JP2005024948A - 焦点検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において適切に焦点検出を行うことができる焦点検出装置を提供する。
【解決手段】撮影画面の中心付近に設置された焦点検出領域31c〜31e(焦点検出領域A)と、周辺部に設置されたそれ以外の焦点検出領域(焦点検出領域B)とのそれぞれに対応する光電変換素子について、その単位素子を撮影画面上に投影した時の投影像の寸法を、焦点検出領域Aの方をより大きくする。焦点距離が短い場合、被写体像32は相対的に小さくなり、一般的に画面の周辺部に位置する可能性が高い。このとき、焦点検出領域Bによって被写体像32を捕捉し、焦点検出を行う。焦点距離が長い場合には、被写体像32は相対的に大きくなり、一般的に画面の中央付近に位置する可能性が高い。このとき、焦点検出領域Aによって被写体像32を捕捉し、焦点検出を行う。
【選択図】図3
【解決手段】撮影画面の中心付近に設置された焦点検出領域31c〜31e(焦点検出領域A)と、周辺部に設置されたそれ以外の焦点検出領域(焦点検出領域B)とのそれぞれに対応する光電変換素子について、その単位素子を撮影画面上に投影した時の投影像の寸法を、焦点検出領域Aの方をより大きくする。焦点距離が短い場合、被写体像32は相対的に小さくなり、一般的に画面の周辺部に位置する可能性が高い。このとき、焦点検出領域Bによって被写体像32を捕捉し、焦点検出を行う。焦点距離が長い場合には、被写体像32は相対的に大きくなり、一般的に画面の中央付近に位置する可能性が高い。このとき、焦点検出領域Aによって被写体像32を捕捉し、焦点検出を行う。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮影画面内に焦点検出領域を設定し、その焦点検出領域にある被写体像に基づいて、撮影レンズの焦点調節状態を検出する位相差検出方式の焦点検出装置がある。この焦点検出装置は、撮影レンズを通過した光束を焦点検出光学系によって2つに分離し、それらを一対のイメージセンサアレイ上に一対の視差を有する被写体像として結像する。イメージセンサアレイは複数の画素によって構成されており、結像された被写体像の光強度に応じた信号を各画素ごとに出力する。一対のイメージセンサアレイよりそれぞれ出力される信号の画素間のコントラスト、すなわち被写体像の光強度分布は、視差を与えられることによって、焦点が合っている場合には所定の間隔に一致するが、焦点が合っていない場合はその量に応じたずれが生じる。これを検出することにより、位相差検出方式の焦点検出装置は撮影レンズの合焦状態を判定する。このような焦点検出装置において、複数の焦点検出光学系および複数対のイメージセンサアレイを備え、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設定する多点測距方式のものが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−264894号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
撮影画面における被写体像の大きさと位置は、焦点距離により変化する。一般的に、広角レンズなどの撮影レンズを用いた短い焦点距離の場合には、撮影画面に背景部分が多く含まれており、撮影画面全体に対する被写体像の大きさが相対的に小さくなる。また、このときの被写体像の位置は、写真の構図上、撮影画面の中心よりやや周辺部に位置することが多い。反対に、望遠レンズなどを用いた長い焦点距離の場合には、撮影画面全体に対する被写体像の大きさが相対的に大きく、その位置は撮影画面の中心付近であることが多い。
【0005】
位相差検出方式の焦点検出装置において、イメージセンサアレイ出力信号のコントラストは、その画素の大きさと結像される被写体像の大きさの割合とによって変化する。上述した短い焦点距離の場合、撮影画面全体に対する被写体像の大きさが相対的に小さいため、イメージセンサの各画素に対する被写体像の大きさも相対的に小さくなる。このとき、イメージセンサアレイ出力信号の画素間コントラストが低下し、それによって焦点検出の精度が低下する。また、画素間コントラストを向上するために画素を小さくすると、その感度が低下してイメージセンサアレイ出力信号のS/N比(信号/ノイズ比)が劣化し、それによって上述した長い焦点距離の場合において移動被写体を撮影する際の焦点検出の追従性が劣化する。このようなことから、特許文献1の焦点検出装置は、焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において適切に焦点検出を行うことができない。
【0006】
本発明は、焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において適切に焦点検出を行うことができる焦点検出装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による焦点検出装置は、撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域のそれぞれに対応して設けられる複数の光電変換手段と、光電変換手段の出力に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を演算する演算手段とを備え、複数の光電変換手段のそれぞれは、複数の単位素子により構成されるとともに、撮影画面内の中央部に配置された第1の領域と、該第1の領域よりも撮影画面の周辺部に配置された第2の領域とに対応して設けられ、第1の領域に対応する光電変換手段を構成する複数の第1の単位素子を撮影画面上へ投影した際の投影像の寸法は、第2の領域に対応する光電変換手段を構成する複数の第2の単位素子を撮影画面上へ投影した際の投影像の寸法よりも大きいこととするものである。
請求項2の発明は、請求項1の焦点検出装置において、第1の単位素子および第2の単位素子はそれぞれ直線状に配列され、該配列方向に直交する方向について、第1の単位素子における投影像の寸法は、第2の単位素子における投影像の寸法よりも大きいこととするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の焦点検出装置において、第1の単位素子における投影像に対する第2の単位素子における投影像の面積比は、1/4倍から1/2倍の間であることとするものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの焦点検出装置において、第1の領域は、撮影画面の中心からの距離が該中心から撮影画面の画面端までの距離の略2/5倍の位置にある境界線で囲まれる画面領域内に配置され、第2の領域は、画面領域外に配置されることとするものである。
