JP2005034174A - マッサージ機 - Google Patents
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Abstract
【課題】膨張したままで移動される空気袋による人体への刺激具合を、人体形状に拘らずに最適化して擦りマッサージができるマッサージ機を得ることにある。
【解決手段】人体を支持する椅子本体(マッサージ機本体)に、台移動装置12により移動される移動台13を取付ける。移動台に、膨縮可能であってその膨張により人体を押圧するマッサージ用空気袋14を取付ける。空気袋を、これにエアーを給排気し、移動台13が移動される際に空気袋14を膨張状態に保持するエアー給排気装置7と接続する。台進退装置15により移動台13を空気袋14の膨縮方向に進退可能に設ける。制御装置8によって、マッサージ動作において台移動装置12を制御して移動台13を移動させながら、空気袋14の圧力を検出する圧力センサ18の検出圧力が基準圧力に保持されるように台進退装置15の駆動を制御するようにしたことを特徴としている。
【選択図】 図4
【解決手段】人体を支持する椅子本体(マッサージ機本体)に、台移動装置12により移動される移動台13を取付ける。移動台に、膨縮可能であってその膨張により人体を押圧するマッサージ用空気袋14を取付ける。空気袋を、これにエアーを給排気し、移動台13が移動される際に空気袋14を膨張状態に保持するエアー給排気装置7と接続する。台進退装置15により移動台13を空気袋14の膨縮方向に進退可能に設ける。制御装置8によって、マッサージ動作において台移動装置12を制御して移動台13を移動させながら、空気袋14の圧力を検出する圧力センサ18の検出圧力が基準圧力に保持されるように台進退装置15の駆動を制御するようにしたことを特徴としている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッサージ機本体に支持された人体に、膨張した空気袋を当てて擦ることによって人体をマッサージするマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、椅子の背もたれが有した背フレームに、マッサージ用空気袋を、上下に移動しつつマッサージ可能に取付け、この空気袋を膨張完了後に移動機構で移動させることによって、背もたれに支持された人体の背中に当てられた膨張状態の空気袋で背中を経絡方向に沿って擦るマッサージを可能としたマッサージ機が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−8993号公報(段落0006−0009、0022−0037、図1−図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のマッサージ機は、膨張した空気袋を背もたれの上下方向に移動させてマッサージ可能範囲を拡大することは可能であるが、空気袋をその膨縮方向に移動させることはできない構成である。
【0005】
ところで、人体の例えば上半身の背面形状は、首から腰にかけて側面視概ねS字状に曲っていて、この曲面形状に個人差が有ることも知られている。
【0006】
このため、特許文献1のマッサージ機で、膨張した空気袋を背もたれの上下方向に移動させた際、人体の背中形状に応じて、背中に対するマッサージ用空気袋から作用する圧力に過不足を生じ易い。これにより、膨張した空気袋で背中に一定の刺激を与えつつ背中を上下方向に連続的に擦ってマッサージすることは、特許文献1のマッサージ機では困難である。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、膨張したままで移動される空気袋による人体への刺激具合を、人体形状に拘らずに最適化して擦りマッサージができるマッサージ機を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、人体を支持するマッサージ機本体に取付けられて、台移動装置により移動される移動台に、膨縮可能であってその膨張により本体上の人体を押圧するマッサージ用空気袋を取付け、この空気袋を、これにエアーを給排気し、移動台が移動される際に空気袋を膨張状態に保持するエアー給排気装置と接続し、かつ、移動台を台進退装置により空気袋の膨縮方向に進退可能に設けるとともに、台移動装置と台進退装置とを制御する制御装置によって、マッサージ動作において台移動装置を制御して移動台を移動させながら、空気袋の圧力を検出する圧力センサの検出圧力が基準圧力に保持されるように台進退装置の駆動を制御するようにしたものである。
【0009】
本発明では、エアー給排気装置により空気袋を所定の膨張状態に保持して、この空気袋を支持している移動台を台移動装置でマッサージ機本体の長手方向に移動できる。それにより、マッサージ機本体上に支持された人体の背中等に擦るような刺激を経絡方向に沿って連続して与える擦りマッサージができる。
【0010】
この擦りマッサージにおいて、圧力センサで検出される空気袋の圧力が入力される制御装置は、検出圧力が基準圧力に保持されるように台進退装置を制御する。すなわち、検出圧力が高くなった場合には、移動台が人体から離れる方向に後退するように台進退装置を制御し、検出圧力が低くなった場合には、移動台が人体に押付けられる方向に台進退装置を制御する。
【0011】
このように本発明では、所定の膨張状態を保持したマッサージ用空気袋を人体に押付けた状態で、この空気袋により人体を擦りながら、人体形状に応じて空気袋を自動的に進退させるので、人体に対する空気袋の擦り圧力に過不足を生じることがないように最適化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0013】
図1中に示す椅子式のマッサージ機1は、人体を支持するマッサージ機本体として機能する椅子本体2を備えている。この椅子本体2は、座部3と、背もたれ4と、アームレスト5とを有している。背もたれ4は、所定角度に固定されたものであっても、図示しないリクライニング機構により起倒可能に設けられたものであってもよい。座部3及び背もたれ4が連続する方向が椅子本体2の長手方向である。
【0014】
