JP2005018826A - 垂直磁気記録ディスクの検査方法及びハードディスクドライブ - Google Patents

垂直磁気記録ディスクの検査方法及びハードディスクドライブ Download PDF

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Abstract

【課題】優れた信号品質で高密度記録が可能でかつ廉価な垂直磁気記録ディスクを提供する。
【解決手段】垂直磁気記録ディスク2の磁気記録面を電磁石(イレーズ手段)9で直流消去し、直流消去された垂直磁気記録ディスク2上を、磁気抵抗効果を利用した再生素子を備える磁気ヘッド5で走査して再生出力を得、この再生出力を信号読みだし回路部11で増幅し、信号計測・判定部14に送って判別して欠陥を検出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は垂直磁気記録ディスクの欠陥を検査する方法及びこの検査方法により合格した垂直磁気記録ディスクが搭載されたハードディスクドライブに関する。
【0002】
ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive, 以下HDD)に搭載される代表的な部品として磁気ディスクが挙げられる。磁気ディスクはガラス等の剛性ディスク基板上に磁気記録層として硬磁性材料からなる磁性層を形成して製造されている。磁性層の結晶配向性や磁性グレインを制御を目的として、ディスク基板と磁性層との間の適宜下地層などの機能層が形成される場合が多い。HDDにおいては、この磁気ディスクに磁気ヘッドを対向させて情報の記録及び再生が行なわれる。
磁気記録装置一般の中においてHDDが特徴付けられる理由の1つとして、磁気ヘッドは空気軸受を介して磁気ディスク面上を浮上飛行しながら記録再生を行なう点が挙げられる。近時この浮上量は10nm(ナノメートル)程度まで低減させることが求められており、まさに、ナノテクノロジーの領域に達しつつある。
【0003】
さて、このような磁気ディスクにあって従来は面内磁気記録方式が採用されてきた。面内磁気記録方式とは別名、長手磁気記録方式或いは水平磁気記録方式と言われる方式であって、磁気記録媒体の中では例えば、磁気テープやフロッピー(登録商標)ディスク等においても一般的に採用されている方式である。
【0004】
さて、通常、磁気ディスクの製造工程においては、検査工程が設けられる、この検査工程には例えば、グライド検査工程やエラー検査工程など欠陥検査工程が挙げられる。このような検査工程を設けることによって、HDDに搭載した場合にあっても故障無く記録再生に障害の起こらない磁気ディスクを供給することができる。
【0005】
面内磁気記録方式磁気ディスクにおける一般的な欠陥検査方法については、例えば下記特許文献1に示すことができる。特許文献1において説明されているように、通常、磁気ディスクの欠陥検査工程においては、検査用信号が記録された磁気ディスク上を磁気ヘッドで走査し、再生信号に基づいて欠陥を判定する検査方法が用いられている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−105901号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
磁気ディスクは高記録密度化に適した磁気記録媒体であるために、近年では急激に情報記録密度が上昇している。この結果、磁気ディスクは磁気記録媒体としての物理的限界に達しつつある。この例の一つとして、熱磁気余効の顕在化にともなう熱揺らぎ障害の発生が挙げられる。これは記録ビットが余りに微細化された結果として、磁性層が記録磁化を永年に渡って保持することが困難になってきたことによると考えられている。
【0008】
磁気ディスクにおいて、この物理限界を超えて情報記録密度を上昇させる手段として、最近、垂直磁気記録方式が注目されている。垂直磁気記録方式はその記録再生方式の属性により、面内磁気記録方式に比べて高記録密度領域での記録磁化安定性に優れているからである。
【0009】
ところが、垂直磁気記録方式用磁気ディスク(以下、垂直磁気記録ディスク)は面内磁気記録方式用磁気ディスク(以下、面内磁気記録ディスク)とは記録再生方式が異なるので、従来の面内磁気記録ディスクで用いていた欠陥検査方法をそのまま用いても検査ができないという問題が発生した。
【0010】
