【０００１】
【発明の所属する技術分野】
本発明はインク受理層を有するインクジェット記録用葉書及びその製造方法に関し、特にインク受理層の反対面が宛名面であるインクジェット記録用葉書及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なことや印字騒音が少ないことなどから近年急速に普及してきた。この方式はノズルから記録媒体に向けてインクの微小液滴を高速で飛翔、付着させて画像や文字などの記録を行うものであり、インク中には多量の溶媒を含む。従って、記録媒体としては速やかにインクを吸収する必要がある。また、最近のコンピューターやデジタルカメラの普及により、銀塩写真に近い画像が求められるようになってきている。そこで、インクジェット記録用紙には高い発色性、解像度及び色再現性が必要となり、これに対応するため表面にインク受理層を設けたいわゆる塗工紙が開発されている。
【０００３】
さらに近年では、インクジェットプリンターの普及に伴って、デジタルカメラからの画像をインクジェット記録により印字してダイレクトメール用カードや年賀葉書等を作製するといった用途も増えてきた。
【０００４】
通常のインクジェット記録用紙は、インクジェットプリンターでの搬送トラブル、例えば給紙不良や多重搬送、給紙の際に発生する用紙の角折れ、さらには印字の際のプリンターヘッドと記録媒体との擦れ等の問題を防ぐため、カールはインク受理層面側に凸状となるよう調整してある（特開２００２−８６８９６号公報、特開２００１−８８４３２号公報）。プリンターヘッドと記録媒体との擦れは、画像品質を損なうと共に、記録媒体から紙の繊維やコート層の粉体などがプリンターヘッドへ付着し、印字不良の原因となる恐れがあるため好ましくない。
【０００５】
また、通常支持体は紙であることから、水性のインク組成物が多量に付着すると、凹凸が生じたり、カールして用紙端部が持ちあがってしまうなどの現象も見られる。このような現象は印刷物の外観を損ねるのみならず、プリンターヘッドと記録媒体との擦れの問題も生ずるので、カールをインク受理層面側に凸状となるよう調整することは、これらの問題が発生する危険を防ぐことも目的としている（特開平１０−２７８４１３号公報、特開平６−２２７１１３号公報）。
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−８６８９６号公報
【特許文献２】特開２００１−８８４３２号公報
【特許文献３】特開平１０−２７８４１３号公報
【特許文献４】特開平６−２２７１１３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
ダイレクトメール用カードや年賀葉書等のインクジェット記録媒体は、インク受理層の反対面、すなわち宛名面に料額等のオフセット印刷を施す必要がある。この場合、インクジェット記録により印字を行う以前にオフセット印刷は行われ、その際宛名面には、非画線部にオフセット印刷用インキの付着を防ぐため湿し水が付着することになるが、通常支持体は紙であることから記録媒体が宛名面にカールを起こしてしまう（インク受理層面側に凸状）。従って、通常のインクジェット記録用紙のカール状態（インク受理層面側に凸状）でオフセット印刷を行うと、カールの程度はインク受理層面側に凸となる方向へ更に大きくなってしまい、インクジェットプリンターでの搬送性に関して、特に給紙不良や、印字の際にプリンターヘッドと記録媒体中央部との擦れが生じる等の問題が生じた。
【０００８】
更に、宛名面にオフセット印刷を行う場合、インクジェット記録用紙は宛名面を上に積み重ねられることになるから、インク受理層面側に凸状のインクジェット記録用紙は上向きに反った形となっており、従って、端部が印刷機給紙部で引っ掛かり印刷機が停止するという問題も発生した。
【０００９】
従って本発明の目的は、インクジェット記録用葉書において、インク受理層とは反対面である宛名面にオフセット印刷を問題無く行うことが出来、かつその後のインクジェットプリンターでの搬送性のトラブルを引き起こすことなく、高品位な印字画像を得ることの出来るインクジェット記録用葉書を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、オフセット印刷を問題無く行うためには、インクジェット記録用紙のカールが通常の場合とは異なり、インク受理層面側に凹状となるよう調整すること、さらにその後のインクジェット記録で問題無く印字を行うためには記録用紙のカールがインク受理層面側に凸状となっていることが必要であり、そのためにはオフセット印刷時に湿し水が付着する宛名面の吸水性、及びオフセット印刷前後のカールの大きさが重要であることを見出し、本発明に到達した。
【００１１】
すなわち本発明は、宛名面と通信面を有しかつ通信面側にインク受理層を少なくとも１層以上有するインクジェット記録用葉書であって、前記インクジェット記録用葉書が、支持体の一方の面に前記インク受理層が設けられかつそのカール形状がフラット乃至は前記インク受理層面側に凹状であるインクジェット記録用紙の、前記インク受理層が設けられた面と反対側の面にオフセット印刷を行い、カール形状をフラット乃至はインク受理層面側に凸状となるように逆転させてなるインクジェット記録用葉書である。
【００１２】
また、宛名面を上にして、２３℃、５０％ＲＨの雰囲気下で水平な台上に４時間放置した時に、前記台上から測定した四隅の高さの平均値が０〜１０ｍｍであると好ましく、宛名面の、Ｊ．ＴＡＰＰＩ Ｎｏ．５１で規定されたのブリストウ法にて測定した接触時間０．５秒における吸水量が、１０〜５０ｍｌ／ｍ２であると好ましい。
【００１３】
さらに、支持体の一方の面に、顔料と親水性樹脂を主成分とするインク受理層を少なくとも１層以上設け、かつ、官製葉書サイズに断裁してインク受理層面を上にして２３℃、５０％ＲＨの雰囲気下で水平な台上に４時間放置した時に、前記台上から測定した四隅の高さの平均値が０〜１０ｍｍであるインクジェット記録用紙の、インク受理層を設けた面とは反対の面側にオフセット印刷を施されてなることが好ましい。
【００１４】
又、本発明は、支持体の一方の面に、顔料と親水性樹脂を主成分とするインク受理層を少なくとも１層以上設け、かつ、フラットあるいはインク受理層面が内側となるカール形状を付与した後、該インク受理層の反対面にオフセット印刷にて宛名印刷を行い、フラットあるいはインク受理層面が外側となるカール形状を付与することを特徴とするインクジェット記録用葉書の製造方法である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用葉書は、通信面に、顔料と親水性樹脂を主成分とするインク受理層を少なくとも１層以上設けて構成されている。そして、以下に述べるように、オフセット印刷前後でのカールの向き及び大きさ、並びに宛名面の吸水性を以下のように規定することが重要である。
【００１６】
本発明においては、支持体の少なくとも一方の面上にインク受理層を有するインクジェット記録用紙の、前記インク受理層が設けられた反対の面に宛名用のオフセット印刷を行い、小判に断裁し、インクジェット記録用葉書とする。
