JP2005028351A - 排水管更正工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】人が住んでいる状態のまま、生活に支障を生じない許容時間帯の中で全工程を完了できること、排水管を縦主管、横主管、枝管の区別なく単一の装置と工法で連続してライニングできること。
【解決手段】スプレーガン装置10を被塗装管である排水管の小口径管13末端から内部へ送入して推進装置14及び方向制御器を用いて大口径の主管11に至るまで推進させる工程と、スプレーガン装置10が大口径主管11へ到達した後、推進装置14を逆回転させて、当該主管11から小口径管13末端に向かってスプレーガン装置10を牽引して移動させつつ、ギヤポンプ装置から供給される液状樹脂組成物をスプレーガン装置10の塗料ホースから吐出させ、同時にエアホースからエアを圧送して塗料を噴霧状に噴射させて、被塗装管内面に所定厚さの樹脂塗膜を付着させる工程と、得られた樹脂塗膜を乾燥・硬化させて、被塗装管内面に樹脂ライニングを施す工程とを有する。
【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
本発明は、老朽化した集合住宅用屋内排水管の内面を樹脂ライニングすることにより更正させる工法に関する。
従来技術
近年、アパート、マンション等集合住宅の老朽化が進み、屋内排水管の腐食、詰まり、漏水等のトラブルが多く発生している。しかし、排水管を新品に交換することは、住宅に人が住んでいる場合は工期の面から極めて困難であり、また費用の負担も大きい。そのため、既設の配管をそのまま利用して管の内面に樹脂塗料でライニングを施し、比較的短時間に、しかも安価に、排水管を更正させる工法の開発が要望されている。
更正の対象となる排水管の口径(公称径)は、マンション等の集合住宅では概ね50ミリメートルから200ミリメートルの範囲にある。これらの排水管の内面を樹脂ライニングすることは従来から行われており、その工法として、ボールピグ工法、ホースライニング工法、リフロー(Re−Flow)工法等が知られている。
これらの工法に用いられる液状樹脂塗料は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、及びこれらにガラスフレーク等を混入したものである。
ボールピグ工法は、流動性を付与した樹脂塗料を管内に流し込み、次いで管の内径に適合する大きさのポリウレタン樹脂製又はゴム製のピグ(球形、楕円形等各種形状のものがある)を管内に挿入し、引綱又は吸引により移動させながら、ピグの表面で液状樹脂塗料を管内壁に塗布し、しかる後ピグを取り出し、樹脂塗膜の硬化を待つという工法である。この工法は、比較的小口径の管を対象として用いられる場合が多いようであるが、管径が異なる場合や曲管部がある場合は、いちいちピグを交換する必要があり、継続して工事を進めることができないという欠点がある。
ホースライニング工法は、ポリエステル繊維製のジャケット(円筒状の織物)にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を含浸させたものを、反転させながら管内に挿入し、紫外線等で硬化させて管内壁をライニングする工法である。この工法は、下水道管の更正工法には適すると思われるが、マンション等集合住宅用屋内排水管の更正工法としては過剰品質であり、高価となるため不適と考えられる。
最近開発されたリフロー工法(特開2001−219121)は、排水管の縦主管の上部から、先端に樹脂の噴射孔を有するライニング装置を管内に挿入し、内蔵の小型モータを回転させて樹脂を噴射させ、ライニングを行い、硬化させる方法である。この工法では、横主管や横枝管は、縦主管と同時にライニングできない点が不便である。横枝管には液状樹脂塗料を通常の噴霧法で塗布し、横主管は再びリフロー工法で更正工事を行うという煩雑な工法が採用されている。
発明が解決しようとする課題
以上見たように、アパート、マンション等集合住宅用屋内排水管を簡便に更正できる方法が強く求められているにもかかわらず、現存する各種工法は多くの面で満足できないものである。そこで、本発明は、対象となる住宅に人が住んでいる状態のまま、生活に支障を生じない許容時間帯の中で全工程を完了できること、公称径50ミリメートルから200ミリメートルの範囲の排水管を縦主管、横主管、枝管の区別なく単一の装置と工法で連続してライニングできること、及び耐久性ある管内ライニング面を実用的なコストで実現することを課題とする。
