JP2005022056A - 部品組付装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組付ヘッド5によって部品2をワーク1に組み付ける際にワーク1に加わる組付荷重を受けるワーク保持部材やワーク支持部材を、新たに必要とすることなく、ワーク1の任意の位置に部品2を組み付けることのできる部品組付ロボットを提供する。
【解決手段】 組付ヘッド5に一体的に取り付けられたチャック治具6が部品2の組付方向に移動して、部品2をワーク1に組み付ける際に、ワーク1に加わる組付荷重を、確実に第2ワーク保持部材7bで受けることができるので、新たなワーク保持部材やワーク支持部材がなくても、ワーク1が傾くことなく、ワーク1の任意の位置に部品2を精度良く組み付けることができる。また、1種類の組付ヘッド5によって、複雑形状のワーク1および多様な形状のワーク1の任意の位置への部品2の組み付けにも対応可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワークに部品を組み付けるための組付ヘッドを備えた部品組付装置に関するもので、特に略円筒状のワークの外壁面に形成された換気孔、水抜き孔、開放孔内に、ワークの中心軸線方向に対して直交する部品の組付方向の一方側またはワークの径方向外方からシール部品を圧入固定または押圧固定するための組付ヘッドを備えた部品組付ロボットに係わる。
従来より、部品の組付対象物である略円筒状のワークの軸方向端面上に、ワークの軸方向から部品を組み付けるための組付ヘッドをロボットアームの先端部に装着した部品組付ロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、図4に示したように、部品101の組付対象物であるワーク102の径方向端面(側面)に、ワーク102の径方向外方(側方)から部品を組み付けるための組付ヘッド100を備えた部品組付ロボットも知られている。
ここで、図4に示した部品組付ロボットにおいては、例えばサーボモータ等の移動装置103によって回転中心軸線を中心に回転する組付ヘッド100の治具装着部104に、部品101をワーク102の側面に組み付けることが可能な姿勢に保持するチャック部材105を備えている。なお、チャック部材105は、図示左右方向(部品101の組付方向)に移動自在(進退自在)に治具装着部104にブラケット106等を介して一体的に取り付けられており、例えばエアシリンダ等の駆動装置107によって駆動されるように構成されている。
また、組付ヘッド100の回転中心軸線上には、ワーク受け部111上に押し付けてワーク102を位置決め保持するためのワーク押え部108が設けられている。なお、ワーク押え部108は、例えばエアシリンダ等の駆動装置109によって図示上下方向(部品101の組付方向に対して略直交する方向)に駆動されるように構成されている。また、ワーク受け部111は、部品101をワーク102の側面に組み付ける際にワーク102に加わる組付荷重を受ける部分で、ワーク102を載せるワーク取付台110の図示上端部に設けられている。
特開平9−207086号公報(第1−12頁、図1−図8)
ところが、従来の部品組付ロボットの組付ヘッド100においては、部品101をワーク102の側面に組み付ける際に、チャック部材105からワーク102が受ける組付荷重によってワーク102が倒れないようにする目的で、ワーク取付台110のワーク受け部111とワーク押え部108との間でワーク102を保持もしくは支持する必要がある。これにより、チャック部材105からワーク102が受ける組付荷重を支えることができ、部品101をワーク102の側面の目標となる組付箇所に精度良く組み付けることがきる。
しかるに、1つの部品組付ロボットにおいて、ワーク102に対する部品101の組付方向が多数有る場合には、その部品101の組付方向毎に多数のワーク受け部111が必要となる。また、部品101を組み付けるワークの形状(側面形状、外形形状)が多数異なる場合には、ワークの形状に対応した複数のワーク受け部が必要となる。これにより、部品組付ロボットを採用した場合でも、ワークに部品を組み付ける際のコストを上昇させる要因となっているという問題が生じている。
ここで、1つの部品組付ロボットにおいて、ワーク102に対する部品101の組付方向が多数有る場合には、ワーク102をワーク取付台110上で回転させて一定の組付方向から部品101をワーク102の側面に組み付けることも考えられるが、ワークの形状が単純な円筒形状ではなく、複雑形状の場合には、回転時のワーク受け部とワークとの干渉を避けるために、ワーク受け部を進退自在に出し入れする必要がある。さらに、ワークの回転動作とワーク受け部の出し入れ動作とを組み合わせる必要がある。これにより、複雑な構造のワーク受け部となり、更にワークに部品を組み付ける際のコストを上昇させてしまう。
