以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1はこの発明が適用されたDVD録再装置の全体的なブロック構成である。図1の各ブロックを大きく分けると、左側には記録部の主なブロックを示し、右側には再生部の主なブロックを示している。この図1の各部のブロックについては後で詳しく説明する。
図2は、DVDシステムのディレクトリー構造の一部を示している。図2は、DVDシステムの特にリアルタイムレコーディング(RTR)DVDのディレクトリー構造とオーディオファイルのデイレクトリー構造について示している。
DVDでは、規格毎にディレクトリが存在し、これらのディレクトリー名を、DVD−ビデオでは、「VIDEO_TS」、DVD−オーディオでは、「AOUDIO_TS」、RTR−DVDでは、「DVD_RTR」としている。図2では、「DVD_RTR」、「AOUDIO_TS」が示されている。記録データは、各ディレクトリー内に存在する。
また、DVDでは、通常のファイル形式でデータが保存される。タイトルは、例えば映画の1本分に相当し、1枚のディスクのこのタイトルが複数記録可能である。そしてタイトルが集まったものをタイトルセットと呼び、このタイトルセットは、複数のファイルで構成されることになる。
上記のDVD−ビデオでは、1枚のディスクに、このディスクの情報を管理するための情報が記録されている。この管理情報はファイルとして記録され、ビデオマネージャー(VMG)と称する。
さらにこのDVD-ビデオのタイトルセット(VTS)は、このタイトルセットを管理するためのビデオタイトルセット情報(VTSI)が設けられ、このVTSIと、ビデオデータで構成されるビデオファイルと、さらにVTSIのバックアップとで構成されている。
一方、RTR−DVDでは、前記VMG(ディスクの情報を管理するための情報)とVTSI(タイトルセットを管理するための情報)とが、一体化され、新たなビデオマネージャー情報(VMGI)として定義されている。
ディレクトリー「DVD_RTR」内には、ビデオマネジャー(VMG)ファイルとしてのVR_MANGER.IFO、ムービービデオファイルとしてのVR_MOVIE.VRO、スチルピクチャービデオファイルとしてのVR_STILL.VRO、スチルピクチャービデオファイルとしてのVR_AUDIO.VRO、ビデオマネジャーのバックアップとしてのVR_MANAGR.BUPの各ファイルが存在する。
また、ディレクトリー「AUDIO_TS」内には、オーディオマネージャー情報(AMGI)ファイルとしてのAUDIO_TS.IFO、オーディオマネジャー情報(AMGI)バックアップファイルとしてのAUDIO_TS.BUP、オーディオタイトルセット情報(ATSI)ファイルとしてのATS_01.IFO、オーディオタイトルセット(ATS)オーディオオブジェクトファイルとしてのATS_01.AOBが存在する。
VR_MANEGER.IFOファイルには、ナビゲーションデータが記録されるもので、このナビゲーションデータは、プログラムセット、プログラム、エントリーポイント、プレイリストなどを進行させるためのデータである。
VR_MOVIE.VROファイルは、ムービービデオオブジェクト(ムービーVOB)を記録するためのいわゆるムービーAVファイルである。
VR_STILL.VROは、スチルピクチャーVOBを記録するためのスチルピクチャAVファイルである。
またVR_AUDIO.VROは、スチルピクチャーに対する付加オーディオストリームを記録するためのスチルピクチャー付加オーディオファイルである。
VR_STILL.VROは、任意のサブピクチャーユニットを含むビデオパートで構成されるオリジナルVOBを記録するために用いられる。またこのとき、ビデオパートに関連したオーディオパートもオリジナルVOBに含まる。
VR_AUDIO.VROは、付加オーディオパートを記録するために用いられるファイルであり、この付加オーディオパートは、アフターレコーディングにより記録されたオーディオストリームを示す。VR_AUDIO.VROに記録されたオーディオパートは、VR_STILL.VROに記録された幾つかのビデオパートとの組み合せで使用される。
VR_MANAGR.BUPは、VR_MANEGER.IFOのバックアップファイルである。
図3(A)は、上記のムービービデオファイルとしてのVR_MOVIE.VRO、スチルピクチャービデオファイルとしてのVR_STILL.VROのファイル構造を示している。
ビデオファイルは、階層構造であり、1つのファイルは、複数のVOB(ビデオオブジェクト)で構成され、1つのVOBは、複数のVOBU(ビデオオブジェクトユニット)で構成され、1つのVOBUは、複数パックから構成される。複数のパックとしては、RDIパック、Vパック、Aパック等が存在する。
Vパックは、ビデオデータがMPEG2の方式で圧縮されたもので、パックヘッダ、パケットヘッダ、ビデオデータ部で構成される。Aパックは、オーディオデータが、例えばリニアPCMあるいはMPEG,あるいはAC3などの方式で処理されたものであり、パックヘッダ、パケットヘッダ、オーディオデータ部で構成される。
図3(B)は、Vパックとの関係によるMPEG2方式に基くビデオデータのフォーマットを示している。
グループオブピクチャー(GOP)は、複数のビデオフレームが用いられて圧縮された単位であり、その先頭にはシーケンスヘッダが付加されている。シーケンスヘッダには、シーケンスヘッダの開始コード(SHC)、画素の縦のライン数(HS),画素の横のライン数(VS),アスペクト比(PAR)などが記述されている。
図4に示すRDIパックはリアルタイムデータインフォーメーションパック(RDI_PCK)と称されるもので、リアルタイムジェネラル情報(RDI_GI),ディスプレイコントロール及びコピーコントロール情報(DCI_CCI)、製造者情報(MNFI)などを含む。
リアルタイムジェネラル情報(RDI_GI)は、これが属するVOBUの最初のフィールドが再生される開始時間を示す情報、つまりVOBU_S_PTMと、当該VOBUの記録時を示す情報、つまりVOBU_REC_TMとを含む。
ディスプレイコントロール及びコピーコントロール情報(DCI_CCI)は、ディスプレイコントロール情報(DCI)及びコピーコントロール情報(CCI)のステータスを示す(DCI_CCI_SS)と、ディスプレイコントロール情報(DCI)自身と、コピーコントロール情報(CCI)自身を含む。
