JP2005030445A - Toroidal-type continuously variable transmission - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車や各種産業機械などに用いられるトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、特許文献1に記載されたハーフトロイダル型無段変速機が知られている。このハーフトロイダル型無段変速機は、図4および図5に略示するように、入力側軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力側軸1と同心に配置された出力側軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力側軸1並びに出力側軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。
【0003】
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11の周面11aが各内側面2a,4aに当接されている。
【0004】
入力側軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧する。押圧装置12は、入力側軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図4および図5の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図4および図5の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15は、入力側軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
【0005】
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力側軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2がパワーローラ11に押圧されると同時に、一対のカム面16,17とローラ15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力側軸3が回転する。
【0006】
入力側軸1と出力側軸3との回転速度を変える場合であって、入力側軸1と出力側軸3との間で減速を行う場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6を揺動させ、各パワーローラ11の周面11aが、図4に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9を傾斜させる。
【0007】
逆に、増速を行う場合には、各トラニオン6を揺動させ、各パワーローラ11の周面11aが、図5に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9を傾斜させる。各変位軸9の傾斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力側軸1と出力側軸3との間で、中間の変速比が得られる。
【0008】
更に、図6および図7は、例えば特許文献2に記載されたより具体化されたハーフトロイダル型無段変速機を示している。これは、一対の入力側ディスク2および出力側ディスク4を有するいわゆるシングルキャビティ式のハーフトロイダル型無段変速機である。入力側ディスク2および出力側ディスク4はそれぞれ、円管状の入力側軸(中心軸)18の周囲に、ニードル軸受19,19を介して、回転自在および軸方向に変位自在に支持されている。なお、図7においては、入力側軸18および出力側ディスク4の図示は省略している。
【0009】
また、ローディングカム式の押圧装置12を構成するためのカム板13は、入力側軸18の端部(図6の左端部)の外周面にスプライン係合され、鍔部20によって入力側ディスク2から離れる方向への移動が阻止されている。
また、出力側ディスク4には出力側歯車21がキー22,22により結合されており、これら出力側ディスク4と出力側歯車21とが同期して回転するようになっている。出力側歯車21と、入力側軸18の端部(図6の右端部)の固定ナット40の間には、ケーシング70から延びる支持壁41に設けられた2つのアンギュラ軸受42a,42bからなる複式のスラストアンギュラ軸受42および皿板ばね43が配置され、この構造によって、押圧装置12からパワーローラ11を介して出力側歯車21に負荷されるスラスト力および押圧装置12から入力側軸18に負荷されるスラスト力を受けている。
【0010】
図4および図5の構成と同様に、トロイダル型無段変速機を納めたケーシング70の内側には、入力側軸18に対し捻れの位置にある上部の枢軸(傾転軸)5aおよび下部の枢軸5bを中心として揺動する一対のトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6は、図7に示すように、支持板部7の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、これら折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面には、各枢軸5a,5bが互いに同心的に設けられている。
【0011】
支持板部7の中央部には円孔10が形成され、この円孔10には変位軸9の基端部9aが支持されている。そして、各枢軸5a,5bを中心として各トラニオン6を揺動させることにより、これら各トラニオン6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6の内側面から突出する変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。なお、各変位軸9の基端部9aと先端部9bとは、互いに偏心している。
【0012】
図7に示すように、各トラニオン6の両端部の枢軸5a,5bはそれぞれ、一対のヨーク23a,23bに対して揺動自在(図7の矢印Cおよび矢印D方向に傾転自在)および軸方向(図6の表裏方向、図7の矢印Aおよび矢印B方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23a,23bにより、各トラニオン6はその水平方向の移動を規制されている。