オフセット印刷前のインクジェット記録用紙は、そのカール形状がインク受理層面側に凹であり、その大きさはインク受理層面を上にして２３℃、５０％ＲＨの雰囲気下で水平な台上に４時間放置した時に、前記台上から測定した四隅の高さの平均値が０〜１０ｍｍであることが好ましい。更には０〜５ｍｍであることがより好ましい。カール形状がインク受理層面側に凸であったり、もしくはインク受理層面側に凹であっても１０ｍｍより大きい場合、オフセット印刷時に、用紙が印刷機に詰まったり、或いは用紙が搬送されないなどのトラブルが発生し、印刷機が停止してしまう事態となる。なお、インクジェット記録用葉書及びオフセット印刷を行う前のインクジェット記録用紙のカールの大きさは、インクジェット記録用紙を官製葉書サイズに裁断し、インク受理層面を上にして２３℃、５０％ＲＨの雰囲気下で水平な台上に４時間放置した時に、前記台上からの四隅の高さを測定する。
【００１７】
また、本発明のインクジェット記録用葉書の宛名面は、Ｊ．ＴＡＰＰＩ Ｎｏ．５１に規定されたブリストウ法に準じて測定した０．５秒後の吸水量が、１０〜５０ｍｌ／ｍ２であることが好ましい。上記宛名面の吸水量が１０ｍｌ／ｍ２より少ないと、オフセット印刷時の湿し水の付着量が少ないため、カール形状の反転、即ちインク受理層面側に凹のカールから凸のカールへの変化が生じない。また、５０ｍｌ／ｍ２より多いと、逆に湿し水の付着量が過剰となり、カール形状が反転した後インク受理層面側に凸のカールが大きくなりすぎてしまう。
なお、一般にオフセット印刷時の湿し水には、バインダー機能を有する成分を大量に含まないため、オフセット印刷前後での吸水量は大きく変化しない。
【００１８】
なお、本発明においてはインクジェット記録用葉書の宛名面側に、インクジェット記録適性、ゼロックスコピー適性等、各種機能を有する塗工層を設けることも可能である。この場合、塗工層表面の吸水度が上記範囲内にあることが好ましい。
【００１９】
本発明のインクジェット記録用葉書は、オフセット印刷後のカール形状がインク受理層面側に凸であり、その大きさは宛名面を上にして２３℃、５０％ＲＨの雰囲気下で水平な台上に４時間放置した時に、前記台上から測定した四隅の高さの平均値が０〜１０ｍｍであることが好ましく、更には０〜５ｍｍであることがより好ましい。カール形状がインク受理層面側に凹であると印字の際に用紙端部がプリンターヘッドに接触し、用紙端部を汚してしまったり、用紙の向きがねじれて搬送不良を生じてしまったりすることになる。また、カール形状がインク受理層面側に凸であっても１０ｍｍ以上である場合、プリンターの給紙部分での用紙抵抗が大きくノンフィードを起こしやすい。
【００２０】
次に、本発明のインクジェット記録用葉書を構成する支持体や塗工層について説明する。
支持体の製法は、特に制限されるものではないが、ＬＢＫＰ、ＮＢＫＰ等の化学パルプを公知の技術で漂白したものが好ましい。また、ＧＰ、ＰＧＷ、ＲＭＰ、ＴＭＰ、ＣＴＭＰ、ＣＭＰ、ＣＧＰ等の機械パルプ、ＤＩＰの古紙パルプや非木材パルプを１種以上、目的に応じた比率で混合して使用することが出来る。本発明においては、これらの木材・非木材パルプの他に、必要に応じて公知の填料やバインダー、内添サイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を１種以上混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を形成した後、乾燥させることによって基紙を得ることができる。これらの添加薬品は従来公知の薬品を使用することができ、例えば、填料ではカオリン、クレー、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、合成シリカ等を使用することができ、サイズ剤では、ロジン系（溶液タイプ、エマルションタイプ）、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ワックス系、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂等が挙げられる。
【００２１】
本発明におけるインク受理層は、顔料と親水性接着剤を含み、支持体の片面、両面いずれに設けても良いものである。インク受理層に用いられる顔料としては、従来公知の白色顔料を使用することが出来る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂など有機顔料を用いることができる。この中でも合成非晶質シリカ、アルミナが特に好ましい。
【００２２】
インク受理層に使用する親水性接着剤は、特に限定されるものではなく、塗膜としての特性を維持するために顔料を結着する作用と、表面強度の維持、インク吸収性の確保などの目的で使用され、例えば酸化デンプン、エーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプンなどのデンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白などのタンパク質類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂などの水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂などの水性接着剤、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、アルキッド樹脂ラテックス等が挙げられる。
【００２３】
本発明においては、これらの接着剤の少なくとも１種を使用することができる。その配合部数は、前記した顔料１００重量部に対し、５〜６０部であることが好ましい。結着剤の配合部数が少ないと表面強度が不十分となり、多すぎるとインク吸収性が不十分となる。
【００２４】
本発明のインク受理層には、更に金属塩やカチオン性化合物を含有させることが好ましい。本発明で使用されるカチオン性化合物とは、水性染料インク中に含有される水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基等と不溶な塩を形成する２級アミン、３級アミンあるいは４級アンモニウム塩を含有するいわゆる染料定着剤である。カチオン性化合物は単独または２種以上を組み合わせて用いても良い。
【００２５】
本発明においては、添加剤として、更に、サイズ剤、界面活性剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、保水剤などを適宜配合することもできる。
【００２６】
本発明のインクジェット記録用葉書に設けられるインク受理層の塗工量は、３〜３０ｇ／ｍ２であることが好ましく、より好ましくは５〜２０ｇ／ｍ２である。塗工量が少なすぎるとインク溶媒の吸収が不十分となるので、特に混色系での画像で滲みが顕著に認められる。またインク受理層の塗工量が多過ぎると、巻き取ったものを平版にしたり、更に小判断裁する際に、塗工層が基紙から粉状に落ちたり、印字部を擦っただけで塗工層が脱落する等、表面強度が不十分になるので好ましくない。また本発明においては、インク受理層を２層以上設けてもよい。