本発明は、組付ヘッドによって部品をワークに組み付ける際にワークに加わる組付荷重を受けるワーク保持部材やワーク支持部材を新たに必要とすることなく、ワークに部品を精度良く組み付けることのできる部品組付装置を提供することにある。また、1つのワークの複数の組付位置への部品の組み付けにも対応可能であり、複雑な形状のワークおよび多様な形状のワークの任意の位置への部品の組み付けにも対応可能な部品組付装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、組付ヘッドによって部品をワークに組み付ける際にワークに加わる組付荷重を、組付ヘッドに一体的に設けたワーク保持部材で受けることにより、新たなワーク保持部材やワーク支持部材が必要でなくなる。しかも、ワークを所定の姿勢で保持するワーク保持部材を、部品の組付方向に対して略直交する、ワーク保持部材の中心軸線方向に移動自在に設けることにより、1つのワークの複数の組付位置への部品の組み付けにも対応でき、また、複雑形状のワークおよび多様な形状のワークの任意の位置への部品の組み付けにも対応できるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、組付ヘッドに一体的に設けられるワーク保持部材を、ワークに対して接離自在に配設している。しかも、ワーク保持部材を、ワークに接触するワーク保持位置とワークより離脱するワーク離間位置との間を、部品の組付方向に対して略直交する、ワーク保持部材の中心軸線方向に移動可能に設けることにより、例えばワークの外壁面より外径側に突出する突起物とワーク保持部材との干渉を防止できる。これにより、請求項1に記載の発明の効果を達成できる。
請求項3に記載の発明によれば、ワーク保持部材の中心軸線方向の移動量を、ワークの形状に合わせて調節する移動量調節手段を設けたことにより、例えばワークの外壁面より外径側に突出する突起物とワーク保持部材との干渉を防止できる。これにより、請求項1に記載の発明の効果を達成できる。
請求項4に記載の発明によれば、ワークを所定の姿勢で保持するワーク保持部材を一体的に設けた組付ヘッドを、チャック部材に保持された部品をワークに対して三次元的に移動させることが可能な部品移動手段(例えばロボットハンドまたはロボットアームまたは複数の流体圧シリンダまたはモータ等)に装着することにより、チャック部材に保持された部品を、例えば円筒状のワークの半径方向の外方側(側方側)から部品の組付方向(例えばワークの中心軸線方向に対して略直交する方向)に移動させることで、部品をワークに組み付けることができる。
請求項5に記載の発明によれば、ワークを所定の姿勢で支持するワーク支持部材と、組付ヘッドに一体的に設けられており、しかも部品の組付方向に対して略直交する方向(例えばワークの中心軸線方向)からワークをワーク支持部材に押し付けるためのワーク押え部材とを備えている。そして、ワーク押え部材に、ワークを、ワーク支持部材に押し付ける方向に押圧するワーク押圧手段を設けたことにより、ワークを所定の姿勢で、ワーク支持部材とワーク押え部材との間に強固に保持することができる。しかも、組付ヘッドによって部品をワークに組み付ける際にワークに加わる組付荷重を、組付ヘッドに一体的に取り付けたワーク保持部材で受けることができるので、部品をワークに組み付ける際により大きな組付荷重がワークに加わっても、ワークが傾くことなく、また、部品の組付不良が生じることなく、部品をワークに精度良く組み付けることができる。
請求項6に記載の発明によれば、ワーク保持部材は、チャック部材との間にワークが介在するように配設された複数のワーク保持部材によって構成されている。また、請求項7に記載の発明によれば、複数のワーク保持部材のうちの少なくとも1つのワーク保持部材を、ワークの部品組付部に対して略反対側で、且つ部品の組付方向の中心軸線上に配設している。また、請求項8に記載の発明によれば、複数のワーク保持部材のうちの少なくとも2つのワーク保持部材を、ワークの部品組付部に対して略反対側で、且つ部品の組付方向の中心軸線に対して略対称的な位置に配設している。これらの請求項6ないし請求項8に記載の発明を選択的に利用し、更に、複数のワーク保持部材のうちの少なくとも1つ以上のワーク保持部材を、部品の組付方向に対して略直交する、ワーク保持部材の中心軸線方向に移動自在に動作させることにより、複雑形状のワークの任意の位置への部品の組み付けに対応できるようになる。
本発明を実施するための最良の形態は、ワークを所定の姿勢で保持するワーク保持部材を、組付ヘッドに一体的に設け、しかも部品の組付方向に対して略直交する、ワーク保持部材の中心軸線方向に移動自在に配したことを特徴とする。ワークに部品を精度良く組み付けることのできる部品組付装置を提供するという目的を、組付ヘッドによって部品をワークに組み付ける際にワークに加わる組付荷重を受けるワーク保持部材やワーク支持部材を新たに必要とすることなく実現した。