【0013】
一対のヨーク23a,23bのうち、図中上側にある上側ヨーク23aは、ケーシング70に設けられた球面ポスト(ポスト)64によって変位自在に支持され、球面ポスト64を中心に揺動可能になっている。また、上側ヨーク23aは、各トラニオン6の図中上側にある上部の枢軸5a,5aの間に球面ポスト64が位置するように、各トラニオン6の上部の枢軸5a,5aを支持している。また、図中下側にある下側ヨーク23bは、上側バルブボディ60に設けられた球面ポスト(ポスト)68によって変位自在に支持され、球面ポスト68を中心に揺動可能になっている。また、下側ヨーク23bは、各トラニオン6の図中下側にある下部の枢軸5b,5bの間に球面ポスト68が位置するように、各トラニオンの下部の枢軸5b,5bを支持している。
【0014】
また、前述したように、各トラニオン6を構成する支持板部7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行でかつ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
【0015】
なお、各トラニオン6に設けられた一対の変位軸9,9は、入力側軸18に対し、互いに180度逆側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側および出力側の両ディスク2,4の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力側軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11は、入力側軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11が入力側軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
【0016】
また、各パワーローラ11の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
【0017】
また、スラストニードル軸受25は、各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、各パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11および外輪28が各変位軸9の基端部9aを中心として揺動変位することを許容する。
【0018】
更に、各トラニオン6の下部の枢軸5b,5bにはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部の外周面に駆動ピストン(油圧駆動ピストン)30,30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30,30はそれぞれ、上側バルブボディ60と下側バルブボディ62とによって形成される駆動シリンダ31内に油密に嵌装されており、この駆動シリンダ31内で、各トラニオン6の枢軸5a,5bの軸方向(図7の矢印AおよびB方向)に変位可能になっている。これら各駆動ピストン30,30と駆動シリンダ31とで、各トラニオン6を、これらトラニオン6,6の枢軸5a,5bの軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
【0019】
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力側軸18の回転は、押圧装置12を介して、入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力側歯車21より取り出される。
【0020】
入力側軸18と出力側歯車21との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の矢印Aで示す上側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の矢印Bで示す下側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11の周面11aと入力側ディスク2および出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6が、各ヨーク23a,23bに枢支された上部の枢軸5a,5aおよび下部の枢軸5b,5bを中心として、互いに逆方向に揺動する。例えば、図7の左側のトラニオン6が矢印C方向に、右側のトラニオン6が矢印D方向に揺動(傾転)する。その結果、前述の図4および図5に示したように、各パワーローラ11の周面11aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力側軸18と出力側歯車21との間の回転速度比が変化する。
【0021】
上記のようなハーフトロイダル無段変速機は、入力トルクが大きくなると押付け力も大きくなり、各部材(各ディスク2,4、トラニオン6,6、ヨーク23a,23bなど)が変形し、ディスク2,4間の隙間が狭まる。したがって、このような弾性変形に対して両ディスク2,4とパワーローラ11の軸方向位置の調整が必要となる。図6の場合、ケーシングの支持壁41に設けられたスラストアンギュラ軸受42に接触している出力側歯車21および出力側ディスク4は軸方向に変位しない。一方、入力側ディスク2は押圧装置12によって出力側ディスク4に向けて(図中右方向に)変位するから、パワーローラ11が両ディスク2,4の軸方向中央の位置を維持するには、パワーローラ11は入力側ディスクの変位量と同じ量、同じ方向に変位する必要がある。
【0022】
このため、図6の装置では、パワーローラ11を回転自在に支持する変位軸の先端部9b,9bが、トラニオン6,6に支持される基端部に対して偏心して設けられている。したがって、上記のような各部の弾性変形が発生し、あるいはその変形量が変化すると、パワーローラ11およびこれら各パワーローラ11に付属の外輪28,28が、各変位軸9の基端部9a,9aを中心として僅かに回動して、パワーローラ11の軸方向の位置調整が行なわれる。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7,7の内側面との間には、スラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸9を回動させるための力が小さくて済む。
