JP2005031120A - 画像形成装置及びこれに用いるトナー - Google Patents

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敦史 三瓶
Hiroyasu Nagashima
弘恭 長島
Masahito Yanagida
雅人 柳田
Takashi Shintani
剛史 新谷
Naohiro Kumagai
直洋 熊谷
Eisaku Murakami
栄作 村上
Masanori Kawasumi
正則 川隅
Takeshi Uchitani
武志 内谷
Toshio Koike
寿男 小池
Masami Tomita
正実 冨田
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Abstract

【課題】感光体ドラム上の転写残トナーが、中間転写ベルト又は記録部材を搬送する搬送ベルト等を介して、下流側の潜像担持体に逆に転写するのを抑えることができるタンデム型画像形成装置及びこれらに用いられるトナーを提供する。
【解決手段】転写装置6による転写後に感光体ドラム1に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーTを感光体ドラム1から回収して保持し、その保持した転写残トナーTを感光体ドラム1に戻す一時保持装置40と、帯電ローラ3aと感光体ドラム1との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーTを感光体ドラム1から回収する回収装置5、6とを設け、かつ、複数の感光体ドラム1を備え、中間転写ベルト10の移動方向の最下流にある現像装置5に用いられるトナーTの誘電率が最も高いタンデム型画像形成装置である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真プロセスの画像形成装置及びこれに用いるトナーに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の潜像担持体と、これに接触しつつ移動する中間転写体又は記録部材との間に転写電界を形成することで、潜像担持体上のトナー像を転写する静電転写方式を採用する画像形成装置では、転写後の潜像担持体表面に転写しきれない転写残トナーが残留する。この転写残トナーが除去されないまま、その潜像担持体が次の画像形成工程に供されると、その転写残トナー上の電荷はレーザ光が照射されても電荷がアースされないために、ハーフトーン部又はベタ部に白点が表れた異常画像の原因となる。また、この転写残トナーは、潜像担持体を各色ごとに備え、複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させるタンデム型の画像形成装置では、中間転写体又は記録部材を搬送する搬送ベルト等を介して、下流側の潜像担持体に逆に転写して、帯電装置に付着して、帯電むらによる帯電の不均一で白すじ等の異常画像が発生する。
そのため、従来は、転写領域から帯電領域までの潜像担持体に対向する位置にクリーニング装置を設け、転写残トナーを除去していた。このようなクリーニング装置は、潜像担持体から回収した転写残トナーを収容する廃トナータンクや、回収した転写残トナーを再利用するためにその転写残トナーを搬送するリサイクルトナー搬送通路などを設けるスペースが必要になるため、画像形成装置が大型化してしまい、また、部品の増加によるコストの上昇を招くという不具合がある。また、タンデム型の画像形成装置では、転写残トナーが複数ある潜像担持体のすべてに個別にクリーニング装置を設ける必要が生じ、装置の大型化及び高コスト化という不具合がある。
【0003】
このような不具合に対して、クリーニング装置を省いたクリーニングレスの画像形成装置が提案されている。例えば、潜像担持体に残留した転写残トナーを、現像装置を用いて回収する方式(以下、「現像同時クリーニング方式」という。)の画像形成装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この現像同時クリーニング方式では、クリーニングとは別の目的で設置されている現像装置をクリーニング手段として利用するため、別個独立に上記のようなクリーニング装置を設ける必要がないことで、装置の小型化及び低コスト化に大きく貢献することができる。しかし、このように現像同時クリーニング方式と帯電ローラ方式を併用した画像形成装置では、潜像担持体上の転写残トナーを現像領域まで搬送する間に、その転写残トナーと帯電ローラとが接触することになる。そのため、帯電ローラに付着した転写残トナーによって帯電が妨げられ、潜像担持体の表面電位を所望の電位にできなかったり、帯電ムラ等の帯電不良が生じたりする。その結果、画像濃度の低下や地肌汚れ等の異常画像が生じるという問題がある。
【0004】
また、潜像担持体又は帯電ローラに付着するトナーを防ぐためにトナー自身の特性として、例えば、像保持体表面に潜像を形成する潜像形成工程、トナーを用いて潜像を顕像化する現像工程及びトナー像を支持体上に転写する転写工程を有し、転写後に潜像保持体表面に残存するトナーを、現像工程において潜像を顕像化すると同時に現像装置内に回収する画像形成方法において、誘電率が3.8以下であるトナーを用いる画像形成方法が提案されている。(例えば、特許文献2、3を参照)。
しかし、これらに開示されたクリーニングレス技術では、潜像担持体及び帯電ローラに付着するトナーを防止するには不十分であり、これらの付着トナーによって、帯電ムラ等の帯電不良が生じたり、画像濃度の低下や地肌汚れ等の異常画像が生じるという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−043789号公報
【特許文献2】
特開平06−019371号公報
【特許文献3】
特開2002−258851号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その課題は、潜像担持体上の転写残トナーによる帯電ローラへのトナー付着を防止するクリーニング装置を配設されないタンデム型画像形成装置及びこれらに用いられるトナーを提供することを課題とする。また、潜像担持体上の転写残トナーが、中間転写体又は記録部材を搬送する搬送ベルト等を介して、下流側の潜像担持体に逆に転写するのを抑えることができるタンデム型画像形成装置及びこれらに用いられるトナーを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて潜像担持体を帯電する帯電装置と、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、潜像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、転写装置による転写後に潜像担持体に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持し、その保持した転写残トナーを潜像担持体に戻す一時保持装置と、帯電部材と潜像担持体との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーを潜像担持体から回収する回収装置とを設け、かつ、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置であって、表面移動部材の移動方向の最下流にある現像装置に用いられるトナーの誘電率が最も高い画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、現像装置に用いられるトナーの誘電率を次第に高くする画像形成装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて