JP2005036112A - 発光機能を有する単層カーボンナノチューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】発光機能を有する単層カーボンナノチューブにおいて、1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ、有機溶媒可溶性の単層カーボンナノチューブを提供する。
【解決手段】単層カーボンナノチューブと発光性化合物との結合体からなり、該結合体には1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ該発光性化合物が炭化水素基を有し、該結合体がクロロホルムに可溶性を示すことを特徴とする発光機能を有する単層カーボンナノチューブ。
【選択図】なし
【解決手段】単層カーボンナノチューブと発光性化合物との結合体からなり、該結合体には1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ該発光性化合物が炭化水素基を有し、該結合体がクロロホルムに可溶性を示すことを特徴とする発光機能を有する単層カーボンナノチューブ。
【選択図】なし
Description
本発明は、発光機能を有する単層カーボンナノチューブに関するものである。
単層カーボンナノチューブ(SWNT)に対してピレンをアゾメチンイリドの環状付加反応により結合させた発光性カーボンナノチューブは知られている(非特許文献1)。
このSWNTは、そのピレンの結合により、発光を生じるものではあるが、SWNTに存在していた1100〜1500nmの吸収ピークが完全に消失している。即ち、このSWNTとピレンとの結合体は、SWNTが本来持っている一次元電子状態がほぼ完全に破壊されている。従って、このような発光性カーボンナノチューブは、ナノワイヤとしての機能や半導体としての機能を有しないものである。
このSWNTは、そのピレンの結合により、発光を生じるものではあるが、SWNTに存在していた1100〜1500nmの吸収ピークが完全に消失している。即ち、このSWNTとピレンとの結合体は、SWNTが本来持っている一次元電子状態がほぼ完全に破壊されている。従って、このような発光性カーボンナノチューブは、ナノワイヤとしての機能や半導体としての機能を有しないものである。
J.AM.CHEM.SOC.VOL.124,No.5,2002.760
本発明は、発光機能を有する単層カーボンナノチューブにおいて、1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ、有機溶媒可溶性の単層カーボンナノチューブを提供することをその課題とする。
本発明によれば、以下に示す発光機能を有するSWNTが提供される。
(1)単層カーボンナノチューブと発光性化合物との結合体からなり、該結合体には1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ該発光性化合物が炭化水素基を有し、該結合体がクロロホルムに可溶性を示すことを特徴とする発光機能を有する単層カーボンナノチューブ。
(2)該発光性化合物がナフタルイミド化合物からなることを特徴とする前記(1)に記載の炭層カーボンナノチューブ。
(1)単層カーボンナノチューブと発光性化合物との結合体からなり、該結合体には1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ該発光性化合物が炭化水素基を有し、該結合体がクロロホルムに可溶性を示すことを特徴とする発光機能を有する単層カーボンナノチューブ。
(2)該発光性化合物がナフタルイミド化合物からなることを特徴とする前記(1)に記載の炭層カーボンナノチューブ。
本発明による発光性SWNTは、SWNTが本来持っていた1100〜1500nmの吸収スペクトルを保持するので、ナノワイヤや半導体としての使用可能のものである。従って、本発明の発光性SWNTは、発光素子、光電変換素子、非線形光学素子、センサー、トランジスター等様々な機能を持つナノワイヤ等の用途に有利に供することができる。
本発明のSWNTと発光性分子との結合体は、両者の組成比を変えることなく薄膜化等の成形加工ができる上、両者が強い電子的相互作用を持つため、SWNTが本来持っている性質にπ共役分子の機能を新たに賦与することが出来る等の利点がある。両者を単に混合するだけでは、このような利点は得られない。
