JP2005022029A - 接客ロボットおよび接客ロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】接客する人間の認証を迅速かつ高い信頼性で行うことができ、来訪者、来客者に対して的確なアクションを起こすことができる接客ロボットおよび接客ロボットシステムを提供すること。
【解決手段】ユーザは、クライアント2を使用してIDを獲得し、ID送信装置5にIDを書き込むとともに、IDに対応した詳細情報の各項目を設定する。クライアント2上で設定された詳細情報は、サーバ3に転送され格納される。接客ロボット1は、来訪者が携帯するID送信装置5からのID情報を受信すると、サーバ3に対して詳細情報を要求し、来訪者の入場状態を判別し、詳細情報に応じたアクションを実行する。なお、人の存在を検出する人感センサを設け、ID送信装置5を持っていない人間を認識して、ID送信装置を持っているか否か、により異なるアクションを実行するようにしてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】ユーザは、クライアント2を使用してIDを獲得し、ID送信装置5にIDを書き込むとともに、IDに対応した詳細情報の各項目を設定する。クライアント2上で設定された詳細情報は、サーバ3に転送され格納される。接客ロボット1は、来訪者が携帯するID送信装置5からのID情報を受信すると、サーバ3に対して詳細情報を要求し、来訪者の入場状態を判別し、詳細情報に応じたアクションを実行する。なお、人の存在を検出する人感センサを設け、ID送信装置5を持っていない人間を認識して、ID送信装置を持っているか否か、により異なるアクションを実行するようにしてもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフィスの受付、店舗等で使用される接客ロボットに関し、特に、、来訪者、来店者を確実に認識し、来訪者、来店者に対して身振り、表情、音声等で各種案内等を行うことができる接客ロボットおよび接客ロボットシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、実環境で使えるロボットを目指して各種ロボットの開発が進められており、実環境で使えるロボットとして、例えば非特許文献1に記載のものが提案されている。
非特許文献1に記載のものは、人とロボットのコミニュケーションに着目し、人と知的にやりとりするための知能化技術、顔を見て誰なのかわかるための画像処理技術、人と話をするための音声対話処理技術等を用いて家庭という実環境で誰もが簡単に使えるロボットを目指したものである。
【0003】
【非特許文献1】
”NECのロボット技術”,NECラボラトリロボット開発センタ、〔2003年5月12日 13:00検索〕、インターネット<URL :http://www.incx.nec.co.jp/robot/sikumi /index.html ,http://www.incx.nec.co.jp/robot/sikumi / 01.html >
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ロボット技術として重要なものとして、知能化技術(行動制御、対話技術)、画像処理技術(人物検出・追跡、顔照合)、音声処理技術(音声認識、音声合成)が考えられる。
現在、実用的なロボットが普及していない背景を考えるに、上記技術のうち、実用レベルにあるのは、音声処理技術くらいに留まっていることが原因と考えられる。
接客ロボットは、オフィスなどでの受付業務、商店などでの接客業務での人間の代役として位置付けることができる。即ち、家庭で使用するロボットと異なり、実社会で、非常に多くの人間に接する機会があるため、来客者が誰であるかを特定する技術(以下、認証技術という)と、その人に対してどのようなアクションを起こすかの行動制御技術について、共に迅速かつ信頼性の高い技術が要求される。
接客ロボットに要求される技術には、上記のように認証技術、行動制御技術が含まれるが、これに加え、音声認識技術、音声合成技術が含まれる。
そのうちの認証技術(従来技術では、顔照合が相当)と、行動制御技術では、従来技術の範疇では信頼性が確立されていない。
【0005】
従来技術を用いて接客する人間の認証をおこなうには、顔検出の工程と、照合工程をおこなう。更に、顔検出の工程は、(1) 頭部検出、(2) 頭部追跡、(3) 頭部確認判断、(4) 頭部の中から顔を見つける、の4つの工程に細分され、工程は、計5つと複雑である。照合工程は、登録されている顔の画像の中から最も似ている物を探すものであるが、画像データは、比較的サイズが大きいものであるため、その照合には比較的多くの時間を要する。
これらのことにより、従来技術による接客する人間の認証は迅速とは言えない問題がある。また、信頼性においても、従来技術を用いて接客する人間の認証をおこなうと、画像取得時の照明の違いなどにより、信頼性を欠く場合があるという問題がある。
また、従来技術を用いて接客する人間の認証をおこなうと、その照合工程においては、登録されている顔の画像の中で、最も似ている物を探すという方法を取る。このため、登録された顔画像のなかに接客する人間の顔の画像がなかったとしても、登録されているうちの誰かという結論に達してしまうという問題がある。
更に、従来の行動制御技術は、開発途上にあり、実用性に欠けるという問題がある。このため、来訪者や来店者に対して、必ずしも状況に応じた的確なアクションを起こせないといった問題がある。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、上記従来の顔照合による認証技術と行動制御技術について代替技術を用い、接客する人間の認証を迅速かつ高い信頼性で行うことができ、また、登録されている人間と登録されていない人間を確実に識別することができ、さらに、来訪者、来客者に対して的確なアクションを起こすことができる接客ロボットおよび接客ロボットシステムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)接客ロボットを、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を保持もしくはネットワークを介して受信する手段と、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するアクション実行手段から構成する。
以上のように、画像処理を使用した顔の照合による従来の認証技術の代わりに、ID送信装置を用い、ID送信装置から送信されるIDを受信して利用者を認証するようにしたので、従来技術の認証の迅速性の問題と、信頼性の問題が回避することができる。
更に、ユーザがロボットのアクションを決定できる詳細情報の導入し、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するようにしたので、従来技術である行動制御技術の使用を回避することができる。
(2)接客ロボットを、利用者が居ることを検出するセンサ(人感センサ)と、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、上記判定手段の出力に基づき、予め定められたアクションを実行するアクション実行手段とから構成する。
本発明による接客ロボットが商店での接客に使用される場合、接客されるべき顧客はID送信装置を携帯していない。この場合には、接客ロボットは、ID送信装置を持っていない人間を認識する必要がある。
そこで、上記のように、人感センサを導入して、ID送信装置を持っていない人間を認識する。これにより、接客ロボットは、人感センサが検出した人間が、ID送信装置を持っているか否かに応じて異なる処理を実行することができる。
例えば、商店の接客用にプログラムされているロボットでは、ID送信装置を持っていない人間を社外の人間、つまり、顧客として扱い、予め定められたアクションを実行する。
また例えば、オフィスの受付ロボットとしてプログラムされているロボットでは、ID送信装置を持っていない人間を社外の人間として扱い、予め定められた案内等のアクションを実行する。
画像処理を使用した顔の照合による従来の認証技術の場合、登録してあるマスタ情報の中から最も似て入るものを探すという方法であるため、本来、本人のマスタ情報が登録してなくても、何れかのマスタに似ているという結論が出されてしまうというあやふやさがある。
これに対し、人感センサとID送信装置を組み合わせることにより、上記のあやふやさを解消することができる。
すなわち、上記の組み合わせにより、ロボットは、ID送信装置を携帯していない人間を認識できるようになる。更に、ID送信装置を携帯していた場合、ID送信装置の出力であるデジタル情報により認証をおこなうため、従来技術のようにあやふやさは存在せずに、該当なしという結論に達することができる。
【0008】
(3)接客ロボットを、利用者が居ることを検出するセンサと、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持している場合、受信したIDに対応した詳細情報を上記サーバに要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションを実行し、上記センサにより検出された利用者がID送信器を所持していない場合、予め定められたアクションを実行を実行するアクション実行手段から構成する。
