JP2005034692A - 下水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】難分解性有機物資化微生物のカタボライトレプレッション作用に起因する難分解性有機物の資化効率の減少を防止すると共に、難分解性有機物が淘汰され消滅される傾向に陥るのを防止し、有機物に対する分解・資化機能を向上させること。
【解決手段】反応槽2内が仕切壁14により、易分解性有機物資化微生物4が多量に存在する第1の領域R1と、難分解性有機物資化微生物5が多量に存在する第2の領域R2とに分けられている。領域R2には殆ど易分解性有機物資化微生物4が存在していないため、難分解性有機物資化微生物5が淘汰されることが防止される。また、領域R2には難分解性有機物しか存在しなくなり、難分解性有機物資化微生物5はこの難分解性有機物を分解・資化せざるを得ないのでカタボライトレプレッションの作用が現れることはない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場、産業排水処理設備等において、微生物を利用して下水(産業排水を含む)中の有機物や固形物や栄養塩類などの汚濁物質を分解除去する下水処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下水処理場においては、活性汚泥中に含まれる微生物の汚れ分解作用を利用する処理が行われている(例えば、特許文献1参照)。このような活性汚泥微生物により、比較的分解の容易な有機物(易分解性有機物)を資化して除去することができる。しかし、処理対象となる流入汚泥の中には、このような活性汚泥微生物では充分に分解しきれない、例えばセルロースのような難分解性有機物が多く含まれていることがある。そこで、最近は、活性汚泥微生物のような易分解性有機物資化微生物の他に、難分解性有機物資化微生物を併用することも行われている。
【0003】
図14は、このような従来システムの構成図である。本システムは最初沈殿池1、反応槽2、及び最終沈殿池3を備えている。下水が最初沈殿池1に導入されると、最初沈殿池1内では大きな固形物が沈殿分離され、上澄み液が反応槽2内に送出されるようになっている。この反応槽2内には有用微生物である易分解性有機物資化微生物(活性汚泥微生物)4及び難分解性有機物資化微生物5が存在している。反応槽2の底部には散気管6が配設されており、この散気管6は空気管7によりバルブ8を介してブロア9に接続されている。
【0004】
そして、ブロア9の運転により外部からの空気が散気管6に送られ、この空気が気泡10となって反応槽2内の下水に供給される。この気泡10により水中に溶解した溶存酸素が易分解性有機物資化微生物4と接触混合するが、この混合の過程で易分解性有機物資化微生物4は下水中の汚濁物質(汚濁の程度はBOD(生物化学的酸素要求量)又はCOD(化学的酸素要求量)により表される)である易分解性有機物を資化して増殖する。この資化、増殖により易分解性有機物が低減されることになる。また、下水中に含まれるセルロース系物質等の難分解性有機物は難分解性有機物資化微生物5により資化されて低減される。この難分解性有機物資化微生物5としては、例えばトリコデルマ属真菌が用いられる。
【0005】
反応槽2内で微生物4,5による資化作用で汚濁物質である有機物が低減された下水は最終沈殿池3に送られ、資化増殖された微生物が沈殿分離された後、放流水として公共用水などに排出される。そして、沈殿した微生物は、返送汚泥として水配管11を介して返送汚泥ポンプ12により反応槽2の前段側に返送され、また残りは余剰汚泥として余剰汚泥ポンプ13により汚泥処理プロセスへ供給される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−320957号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなシステムにより、下水中に含まれる易分解性有機物及び難分解性有機物を低減することが可能になっている。しかし、実際には難分解性有機物資化微生物5による資化効率が低いために、難分解性有機物を一定レベル以下に低減することが困難であった。図15(a)は、この現象を示す特性図であり、最終沈殿池3から排出される放流水中のCODは、難分解性有機物資化微生物5が反応槽2に投入された直後は若干減少しているが、1日をやや経過した時点では元のレベル戻ってしまっている。この原因につき、本発明の発明者らが調査・研究を行ったが、その結果次のような原因が考えられるに至っている。
【0008】
