出した対応点の位置情報、例えば被写体平面形状の四隅の位置情報から二視点画像に対してあおり補正を施す射影変換行列Bを求める方法を示す。この射影変換行列Bを求める方法は、公知技術であるので(例えば特開平2001−177716号公報(実施例0045〜0052)、および特開平2001−134751号公報(実施例0046〜0071))、以下簡略に説明する。
【0086】
画像Aにおける画像座標系での点(u,v)と画像Bにおける画像座標系での点(u’,v’)が対応関係にある場合、射影変換を数式で表すと以下の数4式のようになる。
【0087】
【数4】
Figure 2005038021
【0088】
数4式における8つの未知数b〜bを、
【0089】
【数5】
Figure 2005038021
と、行列Bとしてまとめ、これを射影変換行列と呼ぶ。
【0090】
射影変換行列Bを求めるには、画像Aと画像Bとの間の4組以上の特徴点(u,v)と、それらの対応点(u’,v’)(i=1,…,N;N≧4)、または画像Aに投影される被写体平面形状の四隅の位置情報(u,v),と画像Bに投影される被写体平面形状の四隅の位置情報(u’,v’)(i=4)とを用いる。被写体平面形状の四隅の位置を数4式に代入するときには、4点の位置対応情報しかないので数4式を解析的に計算できるが、画像間の対応点を数4式に代入する場合には、位置対応情報が4点以上取得できることと、画像に重畳するノイズ等の誤差を考慮して、以下に示す最小2乗演算を用いて解くことになる。
【0091】
【数6】
Figure 2005038021
【0092】
数6式は以下のように変形される。
【0093】
【数7】
Figure 2005038021
【0094】
さらに、数7式は、以下のようにベクトルのノルムの形で書き換えられる。
【0095】
【数8】
Figure 2005038021
【0096】
すなわち、数8式は次のように表すことができる。
【0097】
【数9】
Figure 2005038021
【0098】
数9式の形で表される最小2乗(自乗)問題は、一般に次式を解けば解が得られる。
【0099】
【数10】
Figure 2005038021
したがって、係数b〜bは対応付けの組を用いて、線形計算により求めることができる。
【0100】
ここで求めた射影変換行列Bは、画像座標系を基準とした射影変換行列であるので、以下の数11式のようにカメラ内部行列Aを用いて、ワールド座標系を基準とした行列Hを算出する。
【0101】
【数11】
Figure 2005038021
【0102】
カメラ内部行列Aは、
【0103】
【数12】
Figure 2005038021
であり、ここでfは焦点距離、u,vは画面中心位置、k,kは画素密度を示す。
【0104】
また、行列Hと姿勢情報R(回転行列)および並進成分情報t(並進ベクトル)は、「2画像からの平面の3次元運動の計算」(情報処理学会研究報告94−CV−90(1994)、著者森尻智昭、小野寺康浩、金谷健一)の論文により以下の数13式が成り立つことが示されている。
【0105】
【数13】
Figure 2005038021
【0106】
ここでs’はスケールを両辺で一致させるための定数値を、nは画像座標系を基準にした被写体平面の法線方向を示す。ただし、被写体面の距離を表す変数dと並進ベクトルtの大きさのスケールは不定であるので、
【0107】
【数14】
Figure 2005038021
と仮定する。
【0108】
次に、被写体平面形状の法線方向nを表す3つのパラメータ{a,b,c}を用いて、撮影時の撮像部11の向き(z軸向き)と単位法線方向nのベクトルとの関係を表す回転行列R’を求める。回転行列R’を使用すると、次の関係式が成立する。
【0109】
【数15】
Figure 2005038021
【0110】
数15式を満たす回転行列R’は多数存在するが、ここでは回転行列R’を次式のように定義する。
【0111】
【数16】
Figure 2005038021
【0112】
【数17】
Figure 2005038021
【0113】
ここでカメラ座標系を、y軸回りにβだけ回転し、その回転によりできる座標系をx座標系とする。そして、カメラ座標系を、x軸回りにαだけ回転し、その回転によりできる座標系をx座標系とする。
【0114】
この時、a+b+c=1、および数15式〜数17式を用いると、回転角α、およびβは次式のように導出される。
【0115】
【数18】
Figure 2005038021
【0116】
以上で求められた回転角αおよびβを、数17式および数16式に代入することにより、R’を一意に定めることができる。
【0117】
(1.4.5.二視点画像に対するあおり補正処理)
図8は、実施の形態1による画像処理装置の画像あおり補正処理を説明する図である。これまで述べた手順で求められた回転行列R’、および被写体平面形状の法線方向nを用いて、二視点画像の画像のあおり補正処理を実行する。この動作を図7を参照して説明すると、二視点画像の1つである撮影画像A上の任意の点に対応する視線ベクトルxを延長し、被投影面と交差する点Pこそが、正面方向から被写体を撮影したときに得られる画像へ変換処理を施した画像座標である。図7のkはカメラの光学中心oから被投影面までの距離を表す拡大係数であり、被投影面に向かって撮影画像Aを投影することによりあおり歪みを補正するので、kはあおり歪みを補正した画像の大きさを規定する。この動作は以下のようにして行われる。
【0118】
まず、撮影画像上の視線ベクトルxを、回転行列R’によりxyz座標系を回転させてできる座標系基準の視線ベクトルx”に変換する。
【0119】
【数19】
Figure 2005038021
但し、sはx”の第3成分を1に定めるための定数である。
【0120】
次に、視線ベクトルx”の第1成分および第2成分を、拡大係数kだけスケール倍する。
【0121】
【数20】
Figure 2005038021
【0122】
数20式の拡張ベクトルm”のU座標、V座標が、点(x,y)のあおり補正後の画像座標となる。
【0123】
以上より少なくとも2視点以上から撮影された二視点画像情報から、射影変換行列を作成して正面から被写体を撮影したときに得られる画像(基準正面画像)情報へ変換した。以上の説明は二視点画像から変換された基準正面画像についての説明である。
【0124】
(1.4.6.あおり補正処理された基準正面画像の平面形状検出)
次に、以上の二視点画像によって求められたあおり補正処理された画像、即ち正面から撮影して得られる平面画像である基準正面画像の形状の検出について説明する。
【0125】
平面形状検出部22による平面形状検出処理は、射影変換部21で出力される射影変換後(あおり処理後)の基準正面画像の画像情報を用いて、被写体の平面形状を検出する。被写体平面形状の検出方法の1例としては、図6に示したような被写体平面形状の四隅を検出する方法が挙げられる。
【0126】
被写体平面形状の四隅を検出する前処理として、撮影画像に撮影される被写体領域と背景領域との領域分割を実行する。領域分割の方法としては、「画像の処理と認識」(安居院猛・長尾智晴共著、昭和堂)に記載されているように、(a)領域成長法や領域分割法のように画像上でクラスタリングを行う方法、(b)ヒストグラムによる領域分割など、特徴空間上でクラスタリングを行う方法、(c)輪郭線追跡などの画像中のエッジを用いる方法、(d)テクスチャ解析を用いる方法などの領域分割方法がこの場合も適用できる。
【0127】
領域分割を実行した後、撮影画像の端から被写体を探索して被写体平面の四隅を検出しても良いし、被写体輪郭線の曲率を算出することによって被写体の平面形状の凸部分を検出しても良い。曲率の算出方法の例としては、数21式のガウス曲率rなどが挙げられる。
【0128】
【数21】
Figure 2005038021
ここで行列式Hはヘッセ行列を示す(数22式)。
【0129】
【数22】
Figure 2005038021
ただし、I,Iは画像値Iのx方向への一次微分,画像値Iのy方向への一次微分であり、Ixx,Iyyは画像値Iのx方向への二次微分,画像値Iのy方向への二次微分であり、Ixyは画像値Iのx方向とy方向への微分である。
【0130】
以上より、あおり補正を施された射影変換後の基準正面画像から被写体の平面形状を検出することができる。ここでは、平面形状の検出は被写体の四隅の位置の検出によって行った。また、被写体の平面形状を検出する処理は、射影変換後の画像を撮像部11に取り付けた液晶表示部に表示して、被写体平面の四隅の位置をユーザに指示させて入力を設定させて、設定された入力を受信するとしてもよい。平面形状検出部22で検出した平面形状情報は、平面形状記憶部23に記憶される。
【0131】
以上の射影変換処理と平面形状検出処理までが、画像変換前処理であり、二視点画像に対するあおり補正処理である。
【0132】
(1.4.7.被写体の他の撮影による他の画像のあおり補正)
次に、二視点画像以外の1つの視点からの撮影である被写体の他の撮影画像に対してあおり補正を行う動作を説明する。ここで、あおり補正部24が他の撮影画像に対してあおり補正を実行する。あおり補正部24による画像変換処理では、新たに被写体を撮影して得られる1の視点による撮影の画像情報(被写体の他の撮影による他の画像情報)に対して、平面形状記憶部23に記憶されている平面形状情報を用いて、画像あおり補正処理を施し、正面方向から撮影したときに得られる画像情報に変換する。こうして、二視点画像以外は2以上の視点から撮影する必要なく、1つの視点のみから撮影されていたとしても、あおり補正を施すことができる。
【0133】
図8は、実施の形態1による画像補正装置において、他の撮影による画像情報での被写体の四隅の位置の算出を説明する図であり、(a)は二視点画像から得られた被写体の平面形状の四隅を示し、(b)は新たに撮影した画像情報から得られた平面形状の四隅を示す。ここで、平面形状検出部22が実行する平面形状検出方法と同様に、新たに撮影された被写体(他の撮影による被写体の画像)の四隅の位置が検出される。新たに撮影された被写体の四隅の位置と、画像変換前処理で得られた被写体の平面形状(=基準正面画像)の四隅の位置との対応関係に基づいて、射影変換部21が、他の撮影による被写体画像に対して射影変換処理を施す。具体的には、数4式に代入する画像A,Bにおける点(u,v),(u’,v’)の代わりに、新たに撮影された被写体の四隅の位置と、画像変換前処理によって得られる被写体の平面形状の四隅の位置を、それぞれ(u,v),(u’,v’)に代入して射影変換行列を算出する(図8)。
