JP2005020229A - 撮像ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】環境変化に対応しながらも高画質化及び小型化を図ることができる撮像ユニットを提供する。
【解決手段】温度センサSが光学部材101の雰囲気温度を測定し、それに応じて制御回路108aが、ペルチェ素子PEを駆動するようになっているため、撮像素子102が動作することで熱が発生しても、その熱を撮像素子102が接するペルチェ素子PEの吸熱面(図2で上面)で吸熱し、その放熱面(図2で下面)より放出することで、光学部材101の過熱を抑制し、光学部材の屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】温度センサSが光学部材101の雰囲気温度を測定し、それに応じて制御回路108aが、ペルチェ素子PEを駆動するようになっているため、撮像素子102が動作することで熱が発生しても、その熱を撮像素子102が接するペルチェ素子PEの吸熱面(図2で上面)で吸熱し、その放熱面(図2で下面)より放出することで、光学部材101の過熱を抑制し、光学部材の屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像ユニットに関し、特に携帯電話やパソコン(パーソナルコンピューター)などに搭載可能な撮像ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、CPUの高性能化、画像処理技術の発達などにより、デジタル画像データを手軽に取り扱えるようになってきた。特に、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)において、画像を表示できるディスプレイを備えた機種が出回っており、近い将来、無線通信速度の飛躍的な向上が期待できることから、このような携帯電話やPDA間で画像データの転送が頻繁に行われることが予想される。
【0003】
特に最近は、特許文献1に記載されているようなCCDなどの固体撮像素子を含む撮像ユニットを搭載した携帯電話が市販されており、これを用いて手軽に撮像を行うことができる。又、撮像した画像に対応する画像データは、パソコンなどを介することなく別な携帯電話に手軽に送信することができる。
【特許文献1】
特開2003−37758号公報
【特許文献2】
特開平05−093832号公報
【特許文献3】
特開2003−131103号公報
【特許文献4】
特開2002−072042号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示された撮像ユニットは、小型低コストで、組み立て時の光学的な調整も不要で生産性が良いという利点がある。又、その撮影光学系にプラスチックが使用されているが、それにより温度変化でピント位置の移動は生じるものの、特許文献1の技術は、低画素の撮像素子を用いた場合には、温度変化によるピント位置の移動の影響もなく好適なものであるので、いわゆるパンフォーカスレンズを採用し、フォーカス合わせのためにレンズを移動させることなく、レンズを近側から遠側まで、ある許容された画質のなかで撮影できるようにしている。
【0005】
しかし、最近は、たとえ携帯電話であろうとも高画質な画像を撮像できることが望まれており、従って撮像素子はより高画素なものが搭載される傾向がある。一方、携帯電話等は、例えば洋服のポケットに入れてもかさばらないように、コンパクト性が特に重視されるため、大型の撮像素子を搭載することは通常困難である。このような撮像素子の高画素化と小型化により、従来より画素ピッチが小さくなると、プラスチックレンズの温度変化によりピントの位置ズレが生じた場合、フォーカス合わせのためにレンズを移動させないと、近側から遠側まで、良好な画質での撮影ができなくなるという問題がある。特に、撮像素子は動作時に熱が発生しやすく、その熱を受けて撮影レンズのピント位置の移動が生じやすい。
【0006】
そのような問題を解決するために、小型撮像ユニットのレンズの一部または全部を移動させてフォーカシングが可能となるように構成した上で、特許文献2,3に記載されているように、温度を検知して、その検知結果に基づいてレンズを移動するよう方法や、特許文献4に記載されているように、新たに温度変化を補正する補正部材を設けるなどの方法が考えられる。しかしながら、新たに温度検知結果に応じてレンズを移動させたり、移動量を記録させるためのメモリを新たに設けたり、補正部材を設けるなどすると、構成が複雑化し撮像ユニットが大型化してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、環境変化に対応しながらも高画質化及び小型化を図ることができる撮像ユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明の撮像ユニットは、温度変化に応じてピント位置が移動する(例えばプラスチックレンズ、以下同じ)を少なくとも1枚含む撮影レンズと、前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する鏡胴と、を有し、前記鏡胴の内側もしくは外側に断熱部材を配置したので、前記断熱部材を用いて外部環境の温度変化から前記撮影レンズを隔離することで前記撮影レンズの温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【0009】
第2の本発明の撮像ユニットは、温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する鏡胴と、前記撮像素子から発生する熱を、前記鏡胴の外部へと伝導させる伝導手段とを有するので、前記伝導手段により、前記撮像素子から発生した熱は外部へと運びだされて前記撮影レンズに伝わりにくくなり、その結果前記撮影レンズの温度変化が抑制され、屈折率変化が抑えられるため、より高画質な画像を得ることができる。
【0010】
更に、前記伝導手段は、ヒートパイプを含むと好ましい。
【0011】
第3の本発明の撮像ユニットは、温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する鏡胴と、前記撮影レンズの温度を測定する温度センサと、前記温度センサの測定結果に基づいて、前記撮影レンズの温度を調整する温度調整手段とを有するので、前記温度調整手段が、前記撮影レンズの温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【0012】
更に、前記温度調整手段は、ペルチェ素子を含むと好ましい。
【0013】
更に、前記温度調整手段は、前記撮像素子の駆動制御手段を含むと、例えば前記シャッタレリーズ前に前記撮像素子を予め動作させることで、それにより発生した熱を前記撮影レンズに与えて、その温度をサチュレートさせるようにすることができ、常に同じ屈折率の状態で撮像を行うことができる。