課題を解決する手段
上記の課題は、以下に記載する排水管更正工法により解決することができる。
すなわち、本工法は、液状樹脂組成物を所定の組成に調整し、これをギヤポンプ装置の吸込み側保温タンクに入れて所定の温度に保ち、必要に応じて直ちに管内塗装用スプレーガン装置へ供給できるよう準備を整える工程と、スプレーガン装置を被塗装管である屋内排水管の小口径末端から内部へ挿入し、大口径の主管又はその手前の中口径管に至るまで推進させる工程と、スプンーガン装置が目標とする管へ到達した後、当該到達位置から小口径末端に向かってスプレーガン装置を牽引して移動させつつ、ギヤポンプから供給される前記液状樹脂組成物をスプレーガン装置の塗料/エアホース挿入保温チューブの塗料ホースに送り、エアコンプレッサーからエアを塗料/エアホース挿入保温チューブのエアホースに送り、塗料/エア二流体ノズル・チップ噴射孔で混合されて噴霧状に噴射させ、被塗装管内面に所定厚さの樹脂塗膜を付着させる工程と、かくして得られた樹脂塗膜を乾燥・硬化させて被塗装管内面に樹脂ライニングを施す工程とを有する。なお、本工法の実施に先立って、被塗装管の内部を検査・清掃することが望ましい。
本発明は、本願出願人が先に特許出願した「管内塗装用スプレーガン装置」(特開2001−300368)及び「排水管の更正工法」(特願2002−236774)のスプレーチップの改良に関するものである。
先ず、液状樹脂組成物を所定の組成に調整し、これを所定の温度、圧力で管内塗装用スプレーガン装置へ供給するための準備をする。準備が整ったならば、スプレーガン装置を被塗装管の内部に送入する。この場合、最小口径管の末端からスプレーガン装置を送り込み、適宜な推進手段を用いて最大口径の縦主管又はその手前の中口径管まで推進させる。スプレーガン装置が目標位置に到達したならば、ギヤポンプを起動させて液状樹脂組成物を塗料/エアホース挿入保温チューブの塗料ホースからスプレーガン装置へ供給すると同時に、スプレーガン装置を送入時とは逆の経路をたどって牽引し、その移動途上でスプレーガン装置の塗料/エア二流体ノズルの塗料用ノズルから液状樹脂組成物を、エア用ノズルからコンプレッサー・エアを圧入することにより、その先端に取り付けたチップの噴射孔から塗料とエアとが混合されて噴霧状に噴射されて、被塗装管の内面に均等に平滑な厚い樹脂塗膜を形成させることができる。こうして形成される樹脂塗膜は、ある時間放置されるうちに、前記組成物が含有する硬化・乾燥剤の効果により堅固な厚みの均一な樹脂厚膜となる。
なお、この課題解決手段は請求項1に対応する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態は上記課題解決手段中の、被塗装管内へスプレーガン装置を送入する工程において、推進装置から塗料/エアホース挿入保温チューブを繰り出すことによりスプレーガン装置に推進力を与え、スプレーガン装置の先端が管の分岐部に差し掛かった際は、当該先端部が方向制御器により所望の方向に向くよう制御する、というものである。これらの推進装置と方向制御器は、上で「適宜な推進手段」と呼んだものである。
図1を参照して、管内塗装用スプレーガン装置(本装置)について説明する。図1(A)は本装置10を構成する各部分を示す分解図である。本装置10は、先端のニップル5に塗料/エア二流体ノズル・チップ1が取り付けられ、後端のニップル7に塗料/エアホース挿入保温チューブ2が接続され、これらの中間に、可動ニップル6を介して帯スプリング4が2個の球体をなして取り付けられている。帯スプリング4は、被塗装管の管径に従って湾曲度を変え、これに伴って3個のニップル5、6、7を連結するコイルスプリング3が伸縮するように構成されている。この構成により、図1(B)及び(C)に示すように、大小いずれの管径に対してもスプレーガン装置本体10が常に管の中心軸に一致するように支持され、かつ曲管部分においても塗料/エア二流体ノズル・チップ1の先端が管壁に接触せず、噴射を適正に行いうる間隙が確保される。図1(E)は、塗料/エアホース挿入保温チューブ2の概念図を示したもので、塗料ホースとエアホースをチューブ中に収納し、その外周を電熱等で一定温度に保温したものである。