【００２７】
インク受理層を基紙表面に設けるために、本発明においては、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで使用することができる。また、インク受理層を塗工した後にインク受理層をマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理することも可能であるし、また、インク受理層をキャストコーター等を用いて塗工し、光沢性を付与することも可能である。
【００２８】
尚、インク受理層を支持体の片面のみに設ける場合、その反対面である宛名面には、親水性接着剤及び／又はカチオン性ポリマーを主成分とするバックコート層を設けることもできる。親水性接着剤としては、前記したインク受理層に使用される親水性接着剤と同様のものが好ましく用いられる。またカチオン性ポリマーは、インク中の染料の定着と耐水性の向上を目的として用いられる場合が多く、これも前記したインク受理層に使用されるもので良い。これらバックコート層の塗工量は、０．１〜１．０ｇ／ｍ２であることが好ましい。またこれらバックコート層は予め設けていても良く、インク受理層を塗布した後で設けても良い。
【００２９】
更に、本発明のインクジェット記録用葉書は、必要に応じてインク受理層面或いは宛名面に、水分を供給したり、蒸気による加湿をする等の処理を、オンラインまたはオフラインで実施してカールの向き、大きさをコントロールすることができる。尚、カール形状は、水分を供給したり、蒸気による加湿を行った面側に凹状になる方向に変化する。例えば、宛名面に加湿を行う場合、加湿前に宛名面側に凹状のカールであるならば、加湿後は更に大きな凹状のカールとなり、また、加湿前に宛名面側が凸状のカールであるならば、加湿後は凸状のカールが小さくなり、加湿量を増やしていくことで凹状のカールへと変化する。尚、この水分供給装置又は加湿処理装置は、特に限定されるものではなく、どのような装置を用いても良い。
【００３０】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「％」は、特に明示しない限り重量部及び重量％を示す。
【００３１】
＜実施例１＞
基紙の作製
広葉樹漂白クラフトパルプ１００％を叩解して濾水度を３５０ｍｌに調整したパルプ１００部に、カオリン１０部、硫酸バンド１．０部、ロジン系サイズ剤０．１部に歩留まり剤、染料などを添加し、長網抄紙機で紙匹を形成した。乾燥した後、酸化デンプン（ＭＳ３６００ 日本食品化工製）５％、表面サイズ剤（コロパール 星光化学工業製）０．１％の液を、サイズプレスを用いて乾燥重量が３．５ｇ／ｍ２となるように塗布し、乾燥後マシンカレンダー処理して坪量１８０／ｍ２の基紙を製造した。
【００３２】
宛名面側の処理
上記で製造した基紙に、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ−１１７ クラレ製）と染料定着剤（ＰＡＳ−Ｈ−１０Ｌ 日東紡績製）の比率が１：１である固形分が３％の塗工液を、エアーナイフコーターを用い塗工量が０．５ｇ／ｍ２となるように塗工、乾燥を行った。
【００３３】
インク受理層の形成
合成非晶質シリカ（ニップジェルＡＹ−６０３ 日本シリカ工業製）７０部、合成非晶質シリカ（ミズカシルＰ−５０ 水澤化学工業製）３０部、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ−１１７、クラレ製）３５部、エチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス（リカボンド ＢＥ−７０００ 中央理化工業製）２５部、カチオン性サイズ剤（ポリマロン３６０ 荒川化学工業製）２部、染料定着剤（ＰＡＳ−Ｈ−１０Ｌ 日東紡績製）５部に消泡剤及び希釈水等を適宜添加した、固形分濃度が１８％のカラーを、エアーナイフコーターを用いて塗工量が１２ｇ／ｍ２となるように塗工しインク受理層とした。
カール修正及び表面処理
インク受理層乾燥後、宛名面に加湿によるカール修正を行い、最後にソフトカレンダー装置にて表面処理を行い、実施例１のインクジェット記録用紙を得た。
【００３４】
＜実施例２＞
実施例１の加湿によるカール修正において、加湿量を多くした他は、実施例１と全く同様にして実施例２のインクジェット記録用紙を得た。
【００３５】
＜実施例３＞
宛名面側の処理において、実施例１のインク受理層と同じ配合の塗工液で、固形分濃度が１５％のカラーを塗工量が６ｇ／ｍ２となるように塗工した他は、実施例１と全く同様にして実施例３のインクジェット記録用紙を得た。
【００３６】
＜実施例４＞
宛名面側の処理において、実施例１のインク受理層と同じ配合の塗工液で、固形分濃度が１８％のカラーを塗工量が１２ｇ／ｍ２となるように塗工した他は、実施例１と全く同様にして実施例４のインクジェット記録用紙を得た。
【００３７】
＜実施例５＞
実施例４の加湿によるカール修正において、加湿量を少なくした他は、実施例４と全く同様にして実施例５のインクジェット記録用紙を得た。
【００３８】
＜比較例１＞
基紙の作製において、実施例１のカオリン１０部を０部に、ロジン系サイズ剤０．１部を０．３部に変更した以外は、実施例１と全く同様にして比較例１の記録媒体を得た。
【００３９】
＜比較例２＞
宛名面側の処理において、合成非晶質シリカ（ニップジェルＡＹ−６０３ 日本シリカ工業製）１００部、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ−１１７、クラレ製）３５部、エチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス（リカボンド ＢＥ−７０００ 中央理化工業製）２５部、カチオン性サイズ剤（ポリマロン３６０ 荒川化学工業製）１部、染料定着剤（ＰＡＳ−Ｈ−１０Ｌ 日東紡績製）５部に消泡剤及び希釈水等を適宜添加した、固形分濃度が１８％のカラーを、エアーナイフコーターを用いて塗工量が１２ｇ／ｍ２となるように塗工した他は、実施例１と全く同様にして比較例２のインクジェット記録用紙を得た。
【００４０】
＜比較例３＞
比較例１の加湿によるカール修正において、加湿量を多くしてカール形状を反転させた他は、比較例１と全く同様にして比較例３のインクジェット記録用紙を得た。
【００４１】
＜比較例４＞
実施例３の加湿によるカール修正において、加湿量を多くしてカール形状を反転させた他は、実施例３と全く同様にして比較例４のインクジェット記録用紙を得た。
【００４２】
＜比較例５＞
実施例３の加湿によるカール修正において、加湿量を少なくした他は、実施例３と全く同様にして比較例５のインクジェット記録用紙を得た。
【００４３】
＜比較例６＞
比較例２の加湿によるカール修正において、加湿量を少なくした他は、比較例２と全く同様にして比較例６のインクジェット記録用紙を得た。
【００４４】
（インクジェット記録葉書の製造方法）