【0014】
更に、前記鏡胴は、前記撮像素子が取り付けられた基板に対して取り付けられていると好ましい。
【0015】
更に、前記撮像素子の被写体側には赤外線カットフィルタが配置されていると、外部から入射する赤外線をカットすることで、前記撮影レンズの温度の増大を抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態における撮像ユニット100の斜視図であり、図2は、図1のII−II線における撮像ユニット100の一部省略断面図である。図3は、撮像ユニット100の基板PCの一部省略上面図である。図4は、撮像ユニット100に備えられた光学部材101の斜視図であり、図5は、同光学部材101の下面図である。
【0017】
図1から図3に示されるように、撮像ユニット100は、開口部110が形成された基板PCと、その基板PCの裏面側から開口部110を塞ぐように備えられた撮像素子102と、基板PCの表面側から開口部110を通じて、その撮像素子102の表面である受光面に当接し、撮像素子102に集光させるための光学部材101と、この光学部材(撮影レンズ)101に入射する光の量を調節する絞り板103と、撮像素子102と開口部110とを覆い隠す鏡胴としての鏡枠104と、鏡枠104に備えられた遮光性を有する遮光板105と、遮光板105に支持される赤外線カットフィルタ106と、遮光板105と光学部材101の間に備えられ、光学部材101を基板PC側へ押圧する押圧部材107と、光学部材101の位置決めを行うために基板PC上の所定位置に配置された位置決め電気部品108a・・・と、その他基板PC上に配置された電気部品108・・・等により構成されている。
【0018】
撮像素子102は、CCD又はCMOS型イメージセンサからなり、矩形薄板状の撮像素子102の端部における上面が、基板PCの裏面側に取り付けられている。撮像素子102の上面中央には、画素が2次元的に配列され、撮像面としての光電変換部102aが形成されており、撮像素子102が基板PCの裏面に取り付けられた際、基板PCに形成された開口部110の位置に光電変換部102aが対応するようになっている。
【0019】
また、撮像素子102の端部における上面と、基板PCの裏面側とは、電極としてのバンプ112を介して取り付けられており、撮像素子102と基板PCとはバンプ112により電気的に接続されている。なお、撮像素子102と基板PCとは、ACF(導電性フィルム)等を用いた圧着や、溶着、溶接等により取り付けられ、接続されている。
【0020】
撮像素子102の裏面(下面)には、ペルチェ素子PEが直付けされている。
ペルチェ素子PEは、基板PC上の位置決め電気部品である制御回路108aに電気的に接続されており、制御回路108aは、光学部材101に近接して配置された温度センサSから温度信号を入力可能となっており、鏡胴である鏡枠104の内部温度を測定することで、間接的に光学部材101の温度を測定するようになっている。温度センサSを光学部材101に直付けして、その温度を直接測定するようにしても良い。ペルチェ素子PEの裏面(下面)は、例えば図7に示す携帯電話のカバーBCに直付けされている。カバーBCは金属製の部材から形成されると好ましい。本実施の形態では、ペルチェ素子PEと制御回路108aとで温度調整手段を構成する。
【0021】
光学部材101は、透明なプラスチック材料を素材とし、図2及び図4から図5に示されるように、管状の脚部101cと、この脚部101cに支持される凸レンズ形状のレンズ部(レンズともいう)101aとが一体的に形成されている。脚部101cは、下端に形成された4つの当接部101dと、上端周囲に形成された上脚部101eと、当接部101dと上脚部101eとの間に形成された下脚部101fとを備えている。また、脚部101cの上端を塞ぐ板状の上面部101bの中央にレンズ部101aが形成されている。
【0022】
また、上面部101bの上面であって、レンズ部101aの周囲には、遮光性のある素材からなり、凸レンズ部101aのFナンバーを規定する第1の絞りとしての開口103aを有する絞り板103が接着剤により固定されている。
【0023】
光学部材101の外側には、遮光性のある素材からなり外枠部材を構成する鏡枠104が配置されている。鏡枠104には、図1に示すように、角柱状の下部104aと、円筒状の上部104bとが設けられている。鏡枠104の上部104bの上端には、遮光板105が接着剤Bにより取り付けられている。遮光板105は、その中央に第2の絞りとしての開口105aを有している。遮光板105の中央の開口105aの下方に、赤外線吸収特性を有する素材からなる赤外線カットフィルタ106が接着剤Bにより接合されている。そして、この遮光板105と赤外線カットフィルタ106とでカバー部材111を構成する。
【0024】
また、下部104aの下端部104aaは、基板PC上に鏡枠104が取り付けられる際の接着部位となる箇所であって、鏡枠104の下部104aが基板PC上に当接され取り付けられる際には、下部104aの下端部104aaと、基板PCとの間に接着剤Bが塗布され、固着される。
【0025】
このように、基板PCと鏡枠104とカバー部材111とが密着し接合しているので、基板PCと鏡枠104とカバー部材111等に覆われる光学部材101や撮像素子102の表面は、環境外乱である埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護される。
【0026】
つまり、鏡枠104とカバー部材111とで構成される外枠部材が、光学部材101や基板PCの開口部110、撮像素子102の表面を覆うことにより、撮像ユニット100は、防塵、防湿の構造、光学部材101等の保護構造を有する。
【0027】
更に、光学部材101は、後述する押圧部材107を介して鏡枠104に位置規制されているので、基板PCの所定位置に、例えば、後述する位置決め電気部品(制御装置)108aに基づき、鏡枠104を位置決めして配置することにより、基板PCの所定位置に光学部材101を配置することができ、例えば、基板PCに備えられた撮像素子102の光電変換部102aの中心と、鏡枠104に嵌合された光学部材101のレンズ部101aの光軸の中心を一致させるように備えることができる。
【0028】
また、光学部材101は、後述する押圧部材107を介して鏡枠104に位置規制されているため、基板PCの所定位置に鏡枠104が配置され、固定された状態においては、光学部材101は所定の位置からずれにくく、例えば、光学部材101のレンズ部101aの光軸の中心と、撮像素子102の光電変換部102aの中心とが一致した状態を維持しやすい。
【0029】