さらに図1’を参照して、本発明の塗料/エア二流体ノズル・チップについて説明する。図1’(a)は、塗料/エア二流体ノズル・チップの組立正面図であり、図1’(b)はその断面図である。さらに、図1’(c)は、その分解断面図を示す。すなわち、アダプター(ホ)に塗料ホース継手(ヘ)とエアホース継手(ト)とをネジによって連結し、それにO’リング(ニ)を載せて、その上にフルイドキャップ(ハ)を置く。次にエアキャップボディ(ロ)をネジ止めし、最後に微小孔を有するエアキャップディフレクター(イ)を嵌め込むことにより、塗料/エア二流体ノズル・チップができ上がる。この操作法は、ギヤポンプ装置18から塗料/エアホース挿入保温チューブの塗料ホース(チ)から送られた液状樹脂組成物と、コンプレッサー(図示せず)からエアホース(リ)を通じて圧送されてきたエアとが混合されて、エアキャップディフレクター(イ)の微小孔から噴霧状に噴射できるというもので、均等でしかも平滑な樹脂塗膜を形成し得るものである。
上記塗料ホース(チ)は、最内層が耐圧ゴム管、中間層が金属メッシュ、最外層が軟質プラスチック又はゴムの3層からなり、軸方向に加えられる推進力を先端部へ伝達できる剛性を備える。塗料ホース(チ)とエアホース(リ)は、軟質難燃性のプラスチック又はゴム製チューブ(2)に挿入し、その外周をバンドヒータで保温しておく。チューブ(2)の外周には、その長手方向に沿ってモニター用ファイバースコープ8、照明用光ファイバー束9及び後述する方向制御器15が留め金具により添えられている(図1(B)、(C)及び(D)を参照)。照明用光ファイバー束9からの光で管内を照らし、管内における塗料/エア二流体ノズル・チップ1の位置や管の分岐位置をファイバースコープ8で確認することができる。塗料/エアホース挿入保温チューブ2は、推進装置14により押込又は牽引される。
推進装置14は、互いに反対方向へ回転する一対のローラの間に塗料エアホース挿入保温チューブ2を挟んでモータで駆動し、必要に応じてその回転方向を逆転させるように構成される。なお、塗料エアホース挿入保温チューブ2の外周にはファイバースコープ等が添えられているので、それらを傷つけないように、上記のローラはゴムのように柔らかく、かつ滑りにくい材料で構成することが望ましい。
方向制御器15は、図1(D)に示すように、塗料/エア二流体ノズル・チップ1が取り付けられているニップル5の胴部中心軸の両側に所定間隔を隔てて2本の細いピアノ線を結び付け、これらのピアノ線の一方を引くことによりニップル5の軸線の方向を左右に振ることができるように構成される。これらのピアノ線は、塗料/エアホース挿入保温チューブ2と同じ長さの軟質プラスチック製又はゴム製のスリーブ中に収容され、塗料/エアホース挿入保温チューブ2の外周に添えられて操作者の手許まで伸びる。
スプレーガン装置10を被塗装管の内部へ送入するには、最小口径管の末端からこれを送り込み、最大口径の縦主管又は適宜な中口径管まで推進させる。その途中、ファイバースコープ8を用いてスプレーガン装置10先端の管内の位置を確認し、管が分岐する場所では、方向制御器15を用いてスプレーガン装置10の先端が所望の方向に向くように制御する。スプレーガン装置10が目標位置に到達したならば、推進装置14を逆転させて上記経路を逆に辿るようにスプレーガン装置10を一定速度で牽引しつつ、塗料/エア二流体ノズル・チップの噴射孔から液状樹脂組成物を管壁に向かって噴霧状に噴射させる。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態は、上記工法に用いられる液状樹脂組成物が、無溶剤常温硬化型又は熱硬化型の樹脂系塗料と、各種添加剤から構成されるというものである。
上記組成物中の樹脂成分は、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はビニルエステル樹脂等である。これに硬化剤等の添加剤が添加されるが、溶剤は添加されない。これらの樹脂成分はいずれも液状の低分子ポリマーであって、添加された硬化剤により、塗膜形成後に作業温度又は若干の加熱により硬化して堅固な巨大分子量ポリマーに変容する。これに対して、熱可塑性樹脂の場合は分子量が大きいので溶剤を大量に使用しなければならず、しかも熱に弱く、溶剤にも溶けるので、ライニングの用途には不向きである。
