JP2005030280A - フィルタ - Google Patents

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Kazuo Osumi
和生 大角
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Abstract

【課題】フィルタの気孔径や気孔率の調整及び均質化や、触媒の分散の均一化や所望の分布とすることが容易で、しかも、触媒担持の際の作業性や繊維フィルタにおける繊維折損性を改善でき、DPFとした使用した場合に少ない電力で効率よく再生できるフィルタを提供する。
【解決手段】繊維フィルタ部材20と該繊維フィルタ部材20に電圧を加えるための電極30とを有して構成されるフィルタ1であって、前記繊維フィルタ部材20を、互いに結合されず、個々に独立した繊維21で形成すると共に、前記繊維フィルタ部材20に強誘電体からなる粒子22及び触媒を担持させた粒子23,24を点在させて形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス等を浄化するフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM:パティキュレート・マター:以下PMとする)の排出量は、NOx,COそしてHC等と共に年々規制が強化されてきており、規制の強化に伴いエンジンの改良のみでは、対応できなくなってきている。そこで、エンジンから排出されるPMをディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter :以下DPFとする)と呼ばれるフィルタで捕集して、外部へ排出されるPMの量を低減する技術が開発され、直接、このPMを捕集するフィルタには、繊維フィルタ、多孔質フィルタが使用されてきている。
【0003】
そして、この繊維フィルタを使用したフィルタには、無機繊維をフェルト状にしたフィルタの両面に耐熱金網を重ね合わせて、フィルタと耐熱金網の一体構造体を周方向に蛇腹状に折り曲げて筒状にし、耐熱金網に電圧を印加してコロナ放電させることにより、PM(排気微粒子)を帯電させ、耐熱金網の間のフィルタで捕集し、同時に、帯電させたPMを陰極の耐熱金網で捕捉し、また、窒素酸化物をコロナ放電により窒素と酸素に分解するようにしているものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、金属多孔材、金網等の金属部材に触媒を担持した触媒層と、セラミック繊維を積層した不織布層とを交互に積層した積層構造を、蛇腹状に折り曲げてフィルタを形成し、金属部材に分散付着した触媒の作用により、排気ガス中のHCの酸化反応を促進すると共に、PMの反応温度を低下させ、また、再生時には触媒層に通電し加熱できるようにしているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
更に、無機繊維をランダムに積層して形成したフェルト状フィルタに、貴金属触媒と卑金属酸化触媒を担持させると共に、フィルタの両面に耐熱金網を積層し、耐熱金網の少なくとも一方にフィルタ加熱用の電力を供給できるようにしているものもある(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−136714号公報 (第2頁)
【0007】
【特許文献2】
特開2002−188427号公報 (第2頁〜第4頁)
【0008】
【特許文献3】
特開2002−206418号公報 (第2頁〜第3頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そして、DPFに関するフィルタに捕集されたすす等であるPMを取り除く(再生処理)方法としては、フィルタに酸化触媒を担持し、排気ガス温度で再生する方法、フィルタ自体を加熱して再生する方法、圧搾空気を利用して払い落とす方法、プラズマを利用して再生する方法等があるが、それぞれ、以下のような問題がある。
【0010】
酸化触媒を使用する方法では、触媒効果を発揮する温度に排気ガスを保つ必要があったり、使用過程において触媒の性能劣化が生じるという問題があり、フィルタ自体を加熱する方法では、フィルタを加熱するために大きなエネルギーが必要となったり、フィルタを連続的に再生できないため、複数個のフィルタが必要となるという問題がある。
