JP2005027736A - 空調座席装置 - Google Patents

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Noriyuki Komeno
範幸 米野
Fumitaka Kikutani
文孝 菊谷
Shintaro Nozawa
真太郎 野澤
Koichi Nakano
幸一 中野
Hiroo Nitta
浩朗 新田
Satoshi Arima
聡 有馬
Mitsuru Yoneyama
充 米山
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】着座時、座席と人体が接している部分の流路が潰れ、風が座席全体に行き渡らず冷涼感が得られない。
【解決手段】空気を噴出する噴出口14を持った表皮15と噴出口に通じ表皮から反対側に貫通する複数の非吸湿性の貫通穴16を設けた弾性体のパッド部17からなる座席本体11と、送風機18と、送風機で送風された空気を除湿する除湿手段28と、送風機で送風された除湿空気を送る送風路25と、送風路を分岐して貫通穴に連結する分岐通風路26を備えた空調座席装置である。着座で貫通穴がパッド部と一体に圧縮変形するので閉塞されず、除湿空気が噴出口から安定して吹出すことができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車やオフィス用椅子など、環境温度が高温であったり、長時間着座する場合においても、快適な着座感を得ることができる椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の空調座席装置としては、図16に示すように座席内部の支持部材1に空気の流通路2を形成し、支持部材の外側を多孔性部材3で覆い、小さい孔を開けた革などの多孔性の座席カバー4で支持部材1に対して多孔性部材3を包囲し、温度や湿度を調和した調和空気8を吹出すものが開示されている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、この空調座席装置では、図16に示すように、空気は流通路2に案内されて座席カバー4の小さい孔から噴出することになるが、人が着座している時は、人体と接している部分の座席カバー4の孔が塞がれ、送風された空気が流出せず、人体が接していない座席カバー4の部分の孔から流出する。
【0004】
したがって、冷風を送風した場合は流通路2からの熱伝導によって人体は冷却されるが、座席と接している人体に直接空気が届かないので、強い冷涼感は得られない。また、低湿度の空気を送風した場合は、座席と接している人体に乾燥空気が送られないので、汗の気化熱による冷涼感は得られない。さらに着座時は、圧力が加わると支持部材1が潰れるので、流通路が潰れ、風が座席全体に行き渡らない。
【0005】
【特許文献1】
特表平9−505499号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、着座時に人体の皮膚表面に安定して除湿空調された空気が送られるようにし、車内の室温が高くても座席と人体が接している部分の体感温度が低く感じられ、ムレ感を防止した空調座席装置の実現にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、空気を噴出する小穴などの噴出口を持った表皮と前記噴出口に通じて前記表皮から反対側に貫通する複数の非吸湿性の貫通穴を設けた発泡ウレタン等の弾性体のパッド部からなる座席本体と、送風機と、前記送風機で送風された空気を除湿する除湿手段と、前記送風機で送風された除湿空気を送る送風路と、送風路を分岐して貫通穴に連結する分岐通風路からなる構成としたものである。
【0008】
上記発明によれば、座席本体は人の着座により複数の貫通穴がパッド部と一体に圧縮変形して閉塞に至らないので、除湿空気はパッド部の貫通穴に安定して送風され、途中で湿度が上昇することなく、複数の噴出口から着座している人体表面および着衣に安定して噴出され、着衣、および皮膚表面に到達した乾燥空気は汗を気化させるとともに気化潜熱を奪い、着座部分に強い冷涼感を与えることができ、さらに汗を気化させるので蒸れ感を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成にその構成による作用効果を併記し併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明における実施の形態の説明とする。