この組成物は無溶剤型であるため、樹脂濃度が溶剤により希釈されないので、1回の噴射による塗布で一挙に厚膜を形成できる。塗膜の垂れ下がりがなく、塗膜が均等に塗布される。また、有害な溶剤蒸気の発生が少ないため、人が居住中の集合住宅内で作業を行うのに適する。組成物中の樹脂濃度は樹脂の種類により異なるが、概ね50重量%から70重量%の範囲、粘度は10、000CPから50、000CPの範囲である。なお、本実施形態は請求項2に対応する。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態は、上記液状樹脂組成物を構成する添加剤の一つとして、管壁に対する樹脂塗膜の接着性を向上させるシラン系カップリング剤を配合するというものである。
シラン系カップリング剤を配合することにより、プライマーを使用しなくても樹脂塗膜と排水管内面との密着性が確保されるから、下塗りの手間を省くことができ、施工時間を短縮することができる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、ポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂に対してはγ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン(NUCシランカップリング剤、日本ユニカ製、商品名A−187)、又はγ−アミノプロピル・トリメトキシシラン(NUCシランカップリング剤、日本ユニカ製、商品名A−1110)等が使用される。対象樹脂は、必ずしも上記ポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂に限られず、広く使用される。その使用量は、液状樹脂の固形分に対して0.01部から5.0部の範囲であるが、最適使用範囲は0.1部から2.0部範囲が好ましい。なお、本実施形態は請求項3に対応する。
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態は、上記液状樹脂組成物を構成する添加剤の一つとして、塗料を速やかに乾燥させ、かつ硬化させるための乾燥剤として、カルボン酸金属塩を配合するというものである。本工法が実現しようとしているライニング膜厚は、通常の塗膜に比べて50倍から100倍も厚いので、乾燥時間を短縮して工期の遅延を防止するために、乾燥剤を配合する。
乾燥剤としては、少量のカルボン酸金属塩(日本化学産業(株)製)が用いられる。カルボン酸としてナフテン酸、オクチル酸、ネオデカン酸等がある。その金属塩としてはコバル卜、鉛、マンガン、亜鉛、カルシウム、スズ等の塩であり、これらの中から1種又はそれ以上を選択して使用される。例えば、ナフテン酸コバルト又はこれとナフテン酸亜鉛の混合物を用いることができる。カルボン酸金属塩の乾燥機構は完全には解明されていないが、第一段階の過酸化物の生成と、第二段階としてその分解により生成されるラジカルによる架橋が考えられる。その使用量は、液状樹脂の固形分に対して0.01部から1.0部の範囲であるが、最適使用範囲は0.05部から0.5部の範囲が好ましい。なお、本実施形態は請求項4に対応する。
(第5実施形態)
本発明の第5の実施形態は、本工法に用いる液状樹脂組成物の温度、圧力、膜厚等、本工法の特徴的施工条件を規定するものである。本工法では、液状樹脂の温度を四季を通じて25℃から35℃の間の一定温度、好ましくは30℃に保持する。さらに、管内塗装用スプレーガン装置の塗料を輸送して噴射する塗料/エアホース挿入保温チューブも同様に、35℃から45℃の一定温度に加温・保持する。その理由は、温度の変化による液状樹脂の粘度及び硬化時間の変動を防止し、一定条件で工事ができるようにライニング工程を管理するためである。上記の一定温度に保持しない場合は、夏期は30℃以上まで気温が上昇するので、液状樹脂の粘度が下がり、例えば40℃では、可使時間が4時間と短くなって硬化が進んで粘度が上昇し、噴霧が困難となる。逆に、冬期になると気温が0℃近くまで下がるので、例えば10℃では、粘度が上昇して可使時間が8時間と長くなって膜厚が薄くなると同時に硬化が遅くなり、予定の時間内にライニング作業を終了できなくなる。さらに0℃以下になると、液状樹脂の粘度が急上昇して塗料ホースから液状樹脂を吐出できなくなるという不都合を生じる。