【0011】
また、圧搾空気を利用する方法では、圧搾空気用の供給装置が必要となったり、フィルタを連続的に再生できないため、複数個のフィルタが必要になるという問題があり、プラズマを利用する方法では、プラズマを連続的に発生させる必要があるため、電力消費量が大きいという問題がある。
【0012】
本発明は、上述の問題を解決するすべくなされたものであり、その目的は、繊維フィルタ部材に、触媒を担持した粒子や強誘電体からなる粒子等を点在させることにより、DPFとした使用した場合に少ない電力で効率よく再生できるフィルタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するための本発明のフィルタは、次のように構成される。
【0014】
本発明のフィルタは、繊維フィルタ部材と該繊維フィルタ部材に電圧を加えるための電極とを有して構成されるフィルタであって、前記繊維フィルタ部材を、互いに結合されず、個々に独立した繊維で形成すると共に、前記繊維フィルタ部材に強誘電体からなる粒子を点在させて形成する。
【0015】
この粒子の大きさは5〜50μmφが好ましい。つまり、繊維フィルタの気孔(目開)径は粗のフィルタで80〜100μmφ程度で、密のフィルタで40〜60μmφ程度であり、圧力損失と性能のバランスから気孔の1/2〜1/10程度の粒子径が適している。そして、5μmφより小さい粒子では飛散の問題が生じるので不適となる。
【0016】
なお、この粒子の大きさとは粒子の最も長い部分の寸法のことをいい、粒子の形状も、必ずしも球形である必要は無い。また、この粒子は、処理対象流体に含まれる捕集対象の粒子、例えば、PM等とは別種の粒子である。
【0017】
この構成によれば、強誘電特性を有する物質である強誘電体の粒子が繊維フィルタ部材の中に点在するので、このフィルタの両面や内部に配置した電極間に電圧を加えて、強誘電体の粒子間にプラズマを発生させて、捕集された物質の浄化の促進、例えば、PM等の燃焼の促進や担持している酸化触媒の活性回復を図ることができるようになる。
【0018】
また、上記のフィルタにおいて、前記繊維フィルタ部材に、前記強誘電体からなる粒子と共に、触媒を担持した粒子を点在させて構成することにより、フィルタが酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒を保有でき、処理対象流体中の物質、例えば、内燃機関等の排気ガス中のHCや捕集されたPMを低温で酸化できるようになり、また、排気ガス中のNOxを還元浄化できるようになる。また、強誘電体の粒子の点在により、この粒子間におけるプラズマ発生により、捕集された物質の浄化の促進、例えば、捕集されたPMの燃焼の促進や、担持しているNOx還元触媒の活性回復を図ることができるようになる。
【0019】
そして、上記のフィルタにおいて、前記繊維フィルタ部材の上流側に、酸化触媒を担持した粒子と強誘電体からなる粒子を点在させると共に、前記繊維フィルタ部材の下流側に、NOx還元触媒を担持した粒子と強誘電体からなる粒子を点在させて構成することにより、上流側では、処理対象流体中の物質、例えば、排気ガス中のHCや捕集されたPM等を低温で酸化できるようになり、下流側では、処理対象流体中のNOxを還元浄化できるようになる。
【0020】
また、上記のフィルタにおいて、フィルタの上流から下流に向かって、前記繊維フィルタ部材の気孔径又は気孔率が、連続的又は段階的に小さくなるように構成することにより、上流側のみの目詰まりが回避され、フィルタ全体で効率よく捕集できるようになる。
【0021】
上記の異なる種類の前記粒子を点在させた前記フィルタにおいて、上流から下流に向かって、前記粒子の配合比、前記粒子の配合量、前記粒子が担持する触媒の種類、前記粒子が担持する触媒の担持量の少なくとも一つが、連続的又は段階的に変化するように構成することにより、排気ガス等の処理対象流体がフィルタの上流から下流に進行するに従って、それぞれの部分における触媒の種類、密度により、適正な順序で順次浄化されるので、効率よく処理対象流体を浄化できる。
【0022】