第一に考えられる原因は、微生物が一般に持っているカタボライトレプレッション(異化代謝産物抑制)作用によるものである。つまり、難分解性有機物資化微生物5は易分解性有機物資化微生物4が分解・資化できない難分解性有機物を分解・資化することができる微生物であるが、易分解性有機物の方が分解・資化が容易であるため、難分解性有機物と易分解性有機物との双方が同時に存在する環境下では易分解性有機物の方を優先して分解・資化することになる。その結果、難分解性有機物資化微生物5の難分解性有機物に対する分解・資化の効率が低下してしまうのである。図15(b)は、このカタボライトレプレッションの作用を示す特性図であり、当初、難分解性有機物資化微生物5は難分解性有機物を資化しているが、しばらくすると易分解性有機物についても資化を開始している。そして、1日をやや経過した時点では難分解性有機物に対する資化をやめてしまうためその資化速度はほぼゼロとなり、一方、易分解性有機物に対する資化速度は急激に増大している。
【0009】
第二に考えられる原因は、難分解性有機物資化微生物5が易分解性有機物資化微生物4により次第に淘汰される傾向にあることである。つまり、活性汚泥微生物などの易分解性有機物資化微生物4は繁殖力が強く、その種も数百種以上あるのに対し、難分解性有機物資化微生物5の方は、通常、単一種である。そのため、難分解性有機物資化微生物5は、易分解性有機物資化微生物4の群集に補食されるなどして死滅し、次第に淘汰されていく。図15(c)は易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5の微生物濃度を示しており、難分解性有機物資化微生物5の微生物濃度は易分解性有機物資化微生物4に比べてはるかに低く、且つ緩やかな減少傾向にあることが分かる。したがって、システムを長期間運用していくうちに、難分解性有機物資化微生物5は自然に淘汰されて消滅していく。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、難分解性有機物資化微生物のカタボライトレプレッション作用に起因する難分解性有機物の資化効率の減少を防止すると共に、難分解性有機物が淘汰され消滅される傾向に陥るのを防止し、有機物に対する分解・資化機能を向上させることが可能な下水処理システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、汚濁物質である易分解性有機物及び難分解性有機物が含まれている下水を、易分解性有機物資化微生物及び難分解性有機物資化微生物が存在する反応槽に導入し、これら微生物の資化作用により易分解性有機物及び難分解性有機物が低減された放流水を排出する下水処理システムにおいて、前記反応槽内に仕切壁を設けることにより第1の領域及び第2の領域を形成し、第1の領域に前記易分解性有機物資化微生物を多量に存在させると共に、第2の領域に前記難分解性有機物資化微生物を多量に存在させるようにした、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の領域又は前記第2の領域のうちの少なくともいずれか一方に更に仕切壁を設け、これら領域を更に複数の領域に分割した、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、汚濁物質である易分解性有機物及び難分解性有機物が含まれている下水を、易分解性有機物資化微生物及び難分解性有機物資化微生物が存在する反応槽に導入し、これら微生物の資化作用により易分解性有機物及び難分解性有機物が低減された放流水を排出する下水処理システムにおいて、前記反応槽の下流側に沈殿池を配設し、この沈殿池内に仕切壁を設けることにより微生物存在領域を形成し、この微生物存在領域に前記難分解性有機物資化微生物を多量に存在させるようにした、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記難分解性有機物資化微生物を生物膜に保持させ、この生物膜を担体に担持させた、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記反応槽の排出口に、反応槽内の水のみの排出を許容し、前記易分解性有機物資化微生物及び難分解性有機物資化微生物の排出を拘束する膜部材を取り付けた、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記難分解性有機物資化微生物は、自然界からのスクリーニングにより生成した微生物株に対して所定の変異処理又は遺伝子組換処理を施し、これを大量培養したものである、ことを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記難分解性有機物は、セルロース系ろ紙であり、前記難分解性有機物資化微生物は、トリコデルマ属真菌である、ことを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記難分解性有機物は、フミン質であり、前記難分解性有機物資化微生物は、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・プチーダ、コリネバクテリウム・ウリアリチカム、アグロバクテリウム・ラジオバクター、及び放線菌のうちの少なくともいずれかを含むものである、ことを