図2において、光学部材101と、遮光板105との間から脚部101cの周囲に至るまで、例えば、ゴムなどの断熱性が高く且つ弾性を有する部材により構成された押圧部材(断熱部材)107が配置されている。遮光板105が鏡枠104に取り付けられることで、遮光板105が押圧部材107を押圧して、押圧部材107の上部が弾性変形する。この押圧部材107は、光学部材101を図2中、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、光学部材101を撮像素子102に付勢する。ここで、遮光板105から下方の撮像素子102に向かう力が加わった際、押圧部材107が弾性変形することにより、その力を吸収する緩衝作用が働くので、その力は直接撮像素子102には伝達されず、撮像素子102が破損することを防ぐ効果がある。
【0030】
電気部品108・・・は、撮像ユニット100を動作させ、画像処理を行うために必要な電気部品である。このように電気部品108・・・が基板PC上に設けられているので、撮像ユニット100を一つのユニットとして、様々な電子機器に搭載しやすくなる。
【0031】
位置決め電気部品108a・・・は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等であってよいが、本実施の形態では、ペルチェ素子PEの制御回路を含む。図2、図3において、基板PC上の鏡枠104と、開口部110との間であって、鏡枠104に近接し、鏡枠104の4隅に対応して配置されている。この位置決め電気部品108a・・・は、鏡枠104を基板PC上に固着する際の固定位置の近傍にあり、鏡枠104の位置決め指標となる。
【0032】
また、電気部品108・・・のうち、鏡枠104等からなる外枠部材の外部における環境外乱から保護したい電気部品108(例えば、CPUなどの電子部品)は、位置決め電気部品108aのように、鏡枠104(外枠部材)の内側に配置すればよい。
【0033】
このように、撮像ユニット100において、撮像素子102が基板PCの裏面側から基板PCの開口部110を塞ぐように備えられるとともに、基板PCの表面側から開口部110を通じて、その撮像素子102の受光面に当接するように光学部材101が備えられているので、基板PCの厚さ分、基板PC表面から垂直方向への光学部材101の突出を抑えることができる。よって、その光学部材101の突出を抑えた分、撮像ユニット100の厚みを薄くすることができる。
【0034】
特に、光学部材101や、光学部材101が備えられた撮像素子102の表面は、鏡枠104とカバー部材111等の外枠部材により覆われていることにより、光学部材101や撮像素子102は、撮像ユニット100の外部からの埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護される。
【0035】
また、光学部材101は、鏡枠104に嵌合され、位置規制されているので、鏡枠104を基板PCの所定の位置に固着することに基づき、光学部材101を基板PCや基板PCに備えられた撮像素子102に対し、所定の位置合わせを行うように備えることができるとともに、光学部材101が基板PCや基板PCに備えられた撮像素子102の所定位置からずれることを防ぐことができる。
【0036】
本実施の形態によれば、鏡枠104の内側に断熱部材としての押圧部材107を配置したので、押圧部材107を用いて外部の温度変化から光学部材101を隔離することで温度変化を抑制し、光学部材101の屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。尚、断熱部材を鏡枠104の外側に設けても同様な効果が得られる。
【0037】
更に、本実施の形態によれば、温度センサSが光学部材101の周囲温度を測定し、それに応じて制御回路108aが、ペルチェ素子PEを駆動するようになっているため、撮像素子102が動作することで熱が発生しても、その熱を撮像素子102が接するペルチェ素子PEの吸熱面(図2で上面)で吸熱し、その放熱面(図2で下面)より放出することで、光学部材101の過熱を抑制し、光学部材の屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。放熱面から放熱された熱は、放熱面に接するカバーBCを伝わって外部へと逃げることとなる。
【0038】
尚、外部の温度が非常に低いような場合には、逆にペルチェ素子PEの上面を放熱面とし、下面を吸熱面とすることで、撮像素子102及び光学部材101の温度を増大させることもできる。或いは、シャッタレリーズ前に不図示の駆動制御手段(電気回路108の一つ)を用いて、撮像素子102を予め動作させることで、それにより発生した熱を光学部材101に与えて、その温度を一定に維持すれば、外部環境の変化に関わらず常に同じ屈折率の状態で撮像を行うことができる。この際に、温度センサSの測定結果に応じてフィードバック制御を行うと好ましい。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の箇所の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における撮像ユニット200の一部省略断面図である。
【0040】
図6に示されるように、撮像ユニット200における光学部材は、基板の表面側から開口部110を通じて、撮像素子102の表面に当接する第1の光学部材150と、この第1の光学部材150に入射する光の量を調節する絞り板133を介し、第1の光学部材150の上方に備えられた補助光学部材としての第2の光学部材160とにより構成されている。なお、第1の光学部材150と第2の光学部材160との光軸は一致している。
【0041】
第1の光学部材150は、レンズ部(レンズともいう)150aの周囲に管状の下脚部150fを備えたものであり、下脚部150fの下端部には撮像素子102に当接する当接部150dが設けられている。また、第1の光学部材150の外周部は、鏡枠104の隔壁104cに当接し嵌合されており、第1の光学部材150の位置決めを確実なものとしている。
【0042】
第1の光学部材150の管状の下脚部150fの上面であって、レンズ部150aの周囲には、遮光性のある素材からなり、レンズ部150aのFナンバーを規定する絞りとしての開口133aを有する絞り板133が接着剤により、固定されている。
【0043】
第2の光学部材160は、レンズ部(レンズともいう)160aの周囲に管状の上脚部160eを備えたものであり、上脚部160eの下面側には、絞り板133が接着剤により、固定されている。また、第2の光学部材160は、第2の光学部材160と、遮光板105との間に配置された押圧部材207により、第2の光学部材160を図6中、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、絞り板133を介し第1の光学部材150を撮像素子102に付勢する。
【0044】