すなわち、上記(2)と同様、人感センサを導入して、ID送信装置を持っていない人間を認識し、人感センサが検出した人間が、ID送信装置を持っているか否かにより異なる処理を実行する。
接客ロボットは、ID送信装置の信号と、人感センサの信号を待ち受ける。そのなかで、ID送信装置の信号と、人感センサの信号が同時に受信された瞬間があった場合に、接客ロボットは、ID送信装置を持った人間と認識する。
人感センサの信号が受信されている間、ID送信装置の信号を受け取らなかった場合は、ID送信装置を持っていない人間と認識する。
ID送信装置を持っていない人間とは、接客ロボットにとって見知らぬ人間に他ならない。ロボットの置かれている役割がオフィスなどの受付であれば、見知らぬ人間を他の窓口へ誘導したり、入場を拒否することも可能である。
また、ロボットの置かれている役割が商店の接客であれば、見知らぬ人間を社外の人間、即ち顧客として対応することが可能となる。
更に、ID送信装置を持った人間の場合には、前記(1)と同様に、IDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行する。
例えば、詳細情報の内容に基づき、来訪者、来店者に対して動作、身振り、感情表現、発声等のアクションを実行し、また、案内情報等の有益な情報を提供する。
また、ID送信装置に付与する情報を一定の特徴を持つグループ分けで運用することにより、社内の人間を、例えば、幹部と従業員のように分類したり、予め、ID送信装置を手渡しておくことにより、重要顧客としてロボットに認識させることも可能である。
(4)ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を作成するための詳細情報作成手段(クライアント)と、上記詳細情報作成手段(クライアント)で作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバとを設け、上記サーバと前記(1)の接客ロボットをネットワークを介して接続する。
上記構成とすることで、上記詳細情報作成手段によりIDに対応した詳細情報を作成し、上記サーバに登録することにより、IDに対応したアクションを実行することができるようになる。
(5)上記(4)と同様、ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を作成するための詳細情報作成手段(クライアント)と、上記詳細情報作成手段(クライアント)で作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバとを設け、上記サーバと前記(3)の接客ロボットをネットワークを介して接続する。
上記構成とすることで、上記(4)と同様、詳細情報作成手段によりIDに対応した詳細情報を作成し、上記サーバに登録することにより、IDに対応したアクションを実行することができるようになる。
【0009】
(6)上記(1),(3)〜(5)の詳細情報を、IDに対応する利用者の属性情報と、接客ロボットがIDに対応する利用者におこなうべきアクションの種類と、IDに対応する利用者の入場状態と、IDに対応する利用者への通知情報の全部もしくは一部から構成し、上記詳細情報を設定することにより、IDに対応する利用者に行うべきアクションを決定する。
例えば、上記利用者の属性情報としては、IDに対応する人間の氏名と、所属する法人/団体名と、所属する法人/団体での役職等の一般的に名刺から入手できる情報群であり、また、上記アクションの種類とは、ロボットがIDに対応する人間におこなうべき動作、身振り、感情表現、発声、有益な情報の発信等である。
上記IDに対応する利用者の入場状態とは、例えば、利用者が入場待ち状態か、入場中か、退場したか等の、接客ロボットから見た利用者の所在情報であり、上記IDに対応する利用者への通知情報とは、例えば、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名、IDに対応する人間を待っているユーザの所属情報等である。
接客ロボットは、上記詳細情報の内容によりアクションを生成する。
まず、IDに対応する人間におこなうべきアクションの種類を認識する。アクションの種類とは、動作、身振り、感情表現、発声、有益な情報の発信のどれかひとつか、組み合わせ、即ち、アクションを決定するデータのことである。
例えば、アクションの種類が“にこやかに、挨拶をする”という文字列である場合には、まず、接客ロボットは、IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場待ち”であれば、接客ロボットの前に居る人の顔を見て(動作)、にこやかな顔をして(感情表現)、“いらっしゃいませ“と発声する。
発声が終了すると接客ロボットは、サーバにアクセスし、IDに対応する人間の入場状態を”入場中“と書き換える。IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場中”であれば、頭を下げながら、“ありがとうございました”と発声する。この場合には、発声が済んだ後で、IDに対応する人間の入場状態を”退場“と書き換える。
更に、IDに対応する人間の氏名に有効な情報が設定されていたり、所属する法人/団体名に有効な情報が設定されていれば、名前や法人/団体名等を付して、○○様いらっしゃいませ”のように発声する。
なお、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報と、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名と、IDに対応する人間を待っているユーザの所属とは、IDに対応する人間の入場状態が“入場待ち”の場合のみ有効であり、それらにも有効な情報が設定されていれば、これらの情報を付して、“○○様いらっしゃいませ、○○が□□でお待ちしております”のように発声する。
人間に有益な情報の発信は、IDに対応する人間の入場状態が“入場中”であれば、交通情報の発声または、画像の表示などにより実現される。
以上のように、従来技術の行動制御技術の代わりに、IDから容易に照合可能な、ユーザがロボットのアクションを決定できる詳細情報を導入することにより、従来技術で提案されている信頼性が確立されていない知能化技術を用いた行動制御技術の使用を回避することができ、利用者に対して的確なアクションを実行できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図であり、同図はオフィスの受付けロボットに適用した場合の構成例を示している。
本実施例の接客ロボットシステムは、同図に示すように、接客ロボット1と、詳細情報を作成するためのクライアント2と、詳細情報を保存しIDに対応する詳細情報を要求されたときに、要求元に速やかに転送するサーバ3と、個々のクライアント2と、サーバ3と、および接客ロボット1間の通信を実現するネットワークシステム4から構成される。
接客ロボット1の利用者Aは、携帯する人の詳細情報に対応して付与されるIDを無線により送信するID送信装置5を所持し、接客ロボット1はこの無線により送信されるIDを受信するID受信装置1aを備える。
上記ID送信装置1aとしては、例えば、RFIDカード(RadioFrequency− Identification:電波方式認識)に代表される人が容易に携帯可能なID送信装置を用いることができる。
接客ロボット1はID受信装置1aでIDを受信するとサーバ3に対して、IDに対応する詳細情報を要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションをおこなう。
【0011】
接客ロボットの利用者の詳細情報は、複数のユーザが同時に作成可能なように複数設けられたクライアント2により作成される。クライアント2で作成された詳細情報は、ネットワークを介してサーバ3に送られて保存される。
サーバ3は、接客ロボット1からIDに対応する詳細情報を要求されると、要求元に速やかに詳細情報を送信する。
クライアント2で作成された詳細情報は、IDの内容に応じた、一定のルールで生成したファイルネームを持つファイルとしてクライアント2にファイルとして保存される。
このファイルがネットワーク4を通じてサーバ3に転送され、同一ファイルネームで内容も同一なファイルとしてサーバ3に置かれる。
そして、接客ロボット1から、あるIDに対応する詳細情報の要求があると、サーバ3は、IDの内容から、クライアント2と同一かつ一定のルールにてファイルネームを生成し、そのファイルネームを持つファイルを探し、そのファイルの内容をIDに対応する詳細情報として抽出し、接客ロボット1に転送する。
【0012】
図2は本実施例の接客ロボット1の機能構成を示すブロック図である。
接客ロボット1は、前記した利用者が携帯するID送信装置5から無線で送信されるIDを受信するID受信装置1aと、ID送信装置5を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報をサーバ3から受信するとともに、書き換えた詳細情報をサーバ3に送信するネットワークインタフェース1bと、上記詳細情報を記憶する記憶部1cと、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するアクション実行部1dを備える。