(DCI_CCI_SS)のうちディスプレイコントロール情報ステータス(DCI_SS)は、第1のエリアであり、有効なアスペクト比情報のみが存在する場合(01b)、有効なアスペクト比、サブタイトルモード、フィルムカメラモードが存在する場合(11b)を識別している。
ディスプレイコントロール情報(DCI)は、アスペクト比情報、サブタイトルモード情報、フィルムカメラモードを含む。
アスペクト比情報は、アスペクト比が4:3の場合(000b)、アスペクト比が16:9の場合(0001b)を示している。更にソースピクチャーがレターボックスの場合、1000b(レターボックス(14:9)であるがスクリーンセンター配置)、0100b(レターボックス(14:9)であるがスクリーントップ配置)、1101b(レターボックス(16:9)であるがスクリーンセンター配置)、0010b(レターボックス(16:9)であるがスクリーントップ配置)、1010b(レターボックス(>16:9)であるがスクリーンセンター配置)、0111b(14:9フルフォーマットでセンター配置)を識別している。
サブタイトルモードは、サブタイトルが開かない(00b)、サブタイトルがアクティブイメージエリア内にある(01b)、サブタイトルがアクティブイメージエリアの外にある(10b)を識別している。
フィルムカメラモードは、カメラモード(0b)、フィルムモード(1b)を識別している。
ビデオファイルに記録されたデータ再生順序は、プログラムチェーン(PGC)で定義されている。このプログラムチェーン(PGC)には、セル(Cell)が定義され、さらにセル(Cell)には、再生すべき対象となるVOBが定義されている。このPGCの具体的情報を記録してある部分がVMGファイルの中のプログラムチェーン情報(PGCI)部分である。PGCIには、2種類が存在し、1つはオリジナルPGCI(ORG_PGCI),もう1つはユーザディファインドPGCテーブル(UD_PGCIT)である。
ここで、上記プログラムチェーン情報が記述されているビデオマネージャファイル(VMG)の構成について説明する。
図5にはVMGファイルに記述されている情報を階層的に示し、特にプログラムチェーン情報(PGCI)を階層的に詳しく示している。
VMGファイル内には、RTR_VMI(RTRビデオマネージャー情報)、M_AVFIT(ムービーAVファイル情報テーブル)、S_AVFIT(スチルピクチャーAVファイル情報テーブル)、ORG_PGCI(オリジナルプログラムチェーン情報)、UD_PGCIT(ユーザ定義プログラムチェーン情報)、TXTDT_MG(テキストデータマネージャ)、MNFIT(マニュファクチャー情報テーブル)がある。
ORG_PGCI(オリジナルプログラムチェーン情報)は、記録順にデータを再生するための特別なPGCである。つまりこのPGCは、データの再生順序を指定する情報であり、プログラムのつながりであるプログラムセットを示している。記録順に再生するための特別なPGCをこのプログラムは、VROファイルに格納されているデータである。UD_PGCIT(ユーザ定義プログラムチェーン情報)もデータの再生順序を指定するであるが、ユーザのプログラム編集などにより、上記ORG_PGCIにより指定されているプログラムの中の部分的な指定を行いその部分部分をつなげている。したがって、UD_PGCITは、まとまったプログラムのつながりではなく、Cell(セル)のつながりを示している。セルとは、プログラムの各部分を示す情報である。
ORG_PGCI(オリジナルプログラムチェーン情報)、UD_PGCIT(ユーザ定義プログラムチェーン情報)も内容的な同様なデータ構造である。
PGCIは、PGC一般情報(PGC_GI)、PGC情報テーブル(PGCIT)、セル情報サーチポインタ(CI_SRPT)、セル情報テーブルCIT)で構成される。
PGC一般情報(PGC_GI)には、プログラム数(UD_PGCでは0)、このPGC内のセルサーチポインタ数が記述される。
PGC情報テーブル(PGCIT)には、プログラム情報(PGI)が記述されるもので、プログラムが消去プロテクトされた状態であるか否かを示すプログラムタイプ(PG_TY),このプログラム内のセルの数(C_Ns)、キャラクタセットを示すプライマリーテキスト情報(PRM_TEXTI)、このプログラムに対応するアイテムテキストサーチポインタの番号(IT_TXT_SRPN)、セル番号、ピクチャーポイントを示す代表画像情報(REP_PICTI)がある。
セル情報サーチポインタ(CI_SRPT)には、セル情報(CI)のスタートアドレスが記述される。セル情報テーブルCITには、サーチポインタで指定されるセル情報(CI#1〜CI#j)が記述されている。
セル情報(CI)は、セル一般情報(C_GI)、セルエントリーポイント情報(C_EPI#1〜C_EPI#k)が記述されている。セル一般情報は、後述する。セルエントリーポイント情報(C_EPI)は、タイプA,タイプBが存在する。
タイプAではエントリーポイントタイプ(タイプAかBか)の識別、エントリーポイントのプレゼンテーションタイム(EP_PTM)が記述されている。プレゼンテーションタイム(EP_PTM)は、エントリーポイントの再生時間を示している。具体的には、(EP_PTM)は、対応するVOB内でプレゼンテーションタイムスタンプとして符号化されている、最初のビデオフィールドの再生開始時間、及び最後のビデオフィールドの再生時間を示している。タイプBではタイプAの情報に加えて、エントリーポイントにおけるプライマリーテキスト情報が存在する。
上記セル一般情報(C_GI)は、セルタイプ(C_TY)、当該セルが指定するVOBに対応したVOBIのサーチポインタの番号(M_VOB_SRPN)を有する。また、セルエントリーポイントの数(C_EPI_Ns)、セルの再生開始時間(C_V_S_PTM)、セルの再生終了時間(C_V_E_PTM)を有する。
図6には、同じくVMGファイルに記述されている情報を階層的に示し、特にムービーAVファイル情報テーブル(M_AVFIT)を階層的に詳しく示している。
上記のM_AVFITには、ムービーAVファイル情報テーブル情報(M_AVFITI)、ムービーVOBストリーム情報(M_VOB_STI#n)(n=1〜n),ムービーAVファイル情報(M_AVFI)が記述されている。
ムービーAVファイル情報(M_AVFI)について説明する。
