JP2005037376A - 被検体を定量的に電気的に検出する方法及びデバイス - Google Patents

被検体を定量的に電気的に検出する方法及びデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】被検体を定量的に電気的に検出する方法とその方法による小型化デバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、認識反応によって一又はそれ以上の被検体を検出する方法であって、少なくとも一の測定電極、場合により測定電極の隣の絶縁領域(絶縁体層)、測定電極上に及び/又は測定電極に隣接した絶縁体層上に固定化された認識分子、及び対電極を有し、電解質で満たされた電解質空間を有するデバイスを使用する検出方法に関する。測定電極と対電極との間の電気伝導度又は電気抵抗を、発生時間の関数として測定し、電気伝導度又は電気抵抗の時間プロフィールを分析する。本発明は、本発明に基づく方法を実施することができるデバイスにも関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料中の被検体を定量的に電気的に検出する方法及びデバイスに関する。これは、水性媒体中の生物学に関連する分子の特異的な検出を好ましく伴う。そのようなセンサーの原理又はそのようなセンサーには、例えば、環境の分析、食品産業、人及び動物の診断(又は識別)、作物の保護及び生化学もしくは薬理学の研究等の広い範囲の応用がある。
そのような診断用途として、生体機能表面(biofunctional surface)と物理的信号変換器を有するバイオセンサー及び化学センサー(chemosensor)が既知である。本発明において、生体機能表面とは、生物学的、化学的又は生化学的認識要素が結合された表面として理解すべきである。
検出の間に、認識反応によって、被検体が特異的に結合する、例えばDNA、RNA、アプタマー、及びレセプター(又は受容体)等の生物学的、化学的又は生化学的認識要素は、生体機能表面に結合する。
認識反応として、リガンド(又は配位子)とコンプレックス(又は錯体)との結合、イオンの封鎖(又は隔離)、リガンドと(生物学的)レセプターとの結合、膜レセプター又はイオンチャンネルとの結合、抗原又はハプテンと抗体との結合(イムノアッセイ又は免疫学的検定:immunoassay)、基質と酵素との結合、DNA又はRNAと特定のタンパク質との結合、アプタマー又はスピーゲルマー(spiegelmer)とそれらのターゲット(target)との結合、DNA/RNA/PNA又はそれらの核酸類似体のハイブリダイゼーション(hybridization)(DNAアッセイ)、又は酵素による基質の加工(又は処理)を例示できる。
検出すべき被検体として、DNA、RNA、PNA、核酸類似体、酵素の基質、ペプチド、タンパク質、ポテンシャル・アクティブ・エージェント(又は電気活性剤:potential active agent)、薬、細胞及びウイルスを例示できる。
検出すべき被検体が結合する認識要素として、DNA、RNA、PNA、核酸類似体、アプタマー、スピーゲルマー、ペプチド、タンパク質、金属/金属イオンの封鎖剤、シクロデキストリン、クラウンエーテル、抗体又はそれらのフラグメント、アンチカリン(anticalin)、酵素、レセプター、膜レセプター、イオンチャンネル、細胞接着タンパク質(cell adhesion protein)、ガングリオシド(ganglioside)、単糖類、オリゴ糖類を例示できる。
種々の認識要素を信号変換器の表面に結合し、それらが空間的に相互に離れている場合、多数の認識反応を検討すべき試料を用いて同時に行うことができる。このことは、例えば、種々のDNAシーケンス(例えば、オリゴヌクレオチド又はcDNA)を、固体のサポート(例えば、ガラス)上に固定化する、いわゆるDNAアレイを用いて行われる。そのようなDNAアレイは、通常光学的方法を用いて、又は別法では電気的方法を用いて読まれ、それらは、プロフィールの表現(expression profiling)、シーケンシング(sequencing)、ウイルス性又は細菌性の核酸の検出、又はジェノタイピング(遺伝子型の特定:genotyping)に用いられる。
バイオセンサー又は化学センサー中の認識反応を、光学的、電気的又は電気化学的、機械的及び磁気的信号変換方法を用いて検出できる。
特に上述の光学的方法は最も進んでおり、高い感度を有するが、光源、センサー及び光検知器を伴う複雑な構造ゆえに、制限された範囲においてのみ、通常小型化することができる。従って、それらは、製造コストに関して、電気的な方法に劣る。
これらの理由から、電気的なセンサーの開発がより重要となっている。特に、半導体技術からの微細構造構築技術を使用することで、低製造コストで高感度をもたらす小型化したフォーマット(又は全体的な構成)を得ることができる。特に、分析すべき試料の成分の特性(又は性質)と特性が相当異なる、被検体用のラベル付けユニット(ラベリングユニット又は標識付けユニット:labelling unit)を用いる方法は、有用である。そのために、例えば金属のナノ粒子(metal nanoparticle)はラベル付けユニットとして適する。