【0134】
このように他の撮影による画像のための射影変換行列を算出することによって、新たに撮影した被写体平面形状が、画像変換前処理時に撮影された被写体平面形状と同様である場合には、同一の被写体を撮影した画像情報が1枚だけであったとしても画像あおり補正を実行し、正面から撮影したときに得られる画像情報に変換することができる。これによって、少ない撮影枚数で画像あおり補正を実行する画像処理装置を提供できる。
【0135】
また、新たに撮影した被写体の四隅の位置と画像変換前処理時に撮影された被写体平面形状の四隅の位置とにほとんど差がない場合には、あおり補正部24の画像変換処理は射影変換処理を行わずに、四隅の位置を一致させるように画像を伸長させる処理を施すことができる。つまり、射影変換行列を求めなくとも良い。これにより、より簡易な方式で新たに撮影された被写体画像にあおり補正処理を施すことができる。
【0136】
(1.5.実施の形態1によるあおり補正処理方法)
図9は、実施の形態1によるあおり補正処理方法を示すフローチャートである。まず、少なくとも2箇所以上の視点から撮影された2以上の画像(二視点画像)情報を取得し、メモリに記憶させる(ステップS1001)。
【0137】
次に、記憶された画像における二視点画像の平面形状の四隅の位置を以下の方法で検出する。即ち、ステップS1001で得られた画像から、画像における背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、領域分割によって求められた被写体輪郭線の曲率を算出し、算出された曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出し、四隅の位置とする(ステップS1002)。
【0138】
次に、ステップS1002で得られた被写体平面形状の四隅の位置情報を、数4)に代入して、射影変換行列Bを算出する(ステップS1003)。得られた射影変換行列Bに基づいて、被写体平面の法線ベクトルを算出し、法線ベクトル方向から撮影したときの画像情報に変換することによって、画像情報を正面方向から撮影したときに得られる画像情報(あおり補正処理された画像情報)へ変換する(ステップS1004)。
【0139】
次に、ステップS1004で得られた射影変換後の画像から、背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、被写体輪郭線の曲率を算出し、曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出して四隅の位置とする(ステップS1005)。
【0140】
次に、スライドが切り替わるなどして撮影する被写体が変化して、新たに他の撮影による被写体の画像情報が取得されたかどうかを判定する(ステップS1006)。判定の結果、新たな被写体画像情報が取得されなかった場合は(ステップS1006のNo)、そのまま終了する。
【0141】
新たな被写体画像(1つの視点から撮影された他の画像)が取得されたと判定された場合(ステップS1006のYes)、判定されて得られる新たな撮影画像から、ステップS1005と同様の手順で被写体の四隅の位置を検出する(ステップS1007)。
【0142】
ここで、ステップS1005およびステップS1007で得られた四隅の位置から、以下の手順で射影変換行列B’を求める。即ちまず、ステップS1005およびステップS1007で得られた被写体四隅の位置情報を対応付ける。そして、対応付けられた対応点の位置情報を数4式に代入して、射影変換行列B’を算出する(ステップS1008)。
【0143】
ステップS1008で得られた射影変換行列B’から、被写体平面の法線ベクトルを算出し、法線ベクトル方向から撮影したときの画像情報に変換することによって、新たに撮影した画像情報を正面方向から撮影したときに得られる画像情報へと変換する(ステップS1009)。これで、新たに撮影された画像のあおり補正処理が施され、正面から撮影したときに得る画像が生成された。そして、ステップS1009において射影変換された画像情報を、メモリに記録して(ステップS1010)、終了する。
【0144】
(1.6.効果)
以上、実施の形態1による画像処理装置によって、デジタルカメラによって異なる2つの視点から撮影した二視点画像があれば、その二視点画像の形状を検出し、検出された形状からあおり補正のための射影変換行列を求めて、該二視点画像に対してあおり補正処理をほどこして基準正面画像とする。そして、1つの視点のみから撮影された他の撮影画像がある場合は、該他の撮影画像から形状を検出し、検出された他の画像の形状と、求められた基準正面画像の形状とから、他の画像に対してあおり補正処理のための射影変換行列を求めて、他の画像に対して射影変換することにより、他の画像をあおり補正処理することができる。このあおり補正処理方式によって、二視点画像が1セットあるだけで、他の画像は1つの視点からのみ撮影された画像であったとしても、効率よくあおり補正を施すことができる。
【0145】
(1.7.あおり補正処理機能を備えたデジタルカメラ)
実施の形態1による画像入力装置は、以上説明した実施の形態1による画像処理装置(画像処理用コンピュータ)を備えたデジタルカメラとして構成する。
【0146】
図10は、実施の形態1によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。ここでは、デジタルカメラ10本体の内部に射影変換部21,平面形状検出部22,平面形状記憶部23、あおり補正部24、および第二記憶部25が組み込まれ、実質的に画像処理用コンピュータとしての機能を果たす。この構成によって、実施の形態1による画像処理装置が一体構成としてデジタルカメラに組み込まれた。このようにデジタルカメラに画像処理用コンピュータを組み込んで一体構成とすることによって、図1における画像情報転送部13を不要とすることができる。また、一体構成とすることで、撮影と同時にあおり補正処理を行うあおり補正機能を有するデジタルカメラとして機能する。デジタルカメラそのもののハードウェア構成などの説明は、既に行った通りである。
【0147】
この構成によって、実施の形態1によるデジタルカメラが異なる2つの視点から撮影すれば、デジタルカメラはその二視点画像の形状を検出し、検出された形状からあおり補正のための射影変換行列を求めて、該二視点画像に対してあおり補正処理をほどこして基準正面画像とし、1つの視点のみから撮影された他の撮影画像に対してあおり補正処理のための射影変換行列を求めて、自動的および/または手動操作入力によってあおり補正処理することができる。このあおり補正処理機能付きのデジタルカメラを用いると、二視点画像を1セット(2カット)撮影するだけで、他の画像については1つの視点からのみ撮影し画像であったとしても、効率よくあおり補正を施すことができる。
【0148】
[実施の形態2]
実施の形態2による画像処理装置においては、撮影位置関係判定部によって、正面から撮影して得た画像であると判定された画像を用いて、1の視点のみから撮影された他の画像に対してあおり補正処理を施すものである。即ち、正面から撮影して得た画像を用いることによって、他の撮影による画像に対して、より簡略で迅速なあおり処理を施すことがでる。ここで、他の撮影による画像をあおり補正処理する方式は、射影変換を用いても良く、あるいは他の方式例えば、検出された4点から画像を圧縮および伸長させる方式でもよい。
【0149】
(2.1.実施の形態2による画像処理装置の概略構成)
図11は、本発明の実施の形態2による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態2による画像処理装置は、実施の形態1による画像処理装置と同様にデジタルカメラ10に接続された画像処理用コンピュータとして構成する。
【0150】
実施の形態2による画像処理用コンピュータ20が、実施の形態1と異なる点は、実施の形態1において備えていた射影変換部21がなく、実施の形態1において備えていなかった撮影位置関係判定部14があることである。ここでは射影変換を用いない方式により説明する。しかし、射影変換を用いる実施の形態1による方式でも実施可能である。
【0151】
また、実施の形態1にあった画像情報転送部13の代わりに実施の形態2においては、画像情報および判定結果転送部15を備える。
【0152】
画像処理用コンピュータ20の撮影位置関係判定部14は、撮影された画像が正面方向から被写体を撮影した画像であるか否かを、即ち、撮影位置関係を判定する。ここで、撮影位置関係判定部14は、画像処理用コンピュータ20において備える構成にする。また、デジタルカメラ10が画像処理用コンピュータ20を備えた一体型の構成しても良いことは実施の形態1と同様である。その場合は、一体構成とすることによって画像情報および判定結果転送部15を省略することができる。
【0153】
実施形態2による画像処理用コンピュータ20に接続されたデジタルカメラ10の第1記録部12は、撮像部11からの画像情報と、撮影位置関係判定部14からの撮影位置関係判定結果を記録する。画像情報および判定結果転送部15は、第1記録部12に記録された画像情報および位置関係判定結果を画像処理用コンピュータ20に転送する。
【0154】
画像処理用コンピュータ20の平面形状検出部22、平面形状記録部23、あおり補正部24、および第2記録部25は、実施の形態1と同様の構成である。
【0155】
また、デジタルカメラ10、画像処理用コンピュータ20の基本的なハードウェア構成は、実施の形態1と同様である。
【0156】
ここで、平面形状検出部22は請求項における形状検出手段を構成し、以下それぞれ撮影位置関係判定部14は画像判定手段を、あおり補正部24はあおり補正手段を、それぞれ構成する。
【0157】
(2.2.実施の形態2による画像処理装置の撮影位置関係判定部の動作)
ここで、実施の形態2において特徴的な撮影位置関係判定部14が実行する撮影位置関係判定処理に関して説明する。画像処理用コンピュータ20が備える撮影位置関係判定部14は、被写体を正面方向から撮影したことを判定する撮影位置関係の判定を行う。正面から撮影したことを判定する方法の一例として、デジタルカメラ10の撮像部11の姿勢情報を検出した結果を利用する判定方法を示す。
【0158】