潜像担持体を帯電する帯電装置と、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、潜像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、転写装置による転写後に潜像担持体に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持し、その保持した転写残トナーを潜像担持体に戻す一時保持装置と、帯電部材と潜像担持体との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーを潜像担持体から回収する回収装置とを設け、かつ、少なくとも、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置であって、表面移動部材の移動方向の最上流にある現像装置に用いられるトナーの電気抵抗が最も低い画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、現像装置に用いられるトナーの電気抵抗を次第に低くする画像形成装置である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの平均帯電量の絶対値が15〜40μC/gの範囲であって、トナーの帯電量分布における半値幅が、0.5〜4.0fC/mの範囲にある画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの加速凝集度が、7〜21%の範囲にある画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、現像装置に用いられるトナーの加速凝集度を次第に低くする画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、転写装置が記録部材又は表面移動部材にトナー像を転写する最下流の転写圧力が、最も高い画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、転写装置が記録部材又は表面移動部材にトナー像を転写する転写圧力が、表面移動部材の移動方向に対して、次第に高くする画像形成装置である。
【0010】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.05〜1.40の範囲にある画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの粒径が3μm以下の量が、トナー全体の数の20%以下である画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2が100〜180の範囲にある画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーが、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する画像形成装置である。
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーが、略球形の形状である画像形成装置である。
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーである画像形成装置である。
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、潜像担持体、一時保持装置、回収装置とを一体化して、本体に着脱可能にしたプロセスカートリッジを配設する画像形成装置である。
【0011】
請求項17に記載の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて潜像担持体を帯電する帯電装置と、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、潜像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と を備える画像形成装置に用いられるトナーおいて、前記画像形成装置は、転写装置による転写後に潜像担持体に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持し、その保持した転写残トナーを潜像担持体に戻す一時保持装置と、帯電部材と潜像担持体との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーを潜像担持体から回収する回収装置とを設け、かつ、少なくとも、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させ、前記トナーは、誘電率を2〜5の範囲にするトナーである。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のトナーにおいて、前記トナーは、電気抵抗が8〜12Ω・cmの範囲にあるトナーである。
請求項19に記載の発明は、請求項17又は18に記載のトナーにおいて、前記トナーは、加速凝集度が7〜21%の範囲にあるトナーである。
請求項20に記載の発明は、請求項17ないし19のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.05〜1.40の範囲にあるトナーである。
請求項21に記載の発明は、請求項17ないし20のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、粒径が3μm以下の量が、トナー全体の数の20%以下であるトナーである。
請求項22に記載の発明は、請求項17ないし21のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、トナーの形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。
請求項23に記載の発明は、請求項17ないし22のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足するトナーである。
請求項24に記載の発明は、請求項16ないし23のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、略球形の形状であるトナーである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
【0013】
まず、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(以下、「タンデム型」と記す。)の基本的な構成について説明する。この画像形成装置は、潜像担持体として4つの感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けても良い。
【0014】
図2は、感光体ドラムを配設する作像形成部2の構成を示す概略図である。なお、画策像形成部2Y、2C、2M、2Kにおける各感光体ドラム1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの作像形成部2についてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。感光体ドラム1の周りには、その表面移動方向に沿って、トナーを一時的に保持する一時保持装置40、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、潜像形成手段としての露光装置4から発せられる光が感光体ドラム1まで通過できるようにスペースが確保されている。
【0015】
