JP2005028668A - 押出供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一つの同じ吐出路を持つ構造でありながら、多種類の押出物を多様な供給形態で受けて、多様な形態の複合押出物を形成することを可能にする押出供給装置を提供する。
【解決手段】複合押出物を吐出する吐出路2の上流端部2aには、押出物としての溶融樹脂を供給するための環状開口3a,4aで開口する複数の筒状流路3,4、及び筒状流路4aを開閉可能とする開閉弁7が設けられている。筒状流路3からは、外側層となる樹脂10aが常に供給され、内側の筒状流路4は開閉弁7によって開閉制御されるので、外側の溶融樹脂10aの中に適宜のタイミングで別の溶融樹脂10bが供給され、外側層の樹脂の中に別の種類の樹脂が内包された複合押出物としての多層樹脂が形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮成形に供される樹脂を形成するなどのため、押出機によって可塑化された樹脂を所望の樹脂分布を持つ多層樹脂に成形する押出供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PETボトルのような合成樹脂製の容器や、容器の口部を閉鎖する合成樹脂製の閉蓋具を成形する一つの方法として、溶融樹脂塊を雌型金型と雄型金型との協働によって圧縮成形する方法がある。溶融樹脂塊は、圧縮成形により最終容器形状に成形されるものもあれば、一旦、容器のための前成形体(以下、「プリフォーム」と称する。)に成形され、プリフォームを更にブロー成形などの後工程を経て最終容器形状に成形されるものもある。容器や閉蓋具の成形においては、押出機から押し出される溶融樹脂は、略柱形状の溶融樹脂塊に切り出され、雌型金型に形成されているキャビティ内に落し込まれる。キャビティ内の溶融樹脂塊に対して金型コアである雄型金型を押し込んで圧縮成形することにより、溶融樹脂塊は雌型金型と雄型金型との間でプリフォームに成形される。閉蓋具を成形する場合も、溶融樹脂からは、容器の場合と比較して厚さを薄くした溶融樹脂塊として切り出され、その溶融樹脂塊を雌型金型内のキャビティ内に落し込み、以下、容器の場合と同様にして、最終閉蓋具形状、もしくはその前成形体に成形される。
【0003】
図8は、例えば、圧縮成形に供される多層樹脂を形成する従来の押出供給装置の一例を示す断面概略図である。図8(a)に示すように、押出供給装置71は、複数の流路の中央流路のみが開閉可能に構成されている。溶融樹脂の供給構造は、吐出路72の上流端において外側から斜めに開口する外側流路73と、外側流路73よりも径方向内側で斜めに開口する中間流路74と、中央後方に配置された中央流路75とを備えている。外側流路73と中間流路74とは外側層となる樹脂70aを吐出するための通路であり、中央流路75は内側層となる樹脂70bを供給するための通路である。中央流路75には、樹脂70bの供給とその停止を制御するための中央開閉弁76が配置されており、中央開閉弁76の先端部76aが中央流路75の吐出路72への開口75aを閉鎖することで、中央流路75を閉じることができる。
【0004】
図8(a)に示される押出供給装置71による多層樹脂の押出供給の様子が図8(b)に示されている。外側流路73と中間流路74とから供給された樹脂70aの中に、中央流路75から中央開閉弁76が開いている間だけ樹脂70bが供給される。このような中央開閉弁76の開閉操作によって、樹脂70aから成る外側樹脂層78の中に樹脂70bから成る内側樹脂層79が内包されている多層樹脂77が形成される。内側の樹脂70bは、間隔を置いて順次吐出されるので、前後に隣り合う内側樹脂層79,79間で樹脂70aを切断することにより、押出供給装置71の出口から樹脂70aの塊の中に樹脂70bが内包された多層樹脂塊を切り出すことができる。
【0005】
しかしながら、従来装置による多層樹脂成形においては、形成可能な多層樹脂77は外側樹脂層78の中に内側樹脂層79が内包されているものに限られ、制御の自由度が低い。そのため、多様な構成を持つ多層樹脂を形成することを可能にすることが求められている。
【0006】