その原因として、面内磁気記録ディスクと垂直磁気記録ディスクとでは、再生出力信号が全く異なるという事が挙げられる。この例として図4を掲げる。検査用に同一の記録密度の信号が記録された面内磁気記録ディスクの再生信号パターン[図4(a)]と、垂直磁気記録ディスクの再生信号パターン[図4(b)]を示す。面内磁気記録ディスクでは再生信号が単峰パルスとして現れるのに対して、垂直磁気記録ディスクでは再生信号が矩形パルスとして現れてしまう。このため、面内磁気記録ディスクの欠陥検査で用いていた欠陥判別方法を垂直磁気記録ディスクにそのまま用いることができないという課題が発生する。
【0011】
もちろん、再生信号パターンが異なることを前提に、垂直磁気記録ディスクの欠陥検査方法として適した判定アルゴリズム及び装置を新たに設計し製造することは可能であるが、磁気ディスクの製造コストに対する圧迫が極めて大きいものとなる。近時、HDDの用途は従来のコンピューター搭載用途に加えて、携帯電話やPDA端末、カーナビゲーションシステムにまで市場が拡大しており、このため低価格化、コストダウン要求には厳しいものがある。新たに垂直磁気記録ディスク用の検査装置を購入した場合は極めて大きな設備投資となるが、このコストは製品に転嫁せざるを得ず、従って、高記録密度化に適した垂直磁気記録ディスクの供給が阻害されてしまうという課題も発生する。
【0012】
本発明はこのような事情の下で開発された技術であって、従来の面内磁気記録ディスクの検査工程を簡易に改良することにより、垂直磁気記録ディスクの検査工程に転用できる手段を提供するものであって、その第1の目的は、優れた信号品質を備える垂直磁気記録ディスクを提供することにある。また第2の目的は、廉価な垂直磁気記録ディスクを提供することにある。さらに第3の目的として、高記録密度の得られる廉価なハードディスクドライブを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、垂直磁気記録ディスクの記録再生の特徴を有意に利用する手段を付加することにより、従来の面内磁気記録ディスクの検査装置を転用することができることを見出した。本発明はこの知見を基に完成されたものである。本発明は前述の課題を解決するものであって、以下の構成を有するものである。
(構成1)
垂直磁気記録ディスクの磁気記録面の欠陥を検査する垂直磁気記録ディスクの検査方法であって、
前記垂直磁気記録ディスクの磁気記録面を直流消去する直流消去工程と、
前記直流消去された垂直磁気記録ディスク上を、磁気抵抗効果を利用した再生素子を備える磁気ヘッドで走査して再生出力を得る再生工程と、
前記再生出力を判別して欠陥を検出する欠陥検出工程と、
を有することを特徴とする垂直磁気記録ディスクの検査方法。
(構成2)
前記再生出力に重畳される直流成分を除去した信号を判別して欠陥を検出することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録ディスクの検査方法。
(構成3)
前記直流成分を、AC結合デバイスを用いて除去することを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録ディスクの検査方法。
(構成4)
垂直磁気記録ディスクの磁気記録面の欠陥を検査する垂直磁気記録ディスクの検査方法であって、
前記垂直磁気記録ディスクの磁気記録面を直流消去する直流消去工程と、
前記直流消去された垂直磁気記録ディスクに検査用信号を記録する検査信号記録工程と、
前記検査用信号が記録された垂直磁気記録ディスク上を、磁気抵抗効果を利用した再生素子を備える磁気ヘッドで走査し、前記再生素子の再生出力を得る再生工程と、
前記再生出力を微分して得た信号を判別して欠陥を検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とする垂直磁気記録ディスクの検査方法。
(構成5)
前記再生出力を微分器で処理した信号を判別することによって欠陥を検出することを特徴とする請求項4に記載の垂直磁気記録ディスクの検査方法。
(構成6)
請求項1〜5の何れかの垂直磁気記録ディスクの検査方法により検査された垂直磁気記録ディスクが搭載されたハードディスクドライブ。
【0014】
磁気ディスクの検査工程には、ステップ(i)磁気ディスク上に磁気ヘッドを浮上飛行させるステップ、ステップ(ii)磁気ヘッドに搭載される再生素子で磁気ディスクを走査するステップ、ステップ(iii)走査して再生出力を得るステップ、ステップ(iv)再生出力を処理するステップ、ステップ(v)処理された再生信号に基づいて欠陥を判定するステップ、ステップ(vi)判定された欠陥に基づいて検査合否を決定するステップが含まれる。本発明では、ステップ(v)以降が面内磁気記録ディスク検査用のステップであっても支障なく欠陥を判定できるようにしたものである。
【0015】