請求項5の発明によるカメラは、請求項1〜4のいずれかの焦点検出装置を備えるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による焦点検出装置を適用した一眼レフカメラの一実施形態の構成を、図1の横断面図に示す。このカメラは上述した多点測距方式のカメラであり、撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にある被写体像に基づいて、撮影レンズの焦点を調節するものである。カメラ本体12には、レンズ鏡筒11とファインダー3が装着されている。レンズ鏡筒11には、焦点距離が可変の撮影レンズ1、撮影レンズ1を光軸に沿って移動させるズーム用およびAF用レンズ移動機構(不図示)、絞りなどが設けられる。ファインダー3には、ファインダースクリーン8、ペンタプリズム9、接眼レンズ10などが設けられる。
【0009】
カメラ本体12には、メインミラー5、サブミラー6、焦点検出モジュール2、A/D変換器13、演算部14、駆動制御部15、レンズ駆動用モーター16、焦点検出領域選択部材17、シャッター(不図示)などが設けられる。なお、符号7はフィルム面(予定焦点面)であり、符号4はフィルム面7と光学的に等価なフィルム等価面である。
【0010】
焦点検出モジュール2は、焦点検出光学部21や光電変換部22などを内蔵しており、メインミラー5を透過してサブミラー6で反射された被写体からの光束を受光する。そして、焦点検出光学部21を介して各焦点検出領域ごとに視差のある一対の被写体像として一対の光電変換部22上にそれぞれ結像する。光電変換部22は、結像された各一対の被写体像をその光強度分布に応じた電気信号にそれぞれ変換し、A/D変換器13に出力する。この電気信号により、焦点のずれ量(デフォーカス量)が求められる。
【0011】
演算部14はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品を備え、A/D変換器13によりデジタル信号に変換された焦点検出モジュール2の出力信号に基づいて被写体像のデフォーカス量を演算し、撮影レンズ1の移動量を算出する。駆動制御部15は、算出された移動量に基づいてレンズ駆動用モーター16を駆動制御し、撮影レンズ1の焦点調節を行う。焦点検出領域選択部材17は、撮影者が焦点を合わせたい被写体が存在する焦点検出領域を選択するための操作部材である。
【0012】
焦点検出モジュール2の構成を図2に示す。焦点検出光学部21は焦点検出光学系21a〜21gを有し、光電変換部22はイメージセンサアレイ22a〜22gを有する。これらは各々が互いに組み合わせて用いられ、たとえば、焦点検出光学系21aとイメージセンサアレイ22aが組み合わされる。これらの各組み合わせ(以下、焦点検出系という)23a〜23gは、それぞれが撮影画面上の別々の焦点検出領域に対応している。なお、ここでは、図1において撮影レンズ1と焦点検出モジュール2との間にあるメインミラー5およびサブミラー6を省略している。
【0013】
イメージセンサアレイ22a〜22gは、図4に示すように、複数の素子によって構成されるイメージセンサアレイ(1)221a〜221gと、それと一対のイメージセンサアレイ(2)222a〜222gとをそれぞれ有する。たとえば、イメージセンサアレイ22aは、素子2211a〜2216aより構成されるイメージセンサアレイ(1)221aと、素子2221a〜2226aより構成されるイメージセンサアレイ(2)222aとを有している。そして、これらの各素子(以下、単位素子という)によって、図2の焦点検出光学系21aにより結像された視差を有する一対の被写体像の光強度分布を、各単位素子ごとの光強度信号として出力する。すなわち、これらの各単位素子のそれぞれは画像を電気信号に変換する画素(イメージセンサ)であり、これにはCCDなどが用いられる。
【0014】
図4において、イメージセンサアレイ(1)221c〜221eおよびイメージセンサアレイ(2)222c〜222eの各単位素子と、これ以外、すなわちイメージセンサアレイ(1)221a、b、f、g、およびイメージセンサアレイ(2)222a、b、f、gの各単位素子とは、その大きさが異なる。このように単位素子の大きさを変化させることにより、イメージセンサアレイにおける単位素子間の信号強度のコントラスト(以下、単にコントラストという)が変化する。その理由を、図5(a)の単位素子50a〜50gより構成されるイメージセンサアレイ50と、それより大きい単位素子51a〜51gより構成されるイメージセンサアレイ51を例に用いて、次に説明する。
【0015】
イメージセンサアレイ50および51には、同じ大きさの図形52による被写体像がそれぞれ結像されるものとする。この図形52の被写体像によって各イメージセンサアレイより出力される出力信号の例を、図5(b)のグラフ53および54に示す。このとき、イメージセンサアレイ50のように、図形52に対して単位素子50a〜50gが相対的に小さいものでは、各単位素子形状に対する図形52の形状変化によって、図形52による被写体像が各単位素子上に占める部分の割合が単位素子ごとにより大きく変動する。一方、イメージセンサアレイ51のように図形52に対して単位素子51a〜51gが相対的に大きいものでは、図形52による被写体像が各単位素子上に占める部分の割合において、単位素子間での変動が比較的小さい。したがって、図5(b)のグラフ53および54に示すように、被写体像に対して単位素子がより小さいイメージセンサアレイ50におけるコントラストは、被写体像に対して単位素子がより大きいイメージセンサアレイ51におけるコントラストよりも大きくなる。このように、被写体像に対する単位素子の大きさを変化させることによってイメージセンサアレイにおけるコントラストが変化し、このとき単位素子をより小さくすると、コントラストをより大きくすることができる。
【0016】
また、被写体輝度が同じであれば、構成される単位素子が被写体像に対してより小さいイメージセンサアレイと比較して、構成される単位素子が被写体像に対してより大きいイメージセンサアレイの方が、その出力信号強度は大きくなる。すなわち、被写体像に対してイメージセンサアレイの単位素子をより大きくすると、感度をより高くすることができる。
【0017】
