JP2005022077A - ナノ粒子分散複合材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナノ粒子の粒径と三次元的な配置を制御可能なナノ粒子分散複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】タンパク質の内部に無機材料からなるコア微粒子を内包したコア微粒子−タンパク質複合体の複数個を基体上面に配置する工程(a)、前記タンパク質を除去する工程(b)、前記基体上面からイオン注入を行う工程(c)、前記イオン注入により注入されるイオンを原料とするナノ粒子をイオン注入により前記基体内部に形成する工程(d)、を有するナノ粒子分散複合材料の製造方法。
【選択図】 図20
【解決手段】タンパク質の内部に無機材料からなるコア微粒子を内包したコア微粒子−タンパク質複合体の複数個を基体上面に配置する工程(a)、前記タンパク質を除去する工程(b)、前記基体上面からイオン注入を行う工程(c)、前記イオン注入により注入されるイオンを原料とするナノ粒子をイオン注入により前記基体内部に形成する工程(d)、を有するナノ粒子分散複合材料の製造方法。
【選択図】 図20
Description
本発明は、基体中にナノ粒子を有するナノ粒子分散複合材料の製造方法に関する。
近年、ナノ粒子が基体表面または基板中に形成されたナノ粒子分散複合材料が、半導体量子ドット材料、金属ナノ粒子分散複合材料等としてマテリアルサイエンスの分野で大きな注目を集めている。
半導体量子ドット材料は、半導体単結晶かなる半導体量子ドットが別の半導体単結晶からなる基板に形成された構造である。このような構造をもつ材料では従来の3次元的なバルク状半導体には期待できないさまざまな物性や機能が現れてくることが予想されている。
金属ナノ粒子分散複合材料において、分散された金属ナノ粒子が特異な電子的性質を示し、また金属ナノ粒子の光物性、磁性、伝導現象は相互作用することから、このような多様な性質を利用して付加価値の高い材料機能の発現が期待されている。
今後、所望のナノ粒子分散複合材料を製造できるか否かが、ナノ粒子分散複合材料の発展の鍵となる。下記に、従来から知られているナノ粒子分散複合材料の製造方法を示す。
図21は、株式会社富士通研より平成14年7月29日に新聞発表され、第26回半導体物理国際会議(ICPS2002)にても発表された最先端の半導体量子ドット材料の製造方法の最初の工程を模式的に示す上面斜視図である。まず、図21に示すように、GaAs基板51上に原子間力顕微鏡(AFM)の探針52を接近させて電圧印加する。かかる電圧印加により、大気中に含まれる水分が探針52により形成された局所電界によってH+とOH−に分解し、OH−が基板51の探針52の直下部分をドット状に酸化する。そして、基板51上にドット状の酸化物53が形成される。ドット状の酸化物53の直径は、酸化時間すなわち電圧印加時間によって制御可能である。
図22は、上記製造方法における、図21につづく工程を模式的に示す断面図である。図22(a)に示すように、ドット状の酸化物53をエッチング等によって除去し(St10)、(b)に示すように基板51の表面に凹部54を形成する。次に、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)のStranski-Krastanovモード(S−Kモード)と呼ばれる成長制御により、(c)に示すように、凹部54にのみGaAs量子ドット55を自己形成させる(St11)。この方法によると、最小直径20nmの半導体量子ドットが、数10nmの間隔で配置された半導体量子ドットの製造が可能であると報告されている。
非特許文献1には、走査型トンネル顕微鏡(STM)の探針を用いたGaAs基板上のリソグラフィとMBE法を用いたInAsの自己組織化成長により、直径30nmの半導体量子ドットが45nm間隔で配置された半導体量子ドット材料の製造が可能であることが報告されている。
非特許文献2には、同時高周波スパッタリング法と熱処理により、固体マトリクス薄膜(SiO2、GeO2、Al2O3等)中に、ゲスト物質として直径2.5〜9nmの半導体ナノ結晶(Si、Ge、SiGe等)が形成されることが報告されている。
特許文献1には、金属ナノ粒子が内包されたタンパク質を基板上に配置した後、タンパク質を焼失することにより、金属ナノ粒子のみが基板上に配置された量子素子が形成されることが記載されている。
また、イオン注入により基板内部にナノ粒子を形成させる技術が知られている。かかる技術は、例えば、基板表面において、イオン注入を施したい領域のみを開口して残りをマスクし、基板表面に加速されたイオンを注入する。マスク形成には、通常フォトリソグラフィーの技術が用いられる。
S.Kohmoto, et al., Appl. Phys. Lett., 75, (1999) 3488-3490 S.Takeoka, et al., Phys. Rev. B, 62, (2000) 16820-16825. 特開平11−45990号公報
S.Kohmoto, et al., Appl. Phys. Lett., 75, (1999) 3488-3490 S.Takeoka, et al., Phys. Rev. B, 62, (2000) 16820-16825.