【0010】
請求項1に記載の発明は、空気を噴出する小穴などの噴出口を持った表皮と前記噴出口に通じ前記表皮から反対側に貫通する複数の非吸湿性の貫通穴を設けた発泡ウレタン等の弾性体のパッド部からなる座席本体と、シロッコファン等の送風機と、前記送風機で送風された空気を除湿する除湿手段と、送風機で送風された空気を送る送風路と、送風路を分岐して貫通穴に連結する分岐通風路からなる構成としたものである。
【0011】
上記構成によれば、送風機で送風された風は、除湿手段で除湿された後、通風路に導かれて分岐通風路によってパッド部の貫通穴に送風され、着座により貫通穴がパッド部と一体に圧縮変形して閉塞に至らないから、表皮に設けられた噴出口から着座している人体表面および着衣に噴出される。着衣、および皮膚表面に到達した乾燥空気は汗を気化させるとともに気化潜熱を奪う。
【0012】
このため、一般に人が着座時には噴出口が閉塞されてしまう着座部分に強い冷涼感を得ることができ、さらに汗を気化させるので蒸れ感を防止することができる。また、着座時は人体の体重によって例えば10mm以上パッド部が圧縮されるが、貫通穴がパッド部と一体に圧縮変形するので貫通穴が閉塞されることが無い。
【0013】
従って、例えば、着座時最も圧縮変形する臀部の着座位置に貫通穴を設けても貫通穴が閉塞されることなく、臀部に除湿空気を送風することができ、臀部に冷涼感を与え、さらに蒸れ感を防止した座席を実現できる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の構成において、除湿手段として吸着作用を用いたゼオライトやシリカゲルなどの吸着材を使用し、除湿手段を加熱する加熱手段を設けたもので、ペルチェ素子等を用い結露で除湿する方式に比べ、結露水の処理が必要なく、また冬季など露点の低い場合も除湿が可能で、冬季においても長時間座っていた場合に感じる蒸れ感を防止することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の構成において、貫通穴を着座時に人体の臀部や腰部、背骨部などの部分で覆われる座席本体の位置に設けたもので、座席本体の着座していない部位から乾燥空気を吹き出さず、着座している位置の噴出口から乾燥空気を送風し、着衣内に乾燥空気を送風することで着衣、および皮膚表面に到達した乾燥空気は汗を気化させるとともに気化潜熱を奪う。
【0016】
このため、通常であれば着座時は閉塞されてしまう着座部分に強い冷涼感を得ることができ、さらに乾燥空気は着衣と皮膚表面内の空間で拡散するので、広い範囲で冷涼間を得て蒸れ感を防止することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項記載の構成において、送風路と分岐通風路の結合部を座席本体の座部の端部に設けた構成としたものである。
【0018】
上記構成によって、例えば着座時は座部の臀部付近は人体の体重によって10mm以上パッド部が圧縮されるが、両足の大腿部の中間に対向する座部の部分は加重を受けずに変形が殆ど無い。従って、座席本体の座部の端部に送風路と分岐通風路の結合部を設けることで、パッド部が殆ど変形しないから送風路と分岐通風路の結合部を閉塞することを防止し、着座時に乾燥空気を着衣と皮膚表面に安定して送風することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の構成において、パッド部を分割するとともに、分割面に凹形状の凹部を形成し、前記分割面を接合した前記パッド部は凹部により分岐通風路を構成したもので、上記構成によってパッド部の内部に分岐通風路を構成することができ、構成の簡略化を図ることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の構成において、パッド部を支持する金属板等の支持部材に凹形状の凹部を形成し、前記パッド部を支持した支持部材の凹部により分岐通風路を構成したものである。
【0021】