以上説明したような一実施形態のカメラにより同一の被写体を異なる焦点距離で撮影した撮影画面の例を、図3(a)および(b)に示す。図3(a)は広角レンズを撮影レンズに用いた短い焦点距離の場合、図3(b)は望遠レンズを撮影レンズに用いた長い焦点距離の場合の例である。これらの撮影画面内には、焦点検出領域31a〜31gが設定されている。なお、図2の焦点検出系23a〜23gは、焦点検出領域31a〜31gにそれぞれ対応して設けられている。
【0018】
焦点検出領域31a〜31gは、それぞれ図4のイメージセンサアレイ22a〜22gに対応するものであり、各焦点検出領域は、それぞれ対応するイメージセンサアレイを撮影画面上へ投影した際の投影像に相当する。このとき、図2の焦点検出光学系21a〜21gにおける結像倍率が全て等しいとすると、各焦点検出領域の大きさは、図3に示すように、それぞれに対応するイメージセンサの大きさに比例する。たとえば、図4のイメージセンサアレイ22dに対応する焦点検出領域31dの大きさと、イメージセンサアレイ22dよりも小さいイメージセンサアレイ22fに対応する焦点検出領域31fの大きさとを比較すると、図3に示すように、焦点検出領域31dのほうが焦点検出領域31fよりも大きい。
【0019】
また、結像倍率が等しいことより、図4のイメージセンサアレイ22a〜22gをそれぞれ構成する単位素子を撮影画面上へ投影した際の各投影像の寸法は、各単位素子の大きさにそれぞれ比例する。たとえば、より大きいイメージセンサアレイ22dを構成する各単位素子の投影像、すなわち図3(b)に示すように焦点検出領域31dを符号311d〜316dのように区切ったものに相当する投影像と、より小さいイメージセンサアレイ22fを構成する各単位素子の投影像、すなわち図3(a)に示すように焦点検出領域31fを符号311f〜316fのように区切ったものに相当する投影像とを比較すると、前者の寸法の方が後者の寸法よりも大きい。なお、それ以外のイメージセンサアレイを構成する単位素子の投影像の寸法についても同様であるが、ここでは図示を省略する。以下の説明では、このように対応するイメージセンサアレイの単位素子がより大きく、その投影像の寸法もより大きい焦点検出領域31c〜31eを焦点検出領域Aといい、対応するイメージセンサアレイの単位素子がより小さく、その投影像の寸法もより小さい焦点検出領域31a、31b、31fおよび31gを焦点検出領域Bということとする。また、焦点検出領域Aに対応するイメージセンサアレイを構成する各単位素子を単位素子A、焦点検出領域Bに対応するイメージセンサアレイを構成する各単位素子を単位素子Bということとする。
【0020】
図3(a)と(b)における被写体像32の大きさを比較すると、図3(a)の場合のほうが小さい。このように、同一の被写体による被写体像の撮影画面全体に対する大きさは、焦点距離が長い場合に比べて短い場合のほうが小さい。したがって、一般的に、短い焦点距離の場合のほうが被写体像の大きさが相対的に小さくなるといえる。また、短い焦点距離の場合における被写体像の位置は、写真の構図上、図3(a)に示すように撮影画面の中心より周辺部にあることが多い。反対に、長い焦点距離の場合には、図3(b)に示すように被写体像は撮影画面の中心付近に位置することが多い。
【0021】
上記に説明したように、被写体像に対して単位素子がより大きいほどイメージセンサアレイの感度はより向上し、また被写体像に対して単位素子がより小さいほどイメージセンサアレイの画素間コントラストはより向上する。ここで前述のように結像倍率を一定とすると、各焦点検出領域に対応するイメージセンサアレイに結像される被写体像の大きさは一定である。したがって、対応するイメージセンサアレイの単位素子(単位素子A)がより大きく、その投影像の寸法もより大きい焦点検出領域Aでは、イメージセンサアレイの感度を十分に得ることができる。一方、対応するイメージセンサアレイの単位素子(単位素子B)がより小さく、その投影像の寸法もより小さい焦点検出領域Bでは、被写体像が小さいときにもイメージセンサアレイの画素間コントラストを十分に得ることができる。
【0022】
なお、単位素子Aの撮影画面における投影像の面積と、単位素子Bの撮影画面における投影像の面積とをそれぞれSA、SBとすると、SAとSBとの比率は、SA:SB=4:1〜2:1の間であることが好ましい。すなわち、単位素子Aと単位素子Bが図4に示すように直線状に配列されてその配列方向の寸法が等しく、このときの配列方向に直交する方向における単位素子AおよびBの投影像の寸法をそれぞれLAおよびLBとすると、LAはLBよりも大きく、その比率が4:1〜2:1であることが好ましい。なお、この寸法LAおよびLBは、それぞれ焦点検出領域AとBにおける図3の符号33および34に示す部分の寸法に相当するものである。
【0023】
また、焦点検出領域AとBは、それぞれ図3の画面領域35の領域内と領域外にそれぞれ配置されていることが好ましい。ここで、画面領域35は、撮影画面の中心からの距離がその中心から撮影画面端までの距離のおおよそ2/5倍の位置にある境界線で囲まれるものである。なお、これらの説明において用いた各数値は、焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において正確かつ素早く焦点検出処理が行えるよう、各種実験や統計データに基づいて決定されたものである。
【0024】
前述したように、焦点距離が短い図3(a)の場合は、被写体像32は相対的に小さく、その位置は撮影画面の周辺部にある。このとき、被写体像32の一部分は、焦点検出領域Bの1つである焦点検出領域31f内に含まれている。したがって、上記説明のように、この焦点検出領域31fに対応するイメージセンサアレイ22fにおいて十分な画素間コントラストが得られ、それによって焦点距離を正確に検出することができる。
【0025】
また、焦点距離が長い図3(b)の場合は、被写体像32は相対的に大きく、その位置は撮影画面の中心付近にある。このとき、被写体像32の一部分は、焦点検出領域Aの1つである焦点検出領域31d内に含まれている。したがって、上記説明のように、この焦点検出領域31dに対応するイメージセンサアレイ22dにおいて十分な感度が得られ、それによって移動被写体を撮影する際の焦点検出の追従性の劣化を防ぐことができる。
【0026】
なお、以上の説明における単位素子の配列方向とは、その単位素子によって構成されるイメージセンサアレイにおいて、一対のイメージセンサアレイがそれぞれ並んで配置されている方向に相当する。この方向は、対応する焦点検出光学系が被写体像を分離再結像するときの分離方向にも相当する。
【0027】