また、上記アクション実行部1dにより起動され、接客ロボットの顔の向き、目、口等の顔の各部分、手があれば手の動き等を制御して、動作、身振り、感情表現等を発現させる駆動制御部1eと、これらロボットの各部を駆動するロボット駆動機構1hが設けられている。
さらに、上記アクション実行部1dにより起動され、音声を生成する音声生成部1f、音声、音楽等を出力するスピーカ1i、利用者に案内図、地図等の有益な情報を呈示するための画像表示部1gと表示装置1jが設けられている。
なお、上記接客ロボットのアクション実行部1d等は、コンピュータ等で構成することができ、アクション実行部1dの機能はソフトウェアで実現することができる。
【0013】
次に本実施例の動作について説明する。
まず、ユーザは、クライアント2を使用してIDを獲得し、ID送信装置5にIDを書き込む。IDの獲得と同時に、IDの内容により、一定のルールで生成されるファイルネームを持つ詳細情報用ファイルがクライアント2上に生成される。
次に、ユーザは、詳細情報の各項目を設定する。
図3にクライアント上で作成する詳細情報の例を示す。
同図に示すように、詳細情報として、例えば、IDに対応する人間の氏名D1、所属する法人/団体名D2、所属する法人/団体での役職D3等の利用者の属性情報と、ロボットがIDに対応する人間におこなうべきアクションの種類D4、IDに対応する人間の入場状態D5、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報D6、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名D7、IDに対応する人間を待っているユーザの所属D8等を設定し、接客ロボット1のアクションを決定する。
アクションの種類としては、例えば同図に示すように、入場待ち状態における接客ロボットの動作、感情表現、発声、入場中の状態における、動作、感情表現、発声等を設定することができる。
クライアント2上で設定された詳細情報は、一旦クライアント2上で、上記のファイルネームのファイルとして保存され、その後、サーバ3に転送されて、サーバ3上に同一ファイルネーム、同一内容のファイルとして置かれる。
【0014】
図4は、本実施例の接客ロボット1における処理を示すフローチャートであり、次に同図を参照しながら接客ロボットの動作について説明する。
接客ロボット1は、ID受信装置1aにより来訪者が携帯するID送信装置5からのID情報を受信すると(図4のステップS1)、ネットワークインタフェース1bからサーバ3に対して上記IDに対応した詳細情報を要求する(ステップS2)。サーバ3から転送された詳細情報は、ネットワークインタフェース1bで受信され、詳細情報記憶部1cに記憶される。
ついで、アクション実行部1dは、詳細情報の入場状態D5の状態を調べる。入場状態が退場の場合には、ステップS3からステップS4に行き、入場状態を入場待ちに書き換える。また、入場状態が退場でない場合には、入場状態が入場中かを調べ、入場中であれば、ステップS8からステップS9に行く。
さらに、入場状態が退場でも入場中でもない場合には、ステップS8からステップS4に行き、入場状態を入場待ちに書き換える。
【0015】
次に、アクション実行部1dは、IDに対応する詳細情報の内容により、アクションを生成する。
まず、詳細情報を参照して、IDに対応する人間におこなうべきアクションの種類を認識する。アクションの種類とは、動作、身振り、感情表現、発声、有益な情報の発信のどれかひとつか、組み合わせ、即ち、アクションを決定するデータのことである。
前記図3に示したように、アクションの種類が“にこやかに、挨拶をする”という文字列である例を用いる。まず、接客ロボット1は、IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場待ち”であれば、ステップS5に行き、入場待ちのアクションを実行する。
例えば、接客ロボット1の前に居る人の顔を見て(動作)、にこやかな顔をして(感情表現)、“いらっしゃいませ“と発声する。
発声が終了するとアクション実行部1dは、詳細情報記憶部1cに記憶された詳細情報の入場状態を”入場中”に書き換える(ステップS6)。そして、サーバ3にアクセスし、書き換えた詳細情報をサーバ3に転送する。
また、IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場中”であれば、ステップS9に行き、入場中のアクションを実行する。
例えば、接客ロボットの前に居るIDに対応する人間に頭を下げながら(動作)、“ありがとうございました”と発声する。
この場合には、発声が済んだ後で、アクション実行部1dは、詳細情報記憶部1cに記憶された詳細情報の入場状態を”退場“と書き換える(ステップS10)。そして、サーバ3にアクセスし、書き換えた詳細情報をサーバ3に転送する(ステップS7)。
【0016】
更に、上記の入場待ちのアクションにおいて、詳細情報に、IDに対応する人間の氏名として有効な情報が設定されていれば、“○○様いらっしゃいませ”のように発声する。また、所属する法人/団体名と、所属する法人/団体での役職にも有効な情報が設定されていれば、“□□株式会社の○○社長様いらっしゃいませ”のように発声する。
なお、図3に示す、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報と、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名と、IDに対応する人間を待っているユーザの所属は、IDに対応する人間の入場状態が“入場待ち”の場合のみ有効であり、それらにも有効な情報が設定されていれば、“□□株式会社の○○社長様いらっしゃいませ、技術部のAが応接でおまちしております”のように発声する。
人間に有益な情報の発信は、接客ロボット1のアクション実行部1dが、詳細情報をスキャンして有効な情報がある場合に実行される。例えば、IDに対応する人間の入場状態が“入場中”であれば、交通情報の発声または、交通情報等の画像の表示などにより実現される。
【0017】
図5は本発明の第2の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図である。前記第1の実施例と同様、オフィスの受付けロボットに適用した場合の構成例を示しており、本実施例は、人感センサを導入して、ID送信装置を持っていない人間を認識し、人感センサが検出した人間が、ID送信装置を持っているか否かにより異なる処理を実行するようにしたものである。
本実施例の接客ロボットシステムは、前記第1の実施例と同様、接客ロボット1と、詳細情報を作成するためのクライアント2と、詳細情報を保存したサーバ3と、個々のクライアント2と、サーバ3と、および接客ロボット1間の通信を実現するネットワークシステム4から構成される。
接客ロボット1は前記ID受信装置1aに加えて人感センサ1kを備え、接客ロボット1の利用者AのID送信装置5から送信されるIDを受信するとともに、人感センサ1kにより人の接近を検出する。
接客ロボットの利用者の詳細情報は、前記第1の実施例と同様、複数のユーザが同時に作成可能なように複数設けられたクライアント2により作成される。クライアント2で作成された詳細情報は、ネットワークを介してサーバ3に送られて保存される。
【0018】
図6は、本実施例の接客ロボット1の機能構成を示すブロック図である。
本実施例の接客ロボットは、前記図2に示したID受信装置1aと、サーバ3とデータの送受を行うネットワークインタフェース1bと、詳細情報を記憶する記憶部1cと、アクション実行部1dと、駆動制御部1eと、ロボット駆動機構1hと、音声生成部1fと、スピーカ1iと、画像表示部1gと、表示装置1jに加え、人感センサ1kと人存在判定部1mを備えている。
人感センサ1kは、利用者が接客ロボットの近傍に居ることを検出するセンサであり、人存在判定部1mは、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する。
【0019】
次に本実施例の動作について説明する。
前記した第1の実施例と同様、ユーザは、クライアント2を使用してIDを獲得し、ID送信装置5にIDを書き込む。IDの獲得と同時に、IDの内容により、一定のルールで生成されるファイルネームを持つ詳細情報用ファイルがクライアント2上に生成される。
次に、ユーザは、前記したように、詳細情報の各項目を設定する。クライアント2上で設定された詳細情報は、前記したようにサーバ3に転送される。
図7は、本実施例の接客ロボット1における処理を示すフローチャートであり、次に同図を参照しながら本実施例の接客ロボットの動作について説明する。
接客ロボット1の人感センサ1kが人を検出すると(図7のステップS1)、人判定部1mは、ID受信装置1aが所定時間以内にIDを受信したか否かを判定する(ステップS2)。
そして、人感センサ1kが一定時間人間を検出しているにも関わらず、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信されない場合は、ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識する。また、人感センサ1kが人間を検出し、かつ、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信された場合には、ID送信装置5を携帯した人間の存在を認識する。