[実施例の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例を示したもので、図1は組付ヘッドを備えた部品組付ロボットの全体構成を示した図である。
本実施例の部品組付ロボットは、例えば略円筒形状のワーク1に、例えばシール部品または弁部品等の部品2を組み付けるための組付ヘッド5を備えている。なお、本実施例では、部品組付ロボットの動作をコントローラ10による数値情報による指令で制御することによって部品2が組み付けられるワーク1として、例えば略円筒形状のハウジングに回転自在に支持される回転子を備えた電動機や発電機等の回転電機(例えば自動車用スタータ等)を用いている。また、ワーク1として、電磁スイッチ等のスイッチ装置を用いても良い。そして、本実施例のワーク1の外壁面の任意の箇所には、部品2が組み付けられる部品組付部11としての水抜き孔または換気孔が形成されている。
本実施例の組付ヘッド5は、チャック治具6に保持された部品2を、ワーク1に対して三次元的に移動させることが可能な多関節型ロボットハンド3の組付ヘッド装着部4に装着されている。その多関節型ロボットハンド3は、ロボットベース19上に設置されており、予め所定の三次元的な軌跡が教示(ティーチング)されて複数軸制御が可能なロボットアーム61〜64等より構成されている。そして、多関節型ロボットハンド3は、ティーチングによりコントローラ10に記憶されたプログラムに基づいて、部品供給装置12から部品組付部13に部品2を持ってきて、ワーク1に部品2を組み付けるものである。なお、部品組付部13には、図示しないベースボード上にワーク組付台座(本発明のワーク支持部材に相当する)9が設置されている。そのワーク組付台座9には、ワーク1を所定の部品組付姿勢で保持または支持するためのワーク支持用ピン14が一体的に設けられている。
この多関節型ロボットハンド3は、ワーク1に対して部品2、組付ヘッド装着部4および組付ヘッド5を三次元的に相対移動させる部品移動手段を有している。なお、部品移動手段としては、例えば多関節型ロボットハンド3をロボットベース19に対して回転方向に駆動する駆動モータ15の出力軸、並びに組付ヘッド装着部4および組付ヘッド5をワーク1の中心軸線方向に進退自在に移動させるエアシリンダ16のピストンロッド17等である。なお、コントローラ10は、多関節型ロボットハンド3の動作および組付ヘッド5の動作を数値情報による指令で制御する制御装置である。
次に、本実施例の部品組付ロボットの組付ヘッド5の構成を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。ここで、図2は部品組付ロボットの組付ヘッドの各構成部品を示した図で、図3(a)、(b)は部品の組付方向に対する複数の組付荷重受け機構の搭載位置を示した図である。
本実施例の組付ヘッド5は、多関節型ロボットハンド3の組付ヘッド装着部4に着脱自在に装着された略円筒状の組付ヘッド本体21を備えている。この組付ヘッド本体21は、多関節型ロボットハンド3の組付ヘッド装着部4の先端面(図示下端面)に複数のボルト等の締結具22を用いて締め付け固定されている。そして、組付ヘッド本体21の図示下端面には、複数のボルト等の締結具23を用いて筒状のブロック24が締め付け固定されている。そして、ブロック24の内部に形成された軸方向穴25には、図示上下方向(組付ヘッド本体21の中心軸線方向)に往復移動自在の円柱形状のロッド部材26が摺動自在に保持されている。
そして、ロッド部材26の図示下端面には、部品2の組付方向に対して略直交する方向からワーク1をワーク組付台座9の図示上端面に押し付けるためのワーク押え部材8が複数のボルト等の締結具27を用いて締め付け固定されている。なお、ワーク押え部材8は、ワーク1を、ワーク組付台座9の図示上端面に押し付ける方向に押圧(付勢)する付勢力を発生するコイルスプリング(本発明のワーク押圧手段に相当する)29を有している。なお、コイルスプリング29の代わりに、ワーク組付台座9の図示上端面に押し付ける方向に押圧(付勢)する油圧力を発生する油圧シリンダをワーク押圧手段として用いても良い。
このコイルスプリング29は、組付ヘッド本体21内に形成される円形状の断面を有するスプリング室30内に収容されており、一端部がロッド部材26の図示上端側に設けた円環状の鍔状部(フランジ部)31に係止または保持され、また、他端部がスプリング室30の図示上端側に設けた円環状の天井壁32に係止または保持されている。
そして、組付ヘッド5には、組付ヘッド本体21の図示下端部より組付ヘッド本体21の中心軸線方向に対して略直交する方向に延長されたブラケット33に、チャック治具6が複数のボルト等の締結具(図示せず)を用いて締め付け固定されている。このチャック治具6は、部品2を組付可能な姿勢に保持すると共に、部品2を着脱自在に保持する一対の爪状チャック部材34と、これらの爪状チャック部材34間の合わせ目(スリット)を開閉する楔状部材(図示せず)を一対の爪状チャック部材34の中心軸線方向に移動させるエアシリンダ等の移動装置35と、チャック治具6全体をブラケット33に対してチャック治具6の中心軸線方向に移動させるエアシリンダ等の移動装置36とから構成されている。なお、一対の爪状チャック部材34の代わりに、部品2を着脱自在に保持する複数の爪状部を有するコレットチャックを用いても良い。
