JP2005033402A - 弾性表面波装置 - Google Patents

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JP2005033402A JP2003194868A JP2003194868A JP2005033402A JP 2005033402 A JP2005033402 A JP 2005033402A JP 2003194868 A JP2003194868 A JP 2003194868A JP 2003194868 A JP2003194868 A JP 2003194868A JP 2005033402 A JP2005033402 A JP 2005033402A
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acoustic wave
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Kenta Kurahashi
健太 倉橋
Masato Tose
誠人 戸瀬
Masatake Hayashi
誠剛 林
Akihiro Kitani
明弘 木谷
Ryosuke Sakai
亮介 坂井
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】ボンディングワイヤーとワイヤーボンディングパッドとの電気的接続の信頼性に優れた弾性表面波装置を提供する。
【解決手段】ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23が、基板4の長手方向においてインターデジタル電極5,6が設けられている領域の外側に位置しており、圧電薄膜24がインターデジタル電極5,6を覆うように形成されており、圧電薄膜24の全面を覆うように保護膜25が形成されており、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23とパッケージ2の電極ランド31〜35とがボンディングワイヤー41〜45により電気的に接続されており、かつワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23にボンディングワイヤー41〜45が接続されている部分に接合部補強樹脂46,47が付与されている、弾性表面波装置1。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば弾性表面波フィルタなどに用いられる弾性表面波装置に関し、より詳細には、基板上に電極、圧電薄膜及び保護膜が形成されている弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス基板上にIDT及びZnO薄膜が形成されている弾性表面波装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、図5(a)及び(b)に示す弾性表面波装置が開示されている。図5(a),(b)に示す弾性表面波装置101は、矩形板状のガラス基板102を有する。ガラス基板102の上面に、IDT電極103,104と、IDT電極103,104に接続された電極パッド105〜108とが形成されている。電極パッド105〜108は、例えばボンディングワイヤーによりパッケージに設けられた電極(図示せず)と電気的に接続される。
【0004】
また、弾性表面波装置101では、ボンディングワイヤーを接続する前に特性の測定が行われる。特性の測定に際しては、測定装置のプローブが電極パッド105〜108に当接される。この場合、電極パッド105〜108のプローブが当接された部分に傷が付くおそれがあった。そのため、傷が付いた部分にボンディングワイヤーを接合した場合、十分な強度でボンディングワイヤーが接合されなかったり、ボンディングワイヤーが外れたりするおそれがあった。従って、電極パッド105〜108は、図示のように大きな面積を有するように構成されており、プローブが当接される部分以外の部分でボンディングワイヤーの接合が行われていた。
【0005】
弾性表面波装置101では、図5(a)に示すように、インターデジタル電極103,104を覆うようにZnO薄膜109が積層されている。そして、ZnO薄膜109を保護するように、SiOなどからなる保護膜110が形成されていた。保護膜110は、ZnO薄膜109の全面を覆うように形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−178330号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電子機器の小型化及び低コスト化を図るために、電子部品の小型化が強く求められている。しかしながら、弾性表面波装置では、デジタル化の進行に伴って、IDT電極の対数を減らすことができないという問題があった。