図21、図22に記載の製造方法においては、得られる半導体量子ドットの直径は最小でも20nmである。これらのドット製造プロセスでは、半導体量子ドットの粒径・ピッチ等は探針の精密制御に依存しているので、10nm以下の粒径の半導体量子ドットを得ることや、10nm以下のピッチで配列された半導体量子ドットを得ることは困難である。また、100nm四方での作製しかできないので、スループットが極めて低い制約があった。また、S−Kモード成長によるドット形状は、ピラミッド型やドーム型であり、底辺に比べて高さは低く、アスペクト比は高々5分の1程度しか得られないという問題があった。
非特許文献1に記載の方法によると、ナノ構造の形成には限界があり、例えば直径10nm以下というような半導体量子ドットが、例えば10nm以下という間隔で配列された半導体量子ドット材料を得ることができなかった。
非特許文献2に記載の方法によると、ナノ粒子の粒径は9.0nm±1.8nmと報告されているが、かかる方法において、濃度,熱処理温度,時間による制御では本質的に素子設計通りに粒径と配置を制御・作製することは困難であった。
特許文献1に記載の方法では、基板内にナノ粒子を有するナノ粒子分散複合材料の製造が困難であった。
また、イオン注入による方法においては、フォトリソグラフィーによりマスクを形成するのが一般的であるが、ナノ構造の形成には限界があり、例えば直径10nm以下というようなナノ粒子が、例えば10nm以下という間隔で配列された半導体量子ドットを得ることができなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ナノ粒子分散複合材料において、ナノ粒子の粒径と三次元的な配置を制御可能なナノ粒子分散複合材料の製造方法を提供することを目的とする。特に、ナノ粒子の粒径が10nm以下であり、各ナノ粒子の間隔が10nm以下であっても製造可能な、ナノ粒子分散複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のナノ粒子分散複合材料の製造方法は、タンパク質の内部に無機材料からなるコア微粒子を内包したコア微粒子−タンパク質複合体の複数個を基体上面に配置する工程(a)、前記タンパク質を除去する工程(b)、前記基体上面からイオン注入を行う工程(c)、前記イオン注入により注入されるイオンを原料とするナノ粒子を熱処理により前記基体内部に形成する工程(d)、を有する。
前記工程(b)において、好ましくは、熱処理により前記タンパク質を除去する。
前記タンパク質としてアポフェリチンを用いることができる。そして、アポフェリチン内に鉄を含むコア微粒子が内包された前記複合体を用いることができる。
前記ナノ粒子は、好ましくは、半導体、化合物半導体、又は金属のいずれかである。
前記ナノ粒子は、好ましくは、GaAs、CdS、又はCuのいずれかである。
前記工程(c)において、好ましくは5kV以上、さらに好ましくは10kV以上の加速電圧でイオン注入を行う。
前記工程(c)において、好ましくは注入イオンの横方向の平均飛程が、前記コア微粒子の中心間距離以下であり、さらに好ましくはその1/2倍以下とする。
前記工程(b)において、好ましくは、2nm以上50nm以下の範囲内のほぼ同一値の直径を有するコア微粒子が、その中心間距離が4nm以上70nm以下の範囲内で規則正しく配置されるようにする。
前記基体の前記ナノ粒子が形成される層は、例えばSiO2またはAl2O3からなる。
前記工程(c)において、好ましくは、注入イオンのドーズ量が1×1015/cm2以上1×1017/cm2以下の範囲となるようにする。
本発明の方法によると、基体内に形成されるナノ粒子の3次元的位置を高精度に制御することができるので、規則正しくナノ粒子が形成されたナノ粒子分散複合材料を提供することができる。さらに、ナノ粒子の粒子径も高精度に制御することができ、例えば10nm以下のナノ粒子を形成することも可能である。
以下、図面を用いて本実施形態のナノ粒子分散複合材料の製造方法を説明する。図20は、本実施形態のナノ粒子分散複合材料の製造方法を示すブロック図である。図20に示すように、本実施形態のナノ粒子分散複合材料の製造方法は、タンパク質の内部に無機材料からなるコア微粒子を内包したコア微粒子−タンパク質複合体の複数個を基板上面に配置する工程(St1)、前記タンパク質を除去する工程(St2)、前記基板上面からイオン注入を行う工程(St3)、前記イオン注入により注入されるイオンを原料とするナノ粒子を前記基板内部に形成する工程(St4)、を有する。
図1は、本実施形態のSt1、St2を模式的に示す断面図である。まず、図1(a)に示すように、コア微粒子−タンパク質複合体(以下、単に複合体ともいう)150を基板130上面に配置する(工程(a))。次に、複合体150を構成するタンパク質140を除去してコア微粒子104のみを残存させることによって(工程(b))、図1(b)に示すように、基板130上面にコア微粒子104を配置する。
ここで、図1(a)に示す工程の具体的な方法について、図2を参照して説明する。図2は、基板130の表面に複合体150を配置する方法を模式的に示す断面図((a)〜(d))及び上面斜視図((e))である。まず、図2(a)に示すように、複合体150を分散した液体160を用意する。本実施形態では、液体160として、20mMのNaCl溶液と20mMのMES緩衝溶液との混合液(pH5.8)に複合体150を分散した液体を用いる。なお、MESとは2−モルホリノエタンスルホン酸を意味する。
