JP2005026185A - 面状ヒーターとその製造方法及びこれを用いた画像定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱的衝撃に対して耐久性があり、基板破損の防止ができ、ヒーター全長の均熱性を維持し、ヒーターの発熱量を効果的に定着処理に用いることができ、コストも安価である面状ヒーターとその製造方法及びこれを用いた定着装置を提供する。
【解決手段】本発明の面状ヒーターは、ポリイミド樹脂粉末成形基板(1)上に金属製電気抵抗発熱体(2)を積層一体化し、さらにその上に耐熱絶縁層(5)を被覆して全体を一体化し、かつ前記発熱体(2)の端子部(3)には電力供給のための開口部(7)を形成する。ポリイミド樹脂粉末成形基板は、加熱と冷却の繰り返しによる熱的衝撃に対して強いので、破損は起こりにくい。また、ヒーター全長の均熱性が高く、放熱も少なく、ヒーターの発熱量を効果的に定着処理に使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は複写機やレーザープリンターなどにおいてトナー画像を熱定着する面状ヒーターとその製造方法及びこれを用いた画像定着装置に関する。詳しくは、複写機やレーザープリンターなどの画像定着装置において薄膜の耐熱シームレスベルトを介してトナー画像を熱定着する面状ヒーター及びこれを用いた画像定着装置に関する。
電子写真技術を利用した複写機やレーザービームプリンターでは、複写紙上に形成した未定着のトナー像を熱定着するための画像定着装置として、近年、ポリイミド樹脂シームレスベルトや金属薄膜シームレス管を使用したベルト定着方式が主流になってきている。
ベルト定着方式の一例を説明すると、ポリイミド樹脂シームレスベルトの内側にセラミックスヒーターを備え、シームレスベルトの外面は加圧ローラーと圧接し前記定着ベルトと加圧ロール間にトナー像を形成した複写紙を順次送り込み、トナーを前記セラミックスヒーターが加熱溶融させ、トナー像を複写紙上に定着させる方式である。定着ベルトの駆動は加圧ローラーと圧接することによってなされ、定着ベルトと加圧ローラー間に複写紙が挿入されることによって加圧ローラーの駆動力は複写紙を通じて定着ベルトに伝達され、定着ベルトの回転によって複写紙のトナー像の定着と用紙の排出が行われる。
前記ベルト定着方式では、厚みが40〜80μmの薄膜ポリイミド樹脂シームレスベルトを介して、ヒーターが実質的に直接トナーを加熱する機構であり、電源の投入でヒーターは瞬時に所定の定着温度に達するため、待ち時間がなく、消費電力も小さく優れた特徴を持っている。
前記ベルト定着方式に用いられるセラミックスヒーターは、例えばセラミックス等の絶縁基板上に銀・パラジウム合金等からなる抵抗発熱体を印刷技術により形成し、ヒーター面の長手方向の両端部には発熱体に通電するための電極やサーミスタの信号取出用電極等が形成されたものが一般的に使用されている。
具体的な構成は、下記特許文献1で提案されているようにアルミナセラミックス基板上に銀・パラジウム合金をスクリーン印刷により形成し高温で焼成後、ガラス質保護層を設けベルト定着方式のヒーターとして使用されている。このセラミックスヒーターは、通電後の立ち上がりが非常に速く、また従来のハロゲンランプを使った定着ローラー方式と比較して、消費電力を著しく低減できるため最近では、このようなセラミックスヒータを用いて、A4サイズの複写紙を1分間に36〜40枚の高速で熱定着できるレーザープリンターも市販されている。
前記ベルト定着方式に使用されるヒーターは、瞬間的に200℃前後の定着温度を得るための発熱容量と、ヒーターの長さ方向の均一な温度特性が要求される。またA3サイズから葉書あるいは名刺サイズの用紙まで多サイズの用紙への印刷が要求される。このような状況下で、例えばA3サイズ用紙印刷プリンターでA3用紙を定着機に挿入した場合、定着ヒーターは前記定着ベルトを介してヒーターの長さ方向全面を紙面が通過するため、ヒーターの均一な発熱量により、用紙全面が加熱され正常な熱定着が行われる。