【0020】
ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識した場合には、ステップS2からステップS9に行き、アクション実行部1dは、予め定められたアクションを実行する。例えば、その人間を有人の他の窓口へ誘導したり、場合によっては、入場を拒否する。
また、ID送信装置5を携帯した人間の存在を認識した場合は、前記第1の実施例と同様の処理を行う。すなわち、ステップS3に行き、サーバ3に詳細情報を要求し、前記第1の実施例と同様、入場状態を判別し、詳細情報に応じたアクションを実行する(ステップS4〜S8,S10〜S12)。
なお、上記第1、第2の実施例では、詳細情報をクライアント2で設定してサーバ3に格納し、接客ロボット1がIDを受信したとき、サーバに詳細情報を要求するようにしているが、利用者全員の詳細情報を接客ロボット1に予め設定しておき、この詳細情報を読みだして、上記のようにアクションを実行するようにしてもよい。
【0021】
図8は本発明の第3の実施例の接客ロボットの概略構成を示す図であり、同図は、本実施例の接客ロボット1を商店に適用した場合の構成例を示している。
本実施例の接客ロボット1は、第2の実施例と同様、人感センサ1kと、ID受信装置1mを備え、人感センサ1kが人を検出しているにも係わらず、ID受信装置1mがIDを受信しない場合、ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識して顧客として扱い、この顧客に対して定められたアクションを実行するようにしたものである。
商店では、一般に訪問者として不特定多数の顧客が訪れる。従って、それらの訪問者はID送信装置を携帯していない。この場合には、従業員にID送信装置を携帯させる。これにより、接客ロボット1は、ID送信装置を携帯していない人間が訪問者であることを認識することができる。
このようにすれば、接客ロボット1は、訪問者のみに対してアクションを実行するようにすることができる。但し、接客ロボット1には、訪問者のIDを与えられないため、個々の訪問者を区別してアクションを実施することは不可能であり、接客ロボット1は、内部に持っている予め定められた固定のアクションを実行する。
【0022】
図9は本実施例の接客ロボット1の機能構成を示すブロック図である。
本実施例の接客ロボット1は、同図に示すように、人感センサ1kと人存在判定部1mに加え、ID受信装置1aと、アクション実行部1dと、駆動制御部1eと、ロボット駆動機構1hと、音声生成部1fと、スピーカ1iと、画像表示部1gと、表示装置1jを備えている。
人感センサ1kは、前記第2の実施例と同様、利用者が接客ロボットの近傍に居ることを検出するセンサであり、人存在判定部1mは、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する。
なお、本実施例の接客ロボット1は詳細情報を使用しないので、前記第1、第2の実施例のように、ネットワークを介してサーバ3と接続する必要はないので、ネットワークインタフェースを備えていない。
【0023】
図10は、本実施例の接客ロボット1における処理を示すフローチャートであり、次に同図を参照しながら本実施例の接客ロボットの動作について説明する。
接客ロボット1の人感センサ1kが人を検出すると(図10のステップS1)、人判定部1mは、ID受信装置1aが所定時間以内にIDを受信したか否かを判定する(ステップS2)。
そして、人感センサ1kが一定時間人間を検出しているにも関わらず、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信されない場合は、ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識する。そして、この人を顧客として扱う。
ID送信装置5を携帯していない人間の存在、即ち顧客を認識した場合には、ステップS3からステップS4に行き、アクション実行部1dは、予め定められた固定のアクションを実行する。例えば、顧客に対する歓迎の挨拶や、お礼の挨拶、商品の説明などである。
また、また、人感センサ1kが人間を検出し、かつ、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信された場合には、ID送信装置5を携帯した人間、即ち店の従業員であるとして、何もしないで処理を終了する。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
(1)画像処理を使用した顔の照合による従来の認証技術の代わりに、ID送信装置を用い、ID送信装置から送信されるIDを受信して利用者を認証するようにしたので、従来技術の認証の迅速性の問題と、信頼性の問題が回避することができ、接客する人間の認証を迅速かつ高い信頼性で行うことができる。
また、ユーザがロボットのアクションを決定できる詳細情報の導入し、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するようにしたので、従来技術である行動制御技術の使用を回避することができ、利用者に対して的確なアクションを実行できるようになる。
(2)利用者が居ることを検出するセンサ(人感センサ)と、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置の出力に基づき、ID送信装置を持っていない人間と、持っている人間を認識するようにしたので、登録されている人間と登録されていない人間を確実に識別することができ、従来技術のように認識における、あやふやさが生ずることがない。
(3)IDに対応する詳細情報を作成するための複数のクライアントと、クライアントで作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバとを設けることにより、クライアントからIDに対応した詳細情報を作成することで、複数のユーザが同時にIDに対応した詳細情報を作成し、サーバに登録し、詳細情報に対応したアクションを実行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の接客ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図3】クライアント上で作成する詳細情報の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の接客ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の接客ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施例の接客ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施例の接客ロボットの概略構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例の接客ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施例の接客ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 接客ロボット
1a ID受信装置
1b ネットワークインタフェース
1c 詳細情報記憶部
1d アクション実行部
1e 駆動制御部
1f 音声生成部
1g 画像表示部
1h ロボット駆動機構
1i スピーカ
1j 表示装置
1k 人感センサ
1m 人存在判定部
2 クライアント
3 サーバ
4 ネットワークシステム
5 ID送信装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフィスの受付、店舗等で使用される接客ロボットに関し、特に、、来訪者、来店者を確実に認識し、来訪者、来店者に対して身振り、表情、音声等で各種案内等を行うことができる接客ロボットおよび接客ロボットシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、実環境で使えるロボットを目指して各種ロボットの開発が進められており、実環境で使えるロボットとして、例えば非特許文献1に記載のものが提案されている。
非特許文献1に記載のものは、人とロボットのコミニュケーションに着目し、人と知的にやりとりするための知能化技術、顔を見て誰なのかわかるための画像処理技術、人と話をするための音声対話処理技術等を用いて家庭という実環境で誰もが簡単に使えるロボットを目指したものである。
【0003】
【非特許文献1】
”NECのロボット技術”,NECラボラトリロボット開発センタ、〔2003年5月12日 13:00検索〕、インターネット<URL :http://www.incx.nec.co.jp/robot/sikumi /index.html ,http://www.incx.nec.co.jp/robot/sikumi / 01.html >
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ロボット技術として重要なものとして、知能化技術(行動制御、対話技術)、画像処理技術(人物検出・追跡、顔照合)、音声処理技術(音声認識、音声合成)が考えられる。
現在、実用的なロボットが普及していない背景を考えるに、上記技術のうち、実用レベルにあるのは、音声処理技術くらいに留まっていることが原因と考えられる。