以上の構成により、本実施例のチャック治具6は、一対の爪状チャック部材34間に保持された部品2を、例えば円筒状のワーク1の半径方向の外方側(側方側)から部品2の組付方向(例えばワーク1の中心軸線方向に対して略直交する方向)に移動させることで、部品2をワーク1の部品組付部11に組み付ける(圧入固定する)ことができる。
そして、上記のブロック24には、組付ヘッド5によって部品2をワーク1に組み付ける際にワーク1に加わる組付荷重を受ける複数の第1〜第3組付荷重受け機構41〜43が一体的に取り付けられている。これらの第1〜第3組付荷重受け機構41〜43は、ブロック24に取付ステー(図示せず)を介して組み付けられる第1〜第3プレート51と、これらの第1〜第3プレート51の平坦面上に保持されたエアシリンダ等の第1〜第3駆動装置52と、これらの第1〜第3駆動装置52の各ピストンロッド53に各取付ステー54を介して一体的に取り付けられた第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cとから構成されている。
ここで、第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cは、ワーク1を所定の部品組付姿勢で保持する第1〜第3ブロック部材である。これらの第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cは、部品2の組付方向に対して略直交する、第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cの中心軸線方向に移動自在に配されている。つまり、第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cは、ブロック24の側壁面とワーク1の外壁面(側壁面)とを摺接自在に配されている。したがって、第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cは、組付ヘッド5にワーク1に対して接離自在に配されて、しかもワーク1の外壁面(側壁面)に接触するワーク保持位置とワーク1より離脱してブロック24の側壁面に接触するワーク離間位置(初期位置)との間を移動可能に設けられている。
ここで、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも1つの第2ワーク保持部材7bは、ワーク保持位置に移動した際に、ワーク1の部品組付部11に対して略反対側で、且つ部品2の組付方向の中心軸線上に配設される。本実施例では、部品2の組付方向の中心軸線とワーク1の中心軸線とが交差する交点を中心にして例えば0°〜15°程度の搭載範囲内に、第2組付荷重受け機構42の第2ワーク保持部材7bを搭載している。
また、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも2つの第1、第3ワーク保持部材7a、7cは、ワーク保持位置に移動した際に、ワーク1の部品組付部11に対して略反対側で、且つ部品2の組付方向の中心軸線に対して略対称的な位置に配設されている。本実施例では、部品2の組付方向の中心軸線とワーク1の中心軸線とが交差する交点を中心にして例えば40°〜50°程度の搭載位置に、第1、第3組付荷重受け機構41、43の第1、第3ワーク保持部材7a、7cを搭載している。
なお、コントローラ10は、複雑形状のワーク1および多様な形状のワーク1の任意の位置への部品2の組み付けに対応できるように、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cを選択的にワーク離間位置からワーク保持位置に移動させることができる。また、例えばワーク1の外壁面より外径側に突出する突起物と複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちのいずれかのワーク保持部材との干渉を防止する目的で、エアシリンダ等の第1〜第3駆動装置(本発明の移動量調節手段に相当する)52の各ピストンロッド53の軸方向の移動量を、コントローラ10からの数値情報による指令で制御することによって、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cの中心軸線方向の移動量を、ワーク1の形状に合わせて調節するようにしても良い。
[実施例の組付方法]
次に、本実施例の部品組付ロボットの組付方法を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