ムービーAVファイル情報(M_AVFI)には、M_AVFI一般情報(M_AVFI_GI)、M_VOB情報サーチポインタ(M_VOBI_SRP#n)、ムービービデオ情報(M_VOBI#n)が記述されている。
M_AVFI一般情報には、M_VOBサーチポインタの数、M_VOB情報の開始アドレスが記述されている。
M_VOB情報#nには、当該M_VOBの一般情報(M_VOB_GI)、シームレス情報(SMLI)、オーディオギャツプ情報(AGAPI)、タイムマップ情報(TMAPI)が記述されている。
M_VOB_GIには、このVOBが通常の状態であるのか、仮消去された状態であるのかを示すVOBタイプ、又オーディオストリームは、このVOBが作成されたときにオリジナルとして記録されたものであるのか、あるいは部分的或は全体的に修正されたものであるのかを示すオーディオステータス、が記述されている。
またM_VOB_GIには、このVOBの記録時間、サブで分の時間が記録される。さらにまたこのM_VOB_GIには、M_VOBのストリーム情報番号、このVOBのビデオスタート時間、並びに終了時間、コピープロテクション情報が記述される。
次にムービービデオ情報(M_VOBI#n)について説明する。このM_VOBI#nは、M_VOBI_SRP#nにより特定される。
ムービービデオ情報(M_VOBI#n)には、このVOBが通常の状態であるのか、仮消去された状態であるのかを示すVOBタイプ、又オーディオストリームは、このVOBが作成されたときにオリジナルとして記録されたものであるのか、あるいは部分的或は全体的に修正されたものであるのかを示すオーディオステータス、が記述されている。
またM_VOB_GIには、このVOBの記録時間、サブで分の時間が記録される。さらにまたこのM_VOB_GIには、M_VOBのストリーム情報番号、このVOBのビデオスタート時間、並びに終了時間、コピープロテクション情報が記述される。
次に上記のタイムマップ情報(TMAPI)について説明する。
TMAPIは、プレゼンテーションタイムをオフセットアドレスに変換するのに利用される。この情報は通常の再生のみならず特殊再生やタイムサーチのためにも活用すべき用意されている。
TMAPIは、タイムマップ一般情報(TMAP_GI)、タイムマップエントリーテーブル(TM_ENT#1〜#n)、このエントリー情報に対応するビデオオブジェクトエントリーテーブル(VOBU_ENT#1〜#n)で構成される。
各TM_ENTは、対応するVOBUのアドレス情報を含みタイムエントリーにより特定された再生時間とVOBUの再生開始時間との時間差情報を含む。
各VOBU_ENTは、各VOBUの再生時間及びサイズ情報を含む。VOBUのサイズは、論理ブロックにより計測されており、再生時間はビデオフィールドにより計測されている。
TMAP_GIは、タイムエントリー数(TM_ENT_Ns)、VOBUエントリー数(VOBU_ENT_Ns)、タイムオフセット(TM_OFS)、アドレスオフセット(ADR_OFS)を有する。
VOBU_ENTについて説明する。
VOBU_ENは、このVOBUの第1の参照画像のアドレスを述べた(1STREF_SZ)と、このVOBUの再生時間を述べた(VOBU_PB_TM)と、このVOBUのサイズを述べた(OBU_SZ)で構成される。第1の参照画像は、VOBUの先頭からのIピクチャの最終アドレスであり、VOBU内のビデオを復号するのに最初に必要なデータのアドレスである。VOBUの再生時間は、このVOBU内のビデオフィールドの数で示されている。またVOBUのサイズは、このVOBU内のパック数で示されている。
図7は、同じくVMGファイルに記述されている情報を階層的に示し、特にムービービデオオブジェクトストリーム情報テーブル(M_VOB_STI#1〜#3)を階層的に詳しく示している。
M_VOB_STI#nには、ビデオ属性を示すビデオ属性情報(V_ATR)、オーディオストリーム数を示すオーディオストリームナンバー(AST_N)、副映像のストリーム数を示す(SPST_Ns)、各オーディオストリームの属性を示す(A_ATR)、副映像のカラーパレットを示す(SP_PLT)が記述される。オーディオストリームの属性を示す(A_ATR)には、ストリーム#0の属性を示す(A_ATR0)と、ストリーム#1の属性を示す(A_ATR1)とがある。
上記のビデオ属性を示すV_ATRの中では、圧縮モードとしては、ビデオがMPEG1(00b)であるかMPEG2(01b)であるかが記述されている。また、TVモードとしてのタイプは、525ライン/60ヘルツ(00b)であるか625ライン/50ヘルツ(01b)であるかが記述されている。また、アスペクト比として4:3(00b)であるか16:9(01b)であるかが記述されている。また、アプリケーションフラッグとして、このビデオストリームはこのV_ATRで定義されているアスペクト比で符号化されたものである(00b)か、このビデオストリームはこのV_ATRで定義されているアスペクト比で符号化されてもよいものであるか(01b)かが記述されている。(01b)で識別された場合、そのビデオストリームの実際のアスペクト比はRDI_PCKに記述されている。さらにまたビデオ属性を示すV_ATRとしては、ライン21に関する情報がある。さらにまたビデオ解像度情報が記述されている。
上記のRTR_VMIについて説明する。
このRTR_VMIは、大きく分けて2つの情報が含まれる。1つはVMGI_MAT(ビデオマネージャー情報マネジメントテーブル)であり、他の1つは、PL_SRPT(プレイリストサーチポインターテーブル)である。
VMGI_MATには、このVMGを識別するためのVMG識別子、VMGの終了位置を示す情報であるRTR_VMG終了アドレス、このVMG情報の終了位置を示す情報であるRTR_VMGI終了アドレス、このブックのバージョン番号、このディスクに各種データが記録又は更新されたときの時間を示す情報であるタイムゾーン、スチルピクチャのためのスチル時間、プライマリーテキストのためのキャラクタセットコード、ディスク再生中に一時停止され、次に再生を行うのに必要な情報(プログラムチェーン番号など)を記述したレジュームマーク情報、ディスク代表画像を再生するために必要な情報を記述したディスクリプレゼンタティブピクチャー情報、このディスクの代表名を表示するためのキャラクタコードセットによる記述情報であるディスクリプレゼンタティブネームが記述されている。さらに、次に格納されているM_AVFTのスタートアドレス、S_AVFITのスタートアドレス、ORG_PGCIのスタートアドレス、UD_PGCIのスタートアドレス、TXTDT_MGのスタートアドレス、MNFITのスタートアドレスが記述されている。