接客ロボットは、オフィスなどでの受付業務、商店などでの接客業務での人間の代役として位置付けることができる。即ち、家庭で使用するロボットと異なり、実社会で、非常に多くの人間に接する機会があるため、来客者が誰であるかを特定する技術(以下、認証技術という)と、その人に対してどのようなアクションを起こすかの行動制御技術について、共に迅速かつ信頼性の高い技術が要求される。
接客ロボットに要求される技術には、上記のように認証技術、行動制御技術が含まれるが、これに加え、音声認識技術、音声合成技術が含まれる。
そのうちの認証技術(従来技術では、顔照合が相当)と、行動制御技術では、従来技術の範疇では信頼性が確立されていない。
【0005】
従来技術を用いて接客する人間の認証をおこなうには、顔検出の工程と、照合工程をおこなう。更に、顔検出の工程は、(1) 頭部検出、(2) 頭部追跡、(3) 頭部確認判断、(4) 頭部の中から顔を見つける、の4つの工程に細分され、工程は、計5つと複雑である。照合工程は、登録されている顔の画像の中から最も似ている物を探すものであるが、画像データは、比較的サイズが大きいものであるため、その照合には比較的多くの時間を要する。
これらのことにより、従来技術による接客する人間の認証は迅速とは言えない問題がある。また、信頼性においても、従来技術を用いて接客する人間の認証をおこなうと、画像取得時の照明の違いなどにより、信頼性を欠く場合があるという問題がある。
また、従来技術を用いて接客する人間の認証をおこなうと、その照合工程においては、登録されている顔の画像の中で、最も似ている物を探すという方法を取る。このため、登録された顔画像のなかに接客する人間の顔の画像がなかったとしても、登録されているうちの誰かという結論に達してしまうという問題がある。
更に、従来の行動制御技術は、開発途上にあり、実用性に欠けるという問題がある。このため、来訪者や来店者に対して、必ずしも状況に応じた的確なアクションを起こせないといった問題がある。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、上記従来の顔照合による認証技術と行動制御技術について代替技術を用い、接客する人間の認証を迅速かつ高い信頼性で行うことができ、また、登録されている人間と登録されていない人間を確実に識別することができ、さらに、来訪者、来客者に対して的確なアクションを起こすことができる接客ロボットおよび接客ロボットシステムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)接客ロボットを、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を保持もしくはネットワークを介して受信する手段と、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するアクション実行手段から構成する。
以上のように、画像処理を使用した顔の照合による従来の認証技術の代わりに、ID送信装置を用い、ID送信装置から送信されるIDを受信して利用者を認証するようにしたので、従来技術の認証の迅速性の問題と、信頼性の問題が回避することができる。
更に、ユーザがロボットのアクションを決定できる詳細情報の導入し、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するようにしたので、従来技術である行動制御技術の使用を回避することができる。
(2)接客ロボットを、利用者が居ることを検出するセンサ(人感センサ)と、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、上記判定手段の出力に基づき、予め定められたアクションを実行するアクション実行手段とから構成する。
本発明による接客ロボットが商店での接客に使用される場合、接客されるべき顧客はID送信装置を携帯していない。この場合には、接客ロボットは、ID送信装置を持っていない人間を認識する必要がある。
そこで、上記のように、人感センサを導入して、ID送信装置を持っていない人間を認識する。これにより、接客ロボットは、人感センサが検出した人間が、ID送信装置を持っているか否かに応じて異なる処理を実行することができる。
例えば、商店の接客用にプログラムされているロボットでは、ID送信装置を持っていない人間を社外の人間、つまり、顧客として扱い、予め定められたアクションを実行する。
また例えば、オフィスの受付ロボットとしてプログラムされているロボットでは、ID送信装置を持っていない人間を社外の人間として扱い、予め定められた案内等のアクションを実行する。
画像処理を使用した顔の照合による従来の認証技術の場合、登録してあるマスタ情報の中から最も似て入るものを探すという方法であるため、本来、本人のマスタ情報が登録してなくても、何れかのマスタに似ているという結論が出されてしまうというあやふやさがある。
これに対し、人感センサとID送信装置を組み合わせることにより、上記のあやふやさを解消することができる。
すなわち、上記の組み合わせにより、ロボットは、ID送信装置を携帯していない人間を認識できるようになる。更に、ID送信装置を携帯していた場合、ID送信装置の出力であるデジタル情報により認証をおこなうため、従来技術のようにあやふやさは存在せずに、該当なしという結論に達することができる。
【0008】
(3)接客ロボットを、利用者が居ることを検出するセンサと、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持している場合、受信したIDに対応した詳細情報を上記サーバに要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションを実行し、上記センサにより検出された利用者がID送信器を所持していない場合、予め定められたアクションを実行を実行するアクション実行手段から構成する。
すなわち、上記(2)と同様、人感センサを導入して、ID送信装置を持っていない人間を認識し、人感センサが検出した人間が、ID送信装置を持っているか否かにより異なる処理を実行する。
接客ロボットは、ID送信装置の信号と、人感センサの信号を待ち受ける。そのなかで、ID送信装置の信号と、人感センサの信号が同時に受信された瞬間があった場合に、接客ロボットは、ID送信装置を持った人間と認識する。
人感センサの信号が受信されている間、ID送信装置の信号を受け取らなかった場合は、ID送信装置を持っていない人間と認識する。
ID送信装置を持っていない人間とは、接客ロボットにとって見知らぬ人間に他ならない。ロボットの置かれている役割がオフィスなどの受付であれば、見知らぬ人間を他の窓口へ誘導したり、入場を拒否することも可能である。
また、ロボットの置かれている役割が商店の接客であれば、見知らぬ人間を社外の人間、即ち顧客として対応することが可能となる。
更に、ID送信装置を持った人間の場合には、前記(1)と同様に、IDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行する。
例えば、詳細情報の内容に基づき、来訪者、来店者に対して動作、身振り、感情表現、発声等のアクションを実行し、また、案内情報等の有益な情報を提供する。
また、ID送信装置に付与する情報を一定の特徴を持つグループ分けで運用することにより、社内の人間を、例えば、幹部と従業員のように分類したり、予め、ID送信装置を手渡しておくことにより、重要顧客としてロボットに認識させることも可能である。
(4)ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を作成するための詳細情報作成手段(クライアント)と、上記詳細情報作成手段(クライアント)で作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバとを設け、上記サーバと前記(1)の接客ロボットをネットワークを介して接続する。
上記構成とすることで、上記詳細情報作成手段によりIDに対応した詳細情報を作成し、上記サーバに登録することにより、IDに対応したアクションを実行することができるようになる。
(5)上記(4)と同様、ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を作成するための詳細情報作成手段(クライアント)と、上記詳細情報作成手段(クライアント)で作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバとを設け、上記サーバと前記(3)の接客ロボットをネットワークを介して接続する。
上記構成とすることで、上記(4)と同様、詳細情報作成手段によりIDに対応した詳細情報を作成し、上記サーバに登録することにより、IDに対応したアクションを実行することができるようになる。
【0009】
(6)上記(1),(3)〜(5)の詳細情報を、IDに対応する利用者の属性情報と、接客ロボットがIDに対応する利用者におこなうべきアクションの種類と、IDに対応する利用者の入場状態と、IDに対応する利用者への通知情報の全部もしくは一部から構成し、上記詳細情報を設定することにより、IDに対応する利用者に行うべきアクションを決定する。