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記下水には、Type021N、スフェロチルスなどの糸状細菌、放線菌、カビ、藻類のうちの少なくともいずれかを含む糸状微生物が含まれており、前記難分解性有機物資化微生物は、この糸状微生物についても低減可能なものである、ことを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記難分解性有機物には、塩素系有機化合物、内分泌撹乱化学物質、界面活性剤、セルロース系以外の高分子有機物のうちの少なくともいずれかが含まれる、ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る下水処理システムの構成図である。図1が図14と異なる点は、反応槽2内が仕切壁14により第1の領域R1と第2の領域R2とに分けられており、領域R1には易分解性有機物資化微生物4が投入され、一方、領域R2には難分解性有機物資化微生物5が投入されている点である。したがって、領域R1に存在する多くの微生物は易分解性有機物資化微生物4であり、一方、領域R2に存在する多くの微生物は難分解性有機物資化微生物5である。但し、仕切壁14は領域R1,R2間を完全に遮断するものではなく、いくつかの個所に連通孔が形成されており、また、仕切壁14の上方部分を双方の領域の水が越流できるようになっている。更に、返送汚泥ポンプ12により最終沈殿池3から第1の領域R1に返送される汚泥の中には易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5の双方が混じっている。したがって、第1の領域R1内にも難分解性有機物資化微生物5がある程度の量は存在し、一方、第2の領域R2にも易分解性有機物資化微生物4がある程度の量は存在している。
【0022】
図2は、上記のように構成される第1の実施形態の効果についての説明図であり、(a)は最終沈殿池3から排出される放流水中のCODの量の変化を示す特性図、(b)は難分解性有機物資化微生物5の難分解性有機物に対する資化速度の変化を示す特性図、(c)は難分解性有機物資化微生物5及び易分解性有機物資化微生物4の各微生物濃度の変化を示す特性図である。この図2の特性を従来システムに係る図15の特性と比較することにより第1の実施形態の効果が明らかとなる。
【0023】
すなわち、図2(c)に示すように、易分解性有機物資化微生物4の微生物濃度は従来と同様であるが、難分解性有機物資化微生物5は領域R2に投入直後に一定レベルに急上昇した後はほぼ安定しており、減少傾向は示していない。これは、領域R2には殆ど易分解性有機物資化微生物4が存在していないため、難分解性有機物資化微生物5が易分解性有機物資化微生物4によって淘汰されることが防止されているからである。
【0024】
また、図2(b)に示すように、難分解性有機物資化微生物5による易分解性有機物の資化速度はゼロとなっているのに対し、難分解性有機物資化微生物5による難分解性有機物の資化速度は投入直後に一定レベルに急上昇した後はほぼ安定しており、前述したカタボライトレプレッションの作用は現れていない。これは、易分解性有機物の殆どが領域R1において易分解性有機物資化微生物4により分解・資化され、領域R2には難分解性有機物しか存在しなくなるため、難分解性有機物資化微生物5はこの難分解性有機物を分解・資化せざるを得ないからである。
【0025】
上記の図2(b),(c)の特性により、図2(a)に示すように、領域R2に難分解性有機物資化微生物5が投入された直後から最終沈殿池3より排出される放流水中のCODは顕著に減少し、この減少傾向はその後も継続されている。
【0026】
図3は、反応槽2内での有機物濃度及び微生物濃度についての分布特性図である。図3(b)に示すように、反応槽2の前段部である領域R1には易分解性有機物資化微生物が多量に存在し難分解性有機物資化微生物は少量存在している。したがって、図3(a)に示すように、領域R1では易分解性有機物の資化が活発に行われ、距離L(反応槽2の前段部端部からの距離)が増大するにしたがって易分解性有機物の濃度は急激に減少し、一方、難分解性有機物の資化は余り活発には行われないため、その微生物濃度はほぼ一定となっている。
【0027】
また、図3(b)に示すように、反応槽2の後段部である領域R2には難分解性有機物が多量に存在し易分解性有機物は少量存在している。したがって、図3(a)に示すように、領域R2では難分解性有機物の資化が活発に行われ、その量が低減されるようになる。一方、領域R2における易分解性有機物資化微生物は少量であるが、易分解性有機物の量は少ないものとなっている。これは、既に領域R1において、易分解性有機物が充分に低減されているため、少ない量の易分解性有機物資化微生物であってもこの低減されたレベルを維持できるからである。
【0028】