帯電装置3は、感光体ドラム1の表面を負極性に帯電する。本実施形態における帯電装置3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラ3aを備えている。すなわち、この帯電装置3は、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に接触又は近接させ、その帯電ローラ3aに負極性バイアスを印加することで、感光体ドラム1の表面を帯電する。感光体ドラム1の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置3には、帯電ローラ3aの表面をクリーニングするクリーニングブラシ3bが設けられている。また、トナーが僅かに付着した場合でも、帯電ローラ3aによる帯電ムラ等の帯電不良を引き起こすのを防止するために、帯電ローラ3aの表面をクリーニングブラシ3bによってクリーニングする構成にしてもよい。
なお、帯電装置3として、帯電ローラ3aの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体ドラム1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラ3aに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体ドラム1の表面が帯電される。
【0016】
このようにして帯電した感光体ドラム1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体ドラム1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
【0017】
現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。また、ここでは、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いているが、キャリアを含まない一成分現像剤を使用してもよい。現像装置5は、図1に示したトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y、31C、31M、31Kは、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y、31C、31M、31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
トナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像装置5内に補給されたトナーは、攪拌搬送スクリュー5bによってキャリアと撹拌されながら搬送され、現像ローラ5a上に担持されることになる。この現像ローラ5aは、磁界発生手段としてのマグネットローラと、その周りを同軸回転する現像スリーブとから構成されている。現像剤中のキャリアは、マグネットローラが発生させる磁力により現像ローラ5a上に穂立ちした状態となって感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、感光体ドラム1と対向する領域(以下、「現像領域」と記す。)において感光体ドラム1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上に穂立ちしたキャリアは、感光体ドラム1の表面を摺擦しながら、キャリア表面に付着したトナーを感光体ドラム1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から−300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体ドラム1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体ドラム1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体ドラム1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。また、ここでは、現像ローラ5aは、クラッチを介して駆動装置に接続されており、そのクラッチによって、現像ローラ5aの回転を一時停止することができる。
【0018】
転写装置6における中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11、12、13に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体ドラム1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない転写ローラを用いた構成を採用している。具体的には、各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写装置6としての一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kを配置している。ここでは、各一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kとによって、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体ドラム1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各一次転写ローラ14に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体ドラム1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
【0019】
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、二次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と二次転写ローラ16との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
【0020】
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
本発明の画像形成装置は、転写手段による転写後に潜像担持体である感光体ドラム1に残留する転写残トナーを感光体ドラム1から回収して保持し、その保持した転写残トナーを感光体ドラム1に戻す一時保持装置40と、感光体ドラム1から回収する回収手段とを設けている。
【0021】
ここで、感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーについて説明する。転写残トナーの中には、正規の極性に帯電した正規帯電トナーTと、正規の極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナーTが存在する。図3(a)は、感光体ドラム1上に担持されたトナーの転写直前におけるトナー帯電量分布を示すグラフである。また、図3(b)は、転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーのトナー帯電量分布を示すグラフである。図3(a)に示すように、転写直前におけるトナーの帯電量は、ほぼ−30(μC/g)を中心に分布しており、そのほとんどが負極性に正規帯電している正規帯電トナーTである。一方、転写残トナーの帯電量は、およそ−2(μC/g)を中心に分布したものとなる。転写残トナーの一部は、一次転写ローラ14に印加された正極性バイアスによる電荷注入を受けるなどして、トナーの帯電極性が正極性に反転する。その結果、転写残トナーの中には、図3(b)中斜線部分で示すような正極性に反転してしまった逆帯電トナーTが存在してしまう。