上記のフィルタにおいて、前記繊維フィルタ部材と耐熱金網で形成した電極とを交互に積層して、外側の面がそれぞれ電極となるように積層体を構成し、前記電極に電圧源を接続可能に構成すると共に、前記電圧源と接続する前記電極を選択できるように構成することにより、フィルタを構成する繊維フィルタ部材の中でも、特に、プラズマ発生が必要な繊維フィルタ部材を選択して優先的にプラズマ発生を行うことができるので、プラズマ発生用のエネルギーを有効利用できる。
【0023】
上記のフィルタの製造方法は、フィルタの製造において、前記繊維フィルタ部材に前記粒子を浮遊させた気流を通過させて、又は、前記繊維フィルタ部材を前記粒子を浮遊させた気流中に置いて、前記粒子を前記繊維フィルタ部材に捕捉させることにより、前記繊維フィルタ部材に前記粒子を点在させる方法として構成される。
【0024】
このフィルタの製造方法によれば、触媒溶液への浸漬、乾燥等の工程が無くなるので、容易かつ短時間で製造可能となり、その上、繊維フィルタ部材担体でも、フィルタに組み付けた後でも、粒子をフィルタに点在でき、フィルタの気孔率や、処理対象物の捕集率等を調整できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態のフィルタについて、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する浄化装置用のフィルタを例にして、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1に、この実施の形態のフィルタ1の構成を示す。このフィルタ1は、繊維フィルタ部材20A,20B,20C,20D(以下、総称する場合は20とする)と電極30A,30B,30C,30D,30E(以下、総称する場合は30とする)とを交互に積層して、外側の面がそれぞれ電極30となるように構成された積層体10を濾過体とし、この繊維フィルタ部材20に電極30を介して電圧を加えるための電圧源40が設けられ、この電圧源40と電極30が切り換えスイッチ50を介して結線される。
【0027】
本発明の繊維フィルタ部材20は、互いに結合されず、個々に独立した繊維21で形成され、この繊維21の間に、少なくとも一種類以上の物質からなる粒子22,23,24を点在させて形成する。
【0028】
この繊維21は、炭化ケイ素や窒化ケイ素やアルミナ系の無機繊維を材料とする、繊維径が5〜30μmφ、好ましくは9〜14μmφで、平均繊維長さが10〜100mm、好ましくは30〜50mmの繊維であり、この繊維21をランダムに配置した不織布で繊維フィルタ部材20を形成する。この繊維21はバインダー等で結合せずに、個々に独立して移動可能なように、即ち、繊維フィルタ部材20の繊維21同士は固定されずに相対移動(ずれ)が可能なように形成される。この繊維フィルタ部材20はニードルパンチ法等により作製される。
【0029】
この構成により、繊維同士が自由に動けるという独立性を確保できるため、目詰まりや熱応力に起因する応力変動による繊維の破壊が少なくなり、繊維フィルタ部材の耐折損性が著しく向上する。また、気孔率が比較的不均一な繊維フィルタ部材の気孔部に、粒子を分散させて点在させることにより、繊維フィルタ部材の気孔率の均質化を図ることができる。更に、粒子のサイズ、形状、捕捉率を変更することで、PM等の濾過対象物に関する捕集効率、捕集量等をフィルタ特性が最適化されるように調整できる。即ち、この粒子を気孔率調整材として使用することができる。
【0030】
そして、この粒子22は、チタン酸バリウム(BaTiO)やマンガン酸バリウム(BaMnO)等の強誘電特性を有する強誘電体で形成された、5〜50μm、好ましくは10〜20μmの粒子(以下、強誘電体粒子とする)であり、電極30に電圧が加わったときに、この強誘電体粒子間にプラズマ放電が発生するように、適当な密度で繊維フィルタ部材20内に点在させる。
【0031】
そして、粒子23は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の酸化触媒を担持した5〜50μm、好ましくは10〜20μmのアルミナや、炭酸カリウム触媒を担持した5〜30μm、好ましくは10〜20μmのアルミナ等の粒子(以下、酸化触媒粒子とする)である。
【0032】
また、粒子24は、ブラウンミラライト触媒や貴金属、アルカリ土類金属、ペロブスカイト型複合酸化物等のNOx還元触媒を担持した5〜50μm、好ましくは10〜20μmのアルミナ等の粒子(以下、NOx還元触媒粒子とする)である。
