JP2005020428A - 音響エコー抑圧装置および通話装置 - Google Patents

音響エコー抑圧装置および通話装置 Download PDF

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JP2005020428A JP2003183134A JP2003183134A JP2005020428A JP 2005020428 A JP2005020428 A JP 2005020428A JP 2003183134 A JP2003183134 A JP 2003183134A JP 2003183134 A JP2003183134 A JP 2003183134A JP 2005020428 A JP2005020428 A JP 2005020428A
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考一郎 水島
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Abstract

【課題】背景雑音のある環境下にダブルトーク状態となってもエコー抑圧能力を維持することのできる音響エコー抑圧装置および通話装置を提供すること。
【解決手段】話者音声を入力するとともに遠端信号を音声として出力する音声入出力部10と、近端信号に発生する音響エコーを抑圧するエコー抑圧部30とを備える。音声入出力部10は、近端信号変換部11と、遠端音声変換部12とを含み、エコー抑圧部30は、遠端信号から擬似エコーを生成する擬似エコー生成部31と、近端信号から擬似エコーを減算してエコー抑圧後近端信号を出力するエコー抑圧後近端信号出力部32と、遠端信号と、近端信号と、エコー抑圧後近端信号とに基づいて擬似エコー生成部31の擬似エコー生成特性を修正する修正値を計算する修正値計算部33を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音響エコー抑圧装置および通話装置に係り、詳しくは背景雑音がある環境下でダブルトーク状態となってもエコー抑圧能力を維持することのできる音響エコー抑圧装置および通話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンズフリー携帯端末、テレビ会議システム、カーナビゲーション装置等のデジタル音声機器にあっては、音声のデジタル処理時間に起因して、近端側のスピーカから出力された遠端者の音声が近端側のマイクロホンに入力されて再び遠端側のスピーカから出力されると、遠端者が自分の音声の音響エコーを聞く音響エコー障害が発生するおそれがある。デジタル音声機器においては、音響エコーを抑圧し、通話品質を改善するうえで、音響エコー抑圧装置は重要な要素である。
【0003】
しかしながら、従来の音響エコー抑圧装置は実際には騒音環境下で使用される場合が多いが、送話と受話とが同時に行われる、いわゆるダブルトーク状態においては、音響エコー抑圧装置に使用されている適応フィルタの荷重係数が擾乱され、エコー抑圧能力が劣化しがちであった。
【0004】
この問題を解決するために、従来の音響エコー抑圧装置にあっては、ダブルトークディテクタを設け、雑音のレベルに応じてダブルトークであるか否かを判定するしきい値を変更するとともに、ダブルトークディテクタでダブルトーク状態であると判定したときに適応フィルタの係数の変更を禁止していた(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、従来の別の音響エコー抑圧装置にあっては、ダブルトークディテクタおよび適応フィルタに荷重係数の記憶回路を設け、ダブルトークディテクタでダブルトーク状態でないと判定ときにエコー消去量がしきい値を越えると適応フィルタの荷重係数を記憶回路に記憶し、ダブルトーク状態であると判定されたときには記憶回路に記憶されている荷重係数により音響エコーを抑圧していた(例えば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−256089号公報
【特許文献2】
特開平11−234177号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近端者の音声と背景雑音とを明確に区別することは実際には難しいため、従来の音響エコー抑圧装置に使用されていたダブルトークディテクタでは、背景雑音がある環境下でダブルトーク状態であるか否かを正確に判定することは困難であった。