【0022】
転写残トナーのうち逆帯電トナーTは、以下のように回収する。
まず、逆帯電トナーTを一時保持装置40で一時的に保持する一時保持工程について説明する。
図4は、一時保持装置の構成を示す概略図である。この一時保持装置40は、感光体ドラム1の表面に接触するローラ41を備えている。このローラ41を感光体ドラム1に接触又は摺擦させて、感光体ドラム1上の転写残トナーに接触させる(以下、「ブラシ接触領域」という。)。ローラは、弾性ローラ又はブラシ状ローラにすることができるが、ブラシ状ローラの方が好ましい。ブラシ状の方が表面積を大きくでき、転写残トナーの回収性を高くすることができる。このブラシ状ローラ41は、ブラシとしてはブラシ密度が比較的低くなるように形成する。このようにブラシ密度が低ければ、回収した逆帯電トナーTを保持するための十分な空間をブラシ内部に確保することができる。よって、回収した逆帯電トナーTの収容能力が高まり、後述する逆帯電トナーTの放出工程の頻度を少なくできる。また、ブラシ密度を低くすることで、回収した逆帯電トナーTをブラシ状ローラ41が保持したときの機械的な保持力が小さくなる。その結果、後述する逆帯電トナーTの放出工程をスムーズに実行することができるようになる。
【0023】
ブラシ状ローラ41の表面付近におけるブラシ密度が、12000(本/inch)以上858000(本/inch)以下となるようにブラシ状ローラ41を形成することが好ましい。また、ブラシ状ローラ41は、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂等から選択することができる。特に、摩耗に強く、強度が高いポリアミド樹脂が好ましい。このブラシに、バイアス印加の効果を大きくするために、導電性粉末を含有させても良い。導電性粉末としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、黒鉛、または、銅、銀等の金属粉末を用いることができる。
ブラシ状ローラ41は、駆動装置42によって図中矢印の方向に回転駆動する。そして、このブラシ状ローラ41には、第1電源43又は第2電源44のいずれか一方からバイアスが印加される構成になっている。具体的には、これらの電源43、44とブラシ状ローラ41との間に切替スイッチ45を設け、この切替スイッチ45の動作によってブラシ状ローラ41に接続される電源を選択する。この切替スイッチ45の動作は、画像形成装置の制御部によって制御されている。なお、第1電源43は、ブラシ状ローラ41の表面部分の電位にトナーを保持できる負極性バイアスを印加するものであり、第2電源44は、その電位は、トナーを放出できる正極性となるような放出バイアスを印加するものである。これにより、保持バイアス印加時にはブラシ状ローラ41に逆帯電トナーTを保持でき、放出バイアス印加時には保持した逆帯電トナーTを放出することができる。なお、電源43、44として直流電源を用いているが、直流に交流を重畳させたバイアスを印加する電源を用いてもよい。また、ブラシ状ローラは、図中の矢印方向と逆に回転するものであっても良い。
【0024】
次に、ブラシ状ローラ41で保持した逆帯電トナーTを感光体ドラム1の表面に放出する放出工程について説明する。
逆帯電トナーTをブラシ状ローラ41で保持した後、その逆帯電トナーTを画像形成装置が画像形成を行わないタイミングで感光体ドラム1の表面に放出する。タイミングは適宜選択することができるが、例えば、一つの画像形成動作を終了してから次の画像形成動作にはいるまでの間、また、他の例として、連続した画像形成動作中に1回程度に逆帯電トナーTを放出する放出動作を設けても良い。先の例についてさらに詳細に説明すれば、一つの画像形成動作によってよって発生した逆帯電トナーTを保持した後、次の画像形成動作で帯電装置3により帯電が行われる感光体ドラム1がブラシ接触領域に達する前に、逆帯電トナーTを放出する。このようなタイミングで逆帯電トナーTを放出することで、次の画像形成動作に悪影響を与えることなく逆帯電トナーTを回収することができる。また、連続して画像形成を行う場合、その連続中の最後の画像形成を終了した後に、その間に保持した逆帯電トナーTの回収動作を行うことで、連続が像形成の時間が長くなるのを防ぐことができる。
【0025】
次に、ブラシ状ローラ41から放出されて感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTを回収する回収工程について説明する。
感光体ドラム1に戻された逆帯電トナーTは、感光体ドラム1における帯電ローラ3aとの対向領域(以下、「帯電領域」と記す。)を通過した後に、感光体ドラム1から回収手段で回収される。この回収手段として、現像手段又は転写手段等を利用することができる。
回収手段としての現像手段は、以下のように動作させる。これは、逆帯電トナーTが付着した感光体ドラム1が現像領域にあるときに、通常の画像形成における電界を形成することで、逆帯電トナーTは、感光体ドラム1から現像手段側に移動し、回収される。
その後、次の画像形成動作時には、現像ローラ5aの駆動が開始されると、現像ローラ5aに付着した逆帯電トナーTは現像装置5の内部に搬送される。そして、現像装置5内部での混合・攪拌によって、正規帯電トナーTとなり、再度現像に寄与する。
この回収手段を設けることで、転写領域から帯電領域までの間の感光体ドラム1に対向する位置に、廃トナータンク又はリサイクルトナー搬送経路等を備える感光体ドラム用クリーニング装置を設ける必要はない。しかも、この位置に設けられる一時保持装置40は、転写残トナーのうちでも逆帯電トナーTのみを一時的に保持できるものであればよく、従来のクリーニング装置に比べて遙かに小型化が可能である。
【0026】
一方、転写残トナーのうちの正規帯電トナーTは、負極性に帯電しているため、ブラシ接触領域では感光体ドラム1側に向かう静電力を受けることになる。したがって、正規帯電トナーTに関しては、ブラシ状ローラ41に保持されずに感光体ドラム1の表面に付着し続けることになる。しかし、正規帯電トナーTが感光体ドラム1の表面に付着したままブラシ接触領域を通過しても、上述したように次の画像形成工程にほとんど悪影響はなく、次の画像形成工程のトナー像を構成するか、現像装置5に回収されることになる。
【0027】
しかし、この転写残トナーのうち正規帯電トナーTは、転写領域で転写装置6により発生した電荷を受けるために、逆電荷によって正極性の逆帯電トナーTとなる。このために、一時保持装置40を通過する転写残トナーが増加し帯電ローラに付着するトナー量が多くなる。また、この逆帯電トナーTへ変化するトナー量が増加すると、回収手段だけでは回収が困難になり、さらに、細線、文字等のライン像が多くなると、感光体ドラム1のエッジ効果によって回収するために大きな力が必要になり、さらに回収が困難になる。そして、この逆帯電トナーTは、現像領域を通過して再度転写領域に入ると、感光体ドラム1と中間転写体又は記録部材との間に狭持され、転写圧力によって押圧されることで中間転写体等に移行する。この移行によって、先の画像が記録部材上に表れる異常画像になる。また、複数の感光体ドラム1を並列させたカラー画像形成装置では、前の作像形成部2のトナーが、転写領域における転写圧力で記録部材から感光体ドラム1に逆転写され、この感光体ドラム1上の逆帯電トナーTが一時保持装置40に保持・放出され、現像装置に回収されると、多数のトナーが混在することで混食された現像剤が形成され、混在したまま記録部材上にカラーが形成されることで色再現性が低下して、カラー画像の品位が低下する。
【0028】