上述した実施の形態では、撮影画面の中心付近に位置する焦点検出領域A(焦点検出領域31c〜31e)に対応するイメージセンサアレイ22c〜22eを構成する各単位素子を単位素子Aとした。また、焦点検出領域Aよりも撮影画面の周辺部に位置する焦点検出領域B(焦点検出領域31a、31b、31fおよび31g)に対応するイメージセンサアレイ22a、22b、22fおよび22gを構成する各単位素子を単位素子Bとした。そして、単位素子Aは単位素子Bよりも大きく、単位素子Aを撮影画面に投影した際の投影像の寸法は、単位素子Bを撮影画面に投影した際の投影像の寸法よりも大きいこととした。このようにしたので、焦点距離が短い場合は、その出力信号に十分なコントラストを得ることができ、その結果、焦点距離を正確に検出することができる。また、焦点距離が長い場合は、その出力信号の感度が十分に得られ、移動体撮影における焦点検出の追従性の劣化を防ぐことができる。したがって、焦点距離の異なる撮影レンズを用いて同一の被写体を撮影画面の異なる位置に配置された焦点検出領域で捕捉して撮影する場合でも、信号のコントラストの低下を防いで適切に焦点検出を行うことができる。
【0028】
なお、上記の実施の形態では、単位素子に対してその配列方向に直交する方向の長さを変えることにより、大きさを変化させる例について説明した。しかし、その配列方向の長さを変えてもよく、さらにこれら両方向の長さを変えることとしてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態において、各焦点検出領域に対応する焦点検出光学系の結像倍率を撮影画面の中央部と周辺部とで異ならせることによって、被写体像に対する単位素子の大きさをイメージセンサアレイごとに変化させても、上記実施の形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。さらに、イメージセンサアレイの単位素子の大きさと、焦点検出光学系の結像倍率との両方を変化させてもよい。
【0030】
さらに、上記の実施の形態では、単位素子の大きさを変えることによって対応する焦点検出領域の大きさも変化したが、焦点検出領域の大きさは変化させずに単位素子の大きさだけを変化させてもよい。このとき、たとえば図6に示すように、イメージセンサアレイの素子間ピッチを変化させることによって、単位素子の大きさだけを変化させることができる。図6のイメージセンサアレイ22d’は、単位素子2211d’〜2216d’より構成されるイメージセンサアレイ(1)221d’と、それと一対の単位素子2221d’〜2226d’より構成されるイメージセンサアレイ(2)222d’を有している。また、イメージセンサアレイ22f’は、単位素子2211f’〜2219f’より構成されるイメージセンサアレイ(1)221f’と、それと一対の単位素子2221f’〜2229f’より構成されるイメージセンサアレイ(2)222f’を有している。ここで、イメージセンサアレイ22f’における素子間ピッチPfは、イメージセンサアレイ22d’における素子間ピッチPdの2/3倍となっている。なお、焦点検出領域の大きさと、イメージセンサアレイの素子間ピッチとの両方を変化させることによって、単位素子の大きさを変えるようにしてもよい。
【0031】
上記の実施の形態において、撮影画面内に設定する焦点検出領域の数や、それに対応して設けられる焦点検出光学系やイメージセンサアレイの数、あるいはイメージセンサアレイを構成する単位素子の数は、上記実施の形態に限定されない。また、焦点検出領域の大きさは2種類とは限らず、それ以上の種類の大きさを設定してもよい。さらに、上記実施の形態では焦点検出領域を撮影画面の長手方向に直線状に配列したが、これに限定されず、撮影画面の長手方向と直交する方向など、任意の方向に配列してよい。
【0032】
上記実施の形態ではフィルム撮影式の一眼レフカメラを例に説明したが、撮像素子を用いて画像をデジタルデータとして記録するデジタルカメラなど、各種のカメラにおいて本発明を適用できる。
【0033】
上記実施の形態では、光電変換手段を焦点検出系23a〜23g、演算手段をA/D変換器13および演算部14により実現し、第1の領域を焦点検出領域A、第2の領域を焦点検出領域Bとして説明した。しかし、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も、本発明の範囲内に含まれる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように構成しているので、焦点距離の異なる撮影レンズを用いて同一の被写体を撮影画面の異なる位置に配置された焦点検出領域で捕捉して撮影する場合でも、信号のコントラストの低下を防いで適切に焦点検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による一眼レフカメラの構成を示す図である。
【図2】焦点検出モジュールの構成を示す図である。
【図3】撮影画面の例を示す図であり、(a)は短い焦点距離の場合、(b)は長い焦点距離の場合を示す。
【図4】イメージセンサアレイの構成例を示す図である。
【図5】イメージセンサアレイを構成する単位素子の大きさを変えたときの出力信号の例を説明する図であり、(a)は単位素子の大きさを示す図、(b)はイメージセンサアレイの出力信号強度を示す図である。
【図6】イメージセンサアレイの素子間ピッチを変化させた例を示す図である。
【符号の説明】
1:撮影レンズ
2:焦点検出モジュール
3:ファインダー
4:フィルム等価面
5:メインミラー
6:サブミラー
7:フィルム面
8:ファインダースクリーン
9:ペンタプリズム
10:接眼レンズ
11:レンズ鏡筒
12:カメラ本体
13:A/D変換器
14:演算部
15:駆動制御部
16:レンズ駆動用モーター
17:焦点検出領域選択部材
21:焦点検出光学部
21a〜21g:焦点検出光学系
22:光電変換部
22a〜22g:イメージセンサアレイ
23a〜23g:焦点検出系