上記構成によって、分岐通風路をパッド部と支持部材の間に内蔵でき構成の簡略化を図ることができる。また、除湿手段が吸着材からなる場合は、除湿する際に吸着熱によって空気の温度が上昇するが、この発生した熱を支持部材に熱伝達することで温度が下がり、噴出口から人体に噴出する除湿空気の温度を低下させることができ、冷涼感を高めることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の構成において、支持部材に放熱フィンを設けた構成としたもので、除湿手段が吸着材で除湿作用時に発生する吸着熱を支持部材に熱伝達し易くするとともに、放熱フィンにより支持部材からの放熱を促進し、除湿空気の温度をより低下させることができ、さらに冷涼感を高めることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は請求項1から7のいずれか1項記載の構成に加え、座席本体のパッド部と表皮との間に吸湿性の綿繊維の織布や不織布等の吸湿部材を設け、貫通穴から出た空気が前記吸湿部材を通って噴出口から吹き出す構成としたものである。
【0024】
上記構成において、例えば、車室内には必ず水蒸気があるので、駐車中などドライバーが非乗車時に拡散によって座席本体の吸湿部材は吸湿している。そして、除湿空調の運転開始後、除湿空気は貫通穴から吸湿部材を通って噴出口に通り抜けるが、その際に吸湿部材に蓄えられた水蒸気を気化させ気化潜熱を奪うので、吸湿部材が冷やされ、この吸湿部材の冷熱が表皮を伝わって人体を冷却する。したがって、低湿度空気で吸湿部材、表皮を冷却するので、急速に冷涼感が得られる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の構成に加え、貫通穴に空気を送風する第2の送風機を備えた構成としたものである。
【0026】
上記構成において、除湿手段の再生モードには例えば第2の送風機を駆動し噴出口から人体に送風する。このような除湿手段の再生モードでも人体に風が送風されるので、蒸れ感を防止することができる。次に除湿空調モードでは、送風機を運転し除湿空気を噴出口から人体に除湿空気を送風し汗の気化潜熱によって冷涼感を得る。
【0027】
このような再生モードと除湿モードの各運転を繰り返すことにより、再生モードで室内空気が送られた際、吸湿部材および衣類が吸湿し、次に除湿空調モードで乾燥空気が送り込まれた際、気化潜熱を奪い、この両作用が交互に行われることで起こった、ゆらぎ効果により、強い冷涼感を連続的に得ることができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0029】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における自動車の椅子等に設けた空調座席装置の断面図である。11は空気を噴出する小穴などの噴出口14を持った皮などの表皮15と噴出口14に通じて表皮15から反対側に貫通する表面が非多孔質の皮膜を持つ加工を施し非吸湿性とした複数の貫通穴16を設けた発泡ウレタン等の弾性体のパッド部17からなる座部12と背部13を有する座席本体で、シロッコファン等の送風機18と、送風機18により吸引され送風された空気を除湿するペルチェ素子19の冷接点側に第1熱交換器20、温接点側に第2熱交換器21を設け、第1熱交換器20で水蒸気を結露させる除湿手段22と、除湿手段で結露した水を集めるドレン管23と、ドレン管23が集めた水を蒸発させる蒸発皿24と、送風機18で送風された空気を送る送風路25と、送風路25を分岐して貫通穴16に連結する分岐通風路26からなる構成としたものである。
【0030】
上記構成によれば、送風機18で送風された空気は、除湿手段22で除湿された後、送風路25に導かれて分岐通風路26によってパッド部17の各貫通穴16に送風され、表皮15に設けた複数の噴出口14から着座している人体表面および着衣に噴出される。すなわち、着座時は人体の体重によって10mm以上パッド部17が圧縮されるが、貫通穴16がパッド部17と一体に圧縮変形するので貫通穴16が閉塞されるまでには至らない。
【0031】