そこで、本発明では、表面移動部材である中間転写体又は搬送部材の移動方向の最下流にある現像装置に用いられるトナーの誘電率が最も高くする。誘電率が高いと、正規帯電トナーTから逆帯電トナーTへ変化するトナーが多くなる。そこで、誘電率の最も高いトナー用いる現像装置が配設される作像形成部2をタンデム型の最下流に配設することで、次の作像形成部2に移行するトナー量を低減することができる。これによって、混食を防止して、高品位のカラー画像を得ることができる。特に、最下流に用いられるトナーはブラック(K)トナーが好ましい。ブラックトナーは光の隠蔽力が大きく、混食の悪影響が大きいために他のトナーとの混食を防止するためである。
また、好ましくは、下流側に向かって、順次、作像形成部2に用いられるトナーの誘電率を大きくする。トナーの誘電率が大きいと、正規帯電トナーTが、転写領域で逆帯電トナーTへの変化が大きくなる。したがって、誘電率の低いトナーをタンデム型画像形成装置の上流側にすることで、正規帯電トナーTから逆帯電トナーTへの変化する量を低減して、混食の影響を小さくすることができる。
【0029】
また、本発明では、表面移動部材の移動方向の最上流にある現像装置に用いられるトナーの電気抵抗が最も低くする。トナーの電気抵抗が低いと、正規帯電トナーTから逆帯電トナーTへ変化するトナーが多くなる。そこで、電気抵抗の最も低いトナー用いる現像装置が配設される作像形成部2をタンデム型の最下流に配設することで、次の作像形成部2に移行するトナー量を低減することができる。
また、好ましくは、下流側に向かって、順次、画像形成装置に用いられるトナーの電気抵抗を小さくする。電気抵抗の高いトナーをタンデム型画像形成装置の上流側にすることで、正規帯電トナーTから逆帯電トナーTへの変化する量を低減して、混食の影響を小さくすることができる。
【0030】
また、本発明のトナーは、トナー帯電量(q/m)の絶対値を15〜40μC/gの範囲にする。トナーの帯電量の絶対値が15μC/g未満では、逆帯電のトナー量が多くなり、一時保持装置40による転写残トナーの回収・保持が困難になる。また、トナーの帯電量が40μC/gを越えると、トナーと感光体ドラム1の静電的吸着力が大きくなり、回収手段での回収が困難になる。また、静電潜像の現像の面からも15μC/g未満では、低い現像電界でも現像されるトナー量が多くなるため、階調性のある高品位の画像が得られない。また、逆帯電のトナー量が多くなり、白地背景部に現像されるトナー量が多く地かぶり等により画像品質が低下する。さらに、40μC/gを越えると、磁性キャリアとの吸着力が大きくなり現像されるトナー量が少なく画像濃度が低下する。
【0031】
また、トナーの帯電量分布の半値幅が0.5〜4.0fC/μmの範囲にする。この範囲にすることで、逆帯電トナー量を少なくすることができ、一時保持装置40を備える画像形成装置におけるトナーの回収・放出させることができる。トナーの帯電量分布の半値幅が0.5fC/μm未満では、トナー粒径分布をさらに狭くしなければならず製造上困難である。トナーの帯電量分布の半値幅が4.0fC/μmを越えると、逆帯電のトナー量が多くなり、一時保持装置40による転写残トナーの回収が困難になり、さらに、放出のためのバイアスを印加しても一時保持装置40からの放出の効率が低下する。
なお、トナーの帯電量(μC/g)はブローオフ粉体帯電量測定装置TB−200(東芝ケミカル製)により測定し、帯電量分布は帯電量分布測定装置イースパートアナライザー(ホソカワミクロン製)によりQ/d分布(fC/μm)を測定し、この測定値から半値幅を求めた。
【0032】
また、本発明の画像形成装置に用いるトナーの加速凝集度を7〜21%にする。転写残トナーは、帯電の極性の他に、転写圧力によっても中間転写ベルト10から感光体ドラム1への移行が発生する。加速凝集度の高いトナーは、感光体ドラム1上の文字、細線等のライン部が、転写時に中央部のみ転写されてエッジ部が転写されず残留することがある。この残留したエッジ部には両極性のトナーが同一の箇所に残留しており、すべての転写残トナーを一時保持装置40で回収・放出し、回収手段で回収するのは困難である。しかし、一時保持装置40でほぐされることもあり、転写残トナーの一部は移行しやすくなっている。そのために、この転写残トナーのうち逆帯電トナーTは帯電ローラに付着し、また、他の一部は再度転写領域で中間転写ベルト10に転写され下流の作像形成部2に搬送されて、感光体ドラム1に押圧されることで逆付着する。これによって、先の画像がそのまま残り次の画像に表れたり、この感光体ドラム1上の逆帯電トナーTが一時保持装置40に保持・放出され、現像装置に回収されると、多数のトナーが混在することで混食された現像剤が形成され、混在したまま記録部材上にカラーが形成されることで色再現性が低下して、カラー画像の品位が低下する。
また、加速凝集度の低いトナーは、加速凝集度の高いトナーより転写率は高くなるが、転写残トナーは生ずる。この転写残トナーは、帯電極性の影響を受けやすくなる。そこで、本発明では、表面移動部材である中間転写体又は搬送部材の移動方向の最下流にある現像装置に用いられるトナーの加速凝集度が最も高くする。加速凝集度が高いと転写残トナーが多くなるために、タンデム型画像形成装置の最下流に加速凝集度の高いトナーを用いる現像装置を配設することで、次の作像形成部2に移行するトナー量を低減することができる。
また、好ましくは、下流側に向かって、順次、用いられるトナーの加速凝集度を高くする。トナーの加速凝集度が高いと、転写残トナーが多くなるため、加速凝集度の高いトナーをタンデム型画像形成装置の上流側にすることで、下流側にある作像形成部2の感光体ドラム1に逆付着して移行するトナーを低減して、混食の影響を小さくすることができる。
加速凝集度 の測定方法は以下の様に行なう。測定装置は、ホソカワミクロン社(製)のパウダーテスターを使用し振動台の上に次の手順で附属部品をセットし、
(イ)バイブロシュート
(ロ)パッキン
(ハ)スペースリング
(ニ)フルイ(3種類)上(篩目開き75μm)>中(篩目開き45μm)>下(篩目開き22μm)
(ホ)オサエバー次にノブナットで固定し、振動台を作動させる。
振巾目盛:1mmで、試料採取量:2gで、振動時間:15秒に設定して測定した。測定後、次の計算から凝集度を求める。
上段のフルイに残った粉体の重量%×1…(a)
中段のフルイに残った粉体の重量%×0.6…(b)
下段のフルイに残った粉体の重量%×0.2…(c)
上記3つの計算値の合計をもって加速凝集度(%)とする。
【0033】
また、本発明では、表面移動部材の移動方向に対して、転写装置6が記録部材又は表面移動部材にトナー像を転写する最下流の転写圧力が、最も高くする。転写圧力が高くする方が転写率は向上するが、感光体ドラム1上の文字、細線等のライン部が、転写時に中央部のみ転写されてエッジ部が転写されず残留することが多くなる。そこで、最下流の転写圧力が、最も高くして他の作像形成部2への影響をもっちも小さくすることができる。
また、転写装置6が記録部材又は表面移動部材にトナー像を転写する転写圧力が、表面移動部材の移動方向に対して、次第に高くする。これによって、上流側で、感光体ドラム1上の文字、細線等のライン部が、転写時に中央部のみ転写されてエッジ部が転写されず残留するトナー量を少なくすることで、下流側にある作像形成部2の感光体ドラム1に逆付着して移行するトナーを低減して、混食の影響を小さくすることができる。
【0034】
さらに、上述した画像形成装置内の構成のうち、少なくとも、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを、それぞれに備えられた一時保持装置40と一体に構成し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとすることができる。プロセスカートリッジとしては、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの周囲に配置された現像装置5、一時保持装置40、帯電装置3等の中から選択して、一体化して構成することができる。よって、プロセスカートリッジ内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジを交換すればよく、利便性が向上する。