PL_SRPTは、プレイリストサーチポインタの数、及び各プレイリストのサーチポインタが記述されている。プレイリストは、プログラムの部分部分を示すリストであり、ユーザにより再生順序を指定可能であり、後述するユーザ定義PGCにより定義されている。プレイリストサーチポインタには、再生される対象がムービー、スチルなどを識別するためのプレイリストタイプ、このポインタに対応するプログラムチェーン番号、プレイリストが作成された時間の各情報、プレイリストのためのプライマリーテキスト情報等が含まれている。
上記のように規格化されているディスクの記録再生装置について、再度図1に戻り説明する。
録再DVDでは、再生処理は、PGCIに従って行われ、このPGCでは、複数のプログラムを指定することができ、このプログラムにはセルが定義されている。そしてセルにより再生すべき対象となるVOBが指定されることになる。また、記録順に再生するための特別なPGCをオリジナルPGCと称し、このオリジナルPGCの情報はORG_PGCIとして記録されている。さらに、このときのビデオデータの属性情報(解像度情報、アスペクト情報、音声属性情報など)は、VMGI内のSTIに記録される。また、上記したパックは、データ転送処理を行う最小単位である。さらに、論理上の処理を行う最小単位はセル単位で、論理上の処理はこの単位で行わる。したがって、録画が行われるときは、上記のフォーマットに合致する形式に記録信号が変換さえる。
情報記録再生装置は、ビデオファイルを有した情報記憶媒体である光ディスク1001を回転駆動し、この光ディスク1001に対して情報の読み書きを実行する情報記録再生部32と、録画側を構成するエンコーダ部50と、再生側を構成するデコーダ部60と、装置本体の動作を制御するマイクロコンピュータブロック30とを、主たる構成要素としている。
エンコーダ部50は、ADC(アナログデジタルコンバータ)52と、V(ビデオ)エンコーダ53と、A(オーディオ)エンコーダ54と、SP(副映像)エンコーダ55と、フォーマッタ56と、バッファメモリ57とを備えている。
ADC52には、AV入力部42からの外部アナログビデオ信号+外部アナログオーディオ信号、あるいはTV(テレビジョン)チューナ44からのアナログTV信号+アナログ音声信号が入力される。ここで本装置には、アスペクト情報検出部43がこのAV入力部42に接続されており、検出されたアスペクト情報は、フォーマッタ56に供給されている。
ADC52は、入力されたアナログビデオ信号を、例えばサンプリング周波数13.5MHz、量子化ビット数8ビットでデジタル化する。すなわち、輝度成分Y、色差成分Cr(またはY−R)及び色差成分Cb(またはY−B)が、それぞれ8ビットで量子化されることになる。
同様に、ADC52は、入力されたアナログオーディオ信号を、例えばサンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビットでデジタル化する。
なお、ADC52にアナログビデオ信号及びデジタルオーディオ信号が入力されるときは、ADC52は、デジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。ただし、デジタルオーディオ信号の内容は改変せずに、そのデジタルオーディオ信号に付随するジッタだけを低減させる処理、あるいはサンプリングレートや量子化ビット数を変更する処理等は行なってもよい。
一方、ADC52にデジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号が入力されるときは、ADC52は、デジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。そして、これらのデジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号に対しても、内容は改変することなく、ジッタ低減処理やサンプリングレート変更処理等は行なってもよい。
ADC52から出力されたデジタルビデオ信号は、Vエンコーダ53を介してフォーマッタ56に送られる。また、ADC52から出力されたデジタルオーディオ信号は、Aエンコーダ54を介してフォーマッタ56に送られる。
Vエンコーダ53は、入力されたデジタルビデオ信号を、MPEG2またはMPEG1規格に基づいて、可変ビットレートで圧縮されたデジタル信号に変換する機能を持つ。また、Aエンコーダ54は、入力されたデジタルオーディオ信号を、MPEGまたはAC−3規格に基づいて、固定ビットレートで圧縮されたデジタル信号またはリニアPCMのデジタル信号に変換する機能を持つ。
副映像情報がAV入力部42から入力された場合(例えば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤからの信号)、あるいはこのようなデータ構成のDVDビデオ信号が放送され、それがTVチューナ44で受信された場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号(副映像パック)が、SPエンコーダ55に入力される。SPエンコーダ55に入力された副映像信号は、所定の信号形態にアレンジされて、フォーマッタ56に送られる。
フォーマッタ56は、バッファメモリ57をワークエリアとして使用しながら、入力されたビデオ信号、オーディオ信号、副映像信号等に対して所定の信号処理を行なうことにより、先に図3、図4で説明したようなフォーマット(ファイル構造)に合致した記録データをデータプロセッサ36に出力する。
ここで、上記記録データを作成するための標準的なエンコード処理内容を簡単に説明しておく。すなわち、エンコーダ部50において、エンコード処理が開始されると、ビデオ(主映像)データ及びオーディオデータをエンコード処理するにあたって必要なパラメータが設定される。
次に、設定されたパラメータを利用して主映像データがプリエンコード処理されることにより、設定された平均転送レート(記録レート)に最適な符号量の分配が計算される。プリエンコード処理で得られた符号量分配に基づき、主映像データのエンコード処理が実行される。このとき、オーディオデータのエンコード処理も同時に実行される。