例えば、上記利用者の属性情報としては、IDに対応する人間の氏名と、所属する法人/団体名と、所属する法人/団体での役職等の一般的に名刺から入手できる情報群であり、また、上記アクションの種類とは、ロボットがIDに対応する人間におこなうべき動作、身振り、感情表現、発声、有益な情報の発信等である。
上記IDに対応する利用者の入場状態とは、例えば、利用者が入場待ち状態か、入場中か、退場したか等の、接客ロボットから見た利用者の所在情報であり、上記IDに対応する利用者への通知情報とは、例えば、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名、IDに対応する人間を待っているユーザの所属情報等である。
接客ロボットは、上記詳細情報の内容によりアクションを生成する。
まず、IDに対応する人間におこなうべきアクションの種類を認識する。アクションの種類とは、動作、身振り、感情表現、発声、有益な情報の発信のどれかひとつか、組み合わせ、即ち、アクションを決定するデータのことである。
例えば、アクションの種類が“にこやかに、挨拶をする”という文字列である場合には、まず、接客ロボットは、IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場待ち”であれば、接客ロボットの前に居る人の顔を見て(動作)、にこやかな顔をして(感情表現)、“いらっしゃいませ“と発声する。
発声が終了すると接客ロボットは、サーバにアクセスし、IDに対応する人間の入場状態を”入場中“と書き換える。IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場中”であれば、頭を下げながら、“ありがとうございました”と発声する。この場合には、発声が済んだ後で、IDに対応する人間の入場状態を”退場“と書き換える。
更に、IDに対応する人間の氏名に有効な情報が設定されていたり、所属する法人/団体名に有効な情報が設定されていれば、名前や法人/団体名等を付して、○○様いらっしゃいませ”のように発声する。
なお、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報と、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名と、IDに対応する人間を待っているユーザの所属とは、IDに対応する人間の入場状態が“入場待ち”の場合のみ有効であり、それらにも有効な情報が設定されていれば、これらの情報を付して、“○○様いらっしゃいませ、○○が□□でお待ちしております”のように発声する。
人間に有益な情報の発信は、IDに対応する人間の入場状態が“入場中”であれば、交通情報の発声または、画像の表示などにより実現される。
以上のように、従来技術の行動制御技術の代わりに、IDから容易に照合可能な、ユーザがロボットのアクションを決定できる詳細情報を導入することにより、従来技術で提案されている信頼性が確立されていない知能化技術を用いた行動制御技術の使用を回避することができ、利用者に対して的確なアクションを実行できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図であり、同図はオフィスの受付けロボットに適用した場合の構成例を示している。
本実施例の接客ロボットシステムは、同図に示すように、接客ロボット1と、詳細情報を作成するためのクライアント2と、詳細情報を保存しIDに対応する詳細情報を要求されたときに、要求元に速やかに転送するサーバ3と、個々のクライアント2と、サーバ3と、および接客ロボット1間の通信を実現するネットワークシステム4から構成される。
接客ロボット1の利用者Aは、携帯する人の詳細情報に対応して付与されるIDを無線により送信するID送信装置5を所持し、接客ロボット1はこの無線により送信されるIDを受信するID受信装置1aを備える。
上記ID送信装置1aとしては、例えば、RFIDカード(RadioFrequency− Identification:電波方式認識)に代表される人が容易に携帯可能なID送信装置を用いることができる。
接客ロボット1はID受信装置1aでIDを受信するとサーバ3に対して、IDに対応する詳細情報を要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションをおこなう。
【0011】
接客ロボットの利用者の詳細情報は、複数のユーザが同時に作成可能なように複数設けられたクライアント2により作成される。クライアント2で作成された詳細情報は、ネットワークを介してサーバ3に送られて保存される。
サーバ3は、接客ロボット1からIDに対応する詳細情報を要求されると、要求元に速やかに詳細情報を送信する。
クライアント2で作成された詳細情報は、IDの内容に応じた、一定のルールで生成したファイルネームを持つファイルとしてクライアント2にファイルとして保存される。
このファイルがネットワーク4を通じてサーバ3に転送され、同一ファイルネームで内容も同一なファイルとしてサーバ3に置かれる。
そして、接客ロボット1から、あるIDに対応する詳細情報の要求があると、サーバ3は、IDの内容から、クライアント2と同一かつ一定のルールにてファイルネームを生成し、そのファイルネームを持つファイルを探し、そのファイルの内容をIDに対応する詳細情報として抽出し、接客ロボット1に転送する。
【0012】
図2は本実施例の接客ロボット1の機能構成を示すブロック図である。
接客ロボット1は、前記した利用者が携帯するID送信装置5から無線で送信されるIDを受信するID受信装置1aと、ID送信装置5を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報をサーバ3から受信するとともに、書き換えた詳細情報をサーバ3に送信するネットワークインタフェース1bと、上記詳細情報を記憶する記憶部1cと、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するアクション実行部1dを備える。
また、上記アクション実行部1dにより起動され、接客ロボットの顔の向き、目、口等の顔の各部分、手があれば手の動き等を制御して、動作、身振り、感情表現等を発現させる駆動制御部1eと、これらロボットの各部を駆動するロボット駆動機構1hが設けられている。
さらに、上記アクション実行部1dにより起動され、音声を生成する音声生成部1f、音声、音楽等を出力するスピーカ1i、利用者に案内図、地図等の有益な情報を呈示するための画像表示部1gと表示装置1jが設けられている。
なお、上記接客ロボットのアクション実行部1d等は、コンピュータ等で構成することができ、アクション実行部1dの機能はソフトウェアで実現することができる。
【0013】
次に本実施例の動作について説明する。
まず、ユーザは、クライアント2を使用してIDを獲得し、ID送信装置5にIDを書き込む。IDの獲得と同時に、IDの内容により、一定のルールで生成されるファイルネームを持つ詳細情報用ファイルがクライアント2上に生成される。
次に、ユーザは、詳細情報の各項目を設定する。
図3にクライアント上で作成する詳細情報の例を示す。
同図に示すように、詳細情報として、例えば、IDに対応する人間の氏名D1、所属する法人/団体名D2、所属する法人/団体での役職D3等の利用者の属性情報と、ロボットがIDに対応する人間におこなうべきアクションの種類D4、IDに対応する人間の入場状態D5、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報D6、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名D7、IDに対応する人間を待っているユーザの所属D8等を設定し、接客ロボット1のアクションを決定する。
アクションの種類としては、例えば同図に示すように、入場待ち状態における接客ロボットの動作、感情表現、発声、入場中の状態における、動作、感情表現、発声等を設定することができる。
クライアント2上で設定された詳細情報は、一旦クライアント2上で、上記のファイルネームのファイルとして保存され、その後、サーバ3に転送されて、サーバ3上に同一ファイルネーム、同一内容のファイルとして置かれる。
【0014】
図4は、本実施例の接客ロボット1における処理を示すフローチャートであり、次に同図を参照しながら接客ロボットの動作について説明する。
接客ロボット1は、ID受信装置1aにより来訪者が携帯するID送信装置5からのID情報を受信すると(図4のステップS1)、ネットワークインタフェース1bからサーバ3に対して上記IDに対応した詳細情報を要求する(ステップS2)。サーバ3から転送された詳細情報は、ネットワークインタフェース1bで受信され、詳細情報記憶部1cに記憶される。
ついで、アクション実行部1dは、詳細情報の入場状態D5の状態を調べる。入場状態が退場の場合には、ステップS3からステップS4に行き、入場状態を入場待ちに書き換える。また、入場状態が退場でない場合には、入場状態が入場中かを調べ、入場中であれば、ステップS8からステップS9に行く。
さらに、入場状態が退場でも入場中でもない場合には、ステップS8からステップS4に行き、入場状態を入場待ちに書き換える。
【0015】
次に、アクション実行部1dは、IDに対応する詳細情報の内容により、アクションを生成する。
まず、詳細情報を参照して、IDに対応する人間におこなうべきアクションの種類を認識する。アクションの種類とは、動作、身振り、感情表現、発声、有益な情報の発信のどれかひとつか、組み合わせ、即ち、アクションを決定するデータのことである。
