JP2005017361A - Electro-optical device and electronic equipment - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置等に好適な電気光学装置及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶装置では、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等の能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
即ち、TFT素子によってマトリクス状に配列された画素電極(ITO)に画像信号を供給し、画素電極と対向電極相互間の液晶層に画像信号に基づく電圧を印加して、液晶分子の配列を変化させる。これにより、画素の透過率を変化させ、画素電極及び液晶層を通過する光を画像信号に応じて変化させて画像表示を行う。
【0004】
電圧無印加時の液晶分子の配列を規定するために、一方の基板(アクティブマトリクス基板(素子基板ともいう))及び他方の基板(対向基板)の液晶層に接する面上に配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を施す。ラビング処理によって、電圧無印加時の液晶分子はラビング方向に配列する。例えば、素子基板と対向基板とで相互に90度ねじれたラビング処理を施すと、液晶分子は液晶パネル内で連続的に向きを変え、両基板間では90度異なる向きに配列される。
【0005】
液晶パネルの前面及び背面に偏光板を設けて、入射した光のうち所定の偏光成分のみを通過させる。ノーマリホワイトモードでは、液晶パネルの前面及び背面の偏光板の偏光軸を90度相違させて、夫々基板のラビング方向に一致させる。
そうすると、液晶パネルの背面の偏光板を介して入射した光は、電圧無印加時には、液晶層において液晶分子の配列に従って90度回転し、液晶パネルの前面から偏光板を介して出射される。これにより、白表示が行われる。
【0006】
液晶に電圧を印加すると、液晶の配列方向が変化、即ち、液晶分子の長軸方向が電圧に応じて傾斜し、液晶パネル内の液晶による光の振動方向の回転が制限され、液晶パネル前面から出射される光は偏光板によって吸収される。画像信号に応じた電圧を液晶に印加し画像信号に応じた透過率で光を透過させることで、画像表示を行うのである。
【0007】
上述したように、配向膜を形成してラビング処理を施すことで、電圧無印加時の液晶分子の配列が決定される。配向膜は、例えばポリイミドを約数十ナノメーターの厚さで塗布することにより形成される。液晶層に対向する両基板の面上に配向膜を形成することで、液晶分子を基板面に沿って配向処理することができる。ラビング処理は、配向膜表面に細かい溝を形成して配向異方性の膜にするものであり、配向膜に一定方向のラビング処理を施すことで、液晶分子の配列を規定することができる。
【0008】
なお、電圧印加時において液晶分子の傾斜角が変化する方向を全ての液晶分子間で一致させるために、電圧無印加時において液晶分子の長軸を基板に対して所定の角度(プレチルト角)だけ傾斜させて配列させている。
【0009】
ところで、液晶装置では、液晶に対する直流電圧の印加によって、例えば、液晶成分の分解、液晶セル中に発生した不純物による汚染、表示画像の焼き付き等の液晶の劣化が生じる。そこで、一般的には、各画素電極の駆動電圧の極性を例えば画像信号における1フレームや1フィールド等の一定周期で反転させる反転駆動が行われる。
【0010】
画像表示領域を構成する全画素電極の駆動電圧の極性を単純に一定周期で反転させる(即ち、いわゆるビデオ反転駆動方式)と、特に画素数が多い場合に、一定周期のフリッカやクロストークが発生してしまう。そこで、一定周期のフリッカやクロストークの発生を防止するために、例えば一定周期で、駆動電圧の極性を、画素電極の行毎に反転させる1H反転駆動方式や画素電極の列毎に反転させる1S反転駆動方式等のライン反転駆動方式が開発されている。更に、一定周期で駆動電圧の極性を、ドット毎(即ち、行毎且つ列毎)に反転させるドット反転駆動方式も開発されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2003−131257号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ライン反転駆動方式の場合には、極性が相異なる電圧が印加される列方向又は行方向において、同一基板上の相隣接する画素電極間で電界(以下、横電界という)が生じてしまう。また、ドット反転駆動方式の場合には、極性が相異なる電圧が印加させる行方向及び列方向に相隣接する画素電極間で横電界が生じる。
【0013】
図12は電圧無印加時における液晶分子のプレチルト及び横電界の影響を模式的に示す説明図である。また、図13は液晶装置の平面形状を模式的に示す説明図である。
【0014】
上述したように、液晶分子は所定のプレチルト角を有して配列されている。隣接する画素電極121には、図12及び図13の+,−印に示すように、逆極性の駆動電圧が印加される。そうすると、隣接する画素電極121間に、図12の破線にて示す横電界123が生じる。隣接する画素間にこのような横電界123が生じると、画素電極121の一端側で、この横電界123の影響を受けて、液晶分子124の傾斜方向が他の液晶分子122と異なる部分が生じやすい。
【0015】
液晶分子は隣接する液晶分子同士で連続的に配列が変化する特性を有しており、所定の1箇所に生じた液晶分子の配列の乱れ(ディスクリネーション)によって、図13の斜線部に示すように、配向不良の部分に沿った水平方向にスジ状の模様(スジむら)が現れる。
【0016】
近年、配向の均一性を向上させるために、特許文献1のように液晶基板の表面を平坦化した液晶装置が開発されている。特に、このような平坦化された液晶装置において、上述した水平スジむらが現れやすいという問題点があった。
【0017】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、横電界の影響を受ける画素電極端部に対応した位置に、液晶分子の連続的な配列の乱れを抑制する部分を形成することによって、水平スジむらの発生を防止することができる電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気光学装置は、対向配置される第1及び第2の基板と、前記第1の基板にマトリクス状に配設され、隣接したラインでは相互に逆極性の駆動電圧が印加される複数の画素電極と、前記第2の基板に設けられる共通電極と、前記第1及び第2の基板間に挟持される電気光学物質と、前記逆極性の駆動電圧によって隣接した前記画素電極相互間に生じる電界の影響を前記電気光学物質が受ける範囲であって前記画素電極の1縁辺の内側に沿う帯状領域の少なくとも1箇所の前記第1の基板上に形成される突部とを具備したことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、隣接する画素電極は相互に逆極性の駆動電圧が印加されて、隣接する画素電極間で横電界が発生する。この横電界によって、画素電極の1縁辺の内側に沿って帯状のスジむらが生じやすい。突部は、この帯状領域の少なくとも1箇所の第1の基板上に形成され、スジむらの発生を抑制する。
【0020】