撮像部11には加速度センサ、ジャイロセンサ、および磁気センサが装着されている。撮像部11が撮影動作時にとる姿勢に関する情報である姿勢情報は、それらのセンサからの出力情報から算出する。姿勢情報の取得装置および算出方法の詳細な説明は、実施の形態3において行う。
【0159】
図12は、実施の形態2によるデジタルカメラを用いる撮影を説明する図である。一般にプレゼンテーション会場のスライド資料を投影するスライドスクリーンなどは、地面に対して垂直に設置されることが多い。そのため図12に示すように、スライド資料も垂直方向に表示される場合が多い。このため、撮像部11の被写体画像の投影面が地面に対して垂直方向であれば、投影されたスライド画像などの被写体に対して正面方向から撮影できる可能性が高い。また、プレゼンテーションが始まって連続的にスライドを撮影しているときには、撮影者は着席している場合が多い。撮像部11の撮像光学系の光学軸が鉛直線と垂直でない場合は、被写体に対して正面方向から撮影していない可能性が高い。以上の条件より、撮像部11の姿勢情報によって、図12に示すように撮像部11が地面に対して垂直方向であると検出された場合には、被写体を正面から撮影したと判定する。撮像部11が地面に対して垂直であるかどうかは、加速度センサの出力(重力方向)を取得することによって判定することができる。
【0160】
あるいは他の判定方法として、姿勢情報の変化により判定する方法も可能である。プレゼンテーション会場などにあるスライド画像の撮影では、図12に示すように、例えば、初めに正面方向から被写体(スライド画像)を撮影しておいて、プレゼンテーションが開始した後に最初と異なる所定の位置から、所定の方向で連続的にスライド画像を撮影できることが想定される。連続的にスライド画像を撮影している際には、定められた席などに着席しながら撮影する場合が多いので、撮像部11の姿勢情報の変化量は微小である。
【0161】
図13は、実施の形態2によるデジタルカメラが被写体に対して正面以外から撮影する場合を説明する図である。正面から撮影したときのデジタルカメラの撮像部11の姿勢情報(図12)と、図13に示されるように正面以外の位置から連続的に撮影しているときの撮像部11の姿勢情報とから、姿勢情報の変化量が検出される。
【0162】
図14は、撮影された画像番号に対するデジタルカメラの姿勢情報の変化量を示したグラフの1例である。ここで横軸は撮影された画像番号、即ち具体的にはフィルムのコマ数であるので離散量であり、縦軸は撮像部11の撮影時点で検出された姿勢情報の変化量である。姿勢情報としては上記の各センサからの出力を用いる。即ち、加速度、方向、および磁気などである。
【0163】
ここで検出された姿勢情報の変化量とは、一回前に撮影されたときの姿勢情報と、今回撮影されたときの姿勢情報との差分値を示す。図14の破線で囲まれた画像群(A)のように、姿勢情報の変化量が微小である画像が連続して撮影されている場合には、その画像群はスライドなどの被写体を一定の方向(例えば図13に示すような)から、連続的に撮影した画像であると判定できる。
【0164】
それに対して、画像群(A)の直前に撮影された画像(他の破線で囲まれた画像B)は、スライドなどの被写体を、正面方向(図12)から撮影した画像であると判定できる。その他の画像(破線CおよびDで囲まれた画像)は、画像あおり補正すべき被写体とは無関係な被写体と判定できる。それ故、画像群Cに関しては、本発明の実施の形態2によるあおり補正処理を施さずにそのまま保存する。
【0165】
以上より実際に正面から撮影したコマがあった場合は、姿勢情報を利用することにより被写体が同じ位置から連続して撮影されたこと、および正面方向から撮影されたことを判定できる。
【0166】
(2.3.撮影位置関係の他の判定方式)
そのほかに、姿勢情報を用いずに正面方向から撮影したことを判定する方法の一例として、撮像部11の画像投影面に投影される被写体形状の変化量を利用した判定方法を下記に示す。
【0167】
同一の平面形状である被写体をある一定の方向から撮影している際には、画像に投影される被写体形状にもあまり変化がない。この場合の被写体形状とは、例えばスライド撮影におけるスクリーンの外周形状を示し、被写体形状が変化しないということは、そこに映写される映像は随時変化しうるが、被写体の外周であるスクリーンの外周形状は変化しないという意味である。ところが、上記の固定されたある一定の方向と異なる方向から撮影した際には、画像に投影される被写体形状に変化が検出される。これより、画像に投影された被写体四隅の位置を実施の形態1に記載した平面形状検出方法と同様な方法で検出し、被写体四隅の位置変化量を比較することにより、実際に正面から撮影したコマがあった場合は、正面方向から撮影したことを判定することができる。
【0168】
図15は、実施の形態2によるデジタルカメラによって、撮影した被写体の画像群における被写体四隅の位置変化量を示したグラフの1例である。ここで被写体の四隅の位置変化量とは、直前に撮影された被写体四隅の位置と今回撮影された被写体四隅の位置との差分値を示す。図15の破線で囲まれた画像群(A)のように、被写体四隅の位置変化量が微小である画像が連続して撮影されている場合には、その画像群はスライドなどの被写体をある所定の方向から連続的に撮影した(図13)画像であると判定する。実際に正面から撮影したコマがあった場合は、画像群(A)の直前に撮影された画像(B)はスライドなどの被写体を正面方向から撮影した(図12)画像であると判定する。その他の画像(CおよびD)は、画像あおり補正する被写体とは無関係なその他の被写体と判定し、本発明によるあおり補正処理を施さずにそのまま保存する。以上により、実際に正面から撮影したコマがあった場合は、姿勢情報を利用せずに被写体を正面方向から撮影したことが判定できる。
【0169】
その他の正面画像判定方法としては、画像処理用コンピュータ20において、ユーザが正面画像であると指定入力する正面入力スイッチ14aを設けて、正面入力スイッチ14aからの入力信号を、撮影位置関係判定部14が受信することによって、撮影方向を判定しても良い。図11に示す正面入力スイッチ14aは撮影位置関係判定部14に入力信号を送信する。これにより、確実に操作者によって撮影の際に確実に基準正面画像を指定することができる。
【0170】
あるいは、デジタルカメラ10にユーザが設定するための正面入力スイッチ14bを設けて、正面方向撮影モードと任意方向撮影モードの切り替えスイッチを設けて、撮影時にユーザが設定入力できるようにすることもできる。正面方向撮影モードで撮影したことをユーザに表示するため、正面方向撮影モードで撮影したときには、ビープ音などをデジタルカメラ10から発生させても良い。
【0171】
ここで、正面入力スイッチ14a,14bは、それぞれ本発明の入力手段を構成する。
【0172】
また、正面方向から被写体を撮影する回数は、一回である場合が多いので、正面方向撮影モードで被写体を撮影した場合には自動的に任意方向撮影モードに切り替えるような構成にすることが望ましい。ユーザに正面から撮影したことが撮影と同時に信号として送信されて撮影位置関係判定部14が受信することによって、正面方向から撮影された画像であることを判定することができる。
【0173】
(2.4.画像形状の検出)
平面形状検出部22は、撮影された画像形状を、実施の形態1に記載の平面形状検出処理と同様にして平面形状検出処理を行う。そして、撮影位置関係判定部14によって、被写体が正面から撮影したと判定された画像情報の対応点を、実施の形態1に記載の平面形状検出処理と同様にして検出する。
【0174】
また、他の撮影による画像のあおり補正処理は、あおり補正部24で実行される。あおり補正処理は、実施の形態1において説明した画像変換方法と同様な処理によって実行する。
【0175】
(2.5.実施の形態2によるあおり補正処理方法)
図16は、実施の形態2による画像処理装置のあおり補正手順を示すフローチャートである。まず、撮影された画像情報群は、第1記録部12が記憶される(ステップS1601)。そして、ステップS1601によって得られた画像情報群の中から、被写体を正面から撮影した画像情報が判定され選択される。判定方法は既に述べたように、姿勢情報の変化量を用いても、重力方向の傾きによる姿勢情報を用いても、あるいは画像に投影される被写体平面形状の変化量から選択する方式を用いても良い。また、手動による入力を受け付けた信号によって判定しても良い(ステップS1602)。
【0176】
次に、正面方向から撮影したと判定された画像を基準正面画像として、以下の手順によって被写体の四隅の位置を検出する。まず、判定された画像に対して背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、分割された領域において、被写体輪郭線の曲率を算出し、算出された曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出して、四隅の位置とする(ステップS1603)。得られた被写体四隅の位置情報は、基準情報としてメモリに記録する(ステップS1604)。
【0177】
次に、基準正面画像でない他の画像情報における被写体の四隅の位置を検出する。その手順はまず、背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、分割された領域において被写体輪郭線の曲率を算出し、算出された曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出し、四隅の位置とする(ステップS1605)。
【0178】
次に、ステップS1604で記録された基準正面画像の四隅の位置情報と、ステップS1605で得られたその他の撮影による被写体の四隅の位置情報とから、射影変換行列B’を算出する。その際、まずステップS1603およびS1605で得られた被写体四隅の位置情報の対応点を取得し、対応点の位置情報を数4式に代入して、射影変換行列B’を算出する(ステップS1606)。
【0179】
そして、ステップS1606で得られた射影変換行列B’により、被写体平面の法線ベクトルを算出し、法線ベクトル方向から撮影したときの画像情報に変換する。これにより、基準正面画像ではない他の撮影による画像情報を正面方向から撮影したときに得られる画像情報へと射影変換する(ステップS1607)。ステップS1607で射影変換処理された画像情報をメモリに記録する(ステップS1608)。ここで、他の撮影画像に対してあおり処理を施す方式として、実施の形態1で求めた射影変換を用いる方式を説明したが、他の方式、例えば、検出された4点に基づいて画像を圧縮および伸長することによって求める方式を用いてもよい。
