JP2005031244A - 光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でありながら、通信に必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することが可能な光モジュールを提供する。
【解決手段】光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有すると共に、光ファイバ60を、その入射側端面60Tに光束70を導くように保持するスリーブ20を備え、光ファイバ60を取り外した場合には、光束70のうちの少なくとも一部が内壁面21を照射するようにこのスリーブ20を構成したので、内壁面21において光束70の一部が吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱される。よって、外部に漏れる光量を、光ファイバ60に入射する光量よりも小さくすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有すると共に、光ファイバ60を、その入射側端面60Tに光束70を導くように保持するスリーブ20を備え、光ファイバ60を取り外した場合には、光束70のうちの少なくとも一部が内壁面21を照射するようにこのスリーブ20を構成したので、内壁面21において光束70の一部が吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱される。よって、外部に漏れる光量を、光ファイバ60に入射する光量よりも小さくすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光束を光ファイバに入射するように構成された光モジュールに関し、特に、光通信用に用いられる光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光通信の分野において、例えば半導体レーザなどの発光素子からの射出光を光ファイバに入射するための光学部品として、光モジュールが使用されている。このような光モジュールは、半導体レーザからの射出光を光ファイバの端面に集光するレンズと、光ファイバとを保持するホルダを備えており、半導体レーザと光ファイバとを光学的に結合する構造をなしている。
【0003】
このような光モジュールを使用している際に、誤って光ファイバを光モジュールのホルダから引き抜いてしまった場合には半導体レーザからの射出光がそのまま外部に射出されることとなり、人体に危険である。このため、一般にレーザを使用する機器に対しては、人体に対する安全性を確保するため、例えば光量に関して危険度に応じたレーザ安全基準が設定されている。特に、光モジュールに関しては、クラス1という基準を満足することが望まれる。クラス1とは、どんな条件下であっても人間の眼に対する最大許容露光量を超えることなく、設計段階で安全が確保された、使用上、特段の管理を必要としないレベルを意味する。
【0004】
このようなクラス1のレーザ安全基準を満たすための最も簡単な方法は、半導体レーザからの射出光量を、クラス1のレーザ安全基準を満たす範囲内となるように抑制することである。しかし、半導体レーザからの射出光量を低下させてしまうことにより、本来必要な強度の信号が得られずに、安定した光通信が困難となる場合も生じる。したがって、このような場合には、安全基準をクラス2とし、射出光量を上げざるを得ない。
【0005】
上記の問題を解決するものとして、例えば、特許文献1に開示された光モジュールがある。この光モジュールは、ホルダが、レンズと光ファイバの端面位置との間に円形開口を有することにより、レンズを通過した集束光のうちの光ファイバに入射しない不要光を遮蔽するようにしたものである。すなわち、レンズからの集束光のうちの、不要光の分だけ光量を低減することができる
【0006】
【特許文献1】
特開平9−311255号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の光モジュールでは、光ファイバを取り外した際に、本来光ファイバに入射するべき集束光(必要光)が全て外部に漏れてしまうことも考えられる。すなわち、光ファイバを取り外した際に光モジュールから漏れる射出光量を、光ファイバに入射される必要光よりも小さくすることは事実上困難である。したがって、上記必要光は、必然的にレーザ安全基準を満たす範囲内に制限される。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成でありながら、通信に必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することが可能な光モジュールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係る光モジュールは、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、光束のうちの少なくとも一部が内壁面を照射するように構成されたものである。ここで、「光束」とは、三次元的な空間の広がりを有する光を意味する。
【0010】
本発明の第2の観点に係る光モジュールは、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、以下の条件式(1)および条件式(2)を満足するように構成されたものである。但し、Lは空間領域における中心軸方向に沿った距離(長さ)であり、Θは光ファイバに導かれる光束の最外縁光線と空間領域の中心軸とのなす角度であり、Hは空間領域の中心軸に対する光束の中心の高さ、すなわち、入射側端面の位置における最外縁光線と空間領域の中心軸との距離であり、Rは空間領域における中心軸と直交する方向に沿った距離(高さ)であり、Dは光ファイバのコア外径である。ここで、最外縁光線とは、光束の最も外側を形成し、光束の広がりの大きさを規定する光線である。
L×tanΘ+H>R/2 ……(1)
0≦H≦D/2 ……(2)
【0011】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールでは、上記の構成により、光ファイバを取り外した場合には、ファイバ保持部材の空間領域を規定する内壁面において光束の一部が吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱される。また、特に第2の観点に係る光モジュールでは、上記条件式(2)を満足するので、光束の大部分を光ファイバのコアに入射することができる。
【0012】
本発明の第1の観点に係る光モジュールでは、入射側端面における光束の外径が、光ファイバのコア外径よりも小さいことが望ましい。