したがって、着衣、および皮膚表面に到達した乾燥空気は汗を気化させるとともに気化潜熱を奪う。このため、通常、着座時は閉塞されてしまう座席本体11の着座部分に位置する人体でも強い冷涼感を得ることができ、さらに汗を気化させるので蒸れ感を防止することができる。また、着座時に最も圧縮変形する臀部の着座位置に対向する座席本体11の座部12である部分に貫通穴16を設けても貫通穴16が閉塞されることなく、臀部に除湿空気を送風することができ、臀部に冷涼感を与え、さらに蒸れ感を防止した座席を実現できる。
【0032】
なお、上記実施例における除湿手段22は座席本体11外の送風機18の前に設置し、送風機により送風された空気を除湿する構成にしても本実施例と同様の作用効果が得られる。また、上記実施例におけるペルチェ素子19の代わりに、圧縮式冷凍機を用いても本実施例と同様の作用効果が得られる。
【0033】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2における椅子に設けた空調座席装置の再生モード運転中の断面図で、図3は同じく除湿空調モード運転中の断面図で、図4は同じく貫通穴を破線で示した座席本体の斜視図で、図5は人体の冷涼感を感じる部位の概略図である。本実施例は、除湿手段の構成において実施例1の発明と異なり、実施例1と同一符号のものは同一構造並びに同一作用効果を奏するので、詳細な説明は省略する。
【0034】
本実施例における実施例1の発明との違いは、除湿手段28として吸着作用を用いたゼオライトやシリカゲルなどの吸着材を持った構成としてあり、除湿手段28の吸着材を対流、または輻射、または伝導で加熱して吸着した湿気を蒸発させて再生する電気ヒーター等の加熱手段29を備え、除湿手段28から座席本体11外に連通した排出口32と、排出口32を開く場合は送風路25を閉じ、また排出口32を閉じる場合は送風路25を開くステッピングモータ31等で駆動されるダンパ等の風路切替手段30を設けた構成としたものである。
【0035】
上記構成において、図2に示すように、除湿手段28が除湿性能を回復させる再生モード運転を行う。風路切替手段30を排出口32が開く位置にし、加熱手段29を駆動させ、0.2m/分の流量の送風機18を最初20秒のt1時間停止させた後、1秒のt2時間駆動させる。このような送風機18のt1時間停止とt2時間駆動を以降繰り返し、シリカゲルの吸着材の場合は吸着材が120℃まで加熱されると水蒸気が吸着材から脱着し始めるが、発生した水蒸気を送風機18で排出口32から車室内に放出させる。
【0036】
この場合、加熱手段29で発生した熱は吸着材表面に伝わるが、吸着材の表面が低温のときは送風機18が駆動していないので、吸着材表面温度が早く上昇し、吸着材から早く水蒸気が脱離する。また送風機18は定常で0.01m/分の流量で送風するよりも、間欠的に送風するほうが、吸着材の表面温度が高くなるので、フーリエの法則により吸着材内部への伝熱量が大きくなり、再生時間が早い。また、送風機18の送風量の調整手段がいらないので装置を簡単な構成にすることができる。
【0037】
なお、再生モードが終了した後は、図3に示すような除湿空調モード運転を行う。すなわち、除湿空調モードでは風路切替手段30で排出口32に通じる風路を閉じる位置にし、送風機18を駆動する。送風機によって0.2m/分の流量で除湿手段28に送り込まれた車室内の空気(35℃、55%RH)は、除湿手段28の吸着材で水蒸気を吸着され湿度が低下するとともに吸着熱で発熱し(48℃、18%RH)高温低湿度の空気となって送風路25に導かれ貫通穴16を通って、表皮15の噴出口14から吹き出し、着座した人体表面および着衣に噴出される。
【0038】
すなわち、着座時は人体の体重によって10mm以上パッド部17が圧縮されるが、貫通穴16がパッド部17と一体に圧縮変形するので貫通穴16が閉塞されるまでには至らない。したがって、着衣、および皮膚表面に到達した乾燥空気は、汗を気化させるとともに気化潜熱を奪う。このため、通常着座時は閉塞されてしまう着座部分に強い冷涼感を得ることができ、さらに汗を気化させるので蒸れ感を防止することができる。
【0039】
また、着座時は人体の体重によって10mm以上パッド部17が圧縮されるが、貫通穴16がパッド部17と一体に圧縮変形するので貫通穴16が閉塞されることが無いから、着座時に最も圧縮変形する臀部の着座位置に対向する座席本体11の座部12に貫通穴16を設けても貫通穴16が閉塞されることなく、臀部に対向する座席本体11の座部12に除湿空気を送風することができ、臀部に冷涼感を与え、さらに蒸れ感を防止し、かつドレン水処理の無い簡単な座席本体11を実現できる。