このように、図1の構成では、反応槽2に仕切壁14を設けてこの反応槽2内の領域を、易分解性有機物資化微生物4が多量に存在する第1の領域R1と、難分解性有機物資化微生物5が多量に存在する第2の領域R2とに区分しているので、従来問題となっていた難分解性有機物資化微生物5のカタボライトレプレッション作用を防止することができ、また、難分解性有機物資化微生物5が易分解性有機物資化微生物4によって淘汰されてしまうのを防止することができる。したがって、反応槽2内での易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5の双方の分解・資化が効率よく行われるようになる。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る下水処理システムの構成図である。本発明では、第1の領域R1又は第2の領域R2のうちのいずれか一方又は双方に更に別の仕切壁を設けることにより、領域R1,R2それぞれを更に複数領域に分割した構成とすることができる。つまり、図4の構成の例は、図1の構成において、第1の領域R1を仕切壁14Aにより更に2つの領域R11,R12に分割すると共に、第2の領域R2を仕切壁14Bにより更に2つの領域R21,R22に分割したものである。そして、領域R11,R12には易分解性有機物資化微生物4が多量に存在しているが難分解性有機物資化微生物5も少量存在し、領域R21,R22には難分解性有機物資化微生物5が多量に存在しているが易分解性有機物資化微生物4も少量存在している。このように、第1及び第2の領域R1,R2を更に分割することにより、易分解性有機物及び難分解性有機物に対する分解・資化の効率をきめ細かく調節することができる。
【0030】
なお、図4に示した構成例は、反応槽2内の合計領域数が4つの場合であるが、この合計領域数は2以上の任意の数とすることができる。また、図4の構成例では、易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5として用いる微生物の種類をそれぞれ1種類とし、各領域における微生物濃度についてはR11の方がR12よりも高く、R21の方がR22よりも高くなるようにしているが、反応槽2内の微生物の分布状態については、情況に応じて種々に設定することができる。例えば、2つの異なる種類の難分解性有機物資化微生物として、トリコデルマ属真菌とシュードモナス(Pseudomonas)属細菌とを用い、前者を領域R21に投入し、後者を領域R22に投入すれば、セルロース系及びフミン質系の2種類の難分解性有機物に対する分解・資化が可能な構成とすることができる。
【0031】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る下水処理システムの構成図である。図1及び図4の構成では、反応槽2内に仕切壁を設けていたが、この図5の構成では、最終沈殿池3内に小さな仕切壁15を設け、これにより形成される領域R3に難分解性有機物資化微生物5を投入するようにしている。したがって、反応槽2内に存在する微生物の多くは易分解性有機物資化微生物4となる。
【0032】
この図5の構成によれば、反応槽2には手を加えず、最終沈殿池3の一部に仕切壁15を設けるだけの簡易な構成であるため、改造コストを低く抑えることができるというメリットがある。また、反応槽2は易分解性有機物資化微生物4が主として存在する場所であり、最終沈殿池3は難分解性有機物資化微生物5が主として存在する場所であるというように、2種類の微生物を別個の場所に截然と区分することができるので、両者が混合される割合を低く抑制することができるというメリットもある。
【0033】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る下水処理システムの構成図である。この図6の構成は、反応槽2及び最終沈殿池3等の設備については図1の構成と同様であるが、領域R2内に存在する難分解性有機物が難分解性有機物資化微生物の生物膜5Zに保持され、この生物膜5Zが担体16に担持されている点が異なっている。この担体16としては、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン等のプラスチック系物質、あるいは活性炭、アンスラサイト等の炭素系物質などを用いることができる。
【0034】
この図6の構成では、難分解性有機物が生物膜5Zに保持され、この生物膜5Zが担体16に強固に付着した状態になっているので、領域R2における難分解性有機物の微生物濃度を高レベルに維持することができ、分解・資化の能力を更に向上させることができるというメリットが得られる。
【0035】
図7は、本発明の第5の実施形態に係る下水処理システムの構成図である。この図7の構成は、領域R2内に反応槽2における処理後の水を排出するための排出口に、水のみの通過を許容し易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5の通過を拘束することが可能な膜部材17を取り付け、この膜部材17を通して反応槽2内の水がポンプ18により最終沈殿池3に送出されるようにしたものである。