【0013】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールでは、ファイバ保持部材が、開口数が0.3以上の光ファイバを保持するものであることが望ましい。また、光源と、この光源からの射出光束を集束することにより光ファイバの入射側端面に光束を導く集光レンズとをファイバ保持部材と共に一体に構成されるようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、空間領域の中心軸方向(各図のX軸方向)における距離を「長さ」と表記すると共に、空間領域の中心軸と直交する方向(各図のY軸方向)における距離を「高さ」と表記する。さらに、最外縁光線を含む断面(XY平面)における空間領域の中心軸からみてY軸+側を「上側」と表記し、Y軸−側を「下側」と表記する。また、空間領域の中心軸方向において、スリーブ20(後出)からみて半導体レーザ11(後出)の側を「入射側」と表記し、その反対側(光ファイバの側)を「射出側」と表記する。
【0015】
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る光モジュールの構成について説明する。図1は、本実施の形態の光モジュール1の内部構成を表す断面図である。ここで、図1(A)は、光ファイバ60(後出)を保持しない状態を示し、図1(B)は、光ファイバ60を保持する状態を示すものである。
【0016】
光モジュール1は、光通信を行う際に、例えば半導体レーザ等の発光素子からの射出光を光ファイバ60に導くように機能する光学部品である。光モジュール1は、光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有するスリーブ20を備えており、このスリーブ20が、空間領域20Aに挿入される光ファイバ60を、その入射側端面60Tに光束を導くように保持するようになっている。このスリーブ20は、光ファイバ60を取り外した場合には、光束のうちの少なくとも一部が内壁面21を照射するように構成されている。換言すると、スリーブ20は、以下の条件式(1)および(2)を満足するように構成されている。但し、Lは空間領域20Aの長さであり、Θは光束の最外縁光線と空間領域の中心軸Z1とのなす角度であり、Hは中心軸Z1に対する光束の中心の高さであり、Rは空間領域20Aの高さであり、さらに Dは光ファイバ60のコア60Aの外径である。以下の条件式(1)および(2)の詳細については、後述する作用の説明において触れることとする。
L×tanΘ+H>R/2 ……(1)
0≦H≦D/2 ……(2)
以下、光モジュール1の構成について、より具体的に説明する。
【0017】
図1に示したように、光モジュール1は、中心軸Z1に沿って、入射側からホルダ10とスリーブ20とハウジング30とを順に備えている。
【0018】
ホルダ10は、中心軸Z1を中心とする空洞領域を有し、中心軸Z1上に、光源としての半導体レーザ11と、集光レンズ12とを保持している。半導体レーザ11は、内部に半導体素子(図示せず)を備えており、凸部11Aがホルダ10の係止部10Aに突き当たることにより位置決めがなされるようになっている。集光レンズ12は、例えば、正の屈折力を有する単レンズであり、周縁部がホルダ10の係止部10Bに突き当たることにより位置決めがなされるようになっている。集光レンズ12の開口数は、光ファイバ60の開口数よりも小さい。
【0019】
スリーブ20は、例えばステンレス鋼などからなり、光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有し、光ファイバ60を保持するように機能するものである。空間領域20Aは、中心軸Z1に沿った方向の長さがLであると共に、中心軸Z1を中心とする半径がR/2である円柱形状をなしている。長さLは、例えば約4mmである。半径R/2は、例えば1.25mmφ程度である。さらに、スリーブ20には、光ファイバ60の入射側端面60TにおけるX軸方向の位置、すなわち入射側端面位置20Tを決める係止部22が形成されている。この係止部22から、集光レンズ12とは反対側(すなわち、射出側)の開口端23Kまでの長さが空間領域20Aの長さLに相当する。ここで、スリーブ20が、本発明の「ファイバ保持部材」に対応する一具体例である。
【0020】
図1(B)に示したように、光ファイバ60は、例えば、比較的高い屈折率を示すプラスチックからなり、光束が伝搬する光路となる円柱形状のコア60Aと、比較的低い屈折率を示すプラスチックからなり、コア60Aの周囲を長手方向に覆うクラッド60Bとを備えている。特に、光ファイバ60は、開口数が0.3以上であることが望ましい。コア60Aの外径Dは、例えば0.44mmφであり、クラッド60Bの外径は、例えば0.5mmφである。このような光ファイバ60に適用した場合には、スリーブ20における空間領域20Aの長さLを比較的短くでき、よりコンパクトな構成となる。光ファイバ60は、その最大受光角(開口数NAに相当する角度)よりも小さな角度でコア60Aに入射した光線に対し、コア60Aとクラッド60Bとの境界面60Cにおいて全反射を繰り返し行うことによって伝搬するように機能する。光ファイバ60は、さらにその周囲を、例えば酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる円筒状のフェルール61によって覆われ、保護された状態で空間領域20Aに挿入され、光ファイバ60の中心軸と空間領域の中心軸Z1とが一致するようにスリーブ20に保持される。
【0021】
ハウジング30は、スリーブ20の外周面側に装着され、例えば、光ファイバ60を保護するフェルール61を保持するフレーム(図示せず)と嵌合するようになっている。
【0022】
次に、図2ないし図4を参照して、光モジュール1の作用について説明する。
【0023】
この光モジュール1では、光源としての半導体レーザ11から射出された射出光が集光レンズ12によって集光されたのち、光束70として入射側端面位置20Tにおいて光ファイバ60の入射側端面60Tからコア60Aに入射するようになっている。ここでは、光束70の入射側端面位置20T上における集光点Pの位置によって3つのパターンに分類し、順に光モジュール1の作用について説明する。図2ないし図4は、いずれも半導体レーザ11からの射出光が集光レンズ12を経て入射側端面60Tを照射している状態のまま、光ファイバ60を取り外した状態を示すものである。但し、図2ないし図4には、光ファイバ60を保持した場合における境界面60Cの位置を破線で示している。
【0024】
まず、図2を参照して、第1のパターンについて説明する。
【0025】
図2は、最外縁光線が、入射位置T1において入射側端面位置20Tを通過する場合を説明する断面図である。すなわち、集光点Pは、中心軸Z1上に位置しており、この場合の最外縁光線を特に光線71と表記する。
【0026】
図2に示したように、光線71は中心軸Z1上の入射位置T1を通過したのち開口端23Kに達している。ここで、光線71と中心軸Z1とのなす角ΘをΘ=θ1とすると、光線71は、角度Θがθ1よりも大きい(Θ>θ1)場合に内壁面21において反射されたのち開口部23から外部に放出される。この場合、光線71のエネルギーの一部が内壁面21において吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱されるので外部に放出される光量が減衰する。一方、角度Θがθ1と同等である(Θ=θ1)かθ1よりも小さい(Θ<θ1)場合には、光線71は内壁面21を照射することなくそのまま開口部23から放出される。この場合には、光線71のエネルギーは保存されたままであり、光量は減衰しない。