上記実施例１〜５及び比較例１〜６で得られた記録用紙の宛名面にオフセット印刷を行った後、カッターで官製葉書の大きさ（１００ｍｍ×１４８ｍｍ）に裁断してインクジェット記録葉書を作成した。尚、宛名面印刷には、オフセット印刷機として、ＬＩＴＨＲＯＮＥ４４（小森製）を使用し、湿し水として、水道水にアクアマジック（東洋インキ製）を添加しｐＨを５．０に調整して使用し、赤・青２色の罫線印刷を行った。
【００４５】
＜評価方法＞
上記実施例１〜５及び比較例１〜６で得られたインクジェット記録用紙及びインクジェット記録葉書の評価を、以下に示す方法により行った。各項目において、△以上の評価であれば実用することができる。
評価項目
＜カール＞
１００ｍｍ×１４８ｍｍ（官製葉書サイズ）に裁断したインクジェット記録用葉書を、水平な台上に、１枚はインク受理層を上に、もう１枚はインク受理層を下にした状態で２３℃、５０％ＲＨの環境下に４時間放置し、台からの４角の高さの平均値をカール値として、ｍｍ単位で求めた。この際にインク受理層（又は通信面）を内側にしてカールしたもの（インク受理層面側に凹状）をプラス値、インク受理層（又は通信面）を外側にしてカールしたもの（インク受理層面側に凸状）をマイナス値とした。
【００４６】
＜宛名面吸水量＞
Ｊ．ＴＡＰＰＩ Ｎｏ．５１に記載のブリストウ法に準拠し、接触時間が０．５秒における宛名面の吸水量（ｍｌ／ｍ２）を測定した。液体はイオン交換水を用いた。
【００４７】
＜オフセット印刷時の作業性＞
オフセット印刷機として、ＬＩＴＨＲＯＮＥ４４（小森製）を使用し、湿し水として、水道水にアクアマジック（東洋インキ製）を添加しｐＨを５．０に調整して使用し、赤・青の２色印刷を３０００部行った際の、特に給紙部での用紙詰まりの有無や、排紙部での紙揃え状態を評価した。尚、オフセット印刷は２３℃、５０％ＲＨ環境下で行った。
○：給・排紙トラブルが全く発生せず、オフセット印刷は問題無く可能。
△：給紙部での用紙詰まりは発生せず印刷機が停止することは無かったが、排紙部での紙揃えは若干乱れた。
×：給紙部での用紙詰まりや、排紙部での用紙の不揃いが発生し、印刷機が停止した。
【００４８】
＜インクジェット記録時の搬送性＞
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターＰＭ−８００Ｃを用いて印字を行った際の、記録媒体が搬送されない、或いは多重搬送等で正常に紙送りされない状態を観察した。また、同時に印字ヘッドと記録媒体の接触の有無も観察し、総合的に評価した。尚、印字画像には、日本規格協会ＳＣＩＤサンプル「自転車」を用い、印字は２３℃、５０％ＲＨ環境下で行った。
○：全く問題なく印字することが出来、良好な印字画像が得られた。
△：まれに記録媒体が搬送されないことがあったが、印字ヘッドが記録媒体と擦れて画像を乱すことは無かった。
×：頻繁に記録媒体の搬送異常が生じ、印字ヘッドが記録媒体と擦れて画像が乱れることもあった。
評価の結果は表１に示した通りである。表中の○又は△の評価であれば実用上問題ないが、×の評価では実用上問題がある。
【００４９】
【表１】
【００５０】
【表２】
【００５１】
表１、２から明らかなように、実施例１〜５のインクジェット記録用紙は、オフセット印刷前後のカール値と、宛名面の吸水量が適正な範囲にあるため、オフセット印刷時の作業性及びインクジェット記録時の搬送性に大きな問題が見られることは無く、良好な印字画像が得られた。一方、宛名面の吸水量が１０未満である比較例１では、オフセット後のカールがインク受理層面側に凹状となり、また宛名面の吸水量が５０を超える比較例２では、オフセット後のカールがインク受理層面が凸状ではあるが１０ｍｍを超え、いずれの場合もインクジェットプリンターの搬送性が劣った。また、オフセット前のカールがインク受理層面側に凸状である比較例３、４、並びにオフセット前のカールがインク受理層面が凹状ではあるが１０ｍｍを超える比較例５、６は、いずれもオフセット印刷の作業性が劣った。尚、オフセット後のカールがインク受理層面側に凸状ではあるが１０ｍｍを超える比較例４、及びオフセット後のカールがインク受理層面側に凹状である比較例５は、共にインクジェット記録時の搬送性も劣った。
【００５２】
これらの結果は、本発明により得られたインクジェット記録用紙が、宛名面にオフセット印刷を問題無く行うことが出来るだけでなく、インクジェットプリンターでの搬送性にも優れており、良好な画像品質を得られるものであることを実証するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明におけるカールの形状を示す模式図である。[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to an ink-jet recording postcard having an ink-receiving layer and a method for manufacturing the same, and more particularly to an ink-jet recording postcard having an address surface opposite to the ink-receiving layer and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
The ink jet recording system has been rapidly spread in recent years because it is easy to make full color and the printing noise is low. In this method, fine droplets of ink are ejected from a nozzle toward a recording medium at high speed, and images and characters are recorded, and the ink contains a large amount of solvent. Therefore, it is necessary for the recording medium to absorb ink promptly. In addition, with the recent spread of computers and digital cameras, images close to silver halide photography have been demanded. In view of this, inkjet recording paper requires high color development, resolution, and color reproducibility, and so-called coated paper having an ink receiving layer on the surface has been developed to cope with this.