31a〜31f:焦点検出領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮影画面内に焦点検出領域を設定し、その焦点検出領域にある被写体像に基づいて、撮影レンズの焦点調節状態を検出する位相差検出方式の焦点検出装置がある。この焦点検出装置は、撮影レンズを通過した光束を焦点検出光学系によって2つに分離し、それらを一対のイメージセンサアレイ上に一対の視差を有する被写体像として結像する。イメージセンサアレイは複数の画素によって構成されており、結像された被写体像の光強度に応じた信号を各画素ごとに出力する。一対のイメージセンサアレイよりそれぞれ出力される信号の画素間のコントラスト、すなわち被写体像の光強度分布は、視差を与えられることによって、焦点が合っている場合には所定の間隔に一致するが、焦点が合っていない場合はその量に応じたずれが生じる。これを検出することにより、位相差検出方式の焦点検出装置は撮影レンズの合焦状態を判定する。このような焦点検出装置において、複数の焦点検出光学系および複数対のイメージセンサアレイを備え、撮影画面内に複数の焦点検出領域を設定する多点測距方式のものが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−264894号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
撮影画面における被写体像の大きさと位置は、焦点距離により変化する。一般的に、広角レンズなどの撮影レンズを用いた短い焦点距離の場合には、撮影画面に背景部分が多く含まれており、撮影画面全体に対する被写体像の大きさが相対的に小さくなる。また、このときの被写体像の位置は、写真の構図上、撮影画面の中心よりやや周辺部に位置することが多い。反対に、望遠レンズなどを用いた長い焦点距離の場合には、撮影画面全体に対する被写体像の大きさが相対的に大きく、その位置は撮影画面の中心付近であることが多い。
【0005】
位相差検出方式の焦点検出装置において、イメージセンサアレイ出力信号のコントラストは、その画素の大きさと結像される被写体像の大きさの割合とによって変化する。上述した短い焦点距離の場合、撮影画面全体に対する被写体像の大きさが相対的に小さいため、イメージセンサの各画素に対する被写体像の大きさも相対的に小さくなる。このとき、イメージセンサアレイ出力信号の画素間コントラストが低下し、それによって焦点検出の精度が低下する。また、画素間コントラストを向上するために画素を小さくすると、その感度が低下してイメージセンサアレイ出力信号のS/N比(信号/ノイズ比)が劣化し、それによって上述した長い焦点距離の場合において移動被写体を撮影する際の焦点検出の追従性が劣化する。このようなことから、特許文献1の焦点検出装置は、焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において適切に焦点検出を行うことができない。
【0006】
本発明は、焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において適切に焦点検出を行うことができる焦点検出装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による焦点検出装置は、撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域のそれぞれに対応して設けられる複数の光電変換手段と、光電変換手段の出力に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を演算する演算手段とを備え、複数の光電変換手段のそれぞれは、複数の単位素子により構成されるとともに、撮影画面内の中央部に配置された第1の領域と、該第1の領域よりも撮影画面の周辺部に配置された第2の領域とに対応して設けられ、第1の領域に対応する光電変換手段を構成する複数の第1の単位素子を撮影画面上へ投影した際の投影像の寸法は、第2の領域に対応する光電変換手段を構成する複数の第2の単位素子を撮影画面上へ投影した際の投影像の寸法よりも大きいこととするものである。
請求項2の発明は、請求項1の焦点検出装置において、第1の単位素子および第2の単位素子はそれぞれ直線状に配列され、該配列方向に直交する方向について、第1の単位素子における投影像の寸法は、第2の単位素子における投影像の寸法よりも大きいこととするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の焦点検出装置において、第1の単位素子における投影像に対する第2の単位素子における投影像の面積比は、1/4倍から1/2倍の間であることとするものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの焦点検出装置において、第1の領域は、撮影画面の中心からの距離が該中心から撮影画面の画面端までの距離の略2/5倍の位置にある境界線で囲まれる画面領域内に配置され、第2の領域は、画面領域外に配置されることとするものである。
請求項5の発明によるカメラは、請求項1〜4のいずれかの焦点検出装置を備えるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による焦点検出装置を適用した一眼レフカメラの一実施形態の構成を、図1の横断面図に示す。このカメラは上述した多点測距方式のカメラであり、撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にある被写体像に基づいて、撮影レンズの焦点を調節するものである。カメラ本体12には、レンズ鏡筒11とファインダー3が装着されている。レンズ鏡筒11には、焦点距離が可変の撮影レンズ1、撮影レンズ1を光軸に沿って移動させるズーム用およびAF用レンズ移動機構(不図示)、絞りなどが設けられる。ファインダー3には、ファインダースクリーン8、ペンタプリズム9、接眼レンズ10などが設けられる。
【0009】
カメラ本体12には、メインミラー5、サブミラー6、焦点検出モジュール2、A/D変換器13、演算部14、駆動制御部15、レンズ駆動用モーター16、焦点検出領域選択部材17、シャッター(不図示)などが設けられる。なお、符号7はフィルム面(予定焦点面)であり、符号4はフィルム面7と光学的に等価なフィルム等価面である。
【0010】
焦点検出モジュール2は、焦点検出光学部21や光電変換部22などを内蔵しており、メインミラー5を透過してサブミラー6で反射された被写体からの光束を受光する。そして、焦点検出光学部21を介して各焦点検出領域ごとに視差のある一対の被写体像として一対の光電変換部22上にそれぞれ結像する。光電変換部22は、結像された各一対の被写体像をその光強度分布に応じた電気信号にそれぞれ変換し、A/D変換器13に出力する。この電気信号により、焦点のずれ量(デフォーカス量)が求められる。
【0011】