背もたれ4にはマッサージユニット11が取付けられている。このユニット11は、台移動装置12と、移動台13と、マッサージ用空気袋14と、台進退装置15とを備えている。
【0015】
図2及び図3に例示した台移動装置12は、上部ローラ12a及び下部ローラ12bと、複数例えば2本の無端環状の搬送ベルト12cと、両ローラ12a、12bの内の一方を回転駆動させる駆動部12d(図3参照)とを有している。上部ローラ12aは背もたれ4の上部に回転可能に取付けられ、下部ローラ12bは背もたれ4の下端部に回転可能に取付けられている。これら両ローラ12a、12bは、夫々背もたれ4の幅方向に延びていて、互いに平行に配置されている。両搬送ベルト12cは、背もたれ4の幅方向に所定間隔を置いて、両ローラ12a、12bにわたって巻き掛けて張設されている。駆動部12dには正逆回転可能な歯車減速機付きの電動モータ等が用いられている。この駆動部12dに例えば下部ローラ12bが連結されている。
【0016】
台移動装置12の両搬送ベルト12cの正面部分は、背もたれ4の内表面4a(図2参照)上に配置されている。この正面部分を横断して移動台13が両搬送ベルト12c上にこれらに固定されることなく配置されている。この移動台13は、台移動装置12の駆動により無端走行する搬送ベルト12c及び台進退装置15を介して背もたれ4の長手方向、言い換えれば、マッサージ機本体の長手方向に移動可能である。移動台13は、背もたれ4の幅方向に延びる長四角形状をなしている。
【0017】
この移動台13上に空気袋14が取付けられている。この空気袋14は後述のエアー給排気装置7によって膨縮が可能である。非膨張状態の空気袋14は移動台13と同様に長四角形状であり、この空気袋14は、膨張した時には、人体の正中線を横切るようになって、人体の縦方向に走る左右12対の経絡を複数同時に刺激できる大きさに作られている。なお、背もたれ4は柔軟な材料からなるカバーを有しており、このカバーによって背もたれ4の内表面4aが被われているので、搬送ベルト12c、移動台13、及び空気袋14は外部から視認されることがない。
【0018】
台進退装置15は、両搬送ベルト12cの正面部分の裏側に固定されていて、移動台13の裏側に配置されている。なお、図2及び図3中符号4bは、搬送ベルト12cによって移動される台進退装置15の移動を許す背もたれ4の逃げ部を示している。台進退装置15は、移動台13を支持していて、この移動台13を空気袋14の膨縮方向に進退させる機能を有している。ここに、移動台13が前進するとは人体に近付く方向に移動台13が動くことを指し、この逆に移動台13が後退するとは人体から遠ざかる方向に移動台13が動くことを指している。
【0019】
この進退機能を実現する構成を図5(A)〜(D)に夫々例示する。図5(A)の例では、搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15a内に正逆回転可能な減速機付き電動モータ15bを固定するとともに、移動台13を支持しているラック15cを、電動モータ15bの出力軸に固定したピニオン歯車15dに噛み合わせている。移動台13と直交する方向に延びるラック15cは、その一端を移動台13の裏面に連結されてこの移動台13を支持しているとともに、進退装置フレーム15aに設けた図示しないサポートに移動可能に支持されている。この図5(A)の台進退装置15では、電動モータ15bの正逆回転が、ピニオン歯車15dとラック15cとの噛み合いを介してラック15cの軸方向移動に変換されるので、このラック15cと一緒に移動台13を進退させることができる。
【0020】
図5(B)の例では、搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15a内に進退用空気袋15fを収容している。この空気袋15fは、移動台13に固定されていて、この移動台13と進退装置フレーム15aの受け部例えば底壁との間に挟まれていて、後述のエアー給排気装置7により給排気されて膨縮する。したがって、この図5(B)の台進退装置15では、空気袋15fの膨張の程度をエアー給排気装置7で調節することによって移動台13を進退させることができる。
【0021】
図5(C)の例では、台進退装置15が、搬送ベルト12cに固定されたエアーシリンダ15g、このシリンダ15gの一端を貫通したピストン軸15h、及びこのピストン軸15hの移動量を制御するエアー制御機構(図示しない)を有している。ピストン軸15hの突出端は移動台13の裏面に連結されてこの移動台13を支持している。したがって、この図5(C)の台進退装置15では、エアー制御によってピストン軸15hを軸方向に移動させることによって移動台13を進退させることができる。
【0022】
図5(D)の例では、搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15a内に正逆回転可能な減速機付き電動モータ15bを固定するとともに、この電動モータ15bの出力軸に固定した巻取りプーリ15iと移動台13とにわたって牽引ワイヤ15jが張設されている。更に、進退装置フレーム15a内に固定ばね受け15kを設けるとともに、この固定ばね受け15kを貫通して支持軸15lを軸方向に移動可能に設けている。この支持軸15lは進退装置フレーム15aから突出されて移動台13の裏面に連結されてこの移動台13を支持している。更に、支持軸15lが突出されるとともに搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15aの壁を貫通して、移動台13と固定ばね受け15kとの間には、支持軸15lを巻いてコイルばね15mが設けられていて、このばね15mは移動台13を図5(D)中矢印方向に付勢している。したがって、この図5(D)の台進退装置15では、電動モータ15bの正転による巻取りプーリ15iへの牽引ワイヤ15jの巻取り加減、及び電動モータ15bの逆転による巻取りプーリ15iからの牽引ワイヤ15jの繰出し加減に応じて移動台13を進退させることができる。
【0023】
前記椅子本体2の座部3の下方空間には、駆動ユニット6が配置されている。この駆動ユニット6は、図4に示すようにエアー給排気装置7及び制御装置8を備えている。
【0024】