【0036】
この図7の構成では、易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5が反応槽2内に完全に拘束されるので、これらの微生物が流出されなくなり、また、これらの微生物の濃度が膜部材17の無いときの5〜10倍程度に高くなる。したがって、分解・資化の能力を一層向上させることができる。
【0037】
更に、難分解性有機物資化微生物5については、後述するように、遺伝子組み換えを利用して培養することも考えられるが、上記の図7の構成は、遺伝子組み換えに基づく難分解性有機物資化微生物5がシステム外部に流出するのを防止できるので、バイオハザード対策としても非常に有効な構成となる。なお、膜部材17としては、通常、クロスフロー型のものが用いられるが、水の通過を許容し、易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5の通過を拘束し得るものであれば他の部材を用いることができる。また、図7の構成では、膜部材17が取り付けられた排出口が反応槽2に設けられている場合を示したが、この排出口は、反応槽2の下流側に位置する最終沈殿池3など、システム外部に易分解性有機物資化微生物4及び難分解性有機物資化微生物5が流出するのを防止できる位置であれば他の場所に設けても構わない。
【0038】
図8は、本発明の第6の実施形態に係る下水処理システムの構成図である。この図8の構成は、図7の構成から最終沈殿池3及び返送汚泥ポンプ12等を削除し、ポンプ18からの水を放流水として直接に外部へ放流するようにしたものである。システムの条件によっては、このようにいくつかの要素を削除してシステム構成を簡単化して設備コストを低減することができる。
【0039】
次に、上述した各実施形態において用いられる難分解性有機物資化微生物5の種類、及びその培養方法につき説明する。なお、易分解性有機物資化微生物4として用いられるのは、従来から通常に用いられている活性汚泥微生物であり、これには細菌、原生動物、後生動物、菌類などの種々の微生物が含まれる。
【0040】
まず、難分解性有機物資化微生物5として用いられるものとしては、セルロース系の難分解性有機物に対して分解・資化を行うトリコデルマ属真菌がある。図9は、このトリコデルマ属真菌を得るためのスクリーニング方法についての説明図である。まず、図9(a)に示すように、試験管19内に、易分解性有機物を除く栄養塩類が溶解されている液体培地(最小培地)20を入れておく。次いで、採取した土壌を液体培地20に少量投入する。この土壌中には、スクリーニング対象であるトリコデルマ属真菌5Aの他に、従属栄養菌であるバチルス属細菌21、フラボバクテリウム属細菌22が含まれている。そして、液体培地20に、難分解性有機物であるセルロース系ろ紙23を浸した状態で試験管19の開口部を綿栓24で閉じる。
【0041】
この後、インキュベータを用いて試験管19を37℃の環境下に約1ヶ月間置くと、図9(b)に示すように、トリコデルマ属真菌5Aのセルロース分解機能により、セルロース系ろ紙23が分解され始め、やがて液体培地20の液面付近でセルロース系ろ紙23が切断される。そして、このとき従属栄養菌であるバチルス属細菌21及びフラボバクテリウム属細菌22は消滅しており、トリコデルマ属真菌5Aだけが残存する。このようにして、難分解性有機物資化微生物であるトリコデルマ属真菌5Aを獲得することができる。上記のようにして獲得したトリコデルマ属真菌5Aを増殖させ、多量のトリコデルマ属真菌5Aを反応槽2の領域R2に投入する。なお、上記のような液体培地20を使用する手法の他に、寒天培地を使用する手法もある。
【0042】
また、トリコデルマ属真菌5Aを培養するにあたっては、バイオテクノロジーを用いることにより、易分解性有機物資化能力の無いもの又は低いものに改良することもできる。図10は、このような改良手法の一つであってNTG(ニトロソグアニジン)を用いた手法を説明するためのフローチャートである。
【0043】
まず、トリコデルマ属真菌保存スラント(斜面培地で増殖させた微生物株)にB−8完全培地を添加して活性化スラント培養を行う(ステップ101)。次いで、B−10補給培地を添加して浸透させる一次シード培養(ステップ102)と、それを繰り返す二次シード培養とを行い(ステップ103)、更に、1/20Mトリスマレート緩衝液を添加する集菌、洗浄を行う(ステップ104)。
【0044】
そして、変異誘発剤であるNTG溶液を添加し、37℃で30分間反応させる変異処理を行い(ステップ105)、その後、遠心分離(ステップ106)、数回の懸濁(ステップ107)、集菌(ステップ108)の各処理を順次行ってトリコデルマ属真菌変異株を得る。更に、このトリコデルマ属真菌変異株に対して図9で説明したスクリーニングを行い、易分解性有機物資化特性を試験して、易分解性有機物の分解・資化機能が無いもの又は低いものを選別する(ステップ109)。