このため、背景雑音がある環境下でダブルトーク状態となると、適応フィルタの荷重係数が擾乱され、エコー抑圧能力が低下し、音響エコーが発生して通話品質が悪化しがちであった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ダブルトークディテクタによりダブルトーク状態であるか否かを検出することなく、背景雑音がある環境下でダブルトーク状態となってもエコー抑圧能力し、通話品質を高めた音響エコー抑圧装置および通話装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る音響エコー抑圧装置は、近端音声を、前記近端音声を示す近端信号に変換するとともに遠端信号を音声として出力する音声入出力部と、前記音声入出力部の後段に配置され、前記音声入出力部において前記遠端信号を示す音声と前記近端音声とが混合することにより前記近端信号中に発生する音響エコーを抑圧するエコー抑圧部とを備え、前記エコー抑圧部は、前記遠端信号に基づいて前記音響エコーに擬似する擬似エコーを生成する擬似エコー生成部と、前記音響エコーを含む前記近端信号から前記擬似エコー生成部で生成された前記擬似エコーを減算してエコー抑圧後近端信号を出力するエコー抑圧後近端信号出力部と、前記擬似エコー生成部の擬似エコー生成特性を前記エコー抑圧後近端信号出力部から出力される前記エコー抑圧後近端信号の自乗時間平均値が最小となる最適擬似エコー生成特性に適応させる前記擬似エコー生成特性に対する修正値を計算する修正値計算部とを含む。
この構成により、背景雑音の有無、ダブルトーク状態であるか否かに応じて修正値を変更することが可能となることとなる。
【0010】
本発明に係る音響エコー抑圧装置は、前記修正値計算部は、前記近端信号または前記エコー抑圧後近端信号の少なくともいずれか一方のパワーが増大したときは、前記修正値を、前記近端信号または前記エコー抑圧後近端信号の少なくともいずれか一方のパワーが増大する前の修正値よりも小さくする構成を有している。
この構成により、背景雑音がない環境下でダブルトーク状態でないときに、修正値が大きくなって、擬似エコー生成部の最適擬似エコー生成特性への適応速度が加速されエコーキャンセル能力が高く維持されることとなる。逆に、背景雑音がある環境下であるとき、またはダブルトーク状態であるとき、もしくは、背景雑音がある環境下でダブルトーク状態であるときは、修正値が小さくなって擬似エコー生成部の最適擬似エコー生成特性への適応速度が減速され、擬似エコー生成部の擬似エコー生成特性の擾乱が防止されることとなる。
【0011】
本発明に係る音響エコー抑圧装置は、前記修正値計算部は、前記近端信号または前記エコー抑圧後近端信号の少なくともいずれか一方のパワーが増大したことを、第一の予め定めた所定期間の前記近端信号の自乗和と第二の予め定めた所定期間の前記エコー抑圧後近端信号の絶対値の移動時間平均値との積により評価する構成を有している。
この構成により、背景雑音がある環境下であるとき、またはダブルトーク状態であること、もしくは、背景雑音がある環境下でダブルトーク状態であることを近端信号およびエコー抑圧後近端信号から評価されることとなる。
【0012】
本発明に係る音響エコー抑圧装置は、前記修正値計算部は、前記エコー抑圧後近端信号の絶対値の移動時間平均値が予め定められた範囲を逸脱したときは、前記エコー抑圧後近端信号の絶対値の移動時間平均値を前記内に規制する構成を有している。
この構成により、エコー抑圧後近端信号の移動平均値が予め定められた範囲から逸脱した場合でも、適応部における荷重係数の最適荷重係数への適応が遅延およびエコーキャンセル能力の低下が防止されることとなる。
【0013】
また、本発明に係る音響エコー抑圧装置は、前記エコー抑圧部が、前記エコー抑圧後近端信号出力部の前段に設置され、前記近端信号の周波数分布を平坦化する近端信号周波数分布平坦化部と、前記擬似エコー生成部および前記修正値計算部の前段に設置され、前記遠端信号の周波数分布を平坦化する遠端信号周波数分布平坦化部と、前記エコー抑圧後近端信号出力部の後段に設置され、前記近端信号周波数分布平坦化部で平坦化された前記近端信号の周波数分布を平坦化前の周波数分布に修復する近端信号周波数分布修復部とを含む構成を有している。
この構成により、近端信号および遠端信号の周波数分布が平坦化され、擬似エコー生成部の最適擬似エコー生成特性への適応が加速されるので、高いエコー抑圧能力が維持されることとなる。
【0014】
本発明に係る通話装置は、近端音声を入力して近端信号に変換する近端信号変換部と、遠端信号を遠端音声に変換する遠端音声変換部と、前記遠端信号に基づいて前記近端信号に含まれるエコーを抑圧する上記の音響エコー抑圧装置のいずれかと、前記音響エコー抑圧装置で前記エコーが抑圧された前記近端信号を送信するとともに前記音響エコー抑圧装置に伝送される前記遠端信号を受信する送受信部とを含む構成を有している。
【0015】