プリエンコード処理の結果、データ圧縮量が不十分な場合(録画しようとする情報記憶媒体に希望のビデオプログラムが収まり切らない場合)、再度プリエンコード処理する機会を持てるなら(例えば録画のソースがビデオテープあるいはビデオディスク等の反復再生可能なソースであれば)、主映像データの部分的な再エンコード処理が実行され、再エンコード処理した部分の主映像データが、それ以前にプリエンコード処理した主映像データ部分と置換される。このような一連の処理によって、主映像データ及びオーディオデータがエンコード処理され、記録に必要な平均ビットレートの値が大幅に低減される。
同様に、副映像データをエンコード処理するに必要なパラメータが設定され、エンコード処理された副映像データが作成される。
エンコード処理された主映像データ、オーディオデータ及び副映像データが組み合わされて、ビデオオブジェクトセットVOBSの構造に変換される。
すなわち、主映像データ(ビデオデータ)の最小単位としてセルが設定され、図5で説明したようなセル情報が作成される。次に、プログラムチェーンPGCを構成するセルの構成や、主映像、副映像及びオーディオの属性等が設定され(これらの属性情報の一部は、各データをエンコードするときに得られた情報が利用される)、ここに、種々の情報を含めたVMGファイルが作成される。
エンコード処理された主映像データ、オーディオデータ及び副映像データは、一定サイズ(2048バイト)のパック(図3)に細分化される。これらのパックには、ダミーパックが適宜挿入される。なお、ダミーパック以外のパック内には、適宜、再生時刻を示すPTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)や、デコード時刻を示すDTS(デコーディングタイムスタンプ)等のタイムスタンプが記述される。副映像のPTSについては、同じ再生時間帯の主映像データあるいはオーディオデータのPTSより任意に遅延させた時間を記述することができる。
そして、各データのタイムコード順に再生可能なように、ビデオオブジェクトユニットVOBU単位でその先頭にRDIパック(ナビゲーションパックに相当)を配置しながら各セルが配置される。これにより、複数のセルで構成されるビデオオブジェクトVOBが構成される。このビデオオブジェクトVOBを1つ以上集めてなるビデオオブジェクトセットVOBSが、ムビービデオファイルに記録される。
なお、DVDビデオプレーヤからDVD再生信号をデジタルコピーする場合には、上記セル、プログラムチェーン、管理テーブル、タイムスタンプ等の内容は始めから決まっているので、これらを改めて作成する必要はない。ただし、DVD再生信号をデジタルコピーできるようにDVDビデオレコーダを構成する場合には、電子すかしやその他の著作権保護手段が講じられる必要がある。
光ディスク1001に対して、情報の読み書き(録画及び/または再生)を実行する部分としては、光学系、駆動系を有するディスクドライブ35と、データプロセッサ36と、一時記憶部37と、STC(システムタイムカウンターまたはシステムタイムクロック)38とを備えている。
一時記憶部37は、データプロセッサ36、ディスクドライブ35介して光ディスク1001に書き込まれるデータ(エンコーダ部50から出力されるデータ)のうちの一定量分をバッファリングしたり、ディスクドライブ35、データプロセッサ36を介して光ディスク1001から再生されたデータ(デコーダ部60に入力されるデータ)のうちの一定量分をバッファリングするのに利用される。ディスクドライブ35は、光ディスクに対する回転制御系、レーザ駆動系、光学系などを有する。
例えば、一時記憶部37が4Mbyteの半導体メモリ(DRAM)で構成されるときは、平均4Mbps(ビット・パー・セカンド)の記録レートでおよそ8秒分の記録または再生データのバッファリングが可能である。また、一時記憶部37が16MbyteのEEP(エレクトリカリー・イレーザブル・アンド・プログラマブル)ROM(フラッシュメモリ)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートでおよそ30秒の記録または再生データのバッファリングが可能である。さらに、一時記憶部37が100Mbyteの超小型HDD(ハード・ディスク・ドライブ)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートで3分以上の記録または再生データのバッファリングが可能となる。
一時記憶部37は、録画途中で光ディスク1001を使い切ってしまった場合において、光ディスク1001が新しいディスクに交換されるまでの録画情報を一時記憶しておくことにも利用できる。
また、一時記憶部37は、ディスクドライブ35として高速ドライブ(2倍速以上)を採用した場合において、一定時間内に通常ドライブより余分に読み出されたデータを一時記憶しておくことにも利用できる。再生時の読み取りデータを一時記憶部37にバッファリングしておけば、振動ショック等で図示しない光ヘッドが読み取りエラーを起こしたときでも、一時記憶部37にバッファリングされた再生データを切り替え使用することによって、再生映像が途切れないようにすることができる。
図1では示していないが、情報記録再生装置に外部カードスロットを設けておけば、上記EEPROMをオプションのICカードとして別売することができる。また、情報記録再生装置に外部ドライブスロットあるいはSCSI(スモール・コンピュータ・システムインターフェース)を設けておけば、上記HDDもオプションの拡張ドライブとして別売することができる。
データプロセッサ36は、マイクロコンピュータブロック30の制御にしたがって、エンコーダ部50から出力されたDVD記録データをディスクドライブ35に供給したり、光ディスク1001から再生したDVD再生信号をディスクドライブ35から取り込んだり、光ディスク1001に記録された管理情報を書き替えたり、光ディスク1001に記録されたデータ(ファイルあるいはビデオオブジェクト)の削除をしたりする。
マイクロコンピュータブロック30は、MPU(マイクロプロセシングユニット)、またはCPU(セントラルプロセシングユニット)と、制御プログラム等が書き込まれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを含んでいる。
マイクロコンピュータブロック30のMPUは、そのROMに格納された制御プログラムにしたがい、RAMをワークエリアとして用いて、欠陥場所検出、未記録領域検出、録画情報記録位置設定、UDF記録、AVアドレス設定等を実行する。