【0045】
これにより易分解性有機物の分解・資化機能が抑制された変異株を獲得することができるので、この獲得した変異株を液体培養などで大量培養して、例えば図1の反応槽2の領域R2に投入すればよい。図1において用いた難分解性有機物資化微生物5は、易分解性有機物の分解・資化機能が抑制されていない通常のものであるため、既述したように、易分解性有機物及び難分解性有機物が同時に存在している場合にはカタボライトレプレッション作用が著しくなるという欠点があったが、この変異株に係るトリコデルマ属真菌を難分解性有機物資化微生物として投入すれば、仕切壁14を設けた効果に加えて、一層難分解性有機物に対する資化効率を向上させることができる。
【0046】
なお、上述したのはNTGを用いた手法であるが、その他の手法として、紫外線の生物に対する突然変異誘発作用を利用する手法、あるいは化学変異誘発剤であるエチルメタンスルホン酸(EMS)を利用する手法などもある。
【0047】
更に、バイオテクノロジーを用いたトリコデルマ属真菌5Aの改良手法として、遺伝子組換処理を用いた手法もある。図11は、この遺伝子組換処理を用いた手法についての説明図である。図11において、遺伝子を乗せるリング状のプラスミド25を制限酵素で切断して直線状の難分解性有機物資化DNA26を得ることができる。また、組み換えの目的となる易分解性有機物資化抑制DNAを同じ制限酵素で切断し、この切断により得られる易分解性有機物資化抑制DNA27と、前記の難分解性有機物資化DNA26とをDNAリガーゼにより結合することで、リング状のDNAである組換プラスミド28を生成することができる。
【0048】
そして、この組換プラスミド28を、大腸菌などのホスト細胞29の内部にリン酸カルシウムを用いて細胞壁に孔を開けて侵入させる。これらの工程により、難分解性有機物に対する分解・資化機能を有する一方で易分解性有機物の分解・資化機能が抑制されている微生物を獲得することができる。なお、図11で説明した手法は、形質転換法と呼ばれる手法であるが、特にこの手法に限定されるわけではなく、その他に、接合法、ウィルス法、ファージ法など遺伝子組換処理の分野において公知の手法を適用することが可能である。
【0049】
また、難分解性有機物資化微生物5として用いられるものとしては、上記のトリコデルマ属真菌の他に、フミン質(フミン酸及びフルボン酸を主要成分とする)に対して分解・資化を行うシュードモナス属細菌(シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)、シュードモナス・プチーダ(Pseudomonas putida)など)がある。図12は、このシュードモナス属細菌を得るためのスクリーニング方法についての説明図である。まず、図12(a)に示すように、試験管19内に、易分解性有機物を除く栄養塩類が溶解されている液体培地(最小培地)20を入れておく。次いで、採取した土壌を液体培地20に少量投入し、試験管19の開口部を綿栓24で閉じる。この土壌中には、スクリーニング対象であるシュードモナス属細菌5Bの他に、従属栄養菌であるバチルス属細菌21、フラボバクテリウム属細菌22が含まれている。
【0050】
この後、インキュベータを用いて試験管19を37℃の環境下に2〜7日間振とう培養させると、図12(b)に示すように、従属栄養菌であるバチルス属細菌21及びフラボバクテリウム属細菌22が消滅し、シュードモナス属細菌5Bだけが残存する。このようにして、難分解性有機物資化微生物であるシュードモナス属細菌5Bを獲得することができる。上記のようにして獲得したシュードモナス属細菌5Bを増殖させ、多量のシュードモナス属細菌5Bを反応槽2の領域R2に投入する。
【0051】
上記のシュードモナス属細菌を得るためのスクリーニングは、寒天培地を用いることによっても行うことができる。図13は、このような寒天培地を用いたシュードモナス属細菌のスクリーニング方法についてのフローチャートである。
【0052】
まず、フミン質が多く存在し、これを分解する能力のある微生物が多く含まれている、鉱山、下水処理場放流口付近の河川底泥などの土壌を採取し、この採取土壌に対して、フミン質を唯一の炭素源とするフミン質含有寒天培地を混合して培養を行う(ステップ131)。次いで、培養により生成したコロニーの難分解性有機物に対する資化特性を測定し(ステップ132)、培養が2回以上行われており、且つ資化特性が正常なコロニーが有るか否かを判別し(ステップ133)、有ればそのコロニーを移植しスラント培養して保存する(ステップ134)。この後、これにより得られたフミン質資化微生物すなわちシュードモナス属細菌の保存スラントを大量培養して反応槽2の領域R2に投入する。
【0053】