【0035】
次に、本発明の画像形成装置に使用するトナーについて説明する。
本発明のトナーは、転写残トナーを保持・回収するタンデム型画像形成装置に用いられ、誘電率が2〜5の範囲にある。誘電率が高いと転写残トナーのうち正規帯電トナーTが転写領域おける転写装置6による電荷によって逆帯電トナーTに変化する。このために、逆帯電トナーTが増加し、転写ローラを汚すことによる帯電むらによって濃度むら等の異常画像となる。このために、誘電率が5を越えると、長い期間の画像形成により異常画像が発生する。誘電率が2未満では、飽和帯電量が低く、地肌かぶりの異常画像、細線再現性が低く画像品位が低くなり、実用上問題を生ずる。また、転写率が低くなるために、転写残トナーが多く、下流側にある作像形成部に入り混食する。このために、誘電率は、転写装置6によるトナー極性の変化を少なくするために2〜5の範囲にすることが好ましい。
また、トナーの電気抵抗は、8〜12LogΩ・cmの範囲にあることが好ましい。電気抵抗が低いと転写残トナーのうち正規帯電トナーTが転写領域おける転写装置6による電荷によって逆帯電トナーTに変化する。このために、逆帯電トナーTが増加し、転写ローラを汚すことによる帯電むらによって濃度むら等の異常画像となる。このために、電気抵抗が8LogΩ・cm未満では、長い期間の画像形成により異常画像が発生する。電気抵抗が12LogΩ・cmを越えると、飽和帯電量が低く、地肌かぶりの異常画像、細線再現性が低く画像品位が低くなり、実用上問題を生ずる。また、転写率が低くなるために、転写残トナーが多く、下流側にある作像形成部に入り混食する。このために、転写装置6によるトナー極性の変化を少なくするために8〜12LogΩ・cmの範囲にすることが好ましい。
また、トナーの加速凝集度が7〜21%の範囲にあることが好ましい。加速凝集度が21%を越えると、転写残トナーが多くなり、特に、転写で画像のライン部の中央部のみが転写され、エッジ部が転写されず残ることが多くなる。このために、再度転写装置6で転写され、下流側の作像形成部で感光体ドラム1に逆付着して混食する。しかし、加速凝集度が7未満では、製造するのが困難である。なお、誘電率は以下のように測定した。トナーを、不導体の円筒の上下に良好な導電性の金属電極を有する内径約2cmの測定セル内に0.5mm〜1.0mmの厚みになるように充填した。交流ブリッジ法により25℃、大気中、室内において測定し、1KHzの測定周波数から比誘電率 を求めた。
【0036】
また、トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも8μm以下のトナーを用いる。しかし、粒径が小さくなると現像性、クリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。さらに、3μm以下では、キャリア又は現像ローラの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおけるキャリアまたは現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーTが多くなり好ましくない。とくに、3μm以下のトナーが含まれても、粒径が3μm以下の量が、トナー全体の数の20%以下にすることが好ましい。微小粒径のトナーは、感光体との付着力が強くなるため、一時保持手段40でも回収・保持することが困難である。このために、感光体上に留まり、感光体へのレーザ光による露光を阻み、ベタ黒部に白ポチを形成することがある。また、一旦飛散すると、重量が軽いために画像形成装置内を汚すことがある。このために、微小粒径トナーは少ないことが好ましく、多くとも以下にする。
体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.05〜1.40の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一になり、逆帯電トナーTを少なくすることができる。Dv/Dnが1.40を越えると、トナーの帯電量分布も広く、逆帯電トナーTが多くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。Dv/Dnが1.05未満にするには、製造が困難であり、実用的ではない。
なお、トナーの粒径及び微小粒径トナーは、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することで得られる。
【0037】
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあることが好ましい。図5は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0038】
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又は感光体ドラム1との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力が弱くなり、その結果流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム1との吸着力が弱くなって、転写率が高くなり、また、逆帯電トナーTを一時保持装置40で回収しやすくなる。
トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると逆帯電トナーTが多くなり、また、トナーの帯電量分布が広くなり、一時保持装置40に対する負荷が大きくなる。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は180を越えない方が好ましい。
【0039】
さらに、この画像形成装置に用いるトナーは、略球形であってもよい。図6は、本発明のトナーの外形形状を示す概略図であり、図6(a)はトナーの外観であり、図6(b)はトナーの断面図である。図6(a)では、X軸がトナーの最も長い軸の長軸r1を、Y軸が次に長い軸の短軸r2を、Z軸に最も短い軸の厚さr3を表し、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を有している。
このトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される略球形の形状を有している。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。
厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、略球形の形状になるために、帯電量分布が狭くなる。
なお、これまでのトナーの大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変え、その場観察しながら測定した。
トナーの形状は、製造方法により制御することができる。例えば、乾式粉砕法によるトナーは、トナー表面も凸凹で、トナー形状が一定しない不定形になっている。この乾式粉砕法トナーであっても、機械的又は熱的処理を加えることで真球に近いトナーにすることができる。懸濁重合法、乳化重合法により液滴を形成してトナーを製造する方法によるトナーは、表面が滑らかで、真球形に近い形状になることが多い。また、溶媒中の反応途中で攪拌して剪断力を加えることで楕円にすることができる。
【0040】
以下に、トナーの具体的な構成成分、並びに製造方法について説明する。
この他のトナーの構成材料について説明する。