【0033】
そして、これらの粒子22,23,24から粒子を選択して、空気等の流体中に浮遊させて、この粒子を浮遊させた流体を繊維フィルタ部材20に通過させて、あるいは、この流体中に繊維フィルタ部材20を放置して、この粒子を繊維フィルタ部材20の気孔部に捕捉させることにより、気孔部に粒子22,23,24が入り込んだ形で、繊維フィルタ部材20の繊維21の間に点在させる。
【0034】
そして、電極30は、鉄、クロム、アルミニウムを含む合金等を材料とする耐熱金網で形成され、フィルタの上流側面及び下流側面と、必要に応じて、フィルタの内部、具体的には、繊維フィルタ部材20の間に設けられる。図1の構成では、繊維フィルタ部材20は、4層で形成され、電極30は、この繊維フィルタ部材20の前後に配置され、合計で5面を形成している。
【0035】
つまり、上流から下流に向かって、電極30A、繊維フィルタ部材20A、電極30B、繊維フィルタ部材20B、電極30C、繊維フィルタ部材20C、電極30D、繊維フィルタ部材20D、電極30Eと重ね合わせて、積層体10を構成する。
【0036】
そして、この繊維フィルタ部材20A,20B,20C,20Dは、同じ粒子分布をし、粗密度が同じ繊維フィルタ部材で形成してもよいが、好ましくは、図1に示すように、上流側の繊維フィルタ部材20A,20Bは、強誘電体粒子22と酸化触媒粒子23を点在させた、粗の繊維フィルタ部材で構成し、下流側の繊維フィルタ部材20C,20Dは、強誘電体粒子22とNOx還元触媒粒子24を点在させた、密の繊維フィルタ部材で構成する。
【0037】
この粗の繊維フィルタ部材20A,20Bは、例えば、繊維径14μmφで形成され、密の繊維フィルタ部材20C,20Dは、例えば、繊維径9μmφで形成される。
【0038】
この積層体10を、図2に示すように、ケース60に入れて、耐熱金網で形成した電極30に、切り換えスイッチ50を介してAC電源の電圧源40を接続し、フィルタ1を形成する。このフィルタ1をディーゼルエンジンEの排気通路2に設置し、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)として、排気ガスGを浄化し、浄化された排気ガスGcにする。
【0039】
この構成のフィルタ1によれば、ディーゼルエンジンEから排出される排気ガス中のPMを繊維フィルタ部材20で捕集でき、排気ガス中のHC,CO等を繊維フィルタ部材20A,20Bに点在している酸化触媒粒子23に担持された酸化触媒により、酸化することができる。そして、このHC,COの酸化で発生する熱を利用して、捕集されたPMを燃焼除去することができる。また、排気ガス中のNOxを繊維フィルタ部材20C,20Dに点在しているNOx還元触媒粒子24に担持されたNOx還元触媒により、還元浄化することができる。
【0040】
そして、PMの堆積量が多くなった場合に、電極30の2電極間に電圧を加えることにより、電圧を加えた電極間の繊維フィルタ部材20に点在する強誘電体粒子22の間にプラズマを発生させて、捕集されたPMを燃焼除去できる。このプラズマは常時発生する必要はなく、PMの燃焼や触媒活性の回復が必要な時のみ発生すればよいので、消費電力を少なく抑えられる。また、フィルタ1の内部に複数の電極30を配置し、切り換えスイッチ50により電気回路を換えることで必要な部分に優先的にプラズマを発生させることができるので、エネルギーを有効に利用できる。
【0041】
なお、酸化触媒とNOx還元触媒の分布に関しては、酸化触媒は排気ガスの上流側から徐々に減少し、NOx還元触媒の分布は排気ガスの上流側から徐々に増加するような分布とすることが好ましく、これにより、上流側で排気ガス中のすすを酸化除去し、すすが少なくなった下流側で、排気ガス中のNOxがNOx還元触媒に接触し易くする。
【0042】
また、粒子の大きさの分布も排気ガスの上流側から徐々に小さくなるような分布とすることが好ましく、これにより、大きなすすを上流側で捕集し、下流側で残った微細な粒子を捕集できるようになる。
【0043】
〔実施例〕
次に、本発明の実施例について、従来例と比較例と比較しながら説明する。
【0044】