【0008】
そのため、IDT電極103,104の形成されている領域が、弾性表面波装置101の平面形状において占める割合が大きくならざるを得なかった。
また、前述したように、電極パッド105〜108は、比較的大きな面積を有するように構成しなければならなかった。従って、IDT電極103,104の形成される領域を十分な面積とするには、電極パッド105〜108の面積を小さくし、かつ圧電薄膜109の端部109a,109bと電極パッド105〜108との間の距離をできるだけ縮めなければならなかった。
【0009】
しかしながら、電極パッド105〜108と、圧電薄膜109の端部109a,109bとを近づけると、保護膜110が電極パッド105〜108上に至るように形成しなければならなかった。
【0010】
そのため、図5(a)に示されているように、保護膜110に覆われていない電極パッド105〜108上の部分の面積をある程度大きくしなければならなかった。しかも、この電極パッド105〜108の露出部分において、上記のように測定に際してのプローブが当接される部分と、ワイヤーボンディングにより接合される部分とを確保しなければならなかった。
【0011】
また、電極パッド105〜106間の矢印Aで示す基板上の領域、及び電極パッド107,108間の矢印Bで示す基板上の領域が無駄な領域となっていた。従って、弾性表面波装置101では、上記のような種々の理由により小型化を図ることが困難であった。
【0012】
また、電極パッド105〜108は、通常Alからなり、ボンディングワイヤーはAuを用いて構成されていることが多い。そのため、ボンディングワイヤーを電極パッド105〜108に接合したとしても、高温環境下において接合強度が低下し、信頼性に支障をきたすおそれがあった。
【0013】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、十分な対数のインターデジタル電極を形成したとしても、小型化を図ることができ、かつボンディングワイヤーの電極パッドとの接合部分の接合強度が十分な大きさとされ得る、弾性表面波装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長手方向を有する基板と、前記基板上に形成されたインターデジタル電極と、ワイヤーボンディングパッドと、インターデジタル電極とワイヤーボンディングパッドとを結ぶ配線電極とを備え、前記ワイヤーボンディングパッドが、基板の前記長手方向においてインターデジタル電極が設けられている領域の外側の外側領域に位置しており、前記インターデジタル電極を覆うように、かつ前記ワイヤーボンディングパッドを覆わないように設けられた圧電薄膜と、前記圧電薄膜の全面を覆っており、かつ前記ワイヤーボンディングパッドを覆わないように設けられた保護膜と、電極パッドが設けられたパッケージと、前記ワイヤーボンディングパッドと前記パッケージの電極パッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されており、かつ前記ワイヤーボンディングパッドにボンディングワイヤーが接続されている部分においてワイヤーボンディングパッドに塗布されて硬化されている接合部補強樹脂材とをさらに備える、弾性表面波装置である。
【0015】
本発明のある特定の局面では、圧電薄膜の基板長手方向膜端部分の上方を覆うように前記保護膜上に設けられたダンピング材をさらに備えられる。
本発明に係る弾性表面波装置の他の特定の局面では、前記外側領域において、前記インターデジタル電極及び前記ワイヤーボンディングパッドに前記配線電極により接続された測定パッドをさらに備え、前記保護膜が、前記ワイヤーボンディングパッドと該測定パッドとを覆わないように設けられている。
【0016】
本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記保護膜が、前記測定パッドとワイヤーボンディングパッドとを接続しており、かつ前記外側領域に位置している配線電極部分を覆うように設けられている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置を示す模式的平面断面図である。
弾性表面波装置1では、パッケージ2に弾性表面波素子3が収納されている。