なお、ステップ(i)〜ステップ(iii)は面内磁気記録ディスク用のステップを用いることができる。このため、面内磁気記録ディスク検査用の装置をそのまま転用することも可能であるので重大なコスト圧迫要因とはならない。ステップ(iv)においては可能な限り低コストな処理ステップが実現できるよう通常に面内磁気記録ディスクで用いられている処理ステップをベースとし、かつ、なるべく簡易に実施可能となるように配慮した。また、垂直磁気記録ディスクの特性に基づいた処理となるように工夫した。
【0016】
本発明において、磁気抵抗効果型の再生素子とは、AMR素子やGMR素子、TMR素子など、磁気抵抗効果を利用して再生出力を得るものであれば特に限定されない。ハードディスクドライブに搭載されたときに対向して用いられる磁気ヘッドの再生素子と同型の磁気抵抗効果型素子であることが好ましい。例えば、TMR素子を備える磁気ヘッドを搭載するHDDに用いるための垂直磁気記録ディスクの場合、欠陥検査用の磁気ヘッドの再生素子はTMR素子とすることが良い。本発明において、磁気ヘッドは通常にHDDで用いられる磁気ヘッドでもよいし、検査用に製造された磁気ヘッドを用いても構わない。
【0017】
本発明で対象とする欠陥としてはディスク上の凸状欠陥や凹状欠陥を挙げることができる。構成1に記載の手段は凹状欠陥の検出能力に優れているという利点がある。構成4に記載の手段は凸状欠陥も凹状欠陥も検出することができるという利点がある。
【0018】
構成2に記載の発明においては、再生出力から直流成分を除去しているので、前記ステップ(v)に掛かる負荷を小さくすることができるという利点がある。
また、欠陥の判定が容易になるという利点がある。具体的な直流成分の除去方法としては、AC結合デバイスを用いる方法や微分器を用いる方法を挙げることができる。
【0019】
構成3に記載の発明におけるAC結合デバイスとしては、例えば、ACアンプを用いることができる。
【0020】
構成4に記載の発明において、検査用信号の記録密度としては、例えば50kfci以上の記録密度を用いることが好ましい。好ましくは100kfci〜400kfciの記録密度を挙げることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる垂直磁気記録ディスクの検査方法及びハードディスクドライブを図面に基づいて説明する。図1は実施の形態1にかかるの垂直磁気記録ディスクの検査方法(以下、欠陥検査方法と略称する場合がある)を実施するための検査装置の概略構成図、図2及び図3は欠陥検査方法の原理説明に利用する再生出力パターンであり、直流消去後の再生出力の波形を示す図である。そのうち、図2は、磁気ヘッドが浮上飛行しながら走査しているディスクトラックにおいて、垂直磁気記録ディスクに欠陥が無い場合を示している。また、図3は欠陥が有る場合を示している。
【0022】
この欠陥検査方法では、まず、垂直磁気記録ディスクを直流消去(DCイレーズ)した後、何らの記録信号を記録せずに、DCイレーズされた垂直磁気記録ディスク上を浮上飛行する磁気ヘッドで走査する。このとき、磁気ヘッドには磁気抵抗効果型再生素子(GMR素子)を備える磁気ヘッドを用いる。磁気ヘッドで再生された読み出し出力をヘッドアンプで増幅処理する。図2、図3はヘッドアンプで増幅処理した後の再生パターンを示している。垂直磁気記録ディスクではDCイレーズされた場合、ヘッドアンプがDC結合(DCカップリング)デバイス、例えばDCアンプであれば、読み出しパターン(DCカップリング信号)は、図2(a)のようなグランドラインから離れたDC波形となる。この場合の波形の極性は、DCイレーズ方向によって異なる。
【0023】
一方、ヘッドアンプがAC結合(ACカップリング)デバイス、例えばACアンプであれば、DC成分は通過しないので、読み出しパターン(DCカップリング信号)は、図2(b)のようにグランドラインにほぼ重なる。また、磁気ヘッドが浮上飛行しながら走査しているトラック位置において欠陥が有る場合は、ヘッドアンプがDCアンプであれば、読み出しパターンは、図3(a)のように欠陥位置で減衰したパルス状の信号となる。
【0024】
ヘッドアンプがACアンプであれば、前述のようにDC成分は通過しないため、読み出しパターンは、図3(b)のように、欠陥位置でパルス状の信号となる。このパルス状の信号の振幅は凹欠陥、特に膜欠陥の深さを示し、また、パルス幅は欠陥の長さを表す。従って、これを利用することにより、垂直磁気記録ディスクの欠陥検査が可能となる。
【0025】
このようにして得られたパルス状の信号は、検査用の記録信号が記録された面内磁気記録ディスクの欠陥検査を行なった場合に欠陥位置で検出されるパターンと類似したパターン形状である。従って、このような検査方法を用いることにより、面内磁気記録ディスクの検査装置でも垂直磁気記録ディスクの検査が可能となる。