(変性ポリエステル)
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0041】
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0042】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0043】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0044】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0045】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0046】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0047】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0048】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0049】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0050】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0051】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0052】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0053】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0054】
上記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
【0055】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0056】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0057】
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
特に、シリカ、酸化チタンに上記の表面処理を施して得られる疎水性シリカ、疎水性酸化チタンを用いることが好ましい。
【0058】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーバインダの製造方法)
トナーバインダは以下の方法などで製造することができる。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート化合物(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などの多価イソシアネート化合物(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
未変性ポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
【0059】
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル(i)、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0060】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0061】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0062】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0063】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0064】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0065】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0066】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0067】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0068】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0069】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0070】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトは飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置では、感光体ドラムに対するクリーニング装置を設けることなく、感光体ドラム上の転写残トナーを回収し、帯電ローラへ付着するのを防いで、濃度むら等の異常画像の発生を抑えることができる。また、感光体ドラム上の転写残トナーが下流側にある感光体ドラムに付着して混食するのを防止して、高品位のカラー画像を得ることができる。
また、本発明のトナーでは、感光体ドラム上の転写残トナーが帯電ローラへ付着するのを防止することができ、さらに、タンデム型フルカラー画像形成装置における下流側の感光体ドラムに付着して混食するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】感光体ドラム周りの構成を示す概略図である。
【図3】トナーの帯電量分布を示すグラフで、(a)は、感光体ドラム上に担持されたトナーの転写直前におけるトナー帯電量分布を示すグラフである。また、(b)は、転写後に感光体ドラム上に残留した転写残トナーのトナー帯電量分布を示すグラフである。
【図4】一時保持装置の構成を示す概略図である。
【図5】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図6】本発明のトナーの外形形状を示す概略図であり、(a)はトナーの外観であり、(b)はトナーの断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 作像形成部
3 帯電装置
3a 帯電ローラ
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 攪拌搬送スクリュー
6 転写装置
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
30 接離機構
31 トナーボトル
40 一時保持装置
41 ブラシ状ローラ
42 駆動装置
43 第1電源
44 第2電源
45 切替スイッチ
117 第1転写電源
118 第2転写電源
119 切替スイッチ

Claims (24)

  1. 潜像を担持する潜像担持体と、帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて潜像担持体を帯電する帯電装置と、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、潜像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、転写装置による転写後に潜像担持体に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持し、その保持した転写残トナーを潜像担持体に戻す一時保持装置と、