この構成により、背景雑音がない環境下でダブルトーク状態でないときに、修正値が大きくなって、擬似エコー生成部の最適擬似エコー生成特性への適応速度が加速されエコーキャンセル能力が高く維持される。逆に、背景雑音がある環境下であるとき、またはダブルトーク状態であるとき、もしくは、背景雑音がある環境下でダブルトーク状態であるとき、修正値が小さくなって擬似エコー生成部の最適擬似エコー生成特性への適応速度が減速され、擬似エコー生成部の擬似エコー生成特性の擾乱が防止されるだけでなく、遠端側とアナログ回線またはデジタル回線を介して通信することが可能となることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑圧装置について、図面を用いて説明する。
本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑圧装置は、図1に示すように、近端音声を、近端音声を示す近端信号に変換するとともに遠端信号を音声として出力する音声入出力部10と、音声入出力部10の後段に配置され音声入出力部10において遠端信号を示す音声と近端音声とが混合することにより近端信号中に発生する音響エコーを抑圧するエコー抑圧部30とを備る。
【0017】
エコー抑圧部30は、遠端信号に基づいて音響エコーに擬似する擬似エコーを生成する擬似エコー生成部31と、音響エコーを含む近端信号から擬似エコー生成部31で生成された擬似エコーを減算してエコー抑圧後近端信号を出力するエコー抑圧後近端信号出力部32と、擬似エコー生成部31の擬似エコー生成特性をエコー抑圧後近端信号出力部32から出力されるエコー抑圧後近端信号の自乗時間平均値が最小となる最適擬似エコー生成特性に適応させる擬似エコー生成特性に対する修正値を計算する修正値計算部33とを含む。
【0018】
なお、第一の実施の形態において、エコー抑圧部30は、マイクロホン11から出力されるアナログ近端信号をデジタル近端信号に変換する近端A/D変換器34と、スピーカ12にアナログ遠端信号を出力するためにデジタル遠端信号をアナログ遠端信号に変換する遠端D/A変換器37とを備えており、擬似エコー生成部31、エコー抑圧後近端信号出力部32、および修正値計算部33は、デジタル素子により構成されている。
【0019】
次に、図2を参照し、擬似エコー生成部31の機能構成を説明する。すなわち、擬似エコー生成部31は、伝送されてきたデジタル遠端信号u(n)に基づいて(n−1)個の遅延デジタル遠端信号を生成し、この遅延デジタル遠端信号および現在のデジタル遠端信号u(n)のそれぞれに荷重係数w(i,n)を乗じ、その結果を線形結合して、擬似エコーとして出力とするフィルタ部31Aと、適応プログラムを使用して擬似エコー生成部31の擬似エコー生成特性をエコー抑圧後近端信号出力部32から出力されるエコー抑圧後近端信号の自乗時間平均値を最小とする最適擬似エコー生成特性に適応させるために、荷重係数w(i,n)を最適荷重係数に適応させる適応部31Bとを備えている。
【0020】
フィルタ部31Aは、(M−1)個の遅延素子Z−1の直列接続により(M−1)個の遅延デジタル遠端信号u(n−1)、u(n−2)・・・u(n−M+1)を生成するようになっている。
【0021】
さらに、フィルタ部31Aは、式(1)に基づいて、現時刻nのデジタル遠端信号u(n)を含むM個の遠端信号u(n)、u(n−1)、u(n−2)・・・u(n−M+1)のそれぞれに荷重係数w(0,n)、w(1,n)、w(2,n)・・・w(M−1,n)を乗じ、その結果を加算して擬似エコーy(n)を出力するようになっている。
【数1】
Figure 2005020428
適応部31Bは、エコー抑圧後近端信号出力部32で式(2)に基づいて算出されたエコー抑圧後近端信号e(n)の自乗時間平均値を最小とする最適荷重係数に適応させるために荷重係数w(i,n)が逐次更新されるように構成されている。
【数2】
Figure 2005020428
【0022】
次に、図3を参照し、エコー抑圧部30の動作を説明する。最初に、現時刻nにおけるデジタル遠端信号u(n)が遠端D/A変換器37から読み込み込まれ(ステップS41)、擬似エコー生成部31のフィルタ部31Aにおいて(1)式に基づき擬似エコーy(n)が算出される(ステップS42)。
【0023】
次いで、デジタル近端信号d(n)が近端A/D変換器34から読み込まれ(ステップS43)、エコー抑圧後近端信号出力部32において式(2)に基づいてエコー抑圧後近端信号e(n)が算出され(ステップS44)、擬似エコー生成部31の適応部31Bにおいて荷重係数が更新される(ステップS45)。
最後に、エコー抑圧部30における計算上の時刻nが進められて次の処理に備える(ステップS46)。
【0024】
次に、図4を参照し、学習同定法により擬似エコー生成部31の適応部31Bで実行される荷重係数w(i,n)の更新動作を説明する。最初に、擬似エコー生成部31の適応部31Bによって、修正値計算部33で計算される修正値μが読み込まれる(ステップS51)。
【0025】