【0023】
なお、上記のようなトロイダル型無段変速機は、入力側ディスク2と出力側ディスク4の間に挟まれたパワーローラ11が回転することで、両ディスク2,4間における動力の伝達を行うトラクションドライブ方式である。この方式では、ディスク2,4とパワーローラ11の接触点に押付け力を与える必要があり、そのために押圧装置12により軸方向に推力を発生させている。
【0024】
図6に示した一対の入出力側ディスク2,4を備えるシングルキャビティ式無段変速機においては、このような推力を受けるために、大きなスラスト荷重を受ける軸受(図6におけるスラストアンギュラ軸受42)が必要となり、また、軸受損失により伝達効率が低下するという不利な点がある。
【0025】
一方、入出力側ディスク2,4を二対設置するダブルキャビティ式の無段変速機では、そのスラスト力をキャンセルすることができるので、このようなスラスト方向の軸受は不要になり、また伝達効率もシングルキャビティ式の場合よりも向上する。したがって、ダブルキャビティ式の無段変速機は、広く採用されている。しかしながら、入出力側ディスク2,4を二対設置するので、全体が軸方向に長くなってしまい、搭載スペースが限られている場合には採用できない。したがって、前記のようなシングルキャビティ式のトロイダル型無段変速機が必要とされる用途が多く存在する。
【0026】
【特許文献1】
実開昭62−71465号公報
【特許文献2】
実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
【特許文献3】
特開平10−159924号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、パワーローラ11を支持するために偏心する変位軸9を用い、部材の弾性変形によるパワーローラ11と両ディスク2,4の相対変位を、パワーローラ11を変位軸回りに回動させることによって軸方向に変位させて調整している場合、以下のような問題がある。
【0028】
各変位軸9のパワーローラ11側(先端部9b)とトラニオン6側(基端部9a)が偏心しているため、変位軸9,9の加工が容易ではない。また、このような偏心した変位軸9,9を介してトラニオン6にパワーローラ11を支持する構造が複雑になる。
【0029】
また、パワーローラ11とディスク2,4の接触点に発生するトラクション力を受ける際に、変位軸9,9の屈曲部(軸のつなぎ部)に高い応力が発生する。このため、応力を緩和させる為に変位軸9,9の大型化などの対策が必要であった。また、トラニオン6が変位軸9,9を支持する位置が、トラニオン6の長手方向(上下方向)中央より偏っているので、トラニオン6がヨーク23a,23bによって支持される枢軸5a,5bと支持板部7のつなぎ部にも大きな応力集中が起きる。
【0030】
さらに、パワーローラ11は軸方向に変位するが、トラニオン6の位置は入力側ディスク2に対して変位しないので、弾性変形が大きい場合には、トラニオン6と入力側ディスク2とが干渉する虞がある。このような干渉を避けるためには、トラニオン6の入力側ディスク2側の部分を削ることになる。ここで、トラニオン6の左右の対称性を維持しつつ削ると、トラニオン6が減厚して支持剛性が低下する。また、パワーローラ11が軸方向に変位した際に、トラニオン6のバックアップが無くなってしまい、荷重がトラニオン6に均等に作用しない。このため、パワーローラ11の変形が不均一となり、動力伝達効率の低下を起こしてしまう。
【0031】
一方、特許文献3に示されるように、片方のトラニオン6を入力側ディスク2側と出力側ディスク4側とで、非対称とすることにより干渉を避けながらもトラニオン6の肉厚を確保しするものがある。しかしながら、この場合には、荷重がトラニオン6に均等に作用しないため、やはりパワーローラ11の変形が不均一となり、効率低下を起こしてしまう。このような支持剛性の低下や、不均一な変形による動力伝達効率の低下を回避するために、結局、トラニオン6自体を大きくしなければならず、無段変速機も全体として大きくなってしまう。
【0032】
また、上記のような従来のトロイダル型無段変速機では、出力側ディスク4が軸方向に位置決めされ、パワーローラ11が軸方向に変位するようになっているので、押圧装置12によって発生する推力を軸方向に受けるために、出力側ディスク4に掛かるスラスト力を支持するスラスト軸受42aと、押圧装置12または入力側軸18に掛かるスラスト力を受けるスラスト軸受42bが必要になる。
【0033】
さらに、従来のトロイダル型無段変速機においては、部材の弾性変形によってパワーローラ11が変位軸9回りに回転しながら軸方向に移動する。その回転により、パワーローラ11はディスク2,4に対して上下に移動するので、変速してしまう。この変速は、伝達されるトルクとともに大きくなるので、変速制御が複雑になっていた。
【0034】
本発明は、上記のような背景に鑑みてなされたもので、パワーローラを支持するためのトラニオンや変位軸の構造を簡素化し、動力伝達効率の向上や、変速機自体の小型化を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に支持された一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスク間に挟持されるパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸線に対して捻れの位置にありかつ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、該トラニオンを前記枢軸の軸線方向に変位させる駆動装置と、前記一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクの少なくとも一方に、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクを前記中心軸線に沿って互いに接近するように押し付け力を与える押圧装置とを設けたトロイダル形無段変速機において、