    帯電部材と潜像担持体との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーを潜像担持体から回収する回収装置とを設け、
    かつ、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置であって、
    表面移動部材の移動方向の最下流にある現像装置に用いられるトナーの誘電率が最も高い
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、現像装置に用いられるトナーの誘電率を次第に高くする
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 潜像を担持する潜像担持体と、帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて潜像担持体を帯電する帯電装置と、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、潜像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と を備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、転写装置による転写後に潜像担持体に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持し、その保持した転写残トナーを潜像担持体に戻す一時保持装置と、
    帯電部材と潜像担持体との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーを潜像担持体から回収する回収装置とを設け、
    かつ、少なくとも、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置であって、
    表面移動部材の移動方向の最上流にある現像装置に用いられるトナーの電気抵抗が最も低い
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、現像装置に用いられるトナーの電気抵抗を次第に低くする
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの平均帯電量の絶対値が15〜40μC/gの範囲であって、トナーの帯電量分布における半値幅が、0.5〜4.0fC/mの範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの加速凝集度が、7〜21%の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、現像装置に用いられるトナーの加速凝集度を次第に低くする
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、表面移動部材の移動方向に対して、転写装置が記録部材又は表面移動部材にトナー像を転写する最下流の転写圧力が、最も高い
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、転写装置が記録部材又は表面移動部材にトナー像を転写する転写圧力が、表面移動部材の移動方向に対して、次第に高くする
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.05〜1.40の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの粒径が3μm以下の量が、トナー全体の数の20%以下である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーの形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーが、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーが、略球形の形状である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、現像装置に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、潜像担持体、一時保持装置、回収装置とを一体化して、本体に着脱可能にしたプロセスカートリッジを配設する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  17. 潜像を担持する潜像担持体と、帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて潜像担持体を帯電する帯電装置と、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、潜像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と を備える画像形成装置に用いられるトナーおいて、
    前記画像形成装置は、転写装置による転写後に潜像担持体に残留する転写残トナーのうち逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持し、その保持した転写残トナーを潜像担持体に戻す一時保持装置と、
    帯電部材と潜像担持体との間で形成される帯電領域を通過した逆帯電トナーを潜像担持体から回収する回収装置とを設け、かつ、少なくとも、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させ、
    前記トナーは、誘電率を2〜5の範囲にする
    ことを特徴とするトナー。
  18. 請求項17に記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、電気抵抗が8〜12LogΩ・cmの範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  19. 請求項17又は18に記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、加速凝集度が7〜21%の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  20. 請求項17ないし19のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.05〜1.40の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  21. 請求項17ないし20のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、粒径が3μm以下の量が、トナー全体の数の20%以下である
    ことを特徴とするトナー。
  22. 請求項17ないし21のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、トナーの形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  23. 請求項17ないし22のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
    ことを特徴とするトナー。
  24. 請求項17ないし23のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、略球形の形状である
    ことを特徴とするトナー。
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