DC測定の範囲では、金属ナノ粒子を有するある電気的バイオセンサーが、単一分子の領域に至る、すばらしい高感度となる可能性を有する。この可能性は、特に、オートメタログラフィク・デポディション(自動金属組織学的付着:autometallographic deposition)によって促進される。写真及び電子顕微鏡から既知の、このいわゆるオートメタログラフィー・プロセス(autometallography process)において、ナノ粒子又はコロイドは、増幅溶液(amplification solution)が、例えば、ヒドロキノン等の還元剤と一緒に銀又は金塩の形態で含む、金又は銀イオンに、還元剤から電子移動するための触媒として作用する。反応が起こった後、イオンは、金属としてコロイド上に沈殿する。絶縁体によって相互に隔離された電極対は、電気信号変換器として選択されたその端部にある。オートメタログラフィク増幅の間、ナノ粒子でラベル付けされた被検体分子は、電極間に導電性の架橋を形成し、これは、DC抵抗測定によって検出される。これに関する基礎的な技術は、例えば、US-A-5,284,748 に記載されている。更に、DNA選択についての使用に関する開示が、WO 99/57550-A2 及び WO 01/00876-A2 に見られる。DC抵抗測定による核酸の検出が示された(Moeller et al., Langmuir 17, 5426 (2001)参照)。更にこの方法の発生(発達、発展又はデベロップメント:development)段階として、点変異(又は突然変異)(単一ヌクレオチドの多形(現象)(single nucleotide polymorphism:SNP))の識別(又は区別)が、Park et al., Science 295, 1503 (2002) に記載されている。この方法を用いて、定量化が可能であるが、引き続き点測定を用いて、一連の増幅サイクルを行うことが必要なので、この方法はたいへんコストがかかる。
既知の方法の短所は、適用(又は塗工)、発生(発達又は発展)、洗浄及び乾燥工程の複雑なシーケンスにあり、発生、洗浄、乾燥工程は繰り返す必要があり得る。
定量化のための実際的な溶液のコンセプトは、WO 02/02810-A2 に記載されている。この場合、2つ一組になって配置された二つのマイクロ電極の間の伝導度測定によって、析出反応の間に、ラベル付けユニット上に電気伝導性の析出物が検出される。電極間の伝導度は、認識反応の結果として金属ブリッジが形成することによって変わる。
この方法の短所は、これらの必要条件は、互いに隣り合う、測定エリア(又は区域)当たり二つのミクロ構造電極を必要とすることである。従って、不慮の短絡のために伝導度測定が動揺してDNA測定がだめになり得る。
二つの電極間の金属ブリッジの形成に対する別法として、電極上に結合した被検体を検出するために、オートメタログラフィクに増幅された金属コロイドを用いる方法が既知である(Cai et al., Analytica Chimica Acta 469, 165-172 (2002))。
この方法の短所は、比較的測定エリアが小さいことであり、このことは低い信号−ノイズ比をもたらす。更に、測定準備をするために、入念な洗浄及び乾燥工程がおそらく再び必要である。
同様に、これによって、発生(発展又は成長)過程(処理又はプロセス)の時間プロフィール(又はグラフ)を、追跡することができない。
従来技術の短所を回避し、認識反応を用いて、被検体を検出するための高感度の電気的測定デバイス及び測定方法を開発することが、本発明の目的である。
本発明に基づく目的の解は、下記の通りである:
認識反応によって、一又はそれ以上の被検体を検出する方法であって、
電解質で満たされた電解質空間を有し、
少なくとも一の測定電極、場合により測定電極の隣の絶縁領域(絶縁体層)、
測定電極の隣の絶縁領域上に及び/又は測定電極上に固定化された認識分子、並びに対電極
を含んで成るデバイスを用いる方法であり、
A)電気的に活性なラベル付けユニットを用いて、ラベル付けされる被検体を認識分子と接触させる工程であって、被検体と認識分子とを接触させる前に、電気的に活性なラベル付けユニットを被検体と結合させる工程、又は被検体と生体機能表面とを接触させた後で、電気的に活性なラベル付けユニットを被検体と結合させる工程、
B)電気的に活性なラベル付けユニットの電気伝導度(又は伝導性)を増幅させ/発生させるために、反応性増幅溶液を電解質空間の中に適用する工程、
C)測定電極と対電極との間の電気伝導度又は電気抵抗を、発生(発展又は発達)時間の関数として測定する工程、並びに
D)C)に基づく電気伝導度又は電気抵抗の時間プロフィールを分析する工程
を含んで成る方法。
発明を実施するための形態
この態様の発明は、測定デバイスの対電極と測定電極との間の電気抵抗又は電気伝導度のオンライン測定に関し、測定デバイスについて適切な増幅溶液がある。測定電極について、測定電極の隣の絶縁基材部と一緒に、測定エリアとして以下に述べる。測定エリアの寸法は、固定化された認識分子が結合した領域のエリアによって規定される。測定電極と対電極との間の電気抵抗又は電気伝導度の重大な変化を、増幅処理(過程又はプロセス)の間に測定することができることを見出した。抵抗の低下についての一つの解釈は、絶縁体上の電導性ラベル付けユニットは、導電性層を形成し、測定電極と導電的につながるようになるというものである。電極エリアは、これによって著しく増加する。この場合、認識DNAは、測定電極をふさぎ得る。しかし、絶縁体上のラベル付けユニットの測定電極と空間的に近接しているため、ラベル付けユニットが、導電性層の形成の間に電極と電気伝導的につながるようになる場合、このことは不要である。