前記パワーローラは前記中心軸線方向の移動を規制され、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクは共に前記中心軸線方向の移動が許容されていることを特徴とする。
【0036】
請求項1に記載の発明においては、押圧装置によって発生する押し付け力により、入力側ディスクと出力側ディスクの内側面は、その間に挟持したパワーローラの周面に押し付けられ、パワーローラの転動によって入力側ディスクと出力側ディスクの間における動力伝達が行われる。この押し付け力による部材の弾性変形等に伴って必要となる位置の調整は、パワーローラが中心軸線方向の移動を規制され、入力側ディスクおよび出力側ディスクが共に中心軸線方向の移動が許容されているので、入力側ディスクおよび出力側ディスクが中心軸線方向に移動することによって行われる。入力側ディスクおよび出力側ディスクがパワーローラの両側において移動するので、パワーローラを支持するトラニオンに対しても入力側ディスクおよび出力側ディスクが均等に変位し、したがって、その変位量も小さいので、入力側ディスクまたは出力側ディスクがトラニオンと干渉する危険性が小さい。また、パワーローラが移動しないため、トラニオンに確実に保持される。
【0037】
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記中心軸線に沿って変位可能、かつ前記一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクの一方と共に回転する軸体を有し、前記一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記押圧装置とは、前記軸体上に設けられていることを特徴とする。
【0038】
請求項2に記載の発明においては、一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクの一方と共に回転する軸体上に、一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクと押圧装置を設ける際に、軸体と共に回転するディスクの方の外側面に押圧装置を配置してこれを押圧することにより、他のディスクと軸体との間にのみスラスト軸受を設置すれば、押圧装置の押し付け力に起因するスラスト荷重を受けることができる。
【0039】
請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項2に記載の発明において、前記押圧装置は、前記軸体上において該軸体と共に回転するディスクの背面側に配置され、他方のディスクの背面と前記軸体の間にはスラスト軸受が設けられていることを特徴とする。
【0040】
請求項3に記載の発明においては、押圧装置によって軸体と共に回転するディスクが他方のディスクに向けて押し付けられ、この力に起因するスラスト荷重は、他方のディスクの背面に配置されたスラスト軸受によって負荷される。
【0041】
請求項4に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記出力側ディスクの外側面には、該外側面と軸線方向に対向して設けられた出力導出部材に回転力を伝達するための係合要素が設けられていることを特徴とする。
【0042】
請求項4に記載の発明においては、出力側ディスクが前記中心軸線方向に移動しても、係合要素による係合によって出力導出部材に回転力を伝達することができる。
【0043】
請求項5に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記トラニオンは、前記一対の枢軸を連結する支持板部と、該支持板部から前記枢軸の軸線に直交する方向に延び、前記パワーローラを回転自在に支持する支持軸とを有することを特徴とする。
【0044】
請求項5に記載の発明においては、パワーローラは、枢軸と支持軸の各軸線の交点を中心として回転動作を行なうのみであり、中心軸線に沿った方向の移動は規制される。パワーローラをトラニオンに支持する支持軸は直線状に延びており、パワーローラはトラニオンに対して支持軸回りの回転のみを行なうので、トラニオンにおけるパワーローラの支持構造は非常に簡単な構成となる。
【0045】
請求項6に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項5に記載の発明において、前記トラニオンの前記支持板部と前記パワーローラとの間に、前記パワーローラのスラスト力を受ける転動体を保持する軌道が形成されていることを特徴とする。
【0046】
請求項6に記載の発明においては、パワーローラはトラニオンに直接保持させた転動体によってスラスト荷重が負荷されるので、パワーローラが安定に支持される。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の各図において、図6および図7と同様な構成要素には同一符号を付してその説明を簡略化する。
【0048】
図1および図2は、本発明の第1実施の形態に係るシングルキャビティ式のハーフトロイダル型無段変速機を示している。この実施の形態において、入力側軸(軸体)50は、その中心軸線O1方向への移動が自由な状態で支持されている。すなわち、図1において入力側軸50の左側の端部は、ケーシング70から上下に延びる第1の支持壁51に設けられたラジアルニードル軸受52により支持され、入力側軸50の右側の端部は、第2の支持壁53に複式アンギュラ軸受54を介して支持される出力側歯車(出力導出部材)55の軸孔55aに挿通され、ラジアルニードル軸受56を介して支持されている。
【0049】
一方、パワーローラ11は、図2に示すように、トラニオン6に取り付けられた支持軸57によって回転自在に支持されている。支持軸57は、図7の変位軸9のように偏心しておらず、したがって、パワーローラ11を軸方向に変位させる「変位軸」ではない。つまり、支持軸57の軸線O3は、枢軸5a,5bの軸線O2と交点Xにおいて交差しており、トラニオンが枢軸5を中心として揺動するとパワーローラ11は両ディスク2,4間の円環状のキャビティ内で点Xを中心に回転するだけであり、軸方向に動くことはない。