本発明に係る電気光学装置は、対向配置される第1及び第2の基板と、前記第1の基板にマトリクス状に配設され、隣接したラインでは相互に逆極性の駆動電圧が印加される複数の画素電極と、前記第2の基板に設けられる共通電極と、前記第1及び第2の基板間に挟持される電気光学物質と、前記逆極性の駆動電圧によって隣接した前記画素電極相互間に生じる電界の影響を前記電気光学物質が受ける範囲であって前記画素電極の1縁辺の内側に沿う帯状領域の少なくとも1箇所の前記第2の基板上に形成される突部とを具備したことを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、隣接する画素電極は相互に逆極性の駆動電圧が印加されて、隣接する画素電極間で横電界が発生する。この横電界によって、画素電極の1縁辺の内側に沿って帯状のスジむらが生じやすい。突部は、この帯状領域の少なくとも1箇所の第2の基板上に形成され、スジむらの発生を抑制する。
【0022】
また、前記突部は、前記複数の画素電極相互間の非開口領域に形成されることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、突部によって開口率が低下することはなく、スジむらの発生を防止すると共に、高開口率の表示が可能となる。
【0024】
また、前記突部は、前記帯状領域の少なくとも全幅に渡って形成されることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、突部によって、確実にスジむらの発生を防止することができる。
【0026】
また、前記突部は、ポール形状に形成されることを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、比較的容易に、比較的高い寸法の突部を形成することができ、スジむらの発生を確実に防止することができる。
【0028】
また、前記突部は、前記複数の画素電極相互間の非開口領域であって前記帯状領域の長手方向に垂直な方向にストライプ状に形成されることを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、1つのストライプ状の突部は、全幅方向には複数の帯状領域に跨り、比較的容易に、スジむらが生じやすい全ての箇所に突部を形成することができる。
【0030】
また、前記突部は、上端が前記第2の基板に当接することを特徴とする。
【0031】
このような構成によれば、充分に高い寸法の突部によって、スジむらの発生を確実に防止することができる。
【0032】
また、前記突部は、第1及び第2の基板上に前記電気光学物質に接して形成される配向膜の下方に形成されることを特徴とする。
【0033】
このような構成によれば、配向膜下方に、例えば半導体プロセスを利用して、突部を形成することができる。
【0034】
また、前記突部は、第1及び第2の基板上に前記電気光学物質に接して形成される配向膜の上方に形成されることを特徴とする。
【0035】
このような構成によれば、配向膜上方に、例えば半導体プロセス或いは印刷技術を利用して、突部を形成することができる。
【0036】
また、前記配向膜の下方の絶縁層は平坦化処理された絶縁膜であることを特徴とする。
【0037】
このような構成によれば、平坦化によって良好なラビングを得やすくすると共に、スジむらの発生を確実に防止することができる。
【0038】
本発明に係る電気機器は、上記電気光学装置を用いて構成したことを特徴とする。
【0039】
このような構成によれば、スジむらの発生を防止して、高品位の画像表示が可能である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る電気光学装置を示す模式的平面図である。本実施の形態はTFT基板を用いた液晶装置に適用したものである。図2は本実施の形態の電気光学装置である液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図である。図3はアクティブマトリクス基板であるTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図2のH−H’線の位置で切断して示す断面図である。図4は本実施の形態の電気光学装置である液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図5は図1乃至図4の液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図である。図6は本実施の形態における液晶装置の断面を模式的に示す説明図である。なお、上記各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0041】
本実施の形態は、TFT基板上の横電界の影響を受ける画素電極端部に対応した位置であって、開口領域以外の位置に、液晶分子の連続的な配列の乱れを抑制するための突部を形成することによって、水平スジむらの発生を防止するようにしたものである。
【0042】
先ず、図2乃至図4を参照して本実施の形態の電気光学装置である液晶装置の全体構成について説明する。
液晶装置は、図2及び図3に示すように、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなるTFT基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板からなる対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。対向配置されたTFT基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。
【0043】
TFT基板10上には画素を構成する画素電極(ITO)9a等がマトリクス状に配置される。また、対向基板20上には全面に対向電極(ITO)21が設けられる。TFT基板10の画素電極9a上には、ラビング処理が施された配向膜16が設けられている。一方、対向基板20上の全面に渡って形成された対向電極21上にも、ラビング処理が施された配向膜22が設けられている。各配向膜16,22は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
【0044】
図4は画素を構成するTFT基板10上の素子の等価回路を示している。図4に示すように、画素領域においては、複数本の走査線11aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線11aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線11aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0045】
TFT30は走査線11aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0046】
画素電極9aは、TFT基板10上にマトリクス状に複数設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線11aが設けられている。データ線6aは、後述するように、アルミニウム膜等を含む積層構造からなり、走査線11aは、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる。また、走査線11aは、後述するチャネル領域1a’に対向するゲート電極3aに電気的に接続されている。すなわち、走査線11aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、走査線11aに接続されたゲート電極3aとチャネル領域1a’とが対向配置されて画素スイッチング用のTFT30が構成されている。
【0047】