【0027】
上記を数式で表すと、図2に示したように、
L×tanθ1=R/2 ……(3)
の関係がある。ここで、Lは空間領域20Aの長さであり、Rは空間領域20Aの高さである。従って、以下の条件式(4)を満足する場合に光線71が内壁面21において吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱されるので、光線71の光量が減衰することとなる。
L×tanΘ>R/2 ……(4)
但し、Θ>θ1である。
【0028】
次に、図3を参照して、第2のパターンについて説明する。
【0029】
図3は、最外縁光線が、入射位置T2において入射側端面位置20Tを通過する場合を説明する断面図である。すなわち、集光点Pは、中心軸Z1から上側にD/2の高さ分だけ移動した境界面60C上にある。この場合の、集光点Pの通過後における上側の最外縁光線を特に光線72と表記する。
【0030】
図3に示したように、光線72は入射位置T2を通過したのち上側の開口端23Kに達している。ここで、光線72と中心軸Z1とのなす角度ΘをΘ=θ2とすると、
L×tanθ2+D/2=R/2 ……(5)
という関係となっている。このため、光線72が、内壁面21において吸収もしくは反射散乱される条件、または吸収および反射散乱される条件は、以下の条件式(6)で表すことができる。但し、Θ>θ2である。
L×tanΘ+D/2>R/2 ……(6)
【0031】
なお、図3では、集光点Pが、入射側端面位置20Tにおいて上側に高さD/2だけ移動する場合を示したが、特に集光点Pの移動する方向は限定されるものではない。すなわち、入射側端面位置20Tにおける中心軸Z1と直交する方向であれば、いずれの方向においても高さD/2だけ移動する場合(高さD/2だけ中心軸Z1から遠ざかる場合)に上記の条件式(6)を適用することができる。
【0032】
次に、図4を参照して、第3のパターンについて説明する。
【0033】
図3に示した上記第2のパターンでは、集光点Pが、入射側端面位置20Tにおいて上側に高さD/2だけ移動する場合を示したが、図4に示した第3のパターンは、集光点Pが、高さD/2よりも小さい高さHだけ移動した場合を示すものである。この場合の、集光点Pの通過後における上側の最外縁光線を特に光線73と表記する。
【0034】
図4に示したように、光線73は入射位置T3を通過したのち上側の開口端23Kに達している。ここで、光線73と中心軸Z1とのなす角度ΘをΘ=θ3とすると、
L×tanθ3+H=R/2 ……(7)
という関係となっている。このため、光線72が、内壁面21において吸収もしくは反射散乱される条件、または吸収および反射散乱される条件は、上記条件式(1)で表すことができる。但し、Θ>θ3である。
【0035】
図4において、高さHが小さくなり0に近づく(H→0)と、すなわち、入射位置T3が中心軸Z1に近づくと、角度θ3は大きくなり図2に示したθ1に近づく(θ3→θ1)。ここで、高さH=0になると、角度θ3=θ1となり、条件式(7)は条件式(3)と等しくなる。したがって、条件式(7)において高さH=0である(すなわち、角度θ3がθ1と等しい)特殊な場合が、条件式(3)で表される状態(すなわち、第1のパターン)に相当する。一方、図4において、高さHが大きくなりD/2に近づく(H→D/2)と、すなわち、入射位置T3が入射位置T2に近づくと、角度θ3は小さくなり図3に示したθ2に近づく(θ3→θ2)。ここで、高さH=D/2となると、角度θ3=θ2となり、条件式(7)は条件式(5)と等しくなる。したがって、条件式(7)において高さHがD/2と等しい(すなわち、角度θ3がθ2と等しい)特殊な場合が、条件式(5)で表される状態(すなわち、第2のパターン)に相当する。
【0036】
従って、上記第1および第2のパターンにおける条件式(4)および条件式(6)は、いずれも条件式(1)に含めることができる。すなわち、第1ないし第3のパターンのいずれにおいても、空間領域20Aのサイズが定められている場合、条件式(1)を満たすように角度Θおよび高さHの2つのパラメータを設定することによって、光ファイバ60を取り外した際に光束70の最外縁光線を、内壁面21において吸収もしくは反射散乱させて、または吸収および反射散乱させて減衰させることができる。
【0037】
また、光モジュール1は、条件式(2)を満足することにより、集光レンズ12からの光束70が、クラッド60Bに入射することなくコア60Aにほとんど全て入射することとなる。例えば、図4に示した第3のパターンにおいて、仮に入射位置T3を境界面60Cよりも中心軸Z1とは反対側、すなわち、内壁面21に近い側とした場合には、光ファイバ60に入射する際に光線73がクラッド60Bの内部を伝搬する不要光となり、通信に必要とされる光量が不足してしまうだけでなく通信品質の劣化をも招く可能性が生じる。これに対し、入射位置T3を境界面60Cと等しい位置、または中心軸Z1側に設けるようにすることにより、クラッド60Bに入射するような不要光の発生を防ぐことができる。
【0038】
さらに、集光点Pが入射端面位置20Tに対してX軸方向にずれるなどして、入射端面位置20Tにおける光束70に広がりが生じる場合であっても、入射側端面位置20Tにおける光束70の外径をコア60Aの外径Dよりも小さくすることにより、不要光の発生を防ぐことができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態によれば、光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有すると共に、空間領域20Aに挿入される光ファイバ60を、その入射側端面60Tに光束70を導くように保持するスリーブ20を備え、光ファイバ60を取り外した場合には、このスリーブ20が所定の条件式(1)を満足するように、すなわち光束70のうちの少なくとも一部が内壁面21を照射するように構成したので、必ず光束70の一部のエネルギーを内壁面21によって吸収もしくは反射散乱し、または吸収および反射散乱し、開口部23から放出される光量を低減することができる。よって、安定した光通信を行うのに必要な光量の光を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には、外部に漏れる光量を光ファイバに入射する光量よりも小さくすることができる。この結果、例えば、クラス1のレーザ安全基準を満たす場合においても、従来よりも安定した光通信を行うことができる。
【0040】
特に、入射側端面60Tにおける光束70の外径が、光ファイバ60のコア外径Dよりも小さくなるようにしたので、または、条件式(2)を満足するようにしたので、光束70をほとんど全てコア60Aに入射することができる。このため、半導体レーザ11からの光量を損なうことなく、不要光の発生を防止できる。したがってこの場合には、コア60Aに入射する光量よりも外部に漏れる光量を確実に小さくすることができる。この結果、より安定した光通信を確保しつつ、より安全側のクラスのレーザ安全基準を満足することができる。
【0041】