【0050】
支持軸57を支持するトラニオン6の円孔10Aの中心の位置はパワーローラ11の回転中心と同じで、中心軸線O1と同じ高さ位置にある。この実施の形態では、トラニオン6を構成する支持板部7および、その端部に形成された枢軸5a,5bは、中心軸線O1を含む水平面に対して上下対称に構成されており、したがって、円孔10Aの位置は、支持板部7の中央にある。すなわち、支持軸57の中心から上下のヨークに支持される枢軸5a,5bの付け根Rの部分までの距離は等しくなっている。これにより、トラクション力が支持軸57に負荷された時の枢軸5a,5bの付け根Rの部分に発生する応力集中が緩和される。
【0051】
入力側軸50には、図1において左側の端部近傍に固定ナット(第1の位置決め部)71が螺合され、また、右側の端部近傍には鍔部(第2の位置決め部)72が形成され、これらの間に、左側から順に、皿ばね73、押圧装置12A、入力側ディスク2、および出力側ディスク4が配置されている。
【0052】
皿ばね73は、入出力側ディスク2,4間に予圧を与える、あるいはこれらのディスク2,4に衝撃荷重が負荷されるのを防止するもので、図6に示す皿板ばね42と同様に作用する。押圧装置12Aは、図6に示すものと同様にローディングカム式のもので、カム板13Aと、保持器14により保持された複数個のローラ15と、カム板13Aおよび入力側ディスク2の互いの対向面に形成されたカム面16,17とから構成されている。カム板13Aの背面(入力側ディスク2とは反対側の面)には、エンジンの回転を伝達する図示しない駆動軸と係合してその回転を伝達する爪74が形成されている。カム板13Aは、ボールスプライン結合75によって入力側軸50の軸方向に変位可能、かつ入力側軸50と一体に回転するようになっている。
【0053】
入力側ディスク2および出力側ディスク4は、それぞれ入力側軸50にラジアルニードル軸受76,77を介して回転自在に支持され、対向する内側面2a,4aの間に一対のパワーローラ11,11を挟持している。出力側ディスク4の外側面4bには、外周側に、径方向に延びる爪(係合要素)78が形成され、これは第2の支持壁53に複式アンギュラ軸受54によって支持された出力側歯車55の内側面(出力側ディスク4に対向する面)55bに形成された爪79と係合して、これに出力側ディスク4の回転を伝達するようになっている。また、出力側ディスク4の外側面4bの内周側には、これと対向する鍔部72の内側面72aとの間にスラスト玉軸受80が構成されている。すなわち、これらの面4b,72aには、それぞれ周方向に延びる断面円弧状の軌道が形成され、これらの軌道には、保持器81によって保持された複数のボール82が配置されている。
【0054】
このように構成されたトロイダル型無段変速機においては、先に説明したように、入力側軸50は軸方向に移動自在であり、一方、パワーローラ11は、トラニオン6が枢軸5a,5bの軸線回りに揺動しても、その周面11aの位置は変わらず、軸方向には変位しない。したがって、入力側軸50の軸方向位置は、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4の接触によって決まる。すなわち、図1に示す状態で、入力側軸50は、鍔部72において玉軸受80から、固定ナット71において皿ばね73から、それぞれ軸方向の力を受ける。これらの力の軸方向成分が釣り合っていれば、入力側軸50はその位置に止まり、釣り合っていない場合には、それらが釣り合うまで移動する。これらに作用する力は、トラニオン6の枢軸5a,5bから、鍔部72あるいは固定ナット71に至る間に介在する部材の弾性変形応力のような静的な力と、パワーローラ11と各ディスク2,4の内側面に作用するトラクション力のような動的な力とがある。
【0055】
このトロイダル型無段変速機において、図示しない駆動軸の回転は、爪74を介して押圧装置12Aのカム板13Aに、そして、ローラ15とカム面16,17の接触により、入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転は、一対のパワーローラ11,11を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、爪78,79どうしの係合を介して出力側歯車55に伝えられ、取り出される。
【0056】
入力側軸50と出力側歯車55との間の回転速度比を変える場合には、図7の場合と同様に、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。
【0057】
その結果、これら各パワーローラ11の周面11aと入力側ディスク2および出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6が、各ヨーク23a,23bに枢支された上部の枢軸5a,5aおよび下部の枢軸5b,5bを中心として、互いに逆方向に揺動する。その結果、前述の図4および図5に示したように、各パワーローラ11の周面11aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力側軸50と出力側歯車55との間の回転速度比が変化する。
【0058】
ここで、トラニオン6が枢軸5a,5b回りに揺動しても、パワーローラ11の周面11aの位置は変わらないが、パワーローラ11の各ディスク2,4への接触位置が変わる結果として、トラクション力が変化し、鍔部72および固定ナット71へ掛かる軸方向力のバランスが崩れる場合がある。その場合には、入力側軸50は迅速に移動してバランスを回復するので、力のアンバランスが継続することなく、したがって、トラクション力が一部に集中するような事態が回避される。
【0059】
次に、駆動軸からの入力トルクが大きくなり、押圧装置12Aによる押付け力が大きくなって、ディスク2,4、トラニオン6、ヨーク23a,23bなどが変形した場合の動きについて説明する。この場合、説明を簡略化するために、ディスク2,4、トラニオン6のみが変形するものとし、かつ、枢軸5a,5bから入出力側ディスク2,4の各外側面までの部分が均等に変形すると仮定する。軸方向の弾性変形の総量は、カム面16,17どうしの離隔量、いわゆるカムリフト量で表され、これをhとすると、枢軸5a,5bと鍔部72の間隔の変化は弾性変形量−(h/2)であり、枢軸5a,5bと固定ナット71の間隔の変化は、弾性変形量とカムリフト量の和であるので、+(h/2)となる。つまり、入力側軸50は、押圧装置12Aの側にカムリフト量の2分の1だけ変位する。