MPUの実行結果のうち、ディスクドライブ35のユーザに通知すべき内容は、DVDビデオレコーダの表示部48に表示されるか、またはモニタディスプレイにOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。
なお、マイクロコンピュータブロック30が、ディスクドライブ36、データプロセッサ36、エンコーダ部50及び/またはデコーダ部60等を制御するタイミングは、STC38からの時間データに基づいて、実行することができる。録画や再生の動作は、通常はSTC38からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理は、STC38とは独立したタイミングで実行されてもよい。
デコーダ部60は、図3に示したようなパック構造を持つ映像情報から各パックを分離して取り出すセパレータ62と、パック分離やその他の信号処理実行時に使用するメモリ63と、セパレータ62で分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするVデコーダ64と、セパレータ62で分離された副映像データ(副映像パックの内容)をデコードするSPデコーダ65と、セパレータ62で分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするAデコーダ68と、Vデコーダ64から得られる主映像データにSPデコーダ65から得られる副映像データを適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサ66を備えている。
ビデオプロセッサ66の出力は、ビデオミクサー71に入力さえる。ビデオミクサー71では、テキストデータの合成が行われる。またビデオミクサー71には、また、TVチューナ44やA/V入力部42からの信号を直接取り込むラインも接続されている。ビデオミクサー71には、バッファとして用いるフレームメモリ72が接続されている。ビデオミクサー71の出力がデジタル出力の場合は、インターフェース(I/F)73を介して外部へ出力され、アナログ出力の場合は、DAC74を介して外部へ出力される。
Aデコーダ68の出力がデジタル出力の場合は、インターフェース(I/F)75を介して外部へ出力され、アナログ出力の場合は、セレクタ76を介してDAV77でアナログ変換され外部に出力される。セレクタ76は、マイクロコンピュータブロック30からのセレクト信号により、TVチューナ44やA/V入力部42からの信号を直接モニタするとき、ADC52からの出力を選択することも可能である。アナログオーディオ信号は、図示しない外部コンポーネント(2チャンネル〜6チャンネルのマルチチャンネルステレオ装置)に供給される。
上記装置において、ビデオ信号の流れを簡単に説明すると、以下のようになる。
まず、入力されたAV信号はADC52でデジタル変換される。そのデジタル信号は、各エンコーダ53,54,55へ入力される。ビデオ信号はVエンコーダ53へ、オーディオ信号はAエンコーダ54へ、文字放送などの文字データはSPエンコーダ55へ入力される。ビデオ信号はMPEG圧縮され、オーディオ信号はAC3圧縮またはMPEGオーディオ圧縮がなされ、文字データはランレングス圧縮される。
各エンコーダからの圧縮データは、パック化された場合に2048バイトになるようにパケット化されて、フォーマッタ56へ入力される。フォーマッタ56では、各パケットがパック化され、さらに、多重化され、データプロセッサ36へ送られる。
ここで、フォーマッタ56は、アスペクト情報検出部43からの情報を元に、RDIパックを作成し、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)の先頭に配置する。
また、エンコーダ部50ではアスペクト情報検出部43からの情報を元に、MPEGビデオデータのシーケンスヘッダ内のアスペクト情報に検出した情報を書き込む。
データプロセッサ36は、16パック毎にECCブロッを形成し、エラー訂正データを付け、その出力をディスクドライブ35を介して光ディスク1001へ記録する。
ここで、ディスクドライブ35がシーク中やトラックジャンプなどの場合のため、ビジィー状態の場合には、一時記憶部37(例えばHDDバッファ部)へ入れられ、DVD−RAMドライブ部(ディスクドライブ35)の準備ができるまで待つこととなる。
さらに、フォーマッタ56では、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にマイクロコンピュータブロック30のMPUへ送る(GOP先頭割り込み時などの情報)。
切り分け情報としては、VOBUのパック数、VOBU先頭からのIピクチャのエンドアドレス、VOBUの再生時間などである。
同時に、アスペクト情報検出部43からの情報を録画開始時にMPUへ送り、MPUはVOBストリーム情報(STI)を作成する。ここで、STIは、図7のような構造になっており、解像度データ、アスペクトデータなどを保存し、再生時、各デコーダ部はこの情報を元に初期設定を行われる。
また、録再DVDでは、ビデオファイルは1ディスクに1ファイルとしている。
ここで、DVDを利用したリアルタイム録再機において、注意すべき点は、データをアクセスする場合において、そのアクセス(シーク)している間に、とぎれないで再生を続けるために、最低限連続するセクタが必要になってくる。
この単位をCDA(コンティギュアス・データ・エリア)という。
このCDAは、ECCブロック単位となっている方が有利である。そのため、CDAサイズは16の倍数にし、ファイルシステムでは、このCDA単位で記録を行っている。ただし、この場合、ディスク内にうまくCDAの大きさの空き領域がない場合などは、別のファイルが使用している短いセクタが、CDA内に入り込むことも許している。これにより、CDA単位で記録することができる。
ここで、録画処理について、図8、図9、図10のフローにしたがって説明する。
記録時には、以下の処理を行う。
(1)光ディスク(DVD−RAM)のファイルシステムをチェックし、無い場合には、ファイルシステムを構築する。
(2)DVD−RAMのディレクトリをチェックし、RTR(リアルタイムレコーディング)ディレクトリが無い場合には、そのディレクトリを作成する。
(3)ワークRAM内にDVD−RAMよりビデオマネジャー情報(VMGI)を読み出し、無い場合は内部で発生し、VMGIテーブルを構築する。