【0019】
パッケージ2は、凹部2aを有し、凹部2a内において弾性表面波素子3が導電性接着剤により固定されている。なお、図1では、パッケージ2の凹部2aを覆う蓋材は図示を省略されている。すなわち、凹部2aを閉成するように蓋材を取り付けることにより、弾性表面波素子3が封止されるように構成されている。
【0020】
弾性表面波素子3は、矩形板状のガラス基板4を用いて構成されている。なお、ガラス基板4に代えて、他の絶縁性材料からなる基板を用いてもよい。
図2及び図3を参照して、弾性表面波素子3の製造方法を説明することにより、弾性表面波素子3の構造を明らかにする。図2は、弾性表面波素子3のガラス基板4上に形成されている電極構造を示す模式的平面図である。ガラス基板4の一方主面には、Alを全面にスパッタリング等の薄膜形成法により形成した後、フォトリソグラフィーによりパターニングすることにより各種電極が形成されている。
【0021】
すなわち、弾性表面波素子3では、トランスバーサル型の表面波フィルタを構成するために、ガラス基板4上において、表面波伝搬方向において隔てられて、インターデジタル電極5,6が形成されている。インターデジタル電極5,6は、表面波伝搬方向において、すなわちガラス基板4の長さ方向において所定の距離を隔てて配置されている。インターデジタル電極5,6は、それぞれ、互いに間挿し合う電極指を有する一対のくし歯電極5a,5b,6a,6bを有する。
【0022】
以下においては、各種電極の位置を明確にするために、ガラス基板4の4つのコーナー部を、第1〜第4のコーナー部4a〜4dとして説明を行う。なお、第1のコーナー部4a及び第2のコーナー部4bは、ガラス基板4のインターデジタル電極5が設けられている領域の外側に位置している一方の短辺の両端に位置するコーナー部である。他方、第3,第4のコーナー部4c,4dは、ガラス基板4において、インターデジタル電極6が設けられている領域の外側に位置するガラス基板4の他方の短辺の両側に位置している。
【0023】
くし歯電極5aは、配線電極7a,7bにより、第1の特性測定用パッド8及び第1のワイヤーボンディングパッド9に電気的に接続されている。また、くし歯電極5bは、配線電極10により、第2の特性測定用パッド11及び第2のワイヤーボンディングパッド12に電気的に接続されている。
【0024】
第1の特性測定用パッド8は、第1のコーナー部4a近傍に配置されている。また、第1のワイヤーボンディングパッド9、第2のワイヤーボンディングパッド12及び第2の特性測定用パッド11は、第2のコーナー部4b近傍に配置されている。従って、くし歯電極5aに接続されている、第1の特性測定用パッド8と、第1のワイヤーボンディングパッド9とは、ガラス基板4の短辺に沿うように設けられた配線電極7bにより電気的に接続されている。
【0025】
さらに、本実施形態では、インターデジタル電極5,6間の領域において表面波伝搬方向と交差するように帯状の電極13が形成されている。この帯状の電極13の両端に配線電極14,15が接続されている。配線電極14,15は、ガラス基板4の長辺に沿うように該長辺近傍に配置されている。配線電極14の一方端部が第1のコーナー部4a近傍に延ばされており、第1のコーナー部4a近傍に設けられた第3の特性測定用パッド16に電気的に接続されている。同様に、配線電極20の一方端部は第2のコーナー部4b近傍に延ばされており、第2のコーナー部4b近傍に設けられた第3のワイヤーボンディングパッド17に電気的に接続されている。
【0026】
他方、くし歯電極6aは、配線電極18a,18bにより、第5の特性測定用パッド19と、第5のワイヤーボンディングパッド20とに電気的に接続されている。第5の特性測定用パッド19は、第3のコーナー部4cの近傍に配置されている。他方、第5のワイヤーボンディングパッド20は、第4のコーナー部4d近傍に配置されている。
【0027】
くし歯電極6bは、配線電極21により、第4の特性測定用パッド22及び第4のワイヤーボンディングパッド23に電気的に接続されている。特性測定用パッド22及びワイヤーボンディングパッド23は、第4のコーナー部4dの近傍に配置されている。
【0028】
弾性表面波素子3では、インターデジタル電極5,6を入力側IDT及び出力側IDTとするトランスバーサル型弾性表面波フィルタが構成されている。