増幅処理によって固定化認識分子の領域の他に電極エリアを増加させるために、センサーデバイスの好ましい態様において、測定電極から絶縁され、あるエリアを有する導電性層が、測定電極の近くに適用される。このエリアは、試料分子の領域によって部分的に占められていることのみを要する。次の増幅による認識反応のために、このエリアは、電気伝導的に測定電極とつながるようになり、導電性の増加又は抵抗の減少が更に高まる。
電気化学から既知の全ての方法、例えばサイクリックボルタンメトリーを、検出に使用してよい。本明細書では、3−電極配置(3-electrode arrangement)にて、ポテンシャル・サーキット(又は電位回路)を使用してよい。そのために、好ましい態様において、参照電極を、測定電極及び対電極に加えて、測定構成内に統合し、参照電極を測定電極に対して一定の電圧に維持する。単純化という理由で、特に好ましい態様において、測定は、測定電極と対電極を有する2−ポイントジオメトリーでのみ行われる。そのために、a)電圧又はb)電流は、増幅処理の間に測定電極と対電極との間に加えられ、ケースa)では電極間の電流が、ケースb)では電極間の電圧が、増幅処理の間に測定される。一般的に、本明細書において抵抗測定及び伝導度(コンダクタンス又は伝導性)測定という用語は、2−ポイントジオメトリー及び3−ポイントジオメトリーの両方の上述の方法をカバーする。
特にオンライン測定は、抵抗又は伝導度の時間プロフィールを分析することで、定量化を可能とする。認識反応を生じた後、測定エリア上で電気的に活性なラベル付けユニットの密度が大きくなるほど、相当の抵抗の低下又は伝導度の増加がより早く達成される。特にこれは、時間プロフィールにおいて一次微分係数、即ち傾斜の極値によって反映される。この状況に達するために要する時間と被検体の濃度との間に単調な関係が見出され、これは定量化に使用することができる。定量化の正確さを増すために、電気的な特徴の時間プロフィールの曲線の形を、適切な数学的な関数を用いて、マッチさせる(又は合わせる)ことができる。この場合、被検体の濃度は、曲線のパラメーターから決定される。被検体を定量化するために、曲線のマッチから関連する時間又はパラメーターは、少なくとも一の対照試料から既知の被検体の濃度と比較される。
従って、他の好ましい方法は、抵抗又は伝導度の時間プロフィールにおいて重大な勾配に達するまで、反応時間B)の関数として、定量的アッセイの濃度の読み、又は定性的アッセイの基礎的な検出を、参照試料の反応時間B)と比較し、被検体の定量的又は定性的分析のために使用する。
特に、認識分子は、当業者に十分に知られた方法を用いて、測定エリア及び又は測定エリアの隣の絶縁体層上に固定化される。DNA認識ユニットについて、この固定化は、例えば、S. L. Beaucage, Curr. Med. 2001, 8, 1213-1244 に記載されている。測定エリア上の固定化については、認識ユニットの最適の活性を確保する、高い表面密度で最適の密度の認識ユニットを有することが好ましい。例えば抗体等の認識要素は、共有結合的に又は非共有結合的に固定化してよい。例えば、アビジン(avidin)又はストレプトアビジン(streptavidin)は、表面の適切な生体機能化後に、表面に物理吸着し、又は共有結合的に固定化される。例えば、ビオチン化抗体を、アビジン又はストレプトアビジンによってコートされた表面上に特異的に固定化することができる。
被検体についての認識要素は、生体機能表面を有する測定エリアと結合することが好ましい。被検体は、認識要素と一緒に認識反応に加わる。被検体は、認識要素に結合する前に、電気的に活性なラベル付けユニットを用いて既にラベル付けされていてよく、又は、認識要素と結合後、例えばラベル付けユニットを用いてラベル付けされる結合要素が、認識要素とその分子から成るコンプレックス(又は錯体)と結合するようになるまで、被検体はラベル付けされない。
被検体を認識反応によって間接的に検出してもよく、従って、必ずしもラベル付けする必要はない。間接的に検出する場合、認識要素と結合する前に、ラベル付けユニットを用いて既にラベル付けされた被検体を、生体機能表面と接触させる。同時に、ラベル付けされていない被検体も、生体機能表面と接触させる。これらの二種は、固定化された認識要素と結合の競争をする。測定エリア上の電解質にラベル付けされていない被検体が存在しない場合、認識要素の全ての結合サイトは、ラベル付けされた被検体によって占められ、抵抗又は伝導度の変化は、最大となるであろう。ラベル付けされていない被検体の濃度がゼロでない場合には、問題の濃度に基づいて、認識要素の結合サイトの一部は、ラベル付けされていない被検体によって占められ、一部は、ラベル付けされた被検体によって占められるだろう。その結果、インピーダンスの変化は、ラベル付けされていない被検体の濃度がゼロの場合と比較して、より小さくなる。この混合系は、印を付けられた被検体のみを既知の濃度で含む少なくとも一つの試料で測定することで校正される。