【0180】
(2.6.効果)
こうして実施の形態2による画像処理処置では、複数の撮影された画像の中から自動で、あるいは手動で正面から撮影された正面撮影画像を判定して選択し、選択された正面撮影画像と、1つの視点のみから撮影された他の画像の形状情報に基づいて、他の撮影画像に対してあおり補正処理を施すので、異なる2つの視点から撮影された二視点画像を必要とせずに、撮影した画像に対して簡略な操作であおり補正処理を施して正面位置から撮影した画像に補正できる。これにより、簡便な操作によって、撮影画像に対して迅速かつ正確にあおり補正が可能となる。
【0181】
(2.7.実施の形態2によるあおり補正処理機能を備えたデジタルカメラ)
実施の形態2による画像入力装置は、以上説明した実施の形態2による画像処理装置(画像処理用コンピュータ)を備えたデジタルカメラとして構成する。
【0182】
図17は、実施の形態2によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。ここでは、デジタルカメラ1020本体の内部に,平面形状検出部22,平面形状記憶部23、あおり補正部24、および第二記憶部25が組み込まれて実質的に画像処理用コンピュータとしての機能を備える。この構成によって、実施の形態2による画像処理装置が一体構成としてデジタルカメラに組み込まれる。このようにデジタルカメラに画像処理用コンピュータを組み込んで一体構成とすることによって、図11において用いたデジタルカメラ10内の画像情報および判定結果転送部15を不要とすることができる。また、画像処理用コンピュータ20を一体構成で備えたことで、撮影と同時にあおり補正処理を行うあおり補正機能を有するデジタルカメラとして機能する。デジタルカメラそのものの主なハードウェア構成は、既に説明した通りである。
【0183】
この構成によって、実施の形態2によるデジタルカメラは、正面から撮影したと判断する画像を用いて基準正面画像とし、1つの視点のみから撮影された他の撮影画像に対してあおり補正処理することができる。このあおり補正処理機能付きのデジタルカメラを用いると、基準正面画像と判定できる画像を撮影しておけば、他の画像については1つの視点からのみ撮影し画像であったとしても、効率よくあおり補正を施すことができるデジタルカメラとなる。
【0184】
[実施の形態3]
(3.1.実施の形態3による画像処理装置の概略構成)
図18は、実施の形態3による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態3による画像処理装置は、画像処理用コンピュータによって構成する。実施の形態3による画像処理装置が、実施の形態1と異なる点は、画像処理用コンピュータ20に接続するデジタルカメラ10が備える姿勢検出部16からの姿勢情報を用いる点である。また、画像処理用コンピュータ20は、実施の形態1が備えていた平面形状検出部22および平面形状記憶部23を備えていない。また実施の形態1において接続していたデジタルカメラ10は画像情報転送部13を備えていたが、ここではその代わりに、画像情報および姿勢情報転送部17を備える。
【0185】
デジタルカメラ10の姿勢検出部16は、撮像部11が撮影するときにとる姿勢に関する姿勢情報を検出し、検出した姿勢情報を、画像情報および姿勢情報転送部17に出力する。
【0186】
後述するように、デジタルカメラ10と画像処理用コンピュータ20を一つの装置として、構成することは可能である。一つの装置とすることで、画像情報および姿勢情報転送部17を削減することも可能である。
【0187】
デジタルカメラ10の撮像部11は、実施の形態1と同様な構成である。第1記録部12は画像情報と姿勢情報とを記録し、画像情報および姿勢情報転送部17は第1記録部12に記録された画像情報および姿勢情報を画像処理用コンピュータ20に転送する。
【0188】
画像処理用コンピュータ20の射影変換部21、およびあおり補正部24、第2記録部25は、実施の形態1と同様な構成である。
【0189】
図19は、実施の形態3によるデジタルカメラのハードウェア構成の1例を示す図である。実施の形態3のデジタルカメラ10は、撮像部11と、姿勢検出部16と画像情報および姿勢情報転送部17とを備える。姿勢検出部16は3軸加速度センサ115、3軸磁気センサ116、および第2A/D変換器117を備える。また、画像情報および姿勢情報転送部17は外部通信機器118を備える。
【0190】
被写体の像は、固定レンズ101、ズームレンズ102、絞り機構103、およびフォーカスレンズ105を通過し、シャッタ104により露光時間が制御されて、撮像素子106上に形成される。撮像素子106からの画像信号はCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)回路107でサンプリングされた後、A/D変換器108でデジタル信号化される。この時のタイミングはTG(Timing Generator)109で生成される。画像信号はその後、IPP(Image Pre−Processor)110でアパーチャ補正などの画像処理、圧縮処理を施され、一時的に画像バッファメモリ111に保存される。一時的に保存された画像情報は、MPU112内にある第1記憶部12に転送され保存される。各ユニットの動作は、MPU112によって制御される。また、入力指示スイッチ113により、画像撮影開始が指示されると同時に、3軸加速度センサ115、3軸磁気センサ116からがそれぞれ3軸加速度および3軸磁気強度を検出する。検出されたセンサ出力信号は撮影された画像情報に添付され、第1記憶部12に保存される。第1記憶部12に保存されたデータは、外部通信機器118を通じて画像処理用コンピュータ20と通信される。外部通信機器118としては、PC用の汎用インタフェース、例えば、RS−232C、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、ネットワークアダプタ、IrDA(Infrared Data Association)、無線LAN、BlueToothを用いる。
【0191】
画像処理用コンピュータ20のハードウェア構成は、実施の形態1と同様としうるので、説明を省略する。
【0192】
(3.2.実施の形態3による画像処理装置の姿勢検出部)
3軸加速度センサと3軸磁気センサを備えた姿勢検出部16は、撮像部11の姿勢を検出する。姿勢検出部16による撮像部11の姿勢検出については公知技術であるので、簡単に説明する(詳細については例えば、特開平11−306363号公報(段落0015〜0025、0036〜0042))。
【0193】
図20は、デジタルカメラの撮像部の撮影座標系を説明する図である。図21は、ワールド座標系を説明する図である。姿勢検出部16は、ワールド座標系(XYZ座標)の向きと、撮影したときの撮像部11に固有な装置座標系(xyz座標)の向きとを比較することによって、撮像部11の姿勢情報を検出する。まず、装置座標系とワールド座標系を以下のように定義する。
【0194】
(a)装置座標系:xyz座標系(第19図)
x軸:画像面右向きを正
y軸:画像面下向きを正
z軸:光軸方向、対象に向かう向きを正
原点o:撮像部11の光学中心
f:カメラの焦点距離、
p:撮影部11の光学中心から対応点までのベクトル成分
(b)ワールド座標系:XYZ座標系(第20図)
Y軸:重力加速度の向きを正
Z軸:磁気の向きを正
X軸:XYZの順に右手直交系をなす向き
【0195】
計算を単純化するために、撮像部11の移動による生じる運動加速度は無視でき、重力加速度と磁場は直交し、かつ磁場は地磁気以外に存在しないと仮定する(厳密には地磁気の伏角が存在し、地磁気と重力加速度とは直交しないが、伏角が既知ならば地磁気の向きと重力加速度が直交する場合と同様に計算できる。また、三軸で地磁気を検出すれば伏角が未知でも姿勢情報を計算可能である)。すなわち、X軸を東向き、Z軸を北向きに正にとる。
【0196】
ワールド座標系に対する装置座標系の向きを、ワールド座標系を基準とした以下の回転行列R(数23式)で記述する。
【0197】
【数23】
Figure 2005038021
【0198】
ここで、α、β、γはそれぞれワールド座標系を基準とした、X軸、Y軸、Z軸回りの回転角であり、この時、撮像部11を、以下の順に回転させたことに相当する。XYZ座標系とxyz座標系が一致している状態から、
(1)撮像手段11を、Z軸回りにγだけ回転する。
(2)撮像手段11を、X軸回りにαだけ回転する。
(3)撮像手段11を、Y軸回りにβだけ回転する。
【0199】
今、重力加速度ベクトルと地磁気ベクトルが、ワールド座標系においてそれぞれ、数24式で表される。
【0200】
【数24】
Figure 2005038021
【0201】
また、3軸加速度センサ、および3軸磁気センサによって検出された装置座標系を基準とした加速度ベクトル、地磁気ベクトルをそれぞれ
【0202】
【数25】
Figure 2005038021
とする。以上のgとa、およびMとmの関係は、回転行列Rを用いると以下の数26式で記述される。
【0203】
【数26】
Figure 2005038021
数26−2式より、X軸回りの回転角αとZ軸回りの回転角γが計算される。
【0204】
【数27】
Figure 2005038021
【0205】
またZ軸回りの回転角γが既知である場合、数28式により、地磁気ベクトルmからX軸回りの回転角αとY軸回りの回転角βが計算される。
【0206】
【数28】
Figure 2005038021
【0207】
但し、加速度ベクトルaで求めたX軸回りの回転角αを利用するならば、数28−1式の計算は不要である。以上の計算により、撮像部の姿勢情報(α、β、γ、および回転行列R)および重力方向に対する撮像部11の傾きを、三軸加速度センサと三軸磁気センサから検出することができる。
【0208】
(3.3.実施の形態3による画像処理装置のあおり補正動作)
射影変換部21で実行される射影変換方法は実施の形態1に記載の射影変換方法と同様な方法で実行される。なお、射影変換処理を施す代わりに実施の形態2における撮影位置関係判定処理を施して、被写体平面形状の法線方向(数13式のnベクトル)を算出し、あおり補正部24に出力しても良い。
【0209】