図1はマトリクス状に配列された一部の画素電極9aを示している。上述したように、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線11aが設けられている。図1の+印は所定のタイミングにおいてライン反転駆動の正極性の駆動電圧が印加される画素電極を示し、−印は所定のタイミングにおいてライン反転駆動の負極性の駆動電圧が印加される画素電極を示している。尚、正極性及び負極性の駆動電圧とは、駆動電圧の中心電圧を基準電圧として正極性又は負極性と表しており、基準電圧は0Vに限定されるものでない。
【0048】
図1において矢印で示す範囲Eは、ライン反転駆動方式において横電界の影響を受ける部位の範囲を示している。そして、横電界を受ける範囲Eのうち、ラビング方向等に起因して、水平方向のスジむらが生じる範囲は図1の矢印に示す範囲Fである。
【0049】
本実施の形態においては、画素電極9aの一端部であって、ライン反転駆動方式において横電界の影響によってスジむらが生じる範囲Fのうち、少なくとも画素電極9aに隣接する範囲G(帯状領域)については、非開口領域に、突部111(斜線部)を形成するようになっている。なお、図1では非開口領域であるデータ線上に突部111を設けた例を示している。
【0050】
図1ではデータ線上の範囲Gに突部111を形成したが、範囲Gを含んでいればよく、範囲Gよりも広い範囲に突部111を形成してもよい。更に、突部111は非開口領域に形成するものとして説明したが、開口率の多少の低下を許容すれば、突部111が画素電極9a上の端部にかかっていてもよい。
【0051】
また、図1では、全ての画素電極9aの一隅部に隣接する位置に突部111を形成したが、各ラインのスジむらが生じる帯状領域の延長上に1つ以上の突部111を形成することで、ある程度以上のスジむらの抑制効果がある。
【0052】
図6は図1のA−A線で切断して断面を模式的に示すものである。突部111はTFT基板10上の表面から対向基板20側に向かって突出して形成されている。突部111は、突部111の形成位置において、液晶層50に面する部材(突部111又は配向膜16)の高さを、画素電極9a上の配向膜16の高さよりも高くするものであり、突部111の高さは、横電界の影響によるスジむらを抑制することができる高さ以上の高さに設定すればよい。
【0053】
また、突部111は配向膜16の下方に形成してもよく、或いは、配向膜16の上方に形成してもよい。突部111の形成領域においては配向膜16が形成されていなくてもよいことも考えられる。更に、突部111をその上面が対向基板20の配向膜22に当接する高さまで形成してもよい。
【0054】
突部111は樹脂等の印刷又は焼成によって形成することができる。また、或いは、半導体プロセスの成膜、フォトリソグラフィ工程によっても形成することができる。例えば、突部111を、配向膜16の下方に半導体プロセスを利用して形成することもでき、また、配向膜16の上方に半導体プロセスを利用して形成することもできる。更に、配向膜16の上方に突部111を形成する場合には、突部111の形成後にラビング処理を行ってもよく、配向膜16にラビング処理を施した後に配向膜16上に突部111を形成してもよい。
【0055】
更に、突部を対向基板20側に形成しても、ある程度のスジむら抑制効果を得ることができる。即ち、この場合には、平面的には、横電界によるスジむらが生じやすい帯状領域の延長上であって、対向基板20側の対応する位置に突部を形成するのである。
【0056】
図7はこの場合の断面を模式的に示すものである。図7において、突部112は対向基板20の表面からTFT基板10側に向かって突出して形成されている。突部112の形成位置は、図6の突部111の形成位置に対向した対向基板20上であって、例えば配向膜22の上方又は下方に形成される。横電界の影響によるスジむらが生じやすい帯状領域において突部112が形成されていることから、スジむらの発生を抑制することができる。
【0057】
また、スジむらが生じやすい帯状領域の途中において、画素電極9a上の配向膜16よりも高い部分を形成すればよく、突部の形状は種々のものが考えられる。
【0058】
図8は突部としてポール形状のものを採用した例を示す説明図である。図8は液晶装置の平面形状を模式的に示している。突部113は、スジむらが生じやすい帯状領域の途中の複数箇所において、ポール状に形成されている。例えば、樹脂等を印刷又は焼成することによって、ポール形状の突部113を形成することができる。
【0059】
また、図9は突部として帯状のものを採用した例を示す説明図である。図9は液晶装置の平面形状を模式的に示している。突部114は、例えばデータ線に沿った帯形状を有する。即ち、突部114においても、スジむらが生じやすい帯状領域の途中の複数箇所において形成されており、スジむらの発生を抑制することができる。
【0060】
図5は一つの画素に着目した電気光学装置である液晶装置の模式的断面図である。図5は配向膜16上に突部111を形成した例を示している。
【0061】
TFT基板10上には、TFT30や画素電極9aの他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図5に示すように、下から順に、走査線11aを含む第1層(成膜層)、ゲート電極3aを含むTFT30等を含む第2層、蓄積容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、シールド層400等を含む第5層、画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。
以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。
【0062】
第1層には、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは導電性ポリシリコン等からなる走査線11aが設けられている。
この走査線11aは、平面的には、ストライプ状にパターニングされていると共に、データ線6aに沿って突出部を有している。なお、隣接する走査線11aから延びる突出部は相互に接続されることはなく、したがって、該走査線11aは1本1本分断されている。
【0063】
これにより、走査線11aは、同一行に存在するTFT30のON・OFFを一斉に制御する機能を有することになる。また、走査線11aは、画素電極9aが形成されない領域を略埋めるように形成されていることから、TFT30に下側から入射しようとする光を遮る機能をも有している。これにより、TFT30の半導体層1aにおける光リーク電流の発生を抑制し、フリッカ等のない高品質な画像表示が可能となる。
【0064】
第2層には、ゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。TFT30は、図5に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したゲート電極3a、例えばポリシリコン膜からなりゲート電極3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、ゲート電極3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0065】
そして、この第2層には、上述のゲート電極3aと同一膜として中継電極719が形成されている。この中継電極719は、平面的に見て、各画素電極9aの一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719とゲート電極3aとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