前記図3に示したように、アクションの種類が“にこやかに、挨拶をする”という文字列である例を用いる。まず、接客ロボット1は、IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場待ち”であれば、ステップS5に行き、入場待ちのアクションを実行する。
例えば、接客ロボット1の前に居る人の顔を見て(動作)、にこやかな顔をして(感情表現)、“いらっしゃいませ“と発声する。
発声が終了するとアクション実行部1dは、詳細情報記憶部1cに記憶された詳細情報の入場状態を”入場中”に書き換える(ステップS6)。そして、サーバ3にアクセスし、書き換えた詳細情報をサーバ3に転送する。
また、IDに対応する人間の入場状態を調べ、“入場中”であれば、ステップS9に行き、入場中のアクションを実行する。
例えば、接客ロボットの前に居るIDに対応する人間に頭を下げながら(動作)、“ありがとうございました”と発声する。
この場合には、発声が済んだ後で、アクション実行部1dは、詳細情報記憶部1cに記憶された詳細情報の入場状態を”退場“と書き換える(ステップS10)。そして、サーバ3にアクセスし、書き換えた詳細情報をサーバ3に転送する(ステップS7)。
【0016】
更に、上記の入場待ちのアクションにおいて、詳細情報に、IDに対応する人間の氏名として有効な情報が設定されていれば、“○○様いらっしゃいませ”のように発声する。また、所属する法人/団体名と、所属する法人/団体での役職にも有効な情報が設定されていれば、“□□株式会社の○○社長様いらっしゃいませ”のように発声する。
なお、図3に示す、IDに対応する人間を誘導すべき部屋などの場所の情報と、IDに対応する人間を待っているユーザの氏名と、IDに対応する人間を待っているユーザの所属は、IDに対応する人間の入場状態が“入場待ち”の場合のみ有効であり、それらにも有効な情報が設定されていれば、“□□株式会社の○○社長様いらっしゃいませ、技術部のAが応接でおまちしております”のように発声する。
人間に有益な情報の発信は、接客ロボット1のアクション実行部1dが、詳細情報をスキャンして有効な情報がある場合に実行される。例えば、IDに対応する人間の入場状態が“入場中”であれば、交通情報の発声または、交通情報等の画像の表示などにより実現される。
【0017】
図5は本発明の第2の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図である。前記第1の実施例と同様、オフィスの受付けロボットに適用した場合の構成例を示しており、本実施例は、人感センサを導入して、ID送信装置を持っていない人間を認識し、人感センサが検出した人間が、ID送信装置を持っているか否かにより異なる処理を実行するようにしたものである。
本実施例の接客ロボットシステムは、前記第1の実施例と同様、接客ロボット1と、詳細情報を作成するためのクライアント2と、詳細情報を保存したサーバ3と、個々のクライアント2と、サーバ3と、および接客ロボット1間の通信を実現するネットワークシステム4から構成される。
接客ロボット1は前記ID受信装置1aに加えて人感センサ1kを備え、接客ロボット1の利用者AのID送信装置5から送信されるIDを受信するとともに、人感センサ1kにより人の接近を検出する。
接客ロボットの利用者の詳細情報は、前記第1の実施例と同様、複数のユーザが同時に作成可能なように複数設けられたクライアント2により作成される。クライアント2で作成された詳細情報は、ネットワークを介してサーバ3に送られて保存される。
【0018】
図6は、本実施例の接客ロボット1の機能構成を示すブロック図である。
本実施例の接客ロボットは、前記図2に示したID受信装置1aと、サーバ3とデータの送受を行うネットワークインタフェース1bと、詳細情報を記憶する記憶部1cと、アクション実行部1dと、駆動制御部1eと、ロボット駆動機構1hと、音声生成部1fと、スピーカ1iと、画像表示部1gと、表示装置1jに加え、人感センサ1kと人存在判定部1mを備えている。
人感センサ1kは、利用者が接客ロボットの近傍に居ることを検出するセンサであり、人存在判定部1mは、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する。
【0019】
次に本実施例の動作について説明する。
前記した第1の実施例と同様、ユーザは、クライアント2を使用してIDを獲得し、ID送信装置5にIDを書き込む。IDの獲得と同時に、IDの内容により、一定のルールで生成されるファイルネームを持つ詳細情報用ファイルがクライアント2上に生成される。
次に、ユーザは、前記したように、詳細情報の各項目を設定する。クライアント2上で設定された詳細情報は、前記したようにサーバ3に転送される。
図7は、本実施例の接客ロボット1における処理を示すフローチャートであり、次に同図を参照しながら本実施例の接客ロボットの動作について説明する。
接客ロボット1の人感センサ1kが人を検出すると(図7のステップS1)、人判定部1mは、ID受信装置1aが所定時間以内にIDを受信したか否かを判定する(ステップS2)。
そして、人感センサ1kが一定時間人間を検出しているにも関わらず、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信されない場合は、ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識する。また、人感センサ1kが人間を検出し、かつ、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信された場合には、ID送信装置5を携帯した人間の存在を認識する。
【0020】
ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識した場合には、ステップS2からステップS9に行き、アクション実行部1dは、予め定められたアクションを実行する。例えば、その人間を有人の他の窓口へ誘導したり、場合によっては、入場を拒否する。
また、ID送信装置5を携帯した人間の存在を認識した場合は、前記第1の実施例と同様の処理を行う。すなわち、ステップS3に行き、サーバ3に詳細情報を要求し、前記第1の実施例と同様、入場状態を判別し、詳細情報に応じたアクションを実行する(ステップS4〜S8,S10〜S12)。
なお、上記第1、第2の実施例では、詳細情報をクライアント2で設定してサーバ3に格納し、接客ロボット1がIDを受信したとき、サーバに詳細情報を要求するようにしているが、利用者全員の詳細情報を接客ロボット1に予め設定しておき、この詳細情報を読みだして、上記のようにアクションを実行するようにしてもよい。
【0021】
図8は本発明の第3の実施例の接客ロボットの概略構成を示す図であり、同図は、本実施例の接客ロボット1を商店に適用した場合の構成例を示している。
本実施例の接客ロボット1は、第2の実施例と同様、人感センサ1kと、ID受信装置1mを備え、人感センサ1kが人を検出しているにも係わらず、ID受信装置1mがIDを受信しない場合、ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識して顧客として扱い、この顧客に対して定められたアクションを実行するようにしたものである。
商店では、一般に訪問者として不特定多数の顧客が訪れる。従って、それらの訪問者はID送信装置を携帯していない。この場合には、従業員にID送信装置を携帯させる。これにより、接客ロボット1は、ID送信装置を携帯していない人間が訪問者であることを認識することができる。
このようにすれば、接客ロボット1は、訪問者のみに対してアクションを実行するようにすることができる。但し、接客ロボット1には、訪問者のIDを与えられないため、個々の訪問者を区別してアクションを実施することは不可能であり、接客ロボット1は、内部に持っている予め定められた固定のアクションを実行する。
【0022】
図9は本実施例の接客ロボット1の機能構成を示すブロック図である。
本実施例の接客ロボット1は、同図に示すように、人感センサ1kと人存在判定部1mに加え、ID受信装置1aと、アクション実行部1dと、駆動制御部1eと、ロボット駆動機構1hと、音声生成部1fと、スピーカ1iと、画像表示部1gと、表示装置1jを備えている。
人感センサ1kは、前記第2の実施例と同様、利用者が接客ロボットの近傍に居ることを検出するセンサであり、人存在判定部1mは、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する。
なお、本実施例の接客ロボット1は詳細情報を使用しないので、前記第1、第2の実施例のように、ネットワークを介してサーバ3と接続する必要はないので、ネットワークインタフェースを備えていない。
【0023】
図10は、本実施例の接客ロボット1における処理を示すフローチャートであり、次に同図を参照しながら本実施例の接客ロボットの動作について説明する。
接客ロボット1の人感センサ1kが人を検出すると(図10のステップS1)、人判定部1mは、ID受信装置1aが所定時間以内にIDを受信したか否かを判定する(ステップS2)。
そして、人感センサ1kが一定時間人間を検出しているにも関わらず、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信されない場合は、ID送信装置5を携帯していない人間の存在を認識する。そして、この人を顧客として扱う。