上記(1)、(2)、(3)までの処理は、マイクロコンピュータブロック30が中心となって行うステップA1,A2,A3,A4,A5、A6に対応する。
つまり、DVD−RAMが録再装置に装填された状態で、ファイルシステムのチェック、空き領域のチェックなどが行われる。
(4)エンコーダ部50に録画初期設定を行い、録画を開始設定する(ステップA7)。
即ち、マイクロコンピュータブロック30により、録画が可能な状態が確認されると、録画初期設定が行われる。さらにSTCのリセット、ドライブへの書き込み開始アドレスの設定、書き込み命令の設定、フォーマッタへの初期設定、アライン処理の設定として、セル、VOBU、プログラム(PG),プログラムチェーン(PGC)の区切りの準備設定が行われる。
(5)さらに、エンコード開始時にアスペクト情報検出部43よりアスペクト情報を読み込み、その値にしたがって、ストリーム情報(STI)を設定する(ステップA7、A8)。
即ち、録画開始時には、エンコーダ部50へ録画開始命令を設定し、またフォーマッタ56における切り分け情報をVOBUとして登録する。これにより、録画がスタートすると、エンコーダ部50では、入力ビデオ信号のフレームがGOP単位で圧縮され、さらにこのGOPがパック化され、さらに、このパックが収集されてVOBU単位にまとめられる。GOPのシーケンスヘッダには、アスペクト比情報が挿入される(図3(B)参照)。またVOBUの先頭パックとして、RDIパック(図3(B),図4参照)が配置される。このときは、図3(A)で説明したように、オーディオパック、副映像パックなども収集される。
(6)エンコードデータが1CDA分たまった場合、DVD−RAMの空き領域に記録するように各ドライブ部に設定し、記録するセクタのリンク情報をワークRAMに保存する(A9)。
(7)フォーマッタ56に切り分け情報がたまった場合、切り分け情報を読み込みワークRAMにVOBU管理情報として取り込み、録画終了命令が出るまで、(5)〜(7)を繰り返す(ステップA10、A11、A12、A13)。
つまり、1CDA(記録単位)のデータが集まると、マイクロコンピュータブロック30は、データプロセッサ36を介してドライブ35で利用されるデータの書き込みアドレス、書き込み長を決定し、書き込み命令を発行する。次に、マイクロコンピュータブロック30は、切り分け情報を取り込んでいる途中に割り込みがあるかどうかをチェックした後、割り込みが無ければフォーマッタ56から切り分け情報を取り込む。次に録画終了キー入力情報があるかどうかをチェックし、無ければ、次の記録単位である1CDA分の記録データがフォーマッタ56に溜まっているかどうかをチェックする。
ここで、エンコーダ部50においては、AV入力部42より、カラー信号を分離したアスペクト情報をうけ、MPEGビデオデータのシーケンスヘッダ(図3(B)参照)にアスペクト情報に従って、情報を設定する(Vエンコーダで行われる)。さらに、RDIパックにも、同じ情報を設定し、切り分け情報によりMPUに知らせられる(フォーマッタ)。
(8)DVD−RAMのファイルシステムを、リンク情報を元に更新する。
(9)ワークRAM内の管理情報を元にVMGファイルを更新し、ディスクに記録する(ステップA14)。
ここで、STIには、4:3と16:9の区別しかないため、アスペクト情報のうち、4:3以外は、区別がつかない。
そのため、スクイーズ画像とパーンスキャン画像についての区別をつけるため、RTR−DVDにおいてVMGI内のマニファクチャーINF.に記録することも可能である。
図9は、図8のステップA11の割り込みがあった場合の処理を簡単に示している。割り込み情報が検出されると、割り込み要因のチェックが行われ、1パック分のデータをデータプロセッサ36へ転送し、録画パック数のカウントアップを開始する。そしてフォーマッタ56で次々と処理されているパックのために切り分け情報を1つ取り込む毎に割り込みフラッグをセットする。この処理は割り込みが解除されるまで行われる。割り込みが解除になると、ステップA9に移行し、録画パック数から1CDA分があるかどうかを判定する。また、同時に割り込みフラッグを消去する。これにより、割り込み処理が実行されても、セル、VOBU,PG,PGCなどを作成するための切り分け情報を失うことはない。なお割り込み処理中のパックは、バッファメモリ57に一時格納される。
図10は、録画開始時にS端子の状態を調べるためのフローチャートである。本装置は、A/V入力部42の信号からアスペクト比を検出してもよく、またS端子の色差信号からアスペクト比の情報を検出してもよい。
録画開始時にS端子のC信号に直流成分があるかどうかを検出する。S端子には、先に説明したように、C信号のレベルとして、
信号レベル5.0(+0乃至-1.5)V…16:9のスクイーズ信号
信号レベル2.2(+0.2乃至+0.2)V…4.3のレターボックス信号
信号レベル0V …4:3
の規定がある。
そこで、簡単な方法としては、C信号に直流レベルが存在する場合には、ストリーム情報(STI)にアスペクト比16:9として記述し、直流レベルがほぼ2.2V以下の場合は、アスペクト比3:4として記述するようにしている。
図11乃至図14を参照して再生時の動作を説明する。
再生が開始されると、DVDフォーマットのものであるかどうかのディスクチェックが行われる。即ち、ディスクの有無、ボリューム構成があるかどうか、DVD−RTRディレクトリーがあるかどうか、VMGがあるかどうかのチェックが行われる(ステップB1,B2,B3,B4,B5,B6)。VMGが存在すればVMGがマイクロコンピュータブロック30に読み取られる(ステップB7)。さらに、ビデオファイル(図2参照)が存在するかどうかのチェックが行われる(ステップB8)。ビデオファイルが存在すれば、再生を行うプログラムチェーンを決定する(ステップB9)。プログラムチェーンとしては、図5で示したようにオリジナルプログラムチェーン(ORG_PGC)、ユーザディファインドプログラムチェーン(UD_PGC)が存在可能である。
プログラムチェーンが決まると、再生開始時のコンティギュアスデータエリア(CDA)の処理を行う(ステップB10)。さらにPGCに対応したVMG内のストリーム情報(STI)の内容をよみ、MPEGビデオ用のVデコーダ64、SPデコーダ65、Aデコーダ68の初期設定、STI内のアスペクトレートの読み取り、S映像端子におけるC信号のオフセット設定を行う(ステップB11)。