あおり補正部24で実行する画像変換処理(あおり補正処理)について説明する。あおり補正部24の画像変換処理では、射影変換部21から出力される被写体平面形状の法線方向と、新たに被写体を撮影して得られる二視点画像以外の画像情報および撮像部11の姿勢情報を用いて、新たに撮影された画像情報を正面方向から撮影したときに得られる画像情報に変換する。
【0210】
図22は、撮像部11、被写体、および地球上の座標系の関係を説明する図である。図23および図24は、被写体平面の法線方向と撮像部の撮影方向との関係を説明する図である。姿勢検出処理によって、射影変換処理に使用した画像を撮影した際の撮像部11の向き(z軸方向)が地球上でどの方向を向いているかを一意に検出することができるので(図22)、数19式の回転行列R’より被写体平面形状の法線方向nが地球上でどの方向を向いているかを一意に検出することができる(図23)。これにより、新たに撮影した画像の姿勢情報から撮像部11の向きと被写体平面形状の法線方向nとの関係を表す回転行列R”を数15式〜数19式の手順で算出する(図24)。次に被写体平面形状の法線方向nと回転行列R”から数20式、数21式より新たに撮影した画像のあおり補正を実行し、正面方向から撮影したときに得られる画像情報へ変換する。
【0211】
図25は、実施の形態3による画像処理用コンピュータのあおり補正手順を示すフローチャートである。まず、少なくとも2箇所以上の視点から撮影された画像情報(二視点画像)が取得されメモリに記録sれる(ステップS2401)。
【0212】
次に、ステップS2401で得られた画像に投影された被写体平面形状の四隅の位置を検出する。そのためには、得られた画像において背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、被写体輪郭線の曲率を算出し、算出された曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出し、四隅の位置とする(ステップS2402)。
【0213】
次に、ステップS2402で得られた被写体平面形状の四隅の位置から、射影変換行列Bを算出する。なお、ここでは、姿勢情報を利用して対応点の位置情報を任意に2組以上採って撮像部11の姿勢および並進成分情報を算出しても良い。そのためにまず、ステップS2402で得られた被写体平面形状の四隅の位置情報を取得し、取得された被写体平面形状の四隅の位置情報を数4式に代入して、射影変換行列Bを算出する。
【0214】
次に、ステップS2403で得られた射影変換行列Bより、被写体平面の法線方向を算出する(ステップS2404)。そして、撮像部11の姿勢情報と回転行列R’から、地球上の座標系における被写体平面の法線方向nを算出する(ステップS2405)。
【0215】
ここで、新たに被写体が撮影されて、画像情報と撮像部の姿勢情報を取得したかどうかを判定する(ステップS2406)。ここで新たに撮影された被写体の画像情報とは、他の撮影による被写体画像のことであり、基準正面画像以外の画像である。例えばスライドが切替わって撮影する被写体の画像が変化した場合は、新たに被写体を撮影して、画像情報と撮像部11の姿勢情報が取得されたと判定される(ステップS2406のYes)。新たに被写体が撮影されなかった場合(ステップS2406のNo)は、そのまま終了する。
【0216】
次に、ステップS2405で得られた被写体平面の法線方向nと、新たに撮影された時の撮像部11の姿勢情報とから、撮像部11の向き(z軸方向)と被写体平面の法線方向nとの関係を表す回転行列R”を算出する(ステップS2407)。得られた回転行列R”と被写体平面の法線方向nを用いて、新たに撮影した画像情報を被写体の正面方向から撮影したときに得られる画像情報へ変換する(ステップS2408)。これによって、新たに撮影された画像情報に対して、あおり補正がなされた。ステップS2408で画像変換処理された画像情報をメモリに記録する(ステップS2409)。
【0217】
(3.4.実施の形態3による画像処理装置の奏する効果)
実施の形態3においては、撮像部の姿勢を検出して検出された姿勢情報と、基準正面画像の形状情報から射影変換行列を求めて被写体平面形状の法線方向を算出し、算出された法線方向と、新たに撮影された画像の形状情報とに基づいて、該新たに撮影された画像に対してあおり補正処理を施すことができるので、煩雑な操作を必要とせず基準座標ををもとにして、撮像姿勢情報を用いて自動的に他の撮影画像にあおり補正処理できる。
【0218】
(3.5.実施の形態3によるあおり補正処理機能を備えたデジタルカメラ)
実施の形態3による画像入力装置は、以上説明した実施の形態3による画像処理装置(画像処理用コンピュータ)を備えたデジタルカメラとして構成する。
【0219】
図26は、実施の形態3によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。ここでは、デジタルカメラ1030本体の内部に,射影変換部21、あおり補正部24、および第二記憶部25が組み込まれ、実質的に画像処理用コンピュータを備える。この構成によって、実施の形態3による画像処理装置が一体構成としてデジタルカメラに組み込まれた。このようにデジタルカメラに画像処理用コンピュータを組み込んで一体構成とすることによって、図18における画像情報および姿勢情報転送部17を不要とすることができる。また、一体構成とすることで、撮影と同時に姿勢検出部16が撮像部11の位置を検出し、あおり補正処理を行うあおり補正機能を有するデジタルカメラとして機能する。デジタルカメラそのものの主なハードウェア構成などの説明は、既に行った通りであるので省略する。
【0220】
この構成によって、実施の形態3によるデジタルカメラは、姿勢検出部が撮像部の姿勢を検出してその姿勢情報を射影変換部に送り基準正面画像を取得してそれを基準に、1つの視点のみから撮影された他の撮影画像に対してあおり補正処理することができる。このあおり補正処理機能付きのデジタルカメラを用いると、姿勢検出部16の自動的な姿勢検出によって基準正面画像のための二視点画像を1セット撮影しておけば、他の画像については1つの視点からのみ撮影した画像であったとしても、効率よく煩雑な操作無しに、あおり補正を施すことができる。
【0221】
[実施の形態4]
(4.1.実施の形態4による画像処理装置)
実施の形態4による画像処理装置は、これまでの実施例と同様、画像処理用コンピュータとして構成できる。また、例えば、プレゼンテーションのスライド画像を連続的に撮影している途中で、展示された参考商品など撮影する場合に対応して、処理するあおり補正処理を中断する処理を施すことができる。即ち、一連のスライド映写を撮影する途中で、展示された参考商品などを撮影した画像に対しては、自動的に画像あおり補正を実行しないようにする。そのため、射影変換後の画像に投影された被写体形状の変化量が、所定の閾値以上である場合には、展示された参考商品などを撮影した画像と判定し、判定された画像に対してあおり補正を実行しないようにする。ここで、所定の閾値は任意に設定可能とする。
【0222】
図27は、実施の形態4による画像処理装置の機能的ブロック図である。実施の形態4による画像処理装置、即ち画像処理用コンピュータが、実施の形態1による画像処理装置と異なる点は、図26に示したように平面形状変化判定部26を備える点である。平面形状変化判定部26は、あおり補正処理によって得られた他の撮影画像の形状変化量を測定し、所定の閾値以上であった場合は、その画像を一連の同じ被写体の画像とは見なさずに、あおり補正処理した画像を採用せず、あおり補正処理前の画像を採用する。
【0223】
ここで、デジタルカメラ10に接続する画像処理用コンピュータ20が、本発明の画像処理装置を構成する。
【0224】
ここで実施の形態4における画像処理装置の平面形状変化判定部26は、本発明における変化量判定手段を構成する。
【0225】
図29は、実施の形態4によるデジタルカメラによって撮影された画像における被写体形状の変化量の一例を示すグラフである。ここで被写体形状の変化量とは、一回前に撮影された被写体形状と今回撮影した被写体形状のとの差分値で表す。図28の破線で囲まれた画像群(AおよびB)においては、被写体形状の変化量が所定の閾値以下の画像が連続して撮影されている。このような場合には、連続して撮影されている画像群は、スライドなどの被写体を連続的に撮影した画像であると判定する。撮影途中で被写体形状の変化量が所定の閾値以上である画像がある場合(破線Cで囲まれた画像)は、展示された参考商品などを撮影した画像であると判定する。
【0226】
また被写体形状の変化ではなく、撮像部11の姿勢情報の変化を判定の基準にしても良い。この際の閾値の一例としては、撮像部11の撮影角度が5°〜10°変化した場合、展示された参考商品などを撮影した画像と判定する。
【0227】
以上により実施の形態4による画像処理装置においては、撮影画像における形状変化量を判定することによって、例えば一連のスライド映写画像を撮影した画像に対しては画像あおり補正を実行し、途中で展示された参考商品などを撮影した画像に対しては、自動的に画像あおり補正を実行しないようにすることができる。
【0228】
また、展示された参考商品などを撮影した画像に対して、画像あおり補正を実行しないようにするためには、画像処理用コンピュータ20に画像あおり補正を実行するかしないかを切り替える切替スイッチ27を設けて、ユーザが撮影した画像に対して画像あおり補正を実行するか否かを指定できるようにする。
【0229】
ここで切替スイッチ27は、本発明の選択手段を構成する。
【0230】
あるいは、切替スイッチ27は、デジタルカメラ10側に設けることもできる。その際、画像あおり補正実行モードで撮影したことをユーザに知らせるため、画像あおり補正実行モードで撮影したことをデジタルカメラ10に取り付けた液晶パネルなどに表示しても良い。ユーザに判定させることによって、間違いなく展示された参考商品などを撮影した画像に対しては、画像あおり補正を実行しないようにすることができる。
【0231】
(4.2.実施の形態4による画像処理方法)
図29は、実施の形態4による画像処理装置のあおり補正処理手順を示すフローチャートである。まず、少なくとも2箇所以上の視点から撮影された2以上の画像情報(二視点画像)を取得しメモリに記録する(ステップS2601)。
【0232】
次に、ステップS2601で取得された画像における被写体画像から、背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、被写体輪郭線の曲率を算出し、算出された曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出し、四隅の位置として、被写体の四隅の位置を検出する(ステップS2602)。