しかし、葉書等のように小さいサイズ用紙の場合は、ヒーターの長さ方向の中央部、あるいは片端部を葉書が通過することになり、葉書が通過している部分ではヒーターの熱量は葉書に吸収され所定の定着が行われるが、用紙が通過していない部分では熱の消費が行われないためセラミックス基板上で局部的な温度差が生じることになる。
このようにベルト定着方式に使用するセラミックスヒーターでは、通電後、立ち上がりの昇温が急激なことや、サイズの異なる用紙がヒーター面を通過することによって、ヒーター面状では局部的な温度差が発生し、これらの熱的衝撃によってセラミックス基板が破壊しやすいという問題が発生している。
この問題に対してセラミックス基板材料を、通常使用しているアルミナに替え、アルミナよりも熱伝導率の高い窒化アルミニウムや窒化ケイ素等を基板材料として使用したセラミックスヒーターが提案されている。また下記特許文献2では、セラミックスヒーターを構成する基板が、酸化ジルコニウム粉末材料を添加した酸化アルミニウム粉末材料の焼結体で形成されたものが提案されている。
前記の窒化アルミニウムや窒化ケイ素、あるいは酸化ジルコニウム等を使用した基板では、前記基板の熱伝導率がアルミナ基板よりも高いため、ヒーターに通電直後の急激な温度上昇やヒーター面を通過する用紙のサイズの違いによる温度差などの熱的衝撃が、基板の熱伝導性を上げることにより緩衝されセラミックス基板の破損を防止することができる。
しかし、セラミックス基板は熱伝導率が高いために、昇温は速いが、反面発熱体で発生した熱がセラミックス基板を伝わり、放熱しやすく、熱的な無駄が生じやすく、同時にセラミックスヒーター全長の、温度の均一性にも問題が生じ、定着不良が発生しやすい問題があった。また、酸化ジルコニウム粉末材料は高価でありヒーター価格を上昇させる問題があった。
特開平3−114755号公報 特開平11−143265号公報
本発明は、上記した従来の問題を解決するため、熱的衝撃に対して耐久性があり、基板破損の防止ができ、ヒーター全長の均熱性を維持し、ヒーターの発熱量を効果的に定着処理に用いることができ、コストも安価である面状ヒーターとその製造方法及びこれを用いた画像定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の面状ヒーターは、ポリイミド樹脂粉末成形基板上に金属製電気抵抗発熱体を積層一体化し、さらにその上に耐熱絶縁層を被覆して全体を一体化し、かつ前記発熱体の端子部には電力供給のための開口部を含むことを特徴とする。
本発明の面状ヒーターの製造方法は、前記の面状ヒーターの製造方法であって、あらかじめポリイミド前駆体溶液中に無機絶縁物質からなるフィラーを混合し、その後、粉末精製し、粉末成形加工後、又は粉末成形しながらイミド転化して面状ヒーターを製造することを特徴とする。
次に本発明の画像定着装置は、定着ベルトの内側に面状ヒーターを備え、前記面状ヒーターと加圧ロールとの間にトナー像を形成した複写紙を順次送り込みながらトナーを加熱溶融させ、ニップ点で複写紙上にトナー像を定着させる画像定着装置において、前記面状ヒーターが前記の面状ヒーターであることを特徴とする。
本発明は、熱的衝撃に対して耐久性があり、基板破損の防止ができ、ヒーター全長の均熱性を維持し、ヒーターの発熱量を効果的に定着処理に用いることができ、コストも安価である面状ヒーターとその製造方法及びこれを用いた画像定着装置を提供できる。
本発明の面状ヒーターは、ポリイミド樹脂粉末成形基板上に金属製電気抵抗発熱体を積層一体化し、さらにその上に耐熱絶縁層を被覆して全体を一体化している。また、前記発熱体の端子部には電力供給のための開口部(露出部)を含む。ポリイミド樹脂粉末成形基板は、加熱と冷却の繰り返しによる熱的衝撃に対して強いので、破損は起こりにくい。また、ヒーター全長の均熱性が高く、放熱も少なく、ヒーターの発熱量を効果的に定着処理に用いることができる。さらに、コストも安価にできる。また、任意のサイズや任意の形状に簡単に成形できる。