このように、撮像ユニット200において、第1の光学部材150と第2の光学部材160とを複合して用いる、すなわち複数のレンズを用いることにより、第1の光学部材150と第2の光学部材160との、それぞれの光学素子としての機能等を複合することにより、撮影レンズとしての機能の幅を広げることができる。よって、薄型化した撮像ユニットであっても、より高機能な撮像ユニットとすることができる。
【0045】
本実施の形態では、押圧部材207としてコイルバネを用い、第2の光学部材160のフランジ部に対して付勢力を発生している。又、第1の光学部材150と第2の光学部材160の周囲には、伝導手段である第1のヒートパイプ180が巻かれており、その両端180aは、鏡枠104の外部に露出している。又、撮像素子102の下面には、伝導手段である第2のヒートパイプ181が蛇行状に設置されており、その両端181aは、カバーBCの外側に露出している。
【0046】
ヒートパイプ180,181は、銅などの中空パイプの内部を真空に近い状態にして少量の水や代替フロンなどの作動液(熱を伝達する液)を封入したもので、高い熱伝導率を有したものをいう。ヒートパイプ180,181の吸熱部(ここでは中央部)から放熱部(端部180a、181a)への熱の伝達は、以下のようにして行われる。すなわち、吸熱部に熱源からの熱が伝わって温度が上昇し、吸熱部付近の作動液が蒸発し、作動液蒸発の際の気化潜熱により吸熱部が冷却され、気化した作動液の蒸気は放熱部(端部180a、181a)に移動し、ここで冷却された作動液の蒸気は熱を放出して液相に戻り、ヒートパイプ180,181の内壁を伝わって吸熱部に戻る。作動液は以上のように相を変化させながらヒートパイプ180,181の内部を循環して吸熱部の熱を放熱部(端部180a、181a)で放出する。
【0047】
本実施の形態においては、第1のヒートパイプ180を設けているので、例えば撮像素子102から発生する熱が、第1の光学部材150と第2の光学部材160とに伝わった場合でも、ヒートパイプ180を介して、その熱を鏡枠104の外部へと伝導させることができるので、第1の光学部材150と第2の光学部材160の温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【0048】
更に、本実施の形態においては、第2のヒートパイプ181を設けているので、例えば撮像素子102から発生する熱が、第1の光学部材150と第2の光学部材160とに伝わる前に、ヒートパイプ181を介して、その熱をカバーBCの外部へと伝導させることができるので、第1の光学部材150と第2の光学部材160の温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。尚、操作者の体温は、外気温度より大きく変化することはないと考えられるため、ヒートパイプ180,181の端部180a、181aを、操作者の指が触れる部分(グリップ部)などに配置すれば、外気温度に関わらず、安定した熱交換が可能となる。
【0049】
次に、上記撮像ユニット100,200を搭載した携帯端末について説明する。図7に示すように、携帯端末は、例えば、折り畳み式携帯電話機T(以下、携帯電話機Tという)であり、表示画面Dを備えたケースとしての上筐体171と、操作ボタンPを備えた下筐体172とがヒンジ173を介して連結されている。撮像ユニット100(200)は、上筐体171の内表面側(表示画面Dを有する側)の表示画面Dの下方に内蔵されており、撮像ユニット100(200)が上筐体171の外表面から光を取り込めるようになっている。
【0050】
携帯電話機Tに薄型化された撮像ユニット100を内蔵することにより、携帯電話機Tをより薄型化することができ、撮像対象との距離や、撮像環境に合わせて撮像ユニット100(200)の機能を使い分けることにより、付加価値の高い携帯電話機Tとすることができる。なお、携帯電話機Tのその他の構成要素は、公知のものであるため、説明を省略する。
【0051】
また、撮像ユニット200は、第1の光学部材150と第2の光学部材160とによるレンズ部2枚構成を例に説明したが、光学部材、レンズ部の数はこれに限らず、任意であり、複数の光学部材の積層形状、積層方法等も任意である。また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0052】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本発明の撮像ユニットは、携帯電話、パソコン、PDA、AV装置、テレビ、家庭電化製品など種々のものに組み込むことが可能と考えられる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、環境変化に対応しながらも高画質化及び小型化を図ることができる撮像ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における撮像装置を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における撮像ユニット100の一部省略断面図である。
【図3】撮像ユニット100の基板PCの一部省略上面図である。
【図4】撮像ユニット100に備えられた光学部材101の斜視図である。
【図5】光学部材101の下面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における撮像ユニットを示す一部省略断面図である。
【図7】本発明の撮像ユニットを搭載した携帯電話機の一例を示す正面図及び背面図である。
【符号の説明】
101、150,160 光学部材
101a、150a、160a レンズ部
100,200 撮像ユニット
102a 撮像素子
108a 制御回路
180,181 ヒートパイプ
PE ペルチェ素子
S 温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像ユニットに関し、特に携帯電話やパソコン(パーソナルコンピューター)などに搭載可能な撮像ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、CPUの高性能化、画像処理技術の発達などにより、デジタル画像データを手軽に取り扱えるようになってきた。特に、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)において、画像を表示できるディスプレイを備えた機種が出回っており、近い将来、無線通信速度の飛躍的な向上が期待できることから、このような携帯電話やPDA間で画像データの転送が頻繁に行われることが予想される。
【0003】
特に最近は、特許文献1に記載されているようなCCDなどの固体撮像素子を含む撮像ユニットを搭載した携帯電話が市販されており、これを用いて手軽に撮像を行うことができる。又、撮像した画像に対応する画像データは、パソコンなどを介することなく別な携帯電話に手軽に送信することができる。
【特許文献1】