先ず、ワーク1を、部品組付部13に載置されたワーク組付台座9上に置き、ワーク支持用ピン14によって所定の部品組付姿勢でワーク1を保持または支持しておく。
次に、多関節型ロボットハンド3の組付ヘッド装着部4および組付ヘッド5を所定の軌跡で動作させることにより、組付ヘッド5の組付ヘッド本体21の図示下端部より延長されたブラケット33に一体的に取り付けられたチャック治具6を部品供給装置12に移動させる。そして、エアシリンダ等の移動装置35を作動させて楔状部材を移動させることで、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34を開閉して部品2を一対の爪状チャック部材34間に保持する。このとき、部品2は、部品組付部13に移動した際に所定の部品組付姿勢となるように、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34間に保持される。
次に、多関節型ロボットハンド3の組付ヘッド装着部4および組付ヘッド5を所定の軌跡で動作させることにより、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34間に保持された部品2を部品組付部13に移動させる。このとき、ワーク組付台座9上に保持されたワーク1を、組付ヘッド5に一体的に取り付けられたワーク押え部材8によって押圧保持する。なお、ワーク1を、ワーク組付台座9に押し付ける方向に押圧(付勢)する押圧力は、コイルスプリング29のばね荷重を調節することで、最適な値に設定することができる。
次に、複数の第1〜第3組付荷重受け機構41〜43のうちの少なくとも1つの第2組付荷重受け機構42の第2駆動装置52のピストンロッド53を作動させて、第2ワーク保持部材7bを、ワーク1より離脱してブロック24の側壁面に接触するワーク離間位置から、ワーク1の外壁面(側壁面)に接触するワーク保持位置に移動させる。これにより、組付ヘッド5のチャック治具6を部品2の組付方向に移動させることによって部品2をワーク1に組み付ける際にワーク1に加わる、部品2の組付方向の組付荷重を第2ワーク保持部材7bで確実に受け止めることができる。
あるいは複数の第1〜第3組付荷重受け機構41〜43のうちの少なくとも2つの第1、第3組付荷重受け機構41、43の第1、第3駆動装置52の各ピストンロッド53を作動させて、第1、第3ワーク保持部材7a、7cを、ワーク1より離脱してブロック24の側壁面に接触するワーク離間位置から、ワーク1の外壁面(側壁面)に接触するワーク保持位置に移動させる。これにより、組付ヘッド5のチャック治具6を部品2の組付方向に移動させることによって部品2をワーク1に組み付ける際にワーク1に加わる、部品2の組付方向の組付荷重を2つの第1、第3ワーク保持部材7a、7cで確実に受け止めることができる。ここで、部品2の組付方向の組付荷重とは、組付ヘッド5のチャック治具6を図示右方向に移動させることによって、例えばシール部品または弁部品等の部品2をワーク1の任意の位置に形成された部品組付部(例えば水抜き孔または換気孔)11内に押圧固定する際に、ワーク組付台座9上に載置されたワーク1に加わる図示右方向に向かう圧入荷重である。
次に、エアシリンダ等の移動装置36を作動させて、チャック治具6全体を組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に対してチャック治具6の中心軸線方向(部品2の組付方向)に相対的に移動させることにより、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34間に保持された部品2を、ワーク1の部品組付部11に圧入固定する。その後に、エアシリンダ等の移動装置35を作動させて楔状部材を移動させることで、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34を開き、部品2を一対の爪状チャック部材34間より解放する。これにより、ワーク1の任意の位置に部品2を組み付けることができる。
[実施例の効果]
以上のように、本実施例の部品組付ロボットにおいては、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34と、第1〜第3組付荷重受け機構41〜43の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cと、ワーク1をワーク組付台座9に押し付けるワーク押え部材8とを、組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けているので、多関節型ロボットハンド3の動作によってチャック治具6を部品組付部13に移動させることで、ワーク組付台座9上に保持されたワーク1をワーク押え部材8によって押圧保持することができると同時に、第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cも所定の位置に、つまりチャック治具6との間にワーク1が介在するように位置決めされる。