従って、好ましい方法は、工程A)において、ラベル付けされていない既知の被検体の試料と、ラベル付けユニットが供給される定量的な所定量の既知の被検体を混合し、この混合系の分析D)と純粋な既知のラベル付けされた被検体の分析との比較から、ラベル付けされていない被検体の濃度を決定することを特徴とする。
本発明に基づく方法を用いて、被検体分子当たり一つのラベル付けユニットによる、電極間の伝導度又は抵抗の変化を検出することができる。更に方法の感度を向上するために、被検体分子に複数の電気的に活性なラベル付けユニットを、更に供給してよい。
好ましい方法に基づいて、適切に電気的に活性なラベル付けユニットを用いて被検体をラベル付けする。電気的な活性は、ラベル付けユニットに用いられる物質の電気伝導度に存し、それは、金属の伝導度の範囲に存することが好ましい。電気導電性ポリマーのモノマーを電気的に活性な要素として、更に選択してよい。最後に、例えば導電性ポリマー等の導電性生成物をもたらす反応を、触媒する場合、酵素も、電気的に活性な要素として考えてよい。
例えば、金、銀、白金、パラジウム及び銅等の導電性物質のクラスター、金属錯体(又はコンプレックス)及び/又はナノ粒子を、電気的に活性なラベル付けユニットとして使用できる。
電気的に活性なラベル付けユニットの寸法は、1〜100nmの範囲にあることが好ましく、1〜30nmの範囲にあることがより好ましく、1〜2nmの範囲にあることが特に好ましい。後者の寸法は、例えば50〜150原子から成る金のクラスターによって生成する。この場合、示した寸法は、ラベル付けユニットの最大の径を示す。
導電性コーティングを有する非導電性粒子又は金属コーティングを有する非導電性コーティングも、ラベル付けユニットとして、更に使用できる。例えば、非導電性粒子は、ポリスチレンビーズであってよい。
ラベル付けユニットは、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、特にポリエチレンジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、チオフェニレンビニレン及びポリピロール等の導電性ポリマーに基づくことが好ましい。
他の好ましい方法は、電気的に活性なラベル付けユニットが、アニリン又はエチレンジオキシチオフェンから選択される物質の反応によって電気的に活性なラベル付けユニットを形成する酵素、好ましくはHRPに基づくことを、特徴とする。
更に、HRPの使用によって、例えば上述の全てのラベル付けユニット又はナノ粒子が、ビオチン化ストレプトアビジン(biotin-streptavidin)、ビオチン化アビジン(biotin-avidin)又はビオチン化ニュートロアビジン(biotin-NeutrAvidin)を介して間接的に又は直接的に結合するポリマーを析出(又は付着)させることができる。間接的な場合について、ポリマーは、ビオチン化されている。この原理は、触媒されたレポーター・デポジション(catalyzed reporter deposition:CARD)として知られる。
特に好ましい方法は、電気的に活性なラベル付けユニットが、非導電性ポリマー、特にビオチン化ポリマーの生成を触媒する酵素に基づき、順番に直接的に又は間接的に、金、銀、白金、パラジウム及び銅のリストからの元素に基づくナノ粒子、金属コンプレックス又はクラスターと、又は電気的に導電性ポリマーと結合することを特徴とする。
適当な増幅溶液は、選択された電気的に活性なラベル付けユニットの性質に依存する。銀又は金の塩に基づくオートメタログラフィック増幅溶液は、導電性物質のクラスター、コンプレックス及び/又はナノ粒子、金属コーティングを有する非導電性粒子の場合、信号の増幅に特に有効に用いられる。この場合、例えばヒドロキノン又はホルムアルデヒドが還元剤として使用される。電気導電性のポリマーのモノマーの増幅溶液は、重合に必要な、触媒、開始剤及び/又はこれらのポリマーの他のモノマーを含んで成ってよい。アニリンの重合用触媒として、例えばHRPを使用することができる。電気導電性ポリマーのモノマー、例えばアニリンを、電気的に活性なラベル付けユニット、例えばHRPとして、酵素の増幅溶液として使用してよい。
増幅溶液は、増幅処理の間に、電気導電性ラベル付けユニットの濃度を変えてよく、増幅処理は、飽和フェーズに入る。この場合、増幅処理が続くように、増幅溶液を置換することが好ましい。これは、攪拌によって、又は液体の完全な置換、例えばミクロ流体フローシステム装置によって、行うことができる。置換は、連続的に行うことが好ましい。