SWNTの有する光・電子的機能、すなわち、電気を通す機能や光応答機能は、すべてその一次元電子状態が担っている。従って、本発明の発光性SWNTは、センサー、トランジスタ、ナノワイヤ、発光素子、光電変換素子、非線形光学素子などに用いることができる。
本発明のSWNTと発光性分子との結合体は、両者の組成比を変えることなく薄膜化等の成形加工ができる上、両者が強い電子的相互作用を持つため、SWNTが本来持っている性質にπ共役分子の機能を新たに賦与することが出来る等の利点がある。両者を単に混合するだけでは、このような利点は得られない。
SWNTの有する光・電子的機能、すなわち、電気を通す機能や光応答機能は、すべてその一次元電子状態が担っている。従って、本発明の発光性SWNTは、センサー、トランジスタ、ナノワイヤ、発光素子、光電変換素子、非線形光学素子などに用いることができる。
本発明による炭化水素基を有する可溶性の発光性SWNTは、クロロホルムや二硫化炭素等の有機溶媒に対して溶解性を有することから、この溶解性を利用して各種の用途に適用することができる。例えば、本発明のSWNTを含む溶液を成形材料として用い、これを薄膜(フィルム)に成形することにより、フィルム状の発光性SWNTとすることができる。このフィルムは、発光素子、光電変換素子、非線形光学素子、センサー、トランジスター等として有利に用いることができる。
本発明の発光性SWNTは、その他、発光機能、光電変換機能、センシング機能、トランジスター機能等を有するナノワイヤとして利用することができる。
本発明の発光性SWNTは、その他、発光機能、光電変換機能、センシング機能、トランジスター機能等を有するナノワイヤとして利用することができる。
本発明で用いるSWNTにおいて、その直径(外径)は0.4〜2.0nmであり、その長さは特に制約されないが、通常、0.2〜3μm、好ましくは0.5〜1μmである。
本発明の発光性SWNTは、SWNTに対して発光性化合物を共有結合させたものであるが、1000〜1500nmの吸収ピークを有することを特徴とする。
SWNTと発光性化合物との間の結合方法には、次のような結合方法が包含される。
反応性基Xを導入したSWNTと反応性基Yを有する発光性化合物を反応させる際に、該反応性基X及びYの少なくとも一方の反応性基として、下記に示す反応性基を用いる方法。
−COCl、−COBr、−NH2、=NH、−OH、−COOH、−SH、−SO3H等。
前記反応性基XとYとの反応例を示すと、以下の通りである。
前記式中、SWNTは単層カーボンナノチューブを示し、Rは炭化水素基を有する発光性化合物を示す。
−COCl、−COBr、−NH2、=NH、−OH、−COOH、−SH、−SO3H等。
前記反応性基XとYとの反応例を示すと、以下の通りである。
発光性化合物に結合させる炭化水素基は、該発光性化合物の任意の部分、例えば2重結合を有しない側鎖(アルキル基)や環(脂肪族炭素環、脂肪族複素環)に結合させることができる。
発光性化合物としては、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなものには、以下のものが包含される。
(1)ナフタル酸無水物系及びナフタルイミド系発光性化合物
その具体例としては、例えば、4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物、4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド等が挙げられる。
(2)キサンテン系発光性化合物
その具体例としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、エオシン等が挙げられる。
(3)アクリジン系発光性化合物
その具体例としては、例えば、アクリジンオレンジ、9−アミノアクリジン等が挙げられる。
(4)アリルナフタレンスルホン酸系発光性化合物
その具体例としては、例えば、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸、N−メチル−2−アニリノナフタレン−6−スルホン酸等が挙げられる。
(1)ナフタル酸無水物系及びナフタルイミド系発光性化合物
その具体例としては、例えば、4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物、4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド等が挙げられる。
(2)キサンテン系発光性化合物
その具体例としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、エオシン等が挙げられる。