なお、フミン質に対して分解・資化を行う難分解性有機物資化微生物として、上記のようにシュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)、シュードモナス・プチーダ(Pseudomonas putida)などのシュードモナス属細菌を紹介したが、本発明の発明者による実験では、コリネバクテリウム・ウリアリチカム(Corynebacterium urealyticum)、アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)、あるいは放線菌などもフミン質に対して良好な分解・資化機能を有することが確認されている。
【0054】
また、難分解性有機物資化微生物として、難分解性有機物の他に、糸状微生物に対しても資化機能を有するものを得ることが可能である。この糸状微生物とは、下水設備あるいは排水設備に生息するもので、例えば、Type021N、スフェロチルスなどの糸状細菌、放線菌、カビ、藻類などがある。このように、難分解性有機物と糸状微生物との双方に対して資化機能を有する難分解性有機物資化微生物を得る手法としては、既述したような難分解性有機物資化微生物に対して糸状微生物の遺伝子の組み換えを行う手法、あるいは逆に、糸状微生物に対して既述した難分解性有機物資化微生物の遺伝子の組み換えを行う手法がある。
【0055】
更に、上記の実施形態では、難分解性有機物の具体例として、セルロース系ろ紙、フミン質を挙げたが、本発明の難分解性有機物資化微生物の分解・資化対象となる難分解性有機物には下記の物質も含む。
【0056】
▲1▼塩素系有機化合物
塩素が混入すると有機物と反応して生成する物質であり、トリハロメタン等の発がん性の有る毒性物質である。
▲2▼内分泌撹乱化学物質
下水中、排水中に含まれる、ノニルフェノール、E1〜E3などの内分泌撹乱作用を有する毒性物質であり、いわゆる環境ホルモンと呼ばれるものである。
▲3▼界面活性剤
下水中、排水中に含まれる、洗剤などの成分である。
▲4▼セルロース系以外の高分子有機物
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、反応槽内に仕切壁を設けることにより第1の領域及び第2の領域を形成し、第1の領域に易分解性有機物資化微生物を多量に存在させると共に、第2の領域に難分解性有機物資化微生物を多量に存在させるようにしたので、難分解性有機物資化微生物のカタボライトレプレッション作用に起因する難分解性有機物の資化効率の減少を防止すると共に、難分解性有機物が淘汰され消滅される傾向に陥るのを防止し、有機物に対する分解・資化機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る下水処理システムの構成図。
【図2】図1の第1の実施形態の効果についての説明図であり、(a)は最終沈殿池3から排出される放流水中のCODの量の変化を示す特性図、(b)は難分解性有機物資化微生物5の難分解性有機物に対する資化速度の変化を示す特性図、(c)は難分解性有機物資化微生物5及び易分解性有機物資化微生物4の各微生物濃度の変化を示す特性図である。
【図3】図1における反応槽2内での有機物濃度及び微生物濃度についての分布特性図であり、(a)は有機物濃度の特性図、(b)は微生物濃度の特性図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る下水処理システムの構成図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る下水処理システムの構成図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る下水処理システムの構成図。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る下水処理システムの構成図。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る下水処理システムの構成図。
【図9】上記第1乃至第6の実施形態における難分解性有機物資化微生物として用いられるトリコデルマ属真菌を得るためのスクリーニング方法についての説明図。
【図10】上記第1乃至第6の実施形態における難分解性有機物資化微生物として用いられるトリコデルマ属真菌について、易分解性有機物資化能力の無いもの又は低いものに改良する手法を説明するためのフローチャート。
【図11】上記第1乃至第6の実施形態における難分解性有機物資化微生物として用いられるトリコデルマ属真菌について、易分解性有機物資化能力の無いもの又は低いものに改良するための遺伝子組換処理についての説明図。
【図12】上記第1乃至第6の実施形態における難分解性有機物資化微生物として用いられるシュードモナス属細菌を得るためのスクリーニング方法についての説明図。
【図13】上記第1乃至第6の実施形態における難分解性有機物資化微生物として用いられるシュードモナス属細菌を得るためのスクリーニング方法についてのフローチャート。
【図14】従来の下水処理システムの構成図。