次いで、擬似エコー生成部31の適応部31Bによって、(3)式に基づいて、エコー抑圧後近端信号出力部32から出力されるエコー抑圧後近端信号e(n)と、伝送されてきたデジタル遠端信号u(n)と、既に修正値計算部33から読み込まれている修正値μとが乗算され、さらに、この乗算結果は擬似エコー生成部31のフィルタ部31Aで生成される現時刻のデジタル遠端信号u(n)を含むM個の遠端信号u(n)、u(n−1)、u(n−2)・・・u(n−M+1)の自乗和である遠端信号ノルムで除算されて、荷重係数補正値δw(i,n)が算出される(ステップS52)。
【数3】
Figure 2005020428
【0026】
最後に、式(4)に基づいて、前ステップの荷重係数w(i,n−1)と現ステップで算出された荷重係数補正値δw(i,n)が加算されて、荷重係数w(i,n−1)が荷重係数w(i,n)に更新される(ステップS53)。
【数4】
Figure 2005020428
ここで、周知の学習同定法では、荷重係数w(i,n)が最適荷重係数に迅速に適応するように、修正値μを適宜に決定している。
【0027】
しかしながら、本発明では、ダブルトーク状態でなく、かつ背景雑音が存在しない状態であるときに、擬似エコー生成部31の適応部31Bにおける適応を促進し、逆の状態、すなわち、ダブルトーク状態、または背景雑音が存在する状態の少なくとも一方の状態であるときには、擬似エコー生成部31の適応部31Bにおける適応を抑制するために、修正値μを修正値計算部33で計算するようにしている。
【0028】
すなわち、ダブルトーク状態でなく、かつ背景雑音が存在しない環境下では、近端信号は音響エコーだけとなるので、エコー抑圧後近端信号出力部32から出力されるエコー抑制後近端信号は残留エコーとみなすことが可能である。そこで、上記状態において、適応部31Bにおける荷重係数w(i,n)の最適荷重係数への適応が促進されるように、修正値μを“1”に近づけるようにしている。
【0029】
逆に、ダブルトーク状態または背景雑音が存在する状態のいずれかに移行すれば、適応部31Bにおける適応を抑制し、移行以前の荷重係数w(i,n)が維持されるように、修正値μを“1”より小さくするようにしている。
さらに、背景雑音があり、かつダブルトーク状態となった場合には、修正値μをさらに小さくするようにしている。
【0030】
次に、図5を参照し、修正値計算部33の動作を説明する。最初に、エコー抑圧後近端信号e(n)の移動平均値が式(5)に基づき算出される(ステップS61)。
【数5】
Figure 2005020428
なお、αは移動平均係数であり、エコー抑圧後近端信号移動平均値算出の際の更新前の移動平均値と現在のエコー抑圧後近端信号との加算割合を表し、予め設定される定数である。
次に、上記の処理において算出されたエコー抑圧後近端信号の移動平均値と、遠端信号ノルムおよび近端信号ノルム(適宜に定められる時間長内に含まれる近端信号の自乗和)とを使用して、式(6)に基づいて補正値μが算出される(ステップS62)。
【数6】
Figure 2005020428
なお、Cnは予め適宜に設定される定数である。
【0031】
上記の修正値計算部33の動作において、エコー抑圧後近端信号の移動平均値が予め定められた範囲から逸脱すると、適応部31Bにおける荷重係数w(i,n)の最適荷重係数への適応が遅延するだけでなくエコーキャンセル能力が低下するおそれがある。
そこで、エコー抑圧後近端信号の移動平均値を予め定められた範囲内に規制する処理を追加してもよい。
図6は、エコー抑圧後近端信号の移動平均値を予め定められた範囲内に規制する処理を追加したときの修正値計算部33の動作を説明するフローチャートであって、最初に、エコー抑圧後近端信号e(n)の移動平均値が式(5)に基づき算出される(ステップS61)。
次に、移動平均値が上限値ERRMAXより大きいか否かが判定され(ステップS62)、移動平均値が上限値ERRMAXより大きいと判定されたときは、移動平均値は上限値ERRMAXで置き換えられる(ステップS63)。
これは、移動平均値が大きくなり過ぎると、収束速度が遅くなるだけでなく、ダブルトーク時に音声歪が生じてしまうことを防止するための処理である。一方、移動平均値が上限値以下であると判定されたときは、移動平均値はそのままに維持される。
【0032】
次に、移動平均値が下限値ERRMINより小さいか否かが判定され(ステップS64)、移動平均値が下限値ERRMINより小さいと判定されたときは、移動平均値は下限値ERRMINで置き換えられる(ステップS65)。
これは、移動平均値が小さくなり過ぎると、収束速度が遅くなるだけでなく、ダブルトーク初期時に荷重係数が擾乱されてしまうことを防止するための処理である。一方、移動平均値が下限値以上であると判定されたときは、移動平均値はそのまま維持される。
【0033】
最後に、上記の処理において算出されたエコー抑圧後近端信号の移動平均値以と、遠端信号ノルムおよび近端信号ノルム(適宜に定られる時間長内に含まれる近端信号の自乗和)とを使用して、式(6)に基づいて補正値μが算出される(ステップS66)。