つづいて、図2(b)に示すように、PBLH(Poly−1−Benzil−L−Histidine)を注射器180などで静かに液体160の表面に展開する。このことによって、液体160の表面にPBLHからなるポリペプチド膜170が形成される。この後、液体160のpHを調整しておく。
時間の経過に伴って、図2(c)に示すように、複合体150がポリペプチド膜170に付着する。これは、ポリペプチド膜170が正電荷を帯びているのに対し、複合体150は負電荷を帯びているからである。
次に、図2(d)に示すように、ポリペプチド膜170上に基板130を載置して(浮かべて)、ポリペプチド膜170を基板130に付着させる。
次に、図2(e)に示すように、基板130を取り出せば、ポリペプチド膜170を介して、複合体150が2次元状に付着した基板130を得ることができる。
次に、図1(b)に示す工程をさらに詳細に説明する。タンパク質は一般に熱に弱いため、複合体150のうちのタンパク質140の除去は、熱処理によって行なう。例えば、窒素等の不活性ガス中において、400〜500℃にて、約1時間静置すると、タンパク質140およびポリペプチド膜170が焼失し、基板130上にはコア微粒子104が2次元状に、高密度で、且つ高精度で規則正しく配置される。
なお、複合体150を基板上に配置する方法は、上記で説明した方法には限定されず、他の公知の方法を適用することも可能である。
図3は、図1に示す工程に続く工程を模式的に示す断面図である。図3に示すように、コア微粒子104が上面に配置された基板130の上面からイオン注入を行い(工程(c))、その後基板130を熱処理する。熱処理により、前記イオン注入により注入されたイオンを原料とするナノ粒子190が前記基板130内部に形成される(工程(d))。このようにして、ナノ粒子分散複合材料が形成される。図3においては、最上層がSiO2層131であるSi基板130上面から、Ga+イオンとAs+イオンが注入され、GaAs結晶からなるナノ粒子190がSiO2層131内に形成される場合を示す。
イオン注入とは、原子あるいは分子をイオン化し、数kV〜 数MV(106V) で加速し試料表面に打ち込み添加する技術である。イオン注入を行うと、基板表面近くの基板内部にイオンが注入され、熱処理により注入されたイオンを原料とする粒子が形成される。
イオン注入においては、注入するイオンの加速電圧によって、ナノ粒子190が形成される深さを制御することができる。また、本実施形態ではイオン注入面にコア微粒子104が配置されているので、かかる配置により形成されるナノ粒子190の2次元分布を制御することができる。その理由は、下記の実施例3にて考察する。さらに、イオン注入におけるドーズ量及びコア微粒子104の粒径及び配置によって、ナノ粒子190の粒子径を制御することができる。または、イオン及び基板の種類によって、相互作用が異なるので、かかる相互作用の違いを利用してナノ粒子190の粒子径を制御することもできる。したがって、本実施形態の方法によると、ナノ粒子分散複合材料中のナノ粒子190の3次元分布及び粒子径を制御することができる。本実施形態において、イオン注入には、公知のイオン注入装置を用いる。
本実施形態では、コア微粒子−タンパク質複合体150としてフェリチンを用いる。フェリチンは、鉄または鉄化合物からなるコア微粒子とアポフェリチンとの複合体である。図4は、アポフェリチンの構造を示す模式図である。図4に示すように、アポフェリチン1は、1本のポリペプチド鎖から形成されるモノマーサブユニットが非共有結合により24個集合した分子量約46万の球状タンパク質であり、その直径は約12nmである。アポフェリチン1の中心には直径約7nmの空洞状の保持部4があり、外部と保持部4とはチャネル3を介してつながっている。例えば、アポフェリチン1に2価の鉄イオンが取り込まれる際、鉄イオンはチャネル3から入り、一部のサブユニット内にあるferrooxidase center(鉄酸化活性中心)と呼ばれる場所で酸化された後、保持部4に到達し、保持部4の内表面の負電荷領域で濃縮される。そして、鉄原子は3000〜4000個集合し、フェリハイドライト(5Fe2O3・9H2O )結晶の形で保持部4に保持される。保持部4に保持された金属原子を含むコア微粒子の粒径は、保持部4の直径とほぼ等しく、約7nmとなっている。尚、アポフェリチン1の保持部4内に形成されるコア微粒子は真球ではなく、若干ひずんだ形状であり、計測する部位によって粒径は約6〜7nmの範囲内にある。
本実施形態では複合体としてフェリチンを用いるので、上記工程により直径約7nmのコア微粒子104がその中心間距離が約12nmとなるように基板130上面に配列される。
本実施形態ではタンパク質としてアポフェリチンを用いたが、アポフェリチンの代わりにDpsタンパク質(直径9nmであり、内部に直径4nmの保持部を有する球殻状タンパク質)を用いれば、粒径が4nmのコア微粒子を作製することができる。したがって、直径4nmのコア微粒子を基板上に配置することができる。さらに、アポフェリチンの代わりにCCMVおよびTMV等のウイルスタンパク質、リステリアフェリチンなどを用いても、それぞれのタンパク質が有する内部の保持部の形状に応じたコア微粒子を作製することができる、作製されたコア微粒子を基板上に配置することができる。タンパク質の保持部の形状は限定されることはなく、例えば、タバコモザイクウイルス等の筒状タンパクを用いることもできる。また、タンパク質に内包されるコア微粒子は、無機材料からなるものであれば、特に限定されない。