本工法では、液状樹脂組成物の温度を上記のように一定温度に保持するとともに、その圧力をギヤポンプ装置により10kgf/平方センチメートル以上100kgf/平方センチメートル以下、さらに好ましくは30〜60kgf/平方センチメートルに塗料/エアホース挿入保温チューブの塗料ホースを加圧し、エアコンプレッサーからエア圧力を塗料/エアホース挿入保温チューブのエアホースを1kgf/平方センチメートル以上10kgf/平方センチメートル以下、好ましくは2〜4kgf/平方センチメートルに加圧し、塗料/エア二流体ノズル・チップから液状樹脂組成物とエアとの混合物をその噴射孔から噴霧状に噴射させて、被塗装管内壁上に均等に厚さ500マイクロメートル以上1200マイクロメートル以下の平滑な樹脂膜を形成させる。最適な樹脂膜厚は、800マイクロメートルから1100マイクロメ−トルまでの範囲である。
このように、塗膜を厚くする理由は、通常の5乃至20マイクロメートル程度の膜厚では、短時間のうちに樹脂膜が摩滅する恐れがあるからである。なお、膜厚が1200マイクロメートルを超えるとコストが上昇し、しかも乾燥と硬化に時間がかかって工期が長くなり、実用化が困難になる。
以下に実施例1及び2により本発明を説明し、それらの要点を表1に示す。なお、表中の「部」、「%」はそれぞれ液状組成物の固形分に対する重量基準の数値である。また、塗膜の試験は、次ぎの方法に準拠して行った。
「塗料樹脂材料の接着及び硬化試験法」JIS K−5400
(1)碁盤目試験による接着性の評価法
(2)鉛筆ひっかき値による硬度の評価法
(3)耐薬品試験は、メーカのカタログによる試験で評価
(実施例1)
マンション屋内排水管の樹脂ライニングによる更正工事を、次ぎの順序により行った。
(1) 排水管内面の検査及びクリーニング
先ず、図2に示すマンション屋内配管の内部に、シースネイク管内検査カメラシステムKD100(図4、発売元:米国オハイオ州、リッジ・ツール・カンパニー)の管内検査用カメラ17を、口径50ミリメートルの管13から挿入した。口径200ミリメートルの縦主管11から、順次口径150、100、75、50ミリメートルの管まで、管の内部をカメラ17で撮影し、TVモニター16で観察して、腐食、詰まり、漏水等の箇所や状態を検査した。他の排水管も同様に検査した。
次に、コールマン排水管清掃機K375(図5(A)、発売元:同上)の先端にチェーン・ノッカー(図5(B)を取り付けて、大口径から小口径管の方向へ移動させながら回転させて管内のスケールを除去した。次いで、チェーン・ノッカーをボールワイヤ・ブラシ(図5(C))に交換して、異物を除去するとともに、塗膜と管壁とのアンカー効果を出すために、管の内面を80乃至100メッシュ程度に粗化させた。
上記操作終了後、50℃に加温した2%苛性ソーダ水溶液を口径50ミリメートルの管の上部から流し込んで油や腐食物を除去し、さらに50℃の温水で洗浄後、80℃の温風を送って約30分間乾燥させた。
(2) 液状樹脂組成物による管内面へのライニング
液状樹脂組成物として、無溶剤型ポリウレタン樹脂((株)トウペ製:ニューウレタン21、濃度65%、粘度20.000CP)100部(主剤:硬化剤=7:1)に、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピル・トリメトキシシランA−1110を0.5部と、乾燥剤としてナフテン酸コバルト0.2部を添加してよく攪拌・混合し、その混合状態の液状樹脂組成物をギャポンプ装置18(図3、高千穂機械(株)製)の吸込側保温タンク20中で30℃に保持した。
ギヤポンプ装置18に塗料/エアホース挿入保温チューブ2の塗料ホースを連結し、さらに管内塗装用スプレーガン装置10に塗料/エア二流体ノズル・チップを1を取り付けて、図2に示す最小口径管13の末端からスプレーガン装置10を送り込み、推進装置14で塗料/エアホース挿入保温チューブ2を送り込みながら、ファイバースコープ8でスプレーガン装置10先端の管内位置を確認し、管の分岐部では方向制御器15を用いてスプレーガン装置10の先端が所望の方向を向くように制御し、中口径管12を経て最大口径管11まで推進させた。最大口径管に達したならば、今度は推進装置14を逆転させ、上記とは逆の経路を辿って中口径管12及び小口径管13の方向へ塗料/エアホース挿入保温チューブを牽引して、スプレーガン装置10を移動させながら、ギヤポンプ装置18の吐出力を50kgf/平方センチメートルに調節して、塗料/エア二流体ノズル・チップ1の直系1ミリメートルの噴射孔から液状樹脂組成物とエアが混合されたものを管内面に噴霧状に噴射して、平均して1.030マイクロメートルの平滑なライニング膜厚を得た。ライニングが終わったら、約80℃の熱風を約30分間送り、硬化を十分に行わせた。