特開2003−37758号公報
【特許文献2】
特開平05−093832号公報
【特許文献3】
特開2003−131103号公報
【特許文献4】
特開2002−072042号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示された撮像ユニットは、小型低コストで、組み立て時の光学的な調整も不要で生産性が良いという利点がある。又、その撮影光学系にプラスチックが使用されているが、それにより温度変化でピント位置の移動は生じるものの、特許文献1の技術は、低画素の撮像素子を用いた場合には、温度変化によるピント位置の移動の影響もなく好適なものであるので、いわゆるパンフォーカスレンズを採用し、フォーカス合わせのためにレンズを移動させることなく、レンズを近側から遠側まで、ある許容された画質のなかで撮影できるようにしている。
【0005】
しかし、最近は、たとえ携帯電話であろうとも高画質な画像を撮像できることが望まれており、従って撮像素子はより高画素なものが搭載される傾向がある。一方、携帯電話等は、例えば洋服のポケットに入れてもかさばらないように、コンパクト性が特に重視されるため、大型の撮像素子を搭載することは通常困難である。このような撮像素子の高画素化と小型化により、従来より画素ピッチが小さくなると、プラスチックレンズの温度変化によりピントの位置ズレが生じた場合、フォーカス合わせのためにレンズを移動させないと、近側から遠側まで、良好な画質での撮影ができなくなるという問題がある。特に、撮像素子は動作時に熱が発生しやすく、その熱を受けて撮影レンズのピント位置の移動が生じやすい。
【0006】
そのような問題を解決するために、小型撮像ユニットのレンズの一部または全部を移動させてフォーカシングが可能となるように構成した上で、特許文献2,3に記載されているように、温度を検知して、その検知結果に基づいてレンズを移動するよう方法や、特許文献4に記載されているように、新たに温度変化を補正する補正部材を設けるなどの方法が考えられる。しかしながら、新たに温度検知結果に応じてレンズを移動させたり、移動量を記録させるためのメモリを新たに設けたり、補正部材を設けるなどすると、構成が複雑化し撮像ユニットが大型化してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、環境変化に対応しながらも高画質化及び小型化を図ることができる撮像ユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明の撮像ユニットは、温度変化に応じてピント位置が移動する(例えばプラスチックレンズ、以下同じ)を少なくとも1枚含む撮影レンズと、前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する鏡胴と、を有し、前記鏡胴の内側もしくは外側に断熱部材を配置したので、前記断熱部材を用いて外部環境の温度変化から前記撮影レンズを隔離することで前記撮影レンズの温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【0009】
第2の本発明の撮像ユニットは、温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する鏡胴と、前記撮像素子から発生する熱を、前記鏡胴の外部へと伝導させる伝導手段とを有するので、前記伝導手段により、前記撮像素子から発生した熱は外部へと運びだされて前記撮影レンズに伝わりにくくなり、その結果前記撮影レンズの温度変化が抑制され、屈折率変化が抑えられるため、より高画質な画像を得ることができる。
【0010】
更に、前記伝導手段は、ヒートパイプを含むと好ましい。
【0011】
第3の本発明の撮像ユニットは、温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する鏡胴と、前記撮影レンズの温度を測定する温度センサと、前記温度センサの測定結果に基づいて、前記撮影レンズの温度を調整する温度調整手段とを有するので、前記温度調整手段が、前記撮影レンズの温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【0012】
更に、前記温度調整手段は、ペルチェ素子を含むと好ましい。
【0013】
更に、前記温度調整手段は、前記撮像素子の駆動制御手段を含むと、例えば前記シャッタレリーズ前に前記撮像素子を予め動作させることで、それにより発生した熱を前記撮影レンズに与えて、その温度をサチュレートさせるようにすることができ、常に同じ屈折率の状態で撮像を行うことができる。
【0014】
更に、前記鏡胴は、前記撮像素子が取り付けられた基板に対して取り付けられていると好ましい。
【0015】
更に、前記撮像素子の被写体側には赤外線カットフィルタが配置されていると、外部から入射する赤外線をカットすることで、前記撮影レンズの温度の増大を抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態における撮像ユニット100の斜視図であり、図2は、図1のII−II線における撮像ユニット100の一部省略断面図である。図3は、撮像ユニット100の基板PCの一部省略上面図である。図4は、撮像ユニット100に備えられた光学部材101の斜視図であり、図5は、同光学部材101の下面図である。
【0017】
図1から図3に示されるように、撮像ユニット100は、開口部110が形成された基板PCと、その基板PCの裏面側から開口部110を塞ぐように備えられた撮像素子102と、基板PCの表面側から開口部110を通じて、その撮像素子102の表面である受光面に当接し、撮像素子102に集光させるための光学部材101と、この光学部材(撮影レンズ)101に入射する光の量を調節する絞り板103と、撮像素子102と開口部110とを覆い隠す鏡胴としての鏡枠104と、鏡枠104に備えられた遮光性を有する遮光板105と、遮光板105に支持される赤外線カットフィルタ106と、遮光板105と光学部材101の間に備えられ、光学部材101を基板PC側へ押圧する押圧部材107と、光学部材101の位置決めを行うために基板PC上の所定位置に配置された位置決め電気部品108a・・・と、その他基板PC上に配置された電気部品108・・・等により構成されている。
【0018】
撮像素子102は、CCD又はCMOS型イメージセンサからなり、矩形薄板状の撮像素子102の端部における上面が、基板PCの裏面側に取り付けられている。撮像素子102の上面中央には、画素が2次元的に配列され、撮像面としての光電変換部102aが形成されており、撮像素子102が基板PCの裏面に取り付けられた際、基板PCに形成された開口部110の位置に光電変換部102aが対応するようになっている。
【0019】