【0066】
なお、上述のTFT30は、好ましくは図5に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また、本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート、あるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。
さらに、TFT30を構成する半導体層1aは非単結晶層でも単結晶層でも構わない。単結晶層の形成には、貼り合わせ法等の公知の方法を用いることができる。半導体層1aを単結晶層とすることで、特に周辺回路の高性能化を図ることができる。
【0067】
以上説明した走査線11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、走査線11aとTFT30とを絶縁する機能のほか、TFT基板10の全面に形成されることにより、TFT基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等による画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
【0068】
この下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に、後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長と同じ幅の溝(コンタクトホール)12cvが掘られており、この溝12cvに対応して、その上方に積層されるゲート電極3aは下側に凹状に形成された部分を含んでいる。また、この溝12cv全体を埋めるようにして、ゲート電極3aが形成されていることにより、該ゲート電極3aには、これと一体的に形成された側壁部3bが延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。
【0069】
また、この側壁部3bは、溝12cvを埋めるように、且つ、その下端が走査線11aと接するように形成されている。従って、同一行の走査線11aとゲート電極3aとは、同電位となる。なお、走査線11aに平行するようにして、ゲート電極3aを含む別の走査線を形成するような構造を採用してもよい。この場合においては、該走査線11aと該別の走査線とは、冗長的な配線構造をとることになる。これにより、例えば、該走査線11aの一部に何らかの欠陥があって、正常な通電が不可能となったような場合においても、当該走査線11aと同一の行に存在する別の走査線が健全である限り、それを介してTFT30の動作制御を依然正常に行うことができることになる。
【0070】
第3層には、蓄積容量70が設けられている。蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部電極71と、固定電位側容量電極としての容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。
また、蓄積容量70は、画素電極9aの形成領域にほぼ対応する光透過領域には至らないように形成されているため(換言すれば、遮光領域内に収まるように形成されているため)、電気光学装置全体の画素開口率は比較的大きく維持され、これにより、より明るい画像を表示することが可能である。
【0071】
より詳細には、下部電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。ただし、下部電極71は、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。また、この下部電極71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。この中継接続は、後述するように、前記中継電極719を介して行われている。
【0072】
容量電極300は、蓄積容量70の固定電位側容量電極として機能する。容量電極300を固定電位とするためには、固定電位とされた後述するシールド層400と電気的接続が図られることによりなされている。
【0073】
そして、この容量電極300は、TFT基板10上において、各画素に対応するように島状に形成されており、下部電極71は、当該容量電極300とほぼ同一形状を有するように形成されている。これにより、蓄積容量70は、平面的に無駄な広がりを有さず、即ち画素開口率を低落させることなく、且つ、当該状況下で最大限の容量値を実現し得ることになる。すなわち、蓄積容量70は、より小面積で、より大きな容量値をもつ。
【0074】
誘電体膜75は、図5に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Telperature oxide)膜、LTO(Low Telperature oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄いほどよい。そして、この誘電体膜75は、図5に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bからなる2層構造を有する。比較的誘電率の大きい窒化シリコン膜75bが存在することにより、蓄積容量70の容量値を増大させることが可能となると共に、酸化シリコン膜75aが存在することにより、蓄積容量70の耐圧性を低下せしめることがない。このように、誘電体膜75を2層構造とすることにより、相反する2つの作用効果を享受することが可能となる。
【0075】
また、窒化シリコン膜75bが存在することにより、TFT30に対する水の浸入を未然に防止することが可能となっている。これにより、TFT30におけるスレッショルド電圧の上昇という事態を招来することがなく、比較的長期の装置運用が可能となる。なお、本実施の形態では、誘電体膜75は、2層構造を有するものとなっているが、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というような3層構造や、あるいはそれ以上の積層構造を有するように構成してもよい。
【0076】
以上説明したTFT30ないしゲート電極3a及び中継電極719の上、かつ、蓄積容量70の下には、例えば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第1層間絶縁膜41が形成されている。そして、この第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後述する第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。また、第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと蓄積容量70を構成する下部電極71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。
【0077】
さらに、この第1層間絶縁膜41には、蓄積容量70を構成する画素電位側容量電極としての下部電極71と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール881が開孔されている。更に加えて、第1層間絶縁膜41には、中継電極719と後述する第2中継電極6a2とを電気的に接続するコンタクトホール882が、後述する第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。