エアー給排気装置7は、図示しないエアーポンプ及び電磁弁等を備えていて、生成したエアーをマッサージ用空気袋14に給排気する。すなわち、エアー給排気装置7は、マッサージ時には空気袋14を所定の圧力で膨張させてその膨張状態に保持するとともに、非マッサージ時には空気袋14内の空気を排気するようになっている。図4中符号17は、エアー給排気装置7のポートと空気袋14のポートとに両端を接続して設けた連通管例えば可撓性のエアーチューブを示している。このエアーチューブ17の途中には空気袋14の圧力を検出するための圧力センサ18が取付けられている。
【0025】
制御装置8は、例えばマイクロコンピュータからなり、操作部例えばリモートコントローラ9からの入力信号によって動作されて、エアー給排気装置7、台移動装置12及び台進退装置15の駆動を制御するものである。この制御装置8は、まず、エアー給排気装置7を動作させた後に、台移動装置12を制御するとともに、この移動台13の移動の最中に必要により台進退装置15を制御する。
【0026】
詳しくは、制御装置8でエアー給排気装置7が制御されることによって、空気袋14への給気が行われ、圧力センサ18により検出される検出圧力が予め定められた圧力値(基準圧力)となった時点で、電磁弁等がエアー流路を閉切りとするように制御される。これにより、空気袋14への給気が停止されるとともに、この空気袋14が所定の膨張状態に保持される。
【0027】
この後に、制御装置8によって制御される台移動装置12は、空気袋14が取付けられた移動台13を、背もたれ4の長手方向、つまり、背もたれ4に支持された人体の背中における経絡が延びる方向に沿って移動させる。
【0028】
この場合、制御装置8は、圧力センサ18の検出圧力に基づいて必要により台移動装置12を制御する。つまり、人体の経絡方向に沿って台移動装置12により連続して移動される移動台13上の空気袋14に人体の背中部が与える荷重は、背中の形状に応じて、背中上部では大きく、腰部では小さく、更に、腰部直下では大きくなるので、それに従い空気袋14の内圧が変化する。
【0029】
この内圧は、圧力センサ18で検出され制御装置8に入力される。制御装置8は、検出圧力と空気袋14の基準圧力との圧力差を算出する圧力差演算部を有しているとともに、メモリ部等を有している。メモリ部には、例えば空気袋14の基準圧力と検出圧力との圧力差に応じて、この圧力差を解消させるのに必要な空気袋14の人体への押付け加減を定めたテーブルが記憶されている。
【0030】
このテーブルにしたがって制御装置8は、前記内圧(検出圧力)が基準圧力より大きい場合には、人体に対して空気袋14が軽く接するように、この空気袋14を支持した移動台13が人体から遠ざかる方向に後退されるように台進退装置15を制御する。同様に、制御装置8は、前記内圧(検出圧力)が基準圧力より小さい場合には、人体に対して空気袋14が強く接するように、この空気袋14を支持した移動台13が人体に近付く方向に前進されるように台進退装置15を制御する。
【0031】
したがって、椅子本体2に着座した使用者によってリモートコントローラ9が操作された場合に、マッサージ機1は以下の動作を行う。
【0032】
まず、制御装置8によりエアー給排気装置7が動作され空気袋14への給気がなされる。そして、この空気袋14が所定の膨張状態、すなわち、空気袋14の内圧が基準圧力となった状態に保持された段階で、エアー給排気装置7の動作が停止される。これにより、膨張した空気袋14によって背もたれ4に寄りかかっている人体の背中の一部が所定の圧力で押圧される。
【0033】
次に、制御装置8により台移動装置12を駆動させて、空気袋14を支持している移動台13を背もたれ4の上下方向(長手方向)に所定範囲にわたり連続して移動させる。これにより、人体の背中に擦るような刺激を経絡方向に沿って連続して与えて、背中をマッサージできる。
【0034】
この擦りマッサージにおいて、背中の湾曲形状により空気袋14が押圧され圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より高くなった場合には、制御装置8により台進退装置15が駆動されて、空気袋14を支持した移動台13を、前記検出圧力と基準圧力との圧力差に応じて背中から遠ざかるように後退させる。これにより、背中から受ける空気袋14の押圧が軽減されて、この空気袋14の内圧が減少する。空気袋14を後退させる台進退装置15の動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0035】
同様に、前記擦りマッサージにおいて、背中の湾曲形状により空気袋14の押圧が軽減されて圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より低くなった場合には、制御装置8により台進退装置15が駆動されて、空気袋14を支持した移動台13を、背中に強く押付けられるように前記検出圧力と基準圧力との圧力差に応じて前進させる。これにより、背中から受ける空気袋14の押圧が相対的に強められて、この空気袋14の内圧が高まる。空気袋14を前進させる台進退装置15の動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0036】
このように所定の膨張状態を保持した空気袋14を背中に押付けまま、この空気袋14で背中を擦るマッサージ中に、背中の曲面形状に応じて台進退装置15の駆動を制御装置8によって制御して、空気袋14を支持した移動台13を前進又は後退させるので、圧力センサ18が検出する空気袋14の圧力を基準圧力に保持できる。言い換えれば、背中に対する空気袋14の擦り圧力に過不足を生じることがないように最適化しつつ、膨張した空気袋14によるソフトな刺激を経絡方向に沿って連続して背中に与える擦りマッサージができる。
【0037】
図6及び図7は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる構成について説明する。
【0038】
図6及び図7中符号21は椅子本体2の一部をなす足載せ台ベースを示している。この足載せ台ベース21は、座部3の前端部に図示しない連結機構を介して回動可能に取付けられていて、図6に示す略水平な状態となる第1位置と、この第1位置から前下がりとなって略垂状態となる第2位置とにわたり回動でき、これら両位置間の任意位置で停止できる。