弾性表面波素子3を得るにあたっては、図2に示した各種電極がパターニングにより形成された後、圧電薄膜としてZnO薄膜がガラス基板4の全面にスパッタリングにより形成される。しかる後、ZnO薄膜が、インターデジタル電極5,6が設けられている領域を覆い、かつワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23及び特性測定用パッド8,11,16,19,22が設けられている部分を、覆わないようにレジストが形成される。そして、レジストで覆われていない領域のZnO薄膜がウェットエッチングにより除去される。
【0029】
従って、図3(a)に示すように、ZnO薄膜24がガラス基板4上においてインターデジタル電極5,6を覆うように形成された構造が得られる。
図3(a)から明らかなように、ZnO薄膜24は、インターデジタル電極5,6が設けられている領域を被覆しているが、上述したワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23及び特性測定用パッド8,11,16,19,22が設けられている領域、すなわちガラス基板4の長さ方向両端近傍の外側領域C,Dを被覆していない。なお、「外側領域」とは、図3(a)において、ZnO薄膜24の基板4の長さ方向端部24a,24bの外側の領域をいうものとする。
【0030】
次に、ガラス基板4の全面に、SiOからなる保護膜がスパッタリングもしくは蒸着などの薄膜形成法により形成される。そして、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23及び特性測定用パッド8,11,16,19,22が設けられている領域が、反応性イオンエッチングによりドライエッチングされ、該領域上のSiO膜が除去される。このようにして、図3(b)に示す保護膜25が形成される。保護膜25は、ZnO薄膜24が形成されている領域を覆い、かつ外側領域C,Dの幅方向中央に延ばされている。外側領域C,Dにおいては、保護膜25は、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23及び特性測定用パッド8,11,16,19,22には至らないように形成されている。
【0031】
また、保護膜25は、配線電極7b,18bの外側領域C,Dの幅方向中央部に位置している部分を覆うように形成されている。従って、外側領域C,Dの幅方向中央部において配線電極7b,18bが保護膜25により被覆されているため、配線電極7b,18bの外側領域C,Dの幅方向中央部に位置している部分の腐食が生じ難い。
【0032】
次に、図3(b)に示すダンピング材26,27が印刷される。ダンピング材26,27としては、シリコーンゴムなどの適宜の質量負荷作用を有する絶縁性材料が用いられる。
【0033】
なお、弾性表面波素子3を得るにあたって、ここまでの工程は、実際にはマザーのウエハー上において行われ、しかる後、この弾性表面波素子3を得るように、マザーのウエハーが分割される。
【0034】
また、このようにSiOからなる保護膜25が、特性測定用パッド8,11,16,19,22を被覆していないため、マザーのウエハー上において、あるいは個々の弾性表面波素子3単位のチップに分割した後に、測定装置のプローブを特性測定用パッド8,11,16,19,22に当接させ、弾性表面波素子3の特性を測定することができる。このようにして、弾性表面波素子3の良品と不良品との選別を行うことができる。また、場合によっては、特性を測定した後に、その特性に応じてダンピング材26,27の塗布量を決定してもよい。
【0035】
次に、このようにして得られた弾性表面波素子3が、図1に示したパッケージ2に接合される。接合に際しては、パッケージ2の凹部2a上の電極ランド(図示せず)に、導電性接着剤を用いて、弾性表面波素子3が上記電極が形成されている面とは反対側の面から接合される。
【0036】
図1に示すように、パッケージ2の凹部2aの周囲には、凹部2aよりも高さが高い段差部2b,2cが設けられている。段差部2b,2cはパッケージ2の上面2dよりも低い位置に設けられている。そして、段差部2b,2cには、パッケージ側の電極ランド31〜33及び34,35が形成されている。
【0037】
また、パッケージ2には、外部と接続するための金属端子36〜40が接続されている。金属端子36〜40は、パッケージ2から外部に引き出されている。金属端子36は、パッケージ2内において、電極ランド31に電気的に接続されている。また、金属端子37は、パッケージ2内において、電極ランド32に接続されている。金属端子38は、パッケージ2内において、電極ランド33に電気的に接続されている。金属端子39は、パッケージ2内において、電極ランド34に、金属端子40は電極ランド35に、それぞれ電気的に接続されている。