工事に要した時間は、全体で約8時間であった。ライニングしたことにより、管継ぎ部の段差がなくなり、そのため異物が引っかかりにくくなり、同時に管自体の機械的強度を向上させる補強効果が認められた。別に、塩化ビニル板と鉄板に同一条件で同一液状樹脂組成物をライニングして試験片とし、接着及び硬度試験、並びに耐薬品性試験を行った。その結果を表1に示す。なお、排水管は古い集合住宅では鉄管が多く、比較的新しい集合住宅では塩ビ管が多い。
(実施例2)
実施例1と同様に、排水管の内面をシースネイク管内検査システム(図4)で検査後、コールマン排水管清掃機(図5)で清掃、乾燥し、液状樹脂組成物としてエポキシ樹脂(アルファ工業(株)製:耐酸ライニング用、樹脂:硬化剤=8:2、濃度75%、粘度15.000CP)100部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシランA−187を0.5部、乾燥剤としてナフテン酸コバルト0.2部を添加、混合し、30℃に保持した。
この液状樹脂組成物をギヤポンプ装置18の吸込側保温タンクに入れ、実施例1と同様にライニング工事を行い、平均して1.020マイクロメートルの平滑なライニング膜厚を得た。工事に要した時間は、全体で約9時間であった。試験片の作成も実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。
発明の効果
(請求項1の発明)
請求項1の発明に係る排水管の更正工法によれば、管径200ミリメートルの大口径から50ミリメートルの小口径管まで連続してライニングすることができ、短時間に、しかも安価に、排水管の更正工事を終了させることができる。そのため、マンション等集合住宅に住民が住んでいる状態で、排水管の樹脂ライニング工事を実施できるという大きな特徴を有する。しかも、表面が平滑なライニングを行うことにより異物の引っかかりも少なくなり、排水管の機械的強度も補強される。これらの特徴を、従来から実施されてきたボールピグ工法、ホースライニング工法あるいはリフロー工法等と比較すれば、工期も短く、経済的にも極めて有利で、社会的にも応用範囲が極めて広い、マンション等集合住宅用屋内排水管の更正工法を確立できたといえる。
(請求項2の発明)
請求項2の発明により与えられる液状樹脂組成物の組成によれば、その主成分は無溶剤で常温硬化型又は熱硬化型の液状樹脂である。これらの液状樹脂組成物は、有害な溶剤蒸気の発生が少ないので、人が居住中の集合住宅内で作業を行うのに適している。また、常温硬化型又は熱硬化型であるから、作業環境の温度又は若干の加温により、噴射後速やかに堅牢なライニング膜を形成することができる。
(請求項3の発明)
請求項3の発明により、管壁と樹脂ライニング層との密着性が良好になる添加剤が加えられるので、請求項1の発明に係る排水管の更正工法において、予め管内壁にプライマー下塗り層を形成する必要がなく、一挙に樹脂ライニングを行うことが可能であり、施工時間の大幅な短縮が実現される。
(請求項4の発明)
請求項4の発明により、用いる液状樹脂の種類に応じてそれぞれ適切な乾燥剤が加えられるので、請求項1の発明に係る排水管の更正工法において、極めて厚い樹脂塗膜であるにもかかわらず短時間に硬化することが可能になり、施工時間の大幅な短縮が実現される。
(請求項5の発明)
請求項5の発明により、請求項1〜4の発明に係る排水管の更正工法において、最も有利な特徴を発揮できる施工条件の組み合わせが与えられる。特に、厚膜の形成によりピンホールが無くなり、排水管の耐酸、耐アルカリ、耐熱水性が向上するため水漏れが解消し、前述の補強効果とあいまって耐久性が著しく向上し、使い勝手が改善される。
管内塗装用スプレーガン装置の組立図(A)、被塗装管径が大きい場合の模式図(B)、被塗装管径が小さい場合の模式図(C)、方向制御器の概念図(D)、及び塗料/エアホース挿入保温チューブ2の概念図(E)である。 塗料/エア二流体ノズル・チップの組立正面図(a)、組立断面図(b)及び分解図(c)である。 管内スプレーガン装置を用いる排水管更正工法の概念図である。 ギヤポンプ装置を示す正面図である。 管内検査用カメラシステムの一例を示す斜視図である。 排水管清掃機の一例における本体斜視図(A)、チェーン・ノッカーの図(B)、ボール・ワイヤブラシの図(C)である。