内外層樹脂中に分子量の比較的小さい中間層を内封した多層プリフォームが提案されており、溶融樹脂押出工程、溶融樹脂切断工程、多層プリフォーム成形のための圧縮成形工程及び成形された多層プリフォームの冷却工程を行う圧縮成形装置が開示されている。溶融樹脂塊の押出供給装置においては、各樹脂を供給する樹脂通路が押出通路で合流し、中間層樹脂押出機と中間層樹脂通路との間には、間欠加圧機構が設けられており、間欠的に押し出される中間層樹脂を内外層樹脂中にドロップ状に内封している(特許文献1)。また、バージン樹脂と再生樹脂を別個に押し出して同一の雌型内に供給し、雌型と雄型とによって圧縮成形する多層プリフォームとその製造方法が開示されており、雌型に充填された二種類の溶融樹脂塊を、雄型及びネック型を用いて圧縮成形して、多層プリフォームを形成している(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−39531号公報(段落[0049]〜[0057]),図1、図2)
【特許文献2】
特開2002−248675号公報(段落[0015]〜[0019],図4、図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、押出供給装置において、一つの吐出路に多種類の押出物を互いの供給位置や供給時期を適宜に選択可能に供給して、より多様な多層押出物を形成することを可能にする点で解決すべき課題がある。
【0009】
この発明の目的は、一つの同じ吐出路を持つ構造でありながら、多種類の押出物の供給を受けて、多様な形態の多層押出物を形成することを可能にする押出供給装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による押出供給装置は、複数の押出物から成る複合押出物を吐出する吐出路、前記各押出物を供給するため前記吐出路の上流端部に多重環状に形成された環状開口で開口する複数の筒状流路、及び前記筒状流路を開閉可能に設けられている開閉弁を備えていることから成っている。
【0011】
この押出供給装置によれば、複数の筒状流路はそれぞれ開閉弁によって開閉制御されるので、開動作すべき筒状流路の選択と、選択された開閉弁の適宜の開閉タイミングとによって、各筒状流路の環状開口から各押出物を筒状に供給することができ、吐出路からは押出物の種類と複合構造とについて変化に富んだ複合押出物を押し出すことができる。
【0012】
この押出供給装置において、前記筒状流路が開口する前記環状開口を前記筒状流路毎に径方向の位置を違えて開口させ、前記開閉弁を前記吐出路の軸線方向に進退して前記筒状流路を開閉する筒状開閉弁とすることができる。この押出供給装置によれば、多重環状で且つ径の異なる位置に開口する環状開口からは、それぞれ押出物が吐出路において内外位置関係を持った筒状の押出物として送り出される。こうした押出物は、その後の圧縮成形等の成形加工の際に、所望の規則性を持つ複合構造を与えることができる。なお、多重環状の環状開口については多重同心状に配置することができ、そのときにはそれぞれ押出物が、吐出路の中心軸線に対して軸対称となるという規則性をもった押出物として送り出される。
【0013】
この押出供給装置において、前記筒状流路を三重以上に設け、二つ以上の前記筒状開閉弁を互いに独立して作動させることができる。この押出供給装置によれば、筒状流路を三重以上に設け、更に筒状開閉弁を互いに独立して作動させているので、各押出物を送り出す時期を独立して選択することで、3種類以上の押出物から成る多様な複合構造を有する複合押出物を形成することができる。
【0014】
この押出供給装置において、前記吐出路の前記上流端部の中央部分に開口する中央流路を備えている。この押出供給装置によれば、中央流路からも押出物を吐出路に送り込むことにより、更に多様な複合構造を有する複合押出物を形成することができる。
【0015】
中央流路を備える押出供給装置において、前記中央流路は、中央開閉弁によって開閉されることから成る。この押出供給装置によれば、中央開閉弁を開閉することによって中央流路から吐出路への押出物の送込みとその停止とを任意に制御できるので、更に多様な複合構造を有する複合押出物を形成することが可能になる。
【0016】