ID送信装置5を携帯していない人間の存在、即ち顧客を認識した場合には、ステップS3からステップS4に行き、アクション実行部1dは、予め定められた固定のアクションを実行する。例えば、顧客に対する歓迎の挨拶や、お礼の挨拶、商品の説明などである。
また、また、人感センサ1kが人間を検出し、かつ、ID送信装置5からのIDがID受信装置1aで受信された場合には、ID送信装置5を携帯した人間、即ち店の従業員であるとして、何もしないで処理を終了する。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
(1)画像処理を使用した顔の照合による従来の認証技術の代わりに、ID送信装置を用い、ID送信装置から送信されるIDを受信して利用者を認証するようにしたので、従来技術の認証の迅速性の問題と、信頼性の問題が回避することができ、接客する人間の認証を迅速かつ高い信頼性で行うことができる。
また、ユーザがロボットのアクションを決定できる詳細情報の導入し、受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するようにしたので、従来技術である行動制御技術の使用を回避することができ、利用者に対して的確なアクションを実行できるようになる。
(2)利用者が居ることを検出するセンサ(人感センサ)と、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置の出力に基づき、ID送信装置を持っていない人間と、持っている人間を認識するようにしたので、登録されている人間と登録されていない人間を確実に識別することができ、従来技術のように認識における、あやふやさが生ずることがない。
(3)IDに対応する詳細情報を作成するための複数のクライアントと、クライアントで作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバとを設けることにより、クライアントからIDに対応した詳細情報を作成することで、複数のユーザが同時にIDに対応した詳細情報を作成し、サーバに登録し、詳細情報に対応したアクションを実行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の接客ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図3】クライアント上で作成する詳細情報の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の接客ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例の接客ロボットシステムの全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の接客ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施例の接客ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施例の接客ロボットの概略構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例の接客ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施例の接客ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 接客ロボット
1a ID受信装置
1b ネットワークインタフェース
1c 詳細情報記憶部
1d アクション実行部
1e 駆動制御部
1f 音声生成部
1g 画像表示部
1h ロボット駆動機構
1i スピーカ
1j 表示装置
1k 人感センサ
1m 人存在判定部
2 クライアント
3 サーバ
4 ネットワークシステム
5 ID送信装置
Claims (7)
- 利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、
上記ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を保持もしくはネットワークを介して受信する手段と、
受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクションを実行するアクション実行手段を備えたことを特徴とする接客ロボット。 - 利用者が居ることを検出するセンサと、
利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、
上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段の出力に基づき、予め定められたアクションを実行するアクション実行手段を備えたことを特徴とする接客ロボット。 - 利用者が居ることを検出するセンサと、
利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、
上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、
上記センサに検出された利用者がID送信器を所持している場合、受信したIDに対応した詳細情報を上記サーバに要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションを実行し、
上記センサにより検出された利用者がID送信器を所持していない場合、予め定められたアクションを実行を実行するアクション実行手段を備えた接客ロボットから構成されることを特徴とする接客ロボット。 - 上記詳細情報は、
上記IDに対応する利用者の属性情報と、
接客ロボットがIDに対応する利用者におこなうべきアクションの種類と、
IDに対応する利用者の入場状態と、IDに対応する利用者への通知情報の全部もしくは一部から構成され、
上記詳細情報を設定することにより、IDに対応する利用者に行うべきアクションを決定することを特徴とする請求項1,3記載の接客ロボット。 - ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を作成するための詳細情報作成手段と、
上記詳細情報作成手段で作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバと、
上記サーバとネットワークを介して接続された接客ロボットから構成され、
上記接客ロボットは、
利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、 受信したIDに対応した詳細情報を上記サーバに要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションを実行するアクション実行手段を備えていることを特徴とする接客ロボットシステム。 - ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報を作成するための詳細情報作成手段と、
上記詳細情報作成手段で作成された詳細情報を保存し、IDに対応する詳細情報を要求されたとき、要求元に上記詳細情報を転送するサーバと、
上記サーバとネットワークを介して接続された接客ロボットから構成され、
上記接客ロボットは、
利用者が居ることを検出するセンサと、
利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信するID受信装置と、 上記センサとID受信装置の出力に基づき、上記センサに検出された利用者がID送信器を所持しているか否かを判定する判定手段と、
上記センサに検出された利用者がID送信器を所持している場合、受信したIDに対応した詳細情報を上記サーバに要求して受信し、詳細情報の内容に従ったアクションを実行し、
上記センサにより検出された利用者がID送信器を所持していない場合、予め定められたアクションを実行を実行するアクション実行手段を備えていることを特徴とする接客ロボットシステム。 - 接客ロボットを制御するプログラムであって、
上記プログラムは、利用者が所持するID送信装置から送信されたIDを受信し、上記ID送信装置を携帯する個々の利用者に付与されるIDに対応する詳細情報をネットワークを介して受信する処理と、
受信したIDに対応した詳細情報の内容に従ったアクション(動作、身振り、感情表現、発声、もしくは、利用者に有益な情報の発信の少なくとも一つ)を実行する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする接客ロボットの制御プログラム。
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---|---|---|---|
JP2003190179A JP2005022029A (ja) | 2003-07-02 | 2003-07-02 | 接客ロボットおよび接客ロボットシステム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 2003-07-02 JP JP2003190179A patent/JP2005022029A/ja active Pending
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