[0003]
Furthermore, in recent years, with the widespread use of ink jet printers, the use of printing images from digital cameras by ink jet recording to produce cards for direct mail, new year postcards, and the like has increased.
[0004]
Ordinary inkjet recording paper has problems such as conveyance troubles in inkjet printers, such as poor feeding and multiple conveyance, corner breakage of paper that occurs during paper feeding, and rubbing between the printer head and recording medium during printing. In order to prevent problems, the curl is adjusted to be convex toward the ink receiving layer surface (Japanese Patent Laid-Open Nos. 2002-86896 and 2001-88432). Friction between the printer head and the recording medium is not preferable because image quality is deteriorated and paper fibers or coating layer powder adheres to the printer head from the recording medium and may cause printing defects.
[0005]
In addition, since the support is usually paper, when a large amount of the water-based ink composition adheres, there are also phenomena such as unevenness or curling and lifting of the edge of the paper. Such a phenomenon not only impairs the appearance of the printed matter, but also causes a problem of rubbing between the printer head and the recording medium. Therefore, adjusting the curl to be convex toward the ink receiving layer surface causes these problems. It is also intended to prevent the risk of such damage (Japanese Patent Laid-Open Nos. 10-278413 and 6-227113).
[0006]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-86896
[Patent Document 2] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-88432
[Patent Document 3] Japanese Patent Laid-Open No. 10-278413
[Patent Document 4] JP-A-6-227113
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Ink jet recording media such as direct mail cards and New Year postcards need to be offset printed on the opposite side of the ink receiving layer, that is, the address side. In this case, offset printing is performed before printing by ink jet recording, and dampening water adheres to the address surface to prevent adhesion of offset printing ink to the non-image area. Since the support is paper, the recording medium curls the address surface (convex shape on the ink receiving layer surface side). Therefore, when offset printing is performed in a curled state of an ordinary ink jet recording paper (convex shape on the ink receiving layer surface side), the degree of curling becomes larger in the direction of convexing on the ink receiving layer surface side. With regard to the transportability, problems such as poor paper feeding and rubbing between the printer head and the central portion of the recording medium during printing have occurred.
[0008]
Further, when offset printing is performed on the address surface, the ink jet recording paper is stacked on the address surface, so that the ink jet recording paper convex on the ink receiving layer surface side is warped upward. Also, there was a problem that the printing machine stopped due to the end being caught by the printing machine paper feeding unit.
[0009]
Therefore, the object of the present invention is to perform offset printing on the address side opposite to the ink receiving layer without any problem in the ink jet recording postcard, and without causing trouble in transportability in the subsequent ink jet printer. Another object of the present invention is to provide an ink jet recording postcard capable of obtaining a high-quality printed image.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-described problems, the present inventors have found that in order to perform offset printing without any problem, the ink-jet recording paper has a concave shape on the ink-receiving layer surface side, unlike a normal case. In order to perform printing without problems in subsequent ink jet recording, it is necessary that the curl of the recording paper is convex on the ink receiving layer surface side. The present inventors have found that the water absorption of the address surface to which the water adheres and the size of the curl before and after offset printing are important, and have reached the present invention.
[0011]
That is, the present invention is an ink jet recording postcard having an address surface and a communication surface and having at least one ink receiving layer on the communication surface side, wherein the ink jet recording postcard is disposed on one surface of a support. The ink receiving layer is provided and the curl shape is flat or concave on the ink receiving layer surface side. Offset printing is performed on the surface opposite to the surface on which the ink receiving layer is provided. Is a postcard for ink-jet recording, which is flat or reversed so as to be convex toward the ink receiving layer surface side.
[0012]
Moreover, when it is allowed to stand for 4 hours on a horizontal table in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH with the address side facing up, the average value of the heights of the four corners measured from the table is 0 to 10 mm. Preferably, J. TAPPI No. The water absorption at a contact time of 0.5 seconds measured by the Bristow method specified in 51 is 10 to 50 ml / m.2Is preferable.
[0013]
Further, at least one ink receiving layer mainly composed of a pigment and a hydrophilic resin is provided on one surface of the support, and cut into a government-made postcard size with the ink receiving layer surface facing upward at 23 ° C., 50 What is the surface provided with the ink receiving layer of the inkjet recording paper in which the average value of the heights of the four corners measured from the table is 0 to 10 mm when left on a horizontal table for 4 hours in an atmosphere of% RH? It is preferable that offset printing is performed on the opposite surface side.
[0014]
In the present invention, at least one ink receiving layer mainly composed of a pigment and a hydrophilic resin is provided on one surface of the support, and a flat or a curled shape with the ink receiving layer surface on the inside is provided. Thereafter, address printing is performed by offset printing on the opposite surface of the ink receiving layer to give a flat shape or a curled shape with the ink receiving layer surface facing outside.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The postcard for inkjet recording of the present invention is constituted by providing at least one ink receiving layer mainly composed of a pigment and a hydrophilic resin on the communication surface. As described below, it is important to define the curl direction and size before and after offset printing, and the water absorption of the address surface as follows.
[0016]
In the present invention, an inkjet recording paper having an ink receiving layer on at least one surface of a support is subjected to offset printing for addressing on the opposite surface provided with the ink receiving layer, cut into a small size, and inkjet A postcard for recording.