【0034】
ここで、遠端信号ノルムは、上記に説明したように、擬似エコー生成部31のフィルタ部31Aに含まれる遅延素子Z−1の直列接続から出力される遅延遠端信号を使用して算出することが可能である。
しかし、近端信号に対しては擬似エコー生成部31のフィルタ部31Aに含まれる遅延素子は作用しないため、直接的に近端信号ノルムは算出されない。そこで、第一の実施形態においては、以下の処理で近端信号ノルムを算出している。
【0035】
すなわち、本発明に係るエコー抑圧部30は、遠端信号、近端信号およびエコー抑圧後近端信号を一回サンプリングする度に近端信号のエコーを抑圧するのではなく、予め定められたサンプリング数(L)遠端信号、近端信号およびエコー抑圧後近端信号を連続的にサンプリングした後に、L個の近端信号のエコーを抑圧するフレーム処理を適用している。
そこで、現在処理中のフレームより一つ前のフレームにおいて、既に格納されている近端信号に基づいて近端信号ノルムを算出している。
【0036】
上記のように、修正値μを決定すれば、ダブルトーク状態および背景雑音のある環境下でエコー抑圧後近端信号の移動平均値および近端信号のノルムは大きくなるので、修正値μは“1”より小さくなり、荷重係数が擾乱されることが回避される。
【0037】
逆に、ダブルトーク状態でなく、背景雑音がない環境下では、エコー抑圧後近端信号の移動平均値および近端信号のノルムは小さくなるので、修正値μは“1”に近づき、荷重係数の最適荷重係数への収束が加速される。
【0038】
以上説明したように、本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑圧装置によれば、修正値μを、遠端信号のほかにエコー抑圧後近端信号、近端信号の少なくとも一方を考慮して算出することにより、ダブルトークおよび背景雑音の有無に応じて修正値が自動的に調整される。この結果、ダブルトークを検出することなく、ダブルトークおよび背景雑音のある環境下においても高いエコーキャンセル能力を維持することが可能となる。
【0039】
本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の効果を確認するために、以下の条件でシミュレーション試験を行った。
サンプリング周波数:8KHz
フレーム長:160サンプリング=20ミリ秒
遠端信号:音声信号
近端信号:近端話者音声信号+エコー信号+背景雑音
タップ数:200
エコー抑圧後近端信号の移動平均値に対する上限値:20
エコー抑圧後近端信号の移動平均値に対する下限値:1
【0040】
シミュレーション試験によれば、背景雑音がない環境下においては、ダブルトーク状態の区間(1250〜2800フレーム)となると、図7(a)に示すようにエコー抑圧後近端信号の二乗平均値は急激に大きくなり、この結果図8(b)に示すように修正値μの平均値は急激に“1”より小さくなる。
一方、ダブルトーク状態でないときには、エコー抑圧後近端信号の二乗平均値は小さくなり、修正値μの平均値は“1”に近づく。
【0041】
このシミュレーション試験の結果から、ダブルトーク状態のときには、荷重係数の更新が抑制され、エコー抑圧能力を維持することが可能となることが判る。一方、ダブルトーク状態でないときには、修正値μの平均値は“1”に近い値を維持するので、荷重係数の最適荷重係数への収束が加速され、確実にエコーを抑圧することが可能となることが判る。
【0042】
さらに、背景雑音がある環境下のシミュレーション試験によれば、図7に示すように、ダルトーク状態でない区間(0から1250フレームおよび2800〜3500フレーム)であっても、エコー抑圧後近端信号の二乗平均値は高いレベルを維持するので、修正値μの平均値は背景雑音がない環境下における修正値μよりも大幅に小さくなり、荷重係数の更新が抑制され、エコー抑圧能力を維持することが可能となる。
【0043】
背景雑音がある環境下でダブルトーク状態の区間(1250〜2800フレーム)となると、エコー抑圧後近端信号の二乗平均値はさらに大きくなり、この結果修正値μはさらに小さくなり、荷重係数の更新が一層抑制される。
【0044】
以上説明したように、本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑圧装置によれば、修正値μを、遠端信号のほかにエコー抑圧後近端信号、近端信号の少なくとも一方を考慮して算出することにより、ダブルトークおよび背景雑音の有無に応じて修正値が自動的に調整される。
この結果、特にダブルトークを検出する機能を設けることなく、ダブルトーク状態であり、かつ、背景雑音のある環境下において、高いエコーキャンセル能力を維持することが可能となる。
【0045】
上記説明において、修正値μは、修正値計算部33において式(6)に基づいて計算されるものとしたが、式(6)に代えて式(7)あるいは式(8)を適用することも可能である。