【0078】
図5に示すように、コンタクトホール882は、蓄積容量70以外の領域に形成されており、下部電極71を一旦下層の中継電極719に迂回させてコンタクトホール882を介して上層に引き出していることから、下部電極71を上層の画素電極9aに接続する場合でも、下部電極71を誘電体膜75及び容量電極300よりも広く形成する必要がない。従って、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300を1エッチング工程で同時にパターニングすることができる。これにより、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300の各エッチングレートの制御が容易となり、膜厚等の設計の自由度を増大させることが可能である。
【0079】
また、誘電体膜75は下部電極71及び容量電極300と同一形状に形成され広がりを有していないことから、TFT30の半導体層1aに対する水素化処理を行うような場合において、該処理に用いる水素を、蓄積容量70周辺の開口部を通じて半導体層1aにまで容易に到達させることが可能となるという作用効果を得ることも可能となる。
【0080】
なお、第1層間絶縁膜41に対しては、約1000°Cの焼成を行うことにより、半導体層1aやゲート電極3aを構成するポリシリコン膜に注入したイオンの活性化を図ってもよい。
【0081】
第4層には、データ線6aが設けられている。このデータ線6aは、TFT30の半導体層1aの延在する方向に一致するように、すなわちストライプ状に形成されている。このデータ線6aは、図5に示すように、下層より順に、アルミニウムからなる層(図5における符号41A)、窒化チタンからなる層(図5における符号41TN参照)、窒化シリコン膜からなる層(図5における符号401)の三層構造を有する膜として形成されている。窒化シリコン膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターンニングされている。このうちデータ線6aが、比較的低抵抗な材料たるアルミニウムを含むことにより、TFT30、画素電極9aに対する画像信号の供給を滞りなく実現することができる。他方、データ線6a上に水分の浸入をせき止める作用に比較的優れた窒化シリコン膜が形成されることにより、TFT30の耐湿性向上を図ることができ、その寿命長期化を実現することができる。窒化シリコン膜は、プラズマ窒化シリコン膜が望ましい。
【0082】
また、この第4層には、データ線6aと同一膜として、シールド層用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。これらは、平面的に見ると、データ線6aと連続した平面形状を有するように形成されているのではなく、各者間はパターニング上分断されるように形成されている。すなわち、データ線6aに着目すると、その直右方に略四辺形状を有するシールド層用中継層6a1、更にその右方にシールド層用中継層6a1よりも若干大きめの面積をもつ略四辺形状を有する第2中継電極6a2が形成されている。シールド層用中継層6a1及び第2中継電極6a2は、データ線6aと同一工程で、下層より順に、アルミニウムからなる層、窒化チタンからなる層、プラズマ窒化膜からなる層の三層構造を有する膜として形成されている。そして、プラズマ窒化膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターンニングされている。窒化チタン層は、シールド層用中継層6a1、第2中継電極6a2に対して形成するコンタクトホール803,804のエッチングの突き抜け防止のためのバリアメタルとして機能する。また、シールド層用中継層6a1及び第2中継電極6a2上に、水分の浸入をせき止める作用に比較的優れたプラズマ窒化膜が形成されることにより、TFT30の耐湿性向上を図ることができ、その寿命長期化を実現することができる。尚、プラズマ窒化膜としては、プラズマ窒化シリコン膜が望ましい。
【0083】
蓄積容量70の上、かつ、データ線6aの下には、例えばNSG、PSG,BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法によって形成された第2層間絶縁膜42が形成されている。この第2層間絶縁膜42には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が開孔されているとともに、前記シールド層用中継層6a1と蓄積容量70の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が開孔されている。さらに、第2層間絶縁膜42には、第2中継電極6a2と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール882が形成されている。
【0084】
第5層には、シールド層400が形成されている。このシールド層400は、平面的にみると、格子状に形成されている。該シールド層400のうちデータ線6aに沿う方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、走査線11aに沿う方向に延在する部分については、後述の第3中継電極402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に切り欠き部を有している。
【0085】
さらには、シールド層400の交差部分の隅部においては、該隅部を埋めるようにして、略三角形状の部分が設けられている。シールド層400に、この略三角形状の部分が設けられていることにより、TFT30の半導体層1aに対する光の遮蔽を効果的に行うことができる。すなわち、半導体層1aに対して、斜め上から進入しようとする光は、この三角形状の部分で反射又は吸収されることになり半導体層1aには至らないことになる。したがって、光リーク電流の発生を抑制して、フリッカ等のない高品質な画像を表示することが可能となる。
【0086】
このシールド層400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。なお、定電位源としては、後述するデータ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位源でも構わない。
【0087】
このように、データ線6aの全体を覆うように形成されているとともに、固定電位とされたシールド層400の存在によれば、該データ線6a及び画素電極9a間に生じる容量カップリングの影響を排除することが可能となる。すなわち、データ線6aへの通電に応じて、画素電極9aの電位が変動するという事態を未然に回避することが可能となり、画像上に該データ線6aに沿った表示ムラ等を発生させる可能性を低減することができる。シールド層400は格子状に形成されていることから、走査線11aが延在する部分についても無用な容量カップリングが生じないように、これを抑制することが可能となっている。
【0088】
また、第4層には、このようなシールド層400と同一膜として、中継層としての第3中継電極402が形成されている。この第3中継電極402は、後述のコンタクトホール89を介して、第2中継電極6a2及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。なお、これらシールド層400及び第3中継電極402間は、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。
【0089】