【0040】
なお、除湿手段としてステンレス金網等の加熱手段29の表面に吸着材を担持した構成においては、再生モードの時間が30秒程度でよく、再生モードで除湿空調モードの停止している時間が短時間でよい。
【0041】
また座席本体11の貫通穴16は、図4に示すように貫通穴16(破線で示す)が着座時に人体に覆われる臀部や腰部、背骨部などの図5に示す冷涼感を感じる部位(斜線で示す部分)に設けた構成にしてある。
【0042】
上記構成によって、着座していない座席本体11の部位から乾燥空気を吹き出さず、着座している部位の特に冷涼感を感じる位置に設けられた噴出口14から乾燥空気を送風し、着衣内に乾燥空気を送風することで着衣、および皮膚表面に到達した乾燥空気は汗を気化させるとともに気化潜熱を奪う。このため、通常着座時は閉塞されてしまう座席本体11の着座部分に強い冷涼感を得ることができ、さらに乾燥空気は着衣と皮膚表面内の空間で拡散するので、広い範囲で冷涼間を得て蒸れ感を防止することができる。
【0043】
なお、図6に示すようにパッド部17に複数の非吸湿性の貫通穴16を座席本体11の着座時に人体に覆われる臀部や腰部、背骨部などの図5に示す冷涼感を感じる部位(斜線で示す部分)に設け、貫通穴16と表皮15の間に非多孔質の皮膜を持つ加工を施し非吸湿性とした溝33を設けた構成でも本実施例と同様の作用効果が得られる。
【0044】
また、図2、図3、図4に示すように送風路25と分岐通風路26の結合部34は、座席本体11の座部12における両足の大腿部の中間等に対向する端部や背部13の上部に設けた構成としたものである。
【0045】
上記構成によって、着座時は座席本体11の臀部付近に対向する座部12は、特に人体の体重によって10mm以上パッド部17が圧縮されるが、両足の大腿部の中間は加重を受けずに変形がほとんど無い。従って、座席本体11の座部12の端部等に送風路25と分岐通風路26の結合部34を設けることで、パッド部17が変形して送風路25と分岐通風路26の結合部34を閉塞されることを防止し、着座時に乾燥空気を着衣と皮膚表面に安定して送風することができる。
【0046】
(実施例3)
図7は本発明の実施例3における椅子に設けた空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図で、図8は同空調座席装置のパッド部の斜視図で、図9は同空調座席装置のパッド部裏側の斜視図で、図10は同空調座席装置のパッド部上とパッド部下の分解斜視図である。
【0047】
本実施例において、実施例2の発明と同一符号のものは同一構造並びに同一作用効果を奏するので、詳細な説明は省略する。そして、本実施例における実施例2との違いは、パッド部17がパッド部上35とパッド部下36に2分割され、表面が非多孔質の皮膜を持つ加工を施し非吸湿性とした貫通穴16を持ったパッド部上35の表皮15から反対側には凹部37が設けられ、パッド部下36には送風路25との結合部34が設けられている。したがって、パッド部上35とパッド部下36は、その分割面を接合してパッド部17を構成するとともに、凹部37により分岐通風路26をパッド部17内に構成したものである。
【0048】
上記構成によって、パッド部上35とパッド部下36を接合するだけでパッド部17の内部に分岐通風路26を内蔵させることができ、構成の簡略化を図ることができる。なお、上記実施例ではパッド部17を2分割したが、これに限定されるものではなく本発明の所期の目的を達成できる範囲内で種々変更が可能である。
【0049】
(実施例4)
図11は本発明の実施例4における椅子に設けた空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図で、図12は同空調座席装置のパッド部と支持部材の分解斜視図である。本実施例において、実施例2の発明と同一符号のものは同一構造並びに同一作用効果を奏するので、詳細な説明は省略する。
【0050】