本発明に基づく方法は、例えば、ペプチド、タンパク質又は核酸の分析に使用することができる。本発明で用いられる認識反応A)は、好ましくはペプチド又はタンパク質アッセイ、特にはイムノアッセイ(immunoassay)又は核酸アッセイ、特にRNA又はDNAアッセイ、好ましくはSNPアッセイである。DNAアッセイは、ウイルスのDNA又はRNA、又は細菌種のDNAを検出するために、また、遺伝的な病気の診断、ファーマコジェノミックス(pharmacogenomics)(遺伝学的に関連する活性又は薬の副作用)、ニュートリジェノミックス(nutrigenomics)(一般的に関連する活性又は食糧の副作用)のために遺伝子型を特定し、プロフィールを表現する(又はグラフに描く)ために、好ましく用いられる。特に、一つの塩基のみのバリエーション(一つのヌクレオチドの多形:single nucleotide polymorphism:SNP)による、遺伝子の変化は、遺伝子型を特定する際に確立される。
本発明に基づく方法は、複数(又は多数)の分析のために、対応する複数(又は多数)の測定エリアを供給することによって、複数(又は多数)の被検体を同時に分析することを可能にする。この場合、測定エリアごとに一つの被検体を検出する。同じ認識要素を、一つの被検体を複数検出するために複数の測定エリアの各々に固定化する。例えば、各々の測定エリアは、増幅処理に関して、例えば温度又は光の効果を特徴づける参照物質を検出するために用いられる。これらの参照値は、他の測定エリアからの信号を標準化するために用いることができる。従って、他の好ましい方法は、工程A)〜D)を有する複数の認識反応は、各々に同じ又は異なる認識要素が適用される複数の測定エリアを測定デバイスに供給することによって、センサーデバイスにて平行して同時に行われるということを特徴とする。数が>1000の複数のアッセイは、学術的な用途に用いられるが、数が1〜1000の場合は、診断的な用途に適する。複数の測定エリアが可能なので、複数のタンパク質又はペプチドを検出するためのタンパク質アレイ又はペプチドアレイとして、又は核酸を検出するための核酸アレイとして、デバイスを同時に使用することができる。
特に1000までの認識反応を、一つのセンサーデバイスにて同時に行ってよい。
特に被検体の検出は、例えば血液、唾液、尿、汗、間質液及び涙液等の体液について行う。
本発明は、認識反応によって、特に上述した方法を用いる、一又はそれ以上の被検体を検出するためのデバイスであって、
少なくとも一の測定電極及び少なくとも一の隣接した絶縁領域(絶縁体層)、
電極の隣の絶縁領域に及び場合により電極に固定化された認識分子、
対電極、
電気的に活性なラベル付けユニットを用いてラベル付けされる被検体、
場合により、増幅溶液、及び
増幅処理の間に測定電極と対電極との間の伝導度と抵抗を時間分解記録するための測定装置
を少なくとも含んで成るデバイスにも関する。
本発明に基づくデバイスにおいて、測定エリア、認識要素、被検体、電気的に活性なラベル付けユニット及び増幅溶液は、方法を実施するために上述した特性(又は性質)を有することが好ましい。
例えば、伝導度は2−又は3−ポイントジオメトリーで測定する。両方の配置において、対電極又は参照電極及び対電極は測定電極と一緒に、共通の基材に適合してよく、測定セルの中の別の電極として設計してよい。これは、測定セルについて効率的なコストでの生産を可能にする。
方法に基づいて、一又は好ましくは複数の測定エリアが基材に適用される。従って、認識要素の一つの種が個々の測定エリアの各々に固定化される。異なる測定エリアは、各々同じ認識要素又はペアの異なる種の認識要素を有してよい。
従って、好ましいデバイスは、同じ又は異なる認識要素が各々に適用された、複数の測定エリアを、測定デバイスの表面に有することを特徴とする。
測定電極は、約100μm〜1mmの間の幅の構造を伴うスクリーン印刷技術を用いて製造することが好ましい。光学的印刷方法は、約2μmの横方向の構造の寸法を可能とする。実質的により小さな横の寸法は、電子ビーム技術によって達成される。測定電極は、認識要素の固定化領域と比較してより小さくなるほど、達成可能な感度は、高くなるようである。例えば、100μmの測定エリアを有する場合、100mmの寸法のチップ上に10の要素を適合させることができる。約100の被検体を用いる診断的用途について、逆に、1mmまでの測定エリアを、比較的小さな費用で同じエリア上に製造することができる。これらの寸法の表示は、本質的に単に例示的なものであり、他の寸法や数を排除するものではない。複数の電極を駆動するために、複数の回路を使用する。
認識要素によって占められる測定エリアの横幅は、100μm〜1mmであることが好ましい。
測定エリアの高い充填密度が可能であることから、本発明に基づくデバイスは、核酸及びタンパク質アレイ用のプラットフォームとして適する。
デバイスの他の好ましい態様は、認識要素と測定電極の組が、核酸アレイ、ペプチドアレイ又はタンパク質アレイを形成することを特徴とする。
電気供給リードにおいて電気化学的プロセスによって、増幅溶液の不特定の消耗を避けるために、電極への供給リードは、増幅溶液から絶縁することが好ましい。これは、例えば、供給リード上にSiOを析出させることによって行うことができる。
電極は、平面形に又は非平面形状に形成してよい。
他の好ましいデバイスは、測定エリアが、基材上に平面形で相互に隣接して形成される。
平面の態様において、基材上で互いに側方で隣接する一又はそれ以上の測定エリアがある。基材にエッチングで作られた、マイクロチャンネルを介して、測定エリアに被検体と増幅溶液を運ぶことができる。この場合、例えば測定エリアは、これらのチャンネルのボトム(又は底部)にある。別法として、マイクロチャンネルが供給されたコンポーネントは、平面基材用のカバーとして使用してよい。