【0026】
次に、図1の検査装置について説明し、その装置を利用して行う欠陥検査の方法について説明する。図1において、スピンスタンド1は、垂直磁気記録ディスクたる磁気ディスク2を搭載し固定するためのディスククランプ機構3と、磁気ディスク2を回転させるためのスピンドルモータ4と、磁気ヘッド5を搭載するヘッドクランプ機構6と、ヘッドスライダをディスク2上にロードさせるためのヘッドローディング機構7と、磁気ディスク2の表面の内周部から外周部まで磁気ヘッド5を走査させるためのシーク機構8とを有している。また、また、磁気ディスク2をDCイレーズ状態に着磁させるための電磁石(イレーズ手段)9と、それを駆動するための駆動電源10とを有している。
【0027】
信号読み出し回路部11は、スピンスタンド1に取り付けられた磁気ヘッド5によって読み出された磁気ディスク2上の再生出力を増幅する機能(リードアンプ)を有している。具体的には、磁気ヘッド5の再生素子から読み出された再生出力は、ACアンプ又はDCアンプであるヘッドアンプ12及びプリアンプ13を通じて増幅され、信号計測・判定部14へと送られる。
【0028】
信号計測・判定部14は、前述の信号読み出し回路部11によって増幅された再生信号を測定し、判定するための機能(欠陥判定手段としての機能)を有しており、デジタルオシロスコープまたはADコンバータ(ADC)付きのメモリーカード15と、これらの測定器の制御並びにデータ処理・判定のためのパーソナルコンピュータ16とから構成されている。なお、パーソナルコンピュータ16は、スピンスタンド1と、信号読み出し回路部11とを制御する機能も有している。
【0029】
この装置で磁気ディスク2の欠陥検査を行う場合は、まず、図のように磁気ディスク2と磁気ヘッド5をスピンスタンド1にセットする。続いて、スピンドルモータ4を駆動して磁気ディスク2を回転させた後、電磁石9を駆動して磁気ディスク2をDCイレーズする。
【0030】
次に、磁気ヘッド5を磁気ディスク2の上にロードさせ、DCイレーズしたままの磁気ディスク2上を浮上飛行させながら走査し、再生出力を読み出す。磁気ヘッド5の再生素子(磁気抵抗効果型素子、具体的にはGMR素子)から出力される微弱な再生出力は、信号読み出し回路部11のヘッドアンプ12及びプリアンプ13を通じて増幅され、信号計測・判定部14へと送られる。
【0031】
信号計測・判定部14では、送られた信号をデジタルオシロスコープまたはADコンバータ付きメモリーカード15にてデジタル化し、パーソナルコンピュータ16にて欠陥の有無を判定する。例えば、磁気ディスク2に欠陥が無い場合は、信号読み出し回路部11から読み出された信号は、図2(b)のようなグランドラインと等しい形となるため、信号計測・判定部14でディジタル化されると、0,0,0,・・・となる。
【0032】
一方、磁気ディスク2に欠陥がある場合は、信号読み出し回路部11から読み出された信号は、図3(b)のようなパルス波形となるため、信号計測・判定部14でデジタル化されると、0,0,−1.7,0,0,−2.5,0,0,・・・のような値となる。従って、この数値をパーソナルコンピュータ16に取り込み、ある閾値(この場合は、例えば−1.5)以下の値を欠陥と判定するような処理を行えばよい。なお、この閾値は製品(磁気ディスク)に付与する品質保証水準に合わせて適宜設定することができる。
【0033】
上記欠陥検査方法及び欠陥検査装置を用いて、以下のように垂直磁気記録ディスクの検査を行なった。まず、2.5インチ型ガラスディスク基板上に軟磁性下地層、非磁性下地層、磁気記録層(硬磁性層)、保護層、潤滑層がこの順で順次形成された垂直磁気記録ディスクを作成した。軟磁性下地層、非磁性下地層、磁気記録層、保護層の成膜にあたってはDCマグネトロンスパッタリング方法を用いた。また潤滑層の成膜にあたってはディップ法を用いた。
【0034】
なお、ガラスディスク基板は化学強化されたアルミノシリケートガラス基板を用いた。また軟磁性下地層には軟磁気特性を備える磁性材料としてCoTaZr合金膜、非磁性下地層には非磁性のTi合金膜、磁気記録層には硬磁性特性を備えるCoCrPtB合金膜を用いた。保護層は水素化炭素膜である、潤滑層にはパーフルオロポリエーテル潤滑剤を用いた。
【0035】
なお、軟磁性下地層は信号記録時に鏡像効果に基づいて磁気記録層への磁気記録を補助する作用を有する。非磁性下地層は、磁気記録層の結晶配向が垂直配向するよう促進させる作用を備える。また、磁気記録層の磁性グレインを微細化する作用を備える。磁気記録層は磁気ヘッドの記録素子によって記録信号が垂直磁気記録される層である。保護層は磁気記録層を保護するための層、潤滑層は磁気ディスクに加わる衝撃を緩和するための層である。