演算部14はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品を備え、A/D変換器13によりデジタル信号に変換された焦点検出モジュール2の出力信号に基づいて被写体像のデフォーカス量を演算し、撮影レンズ1の移動量を算出する。駆動制御部15は、算出された移動量に基づいてレンズ駆動用モーター16を駆動制御し、撮影レンズ1の焦点調節を行う。焦点検出領域選択部材17は、撮影者が焦点を合わせたい被写体が存在する焦点検出領域を選択するための操作部材である。
【0012】
焦点検出モジュール2の構成を図2に示す。焦点検出光学部21は焦点検出光学系21a〜21gを有し、光電変換部22はイメージセンサアレイ22a〜22gを有する。これらは各々が互いに組み合わせて用いられ、たとえば、焦点検出光学系21aとイメージセンサアレイ22aが組み合わされる。これらの各組み合わせ(以下、焦点検出系という)23a〜23gは、それぞれが撮影画面上の別々の焦点検出領域に対応している。なお、ここでは、図1において撮影レンズ1と焦点検出モジュール2との間にあるメインミラー5およびサブミラー6を省略している。
【0013】
イメージセンサアレイ22a〜22gは、図4に示すように、複数の素子によって構成されるイメージセンサアレイ(1)221a〜221gと、それと一対のイメージセンサアレイ(2)222a〜222gとをそれぞれ有する。たとえば、イメージセンサアレイ22aは、素子2211a〜2216aより構成されるイメージセンサアレイ(1)221aと、素子2221a〜2226aより構成されるイメージセンサアレイ(2)222aとを有している。そして、これらの各素子(以下、単位素子という)によって、図2の焦点検出光学系21aにより結像された視差を有する一対の被写体像の光強度分布を、各単位素子ごとの光強度信号として出力する。すなわち、これらの各単位素子のそれぞれは画像を電気信号に変換する画素(イメージセンサ)であり、これにはCCDなどが用いられる。
【0014】
図4において、イメージセンサアレイ(1)221c〜221eおよびイメージセンサアレイ(2)222c〜222eの各単位素子と、これ以外、すなわちイメージセンサアレイ(1)221a、b、f、g、およびイメージセンサアレイ(2)222a、b、f、gの各単位素子とは、その大きさが異なる。このように単位素子の大きさを変化させることにより、イメージセンサアレイにおける単位素子間の信号強度のコントラスト(以下、単にコントラストという)が変化する。その理由を、図5(a)の単位素子50a〜50gより構成されるイメージセンサアレイ50と、それより大きい単位素子51a〜51gより構成されるイメージセンサアレイ51を例に用いて、次に説明する。
【0015】
イメージセンサアレイ50および51には、同じ大きさの図形52による被写体像がそれぞれ結像されるものとする。この図形52の被写体像によって各イメージセンサアレイより出力される出力信号の例を、図5(b)のグラフ53および54に示す。このとき、イメージセンサアレイ50のように、図形52に対して単位素子50a〜50gが相対的に小さいものでは、各単位素子形状に対する図形52の形状変化によって、図形52による被写体像が各単位素子上に占める部分の割合が単位素子ごとにより大きく変動する。一方、イメージセンサアレイ51のように図形52に対して単位素子51a〜51gが相対的に大きいものでは、図形52による被写体像が各単位素子上に占める部分の割合において、単位素子間での変動が比較的小さい。したがって、図5(b)のグラフ53および54に示すように、被写体像に対して単位素子がより小さいイメージセンサアレイ50におけるコントラストは、被写体像に対して単位素子がより大きいイメージセンサアレイ51におけるコントラストよりも大きくなる。このように、被写体像に対する単位素子の大きさを変化させることによってイメージセンサアレイにおけるコントラストが変化し、このとき単位素子をより小さくすると、コントラストをより大きくすることができる。
【0016】
また、被写体輝度が同じであれば、構成される単位素子が被写体像に対してより小さいイメージセンサアレイと比較して、構成される単位素子が被写体像に対してより大きいイメージセンサアレイの方が、その出力信号強度は大きくなる。すなわち、被写体像に対してイメージセンサアレイの単位素子をより大きくすると、感度をより高くすることができる。
【0017】
以上説明したような一実施形態のカメラにより同一の被写体を異なる焦点距離で撮影した撮影画面の例を、図3(a)および(b)に示す。図3(a)は広角レンズを撮影レンズに用いた短い焦点距離の場合、図3(b)は望遠レンズを撮影レンズに用いた長い焦点距離の場合の例である。これらの撮影画面内には、焦点検出領域31a〜31gが設定されている。なお、図2の焦点検出系23a〜23gは、焦点検出領域31a〜31gにそれぞれ対応して設けられている。
【0018】
焦点検出領域31a〜31gは、それぞれ図4のイメージセンサアレイ22a〜22gに対応するものであり、各焦点検出領域は、それぞれ対応するイメージセンサアレイを撮影画面上へ投影した際の投影像に相当する。このとき、図2の焦点検出光学系21a〜21gにおける結像倍率が全て等しいとすると、各焦点検出領域の大きさは、図3に示すように、それぞれに対応するイメージセンサの大きさに比例する。たとえば、図4のイメージセンサアレイ22dに対応する焦点検出領域31dの大きさと、イメージセンサアレイ22dよりも小さいイメージセンサアレイ22fに対応する焦点検出領域31fの大きさとを比較すると、図3に示すように、焦点検出領域31dのほうが焦点検出領域31fよりも大きい。
【0019】
また、結像倍率が等しいことより、図4のイメージセンサアレイ22a〜22gをそれぞれ構成する単位素子を撮影画面上へ投影した際の各投影像の寸法は、各単位素子の大きさにそれぞれ比例する。たとえば、より大きいイメージセンサアレイ22dを構成する各単位素子の投影像、すなわち図3(b)に示すように焦点検出領域31dを符号311d〜316dのように区切ったものに相当する投影像と、より小さいイメージセンサアレイ22fを構成する各単位素子の投影像、すなわち図3(a)に示すように焦点検出領域31fを符号311f〜316fのように区切ったものに相当する投影像とを比較すると、前者の寸法の方が後者の寸法よりも大きい。なお、それ以外のイメージセンサアレイを構成する単位素子の投影像の寸法についても同様であるが、ここでは図示を省略する。以下の説明では、このように対応するイメージセンサアレイの単位素子がより大きく、その投影像の寸法もより大きい焦点検出領域31c〜31eを焦点検出領域Aといい、対応するイメージセンサアレイの単位素子がより小さく、その投影像の寸法もより小さい焦点検出領域31a、31b、31fおよび31gを焦点検出領域Bということとする。また、焦点検出領域Aに対応するイメージセンサアレイを構成する各単位素子を単位素子A、焦点検出領域Bに対応するイメージセンサアレイを構成する各単位素子を単位素子Bということとする。