また、0.3以上の開口数を有する光ファイバ60を用いるようにしたので、角度Θを比較的大きくすることができ、空間領域20Aの長さLを比較的短くできる。よって、比較的コンパクトなスリーブ20を得ることができる。
【0042】
また、集光レンズ12の開口数が、光ファイバ60の開口数よりも小さくなるように構成したので、入射側端面60Tからコア60Aに入射した光束70が境界面60Cにおいて全反射を繰り返すことができ、クラッド伝搬等の通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0043】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態では、ファイバ保持部材と共に、光源と集光レンズとを一体に構成する場合について説明したが、これに限定されず、他の部材を用いて光源と集光レンズとをそれぞれ固定し、光源、集光レンズおよび光ファイバとの光軸やそれぞれの光軸方向における間隔等を適切に確保するようにしてもよい。また、光源や集光レンズから直に光束を導く場合に限らず、光ファイバ等の光学部品を介して光束を導くようにしてもよい。
【0044】
さらに、上記実施の形態では、光源として半導体レーザを用いるようにしたが、これに限定されず、例えば発光ダイオード(LED)等を用いるようにしてもよい。集光レンズについても、上記実施の形態では1枚構成としたが、複数枚からなるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施の形態では、空間領域が光束の進行方向に沿った円柱形状をなすようにしたが、これを規定する内壁面に、例えば図5に示すような凹部21Uを形成するようにしてもよい。また、図6に示すように、内壁面に例えば0.2mmのピッチで60°の溝角をなす遮光リング21Rを形成するようにしてもよい。図5もしくは図6のような構成とした場合には、内壁面が、より多くの光線を吸収もしくは反射散乱することができ、または吸収および反射散乱することができ、外部に漏れる光量をより低減することができる。
【0046】
また、上記実施の形態では、プラスチックファイバを用いる場合について説明したが、これに限定されず、本発明の光モジュールは、石英ファイバにも適用可能である。その場合、シングルモード型またはマルチモード型のどちらであっても構わない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の観点に係る光モジュールによれば、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、光束のうちの少なくとも一部が内壁面を照射するように構成したので、内壁面により吸収される分だけ、もしくは空間領域の内部に向けて反射散乱される分だけ、またはそれら両方の作用による分だけ外部に漏れる光量を低減することができる。よって、安定した光通信を行うのに必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することができる。
【0048】
この場合、特に、入射側端面における光束の外径が、光ファイバのコア外径よりも小さくなるようにすると、光ファイバのコアに入射しない不要光の発生を抑制でき、より多くの光量を光ファイバのコアに入射することができるので、より安定した光通信を行うことができる。
【0049】
また、本発明の第2の観点に係る光モジュールによれば、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、以下の条件式(1)および条件式(2)を満足するように構成したので、内壁面により吸収される分だけ、もしくは空間領域の内部に向けて反射散乱される分だけ、またはそれら両方の作用による分だけ外部に漏れる光量を低減することができるうえ、光ファイバのコアに入射しない不要光の発生が抑制される。よって、安定した光通信を行うのに必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することができる。
【0050】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールによれば、特に、ファイバ保持部材が、開口数が0.3以上の光ファイバを保持するようにした場合には、光軸方向に沿った長さを比較的短くすることができ、よりコンパクトな構成とすることができる。
【0051】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールによれば、さらに、光源と、この光源からの射出光を集束することにより光ファイバの入射側端面に光束を導く集光レンズとを備え、この集光レンズが、光ファイバの開口数よりも小さくなるように光源からの射出光を集束するものである場合には、入射側端面から入射した光束がより効率的に光ファイバ内部を伝搬すると共に、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光モジュールの断面構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した光モジュールの断面構成の要部を拡大して示し、第1のパターンを説明する要部断面図である。
【図3】図1に示した光モジュールの断面構成の要部を拡大して示し、第2のパターンを説明する要部断面図である。
【図4】図1に示した光モジュールの断面構成の要部を拡大して示し、第3のパターンを説明する要部断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る光モジュールの変形例における断面構成を表す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る光モジュールの他の変形例における断面構成を表す断面図である。
【符号の説明】
T1〜T3…入射位置、P…集光点、Z1…中心軸、1…光モジュール、10…ホルダ、10A,10B,22…係止部、11…半導体レーザ、11A…フランジ、12…集光レンズ、20…スリーブ、20A…空間領域、20T…入射側端面位置、21…内壁面、23…開口部、23K…開口端、30…ハウジング、60…光ファイバ、60A…コア、60B…クラッド、60C…境界面、60T…入射側端面、70…光束、71〜73…光線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光束を光ファイバに入射するように構成された光モジュールに関し、特に、光通信用に用いられる光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光通信の分野において、例えば半導体レーザなどの発光素子からの射出光を光ファイバに入射するための光学部品として、光モジュールが使用されている。このような光モジュールは、半導体レーザからの射出光を光ファイバの端面に集光するレンズと、光ファイバとを保持するホルダを備えており、半導体レーザと光ファイバとを光学的に結合する構造をなしている。
【0003】