また、撮像素子102の端部における上面と、基板PCの裏面側とは、電極としてのバンプ112を介して取り付けられており、撮像素子102と基板PCとはバンプ112により電気的に接続されている。なお、撮像素子102と基板PCとは、ACF(導電性フィルム)等を用いた圧着や、溶着、溶接等により取り付けられ、接続されている。
【0020】
撮像素子102の裏面(下面)には、ペルチェ素子PEが直付けされている。
ペルチェ素子PEは、基板PC上の位置決め電気部品である制御回路108aに電気的に接続されており、制御回路108aは、光学部材101に近接して配置された温度センサSから温度信号を入力可能となっており、鏡胴である鏡枠104の内部温度を測定することで、間接的に光学部材101の温度を測定するようになっている。温度センサSを光学部材101に直付けして、その温度を直接測定するようにしても良い。ペルチェ素子PEの裏面(下面)は、例えば図7に示す携帯電話のカバーBCに直付けされている。カバーBCは金属製の部材から形成されると好ましい。本実施の形態では、ペルチェ素子PEと制御回路108aとで温度調整手段を構成する。
【0021】
光学部材101は、透明なプラスチック材料を素材とし、図2及び図4から図5に示されるように、管状の脚部101cと、この脚部101cに支持される凸レンズ形状のレンズ部(レンズともいう)101aとが一体的に形成されている。脚部101cは、下端に形成された4つの当接部101dと、上端周囲に形成された上脚部101eと、当接部101dと上脚部101eとの間に形成された下脚部101fとを備えている。また、脚部101cの上端を塞ぐ板状の上面部101bの中央にレンズ部101aが形成されている。
【0022】
また、上面部101bの上面であって、レンズ部101aの周囲には、遮光性のある素材からなり、凸レンズ部101aのFナンバーを規定する第1の絞りとしての開口103aを有する絞り板103が接着剤により固定されている。
【0023】
光学部材101の外側には、遮光性のある素材からなり外枠部材を構成する鏡枠104が配置されている。鏡枠104には、図1に示すように、角柱状の下部104aと、円筒状の上部104bとが設けられている。鏡枠104の上部104bの上端には、遮光板105が接着剤Bにより取り付けられている。遮光板105は、その中央に第2の絞りとしての開口105aを有している。遮光板105の中央の開口105aの下方に、赤外線吸収特性を有する素材からなる赤外線カットフィルタ106が接着剤Bにより接合されている。そして、この遮光板105と赤外線カットフィルタ106とでカバー部材111を構成する。
【0024】
また、下部104aの下端部104aaは、基板PC上に鏡枠104が取り付けられる際の接着部位となる箇所であって、鏡枠104の下部104aが基板PC上に当接され取り付けられる際には、下部104aの下端部104aaと、基板PCとの間に接着剤Bが塗布され、固着される。
【0025】
このように、基板PCと鏡枠104とカバー部材111とが密着し接合しているので、基板PCと鏡枠104とカバー部材111等に覆われる光学部材101や撮像素子102の表面は、環境外乱である埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護される。
【0026】
つまり、鏡枠104とカバー部材111とで構成される外枠部材が、光学部材101や基板PCの開口部110、撮像素子102の表面を覆うことにより、撮像ユニット100は、防塵、防湿の構造、光学部材101等の保護構造を有する。
【0027】
更に、光学部材101は、後述する押圧部材107を介して鏡枠104に位置規制されているので、基板PCの所定位置に、例えば、後述する位置決め電気部品(制御装置)108aに基づき、鏡枠104を位置決めして配置することにより、基板PCの所定位置に光学部材101を配置することができ、例えば、基板PCに備えられた撮像素子102の光電変換部102aの中心と、鏡枠104に嵌合された光学部材101のレンズ部101aの光軸の中心を一致させるように備えることができる。
【0028】
また、光学部材101は、後述する押圧部材107を介して鏡枠104に位置規制されているため、基板PCの所定位置に鏡枠104が配置され、固定された状態においては、光学部材101は所定の位置からずれにくく、例えば、光学部材101のレンズ部101aの光軸の中心と、撮像素子102の光電変換部102aの中心とが一致した状態を維持しやすい。
【0029】
図2において、光学部材101と、遮光板105との間から脚部101cの周囲に至るまで、例えば、ゴムなどの断熱性が高く且つ弾性を有する部材により構成された押圧部材(断熱部材)107が配置されている。遮光板105が鏡枠104に取り付けられることで、遮光板105が押圧部材107を押圧して、押圧部材107の上部が弾性変形する。この押圧部材107は、光学部材101を図2中、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、光学部材101を撮像素子102に付勢する。ここで、遮光板105から下方の撮像素子102に向かう力が加わった際、押圧部材107が弾性変形することにより、その力を吸収する緩衝作用が働くので、その力は直接撮像素子102には伝達されず、撮像素子102が破損することを防ぐ効果がある。
【0030】
電気部品108・・・は、撮像ユニット100を動作させ、画像処理を行うために必要な電気部品である。このように電気部品108・・・が基板PC上に設けられているので、撮像ユニット100を一つのユニットとして、様々な電子機器に搭載しやすくなる。
【0031】
位置決め電気部品108a・・・は、例えば、コンデンサ、抵抗、ダイオード等であってよいが、本実施の形態では、ペルチェ素子PEの制御回路を含む。図2、図3において、基板PC上の鏡枠104と、開口部110との間であって、鏡枠104に近接し、鏡枠104の4隅に対応して配置されている。この位置決め電気部品108a・・・は、鏡枠104を基板PC上に固着する際の固定位置の近傍にあり、鏡枠104の位置決め指標となる。
【0032】
また、電気部品108・・・のうち、鏡枠104等からなる外枠部材の外部における環境外乱から保護したい電気部品108(例えば、CPUなどの電子部品)は、位置決め電気部品108aのように、鏡枠104(外枠部材)の内側に配置すればよい。
【0033】
このように、撮像ユニット100において、撮像素子102が基板PCの裏面側から基板PCの開口部110を塞ぐように備えられるとともに、基板PCの表面側から開口部110を通じて、その撮像素子102の受光面に当接するように光学部材101が備えられているので、基板PCの厚さ分、基板PC表面から垂直方向への光学部材101の突出を抑えることができる。よって、その光学部材101の突出を抑えた分、撮像ユニット100の厚みを薄くすることができる。
【0034】