次に具体的にセル再生処理を実行する(ステップB12)。次に再生終了情報があるかどうかを判定し、無ければプログラムチェーン情報(PGCI)より、次の再生対象となるセルを設定する(ステップB14)。次にデコーダの設定条件が変わるべきかどうかの判定が行われ(ステップB15)、変わるべきであれば、次のシーケンスエンドコードが検出されたときに、デコーダの設定を変更する(ステップB16)。変わっていない場合、及びデコーダの設定変更後は、シームレス接続かどうかの判定が行われ(ステップB17)、シームレス接続であればステップB12に戻り、次のセル再生処理が実行される。
ステップB17でシームレス接続でないことが判定されると、デコーダ部50をフリーランモードに設定し、シームレス接続フラグをセットし、ステップB12に戻り、次のセル再生を実行する。
ステップB13において再生終了情報が検出された場合には、その他再生終了に必要な処理を行ない終了する(ステップB19)。
図13、図14はセル再生時の処理を詳しく示している。
セル再生の実行に移ると、プログラムチェーン情報(PGCI)、タイムマップ情報(TMPI)により、セルのエントリーポイントEP(開始EP、終了EP)を認識し、セル開始エントリーポイントを読み出しエントリーポイントとして設定する(ステップC2)。次に、読み出すCDAのスタートアドレス及び読み出し長の設定を行う。
次に、読み出すCDAの長さが残りセル長より小さいかどうかを判定し、小さい場合には、残りセル長から読み出すCDA長を引き算すれば、残りセル長の更新が可能である(ステップC4)。そして読み出すCDA長に基いてドライブ35へ読み出し命令をセットする(ステップC5)。ステップC4で読み出すCDA長が残りセル長より大きかった場合は、現在の読み出し長を残りセル長に設定し、更新した残りセル長は0にセットする。
ドライブ35へ読み出し命令がセットされると、転送が開始され、1VOBU分がバッファに溜まったかどうかのチェックが行われる(ステップC8、C9)。1VOBU分のデータがバッファに溜まると、そのバッファより分離部62へデータ転送が行われる(C10)。
また、マイクロコンピュータブロック30ではそのVOBUの先頭にRDIパックがあるかどうかの判定を行う(ステップC11)、更にRDIパックの情報から、前回に比べてアスペクト比情報に変化があったかどうかの判定を行う(ステップC12)。アスペクト比情報に変化があった場合には、その情報に応じてS映像端子(出力端子)の直流電圧を変更する(ステップC13)。次に、シームレス接続フラッグ(図6のSMLI)がセットされているかどうかを判定し、無ければステップC16にデータ転送が終了しているかどうかを判定し、シームレスフラッグがある場合には、さらに読み出しエントリーポイントに読み出し長を加えて、新たな読み出しエントリーポイントを設定する。そして、デコーダ60を通常モードに設定する(ステップC15)。またこのときシステムクロックリファレンス(SCR)を読み込むと共に、いままで取り込んでいたシームレス接続フラッグをリセットし、次のVOBUの読み取り時に備え、ステップC16に移行する。ステップC16で転送が終了しているかどうかを判定し、終了していれば、残りセル長が0かどうかをチェックする。残りセル長が0であれば、図12のステップB13へリターンする。残りセル長が0でない場合には、図13のステップC3へ戻る。
ステップC16において、転送が終了していないことが分かると、キー入力があったかどうかをチェックし、無ければステップC9ヘ戻る。キー入力があることが判明した場合は、ステップC20、C21により、高速はや送り(FF)、高速逆送り(FR)であるかどうかを判定する。
FFの場合は、ジャンプ方向を正方向に設定し、ジャンプ量により高速読み取りモードをシステムに設定し、またFRの場合は、ジャンプ方向を負方向に設定し、高速読み取りモードをシステムに設定する。この場合は、CDAの処理は、特殊再生時の処理モードとなる(ステップC23)。
ジャンプはディスク回転の高速化、あるいは、ピックアップ移動制御など各種の方法が可能である。
上記のように、本発明の装置は、再生時には、再生開始時にSTIより初期状態を読み込み、アスペクト情報に見合った電圧(図15)をS映像端子のカラー信号のDC成分として重畳することができる。
また、再生中も、RDIパックの内容をチェックし、アスペクト情報に変化があったときには、アスペクト情報に見合った電圧(図15)をS映像端子のカラー信号のDC成分として重畳する。
図16は、アスペクト情報検出部43の構成例である。
図16(A)ブロック構成を示し、図16(B)は具体的に回路レベルで示している。ブロック図のように、増幅器91、低域フィルタ(LPF)或は帯域通過フィルタ(BPF)92を介して、入力したC信号に多重されているS1,S2信号を取り出し、その値をA/D変換器やコンパレータ93などにより、マイクロプロセッサ部等が読み出せる値に変換し、MPU部に読み出させる。そのために低域通過フィルタ(LPF)などにより、カラー信号をカットした信号をA/Dコンバータなどに入力させる。
また、今回の実施例では、S映像端子の映像信号に重畳されているアスペクト情報に関して、記述しているが、放送信号のうち、VBI(Video Blanking Information)にアスペクト情報が入っている場合も、VBIよりアスペクト情報を抜き出し、同じように管理領域に保存することができる。
以上のようにして、S1,S2映像端子のアスペクト情報に対応したDVD録再機が構築することができる。つまり、リムーバブルな光ディスクに録画、再生する装置において、アスペクト情報検出部43は、映像信号よりアスペクト情報を取り出す。アスペクト情報は、エンコーダ部50に与えられる。エンコーダ部50及びマイクロコンピュータブロック30は、アスペクト情報を元にMPEGビデオ内のシーケンスヘッダ、またはRDIパック,またはVMGI内のSTIに設定する手段を備えるものである。またこれらのいずれかあるいはその組合せ、さらには全てに設定してもよい。
以上説明したようにこの発明によれば、S1,S2映像端子のアスペクト情報に対応したDVD録再機を得ることができる。
30…マイクロコンピュータブロック、35…ディスクドライブ、36…データプロセッサ、37…一時記憶部、38…システムタイムクロック(STC)、42…A/V入力部、43…アスペクト情報検出部、44…TVチューナ、50…エンコーダ部、60…デコーダ部。