このような光モジュールを使用している際に、誤って光ファイバを光モジュールのホルダから引き抜いてしまった場合には半導体レーザからの射出光がそのまま外部に射出されることとなり、人体に危険である。このため、一般にレーザを使用する機器に対しては、人体に対する安全性を確保するため、例えば光量に関して危険度に応じたレーザ安全基準が設定されている。特に、光モジュールに関しては、クラス1という基準を満足することが望まれる。クラス1とは、どんな条件下であっても人間の眼に対する最大許容露光量を超えることなく、設計段階で安全が確保された、使用上、特段の管理を必要としないレベルを意味する。
【0004】
このようなクラス1のレーザ安全基準を満たすための最も簡単な方法は、半導体レーザからの射出光量を、クラス1のレーザ安全基準を満たす範囲内となるように抑制することである。しかし、半導体レーザからの射出光量を低下させてしまうことにより、本来必要な強度の信号が得られずに、安定した光通信が困難となる場合も生じる。したがって、このような場合には、安全基準をクラス2とし、射出光量を上げざるを得ない。
【0005】
上記の問題を解決するものとして、例えば、特許文献1に開示された光モジュールがある。この光モジュールは、ホルダが、レンズと光ファイバの端面位置との間に円形開口を有することにより、レンズを通過した集束光のうちの光ファイバに入射しない不要光を遮蔽するようにしたものである。すなわち、レンズからの集束光のうちの、不要光の分だけ光量を低減することができる
【0006】
【特許文献1】
特開平9−311255号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の光モジュールでは、光ファイバを取り外した際に、本来光ファイバに入射するべき集束光(必要光)が全て外部に漏れてしまうことも考えられる。すなわち、光ファイバを取り外した際に光モジュールから漏れる射出光量を、光ファイバに入射される必要光よりも小さくすることは事実上困難である。したがって、上記必要光は、必然的にレーザ安全基準を満たす範囲内に制限される。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成でありながら、通信に必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することが可能な光モジュールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係る光モジュールは、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、光束のうちの少なくとも一部が内壁面を照射するように構成されたものである。ここで、「光束」とは、三次元的な空間の広がりを有する光を意味する。
【0010】
本発明の第2の観点に係る光モジュールは、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、以下の条件式(1)および条件式(2)を満足するように構成されたものである。但し、Lは空間領域における中心軸方向に沿った距離(長さ)であり、Θは光ファイバに導かれる光束の最外縁光線と空間領域の中心軸とのなす角度であり、Hは空間領域の中心軸に対する光束の中心の高さ、すなわち、入射側端面の位置における最外縁光線と空間領域の中心軸との距離であり、Rは空間領域における中心軸と直交する方向に沿った距離(高さ)であり、Dは光ファイバのコア外径である。ここで、最外縁光線とは、光束の最も外側を形成し、光束の広がりの大きさを規定する光線である。
L×tanΘ+H>R/2 ……(1)
0≦H≦D/2 ……(2)
【0011】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールでは、上記の構成により、光ファイバを取り外した場合には、ファイバ保持部材の空間領域を規定する内壁面において光束の一部が吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱される。また、特に第2の観点に係る光モジュールでは、上記条件式(2)を満足するので、光束の大部分を光ファイバのコアに入射することができる。
【0012】
本発明の第1の観点に係る光モジュールでは、入射側端面における光束の外径が、光ファイバのコア外径よりも小さいことが望ましい。
【0013】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールでは、ファイバ保持部材が、開口数が0.3以上の光ファイバを保持するものであることが望ましい。また、光源と、この光源からの射出光束を集束することにより光ファイバの入射側端面に光束を導く集光レンズとをファイバ保持部材と共に一体に構成されるようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、空間領域の中心軸方向(各図のX軸方向)における距離を「長さ」と表記すると共に、空間領域の中心軸と直交する方向(各図のY軸方向)における距離を「高さ」と表記する。さらに、最外縁光線を含む断面(XY平面)における空間領域の中心軸からみてY軸+側を「上側」と表記し、Y軸−側を「下側」と表記する。また、空間領域の中心軸方向において、スリーブ20(後出)からみて半導体レーザ11(後出)の側を「入射側」と表記し、その反対側(光ファイバの側)を「射出側」と表記する。
【0015】
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る光モジュールの構成について説明する。図1は、本実施の形態の光モジュール1の内部構成を表す断面図である。ここで、図1(A)は、光ファイバ60(後出)を保持しない状態を示し、図1(B)は、光ファイバ60を保持する状態を示すものである。
【0016】
光モジュール1は、光通信を行う際に、例えば半導体レーザ等の発光素子からの射出光を光ファイバ60に導くように機能する光学部品である。光モジュール1は、光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有するスリーブ20を備えており、このスリーブ20が、空間領域20Aに挿入される光ファイバ60を、その入射側端面60Tに光束を導くように保持するようになっている。このスリーブ20は、光ファイバ60を取り外した場合には、光束のうちの少なくとも一部が内壁面21を照射するように構成されている。換言すると、スリーブ20は、以下の条件式(1)および(2)を満足するように構成されている。但し、Lは空間領域20Aの長さであり、Θは光束の最外縁光線と空間領域の中心軸Z1とのなす角度であり、Hは中心軸Z1に対する光束の中心の高さであり、Rは空間領域20Aの高さであり、さらに Dは光ファイバ60のコア60Aの外径である。以下の条件式(1)および(2)の詳細については、後述する作用の説明において触れることとする。
L×tanΘ+H>R/2 ……(1)
0≦H≦D/2 ……(2)
以下、光モジュール1の構成について、より具体的に説明する。
【0017】
図1に示したように、光モジュール1は、中心軸Z1に沿って、入射側からホルダ10とスリーブ20とハウジング30とを順に備えている。
【0018】