【0060】
ちなみに、図6に示す従来の装置の場合には、同じ条件の基では、出力側ディスク4は複式スラストアンギュラ軸受によって動きを規制されているので変位せず、パワーローラ11は変位軸9,9まわりの回動によって(h/2)だけ、入力側ディスク2はカムリフト量hだけ、それぞれ出力側ディスク4側に変位する。この際、トラニオン6は変位しないから、トラニオン6と入力側ディスク2はhだけ接近することになり、特に、パワーローラ11が図4に示す減速側に傾動している場合には、干渉する虞がある。一方、本発明によれば、トラニオン6と入力側ディスク2の接近は(h/2)であり、干渉の虞は小さい。
【0061】
なお、本発明のトロイダル型無段変速機では、このように入力側軸50が軸方向に変位するので、その最大変位量を見積もって、例えば、固定ナット71と第1の支持壁51の間の隙間や、鍔部72と出力側歯車55の間の隙間、あるいは出力側ディスク4と出力側歯車55の間の爪の噛み合い量などを設定することが必要である。
【0062】
図3は、この発明の第2実施の形態を示す断面図である。以下の説明において、第1実施の形態、あるいは図7の従来のトロイダル型無段変速機と同様の構成要素については、符号を同一とし、説明を簡略化あるいは省略する。
【0063】
この実施の形態が図2の実施の形態と大きく異なる点は、支持軸57Aをトラニオン6Aと一体に形成したこと、およびパワーローラ11を支持するスラスト玉軸受24Aを、パワーローラ11とトラニオン6Aの内側面の間に直接形成したことである。もちろん、これらを個別に採用することも可能である。
【0064】
この実施の形態においては、パワーローラ11を支持する支持軸57Aはトラニオン6Aに対して変位しないので、一体化することができる。これに伴い、これらを別部材として製作し、組み立てる手間が省けるとともに、支持軸57Aの位置決め精度も向上し、剛性も向上するので、パワーローラ11の回転が安定し、変速機の動力伝達効率が向上する。また、パワーローラ11を支持するスラスト玉軸受24A、パワーローラ11と支持軸57Aの間のラジアルニードル軸受83、およびパワーローラ11の周面11aやディスク2,4の内側面2a,4aに潤滑油を供給する油路84a,84b,84cは1つの部材に形成すれば良いので、作業が非常に容易になるとともに、油路84a,84b,84cも直線的に形成できるので、給油が安定して行われる。
【0065】
また、この実施の形態においては、パワーローラ11はトラニオン6Aに対して支持軸57A回りに回転するだけであるので、トラニオン6Aの支持板部7Aの内側面に軌道を形成し、これに玉26を収容して、保持器27およびパワーローラ11を取り付けることにより、パワーローラ11のスラスト力をトラニオン6Aに直接負荷させることができる。これにより、図6および図7の従来の場合に、外輪28、および外輪28と支持板部7Aの内側面との間に配置していたスラストニードル軸受25が不要になり、部品点数の削減や組立工数の減少を達成できるとともに、パワーローラ11が安定に支持される結果、安定な回転による動力伝達効率の向上、寿命の延長等の効果が得られる。なお、トラニオンの表面に形成する軌道の表面は、HRc50以上の硬度を有することが、円滑な軸受作用を長期に維持するために好ましい。
【0066】
なお、この発明の実施の形態は、上述のものに限定されるものではなく、種々の改変が可能である。例えば、トラニオンによるパワーローラの支持剛性を高めるために、折れ曲がり壁部8,8の先端を連結するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、押圧装置12として、ローディングカム式のものを採用したが、油圧ローディング式ものを採用してもよい。また、出力側ディスク4からの出力の取り出しは、爪どうしの係合によって行っているが、例えば、ボールスプラインによる係合により取り出すようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、パワーローラを中心軸線方向に移動させないので、パワーローラを支持するためのトラニオンの構造を簡素化することができ、動力伝達効率の向上、組立性の向上、変速機自体の小型化を図ることができる。また、パワーローラを支持するトラニオンに対して入力側ディスクおよび出力側ディスクが自由に変位するので、入力側ディスクまたは出力側ディスクの一方のみが偏って変位し、トラニオンと干渉したりする危険性が小さい。したがって、トラニオンの軸方向の厚さを充分確保することができ、これにより動力伝達効率の向上や変速機自体の小型化を一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の要部の断面図である。
【図2】図1のI−I線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の要部の断面図である。
【図4】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。
【図5】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。
【図7】図6のII−II線に沿う断面図である。
【符号の説明】
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
5a,5b 枢軸
6 トラニオン
7,7A 支持板部
11 パワーローラ
12 押圧装置
24A スラスト玉軸受
26 玉(転動体)
32 駆動装置
50 入力側軸(軸体)
55 出力側歯車(出力導出部材)
57 支持軸
71 固定ナット
72 鍔部
78 爪(係合要素)
80 スラスト玉軸受
O1 中心軸線
O2 軸線
O3 軸線[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a toroidal continuously variable transmission used in, for example, automobiles and various industrial machines.