なお、2nm以上50nm以下の範囲内のほぼ同一値の直径を有するコア微粒子が、その中心間距離が4nm以上70nm以下の範囲内で規則正しく配置されることが望ましい。この配置により、直径2nm以上50nm以下のナノ粒子であって、その中心間距離が4nm以上70nm以下であるナノ粒子分散複合材料を製造することができるからである。このようなナノ粒子分散複合材料は、その量子効果等により、さまざまな用途に利用可能であるからである。
また、本実施形態では、イオン注入において、Si、Ge等の原子のイオンを用いることにより半導体ナノ粒子を形成することができ、Ga、As、Cd、S、Zn、Se等の原子のイオンを用いることによりGaAs、CdS、CdSe、ZnS等の化合物半導体ナノ粒子を形成することができ、またCu、W、Sn、Au等の金属原子のイオンを用いることにより金属ナノ粒子を形成することができる。
<実施例1>
本実施例は、上記実施形態に対応する実施例であり、Si基板130の表面に形成されたSiO2層131に、複数のGaAsナノ粒子190が形成されたナノ粒子分散複合材料の製造方法に関する。
本実施例は、上記実施形態に対応する実施例であり、Si基板130の表面に形成されたSiO2層131に、複数のGaAsナノ粒子190が形成されたナノ粒子分散複合材料の製造方法に関する。
まず、表面にSiO2層131を有するSi基板130を用意した。かかるSi基板のSiO2層131の厚みは100nmであった。SiO2層131の厚みは、内部にナノ粒子190を形成可能な厚さであれば特に限定されないが、例えば、10nm以上100nm以下であるSi基板130を用いることができる。
前記Si基板130のSiO2層131の表面に、フェリチン150を2次元的に配置した。
(アポフェリチンの精製)
ウマ脾臓フェリチン(Sigma)から、24量体だけ精製した。具体的には、0.5mM EDTA、10mM Tris(pH8.5)を用いて、4℃で一昼夜、透析した。その後、10mM TrisHCl(pH8.5)、150mM NaClで十分平衡化したG4000SWXL PEEKカラム(TOSOH)を用いて、24量体だけを分取した。フェリチンは、さらに、1wt%チオグリコール酸、0.1M 酢酸バッファー(pH5.6)を用いて4℃で3時間透析後、0.1M 酢酸バッファー(pH5.6)を用いて4℃で4時間透析して、アポフェリチン化し、50mM TrisHCl(pH8.5)で透析した。最終的に150mM NaClバッファー中にアポフェリチンが溶解された溶液を得た。
ウマ脾臓フェリチン(Sigma)から、24量体だけ精製した。具体的には、0.5mM EDTA、10mM Tris(pH8.5)を用いて、4℃で一昼夜、透析した。その後、10mM TrisHCl(pH8.5)、150mM NaClで十分平衡化したG4000SWXL PEEKカラム(TOSOH)を用いて、24量体だけを分取した。フェリチンは、さらに、1wt%チオグリコール酸、0.1M 酢酸バッファー(pH5.6)を用いて4℃で3時間透析後、0.1M 酢酸バッファー(pH5.6)を用いて4℃で4時間透析して、アポフェリチン化し、50mM TrisHCl(pH8.5)で透析した。最終的に150mM NaClバッファー中にアポフェリチンが溶解された溶液を得た。
(鉄イオンの内包化)
100μM硫酸鉄溶液に、アポフェリチンを終濃度0.1μMの濃度になるように溶解した溶液を加えた。溶液のpHを7.0〜7.5に調整して、室温で60分間反応させた後、遠心分離により回収した。このようにして、内部の空洞部に鉄からなるコア微粒子104を有する鉄−アポフェリチン複合体150を含有する溶液を得た。
100μM硫酸鉄溶液に、アポフェリチンを終濃度0.1μMの濃度になるように溶解した溶液を加えた。溶液のpHを7.0〜7.5に調整して、室温で60分間反応させた後、遠心分離により回収した。このようにして、内部の空洞部に鉄からなるコア微粒子104を有する鉄−アポフェリチン複合体150を含有する溶液を得た。
複合体150内の鉄コア微粒子104の直径は7nm程度であり、複合体の外径は12nm程度であった。
(基板表面への配列および固定)
上記実施形態で説明した手順で、Si基板130のSiO2層131表面にコア微粒子104を固定した。まず、図2に示す手順で前記複合体150を基板130上に固定した後、窒素ガス雰囲気下で、400〜500℃の温度下で約1時間、放置した。これにより、図1(b)に示すように、アポフェリチン140が消失し、内部の鉄粒子104がSiO2層131上に残った。このようにして、SiO2層131上に複数個の鉄粒子104を形成した。図1、図2に示す手順は、上記実施形態で詳述したので、詳細な説明は省略する。
上記実施形態で説明した手順で、Si基板130のSiO2層131表面にコア微粒子104を固定した。まず、図2に示す手順で前記複合体150を基板130上に固定した後、窒素ガス雰囲気下で、400〜500℃の温度下で約1時間、放置した。これにより、図1(b)に示すように、アポフェリチン140が消失し、内部の鉄粒子104がSiO2層131上に残った。このようにして、SiO2層131上に複数個の鉄粒子104を形成した。図1、図2に示す手順は、上記実施形態で詳述したので、詳細な説明は省略する。