【0038】
次に、弾性表面波素子3の各ワイヤーボンディングパッドを、ボンディングワイヤーを用いてパッケージ2の各電極ランドに電気的に接続する。すなわち、第1のワイヤーボンディングパッド9と、電極ランド31とをボンディングワイヤー41により電気的に接続する。同様に、第2のワイヤーボンディングパッド12と第2の電極ランド32とをボンディングワイヤー42により、第3のワイヤーボンディングパッド17と、第3の電極ランド33とをボンディングワイヤー43により電気的に接続する。
【0039】
また、コーナー部4d近傍においては、第4のワイヤーボンディングパッド23と、第4の電極ランド34とがボンディングワイヤー44により、第5のワイヤーボンディングパッド20と、第5の電極ランド35とを、ボンディングワイヤー45により電気的に接続する。このボンディングワイヤー41〜45による接続に際し、ボンディングワイヤー41〜45の端部は、特性測定用パッドではなく、プローブが当接されていないワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23に接合される。従って、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23の表面にプローブの接触により損傷が生じていないため、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23とボンディングワイヤー41〜45とを強固に接合することができる。しかも、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23は、特性測定用パッド8,11,16,19,22と分離されているため、図示のように非常に小さな面積を有するように形成され得る。同様に、特性測定用パッド8,11,16,19,22についても、従来の電極パッドに比べて小さくされ得る。
【0040】
次に、ボンディングワイヤー41〜45による接続後に、Si樹脂からなる接合部補強樹脂46,47が付与される。接合部補強樹脂46,47は、ボンディングワイヤー41〜43とワイヤーボンディングパッド9,12,17との接合部を補強するために、接合部補強樹脂47は、ボンディングワイヤー44,45とワイヤーボンディングパッド20,23との接合部分を補強するために付与される。接合部補強樹脂46,47の硬化により、ボンディングワイヤー41〜45とワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23との接合部分が補強されるとともに、ボンディングワイヤー41〜45が、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23から外れ難くなる。
【0041】
上記接合部補強樹脂としては、シリコーン樹脂などを用いることができ、該接合部補強樹脂を付与する方法は、ポッティング、あるいはスプレー塗布などにより行われ得る。
【0042】
本実施形態の弾性表面波装置1では、接続作業が終了した後、凹部2aを閉成するように図示しない蓋材がパッケージ2に固定される。このようにして、弾性表面波装置1が得られる。
【0043】
上記弾性表面波装置1では、圧電薄膜であるZnO薄膜23が保護膜24により覆われて保護されている。よって、圧電薄膜の劣化が生じ難い。
また、ワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23とボンディングワイヤー41〜45との接合部分に接合部補強樹脂46,47が付与され、硬化されているため、しかもワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23にプローブの接触による損傷が生じていないため、ボンディングワイヤー41〜45とワイヤーボンディングパッド9,12,17,20,23との接合強度が十分に高いだけでなく、該接合強度が接合後も維持され得る。
【0044】
また、接合部補強樹脂46,47は吸音効果を有し、従って、不要波が伝搬する方向に位置しているワイヤーボンディングパッド部分が接合部補強樹脂により被覆されているため、ダンピング材26,27の塗布領域を小さくすることができる。
【0045】
本実施形態の弾性表面波装置1では、接合補強樹脂46,47が、上記のような吸音効果、すなわちダンピング材26,27と同様の効果を発揮するため、小型化を図った場合であっても、電気的特性を改善することができる。具体的な実験例に基づき説明する。
【0046】