実施例は、図1に示すフィルタと同じ構成であり、繊維径14μmφと9μmφの2種類の炭化ケイ素繊維を用いて、それぞれ粗の不織布と密の不織布を作製した後、粗の不織布を、白金触媒を担持した20〜50μmのアルミナ粒子、炭酸カリウム触媒を担持した20〜50μmのアルミナ粒子、及び20〜50μmのチタン酸バリウム粒子が分散した空気中に設置し、これらの粒子を所定量捕捉させて、粗の繊維フィルタ部材20A,20Bを作製し、また、密の不織布を、ブラウンミラライト触媒(NOx還元触媒)を担持した10〜15μmのアルミナ粒子と10〜15μmのチタン酸バリウム粒子が分散した空気中に設置し、これらの粒子を所定量捕捉させて、密の繊維フィルタ部材20C,20Dを作製した。
【0045】
これらの繊維フィルタ部材20A,20B,20C,20Dを用いて、図1に示すように、上流から下流に向かって、電極30A、繊維フィルタ部材20A、電極30B、繊維フィルタ部材20B、電極30C、繊維フィルタ部材20C、電極30D、繊維フィルタ部材20D、電極30Eと重ね合わせて、積層体10を構成した。
【0046】
この積層体10において、電極30A〜30Eの間に選択的に電圧を加えられるように、切り換えスイッチ50を介して電極とAC電源40を結線して、フィルタ1を構成し、このフィルタ1をエンジンから排出される排気ガスが通過するようにケースに収めて、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)とした。
【0047】
一方、従来例のフィルタは、図7に示すように、平均繊維径14μmφ、平均繊維長さ30mmの炭化ケイ素の繊維21をランダムに配置した不織布で形成した粗の繊維フィルタ部材と密の繊維フィルタ部材を、組み合わせて形成した。この従来例のフィルタは、各種粒子を捕捉していないフィルタである。
【0048】
この実施例と従来例と二種のフィルタを図2に示すように、ディーゼルエンジンの排気通路に配置して、排気ガスの浄化性能を試験した。この試験の結果を、図3〜図6に示す。
【0049】
図3は、PM捕集率の経時変化を示したものであり、この図3によれば、実施例は、初期のPM捕集率が97%に増加し、従来例に比べて著しく高い捕集率を最初から示していることが分かる。
【0050】
また、図4は、排気ガス温度に対する、フィルタの捕集されたPMの燃焼状態を示したものであり、これによれば、実施例では、排気ガス温度が350℃以上の場合には、連続的にPMを燃焼でき、フィルタを効率よく再生することができるが、一方、従来例は、実施例より高い排気ガス温度でなければ、フィルタを効率よく再生することができないことが分かる。
【0051】
図5は、フィルタの温度と圧力の経時変化を示した図であり、図6は、フィルタ通過後のNOx排出量の経時変化を示した図である。
【0052】
図6に示すように、実施例では、NOxの排出量は、NOx還元触媒による直接還元反応により従来例に比較して50〜70%程度低減した。
【0053】
そして、実施例によれば、図5に示すように、エンジンのアイドリング時及び停止時に電極間(30A−30B,30A−30C,30A−30D,又は30A−30E間)に電圧を加えて、繊維フィルタ部材20内に点在するチタン酸バリウムの強誘電体粒子22間にプラズマを発生させてPMを燃焼させ、このプラズマ発生により、フィルタの目詰まりを防止できることを確認できた。
【0054】
また、NOxの浄化に関しても、図6に示すように、反応時間の経過と共にNOx吸収により触媒効果が低下するので、電極間(電極30C−30E,30D−30E間)に電圧を加えて繊維フィルタ部材20内に点在するチタン酸バリウムの強誘電体粒子22間にプラズマを発生させることにより、NOx還元触媒の活性を再生でき、NOx除去率を回復できることを確認できた。
【0055】
更に、設定最大圧力(33kPa)までのPM捕集量は、実施例では、30g/mとなり、従来例では、15g/mとなった。
【0056】
また、比較例は、炭化ケイ素で形成された繊維21で不織布を成形した後にアルミナゾル(水溶液)に浸漬して乾燥することにより担持中間層(反応層)50を形成し、更に、白金塩溶液に浸漬した後、乾燥することにより触媒51を担持した繊維フィルタ部材を作製した。
【0057】
この比較例では、図8に示すように、繊維21同士が接触する交差部分Xに担持中間層50や触媒51が多量に付着する形態が見られ、交差部分Xにこれらが付着したため繊維21の独立性が失われ、繊維21の耐折損性が大きく低下した。