この場合、半導体技術からの析出法を用いることができるので、特に有利には、電極と絶縁体層の交互の層構造の形式で、複数の測定エリアをお互いの上に垂直方向に形成することができる。更に、これらの層の積み重ねを、被検体と増幅溶液を測定エリアに適用する、これらの層の表面に垂直方向に平行に適用してよく、マイクロチャンネルに供給してよい。少なくともカバー層及びベース層(電気絶縁体)、及び互いに隣接し交互に適用された電気電導性層(測定層)及び絶縁層の少なくとも一の中間層を有する層構造の各々において、特に、複数のアッセイは、一組のマイクロチャンネルを適用することによって行われる。チャンネルは、互いに隣接して配置され、電気的に動作可能な測定層を介して相互に独立して通り、個々のチャンネルは、異なる認識DNAを備えている。別法では、層の積み重ねにおいて互いの上に存する複数の測定エリアは、絶縁層によって互いに垂直に絶縁されており、互いに隣接して交互に適用された導電性測定層と絶縁層の、複数の層を通るマイクロチャンネルを用いて製造してよい。電気的な接触が、個々の導電性測定層により行われる場合、互いの上に配置される電極と絶縁体のペアは、従って、個々のマイクロチャンネル中に形成される。異なる認識DNAが後者の配置の一のマイクロチャンネルの電極の間に、選択的に固定化される場合、オンライン抵抗又は伝導度測定用の多数のマイクロチャンネルをこの構造を用いて製造する。マイクロチャンネル中で空間的に分解するDNA固定化を、表面上に認識DNAが固定化されたポリスチレンビーズを、二つの予め選択可能な電極の間で、電気的に引きつけることによって行ってよい(Velev et al., Langmuir 15, 3693 (1999)参照)。
試料の配送は、測定エリアに垂直であり、1〜1000μm、好ましくは1〜50μmの範囲の高さを有するマイクロチャンネルを介して行うことが好ましい。示した寸法は、1〜10分間の範囲の秒から短い分の範囲のインキュベーション時間に関連する、生体分子の拡散係数から誘導される。
デバイスの別の好ましい態様は、電解質空間は、一又はそれ以上のチャンネルによって形成され、複数の測定エリアを有し、測定電極上にせいぜい100μmの高さを有することを特徴とする。
電気的に活性なラベル付けユニットによって誘起される増幅溶液の消耗を防止するために、上述したマイクロ流体チャンネルを介して、増幅溶液を徐々に又は連続的に置き換えることが好ましい。流体置換を行うデバイスを更に供給すべきである。ポンプとシリンジをそのために用いてよい。電気浸透流を追加の電極によって更に作ってもよい。
非電導性基材は、ガラス、SiO、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート又はポリスチレン等のプラスチックから選択される材料を含んで成ることが好ましい。
例えばAu、Pl、Ag及びTi等の金属、例えばSi、特にドープしたSi等の半導体、金属酸化物、特にインジウム−スズ・オキサイド(ITO)、又は例えばポリアニリン、ポリチオフェン、特にポリエチレンジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェンビニレン、又はポリピロール等の導電性ポリマーが、電極及び導電性層として適する。
本発明は、核酸アレイ、ペプチドアレイ、又はタンパク質アレイとしてのデバイスの使用にも関する。
しっかり隣接した電極の金属架橋は不要であり、唯一の共通の対電極が必要なだけなので、上述した方法及びデバイスは、最も近い従来技術(WO 02/02810)に関して、より簡単な電極構造を可能とする。最も近い従来技術(Cai et al., Analytica Chimica Acta 469, 165-172 (2002))に関して、上述した方法は、測定エリア上に電気導電性層を形成するので、より高い感度をもたらすと期待される。増幅の間に行われる伝導度測定のために、更に増幅処理を評価し、もし適切であれば、時間を節約するために止めることができ、例えば洗浄工程等の追加の工程も事前に除去することができる。
図面を参照しながら、実施例により、以下により詳細に本発明を説明する。
下記の実施例は、本発明を説明しようとするものであり、何ら本発明を制限するものではない。
例1
ポリマーチップ上でDNAを検出する方法及びデバイス
測定デバイスのセンサーは、プリントされたカーボン電極2及び3を有するポリエチレンテレフタレート基材1を本質的に含んで成る(図1参照)。センサーのターミナルポイントと測定電極の領域との間に存する絶縁ポリマー層4は、電極2及び3上に適用されている。センサーは、Molecular Circuitry, West Conshohocken, PA, USA から入手した。ペトリ皿6のセンサーから約1mm離れて配置されている銀のワイヤー5を対電極として使用する。Keithley 2000マルチメーター(抵抗モード、測定レンジ10Mオームで操作した)を、測定装置7として使用する。測定装置の入力は、供給リード8、9、10を介して電極2及び3と、及び供給リード11を介して銀のワイヤー5と、選択的に接続することができる。