【0039】
足載せ台ベース21には移動台として機能する足載せ台22が足載せ台ベース21に沿って移動可能に支持されている。図6中符号21aは足載せ台ベース21の両側縁に夫々形成されたラックを示しており、これらには足載せ台22に取付けられた図示しない駆動歯車が噛み合わされていて、その噛み合いの変化により足載せ台22は図6中矢印方向に移動されるように設けられている。足載せ台22には、正逆回転可能な電動モータ及び歯車減速機等を有してなる台移動装置12(図7参照)が内蔵されている。この台移動装置12の駆動は制御装置8によって制御される。
【0040】
足載せ台22は、椅子本体2に着座した人体の足が出し入れされる一対の収容溝22aを有しており、これら収容溝22aを形成する溝側壁面の夫々にはマッサージ用空気袋14が配置されている。各空気袋14は、同期して膨縮されるように足載せ台22内で互いに連通されている。これら空気袋14にエアーを給排気するエアー給排気装置7は制御装置8により制御される。この場合、制御装置8は、圧力センサ18の検出圧力に従い、人体の足に対する擦りマッサージにおいて各空気袋14の内圧が一定に保持されるように各空気袋14に対する給排気量を変化させる制御を実行するようになっている。この制御の基準として制御装置8が有する比較器が用いられる。この比較器は、検出圧力が基準圧力を下回るか上回るかを比較するものである。なお、第2実施形態では第1実施形態で用いた台進退装置15は使用されていないとともに、以上説明した事項以外は第1実施形態と同じである。
【0041】
この第2実施形態で、椅子本体2に着座した使用者によってリモートコントローラ9が操作された場合に、マッサージ機1は以下の動作を行う。
【0042】
まず、制御装置8によりエアー給排気装置7が動作され各空気袋14への給気が同期してなされる。そして、この空気袋14を所定の膨張状態、すなわち、空気袋14の内圧が基準圧力となった状態に保持された段階で、エアー給排気装置7の動作が一旦停止される。これにより、膨張した空気袋14によって足載せ台22の収容溝22aに収容された足が幅方向両側から所定の圧力で押圧される。
【0043】
次に、制御装置8により台移動装置12を駆動させて、空気袋14を支持している足載せ台22を足載せ台ベース21に沿って所定範囲にわたり連続して移動させる。これにより、人体の足に擦るような刺激を経絡が延びる方向に沿って連続して与えて、足をマッサージすることができる。
【0044】
この擦りマッサージにおいて、足載せ台22が足首側から膝側に移動する場合のように、足の形状に応じて空気袋14が押圧され圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より高い場合には、制御装置8によりエアー給排気装置7が動作をするように駆動される。これにより、空気袋14が多少収縮されるので、空気袋14の内圧が減少する。この空気袋14からの排気動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0045】
同様に、前記擦りマッサージにおいて、足載せ台22が膝側から足首側に移動する場合のように、足の形状に応じて空気袋14の押圧が軽減されて圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より低い場合には、制御装置8によりエアー給排気装置7が空気袋14に給気をするように駆動されて、空気袋14を膨張させる。これにより、空気袋14の内圧が高まる。この空気袋14への給気動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0046】
このように所定の膨張状態とされた空気袋14を足に押付けたまま、この空気袋14で足を擦るマッサージ中に、足の形状に応じてエアー給排気装置7の駆動を制御装置8によって制御して、空気袋14に対する給排気量を変化させたので、圧力センサ18が検出する空気袋14の圧力を基準圧力に保持できる。言い換えれば、足に対する空気袋14の擦り圧力に過不足を生じることがないように最適化しつつ、膨張した空気袋14によるソフトな刺激を経絡方向に沿って連続して足に与える擦りマッサージができる。
【0047】
更に、この第2実施形態では、以上のように擦りマッサージ中にエアー給排気装置7の駆動を制御して空気袋14の膨張度合いを、人体形状、具体的には足の形状に応じて変化させることにより、一定の強さで擦りマッサージができるので、第1実施形態で採用した台進退装置を省略できて、構成の簡素化を図ることができる点で優れている。
【0048】
前記両実施形態において、マッサージ用空気袋の基準圧力は所定の圧力域とすることが制御の安定性を高める上で好ましい。両実施形態において、移動台は、1回だけ移動させてもよく、又は繰返し所定回数往復移動させてもよい。
【0049】
なお、本発明は、前記両実施形態に制約されるものではなく、マット式マッサージ機やベッド式マッサージ機などにも適用可能である。更に、本発明は、以上のように擦りマッサージをする空気袋以外に、他の施療要素をマッサージ機本体に設けて実施することは妨げない。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、膨張したままで移動される空気袋による人体への刺激具合を、人体形状に拘らずに最適化して擦りマッサージができるマッサージ機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る椅子式マッサージ機を示す斜視図。
【図2】図1のマッサージ機の背もたれ部を示す斜視図。
【図3】図2の背もたれ部を一部切欠いて示す側面図。
【図4】図1のマッサージ機の構成を示すブロック図。
【図5】(A)〜(D)は図1のマッサージ機に備付け可能な夫々異なる台進退装置を示す構成図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る椅子式マッサージ機の足載せ台ベース周りを人体の足とともに示す斜視図。