(イオン注入)
次に、図3に示すように、SiO2層131に対し、加速電圧が10〜80kV、より好ましくは10〜50kV、Ga+のドーズ量が1×1015〜1×1016/cm2、As+のドーズ量が1×1015〜1×1016/cm2の条件でイオン注入した。
次に、図3に示すように、SiO2層131に対し、加速電圧が10〜80kV、より好ましくは10〜50kV、Ga+のドーズ量が1×1015〜1×1016/cm2、As+のドーズ量が1×1015〜1×1016/cm2の条件でイオン注入した。
(アニール)
次に、真空中雰囲気(または数%H2混入Arガス雰囲気中)で、アニール温度を900℃(800℃以上1000℃以下であればよい)、処理時間を60分(30分以上60分以下であればよい)としてSi基板130を電気炉に入れてアニールした。
次に、真空中雰囲気(または数%H2混入Arガス雰囲気中)で、アニール温度を900℃(800℃以上1000℃以下であればよい)、処理時間を60分(30分以上60分以下であればよい)としてSi基板130を電気炉に入れてアニールした。
このようにして、SiO2層131内にGaAs結晶からなるナノ粒子190が形成され、ナノ粒子分散複合材料を得た。
<実施例2>
実施例2では、最上層がAl2O3層131からなる基板130を用意した。Al2O3層131の代わりに、α-Al2O3単結晶から層131が形成されている基板を用いても本実施例と同様にナノ粒子分散複合材料を作製することができる。
実施例2では、最上層がAl2O3層131からなる基板130を用意した。Al2O3層131の代わりに、α-Al2O3単結晶から層131が形成されている基板を用いても本実施例と同様にナノ粒子分散複合材料を作製することができる。
まず、実施例1と同様に、Al2O3層131上に複数個のコア微粒子104を形成した。
次に、図3に示すように、Al2O3層131に対し、Cd+に対する加速電圧が20〜600kV、S+に対する加速電圧が10〜200kV、Cd+のドーズ量が1×1015〜1×1016/cm2、As+のドーズ量が1×1015〜1×1016/cm2の条件でイオン注入した。なお、加速電圧については、S+の加速電圧に対して、Cd+の加速電圧が約2.0〜3.0倍または2.5〜3.0倍高電圧にすることが望ましい。理由は実施例3で述べる。
次に、Ar+4%H2ガス雰囲気で、アニール温度を900℃(800℃以上1000℃以下であればよい)、処理時間を60分(30分以上90分以下であればよい)として基板を電気炉に入れてアニールした。
このようにして、Al2O3層131内にCdS結晶からなるナノ粒子190が形成され、ナノ粒子分散複合材料を得た。
<実施例3>
本実施例では、上記実施形態に記載の方法によるイオン注入のプロファイル計算を行った。計算には、モンテカルロ法による散乱計算を使用した。
本実施例では、上記実施形態に記載の方法によるイオン注入のプロファイル計算を行った。計算には、モンテカルロ法による散乱計算を使用した。
図5、図6は、本実施例で対象とする、コア微粒子104が配置された基板を示す。図5は基板上のコア微粒子104の配置状態を示す上面図である。図6は、図5の切断線Aでの断面図(a)及び断面位置に対する原子分布のピーク濃度のグラフの形状(b)を示す。尚、本実施例においては、最上層にSiO2からなる絶縁層131が形成され、絶縁層131の上面に直径7nmのコア微粒子104が、コア微粒子104の中心間距離が12nmとなるように配置されている基板を対象とする。図7においては、基板の絶縁層131より下方は省略する。図6に示すように、基板の絶縁層131上方からイオン注入を行うと、コア微粒子104の無い領域で直接絶縁層131に注入されたイオンは、分布Cを形成する。一方、コア微粒子104の中央部に注入されたイオンは分布Dを形成する。
図7は、絶縁層131にGa+イオンを加速電圧20kV、ドーズ量1×1016 /cm2で注入した際の分布Cと分布Dの計算結果を示す。いずれも、横方向のイオンの平均飛程(Rr =Σi (yi2+ zi2)1/2 / N : yi 、 ziはi番目の原子の注入点から見た横方向座標、Nは原子の総数)は6nmであり、分布Cと分布Dの深さ方向の平均飛程(Rp =Σi xi / N : xiはi番目の原子の深さ方向座標)はそれぞれ20nmと10nmである。なお、コア微粒子104の中央部に注入した場合も、一部のイオンはコア微粒子104中で停止するが、コア微粒子104の粒径が小さいため、多くのイオンが貫通して絶縁層131に達している。
実際には、コア微粒子104を介した注入でも、コア微粒子104の中心から離れた各位置での注入時には、イオンがコア微粒子104を通過する際の距離が異なる。したがって、図6(a)の点線Fに示すように、分布Cと分布Dの間で、コア微粒子104通過距離に応じた、各深さ領域に原子分布を形成する。また注入イオンは縦方向だけでなく、横方向にも拡散するので、絶縁層131中の各位置の原子濃度は、その周辺領域に注入されたイオンが形成する原子分布の総和となる。特に、各位置からみた横方向距離がRr(この場合は6nm)以下の範囲内の注入イオンの分布の影響が大きくなる。