通常ポリイミド樹脂は熱硬化性樹脂であり不溶不融であるため、フィルムや成形体はキャスティングや含浸などの方法で製造される場合が多く、厚みが1〜5mmのポリイミド樹脂成形体をキャスティングなどの方法で製造するには、加工工程が煩雑であり製造コストも高いものになる。このような製造上の問題点においてもポリイミド樹脂粉末成形体であれば任意の厚みや、幅や、種々形状の成形体を容易に製造することができる。ポリイミド樹脂は高い耐熱性(400℃)を持ち、寸法安定性、機械的特性に優れ、しかも絶縁体であり、ベルト定着装置の定着ヒーター基板として使用した場合、通電直後の急激な温度上昇等に伴う熱的衝撃や、前述したようにサイズの異なる複写紙を通過させた場合に生じる発熱体上での温度差による破損もなく、従来の問題を解決できる。
従来、ベルト定着方式に用いる定着ヒーターの基板は前述したようにセラミックスなどの耐熱絶縁材料が使用されているが、近年OA機器の省エネルギー化の促進によりベルト定着方式のように、定着装置や定着方法の改善と同時に、トナーそのものの改善も進み、低い温度で溶融できるトナーが開発されてきている。従ってセラミックスなどのように高温度の耐熱性を有していないプラスチック材料であってもヒーターの基板として問題なく使用でき、セラミックス基板のように1000〜1500℃をこえる焼成温度などでの煩雑な製造ラインを持たなくても製造でき、低価格の面状ヒーターを提供できる。
また、前記発熱体の上面に形成する耐熱絶縁層は、ポリイミド系樹脂が前記基板との接着力、耐熱性、電気絶縁性等の特性からも好ましい。ポリイミド系樹脂以外の耐熱絶縁材料としては、ゾルゲル法等によって得られる無機コーティング液やフッ素系、シリコン系などの材料で耐熱絶縁層を形成することもできる。
また、これらの耐熱絶縁層には、シリコーン樹脂やフッ素樹脂、窒化硼素などの摺動性が改善できる物質を添加することもできる。同時に耐熱絶縁層のさらに外表面をフッ素樹脂やシリコーン樹脂などの離型性の高い物質で被覆することにより、ベルト定着装置に装着した場合、定着ベルト内面との摩擦抵抗を減少させることができる。
前記発熱体は金属製電気抵抗発熱体が好ましく、厚さ10〜50μmのステンレス製薄膜やニッケルクロム薄膜を使用することができる。これらの金属製電気抵抗発熱体は、あらかじめ所定の形状や抵抗値にデザインしたものをポリイミド樹脂基板上に積層することができる。また量産性を考慮すると、あらかじめポリイミド樹脂系接着層に金属製電気抵抗発熱体を積層し、エッチング処理により個々の発熱体について抵抗値をデザインし、その後、基板に積層しその表面上に耐熱絶縁層を成形し、さらに必要に応じて離型層を積層後、完成された発熱体プレートを所定寸法に裁断することによって本発明の面状ヒーターとすることができる。
またポリイミド樹脂粉末成形基板と金属製電気抵抗発熱体の積層面にはポリイミド系の接着剤を使用することが好ましく、熱伝導性の改善あるいは安定させる目的で前記接着剤に熱伝導性物質を添加することもできる。
本発明において、ポリイミド樹脂粉末成形基板がさらに無機絶縁物質を含み、線膨張係数が前記発熱体の90〜140%の範囲であると、通電時、非通電時の熱サイクルにおいて寸法安定性に優れ、好ましい特性となる。すなわち、ポリイミド樹脂の線膨張係数はキャスティングフィルムなどの場合は1.0〜2.5×10-5cm/cm/℃であり本発明のポリイミド樹脂粉末成形体の線膨張係数は5〜6×10-5cm/cm/℃である。また金属製電気抵抗発熱体がステンレス鋼SUS304箔の場合、線膨張係数は1.73×10-5cm/cm/℃である。従ってポリイミド樹脂粉末成形基板の線膨張係数はステンレス箔の2.9〜3.5倍であり、前記基板に直接ステンレス鋼SUS304箔を積層し通電するとバイメタルのように面状ヒーターに反りが発生し、寸法安定性が悪くなる。従って、ポリイミド樹脂粉末に線膨張係数の小さい材料を混合し、発熱体の線膨張係数の、90〜140%の範囲に基板の線膨張係数を合わせることが好ましい。発熱体の線膨張係数に対して基板の線膨張係数のより好ましい値は100〜130%の範囲である。
本発明で用いる無機絶縁物質フィラーは、基板の特性から線膨張係数が小さく、熱伝導率が高く電気絶縁物の粉末であれば特に限定するものではない。熱伝導性の高い粉末と、線膨張係数の小さい粉末を個々に混合して使用することもでき、熱伝導率が高く線膨張係数の小さい特性を持つ単体粉末を単独で使用することもできる。
窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、石英、ガラス粉末、酸化マグネシウムなどは単体、あるいは混合して使用することができる好ましい材料である。
無機絶縁物質フィラーの配合量は基板の線膨張係数を小さくするためには少量の配合量で効果が得られ、一方熱伝導性を大きくするためには配合量を多くする必要がある。無機絶縁物質は、ポリイミド粉末100重量部に対して43〜900重量部の範囲添加するのが好ましく、特に好ましくはポリイミド粉末100重量部に対して100〜400重量部の範囲である。
ポリイミド樹脂粉末に添加する無機絶縁物質は平均粒径0.5〜15μmのものが好ましく、粒径の細かなものが線膨張係数を変化させやすい。また熱伝導性を改善するためには15〜20μmの平均粒径の無機絶縁物質を混合することが好ましい。また、熱的衝撃を改良するためには針状結晶状の粉末を添加することもできる。
無機絶縁物質は前記発熱体の材料、形状、発熱量などによって材料種類、粒径あるいは配合量など最適なものを選定できる。
ポリイミド樹脂に無機絶縁物質を均一に分散するためには、あらかじめポリイミド前駆体溶液中に無機絶縁物質を混合する方法が溶液中で混合できるため好ましく、その後の粉末精製工程を経て無機絶縁物質が均一に分散された混合粉末を得ることができる。あらかじめポリイミド樹脂あるいはポリアミック酸の粉末単体を製造しその後、無機絶縁物質とそれぞれ粉末状で混合しても良い。ポリイミド前駆体溶液から粉末化する方法は、溶媒共沈法、乳化重合法、沈殿重合法などの方法で製造することができる。
前記ポリイミド樹脂粉末の一般的な精製方法である溶媒共沈法について説明すると、ポリイミド前駆体溶液をエチルアルコールなどの溶解度の低い溶媒(貧溶媒)中に滴下して沈殿を生じさせ、その後、貧溶媒と分離する方法等で製造することができる。また前述のように乳化重合法、沈殿重合法等で粉末の用途や特性を考慮し精製方法を選ぶことができる。
また、ポリイミド樹脂粉末からポリイミド樹脂粉末成形基板の製造は、所定のサイズの成形金型でプレス成形後、ポリイミドの転化温度まで加熱し製造することができる。また前記ポリイミド粉末を金型成形しながらイミド転化させていくこともでき、ポリイミド樹脂粉末成形基板の要求特性に合わせて形状や、寸法を決めプレス加圧力、イミド転化温度などの条件を必要に応じて設定できる。
前記ポリイミド前駆体溶液は例えば芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン成分を有機極性溶媒中で、反応させることによって得ることができる。このような芳香族テトラカルボン酸の代表例としては次のようなものが上げられる。ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、あるいはこれらテトラカルボン酸エステル、上記各テトラカルボン酸類の混合物でも良く、本発明の基板の特性が得られるものであれば限定されるものではない。
一方、芳香族ジアミン成分としては特に制限はなく、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメトキシベンジジン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどが挙げられる。
前記の有機極性溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、フェノール、O−,M−,P−クレゾール、などが挙げられる。
本発明においては、前記ポリイミド樹脂粉末成形基板の熱伝導率が0.3〜0.6W/m・kの範囲であると多サイズの用紙が定着ヒーター上を通過してもヒーター表面で局部的な温度差を生じることがなく好ましい。ヒーターの局部的な温度差を解消するためには0.3W/m・k以上の熱伝導率が好ましく、またヒーター発熱体で発生した熱量を最も効率よく定着性に付与するためには0.6W/m・k以下が好ましい。すなわち小サイズの用紙がヒーター面を通過する場合において用紙が通過していないヒーター面の温度が局部的に上昇する現象は本発明の面状ヒーターでも同じであるが、基板の熱伝導性を上げることによって基板の熱的損傷を軽減し、尚且つ発生した熱量を有効に定着性の向上に用いることができる。