この押出供給装置において、前記複合押出物は、前記吐出路の出口において切り出すことができる。吐出路の出口に配置されたカッタ、又は切り出された複合押出物を把持する把持体に備わるカッタによって、吐出路の出口から押し出される複合押出物を複合押出塊として、直接に又は搬送の後で、圧縮等の後工程に送ることができる。
【0017】
この押出供給装置において、前記押出物は溶融樹脂であり、前記複合押出物は複数の前記溶融樹脂から成る複合溶融樹脂とすることができる。押出物を溶融樹脂とすることにより、複合押出物は複数の溶融樹脂から成る複合溶融樹脂となり、圧縮等の後工程で多彩な複合構造を有する樹脂成形物を得ることができる。
【0018】
この押出供給装置において、前記複合溶融樹脂を、前記各溶融樹脂が層状に重なった多層溶融樹脂とすることができる。各筒状流路の環状開口から各押出物を筒状に供給するので、外側層の樹脂の中に別の種類の樹脂が内包された多層溶融樹脂が形成される。多層溶融樹脂を切り出すことによって、多層樹脂塊が形成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による押出供給装置の実施例を説明する。以下の実施例において、押出物は溶融樹脂とし、複合押出物は複合溶融樹脂であるとする。図1はこの発明による押出供給装置の一実施例を示す断面模式図であり、(a)は筒状開閉弁が開いた状態を、(b)は筒状開閉弁が閉じた状態を示す図である。
【0020】
図1に示す押出供給装置1は、複合溶融樹脂を吐出する吐出路2を備えている。吐出路2は、上流端部2aにおいて後述する筒状流路3,4及び中央流路5を通じて溶融樹脂の供給を受け、下流端部2bからは、各溶融樹脂が内外に筒状となった多層溶融樹脂としての複合溶融樹脂が押し出される。吐出路2の上流端部2aには、複数種類の樹脂を供給するために、複数の筒状流路3,4が同心状の環状開口3a,4aで開口している。この例では、筒状流路3,4は、それぞれ環状開口3a,4aで径が最も小さく、上流に向かうほど径が広がった筒状流路に形成されている。
【0021】
最外側の筒状流路3と中央流路5とは、常に、吐出路2に開口しており、それぞれ多層樹脂10を形成する外側層用の樹脂10aと最内層用の樹脂10cとを吐出路2に供給する。内側の筒状流路4の環状開口4aは、筒状開閉弁7によって開閉される。筒状流路4は環状開口4aが斜め内側に傾斜した状態で吐出路2に開口している。筒状開閉弁7は、吐出路2の中心軸線9と一致する軸線を有する筒状本体7aを備えており、図示しない駆動装置によって中心軸線9と平行な方向に作動する。したがって、筒状開閉弁7が駆動され、図1(b)に示すように筒状本体7aの先端部7bが弁座4bに座着することにより、環状開口4aが閉鎖されて溶融樹脂10bの供給が停止される。筒状開閉弁7の後退駆動によって環状開口4aが開口し、溶融樹脂10bが筒状流路4から外側層用の溶融樹脂10aの内部に供給される。吐出路2の下流端部2bから押し出される連続した多層樹脂は、押出し方向に前後する内側層用の溶融樹脂10b,10b間で切断することにより、外側層用の溶融樹脂10aと最内層用の樹脂10cとの内部に内側層用の溶融樹脂10bが包まれた個々の多層樹脂塊に切り出される。
【0022】
図2は、この発明による押出供給装置の別の実施例を示す断面模式図であり、(a)は筒状開閉弁が開いた状態を、(b)は筒状開閉弁が閉じた状態を示す図である。図2に示す押出供給装置11は、図1に示す押出供給装置1と共通する構成要素については、図1に用いられた符号と同じ符号を付すことによって再度の説明を省略する。最外側の筒状流路3の内側には同心状に二つの筒状流路14,15が形成されている。最外側の筒状流路3と中央流路16とは、常に吐出路2に通じていて、それぞれ樹脂20a,20dを供給する。筒状流路14,15の環状開口14a,15aは、それぞれ、筒状開閉弁17,18によって開閉される。即ち、筒状開閉弁17,18は、吐出路2の中心軸線9と一致する軸線を有する筒状に形成されており、図示しない駆動装置によって中心軸線9と平行な方向にそれぞれ独立して作動される。筒状開閉弁17(18)の筒状本体17a(18a)が前方に駆動されて先端部17b(18b)が弁座14b(15b)に座着して図2(b)に示す位置を占めると、筒状開閉弁17(18)が環状開口14a(15a)を閉鎖し、溶融樹脂20b(20c)の供給を停止する。筒状本体17a(18a)が後退すると、筒状開閉弁17(18)が環状開口14a(15a)を開き、溶融樹脂20b(20c)が筒状流路14(15)から吐出路2内に供給されている外側層用の溶融樹脂20aと内側層用の溶融樹脂20dとの間に供給される。