ここで、コア微粒子の半径は3.5nmであり、Rrより小さいので、コア微粒子104直下の原子濃度分布は、コア微粒子104中心を通るイオンだけでなく、その周辺領域やコア微粒子104の無い領域に注入されたイオンの影響を受ける。これらの分布が重なってできる原子分布は、図7の分布Eに示すように平均化されて広がったものとなり、そのピーク位置での原子濃度は、元の分布に比較して低くなる。同様に、上方から見てコア微粒子104の無い領域においても、コア微粒子104に近づくにつれ、コア微粒子104を経て注入されるイオンの分布の影響が大きくなるので、分布の広がりとピーク濃度の減少が起きる。また実際には、コア微粒子104の中心から離れた位置への注入時には、斜め入射やチャージアップによる散乱や反射(図6(a)参照)が起こり、これらはいずれも注入プロファイルを広げる方向に働く。
結果として、絶縁層131内部の原子分布プロファイルがコア微粒子104の2次元配列に対応したパターンで変調される。つまり、各領域の深さ方向で積算した総原子数はほとんど変化しないにもかかわらず、そのピーク濃度は、図6(b)に示されるようにコア微粒子104の下部で低く、コア微粒子104の間の領域で高くなるよう変調される。
図5において、位置Bでは、どのコア微粒子104中心からも6nm以上離れているので、原子分布は図6(a)の分布Cに近いものとなり、ピーク濃度が最も高くなる。
続いて Ga +イオンと同じ条件でAs+イオンを注入すると、As原子についても同様に変調された原子分布が得られる。さらに900℃、60分の熱処理をすると、GaおよびAsの原子濃度が高い領域(図5の位置B)でGaAsの結晶化が始まり、周囲の注入イオンが拡散・吸収されることで成長する。結果として、粒径が約2nm以上10nm以下のGaAsナノ粒子が得られる。
通常のイオン注入・熱処理によるナノ粒子作製では、基板内の原子濃度の微小な揺らぎが熱力学的な不安定性により増幅されて核形成(相分離)が始まる。従って、ナノ粒子の位置を制御することはできず、その大きさのばらつきも大きくなる。
これに対し、本発明では、フェリチン等、空洞部を有するタンパク質と前記空洞部に内包されたコア微粒子104とからなる複合体150を用いることで、基板130表面に規則的にコア微粒子104を2次元配置できる。このコア微粒子104を用いることで、あらかじめ2次元的に原子の原子分布を変調し、ピーク濃度の高い位置(図5における位置B)で核生成させることができる。この効果により、生成するナノ粒子の二次元位置を制御できる。さらに規則的に核が並ぶことにより、ナノ粒子の成長時に供給される原子の量が均一になり、生成するナノ粒子の粒径が均一化する効果もある。
さらに、イオン注入する際の加速電圧により、生成されるナノ粒子の深さを制御することができる。図8〜図10は、それぞれGa+イオンをドーズ量1×1016/cm2、それぞれ5kV、20kV、100kVで加速して注入する際の分布Cおよび分布Dの計算結果を示す。図8〜図10の計算結果からもわかるように、イオンを注入する際の加速電圧を低くすると、絶縁層131中に生成させるナノ粒子190の深さを浅くできる。また、イオン注入する際の加速電圧を低くすると、横方向飛程が短くなるので、より急峻なピーク濃度変化が可能となり、より小径で高密度のナノ粒子190を生成することができる。
ただし、加速電圧が5kV未満の場合、再蒸発等や表面電荷により注入効率が低下したり、熱処理後に内部の生成ナノ粒子190に損傷を与えずに表面のコア微粒子104を除去することが困難になる。
また、加速電圧が10kV未満の場合、イオン注入装置におけるイオンの取り出し効率が低下するため、絶縁層131内部にナノ粒子190を析出させるのに十分なドーズ量を確保することが困難となる。
したがって、加速電圧は5kV以上であることが好ましく、さらに10kV以上であることがより好ましい。
尚、注入するイオンの種類及び注入する基板の材質によって、加速電圧に対する注入深度は異なるが、上述の理由は、いずれの条件においても当てはまるので、イオンの種類及び注入する基板の材質を問わず、加速電圧は5kV以上であることが好ましく、さらに10kV以上であることがより好ましい。
一方、イオン注入する際の加速電圧を高くすると、図8〜図10の計算結果からもわかるように、絶縁層131中に析出させるナノ粒子190の深さを深くできる。しかし、横方向飛程が長くなり、イオン注入時の深さ方向分布がブロードになる。例えば、100kVで加速したGa+イオンを注入する際の図10に示す分布Cおよび分布DのRpはそれぞれ約75nmと約64nmである。元の原子分布がブロードであることから、この間で平均化されることによるピーク濃度の低減は少ない。また、分布C、分布DともにRrは22nmであるが、これはコア微粒子104の中心間の距離である12nmに比較して十分大きい。この結果、絶縁層131表面のコア微粒子104による影響は、絶縁層131内部では平均化されてしまい、ピーク濃度の変調率を小さくする。したがって、規則正しくピーク濃度の高い位置で核生成しない可能性がある。
上記理由により、注入イオンのRrはコア微粒子104の中心間の距離の少なくとも2倍以内であることが望ましい。この範囲では、縦方向の原子分布の広がりも抑制される。なお、Rrの値は、注入イオンの原子種と絶縁層の材質がわかれば、加速電圧から計算可能である。計算方法としては、各種のシミュレーションソフトや公開されたコードを利用ことができる。例えば、一般的なモンテカルロ法を用いて計算したGa+イオンのSiO2層中への注入時の加速電圧と原子分布の関係を表1に示す。