【0233】
ステップS2602で得られた被写体平面形状の四隅の位置情報を数4式に代入して、射影変換行列Bを算出する(ステップS2603)。得られた射影変換行列Bより、被写体平面の法線ベクトルを算出し、算出された法線ベクトル方向から撮影したときの画像情報に変換することにより、画像情報を正面方向から撮影したときに得られる画像情報へ変換する(ステップS2604)。ここで二視点画像に対してあおり補正がなされた。
【0234】
次にステップS2604で得られた画像から、背景領域と被写体領域の領域分割を実行し、被写体輪郭線の曲率を算出し、算出された曲率情報から被写体の凸部分(コーナー部分)を検出し、四隅の位置とする(ステップS2605)。
【0235】
ここで、スライドが切替わるなどして撮影する被写体が変化して、新たに被写体が撮影されて、画像情報を取得したかどうかを判定する(ステップS2606)。新たに被写体が撮影されて、画像情報を取得した場合(ステップS2606のYes)、得られる新たに撮影された画像から、ステップS2605と同様の手順で被写体の四隅の位置を検出する(ステップS2707)。新たに撮影された被写体画像を取得していない場合は(ステップS2706のNo)、そのまま終了する。
【0236】
ステップS2605およびステップS2607で得られた被写体の四隅の位置情報の対応点を取得し、取得した対応点の位置情報を数4式に代入して、射影変換行列B’を算出する(ステップS2608)。
【0237】
ステップS2608で得られた射影変換行列B’より、被写体平面の法線ベクトルを算出し、法線ベクトル方向から撮影したときの画像情報に射影変換することによって、新たに撮影した画像情報を正面方向から撮影したときに得られる画像情報へ射影変換する(ステップS2609)。こうして新たに撮影された被写体画像のあおり補正がなされた。
【0238】
ステップS2604で得られた画像情報とステップS2608から得られた画像情報から、画像に投影されている被写体形状の変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2610)。比較された被写体形状の変化量が所定の閾値以上であれば(ステップS2610のYes)、次のステップS2611へ進み、所定の閾値より下であれば(ステップS2610のNo)、ステップS2612に進む。なお被写体形状の変化量の一例としては、ステップS2605の手順より被写体の四隅の位置を検出して、ステップS2604とステップS2608で得られる被写体の四隅の位置変化量を比較しても良い。
【0239】
被写体形状の変化量が所定の閾値以上である場合は、ステップS2609で射影変換された画像を除去し、ステップS2606で取得した画像(射影変換前の画像)に置き換える(ステップS2611)。そして、ステップS2609又はステップS2611によって取得される画像情報をメモリに記録する(ステップS2612)。
【0240】
(4.3.効果)
以上により実施の形態4による画像処理装置においては、撮影画像における形状変化量を判定することによって、例えば一連のスライド映写画像を撮影した画像に対しては画像あおり補正を実行し、途中で展示された参考商品などを撮影した画像に対しては、自動的および/または手動により画像あおり補正を実行しないようにすることができる。即ち、自動的および/または手動によりあおり補正と通常処理モードとを判定して処理画像を保存できる画像処理装置を提供できる。
【0241】
(4.4.実施の形態4によるあおり補正処理機能を備えたデジタルカメラ)
実施の形態4による画像入力装置は、以上説明した実施の形態4による画像処理装置(画像処理用コンピュータ)を備えたデジタルカメラとして構成する。
【0242】
図30は、実施の形態4によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。ここでは、デジタルカメラ1040本体の内部に,射影変換部21、平面形状検出部22、平面形状記憶部23、あおり補正部24、平面形状変化判定部26、および第二記憶部25が組み込まれ、実質的に画像処理用コンピュータとしての機能を果たす。この構成によって、実施の形態4による画像処理用コンピュータが一体構成としてデジタルカメラに組み込まれる。このようにデジタルカメラに画像処理用コンピュータを組み込んで一体構成とすることによって、図27における画像情報転送部13を不要とすることができる。また、一体構成とすることで、撮影と同時に画像情報が射影変換部21に送られて、既に述べた実施の形態4による画像処理に従って、あおり補正処理が行われる。それによってあおり補正機能を有するデジタルカメラとして機能する。デジタルカメラそのものの主なハードウェア構成などの説明は、既に行った通りであるので省略する。
【0243】
この構成によって、実施の形態4によるデジタルカメラは、撮影画像における形状変化量を判定することによって、例えば一連のスライド映写画像を撮影した画像に対しては画像あおり補正を実行し、途中で展示された参考商品などを撮影した画像に対しては、自動的に画像あおり補正を実行しないようにすることができる。即ち、撮影しながらであっても、自動的にあおり補正と通常処理モードとを判定して処理画像を保存できるデジタルを提供できる。
【0244】
(5.変形例)
ここで、本発明に係る撮像装置は、PC(Personal Computer)や携帯情報端末に付属させることによってあおり補正処理機能を有するデジタルカメラとして実現することができる。また、近年、各種の処理プログラムを読み取ることにより、種々の機能を実現可能なデジタルカメラも登場している。また、向きが回動可能なカメラを具備したノート型PCが普及するようになった。このような場合は、これらの情報機器に実施の形態1乃至4で説明した手順を実現する処理プログラムを実行させることにより、その機能を実現させることができる。
【0245】
例えば、カメラを具備したノート型PCにおいて、上述プログラムを実行することにより実現可能である。ここでプログラムは、各種媒体やインターネット等の電気通信回線を介して読み取り可能なプログラムである。その場合、自動焦点機能を含む光学的撮像処理は、カメラの内部で実行される。一方、撮影モードの選択、撮影の開始・終了の制御、焦点検出動作の一時停止(上述の実施の形態における、レリーズSWの半押し操作に相当)、画像および焦点検出領域の表示は、PCにおける所定のユーザー・インタフェースを介して行われる。その一例を以下に記すと、撮影モードの選択はカーソルキーにより、撮影の開始・終了の制御はリターンキーにより、焦点検出動作の一時停止はスペースキーにより、画像および焦点検出領域の表示は付属するLCDに表示することにより、実行できる。
【0246】
ここで、デジタルカメラには、あおり補正を行わせるかどうかを走者者が選択して入力することができる切替スイッチ27を、カメラ側に備えることができる。それによって、手動で、あおり補正するか否かを指定することができる。
【0247】
(6.本発明によるプログラムを格納した媒体)
図31は、本発明によるあおり補正処理方法をコンピュータによって実行するプログラムを格納した媒体の実施例を示す図である。図31に示されるように、該プログラムを格納したCD−ROM725を、カメラ704を具備したノート型PC703に装着し、適宜プログラムを実行させることによって、その機能を実現させることができる。また、該プログラムを格納したスマートメディア726を、それを読み取り可能なデジタルスチルカメラ701に装着し、適宜該プログラムを実行させることにより、その機能を実現させることができる。
【0248】
なお、該プログラムを格納する記録媒体は上記に限られず、例えばCD−RWやDVD−ROM等の別の媒体であってもよいことはいうまでもない。
【0249】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、異なる2つの視点から撮影した二視点画像をもとにして、1つの視点のみからの撮影による他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数で通常の1つの視点のみからの撮影画像に対してあおり補正を施すことができ、例えばプレゼンテーション会場のスライド画像の撮影などにおいて、二視点画像を少なくとも1セット(2回の撮影)取得しておけば、1つの視点のみから撮影した他の画像に対して、正確なあおり補正処理を施すことができるので、少ない撮影回数と簡易な操作で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0250】
また、請求項2にかかる発明によれば、正面から撮影されたと判定された正面画像を用いて、1つの視点からのみの撮影による他の画像に対してあおり補正を施すので、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0251】
また、請求項3にかかる発明によれば、正面から撮影した画像を基準正面画像としてユーザに選択させることができるので、正確に基準正面画像を選択でき、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0252】
また、請求項4にかかる発明によれば、撮像手段の姿勢情報を利用して、1つの視点のみから撮影された画像に対してあおり補正処理を施すので、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0253】
また、請求項5にかかる発明によれば、撮影画像における形状変化量と所定の閾値とを比較して、あおり補正を施さないようにすることができるので、自動的にあおり補正すべきでない画像を判定でき、例えばスライド映像の撮影をしている途中に別のサンプル商品などが置かれて撮影した場合、サンプル商品の画像に対しては自動的にあおり補正を施さないので、あおり補正処理を自動的に選択して実行できる利便性の高い画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0254】
また、請求項6にかかる発明によれば、あおり補正処理を施すか否かをユーザが選択できるので、ユーザーフレンドリーな利便性の高いあおり補正処理機能を有した画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0255】