ホルダ10は、中心軸Z1を中心とする空洞領域を有し、中心軸Z1上に、光源としての半導体レーザ11と、集光レンズ12とを保持している。半導体レーザ11は、内部に半導体素子(図示せず)を備えており、凸部11Aがホルダ10の係止部10Aに突き当たることにより位置決めがなされるようになっている。集光レンズ12は、例えば、正の屈折力を有する単レンズであり、周縁部がホルダ10の係止部10Bに突き当たることにより位置決めがなされるようになっている。集光レンズ12の開口数は、光ファイバ60の開口数よりも小さい。
【0019】
スリーブ20は、例えばステンレス鋼などからなり、光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有し、光ファイバ60を保持するように機能するものである。空間領域20Aは、中心軸Z1に沿った方向の長さがLであると共に、中心軸Z1を中心とする半径がR/2である円柱形状をなしている。長さLは、例えば約4mmである。半径R/2は、例えば1.25mmφ程度である。さらに、スリーブ20には、光ファイバ60の入射側端面60TにおけるX軸方向の位置、すなわち入射側端面位置20Tを決める係止部22が形成されている。この係止部22から、集光レンズ12とは反対側(すなわち、射出側)の開口端23Kまでの長さが空間領域20Aの長さLに相当する。ここで、スリーブ20が、本発明の「ファイバ保持部材」に対応する一具体例である。
【0020】
図1(B)に示したように、光ファイバ60は、例えば、比較的高い屈折率を示すプラスチックからなり、光束が伝搬する光路となる円柱形状のコア60Aと、比較的低い屈折率を示すプラスチックからなり、コア60Aの周囲を長手方向に覆うクラッド60Bとを備えている。特に、光ファイバ60は、開口数が0.3以上であることが望ましい。コア60Aの外径Dは、例えば0.44mmφであり、クラッド60Bの外径は、例えば0.5mmφである。このような光ファイバ60に適用した場合には、スリーブ20における空間領域20Aの長さLを比較的短くでき、よりコンパクトな構成となる。光ファイバ60は、その最大受光角(開口数NAに相当する角度)よりも小さな角度でコア60Aに入射した光線に対し、コア60Aとクラッド60Bとの境界面60Cにおいて全反射を繰り返し行うことによって伝搬するように機能する。光ファイバ60は、さらにその周囲を、例えば酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる円筒状のフェルール61によって覆われ、保護された状態で空間領域20Aに挿入され、光ファイバ60の中心軸と空間領域の中心軸Z1とが一致するようにスリーブ20に保持される。
【0021】
ハウジング30は、スリーブ20の外周面側に装着され、例えば、光ファイバ60を保護するフェルール61を保持するフレーム(図示せず)と嵌合するようになっている。
【0022】
次に、図2ないし図4を参照して、光モジュール1の作用について説明する。
【0023】
この光モジュール1では、光源としての半導体レーザ11から射出された射出光が集光レンズ12によって集光されたのち、光束70として入射側端面位置20Tにおいて光ファイバ60の入射側端面60Tからコア60Aに入射するようになっている。ここでは、光束70の入射側端面位置20T上における集光点Pの位置によって3つのパターンに分類し、順に光モジュール1の作用について説明する。図2ないし図4は、いずれも半導体レーザ11からの射出光が集光レンズ12を経て入射側端面60Tを照射している状態のまま、光ファイバ60を取り外した状態を示すものである。但し、図2ないし図4には、光ファイバ60を保持した場合における境界面60Cの位置を破線で示している。
【0024】
まず、図2を参照して、第1のパターンについて説明する。
【0025】
図2は、最外縁光線が、入射位置T1において入射側端面位置20Tを通過する場合を説明する断面図である。すなわち、集光点Pは、中心軸Z1上に位置しており、この場合の最外縁光線を特に光線71と表記する。
【0026】
図2に示したように、光線71は中心軸Z1上の入射位置T1を通過したのち開口端23Kに達している。ここで、光線71と中心軸Z1とのなす角ΘをΘ=θ1とすると、光線71は、角度Θがθ1よりも大きい(Θ>θ1)場合に内壁面21において反射されたのち開口部23から外部に放出される。この場合、光線71のエネルギーの一部が内壁面21において吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱されるので外部に放出される光量が減衰する。一方、角度Θがθ1と同等である(Θ=θ1)かθ1よりも小さい(Θ<θ1)場合には、光線71は内壁面21を照射することなくそのまま開口部23から放出される。この場合には、光線71のエネルギーは保存されたままであり、光量は減衰しない。
【0027】
上記を数式で表すと、図2に示したように、
L×tanθ1=R/2 ……(3)
の関係がある。ここで、Lは空間領域20Aの長さであり、Rは空間領域20Aの高さである。従って、以下の条件式(4)を満足する場合に光線71が内壁面21において吸収もしくは反射散乱され、または吸収および反射散乱されるので、光線71の光量が減衰することとなる。
L×tanΘ>R/2 ……(4)
但し、Θ>θ1である。
【0028】
次に、図3を参照して、第2のパターンについて説明する。
【0029】
図3は、最外縁光線が、入射位置T2において入射側端面位置20Tを通過する場合を説明する断面図である。すなわち、集光点Pは、中心軸Z1から上側にD/2の高さ分だけ移動した境界面60C上にある。この場合の、集光点Pの通過後における上側の最外縁光線を特に光線72と表記する。
【0030】
図3に示したように、光線72は入射位置T2を通過したのち上側の開口端23Kに達している。ここで、光線72と中心軸Z1とのなす角度ΘをΘ=θ2とすると、
L×tanθ2+D/2=R/2 ……(5)
という関係となっている。このため、光線72が、内壁面21において吸収もしくは反射散乱される条件、または吸収および反射散乱される条件は、以下の条件式(6)で表すことができる。但し、Θ>θ2である。
L×tanΘ+D/2>R/2 ……(6)
【0031】
なお、図3では、集光点Pが、入射側端面位置20Tにおいて上側に高さD/2だけ移動する場合を示したが、特に集光点Pの移動する方向は限定されるものではない。すなわち、入射側端面位置20Tにおける中心軸Z1と直交する方向であれば、いずれの方向においても高さD/2だけ移動する場合(高さD/2だけ中心軸Z1から遠ざかる場合)に上記の条件式(6)を適用することができる。
【0032】
次に、図4を参照して、第3のパターンについて説明する。
【0033】
図3に示した上記第2のパターンでは、集光点Pが、入射側端面位置20Tにおいて上側に高さD/2だけ移動する場合を示したが、図4に示した第3のパターンは、集光点Pが、高さD/2よりも小さい高さHだけ移動した場合を示すものである。この場合の、集光点Pの通過後における上側の最外縁光線を特に光線73と表記する。
【0034】
図4に示したように、光線73は入射位置T3を通過したのち上側の開口端23Kに達している。ここで、光線73と中心軸Z1とのなす角度ΘをΘ=θ3とすると、
L×tanθ3+H=R/2 ……(7)