(3)アクリジン系発光性化合物
その具体例としては、例えば、アクリジンオレンジ、9−アミノアクリジン等が挙げられる。
(4)アリルナフタレンスルホン酸系発光性化合物
その具体例としては、例えば、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸、N−メチル−2−アニリノナフタレン−6−スルホン酸等が挙げられる。
発光性化合物については、前記したもの以外にも数多くのものがあり、このようなものは、例えば、「木下一彦・御橋廣眞編、蛍光測定(1983学会出版センター)」に詳述されている。
本発明の発光性SWNTでは、それを有機溶媒可溶性とするために、該発光性化合物に炭化水素基、例えば、炭素数6〜22、好ましくは8〜22の炭化水素基を導入するのが好ましい。この場合の炭化水素基には、炭素数8〜22、好ましくは12〜18の飽和又は不飽和のアルキル基、炭素数6〜12、好ましくは6〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18、好ましくは6〜14の芳香族炭化水素基(アリール基、アラルキル基)が包含される。
炭化水素基をあらかじめ導入した発光性化合物を用いる発光性SWNTを製造する場合の他の例を以下に示す。
(1)4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物(a)の酢酸溶液にアルキルアミンを還流反応させて、4−ブロモ−N−アルキル−1,8−ナフタルイミド(b)を得る。
この反応を式で示すと以下の通りである。
(1)4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物(a)の酢酸溶液にアルキルアミンを還流反応させて、4−ブロモ−N−アルキル−1,8−ナフタルイミド(b)を得る。
この反応を式で示すと以下の通りである。
次に、前記で得た4−ブロモ−N−アルキル−1,8−ナフタルイミドとピペラジンとを2−メトキシエタノール中で、窒素雰囲気下で還流反応させてN−アルキル−4−ピペラジン−1−イル−1,8−ナフタルイミド[NI(3)]を得る。
この場合の反応を式で示すと以下の通りである。
この場合の反応を式で示すと以下の通りである。
本発明の発光性SWNTにおいて、SWNTに結合させる発光性化合物の割合は、SWNT1g当り、発光性化合物のg数で、1〜20ミリグラム、好ましくは10〜20ミリグラムである。また、発光性SWNTに炭化水素基を導入する場合、その炭化水素基の割合は、SWNT1g当り、炭化水素基のgで、10〜300mg、好ましくは100〜300mgである。
本発明の発光性SWNTは、これに励起光を照射することにより、発光を生じさせることができる。この場合の励起光の波長は、SWNTに結合する発光性化合物にもよるが、一般的には、300〜500nm、特に350〜450nmである。
実施例
実施例
次に本発明を実施例により詳述する。
実施例1
(1)市販のSWNT(直径:0.8〜1.4nm、長さ:数μm〜数10μm)に以下のような前処理を施し、精製、チューブのカット、COCl基導入を行った。これらは、既報の方法に従った。すなわち、湿潤空気中220℃で24時間加熱により炭素不純物を除去した後、更に室温濃塩酸中で撹拌することによりSWNTに含まれる触媒金属を除去した。次に、硝酸・硫酸混液による処理で、チューブの長さを1μm程度以下に短くした上で、過酸化水素・硫酸混液による酸化処理を行い、短くカットしたSWNTの、主として末端にCOOH基を導入した。次に塩化チオニルを反応させることにより、COOH基をCOCl基に変換した。
(1)市販のSWNT(直径:0.8〜1.4nm、長さ:数μm〜数10μm)に以下のような前処理を施し、精製、チューブのカット、COCl基導入を行った。これらは、既報の方法に従った。すなわち、湿潤空気中220℃で24時間加熱により炭素不純物を除去した後、更に室温濃塩酸中で撹拌することによりSWNTに含まれる触媒金属を除去した。次に、硝酸・硫酸混液による処理で、チューブの長さを1μm程度以下に短くした上で、過酸化水素・硫酸混液による酸化処理を行い、短くカットしたSWNTの、主として末端にCOOH基を導入した。次に塩化チオニルを反応させることにより、COOH基をCOCl基に変換した。