そして、本実施例における実施例2との違いは、パッド部17を金属板等の支持部材38で支持し、この支持部材38における貫通穴16のある位置のパッド部17との対向部分に凹形状の凹部39を形成し、パッド部17を支持した状態で凹部39により分岐通風路26を構成したものである。
【0051】
上記構成によって、分岐通風路26をパッド部17と支持部材38の間に内蔵でき構成の簡略化を図ることができる。また、除湿手段28が吸着により除湿する吸着材からなる場合は除湿する際、吸着熱によって空気の温度が上昇するが、支持部材38に熱伝達することで分岐通風路26を流れる除湿空気の温度が下がり、噴出口14から人体に噴出する除湿空気の温度を低下させることができ、冷涼感を大きくすることができる。
【0052】
なお、図13に示すように支持部材38の凹部39の内面および外面に複数の放熱フィン40を設けた構成では、放熱フィン40により支持部材38に温度の高い除湿空気の熱を熱伝達し易くできるとともに、支持部材38からの放熱を促進し、除湿空気の温度をより低下させることができ、さらに冷涼感を大きくすることができる。
【0053】
(実施例5)
図14は本発明の実施例5における椅子に設けた空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図である。本実施例において、実施例2の発明と同一符号のものは同一構造並びに同一作用効果を奏するので、詳細な説明は省略する。
【0054】
そして、本実施例は実施例2の構成に加え、座席本体11のパッド部17と表皮15との間に吸湿性の綿やアクリル等の繊維の織布や不織布等の吸湿部材41を設け、貫通穴16から出た空気が前記吸湿部材41を通って噴出口14から吹き出す構成としたものである。
【0055】
一般的に車室内には必ず水蒸気があるので、駐車中などドライバーが非乗車時に拡散によって吸湿部材41は吸湿している。したがって、除湿空調モードで運転開始後、除湿された空気は貫通穴16から吸湿部材41を通って噴出口14を通り抜けるが、その際に吸湿部材41に蓄えられた水蒸気を気化させ、気化潜熱を奪うので、吸湿部材41が冷やされ、この吸湿部材41の冷熱が表皮15に伝わって人体を冷却する。このように、低湿度空気で吸湿部材41、表皮15を冷却するので、急速に冷涼感が得られる。
【0056】
(実施例6)
図15は本発明の実施例6における椅子に設けた空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図である。本実施例において、実施例5と同一符号のものは同一構造並びに同一作用効果を奏するので、詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施例は、実施例5の構成に加え、座部12と背部13における除湿空気の吹出す複数の噴出口14、複数の貫通穴16、分岐通風路26とは別に、単なる空気の吹出す噴出口14a、複数の貫通穴16a、分岐通風路43を区画して形成し、分岐通風路43の上手に空気を送風する第2送風機42を備えた構成としたものである。
【0058】
上記構成において、除湿手段28の再生モードでは実施例2で説明したように除湿手段28が加熱手段29に加熱されて発生した高温高湿度の空気が排出口32から排出され、噴出口14からの除湿空気の吹出しは停止している。一方、再生モードの運転と同時に第2送風機42を駆動し空気を分岐通風路43で分岐した後、貫通穴16aを通じて一部の噴出口14aから人体に送風する。
【0059】
このように例え短時間の再生モードの運転においても、着座している人体に風を送風するので、蒸れ感を防止することができる。次に除湿空調モードの運転では、送風機18を運転し空気を吸着材28で除湿し分岐通風路26、貫通穴16を通して噴出口14から人体に除湿空気を送風し汗の気化潜熱によって冷涼感を得る。
【0060】
このような再生モードと除湿空調モードの各運転を交互に繰り返すことにより、再生モードで室内空気が送られた際、吸湿部材41および衣類が吸湿し、次に除湿空調モードで乾燥空気が送り込まれた際、気化潜熱を奪い、この両作用が交互に行われて起こる、ゆらぎ効果により、強い冷涼感を連続的に得ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によればパッド部の非吸湿性の貫通穴から表皮の噴出口を通して人体に乾燥空気を噴出させる構成により、着座時にパッド部が圧縮されても乾燥空気の流路が閉塞されず人体の皮膚表面に除湿空調された空気を送り、車内の室温が高くても座席と人体が接している部分の体感温度が低く感じられ、ムレ感を防止した空調座席装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における空調座席装置の断面図