その上、組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けられたチャック治具6が部品2の組付方向に移動して、部品2をワーク1に組み付ける際に、ワーク1に加わる組付荷重を、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも1つの第2ワーク保持部材7b、あるいは少なくとも2つの第1、第3ワーク保持部材7a、7cで確実に受けることができるので、新たなワーク保持部材やワーク支持部材(ワーク1を載せるのみのもの)がワーク組付台座9側になくても、ワーク1が傾くことなく、また、部品2の組付不良が生じることなく、部品2をワーク1の外壁面の任意の位置(部品組付部11)に精度良く組み付けることができる。
また、部品2をワーク1に組み付ける際により大きな組付荷重がワーク1に加わっても、その部品2の組付方向の組付荷重を、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも1つの第2ワーク保持部材7b、あるいは少なくとも2つの第1、第3ワーク保持部材7a、7cで確実に受けることができるので、部品2をワーク1の外壁面の任意の位置(部品組付部11)に精度良く組み付けることができる。
また、ワーク1を所定の部品組付姿勢で保持する複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cを、部品2の組付方向に対して略直交する、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cの各々の中心軸線方向に移動自在に設けているので、例えばワーク1の外壁面より外径側に突出する突起物と第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cとの干渉または接触を防止できる。これにより、組付ヘッド5を交換することなく、1種類の組付ヘッド5によって、複雑形状(例えば三次元的な凸凹形状)のワーク1および多様な形状のワーク1の任意の位置(部品組付部11)への部品2の組み付けに対応できるようになる。
また、1種類のワーク1に部品組付部11が複数存在し、つまり1種類のワーク1に複数の組付位置が存在し、部品2の組付方向がワーク1に対して多方向となる場合でも、必ず、チャック治具6が部品2の組付方向に移動して、部品2をワーク1の任意の位置に組み付ける際に、ワーク1に加わる組付荷重を、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちのいずれかのワーク保持部材が受けることができるので、1種類のワーク1に複数の組付位置が存在し、部品2の組付方向がワーク1に対して多方向となる場合でも対応できるようになる。すなわち、1種類のワーク1に複数の組付位置が存在し、部品2の組付方向がワーク1に対して多方向となる場合でも、新たなワーク保持部材やワーク支持部材がなくても、ワーク1が傾くことなく、また、部品2の組付不良が生じることなく、部品2をワーク1の外壁面の任意の位置(部品組付部11)に精度良く組み付けることができる。
[変形例]
本実施例では、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cを組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けているが、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも1つの第2ワーク保持部材7bのみを組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けても良い。また、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも2つの第1、第3ワーク保持部材7a、7cのみを組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けても良い。また、複数の第1〜第3ワーク保持部材7a〜7cのうちの少なくとも1つ以上のワーク保持部材の、ワーク1の外壁面に摺接する当接面を、ワーク1の外壁面形状に対応した形状にしても良い。
本実施例では、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34と、ワーク1をワーク組付台座9に押し付けるワーク押え部材8とを、組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けているが、チャック治具6の一対の爪状チャック部材34とワーク押え部材8とのうちのいずれか一方または両方とも組付ヘッド5の組付ヘッド本体21に一体的に取り付けてなくても良い。