【図7】図6のマッサージ機の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…マッサージ機、2…椅子本体(マッサージ機本体)、7…エアー給排気装置、8…制御装置、11…マッサージユニット、12…台移動装置、13…移動台、14…マッサージ用空気袋、15…台進退装置、17…エアーチューブ、18…圧力センサ、22…足載せ台(移動台)
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッサージ機本体に支持された人体に、膨張した空気袋を当てて擦ることによって人体をマッサージするマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、椅子の背もたれが有した背フレームに、マッサージ用空気袋を、上下に移動しつつマッサージ可能に取付け、この空気袋を膨張完了後に移動機構で移動させることによって、背もたれに支持された人体の背中に当てられた膨張状態の空気袋で背中を経絡方向に沿って擦るマッサージを可能としたマッサージ機が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−8993号公報(段落0006−0009、0022−0037、図1−図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のマッサージ機は、膨張した空気袋を背もたれの上下方向に移動させてマッサージ可能範囲を拡大することは可能であるが、空気袋をその膨縮方向に移動させることはできない構成である。
【0005】
ところで、人体の例えば上半身の背面形状は、首から腰にかけて側面視概ねS字状に曲っていて、この曲面形状に個人差が有ることも知られている。
【0006】
このため、特許文献1のマッサージ機で、膨張した空気袋を背もたれの上下方向に移動させた際、人体の背中形状に応じて、背中に対するマッサージ用空気袋から作用する圧力に過不足を生じ易い。これにより、膨張した空気袋で背中に一定の刺激を与えつつ背中を上下方向に連続的に擦ってマッサージすることは、特許文献1のマッサージ機では困難である。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、膨張したままで移動される空気袋による人体への刺激具合を、人体形状に拘らずに最適化して擦りマッサージができるマッサージ機を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、人体を支持するマッサージ機本体に取付けられて、台移動装置により移動される移動台に、膨縮可能であってその膨張により本体上の人体を押圧するマッサージ用空気袋を取付け、この空気袋を、これにエアーを給排気し、移動台が移動される際に空気袋を膨張状態に保持するエアー給排気装置と接続し、かつ、移動台を台進退装置により空気袋の膨縮方向に進退可能に設けるとともに、台移動装置と台進退装置とを制御する制御装置によって、マッサージ動作において台移動装置を制御して移動台を移動させながら、空気袋の圧力を検出する圧力センサの検出圧力が基準圧力に保持されるように台進退装置の駆動を制御するようにしたものである。
【0009】
本発明では、エアー給排気装置により空気袋を所定の膨張状態に保持して、この空気袋を支持している移動台を台移動装置でマッサージ機本体の長手方向に移動できる。それにより、マッサージ機本体上に支持された人体の背中等に擦るような刺激を経絡方向に沿って連続して与える擦りマッサージができる。
【0010】
この擦りマッサージにおいて、圧力センサで検出される空気袋の圧力が入力される制御装置は、検出圧力が基準圧力に保持されるように台進退装置を制御する。すなわち、検出圧力が高くなった場合には、移動台が人体から離れる方向に後退するように台進退装置を制御し、検出圧力が低くなった場合には、移動台が人体に押付けられる方向に台進退装置を制御する。
【0011】
このように本発明では、所定の膨張状態を保持したマッサージ用空気袋を人体に押付けた状態で、この空気袋により人体を擦りながら、人体形状に応じて空気袋を自動的に進退させるので、人体に対する空気袋の擦り圧力に過不足を生じることがないように最適化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0013】
図1中に示す椅子式のマッサージ機1は、人体を支持するマッサージ機本体として機能する椅子本体2を備えている。この椅子本体2は、座部3と、背もたれ4と、アームレスト5とを有している。背もたれ4は、所定角度に固定されたものであっても、図示しないリクライニング機構により起倒可能に設けられたものであってもよい。座部3及び背もたれ4が連続する方向が椅子本体2の長手方向である。
【0014】
背もたれ4にはマッサージユニット11が取付けられている。このユニット11は、台移動装置12と、移動台13と、マッサージ用空気袋14と、台進退装置15とを備えている。
【0015】
図2及び図3に例示した台移動装置12は、上部ローラ12a及び下部ローラ12bと、複数例えば2本の無端環状の搬送ベルト12cと、両ローラ12a、12bの内の一方を回転駆動させる駆動部12d(図3参照)とを有している。上部ローラ12aは背もたれ4の上部に回転可能に取付けられ、下部ローラ12bは背もたれ4の下端部に回転可能に取付けられている。これら両ローラ12a、12bは、夫々背もたれ4の幅方向に延びていて、互いに平行に配置されている。両搬送ベルト12cは、背もたれ4の幅方向に所定間隔を置いて、両ローラ12a、12bにわたって巻き掛けて張設されている。駆動部12dには正逆回転可能な歯車減速機付きの電動モータ等が用いられている。この駆動部12dに例えば下部ローラ12bが連結されている。
【0016】
台移動装置12の両搬送ベルト12cの正面部分は、背もたれ4の内表面4a(図2参照)上に配置されている。この正面部分を横断して移動台13が両搬送ベルト12c上にこれらに固定されることなく配置されている。この移動台13は、台移動装置12の駆動により無端走行する搬送ベルト12c及び台進退装置15を介して背もたれ4の長手方向、言い換えれば、マッサージ機本体の長手方向に移動可能である。移動台13は、背もたれ4の幅方向に延びる長四角形状をなしている。
【0017】