The ink jet recording paper before offset printing has a concave curl shape on the ink receiving layer surface side, and the size is 4 hours on a horizontal table in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH with the ink receiving layer surface facing up. When left standing, the average value of the heights of the four corners measured from the table is preferably 0 to 10 mm. Furthermore, it is more preferable that it is 0-5 mm. If the curl shape is convex on the ink-receiving layer surface side or is concave on the ink-receiving layer surface side and is larger than 10 mm, there are problems such as paper jamming in the printing press or paper not being transported during offset printing. Occurs and the printing machine stops. In addition, the curl size of the inkjet recording paper before performing the inkjet recording postcard and offset printing is determined by cutting the inkjet recording paper into a government-made postcard size, in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH with the ink receiving layer surface facing up. When left on a horizontal table for 4 hours, the height of the four corners from the table is measured.
[0017]
In addition, the postcard for inkjet recording of the present inventionAddressJ. TAPPI No. The water absorption after 0.5 seconds measured according to the Bristow method specified in 51 is 10 to 50 ml / m.2It is preferable that Water absorption on the above address is 10ml / m2If it is less, the amount of dampening water attached during offset printing is small, so that the curl shape does not reverse, that is, the ink receiving layer surface does not change from a concave curl to a convex curl. 50ml / m2If the amount is larger, the amount of dampening water attached becomes excessive, and the convex curl on the ink receiving layer surface side becomes too large after the curl shape is reversed.
In general, since the fountain solution during offset printing does not contain a large amount of components having a binder function, the water absorption before and after offset printing does not change significantly.
[0018]
In the present invention, a coating layer having various functions such as ink jet recording suitability and Xerox copy suitability can be provided on the address side of the ink jet recording postcard. In this case, it is preferable that the water absorption degree of the coating layer surface exists in the said range.
[0019]
In the postcard for inkjet recording of the present invention, the curled shape after offset printing is convex toward the ink receiving layer surface, and the size thereof is on a horizontal table in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH with the address side facing up. When left for 4 hours, the average height of the four corners measured from the table is preferably 0 to 10 mm, and more preferably 0 to 5 mm. If the curl shape is concave on the ink-receiving layer surface side, the edge of the paper may come into contact with the printer head during printing, and the edge of the paper may become dirty, or the orientation of the paper may be twisted, resulting in poor conveyance. become. Further, when the curl shape is 10 mm or more even when convex on the ink receiving layer surface side, the sheet resistance at the sheet feeding portion of the printer is large and non-feeding is likely to occur.
[0020]
Next, the support and coating layer constituting the ink jet recording postcard of the present invention will be described.
Although the manufacturing method of a support body is not specifically limited, What bleached chemical pulp, such as LBKP and NBKP, by a well-known technique is preferable. Further, one or more kinds of mechanical pulp such as GP, PGW, RMP, TMP, CTMP, CMP, and CGP, DIP waste paper pulp, and non-wood pulp can be mixed at a ratio according to the purpose. In the present invention, in addition to these wood and non-wood pulps, one kind of various additives such as known fillers and binders, internal sizing agents and fixing agents, yield improvers, paper strength enhancers and the like are used as necessary. The base paper can be obtained by mixing the above, forming a web of paper on various paper machines such as a long paper machine, a circular paper machine, and a twin wire paper machine, followed by drying. As these additive chemicals, conventionally known chemicals can be used. For example, kaolin, clay, talc, titanium dioxide, calcium carbonate, synthetic silica, etc. can be used as fillers, and rosin (solution) can be used as sizing agents. Type, emulsion type), alkyl ketene dimer, alkenyl succinic anhydride, wax, styrene resin, olefin resin, styrene acrylic resin, styrene maleic acid resin and the like.
[0021]
The ink receiving layer in the present invention contains a pigment and a hydrophilic adhesive and may be provided on either one side or both sides of the support. As the pigment used in the ink receiving layer, a conventionally known white pigment can be used. For example, light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, aluminum silicate, diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic non Amorphous silica, colloidal silica, colloidal alumina, boehmite, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, hydrous halloysite, magnesium carbonate, magnesium hydroxide, inorganic pigments, styrene plastic pigment, acrylic plastic pigment, polyethylene Organic pigments such as microcapsules, urea resins, and melamine resins can be used. Of these, synthetic amorphous silica and alumina are particularly preferred.
[0022]
The hydrophilic adhesive used for the ink-receiving layer is not particularly limited, and includes the action of binding pigments to maintain the properties as a coating film, the maintenance of surface strength, and the securing of ink absorbability. Used for purposes such as starch derivatives such as oxidized starch, etherified starch and phosphate esterified starch, cellulose derivatives such as carboxymethylcellulose, hydroxyethylcellulose, proteins such as casein, gelatin, soybean protein, polyvinyl alcohol, polyvinylpyrrolidone, Water-soluble resin such as maleic anhydride resin, conjugated diene copolymer latex such as styrene-butadiene copolymer, methyl methacrylate-butadiene copolymer, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, acrylate ester and methacrylate ester Polymer or co Functional group-modified copolymers with functional group-containing monomers such as carboxyl groups of acrylic copolymers latex such as copolymers, vinyl copolymer latex such as ethylene-vinyl acetate copolymers, or carboxyl groups of these various copolymers Examples thereof include aqueous adhesives such as united latex, thermosetting resins such as melamine resin and urea resin, polyurethane resin, unsaturated polyester resin, polyvinyl butyral, alkyd resin latex and the like.
[0023]
In the present invention, at least one of these adhesives can be used. The blending number is preferably 5 to 60 parts with respect to 100 parts by weight of the pigment. When the number of blended parts of the binder is small, the surface strength is insufficient, and when it is too large, the ink absorbability is insufficient.
[0024]
The ink receiving layer of the present invention preferably further contains a metal salt or a cationic compound. The cationic compound used in the present invention is a secondary amine that forms an insoluble salt with a sulfonic acid group, a carboxyl group, or the like in a water-soluble direct dye or water-soluble acidic dye contained in an aqueous dye ink. It is a so-called dye fixing agent containing a quaternary amine or a quaternary ammonium salt. You may use a cationic compound individually or in combination of 2 or more types.
[0025]
In the present invention, as additives, sizing agents, surfactants, pigment dispersants, thickeners, fluidity improvers, antifoaming agents, antifoaming agents, mold release agents, foaming agents, penetrating agents, coloring Dyes, fluorescent brighteners, ultraviolet absorbers, antioxidants, preservatives, antibacterial agents, water resistance agents, water retention agents, and the like can be appropriately blended.