他方、上述のシールド層400及び第3中継電極402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の2層構造を有している。また、第3中継電極402において、下層のアルミニウムからなる層は、第2中継電極6a2と接続され、上層の窒化チタンからなる層は、ITO等からなる画素電極9aと接続されるようになっている。アルミニウムとITOとを直接に接続した場合には、両者間において電蝕が生じてしまい、アルミニウムの断線、あるいはアルミナの形成による絶縁等のため、好ましい電気的接続が実現されない。これに対し、窒化チタンとITOとが接続されていることから、コンタクト抵抗が低く良好な接続性が得られる。
【0090】
このように、第3中継電極402と画素電極9aとの電気的接続を良好に実現することができることにより、該画素電極9aに対する電圧印加、あるいは該画素電極9aにおける電位保持特性を良好に維持することが可能となる。
【0091】
さらには、シールド層400及び第3中継電極402は、光反射性能に比較的優れたアルミニウムを含み、且つ、光吸収性能に比較的優れた窒化チタンを含むことから、遮光層として機能し得る。すなわち、これらによれば、TFT30の半導体層1aに対する入射光(図5参照)の進行を、その上側でさえぎることが可能である。なお、このような遮光機能は、上述した容量電極300及びデータ線6aについても同様にいえる。これらシールド層400、第3中継電極402、容量電極300及びデータ線6aが、TFT基板10上に構築される積層構造の一部をなしつつ、TFT30に対する上側からの光入射を遮る上側遮光膜として機能する。
【0092】
データ線6aの上、かつ、シールド層400の下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくは、TEOSガスを用いたプラズマCVD法で形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43には、シールド層400とシールド層用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継電極402と第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804がそれぞれ開孔されている。
【0093】
なお、第2層間絶縁膜42に対しては、第1層間絶縁膜41に関して上述した焼成を行わないことにより、容量電極300の界面付近に生じるストレスの緩和を図るようにしてもよい。
【0094】
第6層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、該画素電極9a上に配向膜16が形成されている。そして、この画素電極9a下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法にて成膜されるプラズマTEOSからなる第4層間絶縁膜44が形成されている。この第4層間絶縁膜44には、画素電極9a及び第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。
【0095】
第3及び第4層間絶縁膜43,44の表面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等により平坦化されている。平坦化された層間絶縁膜43,44の下方に存在する各種配線や素子等による段差に起因する液晶層50の配向不良が低減される。ただし、このように第3,第4層間絶縁膜43,44に平坦化処理を施すのに代えて、又は加えて、TFT基板10、下地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42及び第3層間絶縁膜43のうち少なくとも一つに溝を掘って、データ線6a等の配線やTFT30等を埋め込むことにより、平坦化処理を行ってもよい。
【0096】
また、蓄積容量70は、下から順に画素電位側容量電極、誘電体膜及び固定電位側容量電極という3層構造を構成していたが、これとは逆の構造を構成するようにしてもよい。
【0097】
本実施の形態においては、平坦化された配向膜16上の、画素電極9aの1隅部に隣接するデータ線6a上であって、横電界の影響によるスジむらが生じやすい領域には、突部111が形成されている。
【0098】
一方、対向基板20には、図2及び図3に示すように、表示領域を区画する額縁としての遮光膜53が設けられている。対向基板20の全面には、上述したように、ITO等の透明導電性膜が対向電極21として形成され、更に、対向電極21の全面にはポリイミド系の配向膜22が形成される。配向膜22は、液晶分子に所定のプレティルト角を付与するように、所定方向にラビング処理されている。
【0099】
遮光膜53の外側の領域には液晶を封入するシール材52が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材52は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20を相互に固着する。
シール材52は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口108が形成される。液晶注入口108より液晶が注入された後、液晶注入口108を封止材109で封止するようになっている。
【0100】
シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路との接続のための外部接続端子102がTFT基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に隣接する二辺に沿って、走査線11a及びゲート電極3aに走査信号を所定のタイミングで供給することによりゲート電極3aを駆動する走査線駆動回路104が設けられている。走査線駆動回路104は、シール材52の内側の遮光膜53に対向する位置においてTFT基板10上に形成される。また、TFT基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、外部接続端子102及び上下導通端子107を接続する配線105が、遮光膜53の3辺に対向して設けられている。
【0101】
上下導通端子107は、シール材52のコーナー部の4箇所のTFT基板10上に形成される。そして、TFT基板10と対向基板20相互間には、下端が上下導通端子107に接触し、上端が対向電極21に接触する上下導通材106が設けられており、上下導通材106によって、TFT基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
【0102】
各構成要素の立体的−平面的なレイアウトについても、本発明は、上記実施形態のような形態に限定されるものではなく、別の種々の形態が考えられ得る。
【0103】
(製造プロセス)
次に、本実施形態に係る電気光学装置である液晶装置の製造方法を図10を参照して説明する。図10は各成膜層の製造方法を示している。
【0104】
まず、石英基板、ガラス、シリコン基板等のTFT基板10を用意する(図10のステップS1 )。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気で約900〜1300℃での高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスでTFT基板10に生じる歪が少なくなるように前処理しておく。
【0105】
次に、このように処理されたTFT基板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは200nmの膜厚に堆積させる。そして、金属合金膜をフォトリソグラフィ及びエッチングによりパターニングして、平面形状がストライプ状の走査線11aを形成する(ステップS2 )。