特に、光学部材101や、光学部材101が備えられた撮像素子102の表面は、鏡枠104とカバー部材111等の外枠部材により覆われていることにより、光学部材101や撮像素子102は、撮像ユニット100の外部からの埃などのゴミや湿気等の付着や傷等の損傷から防がれ、保護される。
【0035】
また、光学部材101は、鏡枠104に嵌合され、位置規制されているので、鏡枠104を基板PCの所定の位置に固着することに基づき、光学部材101を基板PCや基板PCに備えられた撮像素子102に対し、所定の位置合わせを行うように備えることができるとともに、光学部材101が基板PCや基板PCに備えられた撮像素子102の所定位置からずれることを防ぐことができる。
【0036】
本実施の形態によれば、鏡枠104の内側に断熱部材としての押圧部材107を配置したので、押圧部材107を用いて外部の温度変化から光学部材101を隔離することで温度変化を抑制し、光学部材101の屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。尚、断熱部材を鏡枠104の外側に設けても同様な効果が得られる。
【0037】
更に、本実施の形態によれば、温度センサSが光学部材101の周囲温度を測定し、それに応じて制御回路108aが、ペルチェ素子PEを駆動するようになっているため、撮像素子102が動作することで熱が発生しても、その熱を撮像素子102が接するペルチェ素子PEの吸熱面(図2で上面)で吸熱し、その放熱面(図2で下面)より放出することで、光学部材101の過熱を抑制し、光学部材の屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。放熱面から放熱された熱は、放熱面に接するカバーBCを伝わって外部へと逃げることとなる。
【0038】
尚、外部の温度が非常に低いような場合には、逆にペルチェ素子PEの上面を放熱面とし、下面を吸熱面とすることで、撮像素子102及び光学部材101の温度を増大させることもできる。或いは、シャッタレリーズ前に不図示の駆動制御手段(電気回路108の一つ)を用いて、撮像素子102を予め動作させることで、それにより発生した熱を光学部材101に与えて、その温度を一定に維持すれば、外部環境の変化に関わらず常に同じ屈折率の状態で撮像を行うことができる。この際に、温度センサSの測定結果に応じてフィードバック制御を行うと好ましい。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の箇所の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における撮像ユニット200の一部省略断面図である。
【0040】
図6に示されるように、撮像ユニット200における光学部材は、基板の表面側から開口部110を通じて、撮像素子102の表面に当接する第1の光学部材150と、この第1の光学部材150に入射する光の量を調節する絞り板133を介し、第1の光学部材150の上方に備えられた補助光学部材としての第2の光学部材160とにより構成されている。なお、第1の光学部材150と第2の光学部材160との光軸は一致している。
【0041】
第1の光学部材150は、レンズ部(レンズともいう)150aの周囲に管状の下脚部150fを備えたものであり、下脚部150fの下端部には撮像素子102に当接する当接部150dが設けられている。また、第1の光学部材150の外周部は、鏡枠104の隔壁104cに当接し嵌合されており、第1の光学部材150の位置決めを確実なものとしている。
【0042】
第1の光学部材150の管状の下脚部150fの上面であって、レンズ部150aの周囲には、遮光性のある素材からなり、レンズ部150aのFナンバーを規定する絞りとしての開口133aを有する絞り板133が接着剤により、固定されている。
【0043】
第2の光学部材160は、レンズ部(レンズともいう)160aの周囲に管状の上脚部160eを備えたものであり、上脚部160eの下面側には、絞り板133が接着剤により、固定されている。また、第2の光学部材160は、第2の光学部材160と、遮光板105との間に配置された押圧部材207により、第2の光学部材160を図6中、下方に向かって所定の押圧力により押圧して、絞り板133を介し第1の光学部材150を撮像素子102に付勢する。
【0044】
このように、撮像ユニット200において、第1の光学部材150と第2の光学部材160とを複合して用いる、すなわち複数のレンズを用いることにより、第1の光学部材150と第2の光学部材160との、それぞれの光学素子としての機能等を複合することにより、撮影レンズとしての機能の幅を広げることができる。よって、薄型化した撮像ユニットであっても、より高機能な撮像ユニットとすることができる。
【0045】
本実施の形態では、押圧部材207としてコイルバネを用い、第2の光学部材160のフランジ部に対して付勢力を発生している。又、第1の光学部材150と第2の光学部材160の周囲には、伝導手段である第1のヒートパイプ180が巻かれており、その両端180aは、鏡枠104の外部に露出している。又、撮像素子102の下面には、伝導手段である第2のヒートパイプ181が蛇行状に設置されており、その両端181aは、カバーBCの外側に露出している。
【0046】
ヒートパイプ180,181は、銅などの中空パイプの内部を真空に近い状態にして少量の水や代替フロンなどの作動液(熱を伝達する液)を封入したもので、高い熱伝導率を有したものをいう。ヒートパイプ180,181の吸熱部(ここでは中央部)から放熱部(端部180a、181a)への熱の伝達は、以下のようにして行われる。すなわち、吸熱部に熱源からの熱が伝わって温度が上昇し、吸熱部付近の作動液が蒸発し、作動液蒸発の際の気化潜熱により吸熱部が冷却され、気化した作動液の蒸気は放熱部(端部180a、181a)に移動し、ここで冷却された作動液の蒸気は熱を放出して液相に戻り、ヒートパイプ180,181の内壁を伝わって吸熱部に戻る。作動液は以上のように相を変化させながらヒートパイプ180,181の内部を循環して吸熱部の熱を放熱部(端部180a、181a)で放出する。
【0047】
本実施の形態においては、第1のヒートパイプ180を設けているので、例えば撮像素子102から発生する熱が、第1の光学部材150と第2の光学部材160とに伝わった場合でも、ヒートパイプ180を介して、その熱を鏡枠104の外部へと伝導させることができるので、第1の光学部材150と第2の光学部材160の温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。
【0048】
更に、本実施の形態においては、第2のヒートパイプ181を設けているので、例えば撮像素子102から発生する熱が、第1の光学部材150と第2の光学部材160とに伝わる前に、ヒートパイプ181を介して、その熱をカバーBCの外部へと伝導させることができるので、第1の光学部材150と第2の光学部材160の温度変化を抑制し、屈折率変化を抑えることで、より高画質な画像を得ることができる。尚、操作者の体温は、外気温度より大きく変化することはないと考えられるため、ヒートパイプ180,181の端部180a、181aを、操作者の指が触れる部分(グリップ部)などに配置すれば、外気温度に関わらず、安定した熱交換が可能となる。