本実施例では、部品移動手段として、ワーク1に対して部品2、組付ヘッド装着部4および組付ヘッド5を三次元的に相対移動させることが可能な多関節型ロボットハンド3を用いたが、部品移動手段として、少なくとも部品2を保持したチャック治具6を部品2の組付方向、つまりワーク1の任意の位置に接近する方向にのみ、ワーク1に対して相対移動させることが可能な部品移動装置を用いても良い。
組付ヘッドを備えた部品組付ロボットの全体構成を示した概略図である(実施例)。 部品組付ロボットの組付ヘッドの各構成部品を示した断面図である(実施例)。 (a)は(b)のA−A断面図で、(b)は部品の組付方向に対する複数の組付荷重受け機構の搭載位置を示した平面図である(実施例)。 部品組付ロボットの全体構成を示した概略図である(従来の技術)。
符号の説明
1 ワーク
2 部品
3 多関節型ロボットハンド(部品移動手段)
4 組付ヘッド装着部
5 組付ヘッド
6 チャック治具
8 ワーク押え部材
9 ワーク組付台座(ワーク支持部材)
10 コントローラ
11 部品組付部
12 部品供給装置
13 部品組付部
14 ワーク支持用ピン
29 コイルスプリング(ワーク押圧手段)
34 一対の爪状チャック部材
41 第1組付荷重受け機構
42 第2組付荷重受け機構
43 第3組付荷重受け機構
52 第1〜第3駆動装置(移動量調節手段)
7a 第1ワーク保持部材
7b 第2ワーク保持部材
7c 第3ワーク保持部材

Claims (8)

  1. (a)ワークに組み付ける部品を着脱自在に保持するチャック部材を有し、
    このチャック部材に保持された前記部品を、前記部品の組付方向に移動させることで前記ワークに組み付けるための組付ヘッドと、
    (b)この組付ヘッドによって前記部品を前記ワークに組み付ける際に前記ワークに加わる組付荷重を受けると共に、前記ワークを所定の姿勢で保持するワーク保持部材と
    を備え、
    前記ワーク保持部材は、前記組付ヘッドに一体的に設けられており、しかも前記部品の組付方向に対して略直交する、前記ワーク保持部材の中心軸線方向に移動自在に配されていることを特徴とする部品組付装置。
  2. 請求項1に記載の部品組付装置において、
    前記ワーク保持部材は、前記組付ヘッドに前記ワークに対して接離自在に配されて、しかも前記ワークに接触するワーク保持位置と前記ワークより離脱するワーク離間位置との間を移動可能に設けられていることを特徴とする部品組付装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の部品組付装置において、
    前記ワーク保持部材の中心軸線方向の移動量を、前記ワークの形状に合わせて調節する移動量調節手段を備えたことを特徴とする部品組付装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の部品組付装置において、
    前記組付ヘッドは、前記チャック部材に保持された前記部品を、前記ワークに対して三次元的に移動させることが可能な部品移動手段に装着されていることを特徴とする部品組付装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の部品組付装置において、
    前記ワークを所定の姿勢で支持するワーク支持部材と、前記部品の組付方向に対して略直交する方向から前記ワークを前記ワーク支持部材に押し付けるためのワーク押え部材とを備え、
    前記ワーク押え部材は、前記組付ヘッドに一体的に設けられており、しかも前記ワークを、前記ワーク支持部材に押し付ける方向に押圧するワーク押圧手段を有していることを特徴とする部品組付装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の部品組付装置において、
    前記ワーク保持部材は、前記チャック部材との間に前記ワークが介在するように配設された複数のワーク保持部材よりなることを特徴とする部品組付装置。
  7. 請求項6に記載の部品組付装置において、
    前記ワークは、前記部品が組み付けられる部品組付部を有し、
    前記複数のワーク保持部材のうちの少なくとも1つのワーク保持部材は、前記ワークの部品組付部に対して略反対側で、且つ前記部品の組付方向の中心軸線上に配されていることを特徴とする部品組付装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の部品組付装置において、
    前記ワークは、前記部品が組み付けられる部品組付部を有し、
    前記複数のワーク保持部材のうちの少なくとも2つのワーク保持部材は、前記ワークの部品組付部に対して略反対側で、且つ前記部品の組付方向の中心軸線に対して略対称的な位置に配されていることを特徴とする部品組付装置。
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