[表1]
加速電圧(kV) : 5 10 20 50 80 100
Rp (nm) : 8 13 20 41 61 75
Rr (nm) : 3 4 6 12 18 22
加速電圧(kV) : 5 10 20 50 80 100
Rp (nm) : 8 13 20 41 61 75
Rr (nm) : 3 4 6 12 18 22
直径12nmの馬脾臓フェリチンを用いてコア微粒子を配置させた場合、コア微粒子の中心間の距離は12nmとなる。SiO2中へのGa+イオン注入において、上記した注入イオンのRrは少なくともコア微粒子104の中心間の距離以内という条件を満たす加速電圧の範囲は50kV以下である。高いピーク濃度変化が得られるので、Rrがコア微粒子104の中心間距離の1/2倍以内であることがさらに好ましい。上記Ga+イオン注入において、この条件を満たす加速電圧の範囲は20kV以下である。
注入イオンのドーズ量は、1×1015/cm2 以上1×1017/cm2以下の範囲であることにより、熱処理により粒径が約2nm以上20nm以下のナノ粒子を析出させることができるので好ましい。さらにドーズ量は、1×1015 /cm2以上1×1016 /cm2以下の範囲であることにより、粒径が約2nm以上10nm以下の微小なナノ粒子を析出させることができるので、量子効果素子等への応用に適する。
図11は、S+イオンをAl2O3層中にドーズ量1×1016/cm2、加速電圧を15kVで注入した際の分布Cと、S+注入後にCd+イオンをドーズ量1×1016/cm2、加速電圧15kVおよび40kVで注入した際の分布Cの計算結果を示す。S+イオンに比較して、Cd+イオンの質量および散乱断面積が大きいため、同一の加速電圧で注入すると、原子の分布形状が大きく異なってしまう。このため熱処理時に制御された位置での化合物粒子形成が困難となる。両者の分布が異なることにより、単体での析出や分相が生じたり、粒子組成が化学量論比からずれて所望の特性が得られなくなることもある。原子分布を完全に一致させることは困難であるが、本実施例では、Cd+の加速電圧をS+の加速電圧の約2.7倍にすることで原子分布の形状を大幅に接近させることができる。なお、Cd+の加速電圧はS+の加速電圧の約2.0倍以上3.0倍の範囲内であることが好ましい。
図12は、S+イオンをAl2O3層中にドーズ量1×1016/cm2、加速電圧15kVで注入する際の分布Cおよび分布Dの計算結果を示す。また、図13は、Cd+イオンをAl2O3層中にドーズ量1×1016/cm2、加速電圧15kVで注入する際の分布Cおよび分布Dの計算結果を示す。図11、図12、図13からわかるように、S+イオンの加速電圧を15kV、Cd+イオンの加速電圧を40kVとすることにより、原子濃度のピークの深さをそろえることができるので、後の工程においてCdS結晶からなるナノ粒子を形成することができる。
図14〜図16は、Cu+イオンをSiO2層中にドーズ量1×1016/cm2、それぞれ加速電圧5kV、10kV、50kVで注入する際の分布Cおよび分布Dの計算結果を示す。分布Dは、直径が7nmのコア微粒子104の中心を通る(すなわちコア微粒子104の通過距離が7nmである)イオンの計算結果である。図15においては、分布C、分布Dとともに、コア微粒子104の通過距離が5nmであるイオンの分布を分布Gとして示す。上記した理由から、Cu+イオン加速電圧は5kV以上であることが好ましく、さらに10kV以上であることがより好ましい。また、Rrがコア微粒子104の中心間距離以内となる45kV以下であることが好ましく、さらにRrがコア微粒子の中心間距離の1/2以内となる15kV以下であることが好ましい。
(実施例3に基づく考察)
実施例3の結果に基づき、図17〜図19に、基板上のコア微粒子の配置によって形成されるナノ粒子の2次元分布及び形状を仮想的に示す。図17は、コア微粒子104がない場合である。この場合、ナノ粒子190の2次元分布及び形状はばらつきが大きいものとなる。注入されたイオンの2次元濃度分布が制御されないので、ばらつきが大きくなると予想される。図18は、コア微粒子104の配置が規則性を持たないアモルファス配置である場合を示す。この場合、ナノ粒子の2次元分布にばらつきはあるものの、ナノ粒子の大きさは、図17に示す場合と比較してばらつきが小さくなると予想される。図19は、コア微粒子104の配置が規則性を持つ配置である場合を示す。この場合、ナノ粒子190の2次元形成位置が制御されるので、ナノ粒子190の2次元分布、及び大きさはばらつきの小さいものになると考えられる。以上のように、本発明によると、複合体150を用いることにより、コア微粒子104の2次元配置を制御することができるので、形成されるナノ粒子の2次元分布及び粒径を高精度に制御することができる。