また、請求項7にかかる発明によれば、異なる2つの視点から撮影した二視点画像をもとにして、1つの視点のみからの撮影による他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数で通常の1つの視点のみからの撮影画像に対してあおり補正を施すことができ、例えばプレゼンテーション会場のスライド画像の撮影などにおいて、二視点画像を少なくとも1セット(2回の撮影)取得しておけば、1つの視点のみから撮影した他の画像に対して、正確なあおり補正処理を施すことができるので、少ない撮影回数と簡易な操作で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できるという効果を奏する。
【0256】
また、請求項8にかかる発明によれば、正面から撮影されたと判定された正面画像を用いて、1つの視点からのみの撮影による他の画像に対してあおり補正を施すので、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できるという効果を奏する。
【0257】
また、請求項9にかかる発明によれば、正面から撮影した画像を基準正面画像としてユーザに選択させることができるので、正確に基準正面画像を選択でき、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できるという効果を奏する。
【0258】
また、請求項10にかかる発明によれば、撮像手段の姿勢情報を利用して、1つの視点のみから撮影された画像に対してあおり補正処理を施すので、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像入力装置を提供できるという効果を奏する。
【0259】
また、請求項11にかかる発明によれば、撮影画像における形状変化量と所定の閾値とを比較して、あおり補正を施さないようにすることができるので、自動的にあおり補正すべきでない画像を判定でき、例えばスライド映像の撮影をしている途中に別のサンプル商品などが置かれて撮影した場合、サンプル商品の画像に対しては自動的にあおり補正を施さないので、あおり補正処理を自動的に選択して実行できる利便性の高い画像入力装置を提供できるという効果を奏する。
【0260】
また、請求項12にかかる発明によれば、あおり補正処理を施すか否かをユーザが選択できるので、ユーザーフレンドリーな利便性の高いあおり補正処理機能を有した画像入力装置を提供できるという効果を奏する。
【0261】
また、請求項13にかかる発明によれば、異なる2つの視点から撮影した二視点画像をもとにして、1つの視点のみからの撮影による他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数で通常の1つの視点のみからの撮影画像に対してあおり補正を施すことができ、例えばプレゼンテーション会場のスライド画像の撮影などにおいては、二視点画像を少なくとも1セット(2回の撮影)取得しておけば、1つの視点の撮影による他の画像に対して、正確なあおり補正処理を施すことができるので、少ない撮影回数と簡易な操作で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できるという効果を奏する。
【0262】
また、請求項14にかかる発明によれば、正面から撮影されたと判定され基準正面画像として選択された画像を用いて、1つの視点からの撮影のみの他の画像に対してあおり補正を施せるので、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できるという効果を奏する。
【0263】
また、請求項15にかかる発明によれば、正面から撮影された基準正面画像をユーザに選択させるので、正確に基準正面画像を選択してそれに基づいて、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できるという効果を奏する。
【0264】
また、請求項16にかかる発明によれば、撮像手段の姿勢情報を利用して1つの視点のみから撮影された他の画像に対してあおり補正処理を施すので、少ない撮影回数と簡易な操作によって迅速で正確なあおり補正が可能な利便性の高い画像処理方法を提供できるという効果を奏する。
【0265】
また、請求項17にかかる発明によれば、撮影コマ数に対する撮影画像の形状変化量と、所定の閾値とを比較して、あおり補正を施さないようにすることができるので、自動的にあおり補正すべきでない画像を判定でき、例えばスライド映像の撮影をしている途中に別のサンプル商品などが置かれて撮影した場合、サンプル商品の画像に対しては自動的にあおり補正を施さないので、あおり補正処理を自動的に選択して実行できる利便性の高い画像処理方法を提供できるという効果を奏する。
【0266】
また、請求項18にかかる発明によれば、請求項13〜17のいずれか1つに記載の画像処理方法をコンピュータが実行するプログラムを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図2】実施の形態1による画像処理装置を説明する図である。
【図3】実施の形態1に用いるデジタルカメラのハードウェア構成の1例を示す図である。
【図4】実施の形態1による画像処理用コンピュータのハードウェア構成の1例を示す図である。
【図5】実施の形態1による画像処理装置で、被写体平面形状の四隅の位置情報の検出を説明する図である。
【図6】実施の形態1による画像処理装置において、2つの異なる視点から撮影した二視点画像における対応点の検出を説明する図であり、(a)は画像Aの画像対応点の検出を示し、(b)は画像Bの画像対応点の検出を示す。
【図7】実施の形態1による画像あおり補正処理を説明する図である。
【図8】実施の形態1による画像補正装置において、他の撮影による画像情報での被写体の四隅の位置の算出を説明する図であり、(a)は二視点画像から得られた被写体の平面形状の四隅を示し、(b)は新たに撮影した画像情報から得られた平面形状の四隅を示す。
【図9】実施の形態1によるあおり補正処理方法を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態2による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図12】実施の形態2によるデジタルカメラを用いる撮影を説明する図である。
【図13】実施の形態2によるデジタルカメラが被写体に対して正面以外から撮影する場合を説明する図である。
【図14】撮影された画像番号に対するデジタルカメラの姿勢情報の変化量を示したグラフの1例である。
【図15】実施の形態2によるデジタルカメラによって撮影した画像群に対する被写体四隅の位置変化量を示したグラフの1例である。
【図16】実施の形態2による画像処理装置のあおり補正手順を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態2によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。
【図18】実施の形態3による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図19】実施の形態3による画像処理装置における撮像装置のハードウェア構成の1例を示す図である。
【図20】デジタルカメラの撮像部の撮影座標系を説明する図である。
【図21】ワールド座標系を説明する図である。
【図22】撮像部、被写体、および地球上の座標系の関係を説明する図である。
【図23】被写体平面の法線方向と撮像部の撮影方向との関係を説明する図である。
【図24】被写体平面の法線方向と撮像部の撮影方向との関係を説明する図である。
【図25】実施の形態3による画像処理装置のあおり補正手順を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態3によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。
【図27】本発明の実施の形態4による画像処理装置の機能的ブロック図である。
【図28】実施の形態4によるデジタルカメラによって撮影された画像における被写体形状の変化量の一例を示すグラフである。
【図29】実施の形態4による画像処理装置のあおり補正処理手順を示すフローチャートである。
【図30】実施の形態4によるデジタルカメラの機能的ブロック図である。
【図31】本発明によるあおり処理方法をコンピュータによって実行するプログラムを格納した媒体の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 撮像装置
11 撮像部
12 第1記憶部
13 画像情報転送部
14 撮影位置関係判定部
14a,14b 正面入力スイッチ
15 画像情報および判定結果転送部
16 姿勢検出部
17 画像情報および姿勢情報転送部
20 画像補正装置
21 射影変換部
22 平面形状検出部
23 平面形状記憶部
24 あおり補正部
25 第2記録部
26 平面形状変化判定部
27 切替スイッチ
101 固定レンズ
102 ズームレンズ
103 絞り機構
104 シャッタ
105 フォーカスレンズ
106 撮像素子
107 CDS回路
108 A/D変換器
109 TG
110 IPP
111 画像バッファメモリ
112 MPU
115 3軸加速度センサ
116 3軸磁気センサ
117 第2A/D変換器
118 外部通信機器
201 CPU
202 SDRAM
203 HDD
204 入力インタフェース
206 表示I/F
207 記録装置
208 外部I/F
209 ディスプレイ
210 バス
1010 実施の形態1によるデジタルカメラ
1020 実施の形態2によるデジタルカメラ
1030 実施の形態3によるデジタルカメラ
1040 実施の形態4によるデジタルカメラ

Claims (18)

  1. 被写体を異なる2つの視点から撮像手段によって撮影した二視点画像を含む複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理装置であって、
    撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、
    前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、