[0026]
The coating amount of the ink receiving layer provided on the ink jet recording postcard of the present invention is 3 to 30 g / m.2And more preferably 5 to 20 g / m.2It is. If the coating amount is too small, the ink solvent is not sufficiently absorbed, so that blurring is noticeable particularly in an image of a mixed color system. If the coating amount of the ink receiving layer is too large, the coated layer may fall into powder form from the base paper or be rubbed on the printed part when making the rewound flat or making a small decision. It is not preferable because the surface strength becomes insufficient, such as the fall of the work layer. In the present invention, two or more ink receiving layers may be provided.
[0027]
In order to provide the ink receiving layer on the surface of the base paper, in the present invention, various blade coaters, roll coaters, air knife coaters, bar coaters, gate roll coaters, curtain coaters, short dwell coaters, which are general coating devices, Various apparatuses such as a gravure coater, a flexographic gravure coater, and a size press can be used on-machine or off-machine. In addition, after the ink receiving layer is applied, the ink receiving layer can be surface-treated with a calendar device such as a machine calendar, a super calendar, or a soft calendar, and the ink receiving layer can be applied using a cast coater or the like. It is possible to work and give glossiness.
[0028]
In the case where the ink receiving layer is provided only on one side of the support, a back coat layer mainly composed of a hydrophilic adhesive and / or a cationic polymer can be provided on the destination side which is the opposite side. As the hydrophilic adhesive, those similar to the hydrophilic adhesive used in the ink receiving layer described above are preferably used. The cationic polymer is often used for the purpose of fixing the dye in the ink and improving the water resistance, and may also be used for the ink receiving layer described above. The coating amount of these back coat layers is 0.1 to 1.0 g / m.2It is preferable that These back coat layers may be provided in advance, or may be provided after the ink receiving layer is applied.
[0029]
Furthermore, the postcard for ink jet recording of the present invention performs curl orientation by performing on-line or off-line processes such as supplying moisture to the ink receiving layer surface or the address surface as necessary, or humidifying with steam. You can control the size. Note that the curl shape changes in a direction that becomes concave on the surface side where moisture is supplied or humidified with steam. For example, when humidifying the address surface, if it is a concave curl on the address side before humidification, it becomes a larger concave curl after humidification, and if the address surface side is a convex curl before humidification For example, the convex curl becomes smaller after humidification, and the curl changes to a concave curl by increasing the amount of humidification. The moisture supply device or the humidification processing device is not particularly limited, and any device may be used.
[0030]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in full detail, this invention is not limited by these. Further, “parts” and “%” shown in the examples indicate parts by weight and% by weight unless otherwise specified.
[0031]
<Example 1>
Preparation of base paper
Add 100 parts of kaolin, 1.0 part of sulfuric acid band, 0.1 part of rosin sizing agent, yield agent, dye, etc. to 100 parts of pulp, which was beaten 100% hardwood bleached kraft pulp and adjusted to a freeness of 350 ml. Then, a web was formed on a long paper machine. After drying, a solution containing 5% oxidized starch (MS3600, Nippon Food & Chemicals) and 0.1% surface sizing agent (Colopearl Hoshikogaku Kogyo Co., Ltd.) was dried using a size press at a dry weight of 3.5 g / m.2After coating, dry and machine calendar treatment, basis weight 180 / m2The base paper was manufactured.
[0032]
Address side processing
On the base paper produced above, a coating liquid having a solid content of 3%, in which the ratio of polyvinyl alcohol (PVA-117 Kuraray) and dye fixing agent (PAS-H-10L Nittobo) is 1: 1, Coating amount is 0.5g / m using an air knife coater2Coating and drying were performed so that
[0033]
Formation of ink receiving layer
70 parts of synthetic amorphous silica (Nipgel AY-603 made by Nippon Silica Industry), 30 parts of synthetic amorphous silica (Mizukasil P-50 made by Mizusawa Chemical), 35 parts of polyvinyl alcohol (PVA-117, made by Kuraray), ethylene 25 parts of vinyl acetate copolymer latex (Rikabond BE-7000, manufactured by Chuo Rika Kogyo), 2 parts of cationic sizing agent (Polymaron 360, manufactured by Arakawa Chemical Industries), 5 parts of dye fixing agent (PAS-H-10L, manufactured by Nittobo) Applying an antifoaming agent and diluting water as appropriate, a solid content concentration of 18% using an air knife coater, the coating amount is 12 g / m2Thus, an ink receiving layer was prepared.
Curl correction and surface treatment
After drying the ink receiving layer, the address surface was subjected to curl correction by humidification, and finally subjected to surface treatment with a soft calender device to obtain the ink jet recording paper of Example 1.
[0034]
<Example 2>
The ink jet recording paper of Example 2 was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that the amount of humidification was increased in the curl correction by humidification in Example 1.
[0035]
<Example 3>
In the processing on the address side, a coating liquid having the same composition as the ink receiving layer of Example 1 was used, and a color with a solid content concentration of 15% was applied at a coating amount of 6 g / m.2An ink jet recording paper of Example 3 was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that coating was performed.
[0036]
<Example 4>
In the processing on the address side, a coating liquid having the same composition as the ink receiving layer of Example 1 was used, and a color with a solid content concentration of 18% was applied at a coating amount of 12 g / m.2An ink jet recording paper of Example 4 was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that the coating was performed.
[0037]
<Example 5>
An ink jet recording paper of Example 5 was obtained in exactly the same manner as in Example 4 except that the amount of humidification was reduced in curling correction by humidification in Example 4.
[0038]
<Comparative Example 1>
In the production of the base paper, the recording of Comparative Example 1 was carried out in the same manner as in Example 1, except that 10 parts of kaolin in Example 1 was changed to 0 part and 0.1 part of rosin sizing agent was changed to 0.3 part. A medium was obtained.