【0036】
この垂直磁気記録ディスクを100枚作成し、上記実施形態の検査方法で検査したところ、欠陥(凹状欠陥)を判定し検出することができた。ディスク全面を検査したところ、1ディスク辺り平均で50個の欠陥を検出した。検出位置を電子顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いて詳細に分析したところ、検出位置に確かに欠陥が存在していることを確認した。
【0037】
なお、この検査では、記録素子として単磁極型記録素子を備える磁気ヘッドを用いた。この記録素子の記録トラック幅(Tww)は、0.35μmである。この実施形態では欠陥検査において記録素子で信号記録することは無いが、例えば、DCイレーズ手段として用いることもできる。なお、再生素子としては、前述のように、磁気抵抗効果型再生素子としてGMR素子を備えており、再生幅(Twr)が0.25μmのGMR素子である。
【0038】
なお、欠陥検出・判別基準の閾値としては、50kfciで記録信号を飽和記録した場合に得られる再生信号の出力の0−P値を100%としたときに、0−P値の60%を閾値に設定した。なお、50kfciに限らず、記録ビット間干渉が起こらない程度の低記録密度で飽和記録したときの再生出力を閾値設定の基準とすることができる。また、この検査方法により検査され合格となった垂直磁気記録ディスク用のハードディスクドライブに搭載し、記録再生を行なったところ問題なく動作させることができた。
【0039】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかる欠陥検査方法を説明する。なお、この実施の形態においても、検査に使用した垂直磁気記録ディスクは実施の形態1のものと同様である。本実施形態においては、実施の形態1において信号読み出し回路部11と信号計測・判定部14との間に微分器を設置することによって、プリアンプ13から送出される再生パターンを微分し、この微分パターンをデジタルオシロスコープまたはADコンバーター付きのメモリーカード15に送出した。
【0040】
欠陥検査においては、DCイレーズされた垂直磁気記録ディスク上に記録素子を用いて検査用信号を記録し、再生素子を用いて、記録された信号を含む再生出力をヘッドアンプ12に送出した。これらの点以外は実施の形態1と同様の方法によった。結果は図5に掲げる。本実施形態においても、欠陥を検出できることを確認した。欠陥検出数は、記録密度に依存して変動することが判る。これは、記録信号に基づいて欠陥検出をしようとする場合、記録信号の記録密度に依存して検出できる欠陥の大きさが変化するからである。即ち、欠陥検出の検出分解能は検査信号の記録密度に応じて決まるからである。
【0041】
なお、検出の閾値は、50kfciで記録信号を飽和記録した場合に得られる再生信号の出力の0−P値を100%としたときに、0−P値の60%を閾値に設定した。この場合、50kfciに限らず、記録ビット間干渉が起こらない程度の低記録密度で飽和記録したときの再生出力を閾値設定の基準とすることができる。また、実施例2で検出された欠陥を電子顕微鏡及び原子間力顕微鏡で詳細に分析すると、凹状欠陥に加えて、凸状欠陥も見られることが判った。
【0042】
また、実施の形態2においては、検査用信号の記録密度が余りに低記録密度であると欠陥検出分解能が十分でなくなる場合がある。使用されるハードディスクドライブで許容される欠陥レベルに応じて、検査用信号の下限値を設定することが好ましい。いたずらに下限値を上昇させた場合、製品(垂直磁気ディスク)として高い品質保証を付与することができる一方で、本来ハードディスクドライブで許容される程度の欠陥であっても不良品と判定され、無意味な歩留まり低下、及び製造コストの増大を招くので、ハードディスクドライブが求める品質保証水準と採算性とを比較考量して決定するように配慮する必要がある。
【0043】
また、余りに高記録密度で検査用信号を記録すると、検査用信号間でビット間干渉が起こり再生信号出力を低下させる場合がある。再生信号出力が低下して設定された閾値を下回ると、欠陥でないにも関わらず擬似的に欠陥と判定されてしまう場合がある。このような擬似欠陥が検出されると無意味な歩留まり低下及び製造コストの増大を招く場合があるので、適宜検査用信号の上限値を設定するとよい。この設定範囲としては、被検査垂直磁気記録ディスクがハードディスクドライブに搭載されたときの記録信号帯域に応じて適宜設定することができる。
【0044】
以上、実施の形態2において、検査用信号の記録密度を設定する場合にあたっての留意点は面内磁気記録ディスクの欠陥検査における検査用信号設定時の留意点と同様である。