【0023】
この発明による押出供給装置の別の実施例が、図3である断面模式図に示されている。図3に示す各実施例において、基本的な部分には図2に示す実施例で用いられる符号と同じ符号を用いることで再度の説明を省略する。図3(a)に示す押出供給装置21aは、常に開いた中央流路25と、中央流路25を中心とする同心状の筒状流路(外側の筒状流路23、内側の筒状流路24)とを備えている。吐出路2の中心軸線9と一致する軸線を有する筒状開閉弁26,27は、それぞれ、図示しない駆動装置によって中心軸線9と平行な方向にそれぞれ独立して作動され、筒状流路23,24の環状開口23a,24aを開閉可能である。詳細には、筒状開閉弁26(27)の筒状本体26a(27a)が前方に駆動されて先端部26b(27b)が弁座23b(24b)に座着すると、筒状開閉弁26(27)が環状開口23a(24a)を閉鎖し、溶融樹脂20a(20b)の供給を停止する。筒状本体26a(27a)が後退すると、筒状開閉弁26(27)が環状開口23a(24a)を開き、溶融樹脂20a(20b)が筒状流路23(24)から吐出路2内において内側層用の溶融樹脂20cの周囲に供給される。筒状流路23,24からの樹脂の供給が任意に停止し再開できるので、押出物の形態も多様性が増加する。また、図3(b)に示す押出供給装置21bは、図3(a)において、筒状流路23,24のための筒状開閉弁に加えて、中央流路25にも中央開閉弁28が設けられており、図示しない駆動装置によって中心軸線9と平行な方向に独立して作動される。中央開閉弁28の本体28aの先端部28bが中央流路25の弁座25bに座着・離間することで開口25aが開閉され、溶融樹脂20cの吐出路2内への供給が制御可能である。三つの流路すべてに開閉機構が設けられるので、押出樹脂の形態には一層の多様性が与えられる。
【0024】
図4は、この発明による押出供給装置の更に別の実施例を示す断面模式図であり、(a)は筒状開閉弁と中央開閉弁とが共に閉じた状態Aを、(b)は筒状開閉弁が開き中央開閉弁が閉じた状態Bを示す図、(c)は筒状開閉弁が閉じ中央開閉弁が開いた状態Cを示す図、(d)は筒状開閉弁と中央開閉弁とが共に開いた状態Dを示す図である。図4に示す押出供給装置31は、図1に示す押出供給装置1と共通する構成要素については、図1に用いられた符号と同じ符号を付すことによって再度の説明を省略する。中央開閉弁39は、図8に示す従来の押出供給装置に用いられる中央開閉弁と同様の構造を備えることができる。即ち、中央開閉弁39の本体39aに形成されている先端部39bが、中央流路36が吐出路2に開口する中央出口36aに密に嵌入することで、中央流路36からの溶融樹脂30cの供給を停止させることができる。中央開閉弁36は、筒状開閉弁7とは独立して作動させることができる。
【0025】
図5は、図4に示す押出供給装置31によって形成することができる多層樹脂塊の態様を示す模式図である。図5(a)は、図4に示す押出供給装置31が状態A→状態B→状態A→状態C→状態Aの順に作動するときに形成される多層樹脂塊31aを示す。筒状流路3から供給されている溶融樹脂30aの中に、筒状流路4から溶融樹脂30bが供給され(状態B)、その後、筒状流路4が閉じられ、再び筒状流路3から溶融樹脂30aのみが供給される状態(状態A)を経た後に、中央流路36から溶融樹脂30cが供給され(状態C)、更に、中央流路36が閉じられて再び筒状流路3から溶融樹脂30aのみが供給される状態に戻る(状態A)。最後に筒状流路3のみから溶融樹脂30aが供給された後、後続の樹脂から切り出されることで樹脂塊31aが形成される。図5(b)は、図4に示す押出供給装置31が状態A→状態B→状態C→状態Aの順に作動するときに形成される多層樹脂塊31bを示す。状態Bの後に状態Aを介さずに直ちに状態Cに移行することで、溶融樹脂30cと溶融樹脂30bとが互いに接触した状態の多層樹脂塊31bが形成される。図5(c)は、図4に示す押出供給装置31が状態A→状態B→状態D→状態B→状態Aの順に作動するときに形成される多層樹脂塊31cを示す。筒状流路4から中央流路36へと外側から順に開き、中央流路36から筒状流路4の順に閉じることによって、溶融樹脂30aの中に溶融樹脂30b,30cが同心殻状に内包された多層樹脂塊31cが形成される。図5(d)は、図4に示す押出供給装置31が状態A→状態D→状態Aの順に作動するときに形成される多層樹脂塊31dを示す。溶融樹脂30aの中において、溶融樹脂30bが溶融樹脂30cのまわりを円環状に囲んだ多層樹脂塊31dが形成される。