(2)市販の無水4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物(a)(3.0g、濃度10.8mmol)とオクタデシルアミン(3.8g、濃度14.1mmol)を酢酸50ml中、窒素雰囲気下で3.5時間リフラックスした。室温冷却後、水300mlに注いで生じた沈殿を濾過し、エタノール溶液から2回再結晶して4−ブロモ−N−オクダデシル−1,8−ナフタルイミド(b)を得た。
(3)化合物(b)(1.7g、3.2mmol)とピペラジン6水和物(1.4g、7.2mmol)を2−メトキシエタノール(15ml)中、窒素雰囲気下で4.0時間リフラックスした。室温冷却後生じた懸濁液を濾過し、エタノール溶液から3回再結晶を行い、N−オクタデシル−4−ピペラジン−1−イル−1,8−ナフタルイミド(NI(3))を得た。
(4)前述の、COCl基を導入したSWNT(10.6mg)を、十分に脱水した化合物NI(3)(346.8mg)に混合し、窒素雰囲気中140℃で36時間激しく撹拌した。冷却後、未反応NI(3)を除去するため、エタノール(20ml)中で5分間の超音波処理による洗浄を5回繰り返した。生成した固形物をクロロホルム(10ml)に溶解し、3μmのテフロン(登録商標)濾紙で濾過した。この濾液をエタノール中に注いで再沈殿させ、沈殿物を0.2μmのテフロン(登録商標)濾紙で濾し取った。この再沈殿操作を6回繰り返すことにより、残存している未反応NI(3)を更に除去した。最後に、クロロホルムを展開液とする薄層クロマトグラフィによる精製を行い、NI(3)を共有結合したSWNT(SWNT−NI(3))(5.68mg)を得た。
このSWNT−NI(3)は、クロロホルム、ジクロロエタン、二硫化炭素などに溶解し、数週間以上にわたって沈殿は生じなかった。このSWNT−NI(3)において、その直径は約10nm、長さは数100nmであり、SWNTが一定程度束になって存在している。
このSWNT−NI(3)は、クロロホルム、ジクロロエタン、二硫化炭素などに溶解し、数週間以上にわたって沈殿は生じなかった。このSWNT−NI(3)において、その直径は約10nm、長さは数100nmであり、SWNTが一定程度束になって存在している。
図1のカーブAに、SWNT−NI(3)の光吸収スペクトル(クロロホルム溶液中)を示す。NI(3)(カーブB)と同じ390nmに吸収ピークが現れ、SWNTにNI(3)分子が導入されていることが分かる。
図2のカーブAは、SWNT−NI(3)(クロロホルム溶液)の吸収スペクトルを部分的に拡大したものである。この波長領域は、SWNTに特有の一次元電子状態による光吸収が出現する領域である。すなわち、1340nmと1460nmのピークは、半導体SWNTのバンド間光吸収に由来するものである。また、909nm、832nm、751nmのピークは、金属SWNTの光吸収に由来するものである。これらのピークの帰属が正しいことは、NI(3)未導入のSWNT(COOH基を導入したSWNTのDMF溶液)においても同位置にピークが観測されること(図2のカーブB)から確認することが出来る。
図2のカーブAは、SWNT−NI(3)(クロロホルム溶液)の吸収スペクトルを部分的に拡大したものである。この波長領域は、SWNTに特有の一次元電子状態による光吸収が出現する領域である。すなわち、1340nmと1460nmのピークは、半導体SWNTのバンド間光吸収に由来するものである。また、909nm、832nm、751nmのピークは、金属SWNTの光吸収に由来するものである。これらのピークの帰属が正しいことは、NI(3)未導入のSWNT(COOH基を導入したSWNTのDMF溶液)においても同位置にピークが観測されること(図2のカーブB)から確認することが出来る。
これらの実験結果から、SWNT−NI(3)においては、SWNTに特有の一次元電子状態が保持されていることが証明される。図3には、NI(3)溶液(A)、オクタデシル化SWNTとNI(3)との混合溶液(B)、SWNT−NI(3)溶液(C)の発光スペクトルを示す(励起波長は390nm)。3者とも、500nmに発光ピークが観測される。一方、いずれの溶液も、NI(3)基の濃度及びSWNTの濃度が等しくなるように調製してあるにもかかわらず、発光強度は、混合溶液の場合で、NI(3)単独溶液の約80%、SWNT−NA溶液の場合で、約24%となっている。これは、NI(3)とSWNTとが電子的な相互作用を持ち、そのためにNI(3)の励起エネルギーがSWNTへ移動したことを反映している。SWNT−NI(3)の方が発光の減少割合が大きいのは、両者が共有結合することによって相互作用がより強くなったことを反映している。この結果から、NI(3)とSWNTとを結合することにより、後者に特有の一次元電子状態が発光性分子と電子的に強い相互作用をしていることが明らかとなった。このような強い相互作用が存在することは、SWNTに新たな光・電子機能を導入する上で重要な実験事実である。