前記ポリイミド樹脂粉末成形基板が平均粒子径0.1〜50μmの範囲のポリアミック酸粉末を成形しイミド転化した基板であると成形体の強度や寸法安定性を向上させることができ好ましい。粉末成形体の特性はポリイミド粉末の粒径、粉末成形方法やプレス圧力などの条件あるいはポリイミド樹脂粉末に添加する充填剤等の特性によって影響を受けるが本発明の用途では1〜30μmの平均粒径が好ましい。
ポリイミド樹脂粉末の粒径は前述のポリイミド前駆体溶液の製造工程で、全芳香族ジアミンと全芳香族テトラカルボン酸二無水物の配合割合により最適な粒径の粉末を製造することができる。例えばモノマーが4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)と無水ピロメリット酸(PMDA)をN−メチル−2ピロリドン溶媒で重合させた場合、全芳香族ジアミン100に対し全芳香族テトラカルボン酸二無水物を94mol%以上配合すると溶媒共沈法等で精製したポリイミド樹脂粉末の平均粒径は急激に粒径が大きくなり、この粉末の成形体基板は機械的強度が低く、破損しやすい。また70mol%以下になるとポリイミド前駆体溶液として重合させた場合、分子量が小さく機械的強度が低下し使用不可能である。このように全芳香族ジアミンと全芳香族テトラカルボン酸二無水物の配合比を適切に条件設定することにより、重合時の分子量を変化させ最適なポリイミド樹脂粉末を精製することができる。またモノマーの組み合せや、粉末精製方法の違いによっても粒径の異なるポリイミド樹脂粉末を精製することができ、粉末の用途や粉末成形体の要求特性に基づき製造方法を選定することができる。
図1は本発明の一実施形態における面状ヒーター10の断面図である。図1に示すように、ポリイミド樹脂粉末成形基板1と、金属製電気抵抗発熱体発熱部2と、その端子部3と、前記基板1と前記金属製電気抵抗発熱体2を積層するための接着層4と、発熱体をオーバーコートする耐熱絶縁層5と、測温体6と、前記端子部3の開口部7から構成される。
図2は本発明の一実施形態における金属製電気抵抗発熱体2とその端子部3の平面図である。これは、例えばステンレス鋼SUS304箔をエッチング加工して所定の形状に形成する。
図3は本発明の一実施形態における定着装置である。この定着装置は、定着ベルト11の内側に支持体12と面状ヒーター10を備え、面状ヒーター10と圧接した加圧ロール13の間にトナー像を形成した複写紙17を順次送り込みながらトナー18を加熱溶融させ、ニップ点Nで複写紙上にトナー像19を定着させる。15はサーミスタ、14は加圧ローラの芯金である。
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。
本発明の評価方法は下記の条件および測定器で評価した。
(1)線膨張係数
線膨張係数測定装置:島津製作所社製、熱機械分析装置TMA−50、温度範囲:室温〜300℃、昇温速度10℃/min、荷重:2g(引張り荷重)、チャック間距離:10mm、同一試料を2回続けて測定し2回目の値を採用した。
(2)熱伝導率
熱伝導率測定装置:京都電子工業社製QTM−500使用
(3)平均粒子径
粒度分布測定:堀場製作所社製LA920
SEM:日立製作所社製
(実施例1)
(1)ポリイミド樹脂粉末成形基板の作製
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)25.74g(0.129mol)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)249gに溶解した。次いで攪拌しながら無水ピロメリット酸(PMDA)25.26g(0.116mol)を3回に分けて添加し、室温にて12時間攪拌し、固形分17重量%で酸−アミンの混合割合が9:1のポリイミド前駆体溶液を得た。