この移動台13上に空気袋14が取付けられている。この空気袋14は後述のエアー給排気装置7によって膨縮が可能である。非膨張状態の空気袋14は移動台13と同様に長四角形状であり、この空気袋14は、膨張した時には、人体の正中線を横切るようになって、人体の縦方向に走る左右12対の経絡を複数同時に刺激できる大きさに作られている。なお、背もたれ4は柔軟な材料からなるカバーを有しており、このカバーによって背もたれ4の内表面4aが被われているので、搬送ベルト12c、移動台13、及び空気袋14は外部から視認されることがない。
【0018】
台進退装置15は、両搬送ベルト12cの正面部分の裏側に固定されていて、移動台13の裏側に配置されている。なお、図2及び図3中符号4bは、搬送ベルト12cによって移動される台進退装置15の移動を許す背もたれ4の逃げ部を示している。台進退装置15は、移動台13を支持していて、この移動台13を空気袋14の膨縮方向に進退させる機能を有している。ここに、移動台13が前進するとは人体に近付く方向に移動台13が動くことを指し、この逆に移動台13が後退するとは人体から遠ざかる方向に移動台13が動くことを指している。
【0019】
この進退機能を実現する構成を図5(A)〜(D)に夫々例示する。図5(A)の例では、搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15a内に正逆回転可能な減速機付き電動モータ15bを固定するとともに、移動台13を支持しているラック15cを、電動モータ15bの出力軸に固定したピニオン歯車15dに噛み合わせている。移動台13と直交する方向に延びるラック15cは、その一端を移動台13の裏面に連結されてこの移動台13を支持しているとともに、進退装置フレーム15aに設けた図示しないサポートに移動可能に支持されている。この図5(A)の台進退装置15では、電動モータ15bの正逆回転が、ピニオン歯車15dとラック15cとの噛み合いを介してラック15cの軸方向移動に変換されるので、このラック15cと一緒に移動台13を進退させることができる。
【0020】
図5(B)の例では、搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15a内に進退用空気袋15fを収容している。この空気袋15fは、移動台13に固定されていて、この移動台13と進退装置フレーム15aの受け部例えば底壁との間に挟まれていて、後述のエアー給排気装置7により給排気されて膨縮する。したがって、この図5(B)の台進退装置15では、空気袋15fの膨張の程度をエアー給排気装置7で調節することによって移動台13を進退させることができる。
【0021】
図5(C)の例では、台進退装置15が、搬送ベルト12cに固定されたエアーシリンダ15g、このシリンダ15gの一端を貫通したピストン軸15h、及びこのピストン軸15hの移動量を制御するエアー制御機構(図示しない)を有している。ピストン軸15hの突出端は移動台13の裏面に連結されてこの移動台13を支持している。したがって、この図5(C)の台進退装置15では、エアー制御によってピストン軸15hを軸方向に移動させることによって移動台13を進退させることができる。
【0022】
図5(D)の例では、搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15a内に正逆回転可能な減速機付き電動モータ15bを固定するとともに、この電動モータ15bの出力軸に固定した巻取りプーリ15iと移動台13とにわたって牽引ワイヤ15jが張設されている。更に、進退装置フレーム15a内に固定ばね受け15kを設けるとともに、この固定ばね受け15kを貫通して支持軸15lを軸方向に移動可能に設けている。この支持軸15lは進退装置フレーム15aから突出されて移動台13の裏面に連結されてこの移動台13を支持している。更に、支持軸15lが突出されるとともに搬送ベルト12cに固定された進退装置フレーム15aの壁を貫通して、移動台13と固定ばね受け15kとの間には、支持軸15lを巻いてコイルばね15mが設けられていて、このばね15mは移動台13を図5(D)中矢印方向に付勢している。したがって、この図5(D)の台進退装置15では、電動モータ15bの正転による巻取りプーリ15iへの牽引ワイヤ15jの巻取り加減、及び電動モータ15bの逆転による巻取りプーリ15iからの牽引ワイヤ15jの繰出し加減に応じて移動台13を進退させることができる。
【0023】
前記椅子本体2の座部3の下方空間には、駆動ユニット6が配置されている。この駆動ユニット6は、図4に示すようにエアー給排気装置7及び制御装置8を備えている。
【0024】
エアー給排気装置7は、図示しないエアーポンプ及び電磁弁等を備えていて、生成したエアーをマッサージ用空気袋14に給排気する。すなわち、エアー給排気装置7は、マッサージ時には空気袋14を所定の圧力で膨張させてその膨張状態に保持するとともに、非マッサージ時には空気袋14内の空気を排気するようになっている。図4中符号17は、エアー給排気装置7のポートと空気袋14のポートとに両端を接続して設けた連通管例えば可撓性のエアーチューブを示している。このエアーチューブ17の途中には空気袋14の圧力を検出するための圧力センサ18が取付けられている。
【0025】
制御装置8は、例えばマイクロコンピュータからなり、操作部例えばリモートコントローラ9からの入力信号によって動作されて、エアー給排気装置7、台移動装置12及び台進退装置15の駆動を制御するものである。この制御装置8は、まず、エアー給排気装置7を動作させた後に、台移動装置12を制御するとともに、この移動台13の移動の最中に必要により台進退装置15を制御する。
【0026】
詳しくは、制御装置8でエアー給排気装置7が制御されることによって、空気袋14への給気が行われ、圧力センサ18により検出される検出圧力が予め定められた圧力値(基準圧力)となった時点で、電磁弁等がエアー流路を閉切りとするように制御される。これにより、空気袋14への給気が停止されるとともに、この空気袋14が所定の膨張状態に保持される。
【0027】
この後に、制御装置8によって制御される台移動装置12は、空気袋14が取付けられた移動台13を、背もたれ4の長手方向、つまり、背もたれ4に支持された人体の背中における経絡が延びる方向に沿って移動させる。
【0028】