先ず、上記実施形態の弾性表面波装置1を、以下の仕様で作製した。すなわち、50×50×厚み1mmのガラス基板上に、Alからなり、電極指の対数が20である、インターデジタル電極5,6を形成した。また、ZnO薄膜を厚みが20μm、SiOからなる保護膜の厚みが1μmとした。ダンピング材としてシリコンを0.1mmの厚みに付与した。また、Auからなるボンディングワイヤーを接合し、接合部補強樹脂としてSi樹脂を接合部分に付与し、硬化させた。
【0047】
比較のために、上記接合部補強樹脂が付与されていないことを除いては、上記と同様にして構成された比較例の弾性表面波装置を構成した。図4の実線は、上記実施形態の弾性表面波装置の群遅延時間−周波数特性を、破線は比較例の弾性表面波装置の群遅延時間−周波数特性を示す。
【0048】
図4から明らかなように、接合部補強樹脂の存在により、比較例に比べて実施形態では、十分なダンピング効果が得られていることがわかる。
すなわち、群遅延時間は、隣り合う波形の山と谷の差を測定しており、この山と谷の差が小さい方がよい。Si樹脂有の場合、Si樹脂無の場合と比較して波形の山と谷の差が小さくなっていることがわかる。
【0049】
なお、上述した実施形態ではダンピング材26,27を塗布したが、ダンピング材26,27を塗布せずともよい。すなわち、本実施形態において、ダンピング材26,27を付与することなく、弾性表面波素子のワイヤーボンディングパッドと、パッケージの電極ランドとをボンディングワイヤーにより電気的に接続し、接合部保護樹脂を接合部分に塗布してもよい。
【0050】
上述した実施形態では、トランスバーサル型弾性表面波フィルタに適用した例を示したが、本発明において、上記弾性表面波素子3としては、トランスバーサル型弾性表面波フィルタに限らず、他の電極構造を有する弾性表面波フィルタや弾性表面波共振子にも本発明を適用することができる。
【0051】
また、圧電薄膜としては、ZnO薄膜以外に、Ta薄膜などの圧電材料からなる薄膜を用いてもよい。さらに、保護膜についても、SiOだけでなく、Alなどにより構成されていてもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る弾性表面波装置では、長手方向を有する基板上において、インターデジタル電極が設けられている領域の上記長手方向外側にワイヤーボンディングパッドが設けられており、インターデジタル電極を覆うように、ワイヤーボンディングパッドを覆わないように圧電薄膜が設けられている。そして、圧電薄膜の全面が、保護膜により覆われているため、圧電薄膜が保護膜により確実に保護される。また、保護膜は、ワイヤーボンディングパッドを覆わないように設けられているので、パッケージの電極パッドとワイヤーボンディングパッドとボンディングワイヤーにより電気的に接続するに際し、ボンディングワイヤーをワイヤーボンディングパッドに容易に接合することができる。加えて、ワイヤーボンディングパッドにおいてボンディングワイヤーが接続されている部分に接合部補強樹脂が塗布され、硬化されているため、ボンディングワイヤーとワイヤーボンディングパッドとの接合強度が接合後にも補強樹脂により維持されるとともに、高温環境下における接合部の接合強度の低下が生じ難い。
【0053】
従って、基板上にインターデジタル電極及び圧電薄膜が形成されている構造を有する弾性表面波装置において、ボンディングワイヤーによる接合部及び圧電薄膜の劣化を抑制でき、信頼性に優れた弾性表面波装置を提供することができる。
【0054】
圧電薄膜の基板長手方向膜端部分の上方を覆うように保護膜上にダンピング材が設けられている場合には、ダンピング材により不要波を抑圧することができるとともに、周波数調整を行うことができる。
【0055】
また、基板上に、インターデジタル電極に接続された複数の測定パッドがさらに備えられており、保護膜が、ワイヤーボンディングパッドと測定パッドとを覆わないように設けられている構造においては、特性測定用パッドにプローブが当接されて弾性表面波装置の特性が測定される。従って、ワイヤーボンディングパッド表面にプローブの当接による損傷が生じ難い。よって、ボンディングワイヤーとワイヤーボンディングパッドとの接続の信頼性をより一層高めることができる。
【0056】
保護膜が、測定パッドとワイヤーボンディングパッドとを接続する配線電極を覆うように設けられている場合には、配線電極が保護膜により確実に保護される。
【0057】