清浄にするために、第一清浄工程にてセンサーを30分間エタノール中に入れ、次にddHOを用いてすすいだ。この清浄工程を、もう一度繰り返した。第二清浄工程では、これらのセンサーを2%強のAlkonox溶液に15分間入れ、次にddHOを用いてすすいだ。この清浄工程も、もう一度繰り返した。
センサーにポリマー層を形成するために、2M NaCl及び50mM KHPOを含むポリ(フェニルアラニン)−リジン(シグマ)(0.1mg/ml)水溶液(pH7.1)中に室温で7.1時間、インキュベート(又は温置)した。
認識要素の二種の異なる領域をセンサーに固定化した:ポジティブ(又は陽性)領域12上に認識DNAポジティブ(5’−アミノ−GTCCCCTACGGACAAGGCGCGT−3’)(SEQ ID NO:1)及びネガティブ(又は陰性)領域13上に認識DNAネガティブ(5’−アミノ−TTTTTCGCGCCTTGTCCGTAGGGGACT−3’)(SEQ ID NO:2)である。これにより、ポシティブ被検体の供給のみで、アッセイの際に同時にポシティブとネガティブの対照(又はコントロール)を得ることができる。
認識DNAをリン酸緩衝液pH7.2に溶解し、0.1Mビス−スルホ−スクシンイミジルスベラート(bis-sulfo-succinimidyl suberate)(BS3、Pierce製)を用いて室温で10分間インキュベートした。リン酸緩衝液を用いて希釈することで、反応を終わらせた。認識DNAをNAP10カラム(Pharmacia製)のクロマトグラフィーを用いて精製した。精製した認識DNAを、例えば20μlの体積でセンサーの表面上に適用し、室温で一夜間インキュベートした。得られたDNAチップを、1%強の水酸化アンモニウム水溶液とddHOを用いて洗浄した。チップ表面上の未反応アミノ基をブロックするために、活性化カルボキシメチルデキストラン溶液を用いて、センサーを4時間インキュベートした。その溶液は、下記のように調製した:ddHO中の20mg/mlカルボキシメチルデキストラン溶液であるパート1と、ddHO中の0.2mmol/mlのEDCと0.2mmol/mlのNHSの溶液であるパート2を、1:1の比で混合し、20分間反応させた。その後、センサーを、ddHO中で1時間インキュベートした。
認識DNAを用いてコートしたセンサー表面12及び13上で、シーケンス5’−ビオチン−TTTTTCGCGCCTTGTCCGTAGGGGACT−3’(SEQ ID NO.3)を有する被検体DNA試料を用いて、DNAハイブリダイゼーション(hybridization)反応を行った。トリス緩衝液(Tris buffer)pH8、1MのNaCl、0.005%のSDS中のDNA10−8M溶液を、56℃で1夜間20μlの体積でセンサー上でインキュベートした。次に、チップ表面からハイブリダイズしていないDNAを除去するために、ハイブリダイゼーション緩衝液を用いて洗浄した。ハイブリダイズしたターゲットDNAを、ストレプトアビジン−金(streptavidin-gold)(直径が10nmの金の粒子、シグマ)の溶液を用いて、室温で4時間インキュベートした。センサーを、1M NaClの代わりに1M NaNOを用いたハイブリダイゼーション緩衝液、水で洗浄後、続いて室温で乾燥した。50μlの増幅溶液((0.3Mクエン酸塩緩衝液0.2mlに4.8μlの1M AgNOを加えたもの)と(0.3Mのクエン酸塩緩衝液5mlに61mgのヒドロキノンを加えたもの)との1:1混合物)を1分間でセンサーに加えた。その後、センサーをddHOを用いて2回すすぎ、乾燥した。
オンラインでの測定のために、約6mlの増幅溶液((0.3Mクエン酸塩緩衝液0.2mlに4.8μlの1M AgNOを加えたもの)と(0.3Mのクエン酸塩緩衝液5mlに61mgのヒドロキノンを加えたもの)との1:1混合物)中に、センサーを浸した。20秒間隔で、抵抗測定装置7を、電極9、10と対電極11の間に約10秒間交互に接続して、抵抗を測定した。
図2は、a)被検体DNAと認識DNAポジティブとのホジティブ反応及びb)被検体DNAと認識DNAネガティブとの対照ハイブリダイゼーション反応に対する、銀増幅処理(過程又はプロセス)の間の、時間の関数としての抵抗を示す。重大で突然の抵抗の減少をポジティブ反応についてt=220秒のときに検出した。これと比較すると、ネガティブ反応についての抵抗の低下は、十分により遅く起こり、それほど勾配は急ではない。
例2
追加の導電性層を用いるDNA検出方法及び検出デバイス
図3は、カーボン測定電極15に導電性の金表面14の結合を可能にし、認識反応によって有効にされる他の態様を示す。導電性表面と電極を、実施例1に示すように、絶縁性ポリエチレンテレフタレート基材1に適用した。測定エリアは、固定化領域16によって特定されるが、従って、電極15の端部17と導電性金表面14の端部をカバーする。このセンサーの製造、ハイブリダイゼーション反応を行うこと及び同時に抵抗を測定しながら銀増幅を行うことは、実施例1と同様に行う。
例3
積み重なった電極/絶縁体シーケンスを有するデバイスを用いるDNAの検出