符号の説明
1…塗料/エア二流体ノズル・チップ
イ…エアキャップディフレクター
ロ…エアキャップボディ
ハ…フルイドキャップ
ニ…0’リング
ホ…アダプター
ヘ…塗料ホース継手
ト…エアホース継手
チ…塗料ホース
リ…エアホース
2…塗料/エアホース挿入保温チューブ
3…コイルスプリング
4…帯スプリング
5、6、7…ニップル
8…モニター用ファイバースコープ
9…照明用光ファイバー束
10…管内塗装用スプレーガン装置
11〜13…被塗装管
14…推進装置
15…方向制御器
16…TVモニター
17…管内検査用カメラ
18…ギヤポンプ装置
19…ギヤポンプ装置の吐出配管接続口
20…ギヤポンプ装置の吸込み側保温タンク
Figure 2005028351

Claims (5)

  1. 老朽化した集合住宅用屋内排水管の内面に樹脂ライニングを施して更正させる工法であって、
    液状樹脂組成物を所定の組成に調整し、これをギヤポンプ装置の吸込側保温タンクに入れて所定の温度に保ち、必要に応じて直ちに管内塗装用スプレーガン装置へ供給できるよう準備を整える工程と、
    スプレーガン装置を、被塗装管である屋内排水管の小口径管末端から内部へ送入し、大口径の主管又はその手前の中口径管に至るまで推進させる工程と、
    スプレーガン装置が目標とする管へ到達した後、当該到達位置から小口径管末端に向かったスプレーガン装置を牽引して移動させつつ、ギヤポンプから供給される前記液状樹脂組成物をスプレーガン装置の塗料/エアホース挿入保温チューブの塗料ホースから塗料を、エアホースからエアを送って塗料/エア二流体ノズル・チップの噴射孔で混合されて噴霧状に噴射して、被塗装管内面に所定厚さの樹脂塗膜を付着させる工程と、
    かくして得られた樹脂塗膜を硬化・乾燥させて、被塗装管内面に樹脂ライニングを施す工程と、を有する排水管の更正工法。
  2. 前記液状樹脂組成物が、無溶剤の常温硬化型又は熱硬化型樹脂系塗料と各種添加剤から成ることを特徴とする請求項1記載の排水管更正工法。
  3. 前記液状樹脂組成物を構成する添加剤の一つとして、管壁に対する樹脂塗膜の接着性を向上させるシラン系カップリング剤を配合することを特徴とする請求項2記載の配水管更正工法。
  4. 前記液状樹脂組成物を構成する添加剤の一つとして、樹脂塗膜を速やかに乾燥及び硬化させる乾燥剤として、カルボン酸金属塩を配合することを特徴とする請求項2又は3記載の排水管更正工法。
  5. 前記液状樹脂組成物を25℃から35℃の間の所定温度に保持しつつ、ギヤポンプ装置から35℃ないし45℃の所定温度に保持された塗料/エアホース挿入保温チューブの塗料ホースに10kgf/平方センチメートル以上100kgf/平方センチメートル以下に加圧し、コンプレッサー・エアを1kgf/平方センチメートル以上5kgf/平方センチメートル以下の圧力を塗料/エアホース保温チューブのエアホースに加え、これをスプレーガン装置の塗料/エア二流体ノズル・チップ噴射孔で混合させて噴霧状に噴射させ、被塗装管内面に厚さ500マイクロメートル以上1200マイクロメートル以下の樹脂塗膜を形成させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排水管更正工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011133079A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Spraying Systems Co Japan 二流体ノズル用アジャスタブルジョイント、このジョイントを備えた二流体ノズル、及びこの二流体ノズルを備えた加湿器
JP2017100085A (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 大阪瓦斯株式会社 給湯管のライニング処理方法
JP2018065356A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 吉佳エンジニアリング株式会社 既設管更生方法及び既設管更生構造

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