また、従来の弾性表面波装置では、電極パッドを大きくし、1つの電極パッドにおいて特性測定に際してプローブが接触される部分と、ボンディングが接合される部分とを設けていたのに対し、特性測定用パッドとワイヤーボンディングパッドとを分離した構造では、特性測定用パッド及びワイヤーボンディングパッドの面積を小さくすることができる。すなわち、1つの電極パッドを併用する場合には、プローブが接触される部分の位置ばらつきやボンディングワイヤーが接合される部分のばらつきを考慮し、かつプローブが当接されることにより損傷した部分にボンディングワイヤーが接合されることを防止するために、大きな電極パッドを形成しなければならなかった。これに対して、特性測定用パッドと、ワイヤーボンディングパッドとを分離した構造では、両者の面積をそれぞれ小さくすることができ、従って、より一層小型の弾性表面波装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置の蓋材を除去した状態を示す模式的平面図。
【図2】本発明の一実施形態で用いられる弾性表面波素子を製造する工程を示す平面図。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態で用いられる弾性表面波素子を製造する工程を示す図であり、(a)はZnO薄膜が形成された後の状態を示す平面図であり、(b)は本発明の一実施形態において得られた弾性表面波素子を示す平面図。
【図4】接合部補強樹脂が設けられていない比較例と、本発明の一実施例の弾性表面波装置の周波数特性を示す図。
【図5】(a)及び(b)は、従来の弾性表面波装置の一例を説明するための平面図及び正面断面図。
【符号の説明】
1…弾性表面波装置
2…パッケージ
2a…凹部
2b…段差部
2c…段差部
2d…上面
3…弾性表面波素子
4…ガラス基板
4a〜4d…第1〜第4のコーナー部
5,6…インターデジタル電極
5a,5b,6a,6b…くし歯電極
7a,7b…配線電極
8…第1の特性測定用パッド
9…第1のワイヤーボンディングパッド
10…配線電極
11…第2の特性測定用パッド
12…第2のワイヤーボンディングパッド
13…電極
14,15…配線電極
16…第3の特性測定用パッド
17…第3のワイヤーボンディングパッド
18a,18b…配線電極
19…第5の特性測定用パッド
20…第5のワイヤーボンディングパッド
21…配線電極
22…第4の特性測定用パッド
23…第4のワイヤーボンディングパッド
24…ZnO薄膜
25…保護膜
26,27…ダンピング材
31〜35…第1〜第5の電極ランド
36〜40…金属端子
41〜45…ボンディングワイヤー
46,47…接合部補強樹脂

Claims (4)

  1. 長手方向を有する基板と、前記基板上に形成されたインターデジタル電極と、ワイヤーボンディングパッドと、インターデジタル電極とワイヤーボンディングパッドとを結ぶ配線電極とを備え、
    前記ワイヤーボンディングパッドが、基板の前記長手方向においてインターデジタル電極が設けられている領域の外側の外側領域に位置しており、
    前記インターデジタル電極を覆うように、かつ前記ワイヤーボンディングパッドを覆わないように設けられた圧電薄膜と、
    前記圧電薄膜の全面を覆っており、かつ前記ワイヤーボンディングパッドを覆わないように設けられた保護膜と、
    電極パッドが設けられたパッケージと、
    前記ワイヤーボンディングパッドと前記パッケージの電極パッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されており、かつ前記ワイヤーボンディングパッドにボンディングワイヤーが接続されている部分においてワイヤーボンディングパッドに塗布されて硬化されている接合部補強樹脂材とをさらに備える、弾性表面波装置。
  2. 圧電薄膜の基板長手方向膜端部分の上方を覆うように前記保護膜上に設けられたダンピング材をさらに備える、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記外側領域において、前記インターデジタル電極及び前記ワイヤーボンディングパッドに前記配線電極により接続された測定パッドをさらに備え、前記保護膜が、前記ワイヤーボンディングパッドと該測定パッドとを覆わないように設けられている、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記保護膜が、前記測定パッドとワイヤーボンディングパッドとを接続しており、かつ前記外側領域に位置している配線電極部分を覆うように設けられている、請求項3に記載の弾性表面波装置。
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