[0039]
<Comparative Example 2>
In the treatment on the address side, 100 parts of synthetic amorphous silica (Nipgel AY-603, manufactured by Nippon Silica Industry), 35 parts of polyvinyl alcohol (PVA-117, manufactured by Kuraray), ethylene vinyl acetate copolymer latex (Rikabond BE-7000) An antifoaming agent, dilution water, and the like were appropriately added to 25 parts of Chuo Rika Kogyo), 1 part of a cationic sizing agent (Polymaron 360, manufactured by Arakawa Chemical Industries), and 5 parts of a dye fixing agent (PAS-H-10L, manufactured by Nittobo) The color with a solid content of 18% was applied using an air knife coater and the coating amount was 12 g / m.2An ink jet recording paper of Comparative Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the coating was performed so that
[0040]
<Comparative Example 3>
An ink jet recording paper of Comparative Example 3 was obtained in exactly the same manner as Comparative Example 1, except that the curl correction by humidification of Comparative Example 1 was performed to increase the amount of humidification and reverse the curl shape.
[0041]
<Comparative Example 4>
An ink jet recording paper of Comparative Example 4 was obtained in exactly the same manner as in Example 3 except that the curl correction by humidification in Example 3 was performed by increasing the amount of humidification to reverse the curl shape.
[0042]
<Comparative Example 5>
An ink jet recording paper of Comparative Example 5 was obtained in exactly the same manner as in Example 3 except that the amount of humidification was reduced in curling correction by humidification in Example 3.
[0043]
<Comparative Example 6>
An ink jet recording paper of Comparative Example 6 was obtained in exactly the same manner as Comparative Example 2 except that the amount of humidification was reduced in curling correction by humidification of Comparative Example 2.
[0044]
(Inkjet recording postcard manufacturing method)
After performing offset printing on the address face of the recording paper obtained in Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 6, an ink jet recording postcard is created by cutting to the size of a public postcard (100 mm × 148 mm) with a cutter. did. For address printing, use LITHRONE 44 (manufactured by Komori) as an offset printing machine, and use Aqua Magic (manufactured by Toyo Ink) as tap water to adjust the pH to 5.0. Then, ruled line printing of red and blue was performed.
[0045]
<Evaluation method>
The ink jet recording papers and ink jet recording postcards obtained in Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 6 were evaluated by the following methods. In each item, if the evaluation is Δ or more, it can be put into practical use.
Evaluation item
<Curl>
Inkjet recording postcards cut to 100 mm × 148 mm (government postcard size) on a horizontal table, one with the ink-receiving layer on top and the other with the ink-receiving layer on the bottom, 23 ° C., 50 It was left in an environment of% RH for 4 hours, and the average value of the heights of the four corners from the table was determined as a curl value in mm units. At this time, a curl with the ink receiving layer (or communication surface) inside (concave shape on the ink receiving layer surface side) is a plus value, and a curl with the ink receiving layer (or communication surface) outside (the ink receiving layer surface side) (Convex shape) was a negative value.
[0046]
<Address surface water absorption>
J. et al. TAPPI No. In accordance with the Bristow method described in No. 51, the water absorption amount of the address surface when the contact time is 0.5 seconds (ml / m2) Was measured. As the liquid, ion exchange water was used.
[0047]
<Workability during offset printing>
Use LITHRONE44 (manufactured by Komori) as an offset printer, add Aqua Magic (manufactured by Toyo Ink) to tap water as dampening water, adjust the pH to 5.0, and use two colors, red and blue When 3000 copies were printed, the presence or absence of a paper jam in the paper feed unit and the paper alignment state in the paper discharge unit were evaluated. The offset printing was performed in an environment of 23 ° C. and 50% RH.
○: Troubles in feeding and discharging do not occur at all, and offset printing is possible without problems.
Δ: Paper jamming did not occur in the paper feeding unit and the printing machine did not stop, but the paper alignment in the paper ejection unit was slightly disturbed.
×: A paper jam occurred in the paper feed unit or paper misalignment occurred in the paper ejection unit, and the printing machine stopped.
[0048]
<Conveyability during inkjet recording>
When printing was performed using an ink jet printer PM-800C manufactured by Seiko Epson, a state where the recording medium was not conveyed or was not normally fed by multiple conveyance was observed. At the same time, the presence or absence of contact between the print head and the recording medium was observed and evaluated comprehensively. In addition, the Japanese Standards Association SCID sample “bicycle” was used for the printed image, and printing was performed in an environment of 23 ° C. and 50% RH.
○: Printing was possible without any problem and a good printed image was obtained.
Δ: The recording medium was rarely conveyed, but the print head did not rub against the recording medium to disturb the image.
X: Frequently the conveyance abnormality of the recording medium occurred, and the print head rubbed with the recording medium, and the image might be disturbed.
The results of evaluation are as shown in Table 1. There is no practical problem if it is evaluated as ◯ or Δ in the table, but there is a practical problem when the evaluation is ×.
[0049]
[Table 1]
[0050]
[Table 2]
[0051]
As is clear from Tables 1 and 2, since the ink jet recording papers of Examples 1 to 5 have the curl values before and after offset printing and the water absorption amount of the address surface within an appropriate range, workability and ink jet at the time of offset printing There was no significant problem with the transportability during recording, and a good printed image was obtained. On the other hand, in Comparative Example 1 where the water absorption amount of the address surface is less than 10, the offset curl is concave on the ink receiving layer surface side, and in Comparative Example 2 where the water absorption amount of the address surface exceeds 50, the curl after offset is The surface of the ink receiving layer was convex but exceeded 10 mm, and in any case, the transportability of the ink jet printer was inferior. Further, in Comparative Examples 3 and 4 in which the curl before offset is convex on the ink receiving layer surface side, and in Comparative Examples 5 and 6 in which the curl before offset is concave on the ink receiving layer surface but exceeds 10 mm, both are offset printing. The workability of was inferior. In addition, both Comparative Example 4 in which the curl after offset is convex on the ink receiving layer surface side but exceeds 10 mm, and Comparative Example 5 in which the curl after offset is concave on the ink receiving layer surface side are both transportability during ink jet recording. Also inferior.
[0052]
These results show that the ink jet recording paper obtained by the present invention can perform offset printing on the address side without any problem, and also has excellent transportability with an ink jet printer, thereby obtaining good image quality. It is proved that
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the shape of a curl in the present invention.