【0046】
ここで、式(7)を適用した場合には、修正値μは遠端信号以外にエコー抑圧後近端信号だけに基づいて計算され、式(8)を適用した場合には、修正値μは遠端信号以外に近端信号だけに基づいて計算される。
【数7】
Figure 2005020428
【数8】
Figure 2005020428
【0047】
また、第一の実施の形態の説明においては、擬似エコー生成部31の荷重係数の更新方法として、学習同定法を適用した場合について説明したが、例えば、最小二乗法あるいは射影法を適用することも可能である。
【0048】
すなわち、最小二乗法を適用した場合には、式(3)に代えて式(9)を、式(6)に代えて式(10)を使用すればよい。
【数9】
Figure 2005020428
【数10】
Figure 2005020428
【0049】
さらに、射影法を適用する場合には、式(3)に代えて式(9)を、式(8)に代えて式(11)を使用すればよい。
【数11】
Figure 2005020428
【0050】
なお、最小二乗法または射影法の修正値の算出においても、式(10)および式(11)においては、遠端信号以外にエコー抑圧後近端信号および近端信号を考慮しているが、式(7)および式(8)に準じて遠端信号以外にエコー抑圧後近端信号または近端信号だけを考慮して修正値μを算出できることは明らかである。
【0051】
さらに、上記説明では、擬似エコー生成部31に、時間領域で動作する周知の適応フィルタを使用しているが、周波数領域で動作する適応フィルタを使用して擬似エコーを生成してもよい。
あるいは、動作周波数帯を複数の周波数帯域に分割し、周波数帯域ごとに設置された時間領域で動作する適応フィルタを使用して擬似エコーを生成することもできる。
【0052】
次に、本発明に係る第二の実施の形態の音響エコー抑圧装置について説明する。
本発明に係る音響エコー抑圧装置の第二実施形態は、図9に示すように、エコー抑圧部30が、エコー抑圧後近端信号出力部32の前段に設置され、近端信号d(n)の周波数分布を平坦化する近端信号周波数分布平坦化部81と、擬似エコー生成部31および修正値計算部33の前段に設置され、遠端信号u(n)の周波数分布を平坦化する遠端信号周波数分布平坦化部83と、エコー抑圧後近端信号出力部32の後段に設置され、近端信号周波数分布平坦化部81で平坦化された近端信号d(n)の周波数分布を平坦化前の周波数分布に修復する近端信号周波数分布修復部82とを含む。
【0053】
ここで、近端信号周波数分布平坦化部81および遠端信号周波数分布平坦化部83は、それぞれハイパスフィルタで構成される。また、近端信号周波数分布修復部82はローパスフィルタで構成される。
【0054】
近端信号周波数分布平坦化部81および遠端信号周波数分布平坦化部83は、擬似エコー生成部31の適応部31Bに入力される近端信号および遠端信号の周波数分布を平坦化して、擬似エコー生成部31における荷重係数の最適荷重係数への収束を加速するために使用される。
【0055】
近端信号周波数分布平坦化部81としては、式(12)に示す一次ハイパスフィルタを適用することができる。
【数12】
Figure 2005020428
ただし、d’(n)は近端信号周波数分布平坦化部81の出力信号である。また、ζは0<ζ<1を満たすフィルタ定数であり、遮断特性に応じた値に設定される。
【0056】
また、遠端信号周波数分布平坦化部83としては、式(13)に示す一次ハイパスフィルタを適用することができる。
【数13】
Figure 2005020428
ただし、u’(n)は遠端信号周波数分布平坦化部83の出力信号である。また、ζは0<ζ<1を満たすフィルタ定数であり、遮断特性に応じた値に設定される。
【0057】
さらに、近端信号周波数分布修復部82としては、式(14)に示す一次ローパスフィルタを適用することができる。
【数14】
Figure 2005020428
ただし、e’(n)は近端信号周波数分布修復部82の出力信号である。また、ζは0<ζ<1を満たすフィルタ定数であり、遮断特性に応じた値に設定される。
【0058】
すなわち、第二の実施の形態に使用する近端信号周波数分布平坦化部81および遠端信号周波数分布平坦化部83は、入力信号の中心周波数が減衰領域のほぼ中央にあり、比較的なだらかに減衰する周波数特性を有する。そして、入力信号の低周波数側のレベルを低減し、高周波数側のレベルを増大させることにより、入力信号の周波数分布を平坦化するために設置される。
【0059】
また、近端信号周波数分布修復部82は、送信部21から近端信号を送信するにあたり、近端信号周波数分布平坦化部81により平坦化された近端信号の周波数分布を平坦化前の周波数分布に修復するために設置される。
【0060】
以上説明したように、本発明に係る第二の実施の形態の音響エコー抑圧装置によれば、擬似エコー生成部31に入力される信号の周波数分布が平坦化されるので、擬似エコー生成部31の適応部31Bにおける荷重係数の最適荷重係数への収束が加速される。