【0106】
次に、走査線11a上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG (ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する(ステップS3 )。この下地絶縁膜12の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。
【0107】
次のステップS4 においては、半導体層1aが形成される。即ち、先ず、下地絶縁膜12上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)によってアモルファスシリコン膜が形成される。次に、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは4〜6時間の熱処理を施すことにより、p−Si(ポリシリコン)膜を約50〜200nmの厚さ、好ましくは約100nmの厚さとなるまで固相成長させる。固相成長させる方法としては、RTAを使ったアニール処理でもよいし、エキシマレーザ等を用いたレーザアニールでもよい。この際、画素スイッチング用のTFT30を、nチャネル型とするかpチャネル型とするかに応じて、V族元素やIII族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープしてもよい。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンを有する半導体層1aを形成する。
【0108】
次に、ステップS5 においては、TFT30を構成する半導体層1aを約900〜1300°Cの温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化して下層ゲート絶縁膜を形成し、場合により、これに続けて減圧CVD法等により上層ゲート絶緑膜を形成することにより、1層又は多層の高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる(ゲート絶縁膜を含む)絶縁膜2を形成する。この結果、半導体層1aは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
【0109】
次に、画素スイッチング用のTFT30のスレッシュホールド電圧Vthを制御するために、半導体層1aのうちnチャネル領域あるいはpチャネル領域に、ボロン等のドーパントを予め設定された所定量だけイオン注入等によりドープする。
【0110】
次に、下地絶縁膜12に対して、走査線11aに通ずる溝12cvを形成する。この溝12cvは、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。
【0111】
次に、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散して、このポリシリコン膜を導電化する。この熱拡散に代えて、Pイオンをポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープドシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約350nm程度である。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、TFT30のゲート電極部を含めて所定のパターンのゲート電極3aを形成する(ステップS6 )。このゲート電極3a形成時において、これに延設される側壁部3bもまた同時に形成される。この側壁部3bは、前述のポリシリコン膜の堆積が溝12cvの内部に対しても行われることで形成される。この際、該溝12cvの底が走査線11aに接していることにより、側壁部3b及び走査線11aは電気的に接続されることになる。更に、このゲート電極3aのパターニング時、これと同時に、中継電極719もまた形成される。
【0112】
次に、前記半導体層1aについて、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、並びに、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成する。
【0113】
ここでは、TFT30をLDD構造をもつnチャネル型のTFTとする場合を説明すると、具体的にまず、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを形成するために、ゲート電極3aをマスクとして、P等のV族元素のドーパンを低濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1013 cm2のドーズ量にて)ドープする。これによりゲート電極3a下の半導体層1aはチャネル領域1a’となる。このときゲート電極3aがマスクの役割を果たすことによって、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cは自己整合的に形成されることになる。次に、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、ゲート電極3aよりも幅の広い平面パターンを有するレジスト層をゲート電極3a上に形成する。その後、P等のV族元素のドーパントを高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015 /cm2のドーズ量にて)ドープする。
【0114】
なお、このように低濃度と高濃度の2段階に分けて、ドープを行わなくてもよい。例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、ゲート電極3a(ゲート電極)をマスクとして、Pイオン・Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしてもよい。この不純物のドープにより、ゲート電極3aは更に低抵抗化される。
【0115】
次に、ゲート電極3a上に、例えば、TEOSガス、TEBガス、TMOPガス等を用いた常圧又は減圧CVD法等により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜41を形成する(ステップS7 )。この第1層間絶縁膜41の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。ここで好ましくは、800°C程度の高温でアニール処理し、第1層間絶縁膜41の膜質を向上させておく。
【0116】
次に、ステップS8 において、第1層間絶縁膜41に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール83及びコンタクトホール881を開孔する。この際、前者は半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eに通ずるように、後者は中継電極719へ通ずるように、それぞれ形成される。
【0117】
次に、ステップS9 においては、第1層間絶縁膜41上に、Pt等の金属膜やポリシリコン膜を、減圧CVDやスパッタリングにより、100〜500nm程度の膜厚に成膜して、所定パターンをもつ下部電極71の金属膜を形成する。この場合の金属膜の成膜は、コンタクトホール83及びコンタクトホール881の両者が埋められるように行われ、これにより、高濃度ドレイン領域1e及び中継電極719と下部電極71との電気的接続が図られる。