次いで32.94gのNMPに、18.67gの平均粒径1μmの酸化アルミニウム粉末(日本軽金属株式会社製:A32)を添加し超音波をかけながら15分間攪拌した。この酸化アルミニウム分散液に上記ポリイミド前駆体溶液47.06gを加え5分間攪拌し混合スラリーを得た。
次いで上記混合スラリーを、スターラーで強力に攪拌している800mlのエタノールに45分かけ滴下し、さらに30分間攪拌した。生じた沈殿物を吸引ろ過により回収し、エタノールで洗浄後減圧下6時間、常圧80℃で1時間乾燥させポリイミド前駆体・酸化アルミニウムの混合粉末を得た。また酸化アルミニウム粉末を添加しない状態でポリイミド前駆体のみ粉末化した場合の平均粒径は約30μmであった。
上記で得たポリイミド前駆体・酸化アルミニウム混合粉末を長さ280mm、幅10mm、深さ10mmの金型に均一に入れ、常温にて初期プレス機で2.058×107Pa(210kg/cm2)の圧力をかけることと、開放する操作を2〜3回繰返し最終的には9.8×107Pa(1000kg/cm2)の圧力を10分間加えた。その後、成型物を金型から取り出し乾燥炉で80℃から200℃まで5時間かけ昇温させ、そのまま200℃で1時間保持した。さらに300℃で1時間、400℃で1時間焼成し、全長270mm、幅9.7mm、厚さ1mmのポリイミド・酸化アルミニウム混合粉末成形基板(酸化アルミニウム70重量%)を得た。
粉末成形体の線膨張率を測定するため上記の成形体から縦13mm×幅3.5mm×厚さ0.75mmの試験片を切り出した。なお試験片の縦方向が成形体の長手方向に一致するようにした。線膨張率は1.84×10-5cm/cm/℃(100℃〜250℃の平均膨張率)であった。
本発明の実施形態で使用した金属製電気抵抗発熱体であるステンレス鋼SUS304箔(東洋製箔製)の線膨張係数1.73×10-5cm/cm/℃(100℃〜250℃)の平均膨張率であるため前記ポリイミド樹脂・酸化アルミニウム混合粉末成形基板との線膨張比率は106%であった。
また熱伝導率の測定のために実施例1の条件で幅100mm、長さ150mm、厚み1.0mmの試験片を作成し、熱伝導率を測定した結果、0.44w/m・kであった。
(2)接着剤の作製
“スカイボンドSB3555”((株)I.S.T製)25.00gに、5.56gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)を添加し希釈した。これに“スカイボンドSB3030”((株)I.S.T製) 4.17gを加え攪拌し、固形分31.2重量%の接着剤を得た。
(3)金属製電気抵抗発熱体の積層
厚さ24μm、長さ300mm、幅30mmのステンレスSUS304箔(東洋製箔製)の表面を塩化第二鉄溶液に浸漬し続いて水洗した後エタノールで洗浄した。このステンレス箔の片面に前記接着剤をバーコートし200℃で1時間乾燥させ厚さ約10μmの接着層を形成した。
(4)発熱体回路製作
前記片面に接着層を形成したステンレスSUS304箔をエッチング加工しステンレス箔発熱回路(金属製電気抵抗発熱体2)を得た。発熱回路の加工工程は片面に接着層が積層されたステンレス箔の金属面上に回路パターンを耐酸性レジストペン(サンハヤト株式会社製)及びフレキシブルテープ(サンハヤト株式会社製)によりマスキングした。その後、前記マスキングしたステンレス箔をエッチング液(塩化第二鉄溶液(サンハヤト株式会社製))に常温で30分間浸漬しエッチング処理した。その後、耐酸性インク及びテープをエタノールによって除去し、ステンレス箔発熱回路(金属製電気抵抗発熱体2)を得た(図2)。
(5)発熱体回路と基板との積層
前記ステンレス箔発熱回路とポリイミド・酸化アルミニウム混合粉末成形基板の接着積層加工を行った。接着加工は前記基板上に、前記ステンレス箔発熱回路の接着剤塗布面を前記基板面に積層し全面に50kgの圧力を掛け、そのまま180℃で10分間、その後250℃まで60分間で昇温させ、同温度で30分間加熱した。さらにその後300℃で60分間加熱し、金型を徐冷し常温まで冷却した。
(6)発熱体表面の耐熱絶縁層の形成