[0002]
[Prior art]
A half-toroidal continuously variable transmission described in
[0003]
The cross sections of the
[0004]
A loading cam
[0005]
In the toroidal type continuously variable transmission having such a configuration, when the
[0006]
When the rotational speeds of the
[0007]
On the contrary, when the speed is increased, each
[0008]
Further, FIGS. 6 and 7 show a more specific half-toroidal continuously variable transmission described in
[0009]
Further, the
Further, an output side gear 21 is coupled to the output side disk 4 by means of
[0010]
Similar to the configuration of FIGS. 4 and 5, the upper pivot shaft (inclination shaft) 5 a that is twisted with respect to the
[0011]
A
[0012]
As shown in FIG. 7, the
[0013]
Of the pair of
[0014]
Further, as described above, in the
[0015]
The pair of
[0016]
In addition, between the outer surface of each
[0017]
The
[0018]
Further, drive rods (trunnion shafts) 29, 29 are provided on the
[0019]
In the case of the toroidal continuously variable transmission configured as described above, the rotation of the
[0020]
When changing the rotational speed ratio between the
As a result, the direction of the tangential force acting on the contact portion between the
[0021]
In the half-toroidal continuously variable transmission as described above, when the input torque increases, the pressing force also increases, and each member (
[0022]
For this reason, in the apparatus of FIG. 6, the
[0023]
In the toroidal type continuously variable transmission as described above, the
[0024]
In the single cavity continuously variable transmission including the pair of input /
[0025]
On the other hand, in the double cavity type continuously variable transmission in which two pairs of the input /
[0026]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Publication No. 62-71465
[Patent Document 2]
Microfilm of Japanese Utility Model No. 63-69293 (Japanese Utility Model Laid-Open No. 1-173552)
[Patent Document 3]
JP-A-10-159924
[0027]
[Problems to be solved by the invention]
However, as described above, the
[0028]
Since the
[0029]
Further, when receiving the traction force generated at the contact point between the
[0030]
Further, although the
[0031]
On the other hand, as shown in Patent Document 3, the thickness of the
[0032]
Further, in the conventional toroidal type continuously variable transmission as described above, since the output side disk 4 is positioned in the axial direction and the
[0033]
Further, in the conventional toroidal type continuously variable transmission, the
[0034]
The present invention has been made in view of the background as described above, and is intended to simplify the structure of a trunnion and a displacement shaft for supporting a power roller, improve power transmission efficiency, and reduce the size of the transmission itself. An object of the present invention is to provide a toroidal-type continuously variable transmission capable of achieving the above.
[0035]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a toroidal-type continuously variable transmission according to
The power roller is restricted from moving in the central axis direction, and both the input side disk and the output side disk are allowed to move in the central axis direction.
[0036]
In the first aspect of the present invention, due to the pressing force generated by the pressing device, the inner surface of the input side disk and the output side disk is pressed against the peripheral surface of the power roller sandwiched therebetween, and the power roller is rolled. Power is transmitted between the input side disk and the output side disk. The adjustment of the position required due to the elastic deformation of the member by this pressing force is such that the power roller is restricted from moving in the central axis direction, and both the input side disk and the output side disk are allowed to move in the central axis direction. Therefore, this is performed by moving the input side disk and the output side disk in the direction of the central axis. Since the input-side disk and output-side disk move on both sides of the power roller, the input-side disk and output-side disk are evenly displaced with respect to the trunnion that supports the power roller. The risk of the side disc or output disc interfering with the trunnion is small. Further, since the power roller does not move, it is securely held by the trunnion.
[0037]
A toroidal-type continuously variable transmission according to
[0038]
In the invention according to
[0039]
The toroidal type continuously variable transmission according to claim 3 is the invention according to
[0040]
In the invention according to claim 3, the disk rotating together with the shaft body is pressed against the other disk by the pressing device, and the thrust load caused by this force is caused by the thrust bearing disposed on the back surface of the other disk. Be loaded.
[0041]
A toroidal continuously variable transmission according to a fourth aspect is the invention according to any one of the first to third aspects, wherein the outer surface of the output side disk is opposed to the outer surface in the axial direction. The engaging element for transmitting rotational force to the provided output derivation member is provided.
[0042]
According to the fourth aspect of the present invention, even if the output side disk moves in the central axis direction, the rotational force can be transmitted to the output lead-out member by the engagement by the engagement element.