という関係となっている。このため、光線72が、内壁面21において吸収もしくは反射散乱される条件、または吸収および反射散乱される条件は、上記条件式(1)で表すことができる。但し、Θ>θ3である。
【0035】
図4において、高さHが小さくなり0に近づく(H→0)と、すなわち、入射位置T3が中心軸Z1に近づくと、角度θ3は大きくなり図2に示したθ1に近づく(θ3→θ1)。ここで、高さH=0になると、角度θ3=θ1となり、条件式(7)は条件式(3)と等しくなる。したがって、条件式(7)において高さH=0である(すなわち、角度θ3がθ1と等しい)特殊な場合が、条件式(3)で表される状態(すなわち、第1のパターン)に相当する。一方、図4において、高さHが大きくなりD/2に近づく(H→D/2)と、すなわち、入射位置T3が入射位置T2に近づくと、角度θ3は小さくなり図3に示したθ2に近づく(θ3→θ2)。ここで、高さH=D/2となると、角度θ3=θ2となり、条件式(7)は条件式(5)と等しくなる。したがって、条件式(7)において高さHがD/2と等しい(すなわち、角度θ3がθ2と等しい)特殊な場合が、条件式(5)で表される状態(すなわち、第2のパターン)に相当する。
【0036】
従って、上記第1および第2のパターンにおける条件式(4)および条件式(6)は、いずれも条件式(1)に含めることができる。すなわち、第1ないし第3のパターンのいずれにおいても、空間領域20Aのサイズが定められている場合、条件式(1)を満たすように角度Θおよび高さHの2つのパラメータを設定することによって、光ファイバ60を取り外した際に光束70の最外縁光線を、内壁面21において吸収もしくは反射散乱させて、または吸収および反射散乱させて減衰させることができる。
【0037】
また、光モジュール1は、条件式(2)を満足することにより、集光レンズ12からの光束70が、クラッド60Bに入射することなくコア60Aにほとんど全て入射することとなる。例えば、図4に示した第3のパターンにおいて、仮に入射位置T3を境界面60Cよりも中心軸Z1とは反対側、すなわち、内壁面21に近い側とした場合には、光ファイバ60に入射する際に光線73がクラッド60Bの内部を伝搬する不要光となり、通信に必要とされる光量が不足してしまうだけでなく通信品質の劣化をも招く可能性が生じる。これに対し、入射位置T3を境界面60Cと等しい位置、または中心軸Z1側に設けるようにすることにより、クラッド60Bに入射するような不要光の発生を防ぐことができる。
【0038】
さらに、集光点Pが入射端面位置20Tに対してX軸方向にずれるなどして、入射端面位置20Tにおける光束70に広がりが生じる場合であっても、入射側端面位置20Tにおける光束70の外径をコア60Aの外径Dよりも小さくすることにより、不要光の発生を防ぐことができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態によれば、光ファイバ60が挿入される空間領域20Aを規定する内壁面21を有すると共に、空間領域20Aに挿入される光ファイバ60を、その入射側端面60Tに光束70を導くように保持するスリーブ20を備え、光ファイバ60を取り外した場合には、このスリーブ20が所定の条件式(1)を満足するように、すなわち光束70のうちの少なくとも一部が内壁面21を照射するように構成したので、必ず光束70の一部のエネルギーを内壁面21によって吸収もしくは反射散乱し、または吸収および反射散乱し、開口部23から放出される光量を低減することができる。よって、安定した光通信を行うのに必要な光量の光を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には、外部に漏れる光量を光ファイバに入射する光量よりも小さくすることができる。この結果、例えば、クラス1のレーザ安全基準を満たす場合においても、従来よりも安定した光通信を行うことができる。
【0040】
特に、入射側端面60Tにおける光束70の外径が、光ファイバ60のコア外径Dよりも小さくなるようにしたので、または、条件式(2)を満足するようにしたので、光束70をほとんど全てコア60Aに入射することができる。このため、半導体レーザ11からの光量を損なうことなく、不要光の発生を防止できる。したがってこの場合には、コア60Aに入射する光量よりも外部に漏れる光量を確実に小さくすることができる。この結果、より安定した光通信を確保しつつ、より安全側のクラスのレーザ安全基準を満足することができる。
【0041】
また、0.3以上の開口数を有する光ファイバ60を用いるようにしたので、角度Θを比較的大きくすることができ、空間領域20Aの長さLを比較的短くできる。よって、比較的コンパクトなスリーブ20を得ることができる。
【0042】
また、集光レンズ12の開口数が、光ファイバ60の開口数よりも小さくなるように構成したので、入射側端面60Tからコア60Aに入射した光束70が境界面60Cにおいて全反射を繰り返すことができ、クラッド伝搬等の通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0043】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態では、ファイバ保持部材と共に、光源と集光レンズとを一体に構成する場合について説明したが、これに限定されず、他の部材を用いて光源と集光レンズとをそれぞれ固定し、光源、集光レンズおよび光ファイバとの光軸やそれぞれの光軸方向における間隔等を適切に確保するようにしてもよい。また、光源や集光レンズから直に光束を導く場合に限らず、光ファイバ等の光学部品を介して光束を導くようにしてもよい。
【0044】
さらに、上記実施の形態では、光源として半導体レーザを用いるようにしたが、これに限定されず、例えば発光ダイオード(LED)等を用いるようにしてもよい。集光レンズについても、上記実施の形態では1枚構成としたが、複数枚からなるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施の形態では、空間領域が光束の進行方向に沿った円柱形状をなすようにしたが、これを規定する内壁面に、例えば図5に示すような凹部21Uを形成するようにしてもよい。また、図6に示すように、内壁面に例えば0.2mmのピッチで60°の溝角をなす遮光リング21Rを形成するようにしてもよい。図5もしくは図6のような構成とした場合には、内壁面が、より多くの光線を吸収もしくは反射散乱することができ、または吸収および反射散乱することができ、外部に漏れる光量をより低減することができる。
【0046】
また、上記実施の形態では、プラスチックファイバを用いる場合について説明したが、これに限定されず、本発明の光モジュールは、石英ファイバにも適用可能である。その場合、シングルモード型またはマルチモード型のどちらであっても構わない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の観点に係る光モジュールによれば、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、光束のうちの少なくとも一部が内壁面を照射するように構成したので、内壁面により吸収される分だけ、もしくは空間領域の内部に向けて反射散乱される分だけ、またはそれら両方の作用による分だけ外部に漏れる光量を低減することができる。よって、安定した光通信を行うのに必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することができる。