【0061】
次に、本発明に係る第三の実施の形態の通話装置について説明する。
本発明に係る第三の実施の形態の通話装置は、図10に示すように、近端音声を入力して近端信号に変換する近端信号変換部11と、遠端信号を遠端音声に変換する遠端音声変換部12と、遠端信号に基づいて近端信号に含まれるエコーを抑制する第一の実施の形態の音響エコー抑圧装置または第二の実施の形態の音響エコー抑圧装置のいずれかと、エコーが抑圧された近端信号を送信するとともに音響エコー抑圧装置に伝送される遠端信号を受信する送受信部20とを含む。
即ち、音声入出力部10は、近端音声を、近端音声を示す近端信号に変換する近端信号変換部11と、遠端信号を遠端音声として出力する遠端音声変換部12とを含み、送受信部20は音響エコー抑圧装置から出力されるエコーが抑圧された近端信号を送信する送信部21と、遠端信号を受信する受信部22とを含み、音響エコー抑圧装置は音声入出力部10と送受信部20の間に配置される。
【0062】
音声入出力部10は、話者音声および背景雑音を受話して話者音声を示す近端信号に変換する近端信号変換部11と、遠端信号を音声として出力する遠端信号変換部12とを含む。近端信号変換部11、および遠端信号変換部12は、例えば、それぞれマイクロホンおよびスピーカによって構成されている。
また、送受信部20は、近端信号を遠隔地に送信する送信部21と、遠隔地から送信されてきた遠端信号を受信する受信部22とを含む。
【0063】
そして、エコー抑圧部30は、受信部22で受信された遠端信号に基づいて、スピーカ12から出力された遠端者の音声がマイクロホン11から入力されることにより近端信号中に発生する音響エコーに擬似した擬似エコーを生成する擬似エコー生成部31と、擬似エコー生成部31で生成される擬似エコーをマイクロホン11から出力される音響エコーを含む近端信号から減算してエコー抑圧後近端信号を出力するエコー抑圧後近端信号出力部32と、受信部22で受信された遠端信号と、マイクロホン11から出力される近端信号と、エコー抑圧後近端信号出力部32から出力されるエコー抑圧後近端信号とに基づいて、擬似エコー生成部31の擬似エコー生成特性をエコー抑圧後近端信号出力部32から出力されるエコー抑圧後近端の自乗時間平均値が最小となる最適擬似エコー生成特性に適応させる擬似エコー生成特性に対する修正値を計算する修正値計算部33とを含む。
【0064】
そして、第三の実施の形態の通話装置は、エコー抑圧部30は、送信部21にアナログ近端信号を出力するためにデジタル近端信号をアナログ近端信号に変換する近端D/A変換器35と、受信部22で受信したアナログ遠端信号をデジタル遠端信号に変換する遠端A/D変換器36とを更に含み、擬似エコー生成部31、エコー抑圧後近端信号出力部32、および修正値計算部33は、デジタル素子により構成されている。
【0065】
なお、第三の実施の形態の通話装置が、遠端側エコー抑圧装置とデジタル回線により接続される場合は、近端D/A変換器35と遠端A/D変換器36とは省略し得る。
第三の実施の形態の通話装置の動作は、遠端信号が受信部22で受信され、遠端A/D変換器36でデジタル遠端信号u(n)に変換されて、擬似エコー生成部31と修正値計算部33に取り込まれる点、およびエコー抑圧後近端信号が近端D/A変換器35でアナログ信号に変換されて送信部21から送信される点を除いて、第一および第二の実施の形態の音響エコー抑圧装置の動作と同じであるので、本実施の形態の通話装置のエコー抑圧部30の詳細な動作説明は省略する。
【0066】
すなわち、本発明に係る第三の実施の形態の通話装置によっても、特にダブルトークを検出する機能を設置することなく、ダブルトーク状態であり、かつ背景雑音のある環境下において、高いエコーキャンセル能力を維持することが可能となる。
なお、確認のために、第二の実施の形態の音響エコー抑圧装置を第三の実施の形態の通話装置に適用した場合の構成図を図11に示す。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、擬似エコー生成部の擬似エコー生成特性を最適擬似エコー生成特性に適応させる際の修正値を遠端信号以外にエコー抑圧後近端信号、近端信号の少なくとも一方を考慮して算出することにより、ダブルトークの検出が不要となるだけでなく、背景雑音環境下でダブルトーク状態が発生した場合であっても、エコー抑圧能力の低下を阻止できる音響エコー抑圧装置および通話装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の構成図
【図2】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の擬似エコー生成部の構成図