[0043]
The toroidal continuously variable transmission according to claim 5 is the invention according to any one of
[0044]
In the fifth aspect of the present invention, the power roller only rotates around the intersection of the axis of the pivot and the support shaft, and movement in the direction along the center axis is restricted. The support shaft for supporting the power roller on the trunnion extends linearly, and the power roller only rotates around the support shaft with respect to the trunnion. Therefore, the support structure of the power roller in the trunnion is very simple.
[0045]
A toroidal-type continuously variable transmission according to
[0046]
In the invention according to
[0047]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. In the following drawings, the same components as those in FIGS. 6 and 7 are denoted by the same reference numerals, and the description thereof is simplified.
[0048]
1 and 2 show a single cavity half-toroidal continuously variable transmission according to a first embodiment of the present invention. In this embodiment, the input side shaft (shaft body) 50 is supported in a state where it can freely move in the direction of the central axis O1. That is, the left end portion of the
[0049]
On the other hand, the
[0050]
The center position of the
[0051]
A fixing nut (first positioning portion) 71 is screwed into the
[0052]
The
[0053]
The
[0054]
In the toroidal-type continuously variable transmission configured as described above, as described above, the
[0055]
In this toroidal-type continuously variable transmission, the rotation of the drive shaft (not shown) is applied to the cam plate 13A of the
[0056]
When the rotational speed ratio between the
[0057]
As a result, the direction of the tangential force acting on the contact portion between the
[0058]
Here, even if the
[0059]
Next, the movement when the input torque from the drive shaft increases, the pressing force by the
[0060]
Incidentally, in the case of the conventional apparatus shown in FIG. 6, under the same conditions, the output disk 4 is not displaced because the movement of the output disk 4 is restricted by the double thrust angular bearing, and the
[0061]
In the toroidal type continuously variable transmission according to the present invention, the
[0062]
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a second embodiment of the present invention. In the following description, the same components as those in the first embodiment or the conventional toroidal continuously variable transmission in FIG. 7 are denoted by the same reference numerals, and the description thereof is simplified or omitted.
[0063]
This embodiment differs greatly from the embodiment of FIG. 2 in that the
[0064]
In this embodiment, since the
[0065]
In this embodiment, since the
[0066]
The embodiment of the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made. For example, the ends of the
[0067]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the power roller is not moved in the central axis direction, the structure of the trunnion for supporting the power roller can be simplified, the power transmission efficiency is improved, and the assembling property is improved. Improvement and downsizing of the transmission itself can be achieved. In addition, since the input side disk and the output side disk are freely displaced with respect to the trunnion that supports the power roller, there is a risk that only one of the input side disk or the output side disk will be displaced and interfere with the trunnion. small. Therefore, a sufficient thickness of the trunnion in the axial direction can be ensured, which can further improve power transmission efficiency and reduce the size of the transmission itself.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part of a toroidal type continuously variable transmission according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a main part of a toroidal continuously variable transmission according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a side view showing a basic configuration of a conventionally known toroidal type continuously variable transmission in a state of maximum deceleration.
FIG. 5 is a side view showing a basic configuration of a conventionally known toroidal type continuously variable transmission in a state of maximum speed increase.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an example of a specific structure of a conventional toroidal-type continuously variable transmission.
7 is a cross-sectional view taken along line II-II in FIG.
[Explanation of symbols]
2 Input disk
4 Output disk
5a, 5b Axis
6 Trunnion
7,7A Support plate
11 Power Roller
12 Pressing device
24A Thrust ball bearing
26 balls (rolling elements)
32 Drive unit
50 Input side shaft (shaft body)
55 Output side gear (output lead-out member)
57 Support shaft
71 Fixing nut
72 Buttocks
78 Claw (engagement element)
80 Thrust ball bearing
O1 center axis
O2 axis
O3 axis
Claims (6)
前記パワーローラは前記中心軸線方向の移動を規制され、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクは共に前記中心軸線方向の移動が許容されていることを特徴とするトロイダル形無段変速機。A pair of input-side and output-side discs supported concentrically and rotatably with their inner surfaces facing each other, a power roller sandwiched between these discs, the input-side disc, and A trunnion that swings about a pair of pivots that are concentric with each other and that are concentrically arranged with respect to the central axis of the output-side disk and that rotatably supports the power roller; and A driving force for displacing the input side disk and the output side disk is applied to the drive device for displacing the input side disk and the output side disk so as to approach each other along the central axis. In a toroidal continuously variable transmission provided with a pressing device,
The toroidal continuously variable transmission, wherein the power roller is restricted from moving in the central axis direction, and both the input side disk and the output side disk are allowed to move in the central axis direction.
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