本発明に基づくセンサーの別の態様は、図4に基づく積み重なった電極/絶縁体層シーケンスである。金の層をガラス基材18上にデポジット(又は堆積)する。この層をフォトリソグラフィーの手段を用いて、個々の領域19に分割する。次に、ギャップ20を、プラズマデポディション法を用いて、SiOで満たす。SiOカバー層21を、同じ方法を用いてこの層に適用する。例えば、20μm幅を有するマイクロチャンネル22を、イオン−ビームエッチングによって、層構造を介して形成する。アミノ−官能化DNAの固定化を、既知のシラン化方法、例えば、このマイクロチャンネルのSiOの内側にアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)と実施例1の生体機能BSリンカーを用いて達成する。この実施例では、異なる被検体を同時に検出するために、個々のチャンネルの測定エリア上に、異なる認識DNAを各々固定化する。アッセイを行うことと、抵抗を同時に測定しながら銀増幅を行うことは、シリンジ−操作−吸引系を有するデバイスの開口部を介して反応溶液をフラッシュすることを除いて、実施例1と同様に行う。各々の領域19の電気抵抗を、反応器中の単一の対電極について、継続的に又は同時に測定する。
上述の説明は、本発明の特に制限されることのない数の態様の説明にすぎない。添付した特許請求の範囲及びそれらと均等なもののすべての範囲に、本発明の範囲を広げようと意図するものである。
図1は、測定デバイスの図を示す。 図2は、DNAハイブリダイゼーションと対照ハイブリダイゼーション反応の抵抗−時間の図を示す。 図3は、追加の導電性エリアを有するセンサーを示す。 図4は、電極/絶縁体層シーケンスの垂直配置を示す。

Claims (11)

  1. 認識反応によって、一又はそれ以上の被検体を検出する方法であって、
    電解質で満たされた電解質空間を有し、
    (i)場合により隣に絶縁領域(絶縁体層)をともなう、少なくとも一の測定電極、
    (ii)測定電極上に及び/又は測定電極の隣の絶縁領域上に固定化された認識分子、及び
    (iii)対電極
    を含んで成るデバイスを使用する方法であり、
    A)電気的に活性なラベル付けユニットを用いて、ラベル付けされる一又はそれ以上の被検体を認識分子と接触させる工程であって、一又はそれ以上の被検体と認識分子との接触前に、又は一又はそれ以上の被検体と生体機能表面との接触後に、電気的に活性なラベル付けユニットを一又はそれ以上の被検体と結合させる工程、
    B)電気的に活性なラベル付けユニットの電気伝導度を増幅させ/生じさせるために、反応性増幅溶液を電解質空間の中に適用する工程、
    C)測定電極と対電極との間の電気伝導度又は電気抵抗を、発生時間の関数として測定する工程、並びに
    D)C)で測定した電気伝導度又は電気抵抗の時間プロフィールを分析する工程
    を含んで成る方法。
  2. 電気抵抗又は電気伝導度の時間プロフィールにおいて重大な大きさの勾配に達するまで、工程B)の反応時間の関数として、定量的アッセイの濃度の読み、又は定性的アッセイの基礎的な検出を、参照試料の工程B)の反応時間と比較し、被検体の定量的又は定性的分析のために使用する請求項1に記載の方法。
  3. 生体機能表面コーティングを用いて、測定電極上に及び/又は隣接する絶縁体層上に、認識分子を適用する請求項1に記載の方法。
  4. ラベル付けユニットに供給される定量的な所定量の既知の被検体を、工程A)にてラベル付けされていない既知の被検体試料と混合し、この混合系の工程D)における分析と、純粋なラベル付けされた既知の被検体の分析とを比較することで、ラベル付けされていない被検体の濃度を決定する請求項1に記載の方法。
  5. 被検体分子を、一又はそれ以上の電気的に活性なラベル付けユニットを用いてラベル付けする請求項1に記載の方法。
  6. 電気的に活性なラベル付けユニットは、導電性コーティングを有するポリマーに基づく非導電性粒子である請求項1に記載の方法。
  7. 電気的に活性なラベル付けユニットは、導電性ポリマーに基づく請求項1に記載の方法。
  8. 複数の測定エリアを有するデバイスを供給することによって、工程A)〜D)を用いて複数の認識反応を、センサーデバイス上で同時に並行して行い、測定エリアの各々に同じ又は異なる認識要素を適用する請求項1に記載の方法。
  9. 認識反応によって一又はそれ以上の被検体を検出するためのデバイスであって、
    (a)少なくとも一の測定電極及び少なくとも一の隣接する絶縁領域(絶縁体層)、
    (b)電極の隣の絶縁領域上に及び場合により電極上に固定化された認識分子、
    (c)対電極、
    (d)電気的に活性なラベル付けユニットを用いてラベル付けされる被検体、
    (e)場合により、増幅溶液、及び
    (f)増幅処理の間に、測定電極と対電極との間の電気伝導度又は電気抵抗の時間分解記録をするための測定装置
    を少なくとも含んで成るデバイス。
  10. 対電極又は参照電極及び対電極を、測定電極と一緒に、共通の基材に設けた請求項9に記載のデバイス。
  11. 請求項9に記載のデバイスを含んで成るDNAアレイ又はタンパク質アレイ。

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