実施例3の結果に基づき、図17〜図19に、基板上のコア微粒子の配置によって形成されるナノ粒子の2次元分布及び形状を仮想的に示す。図17は、コア微粒子104がない場合である。この場合、ナノ粒子190の2次元分布及び形状はばらつきが大きいものとなる。注入されたイオンの2次元濃度分布が制御されないので、ばらつきが大きくなると予想される。図18は、コア微粒子104の配置が規則性を持たないアモルファス配置である場合を示す。この場合、ナノ粒子の2次元分布にばらつきはあるものの、ナノ粒子の大きさは、図17に示す場合と比較してばらつきが小さくなると予想される。図19は、コア微粒子104の配置が規則性を持つ配置である場合を示す。この場合、ナノ粒子190の2次元形成位置が制御されるので、ナノ粒子190の2次元分布、及び大きさはばらつきの小さいものになると考えられる。以上のように、本発明によると、複合体150を用いることにより、コア微粒子104の2次元配置を制御することができるので、形成されるナノ粒子の2次元分布及び粒径を高精度に制御することができる。
本発明により製造されるナノ粒子分散複合材料は、量子ドットコンピュータや量子ドットメモリなど情報通信素子として有用である。また、量子ドットレーザ、生体内での識別バーコードへの応用に有用である。
1 アポフェリチン
3 チャンネル
4 保持部
104 コア微粒子
130 基板
131 絶縁層
140 タンパク質
150 コア微粒子−タンパク質複合体
160 液体
170 ポリペプチド膜
190 ナノ粒子
3 チャンネル
4 保持部
104 コア微粒子
130 基板
131 絶縁層
140 タンパク質
150 コア微粒子−タンパク質複合体
160 液体
170 ポリペプチド膜
190 ナノ粒子
Claims (12)
- タンパク質の内部に無機材料からなるコア微粒子を内包したコア微粒子−タンパク質複合体の複数個を基体上面に配置する工程(a)、
前記タンパク質を除去する工程(b)、
前記基体上面からイオン注入を行う工程(c)、
前記イオン注入により注入されるイオンを原料とするナノ粒子を熱処理により前記基体内部に形成する工程(d)、
を有するナノ粒子分散複合材料の製造方法。 - 前記工程(b)において、熱処理により前記タンパク質を除去する、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記タンパク質はアポフェリチンであり、前記コア微粒子は鉄を含む、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記ナノ粒子は、半導体、化合物半導体、又は金属のいずれかである、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記ナノ粒子は、GaAs、CdS、又はCuのいずれかである、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記工程(c)において、5kV以上の加速電圧でイオン注入を行う、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記工程(c)において、10kV以上の加速電圧でイオン注入を行う、請求項6に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記工程(c)において、注入イオンの横方向の平均飛程が、前記コア微粒子の中心間距離以下である、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記工程(c)において、注入イオンの横方向の平均飛程が、前記コア微粒子の中心間距離の1/2倍以下である、請求項8に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記工程(b)において、2nm以上50nm以下の範囲内のほぼ同一値の直径を有するコア微粒子が、その中心間距離が4nm以上70nm以下の範囲内で規則正しく配置される、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記基体の前記ナノ粒子が形成される層がSiO2またはAl2O3からなる、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
- 前記工程(c)において、注入イオンのドーズ量が1×1015/cm2以上1×1017/cm2以下の範囲である、請求項1に記載のナノ粒子分散複合材料の製造方法。
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WO2017057237A1 (ja) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | セントラル硝子株式会社 | 熱電変換材料及びその製造方法 |
JP2017170610A (ja) * | 2016-03-17 | 2017-09-28 | 味の素株式会社 | 複合体ナノ粒子及びその製造方法 |
-
2004
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JPWO2017057237A1 (ja) * | 2015-10-02 | 2018-08-30 | セントラル硝子株式会社 | 熱電変換材料及びその製造方法 |
EP3343651A4 (en) * | 2015-10-02 | 2019-01-02 | Central Glass Company, Limited | Thermoelectric conversion material and method for producing same |
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