【0020】
図3(a)と(b)における被写体像32の大きさを比較すると、図3(a)の場合のほうが小さい。このように、同一の被写体による被写体像の撮影画面全体に対する大きさは、焦点距離が長い場合に比べて短い場合のほうが小さい。したがって、一般的に、短い焦点距離の場合のほうが被写体像の大きさが相対的に小さくなるといえる。また、短い焦点距離の場合における被写体像の位置は、写真の構図上、図3(a)に示すように撮影画面の中心より周辺部にあることが多い。反対に、長い焦点距離の場合には、図3(b)に示すように被写体像は撮影画面の中心付近に位置することが多い。
【0021】
上記に説明したように、被写体像に対して単位素子がより大きいほどイメージセンサアレイの感度はより向上し、また被写体像に対して単位素子がより小さいほどイメージセンサアレイの画素間コントラストはより向上する。ここで前述のように結像倍率を一定とすると、各焦点検出領域に対応するイメージセンサアレイに結像される被写体像の大きさは一定である。したがって、対応するイメージセンサアレイの単位素子(単位素子A)がより大きく、その投影像の寸法もより大きい焦点検出領域Aでは、イメージセンサアレイの感度を十分に得ることができる。一方、対応するイメージセンサアレイの単位素子(単位素子B)がより小さく、その投影像の寸法もより小さい焦点検出領域Bでは、被写体像が小さいときにもイメージセンサアレイの画素間コントラストを十分に得ることができる。
【0022】
なお、単位素子Aの撮影画面における投影像の面積と、単位素子Bの撮影画面における投影像の面積とをそれぞれSA、SBとすると、SAとSBとの比率は、SA:SB=4:1〜2:1の間であることが好ましい。すなわち、単位素子Aと単位素子Bが図4に示すように直線状に配列されてその配列方向の寸法が等しく、このときの配列方向に直交する方向における単位素子AおよびBの投影像の寸法をそれぞれLAおよびLBとすると、LAはLBよりも大きく、その比率が4:1〜2:1であることが好ましい。なお、この寸法LAおよびLBは、それぞれ焦点検出領域AとBにおける図3の符号33および34に示す部分の寸法に相当するものである。
【0023】
また、焦点検出領域AとBは、それぞれ図3の画面領域35の領域内と領域外にそれぞれ配置されていることが好ましい。ここで、画面領域35は、撮影画面の中心からの距離がその中心から撮影画面端までの距離のおおよそ2/5倍の位置にある境界線で囲まれるものである。なお、これらの説明において用いた各数値は、焦点距離の異なる撮影レンズを用いた撮影画面において正確かつ素早く焦点検出処理が行えるよう、各種実験や統計データに基づいて決定されたものである。
【0024】
前述したように、焦点距離が短い図3(a)の場合は、被写体像32は相対的に小さく、その位置は撮影画面の周辺部にある。このとき、被写体像32の一部分は、焦点検出領域Bの1つである焦点検出領域31f内に含まれている。したがって、上記説明のように、この焦点検出領域31fに対応するイメージセンサアレイ22fにおいて十分な画素間コントラストが得られ、それによって焦点距離を正確に検出することができる。
【0025】
また、焦点距離が長い図3(b)の場合は、被写体像32は相対的に大きく、その位置は撮影画面の中心付近にある。このとき、被写体像32の一部分は、焦点検出領域Aの1つである焦点検出領域31d内に含まれている。したがって、上記説明のように、この焦点検出領域31dに対応するイメージセンサアレイ22dにおいて十分な感度が得られ、それによって移動被写体を撮影する際の焦点検出の追従性の劣化を防ぐことができる。
【0026】
なお、以上の説明における単位素子の配列方向とは、その単位素子によって構成されるイメージセンサアレイにおいて、一対のイメージセンサアレイがそれぞれ並んで配置されている方向に相当する。この方向は、対応する焦点検出光学系が被写体像を分離再結像するときの分離方向にも相当する。
【0027】
上述した実施の形態では、撮影画面の中心付近に位置する焦点検出領域A(焦点検出領域31c〜31e)に対応するイメージセンサアレイ22c〜22eを構成する各単位素子を単位素子Aとした。また、焦点検出領域Aよりも撮影画面の周辺部に位置する焦点検出領域B(焦点検出領域31a、31b、31fおよび31g)に対応するイメージセンサアレイ22a、22b、22fおよび22gを構成する各単位素子を単位素子Bとした。そして、単位素子Aは単位素子Bよりも大きく、単位素子Aを撮影画面に投影した際の投影像の寸法は、単位素子Bを撮影画面に投影した際の投影像の寸法よりも大きいこととした。このようにしたので、焦点距離が短い場合は、その出力信号に十分なコントラストを得ることができ、その結果、焦点距離を正確に検出することができる。また、焦点距離が長い場合は、その出力信号の感度が十分に得られ、移動体撮影における焦点検出の追従性の劣化を防ぐことができる。したがって、焦点距離の異なる撮影レンズを用いて同一の被写体を撮影画面の異なる位置に配置された焦点検出領域で捕捉して撮影する場合でも、信号のコントラストの低下を防いで適切に焦点検出を行うことができる。
【0028】
なお、上記の実施の形態では、単位素子に対してその配列方向に直交する方向の長さを変えることにより、大きさを変化させる例について説明した。しかし、その配列方向の長さを変えてもよく、さらにこれら両方向の長さを変えることとしてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態において、各焦点検出領域に対応する焦点検出光学系の結像倍率を撮影画面の中央部と周辺部とで異ならせることによって、被写体像に対する単位素子の大きさをイメージセンサアレイごとに変化させても、上記実施の形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。さらに、イメージセンサアレイの単位素子の大きさと、焦点検出光学系の結像倍率との両方を変化させてもよい。
【0030】