【図2】同実施例2における空調座席装置の再生モード運転中の断面図
【図3】同実施例2における空調座席装置の除湿モード運転中の断面図
【図4】同実施例2における空調座席装置の斜視図
【図5】人体の冷涼感を感じる部位の概略図
【図6】同実施例2における空調座席装置の別の構成の除湿空調モード運転中の断面図
【図7】本発明の実施例3における空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図
【図8】同実施例3における空調座席装置のパッド部の斜視図
【図9】同実施例3における空調座席装置のパッド部裏側の斜視図
【図10】同実施例3における空調座席装置のパッド部の分解斜視図
【図11】本発明の実施例4における空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図
【図12】同実施例4における空調座席装置のパッド部と支持部材の分解斜視図
【図13】同実施例4における空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図
【図14】本発明の実施例5における空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図
【図15】本発明の実施例6における空調座席装置の除湿空調モード運転中の断面図
【図16】従来の空調座席装置の断面図
【符号の説明】
11 座席本体
14、14a 噴出口
15 表皮
16、16a 貫通穴
17 パッド部
18 送風機
22、28 除湿手段
25 送風路
26、26a 分岐通風路
29 加熱手段
34 結合部
35 パッド部上
36 パッド部下
37、39 凹部
38 支持部材
40 放熱フィン
41 吸湿部材
42 第2送風機

Claims (9)

  1. 空気を噴出する噴出口を持った表皮と前記噴出口に通じ前記表皮から反対側に貫通する複数の非吸湿性の貫通穴を設けた弾性体のパッド部からなる座席本体と、送風機と、前記送風機で送風された空気を除湿する除湿手段と、送風機で送風された除湿空気を送る送風路と、前記送風路を分岐して貫通穴に連結する分岐通風路を備えた空調座席装置。
  2. 除湿手段は吸着により除湿する吸着材からなり、前記除湿手段を加熱する加熱手段を設けた請求項1記載の空調座席装置。
  3. 貫通穴は、着座した人体に覆われる座席本体の位置に設けてなる請求項1または2に記載の空調座席装置。
  4. 送風路と分岐通風路は、その結合部を座席本体の座部の端部に設けてなる請求項1から3のいずれか1項記載の空調座席装置。
  5. パッド部は分割するとともに、分割面に凹形状の凹部を形成し、前記分割面を接合したパッド部は前記凹部により分岐通風路を構成してなる請求項1から4のいずれか1項記載の空調座席装置。
  6. パッド部を支持部材で支持し、前記パッド部に対向して前記支持部材に凹形状の凹部を形成し、前記支持部材の凹部により分岐通風路を構成してなる請求項1から4のいずれか1項記載の空調座席装置。
  7. 支持部材に放熱フィンを設けてなる請求項6記載の空調座席装置。
  8. 座席本体のパッド部と表皮との間に吸湿部材を設け、貫通穴から出た空気が前記吸湿部材を通って噴出口から吹き出すように構成してなる請求項1から7のいずれか1項記載の空調座席装置。
  9. 貫通穴に空気を送風する第2の送風機を設けてなる請求項8記載の空調座席装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020028375A (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 株式会社竹中工務店 家具

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