図1に示すように、オーバーコート処理として発熱体回路面の端子部3を除いてポリイミドワニス(I.S.T製RC5019)を溶液状で200μmの厚みにコーティングし、120℃で30分、120℃から200℃までの昇温を30分、200℃で30分保持し、さらに300℃で60分間加熱しイミド転化を完結させて、発熱部2および基板表面に耐熱絶縁層5を20μmの厚みで形成した。
発熱部2は幅1.5mm、長さ221mmを長手方向に2往復させたものであり電気抵抗値は常温で24Ω(SANWA,CDS−820テスター使用)であった。このヒーターを300℃まで加熱したが反りなどの変形は認められなかった。
前記面状ヒーター10を図3に示すレーザービームプリンター用定着装置を用いて定着試験した。すなわち、定着ベルト11としてポリイミド樹脂製シームレスチューブの表面にフッ素樹脂を一体化した複合管状物(株式会社アイ.エス.テイ製、商品名“PIベルト”、直径24mm、厚さ62μm、長さ232mm)を用い、その内側に支持体12と面状ヒーター10を備え、面状ヒーター10と圧接した加圧ロール13の間にトナー像を形成した複写紙17を順次送り込みながらトナー18を加熱溶融させ、ニップ点Nで複写紙上にトナー像19を定着させた。A4版用紙を毎分32枚プリントできるようにセットし、定着耐久テストを行った。その結果、良好な画像で10万枚の複写が安定して得られた。
本発明の一実施形態における面状ヒーターの断面図である。 本発明の一実施形態における金属製電気抵抗発熱体とその端子部の平面図である。 本発明の一実施形態における画像定着装置の断面概念図である。
符号の説明
1 ポリイミド樹脂粉末成形基板
2 金属製電気抵抗発熱体
3 金属製電気抵抗発熱体の端子部
4 接着層
5 耐熱絶縁層
6 測温体
7 開口部
10 面状ヒーター
11 定着ベルト
12 支持体
13 加圧ロール
15 サーミスタ
16 加圧ローラの芯金
17 複写紙
18 トナー
19 トナー像

Claims (9)

  1. ポリイミド樹脂粉末成形基板上に金属製電気抵抗発熱体を積層一体化し、さらにその上に耐熱絶縁層を被覆して全体を一体化し、かつ前記発熱体の端子部には電力供給のための開口部を含むことを特徴とする面状ヒーター。
  2. 前記ポリイミド樹脂粉末成形基板が、さらに無機絶縁物質からなるフィラーを含み、前記ポリイミド樹脂を100重量部としたとき、前記フィラーは43〜900重量部の範囲である請求項1に記載の面状ヒーター。
  3. 前記基板の線膨張係数が前記発熱体の90〜140%の範囲である請求項1又は2に記載の面状ヒーター。
  4. 前記ポリイミド樹脂粉末成形基板の熱伝導率が0.3〜0.6W/m・kの範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の面状ヒーター。
  5. 前記ポリイミド樹脂粉末成形基板が平均粒子径0.1〜50μmの範囲のポリアミック酸粉末を成形しイミド転化した基板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の面状ヒーター。
  6. 前記ポリイミド樹脂粉末成形基板と発熱体との積層一体化がポリイミド樹脂接着剤による接着であり、かつ前記発熱体を被覆している耐熱絶縁層がポリイミド樹脂である請求項1に記載の面状ヒーター。
  7. 前記面状ヒーターは、画像定着装置に使用される発熱源である請求項1〜6のいずれか1項に記載の面状ヒーター。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の面状ヒーターの製造方法であって、あらかじめポリイミド前駆体溶液中に無機絶縁物質からなるフィラーを混合し、その後、粉末精製し、粉末成形加工後、又は粉末成形しながらイミド転化して面状ヒーターを製造することを特徴とする面状ヒーターの製造方法。
  9. 定着ベルトの内側に面状ヒーターを備え、前記面状ヒーターと加圧ロールとの間にトナー像を形成した複写紙を順次送り込みながらトナーを加熱溶融させ、ニップ点で複写紙上にトナー像を定着させる画像定着装置において、
    前記面状ヒーターが請求項1〜6のいずれか1項に記載の面状ヒーターであることを特徴とする画像定着装置。
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