【0026】
図6は、図5に示す多層樹脂塊31a〜31cを圧縮成形された様子を示す断面模式図である。圧縮成形は、凹部47が形成されている雌型46と、凹部47に嵌まり込む雄型48とから成る成形型45によって行われる。図6(a)には、多層樹脂塊31aを圧縮成形したときに得られるカップ状容器40aが示されている。カップ状容器40aの壁部は、溶融樹脂30aから成る三つの層と、その層間にそれぞれ溶融樹脂30b,30cの層が挟まれた全5層の層構造を持つ。また、図6(b)には、多層樹脂塊31bを圧縮成形したときに得られるカップ状容器40bが示されている。カップ状容器40bの壁部は、溶融樹脂30aから成る二つの層と、その間に接触状態にある溶融樹脂30b,30cの層が挟まれた全4層の層構造を持つ。更に、図6(c)には、多層樹脂塊31cを圧縮成形したときに得られるカップ状容器40cが示されている。カップ状容器40cの壁部は、最外側に溶融樹脂30aから成る二つの層と、その内側に溶融樹脂30bから成る二つの層と、更にその内側に溶融樹脂30cから成る一つの層とからなる全5層の層構造を持つ。
【0027】
図7は、この発明による押出供給装置の他の実施例を示す断面模式図である。図7に示す押出供給装置61は、図2に示す押出供給装置11において中央流路66に中央開閉弁69を設けた実施例である。そのため、図2に示す押出供給装置11と共通する構成要素については、主たるものについてのみ図2に用いられた符号と同じ符号を付し、再度の説明を省略する。また、中央開閉弁69については、図4に示す実施例に用いられている中央開閉弁39と同様の構造でよく、中央開閉弁69の本体69aに形成されている先端部69bが、中央流路66が吐出路2に開口する中央出口66aに密に嵌入することで、中央流路66を閉じ、中央流路66を通じての溶融樹脂60dの供給を停止させることができる。中央開閉弁69は、筒状開閉弁17,18とは独立して作動させることができる。
【0028】
図7(a)は、常に開いた最外側の筒状流路3と、中央開閉弁69が開いた中央流路66とからそれぞれ溶融樹脂60a,60dが吐出路2に供給される状態を示す。図7(b)は、中央開閉弁69を閉じると共に最内側の筒状流路15に設けられた筒状開閉弁18を開くことで、最外側の筒状流路3と最内側の筒状流路15とから樹脂60a,60cが吐出路2に供給される状態を示す。また、図7(c)は、中央開閉弁69と最内側の筒状流路15に設けられた筒状開閉弁18とを閉じると共に中間の筒状流路14に設けられた筒状開閉弁17を開くことで、最外側の筒状流路3と中間の筒状流路15とから溶融樹脂60a,60bが吐出路2に供給される状態を示す。更に、図7(d)は、中央開閉弁69とすべての筒状開閉弁17,18とを閉じることで、最外側の筒状流路3から溶融樹脂60aのみが吐出路2に供給される状態を示す。
【0029】
以上、この発明による押出供給装置の各実施例を図とともに説明したが、この発明による押出供給装置は、これらの実施例に限られることなく、多様な変更、追加、修正が可能である。筒状流路は、最大3つの例を挙げたが、それよりも多い数の筒状流路を設けてもよいことは明らかである。また、筒状流路は、前記吐出路に連続して開口しているものとして説明したが、不連続に開口する構成も可能である。したがって、そうした筒状流路を開閉する開閉弁の開閉制御も多様に制御することができ、圧縮成形等の成形加工によって、多種多様な層構造を有する多層押出物を成形することができる。また、筒状流路が開口する環状開口は、必ずしも同心状でなくてもよく、多重環状であればよい。更に、外側の筒状流路からの押出物の供給は、常時供給でなくてもよく、適宜のタイミングで供給してもよい。なお、押出物を切り出して押出塊を形成する場合には、吐出口にカッタを配置して、押し出されてくる押出物を順次切り出してもよく、切り出した押出物を搬送するための個々の把持具に設けてもい。