【0048】
この場合、特に、入射側端面における光束の外径が、光ファイバのコア外径よりも小さくなるようにすると、光ファイバのコアに入射しない不要光の発生を抑制でき、より多くの光量を光ファイバのコアに入射することができるので、より安定した光通信を行うことができる。
【0049】
また、本発明の第2の観点に係る光モジュールによれば、光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、空間領域に挿入される光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、このファイバ保持部材が、光ファイバを取り外した場合には、以下の条件式(1)および条件式(2)を満足するように構成したので、内壁面により吸収される分だけ、もしくは空間領域の内部に向けて反射散乱される分だけ、またはそれら両方の作用による分だけ外部に漏れる光量を低減することができるうえ、光ファイバのコアに入射しない不要光の発生が抑制される。よって、安定した光通信を行うのに必要な大きさの光量を光ファイバに入射しつつ、光ファイバを取り外した場合には外部に漏れる光量をより低減することができる。
【0050】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールによれば、特に、ファイバ保持部材が、開口数が0.3以上の光ファイバを保持するようにした場合には、光軸方向に沿った長さを比較的短くすることができ、よりコンパクトな構成とすることができる。
【0051】
本発明の第1および第2の観点に係る光モジュールによれば、さらに、光源と、この光源からの射出光を集束することにより光ファイバの入射側端面に光束を導く集光レンズとを備え、この集光レンズが、光ファイバの開口数よりも小さくなるように光源からの射出光を集束するものである場合には、入射側端面から入射した光束がより効率的に光ファイバ内部を伝搬すると共に、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光モジュールの断面構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した光モジュールの断面構成の要部を拡大して示し、第1のパターンを説明する要部断面図である。
【図3】図1に示した光モジュールの断面構成の要部を拡大して示し、第2のパターンを説明する要部断面図である。
【図4】図1に示した光モジュールの断面構成の要部を拡大して示し、第3のパターンを説明する要部断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る光モジュールの変形例における断面構成を表す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る光モジュールの他の変形例における断面構成を表す断面図である。
【符号の説明】
T1〜T3…入射位置、P…集光点、Z1…中心軸、1…光モジュール、10…ホルダ、10A,10B,22…係止部、11…半導体レーザ、11A…フランジ、12…集光レンズ、20…スリーブ、20A…空間領域、20T…入射側端面位置、21…内壁面、23…開口部、23K…開口端、30…ハウジング、60…光ファイバ、60A…コア、60B…クラッド、60C…境界面、60T…入射側端面、70…光束、71〜73…光線。
Claims (6)
- 光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、前記空間領域に挿入される前記光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、
このファイバ保持部材は、前記光ファイバを取り外した場合には、前記光束のうちの少なくとも一部が前記内壁面を照射するように構成されている
ことを特徴とする光モジュール。 - 前記入射側端面における前記光束の外径は、前記光ファイバのコア外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 光ファイバが挿入される空間領域を規定する内壁面を有すると共に、前記空間領域に挿入される前記光ファイバを、その入射側端面に光束を導くように保持するファイバ保持部材を備え、
このファイバ保持部材は、光ファイバを取り外した場合には、以下の条件式(1)および条件式(2)を満足するように構成されていることを特徴とする光モジュール。
L×tanΘ+H>R/2 ……(1)
0≦H≦D/2 ……(2)
但し、
L:空間領域の長さ
Θ:光束の最外縁光線と空間領域の中心軸とのなす角度
H:空間領域の中心軸に対する光束の中心の高さ
R:空間領域の高さ
D:光ファイバのコア外径
とする。 - 前記ファイバ保持部材は、開口数が0.3以上の前記光ファイバを保持するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光モジュール。
- さらに、光源と、前記光源からの射出光を集束することにより前記光ファイバの入射側端面に前記光束を導く集光レンズとを備えている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光モジュール。 - 前記集光レンズは、前記光ファイバの開口数よりも小さくなるように前記光源からの射出光を集束するものである
ことを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003194374A JP2005031244A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 光モジュール |
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---|---|---|---|---|
JP2006238097A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光通信システム |
US7967452B2 (en) | 2005-08-26 | 2011-06-28 | Panasonic Corporation | Projection type display apparatus |
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2003
- 2003-07-09 JP JP2003194374A patent/JP2005031244A/ja active Pending
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JP2006238097A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光通信システム |
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