【図3】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置のエコー抑圧部の動作を説明するフローチャート
【図4】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の擬似エコー生成部の適応部の動作を説明するフローチャート
【図5】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の修正値計算部の動作を説明するフローチャート
【図6】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の近端信号時間平均値を所定範囲内に規制したときの修正値計算部の動作を説明するフローチャート
【図7】本発明に係る音響エコー抑制装置の第一の実施の形態の背景雑音が無い場合のシミュレーション試験結果の効果の説明図
【図8】本発明に係る第一の実施の形態の音響エコー抑制装置の背景雑音が有る場合のシミュレーション試験結果の効果の説明図
【図9】本発明に係る第二の実施の形態の音響エコー抑制装置の構成図
【図10】本発明に係る第三の実施の形態の通話装置の構成図
【図11】第二の実施の形態の音響エコー抑圧装置を第三の実施の形態の通話装置に適用した場合の構成図
【符号の説明】
10 音声入出力部
11 近端信号変換部
12 遠端音声変換部
20 送受信部
21 送信部
22 受信部
30 エコー抑圧部
31 擬似エコー生成部
31A フィルタ部
31B 適応部
32 エコー抑圧後近端信号出力部
33 修正値計算部
81 近端信号周波数分布平坦化部
82 近端信号周波数分布修復部
83 遠端信号周波数分布平坦化部

Claims (6)

  1. 近端音声を、前記近端音声を示す近端信号に変換するとともに遠端信号を音声として出力する音声入出力部と、前記音声入出力部の後段に配置され、前記音声入出力部において前記遠端信号を示す音声と前記近端音声とが混合することにより前記近端信号中に発生する音響エコーを抑圧するエコー抑圧部とを備え、
    前記エコー抑圧部は、前記遠端信号に基づいて前記音響エコーに擬似する擬似エコーを生成する擬似エコー生成部と、前記音響エコーを含む前記近端信号から前記擬似エコー生成部で生成された前記擬似エコーを減算してエコー抑圧後近端信号を出力するエコー抑圧後近端信号出力部と、前記擬似エコー生成部の擬似エコー生成特性を前記エコー抑圧後近端信号出力部から出力される前記エコー抑圧後近端信号の自乗時間平均値が最小となる最適擬似エコー生成特性に適応させる前記擬似エコー生成特性に対する修正値を計算する修正値計算部とを含むことを特徴とする音響エコー抑圧装置。
  2. 前記修正値計算部は、前記近端信号または前記エコー抑圧後近端信号の少なくともいずれか一方のパワーが増大したときは、前記修正値を、前記近端信号または前記エコー抑圧後近端信号の少なくともいずれか一方のパワーが増大する前の前記修正値よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の音響エコー抑圧装置。
  3. 前記修正値計算部は、前記近端信号または前記エコー抑圧後近端信号の少なくともいずれか一方のパワーが増大したことを、第一の予め定めた所定期間の前記近端信号の自乗和と第二の予め定めた所定期間の前記エコー抑圧後近端信号の絶対値の移動時間平均値との積により評価することを特徴とする請求項2に記載の音響エコー抑圧装置。
  4. 前記修正値計算部は、前記エコー抑圧後近端信号の絶対値の移動時間平均値が予め定められた範囲を逸脱したときは、前記エコー抑圧後近端信号の絶対値の移動時間平均値を前記内に規制することを特徴とする請求項3に記載の音響エコー抑圧装置。
  5. 前記エコー抑圧部が、前記エコー抑圧後近端信号出力部の前段に設置され、前記近端信号の周波数分布を平坦化する近端信号周波数分布平坦化部と、前記擬似エコー生成部および前記修正値計算部の前段に設置され、前記遠端信号の周波数分布を平坦化する遠端信号周波数分布平坦化部と、前記エコー抑圧後近端信号出力部の後段に設置され、前記近端信号周波数分布平坦化部で平坦化された前記近端信号の周波数分布を平坦化前の周波数分布に修復する近端信号周波数分布修復部とを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の音響エコー抑圧装置。
  6. 近端音声を入力して近端信号に変換する近端信号変換部と、遠端信号を遠端音声に変換する遠端音声変換部と、前記遠端信号に基づいて前記近端信号に含まれる音響エコーを抑圧する請求項1から請求項5のいずれかに記載の音響エコー抑圧装置と、前記音響エコー抑圧装置で前記エコーが抑圧された前記近端信号を送信するとともに前記音響エコー抑圧装置に伝送される前記遠端信号を受信する送受信部とを含む通話装置。
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