【図15】従来システムの課題を説明するための説明図であり、(a)は図14における最終沈殿池3からの放流水中のCODの変化特性図、(b)は反応槽2内の難分解性有機物資化微生物5のカタボライトレプレッションの作用を示す特性図、(c)は反応槽2内の微生物濃度についての変化特性図である。
【符号の説明】
1 最初沈殿池
2 反応槽
3 最終沈殿池
4 易分解性有機物資化微生物
5 難分解性有機物資化微生物
5A トリコデルマ属真菌
5B シュードモナス属細菌
5Z 生物膜5
6 散気管
7 空気管
8 バルブ
9 ブロア
10 気泡
11 水配管
12 返送汚泥ポンプ
13 余剰汚泥ポンプ
14 仕切壁
14A 仕切壁
14B 仕切壁
15 仕切壁
16 担体
17 膜部材
18 ポンプ
19 試験管
20 液体培地
21 バチルス属細菌
22 フラボバクテリウム属細菌
23 セルロース系ろ紙
24 綿栓
25 プラスミド
26 難分解性有機物資化DNA
27 易分解性有機物資化抑制DNA
28 組換プラスミド
29 ホスト細胞
30 ホスト細胞のDNA
R1 第1の領域
R2 第2の領域
R3 反応槽2内の微生物存在領域

Claims (10)

  1. 汚濁物質である易分解性有機物及び難分解性有機物が含まれている下水を、易分解性有機物資化微生物及び難分解性有機物資化微生物が存在する反応槽に導入し、これら微生物の資化作用により易分解性有機物及び難分解性有機物が低減された放流水を排出する下水処理システムにおいて、
    前記反応槽内に仕切壁を設けることにより第1の領域及び第2の領域を形成し、第1の領域に前記易分解性有機物資化微生物を多量に存在させると共に、第2の領域に前記難分解性有機物資化微生物を多量に存在させるようにした、
    ことを特徴とする下水処理システム。
  2. 前記第1の領域又は前記第2の領域のうちの少なくともいずれか一方に更に仕切壁を設け、これら領域を更に複数の領域に分割した、
    ことを特徴とする請求項1記載の下水処理システム。
  3. 汚濁物質である易分解性有機物及び難分解性有機物が含まれている下水を、易分解性有機物資化微生物及び難分解性有機物資化微生物が存在する反応槽に導入し、これら微生物の資化作用により易分解性有機物及び難分解性有機物が低減された放流水を排出する下水処理システムにおいて、
    前記反応槽の下流側に沈殿池を配設し、この沈殿池内に仕切壁を設けることにより微生物存在領域を形成し、この微生物存在領域に前記難分解性有機物資化微生物を多量に存在させるようにした、
    ことを特徴とする下水処理システム。
  4. 前記難分解性有機物資化微生物を生物膜に保持させ、この生物膜を担体に担持させた、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の下水処理システム。
  5. 前記反応槽の排出口に、反応槽内の水のみの排出を許容し、前記易分解性有機物資化微生物及び難分解性有機物資化微生物の排出を拘束する膜部材を取り付けた、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の下水処理システム。
  6. 前記難分解性有機物資化微生物は、自然界からの採取に基づき生成した微生物株に対して所定の変異処理又は遺伝子組換処理を施し、これを大量培養したものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の下水処理システム。
  7. 前記難分解性有機物は、セルロース系ろ紙であり、前記難分解性有機物資化微生物は、トリコデルマ属真菌である、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の下水処理システム。
  8. 前記難分解性有機物は、フミン質であり、前記難分解性有機物資化微生物は、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・プチーダ、コリネバクテリウム・ウリアリチカム、アグロバクテリウム・ラジオバクター、及び放線菌のうちの少なくともいずれかを含むものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の下水処理システム。
  9. 前記下水には、Type021N、スフェロチルスなどの糸状細菌、放線菌、カビ、藻類のうちの少なくともいずれかを含む糸状微生物が含まれており、
    前記難分解性有機物資化微生物は、この糸状微生物についても低減可能なものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の下水処理システム。
  10. 前記難分解性有機物には、塩素系有機化合物、内分泌撹乱化学物質、界面活性剤、セルロース系以外の高分子有機物のうちの少なくともいずれかが含まれる、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の下水処理システム。
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