さらに、上記の実施の形態では、単位素子の大きさを変えることによって対応する焦点検出領域の大きさも変化したが、焦点検出領域の大きさは変化させずに単位素子の大きさだけを変化させてもよい。このとき、たとえば図6に示すように、イメージセンサアレイの素子間ピッチを変化させることによって、単位素子の大きさだけを変化させることができる。図6のイメージセンサアレイ22d’は、単位素子2211d’〜2216d’より構成されるイメージセンサアレイ(1)221d’と、それと一対の単位素子2221d’〜2226d’より構成されるイメージセンサアレイ(2)222d’を有している。また、イメージセンサアレイ22f’は、単位素子2211f’〜2219f’より構成されるイメージセンサアレイ(1)221f’と、それと一対の単位素子2221f’〜2229f’より構成されるイメージセンサアレイ(2)222f’を有している。ここで、イメージセンサアレイ22f’における素子間ピッチPfは、イメージセンサアレイ22d’における素子間ピッチPdの2/3倍となっている。なお、焦点検出領域の大きさと、イメージセンサアレイの素子間ピッチとの両方を変化させることによって、単位素子の大きさを変えるようにしてもよい。
【0031】
上記の実施の形態において、撮影画面内に設定する焦点検出領域の数や、それに対応して設けられる焦点検出光学系やイメージセンサアレイの数、あるいはイメージセンサアレイを構成する単位素子の数は、上記実施の形態に限定されない。また、焦点検出領域の大きさは2種類とは限らず、それ以上の種類の大きさを設定してもよい。さらに、上記実施の形態では焦点検出領域を撮影画面の長手方向に直線状に配列したが、これに限定されず、撮影画面の長手方向と直交する方向など、任意の方向に配列してよい。
【0032】
上記実施の形態ではフィルム撮影式の一眼レフカメラを例に説明したが、撮像素子を用いて画像をデジタルデータとして記録するデジタルカメラなど、各種のカメラにおいて本発明を適用できる。
【0033】
上記実施の形態では、光電変換手段を焦点検出系23a〜23g、演算手段をA/D変換器13および演算部14により実現し、第1の領域を焦点検出領域A、第2の領域を焦点検出領域Bとして説明した。しかし、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も、本発明の範囲内に含まれる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように構成しているので、焦点距離の異なる撮影レンズを用いて同一の被写体を撮影画面の異なる位置に配置された焦点検出領域で捕捉して撮影する場合でも、信号のコントラストの低下を防いで適切に焦点検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による一眼レフカメラの構成を示す図である。
【図2】焦点検出モジュールの構成を示す図である。
【図3】撮影画面の例を示す図であり、(a)は短い焦点距離の場合、(b)は長い焦点距離の場合を示す。
【図4】イメージセンサアレイの構成例を示す図である。
【図5】イメージセンサアレイを構成する単位素子の大きさを変えたときの出力信号の例を説明する図であり、(a)は単位素子の大きさを示す図、(b)はイメージセンサアレイの出力信号強度を示す図である。
【図6】イメージセンサアレイの素子間ピッチを変化させた例を示す図である。
【符号の説明】
1:撮影レンズ
2:焦点検出モジュール
3:ファインダー
4:フィルム等価面
5:メインミラー
6:サブミラー
7:フィルム面
8:ファインダースクリーン
9:ペンタプリズム
10:接眼レンズ
11:レンズ鏡筒
12:カメラ本体
13:A/D変換器
14:演算部
15:駆動制御部
16:レンズ駆動用モーター
17:焦点検出領域選択部材
21:焦点検出光学部
21a〜21g:焦点検出光学系
22:光電変換部
22a〜22g:イメージセンサアレイ
23a〜23g:焦点検出系
31a〜31f:焦点検出領域
Claims (5)
- 撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域のそれぞれに対応して設けられる複数の光電変換手段と、
前記光電変換手段の出力に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を演算する演算手段とを備え、
前記複数の光電変換手段のそれぞれは、複数の単位素子により構成されるとともに、前記撮影画面内の中央部に配置された第1の領域と、該第1の領域よりも前記撮影画面の周辺部に配置された第2の領域とに対応して設けられ、
前記第1の領域に対応する前記光電変換手段を構成する複数の第1の単位素子を前記撮影画面上へ投影した際の投影像の寸法は、前記第2の領域に対応する前記光電変換手段を構成する複数の第2の単位素子を前記撮影画面上へ投影した際の投影像の寸法よりも大きいことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1の焦点検出装置において、
前記第1の単位素子および第2の単位素子はそれぞれ直線状に配列され、該配列方向に直交する方向について、前記第1の単位素子における前記投影像の寸法は、前記第2の単位素子における前記投影像の寸法よりも大きいことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1または2の焦点検出装置において、
前記第1の単位素子における前記投影像に対する前記第2の単位素子における前記投影像の面積比は、1/4倍から1/2倍の間であることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1〜3のいずれかの焦点検出装置において、
前記第1の領域は、前記撮影画面の中心からの距離が該中心から前記撮影画面の画面端までの距離の略2/5倍の位置にある境界線で囲まれる画面領域内に配置され、
前記第2の領域は、前記画面領域外に配置されることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1〜4のいずれかの焦点検出装置を備えることを特徴とするカメラ。
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Cited By (1)
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JP2007065324A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Canon Inc | 焦点検出用固体撮像装置及び、同装置を用いたカメラシステム |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003190995A patent/JP2005024948A/ja active Pending
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