【0045】
本実施の形態にかかる検査方法により検査されて合格となった垂直磁気記録ディスク用のハードディスクをハードディスクドライブに搭載し、記録再生を行なったところ問題なく動作させることができた。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば高い品質保証を付与することのできる垂直磁気記録ディスクを安価な方法で提供することができる。また、信頼性の高い高記録密度のハードディスクドライブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる垂直磁気記録ディスクの検査方法装置の概略構成図である。
【図2】本発明にかかる垂直磁気記録ディスクの検査方法の原理説明に用いる信号波形図で、磁気ヘッドが走査しているトラック位置において垂直磁気記録ディスク(媒体)に欠陥が無い場合の波形図であり、(a)はDCアンプによる波形図、(b)はACアンプによる波形図である。
【図3】本発明にかかる垂直磁気記録ディスクの検査方法の原理説明に用いる信号波形図で、磁気ヘッドが走行しているトラック位置において垂直磁気記録ディスク(媒体)に欠陥が有る場合の波形図であり、(a)はDCアンプによる波形図、(b)はACアンプによる波形図である。
【図4】磁気記録方式の違いによる再生出力信号波形の違いを示す図で、(a)は面内磁気記録ディスクの再生信号波形図、(b)は垂直磁気記録ディスクの再生信号波形図である。
【図5】実施の形態2にかかる垂直磁気記録ディスクの検査方法を実施して欠陥を検出した結果を示す図である。
【符号の説明】
2 磁気ディスク(垂直磁気記録ディスク)
5 磁気ヘッド
9 電磁石(DCイレーズ手段)
12 ヘッドアンプ
13 プリアンプ
14 信号計測・判定部(欠陥判定手段)

Claims (6)

  1. 垂直磁気記録ディスクの磁気記録面の欠陥を検査する垂直磁気記録ディスクの検査方法であって、
    前記垂直磁気記録ディスクの磁気記録面を直流消去する直流消去工程と、
    前記直流消去された垂直磁気記録ディスク上を、磁気抵抗効果を利用した再生素子を備える磁気ヘッドで走査して再生出力を得る再生工程と、
    前記再生出力を判別して欠陥を検出する欠陥検出工程と、を有することを特徴とする垂直磁気記録ディスクの検査方法。
  2. 前記再生出力に重畳される直流成分を除去した信号を判別して欠陥を検出することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録ディスクの検査方法。
  3. 前記直流成分を、AC結合デバイスを用いて除去することを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録ディスクの検査方法。
  4. 垂直磁気記録ディスクの磁気記録面の欠陥を検査する垂直磁気記録ディスクの検査方法であって、
    前記垂直磁気記録ディスクの磁気記録面を直流消去する直流消去工程と、
    前記直流消去された垂直磁気記録ディスクに検査用信号を記録する検査信号記録工程と、
    前記検査用信号が記録された垂直磁気記録ディスク上を、磁気抵抗効果を利用した再生素子を備える磁気ヘッドで走査し、前記再生素子の再生出力を得る再生工程と、
    前記再生出力を微分して得た信号を判別して欠陥を検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とする垂直磁気記録ディスクの検査方法。
  5. 前記再生出力を微分器で処理した信号を判別することによって欠陥を検出することを特徴とする請求項4に記載の垂直磁気記録ディスクの検査方法。
  6. 請求項1〜5の何れかの垂直磁気記録ディスクの検査方法により検査された垂直磁気記録ディスクが搭載されたハードディスクドライブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007305291A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Kla-Tencor Technologies Corp 垂直磁気媒体計測の方法とシステム
US8559122B2 (en) 2006-12-22 2013-10-15 HGST Netherlands B.V. Integrated spiral certification head for media magnetic testing including PMR and LMR media

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