実施例2
実施例1の(3)において、化合物(b)の代りに4−ブロモ−N−ヘキシル−1,8−ナフタルイミドを用い、他は同様にして発光性分子を共有結合した化学修飾SWNTを合成した。この場合にも、発光性を示すSWNTが得られたが、このものは、クロロホルムや二硫化炭素にはほとんど溶けなかった。
実施例1の(3)において、化合物(b)の代りに4−ブロモ−N−ヘキシル−1,8−ナフタルイミドを用い、他は同様にして発光性分子を共有結合した化学修飾SWNTを合成した。この場合にも、発光性を示すSWNTが得られたが、このものは、クロロホルムや二硫化炭素にはほとんど溶けなかった。
実施例3
実施例1における化合物(b)とヒドラジン1水和物を、2−メトキシエタノール(15ml)中、窒素雰囲気下でリフラックスし、N−オクタデシル−4−ヒドロアジノ−1,8−ナフタルイミド(NI(4))を得た。このNI(4)を、実施例1のCOCl基導入SWNTと共に、脱水THF中に溶解して、72時間リフラックスし両者を反応させた。反応終了後、THFを蒸発させた後、未反応NI(4)をエタノールにより洗浄・除去した。本洗浄を10回繰り返した後、固形分を0.2μmのテフロン(登録商標)濾紙で濾し取り、SWNT−NI(4)を得た。本化合物は、発光性分子とSWNTとの結合距離が、実施例1のSWNT−NI(3)よりも短く、両者の間に更に強い相互作用が働くことが予想された。
実施例1における化合物(b)とヒドラジン1水和物を、2−メトキシエタノール(15ml)中、窒素雰囲気下でリフラックスし、N−オクタデシル−4−ヒドロアジノ−1,8−ナフタルイミド(NI(4))を得た。このNI(4)を、実施例1のCOCl基導入SWNTと共に、脱水THF中に溶解して、72時間リフラックスし両者を反応させた。反応終了後、THFを蒸発させた後、未反応NI(4)をエタノールにより洗浄・除去した。本洗浄を10回繰り返した後、固形分を0.2μmのテフロン(登録商標)濾紙で濾し取り、SWNT−NI(4)を得た。本化合物は、発光性分子とSWNTとの結合距離が、実施例1のSWNT−NI(3)よりも短く、両者の間に更に強い相互作用が働くことが予想された。
図4に、SWNT−NI(4)(A)及びNI(4)(B)の吸収スペクトル(クロロホルム溶液)を示す。実施例1の結果とは異なり、SWNTに共有結合することによって、発光性分子の吸収スペクトルが大幅に変化している。即ち、NI(4)の吸収ピークが412nmであるの対し、SWNT−NI(4)の吸収ピークは分裂し、350nmと440nmとに観測される。このように大幅なスペクトル変化は、発色団とSWNTとの電子的相互作用が強いため、前者の電子状態が大きな変化を受けたためと考えられる。
図5に、SWNT−NI(4)(A)及びNI(4)(B)の発光スペクトルを示す(クロロホルム溶液、励起波長410nm)。それぞれ、534nm、503nmに発光ピークが観測され、実施例1とは異なり、SWNTとの結合によってピーク波長が大きくシフトしている。これもまた、発光性分子の電子状態が大きな変化を受けたためである。図6に、SWNT−NI(4)の吸収スペクトルを部分的に拡大したものを示す。実施例1のSWNT−NI(3)の場合と同様、1200〜1500nmに半導体SWNTのハンド間光吸収に由来するピーク、750〜900nmに金属SWNTに由来する光吸収が観測される。
これらの結果から、本実施例においても、SWNT特有の一次元電子状態を損なうことなく、SWNTに発光機能を導入できることが示された。
これらの結果から、本実施例においても、SWNT特有の一次元電子状態を損なうことなく、SWNTに発光機能を導入できることが示された。
Claims (2)
- 単層カーボンナノチューブと発光性化合物との結合体からなり、該結合体には1100〜1500nmの吸収ピークが存在し、かつ該発光性化合物が炭化水素基を有し、該結合体がクロロホルムに可溶性を示すことを特徴とする発光機能を有する単層カーボンナノチューブ。
- 該発光性化合物がナフタルイミド化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の炭層カーボンナノチューブ。
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