【0030】
【発明の効果】
この発明による押出供給装置は、上記のように、複数の押出物から成る複合押出物を吐出する吐出路、前記各押出物を供給するため前記吐出路の上流端部に多重環状に形成された環状開口で開口する複数の筒状流路、及び前記筒状流路を開閉可能に設けられている開閉弁を備えているので、複数の筒状流路からの押出物の供給が開閉弁によって制御され、適宜のタイミングで複数種類の押出物がそれぞれの環状開口から供給され、外側層の押出物の中に別の種類の押出物が内包された複合押出物が形成される。その結果、この押出供給装置によれば、一つの同じ吐出路を持つ構造でありながら、環状開口から多種類の押出物が多様な形態で供給されるので、多様な複合押出物を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による押出供給装置の一実施例を示す断面模式図である。
【図2】この発明による押出供給装置の別の実施例を示す断面模式図である。
【図3】この発明による押出供給装置の別の実施例を示す断面模式図である。
【図4】この発明による押出供給装置の更に別の実施例を示す断面模式図である。
【図5】図4に示す押出供給装置によって形成することができる多層樹脂塊の態様を示す模式図である。
【図6】図5に示す多層樹脂塊31a〜31cを圧縮成形された様子を示す断面模式図である。
【図7】この発明による押出供給装置の他の実施例を示す断面模式図である。
【図8】従来の押出供給装置の一例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1,11,21a,21b,31 押出供給装置
2 吐出路 2a 上流端部 2b 下流端部
3,4;13,14,15;23,24 筒状流路
3a,4a;13a,14a;23a,24a 環状開口
4b;14b;23b,24b,25b 弁座
5;25;36;66 中央流路 36a 中央出口
7;17,18;26,27 筒状開閉弁
7a;17a,18a;26a,27a 筒状本体
7b;17b,18b;26b,27b 先端部7b
9 中心軸線
31a,31b,31c,31d 多層樹脂塊
10a,10b;20a,20b,20c 溶融樹脂
30a,30b,30c;60a,60b,60c,60d 溶融樹脂
28;39;69 中央開閉弁
28a,39a 本体 28b,39b 先端部
40a,40b,40c カップ状容器
45 成形型 46 雌型
47 凹部 48 雄型

Claims (8)

  1. 複数の押出物から成る複合押出物を吐出する吐出路、前記各押出物を供給するため前記吐出路の上流端部に多重環状に形成された環状開口で開口する複数の筒状流路、及び前記筒状流路を開閉可能に設けられている開閉弁を備えていることから成る押出供給装置。
  2. 前記筒状流路が開口する前記環状開口は前記筒状流路毎に径方向の位置を違えて開口しており、前記開閉弁は前記吐出路の軸線方向に進退して前記筒状流路を開閉する筒状開閉弁であることから成る請求項1に記載の押出供給装置。
  3. 前記筒状流路は三重以上に設けられており、二つ以上の前記筒状開閉弁は、互いに独立して作動されることから成る請求項1に記載の押出供給装置。
  4. 前記吐出路の前記上流端部の中央部分に開口する中央流路を備えていることから成る請求項1に記載の押出供給装置。
  5. 前記中央流路は、中央開閉弁によって開閉されることから成る請求項4に記載の押出供給装置。
  6. 前記複合押出物は、前記吐出路の出口において切り出されることから成る請求項1に記載の押出供給装置。
  7. 前記押出物は溶融樹脂であり、前記複合押出物は複数の前記溶融樹脂から成る複合溶融樹脂であることから成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の押出供給装置。
  8. 前記複合溶融樹脂は、前記各溶融樹脂が層状に重なった多層溶融樹脂であることから成る請求項7に記載の押出供給装置。
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