【0058】
なお、上記では、ディーゼルエンジンの排気ガス用のフィルタとして説明したが、本発明のフィルタはこれ以外の目的にも使用でき、フィルタ1の使用条件に合わせて、繊維フィルタ部材20に点在させる粒子の素材、担持する触媒の種類を選択できる。また、繊維フィルタ部材20を構成する材料もフィルタ1の使用条件に合わせて、種々選択できる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明のフィルタによれば、次のような効果を奏することができる。
【0060】
強誘電体からなる粒子の点在により、フィルタの両面や内部に配置した電極間に電圧を加えて、強誘電体の粒子間にプラズマを発生させて、PM等の捕集された物質の浄化の促進や触媒の活性回復を図ることができる。
【0061】
また、酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒を担持した粒子の点在により、排気ガス等の処理対象流体中の物質を浄化できるようになる。そして、繊維フィルタ部材の気孔部に、触媒を担持した粒子を点在させることにより、触媒の均質化が図れ、更に、触媒担持処理時に、触媒溶液への浸漬及び乾燥等の特殊な処理が不要となる。
【0062】
その上、フィルタにおける深さ方向や同一面において、粒子の大きさや量、触媒の種類や量を容易に変化させることができ、フィルタの空隙率や触媒の分布を所望の分布状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のフィルタの構造を示す部分拡大図である。
【図2】本発明に係る実施の形態のフィルタをディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として使用する場合の構成を示す図である。
【図3】実施例と従来例のフィルタのPM捕集率の経時変化を示す図である。
【図4】実施例のフィルタにおける排気ガス温度とPM重量変化の関係を示す図である。
【図5】実施例のフィルタにおけるフィルタ温度と圧力の経時変化を示す図である。
【図6】実施例と従来例のフィルタ通過後のNOx排出量の経時変化を示す図である。
【図7】従来例の繊維フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図8】比較例の繊維フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1 フィルタ
20,20A,20B,20C,20D 繊維フィルタ部材
21 繊維
22 粒子(強誘電体からなる粒子)
23 粒子(酸化触媒を担持した粒子)
24 粒子(NOx還元触媒を担持した粒子)
30,30A,30B,30C,30D,30E 電極
40 電圧源

Claims (5)

  1. 繊維フィルタ部材と該繊維フィルタ部材に電圧を加えるための電極とを有して構成されるフィルタであって、前記繊維フィルタ部材を、互いに結合されず、個々に独立した繊維で形成すると共に、前記繊維フィルタ部材に強誘電体からなる粒子を点在させて形成したフィルタ。
  2. 前記繊維フィルタ部材に、前記強誘電体からなる粒子と共に、触媒を担持した粒子を点在させた請求項1記載のフィルタ。
  3. 前記繊維フィルタ部材の上流側に、酸化触媒を担持した粒子と強誘電体からなる粒子を点在させると共に、前記繊維フィルタ部材の下流側に、NOx還元触媒を担持した粒子と強誘電体からなる粒子を点在させた請求項1又は2に記載のフィルタ。
  4. 前記フィルタの上流から下流に向かって、前記繊維フィルタ部材の気孔径又は気孔率が、連続的又は段階的に小さくなるように構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルタ。
  5. 異なる種類の前記粒子を点在させた前記フィルタにおいて、上流から下流に向かって、前記粒子の配合比、前記粒子の配合量、前記粒子が担持する触媒の種類、前記粒子が担持する触媒の担持量の少なくとも一つが、連続的又は段階的に変化するように構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルタ。
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