この場合、制御装置8は、圧力センサ18の検出圧力に基づいて必要により台移動装置12を制御する。つまり、人体の経絡方向に沿って台移動装置12により連続して移動される移動台13上の空気袋14に人体の背中部が与える荷重は、背中の形状に応じて、背中上部では大きく、腰部では小さく、更に、腰部直下では大きくなるので、それに従い空気袋14の内圧が変化する。
【0029】
この内圧は、圧力センサ18で検出され制御装置8に入力される。制御装置8は、検出圧力と空気袋14の基準圧力との圧力差を算出する圧力差演算部を有しているとともに、メモリ部等を有している。メモリ部には、例えば空気袋14の基準圧力と検出圧力との圧力差に応じて、この圧力差を解消させるのに必要な空気袋14の人体への押付け加減を定めたテーブルが記憶されている。
【0030】
このテーブルにしたがって制御装置8は、前記内圧(検出圧力)が基準圧力より大きい場合には、人体に対して空気袋14が軽く接するように、この空気袋14を支持した移動台13が人体から遠ざかる方向に後退されるように台進退装置15を制御する。同様に、制御装置8は、前記内圧(検出圧力)が基準圧力より小さい場合には、人体に対して空気袋14が強く接するように、この空気袋14を支持した移動台13が人体に近付く方向に前進されるように台進退装置15を制御する。
【0031】
したがって、椅子本体2に着座した使用者によってリモートコントローラ9が操作された場合に、マッサージ機1は以下の動作を行う。
【0032】
まず、制御装置8によりエアー給排気装置7が動作され空気袋14への給気がなされる。そして、この空気袋14が所定の膨張状態、すなわち、空気袋14の内圧が基準圧力となった状態に保持された段階で、エアー給排気装置7の動作が停止される。これにより、膨張した空気袋14によって背もたれ4に寄りかかっている人体の背中の一部が所定の圧力で押圧される。
【0033】
次に、制御装置8により台移動装置12を駆動させて、空気袋14を支持している移動台13を背もたれ4の上下方向(長手方向)に所定範囲にわたり連続して移動させる。これにより、人体の背中に擦るような刺激を経絡方向に沿って連続して与えて、背中をマッサージできる。
【0034】
この擦りマッサージにおいて、背中の湾曲形状により空気袋14が押圧され圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より高くなった場合には、制御装置8により台進退装置15が駆動されて、空気袋14を支持した移動台13を、前記検出圧力と基準圧力との圧力差に応じて背中から遠ざかるように後退させる。これにより、背中から受ける空気袋14の押圧が軽減されて、この空気袋14の内圧が減少する。空気袋14を後退させる台進退装置15の動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0035】
同様に、前記擦りマッサージにおいて、背中の湾曲形状により空気袋14の押圧が軽減されて圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より低くなった場合には、制御装置8により台進退装置15が駆動されて、空気袋14を支持した移動台13を、背中に強く押付けられるように前記検出圧力と基準圧力との圧力差に応じて前進させる。これにより、背中から受ける空気袋14の押圧が相対的に強められて、この空気袋14の内圧が高まる。空気袋14を前進させる台進退装置15の動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0036】
このように所定の膨張状態を保持した空気袋14を背中に押付けまま、この空気袋14で背中を擦るマッサージ中に、背中の曲面形状に応じて台進退装置15の駆動を制御装置8によって制御して、空気袋14を支持した移動台13を前進又は後退させるので、圧力センサ18が検出する空気袋14の圧力を基準圧力に保持できる。言い換えれば、背中に対する空気袋14の擦り圧力に過不足を生じることがないように最適化しつつ、膨張した空気袋14によるソフトな刺激を経絡方向に沿って連続して背中に与える擦りマッサージができる。
【0037】
図6及び図7は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる構成について説明する。
【0038】
図6及び図7中符号21は椅子本体2の一部をなす足載せ台ベースを示している。この足載せ台ベース21は、座部3の前端部に図示しない連結機構を介して回動可能に取付けられていて、図6に示す略水平な状態となる第1位置と、この第1位置から前下がりとなって略垂状態となる第2位置とにわたり回動でき、これら両位置間の任意位置で停止できる。
【0039】
足載せ台ベース21には移動台として機能する足載せ台22が足載せ台ベース21に沿って移動可能に支持されている。図6中符号21aは足載せ台ベース21の両側縁に夫々形成されたラックを示しており、これらには足載せ台22に取付けられた図示しない駆動歯車が噛み合わされていて、その噛み合いの変化により足載せ台22は図6中矢印方向に移動されるように設けられている。足載せ台22には、正逆回転可能な電動モータ及び歯車減速機等を有してなる台移動装置12(図7参照)が内蔵されている。この台移動装置12の駆動は制御装置8によって制御される。
【0040】
足載せ台22は、椅子本体2に着座した人体の足が出し入れされる一対の収容溝22aを有しており、これら収容溝22aを形成する溝側壁面の夫々にはマッサージ用空気袋14が配置されている。各空気袋14は、同期して膨縮されるように足載せ台22内で互いに連通されている。これら空気袋14にエアーを給排気するエアー給排気装置7は制御装置8により制御される。この場合、制御装置8は、圧力センサ18の検出圧力に従い、人体の足に対する擦りマッサージにおいて各空気袋14の内圧が一定に保持されるように各空気袋14に対する給排気量を変化させる制御を実行するようになっている。この制御の基準として制御装置8が有する比較器が用いられる。この比較器は、検出圧力が基準圧力を下回るか上回るかを比較するものである。なお、第2実施形態では第1実施形態で用いた台進退装置15は使用されていないとともに、以上説明した事項以外は第1実施形態と同じである。
【0041】
この第2実施形態で、椅子本体2に着座した使用者によってリモートコントローラ9が操作された場合に、マッサージ機1は以下の動作を行う。