    前記形状検出手段により検出される前記二視点画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出された前記二視点画像の射影変換行列を用いて前記二視点画像にあおり補正処理を施して基準正面画像を取得し、前記形状検出手段により検出される前記基準正面画像の形状情報および前記二視点画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出される前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 被写体を撮像手段によって撮影した複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理装置であって、
    撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、
    前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、
    前記画像の中から正面位置から撮影された基準正面画像を判定して選択する画像判定手段と、
    前記形状検出手段が検出する前記画像判定手段による選択の前記基準正面画像の形状情報、および前記基準正面画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段が算出する前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記画像判定手段は、操作者からの入力を受け付けて、撮影された前記画像が正面から撮影された前記基準正面画像であるとの指定を行う入力手段を有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 撮影された前記画像情報には、撮影時の前記撮像手段の姿勢情報が含まれ、
    前記姿勢情報を検出する姿勢検出手段を、さらに備え、
    前記あおり補正手段は、
    前記基準正面画像の前記射影変換行列および前記姿勢検出手段により検出される前記撮像手段の前記基準正面画像取得時の姿勢情報の少なくとも1つから前記被写体の法線方向を算出し、算出された前記被写体の法線方向、および前記撮像手段の前記他の画像取得時の姿勢情報を用いて、前記他の撮影画像にあおり補正処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 撮影コマ数に対して変化する前記被写体画像の形状変化量を検出し、前記形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、前記画像のあおり補正を施すように指示する変化量判定手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  6. 撮影した前記複数の画像について、操作者からの画像あおり補正処理を実行するか否かの選択の入力を受け付け、実行選択の入力を受け付けた場合、前記あおり補正手段にあおり補正を実行させるよう指示する選択手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  7. 被写体を異なる2つの視点から撮影した二視点画像を含む複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像入力装置であって、
    前記画像を撮影する撮像手段と、
    撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、
    前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、
    前記形状検出手段により検出される前記二視点画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出された前記二視点画像の射影変換行列を用いて前記二視点画像にあおり補正処理を施して基準正面画像を取得し、前記形状検出手段により検出される前記基準正面画像の形状情報および前記二視点画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段により算出される前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、
    を備えたことを特徴とする画像入力装置。
  8. 被写体を撮影した複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像入力装置であって、
    前記画像を撮影する撮像手段と、
    撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出手段と、
    前記形状検出手段により検出される前記画像の形状情報から射影変換行列を算出する行列取得手段と、
    前記画像の中から正面位置から撮影された基準正面画像を判定して選択する画像判定手段と、
    前記形状検出手段が検出する前記画像判定手段による選択の前記基準正面画像の形状情報、および前記基準正面画像以外の他の画像の形状情報から、前記行列取得手段が算出する前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正手段と、
    を備えたことを特徴とする画像入力装置。
  9. 前記画像判定手段は、操作者からの入力を受け付けて、撮影された前記画像が正面から撮影された前記基準正面画像であるとの指定を行う入力手段を有することを特徴とする請求項8に記載の画像入力装置。
  10. 前記撮像手段が撮影するときの姿勢情報を検出する姿勢検出手段を、さらに備え、
    前記あおり補正手段は、
    前記基準正面画像の前記射影変換行列および前記姿勢検出手段により検出される前記撮像手段の前記基準正面画像取得時の姿勢情報の少なくとも1つから前記被写体の法線方向を算出し、算出された前記被写体の法線方向、および前記撮像手段の前記他の画像取得時の姿勢情報を用いて、前記他の撮影画像にあおり補正処理を施すことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の画像入力装置。
  11. 撮影コマ数に対して変化する前記被写体画像の形状変化量を検出し、前記形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、前記画像のあおり補正を施すように指示する変化量判定手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の画像入力装置。
  12. 撮影した前記複数の画像について、操作者からの画像あおり補正処理を実行するか否かの選択の入力を受け付け、実行選択の入力を受け付けた場合、前記あおり補正手段にあおり補正を実行させるよう指示する選択手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つに記載の画像入力装置。
  13. 撮像手段により被写体を異なる2つの視点から撮影した二視点画像を含む複数の画像に対して、前記被写体を正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理方法であって、
    前記二視点画像の形状情報を検出してあおり補正処理を施す射影変換行列を算出し、射影変換して基準正面画像を取得する基準射影変換工程と、
    撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出工程と、
    前記形状検出工程によって検出された前記基準正面画像の形状情報および前記二視点画像以外の他の画像の形状情報から算出される前記他の画像の射影変換行列を用いて、前記他の画像に対してあおり補正処理を施すあおり補正工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  14. 被写体を撮像手段によって撮影した複数の画像の中の正面から撮影した基準正面画像を用いて、前記基準正面画像以外の他の画像に対して、正面位置から撮影した正面画像に補正するあおり補正処理を施す画像処理方法であって、
    前記複数の画像から前記基準正面画像を判定して選択する画像判定工程と、
    撮影された前記画像の形状情報を検出する形状検出工程と、
    前記形状検出工程によって検出される前記基準正面画像の形状情報および前記他の画像の形状情報から、前記他の画像に対してあおり補正処理を施す射影変換行列を算出して前記他の画像にあおり補正処理を施すあおり補正工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  15. 前記画像判定工程は、撮影された前記画像について、外部からの入力を受け付けて前記画像が前記基準正面画像であるとの指定を行う正面入力工程を、さらに含むことを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
  16. 前記撮像手段の撮影時における前記撮像手段の姿勢情報を検出する姿勢検出工程と、
    前記基準正面画像の射影変換行列および前記姿勢検出手段によって検出された前記基準正面画像取得時の前記撮像手段の姿勢情報の少なくとも1つから、前記被写体の法線方向を算出する法線算出工程と、をさらに含み、
    前記あおり補正工程が、
    前記法線算出工程によって算出された前記被写体の法線方向、および前記姿勢検出工程によって検出される前記撮像手段の前記他の画像取得時の姿勢情報を用いて、前記他の画像にあおり補正処理を施すことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つに記載の画像処理方法。
  17. 前記複数の画像の撮影コマ数に対する前記画像の形状変化量を検出し、前記形状変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定して、前記他の画像に対してあおり補正を施すように指示する変化量判定工程を、さらに含むことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つに記載の画像処理方法。
  18. 請求項13〜17のいずれか1つに記載の画像処理方法をコンピュータが実行することを特徴とする画像処理プログラム。
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