【0049】
次に、上記撮像ユニット100,200を搭載した携帯端末について説明する。図7に示すように、携帯端末は、例えば、折り畳み式携帯電話機T(以下、携帯電話機Tという)であり、表示画面Dを備えたケースとしての上筐体171と、操作ボタンPを備えた下筐体172とがヒンジ173を介して連結されている。撮像ユニット100(200)は、上筐体171の内表面側(表示画面Dを有する側)の表示画面Dの下方に内蔵されており、撮像ユニット100(200)が上筐体171の外表面から光を取り込めるようになっている。
【0050】
携帯電話機Tに薄型化された撮像ユニット100を内蔵することにより、携帯電話機Tをより薄型化することができ、撮像対象との距離や、撮像環境に合わせて撮像ユニット100(200)の機能を使い分けることにより、付加価値の高い携帯電話機Tとすることができる。なお、携帯電話機Tのその他の構成要素は、公知のものであるため、説明を省略する。
【0051】
また、撮像ユニット200は、第1の光学部材150と第2の光学部材160とによるレンズ部2枚構成を例に説明したが、光学部材、レンズ部の数はこれに限らず、任意であり、複数の光学部材の積層形状、積層方法等も任意である。また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0052】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本発明の撮像ユニットは、携帯電話、パソコン、PDA、AV装置、テレビ、家庭電化製品など種々のものに組み込むことが可能と考えられる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、環境変化に対応しながらも高画質化及び小型化を図ることができる撮像ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における撮像装置を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における撮像ユニット100の一部省略断面図である。
【図3】撮像ユニット100の基板PCの一部省略上面図である。
【図4】撮像ユニット100に備えられた光学部材101の斜視図である。
【図5】光学部材101の下面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における撮像ユニットを示す一部省略断面図である。
【図7】本発明の撮像ユニットを搭載した携帯電話機の一例を示す正面図及び背面図である。
【符号の説明】
101、150,160 光学部材
101a、150a、160a レンズ部
100,200 撮像ユニット
102a 撮像素子
108a 制御回路
180,181 ヒートパイプ
PE ペルチェ素子
S 温度センサ
Claims (8)
- 温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、
前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、
前記撮影レンズを保持する鏡胴と、を有し、
前記鏡胴の内側もしくは外側に断熱部材を配置したことを特徴とする撮像ユニット。 - 温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、
前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、
前記撮影レンズを保持する鏡胴と、
前記撮像素子から発生する熱を、前記鏡胴の外部へと伝導させる伝導手段とを有することを特徴とする撮像ユニット。 - 前記伝導手段は、ヒートパイプを含むことを特徴とする請求項2に記載の撮像ユニット。
- 温度変化に応じてピント位置が移動する撮影レンズと、
前記撮影レンズを介して被写体光を受光し画像信号に変換する撮像素子と、
前記撮影レンズを保持する鏡胴と、
前記撮影レンズの温度を測定する温度センサと、
前記温度センサの測定結果に基づいて、前記撮影レンズの温度を調整する温度調整手段とを有することを特徴とする撮像ユニット。 - 前記温度調整手段は、ペルチェ素子を含むことを特徴とする請求項4に記載の撮像ユニット。
- 前記温度調整手段は、前記撮像素子の駆動制御手段を含むことを特徴とする4又は5に記載の撮像ユニット。
- 前記鏡胴は、前記撮像素子が取り付けられた基板に対して取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の撮像ユニット。
- 前記撮像素子の被写体側には赤外線カットフィルタが配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像ユニット。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008093463A1 (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-07 | Konica Minolta Opto, Inc. | 撮像装置及び携帯端末 |
WO2009096460A1 (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Konica Minolta Opto, Inc. | 撮像装置、携帯端末、撮像装置の製造方法、および携帯端末の製造方法 |
JP2022105589A (ja) * | 2018-05-16 | 2022-07-14 | リコーインダストリアルソリューションズ株式会社 | レンズユニット及び画像投影装置 |
CN116299937A (zh) * | 2023-05-26 | 2023-06-23 | 苏州华英光电仪器有限公司 | 一种基于水冷的自动温度补偿的变倍扩束镜 |
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2003
- 2003-06-25 JP JP2003180594A patent/JP2005020229A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008093463A1 (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-07 | Konica Minolta Opto, Inc. | 撮像装置及び携帯端末 |
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