【0042】
まず、制御装置8によりエアー給排気装置7が動作され各空気袋14への給気が同期してなされる。そして、この空気袋14を所定の膨張状態、すなわち、空気袋14の内圧が基準圧力となった状態に保持された段階で、エアー給排気装置7の動作が一旦停止される。これにより、膨張した空気袋14によって足載せ台22の収容溝22aに収容された足が幅方向両側から所定の圧力で押圧される。
【0043】
次に、制御装置8により台移動装置12を駆動させて、空気袋14を支持している足載せ台22を足載せ台ベース21に沿って所定範囲にわたり連続して移動させる。これにより、人体の足に擦るような刺激を経絡が延びる方向に沿って連続して与えて、足をマッサージすることができる。
【0044】
この擦りマッサージにおいて、足載せ台22が足首側から膝側に移動する場合のように、足の形状に応じて空気袋14が押圧され圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より高い場合には、制御装置8によりエアー給排気装置7が動作をするように駆動される。これにより、空気袋14が多少収縮されるので、空気袋14の内圧が減少する。この空気袋14からの排気動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0045】
同様に、前記擦りマッサージにおいて、足載せ台22が膝側から足首側に移動する場合のように、足の形状に応じて空気袋14の押圧が軽減されて圧力センサ18が検出する圧力が基準圧力より低い場合には、制御装置8によりエアー給排気装置7が空気袋14に給気をするように駆動されて、空気袋14を膨張させる。これにより、空気袋14の内圧が高まる。この空気袋14への給気動作は、圧力センサ18が基準圧力を検出するようになるまで継続される。
【0046】
このように所定の膨張状態とされた空気袋14を足に押付けたまま、この空気袋14で足を擦るマッサージ中に、足の形状に応じてエアー給排気装置7の駆動を制御装置8によって制御して、空気袋14に対する給排気量を変化させたので、圧力センサ18が検出する空気袋14の圧力を基準圧力に保持できる。言い換えれば、足に対する空気袋14の擦り圧力に過不足を生じることがないように最適化しつつ、膨張した空気袋14によるソフトな刺激を経絡方向に沿って連続して足に与える擦りマッサージができる。
【0047】
更に、この第2実施形態では、以上のように擦りマッサージ中にエアー給排気装置7の駆動を制御して空気袋14の膨張度合いを、人体形状、具体的には足の形状に応じて変化させることにより、一定の強さで擦りマッサージができるので、第1実施形態で採用した台進退装置を省略できて、構成の簡素化を図ることができる点で優れている。
【0048】
前記両実施形態において、マッサージ用空気袋の基準圧力は所定の圧力域とすることが制御の安定性を高める上で好ましい。両実施形態において、移動台は、1回だけ移動させてもよく、又は繰返し所定回数往復移動させてもよい。
【0049】
なお、本発明は、前記両実施形態に制約されるものではなく、マット式マッサージ機やベッド式マッサージ機などにも適用可能である。更に、本発明は、以上のように擦りマッサージをする空気袋以外に、他の施療要素をマッサージ機本体に設けて実施することは妨げない。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、膨張したままで移動される空気袋による人体への刺激具合を、人体形状に拘らずに最適化して擦りマッサージができるマッサージ機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る椅子式マッサージ機を示す斜視図。
【図2】図1のマッサージ機の背もたれ部を示す斜視図。
【図3】図2の背もたれ部を一部切欠いて示す側面図。
【図4】図1のマッサージ機の構成を示すブロック図。
【図5】(A)〜(D)は図1のマッサージ機に備付け可能な夫々異なる台進退装置を示す構成図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る椅子式マッサージ機の足載せ台ベース周りを人体の足とともに示す斜視図。
【図7】図6のマッサージ機の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…マッサージ機、2…椅子本体(マッサージ機本体)、7…エアー給排気装置、8…制御装置、11…マッサージユニット、12…台移動装置、13…移動台、14…マッサージ用空気袋、15…台進退装置、17…エアーチューブ、18…圧力センサ、22…足載せ台(移動台)
Claims (2)
- 人体を支持するマッサージ機本体と、
このマッサージ機本体に移動可能に取付けられた移動台と、
この移動台を移動させる台移動装置と、
前記移動台に取付けられ、膨縮可能であってその膨張により前記人体を押圧するマッサージ用空気袋と、
この空気袋と接続して設けられこの空気袋にエアーを給排気するとともに前記移動台が移動される際には前記空気袋を膨張状態に保持するエアー給排気装置と、
前記空気袋の膨縮方向に前記移動台を進退させる台進退装置と、
前記空気袋の圧力を検出する圧力センサと、
マッサージ動作において前記台移動装置を制御して前記移動台を移動させながら、前記圧力センサの検出圧力が基準圧力に保持されるように前記台進退装置の駆動を制御する制御装置と、
を具備したマッサージ機。 - 人体を支持するマッサージ機本体と、
このマッサージ機本体に移動可能に取付けられた移動台と、
この移動台を移動させる台移動装置と、
前記移動台に取付けられ、膨縮可能であってその膨張により前記人体を押圧するマッサージ用空気袋と、
この空気袋と接続して設けられこの空気袋にエアーを給排気するエアー給排気装置と、
前記空気袋の圧力を検出する圧力センサと、
マッサージ動作において前記台移動装置を制御して前記移動台を移動させながら、前記圧力センサの検出圧力が基準圧力に保持されるように前記エアー給排気装置の駆動を制御して前記空気袋に対する給排気量を変化させる制御装置と、
を具備したマッサージ機。
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