【0118】
次いで、下部電極71上に、誘電体膜75の膜を形成する。この誘電体膜75は、絶縁膜2の場合と同様に、一般にTFTゲート絶縁膜を形成するのに用いられる各種の公知技術により形成可能である。酸化シリコン膜75aは前述の熱酸化、或いはCVD法等によって形成され、その後に、窒化シリコン膜75bが減圧CVD法等によって形成される。この誘電体膜75は、薄くする程、蓄積容量70は大きくなるので、結局、膜破れなどの欠陥が生じないことを条件に、膜厚50nm以下のごく薄い絶縁膜となるように形成すると有利である。次に、誘電体膜75上に、ポリシリコン膜やAL(アルミニウム)等の金属膜を、減圧CVD又はスパッタリングにより、約100〜500nm程度の膜厚に成膜して、容量電極300の金属膜を形成する。
【0119】
次に、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300の膜を一挙にパターニングして、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300を形成して、蓄積容量70を完成させる。
【0120】
次に、例えば、TEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法により、好ましくはプラズマCVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜42を形成する(ステップS10)。容量電極300にアルミニウムを用いた場合には、プラズマCVDで低温成膜する必要がある。この第2層間絶縁膜42の膜厚は、例えば約500〜1500nm程度とする。次に、ステップS11において、第2層間絶縁膜42に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール81、801及び882を開孔する。この際、コンタクトホール81は半導体層1aの高濃度ソース領域1dに通ずるように、コンタクトホール801は容量電極300へ通ずるように、また、コンタクトホール882は中継電極719に通ずるように、それぞれ形成される。
【0121】
次に、ステップS12において、第2層間絶縁膜42上の全面に、スパッタリング等により、遮光性のアルミニウム等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として、約100〜500nm程度の厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンをもつデータ線6aを形成する。この際、当該パターニング時においては、シールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2もまた同時に形成される。シールド層用中継層6a1は、コンタクトホール801を覆うように形成されるとともに、第2中継層6a2は、コンタクトホール882を覆うように形成されることになる。
【0122】
次に、これらの上層の全面にプラズマCVD法等によって窒化チタンからなる膜を形成した後、これがデータ線6a上にのみ残存するように、パターニング処理を実施する。ただし、該窒化チタンからなる層をシールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2上にも残存するように形成してよいし、場合によってはTFT基板10の全面に関して残存するように形成してもよい。また、アルミニウムの成膜時に同時に成膜して、一括してエッチングしても良い。
【0123】
次に、データ線6a等の上を覆うように、例えばTEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法により、好ましくは低温成膜できるプラズマCVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜43を形成する(ステップS13)。この第3層間絶縁膜43の膜厚は、例えば約500〜3500nm程度とする。
【0124】
次に、ステップS14において、図5に示すように、第3層間絶縁膜43を例えばCMPを用いて平坦化する。
【0125】
次に、ステップS15において、第3層間絶縁膜43に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール803及び804を開孔する。この際、コンタクトホール803は前記のシールド層用中継層6a1に通ずるように、また、コンタクトホール804は第2中継層6a2に通ずるように、それぞれ形成されることになる。
【0126】
次に、ステップS16において、第3層間絶縁膜43の上には、スパッタリング法、或いはプラズマCVD法等により、シールド層400の金属膜を形成する。
ここでまず、第3層間絶縁膜43の直上には、例えばアルミニウム等の低抵抗な材料を用いて下層膜を形成し、次いで、この下層膜上に、例えば窒化チタン等その他後述の画素電極9aを構成するITOと電蝕を生じない材料を用いて上層膜を形成し、最後に、下層膜及び上層膜をともにパターニングすることで、2層構造を有するシールド層400が形成される。なお、この際、シールド層400とともに、第3中継電極402もまた形成される。
【0127】
次に、例えばTEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第4層間絶縁膜44を形成する(ステップS17)。この第4層間絶縁膜44の膜厚は、例えば約500〜1500nm程度とする。
【0128】
次に、ステップS18において、図5に示すように、第4層間絶縁膜44を例えばCMPを用いて平坦化する。次いで、第4層間絶縁膜44に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール89を開孔する(ステップS19)。この際、コンタクトホール89は前記の第3中継電極402に通ずるように形成されることになる。
【0129】
次に、第4層間絶縁膜44上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の透明導電性膜を、約50〜200nmの厚さに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、画素電極9aを形成する(ステップS20)。なお、当該電気光学装置を、反射型として用いる場合には、AL等の反射率の高い不透明な材料によって画素電極9aを形成してもよい。次に、ステップS21において、画素電極9aの上に、ポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布する。次に、所定のプレティルト角をもつように、かつ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜16が形成される。
【0130】
本実施の形態においては、次のステップS22において、突部111を形成する。即ち、所定の材料の膜を配向膜16上に形成する。次に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、画素電極9aの1隅部に隣接し横電界の影響によるスジむらが生じやすい領域を残して、他の部分の膜を除去することにより、突部111を得る。
【0131】
なお、図5の説明では、配向膜16に対するラビング処理後に、突部111を形成する例について説明したが、配向膜16上に突部111を形成した後に、ラビング処理を行うようにしてもよい。また、上述したように、配向膜16形成前に、第4層間絶縁膜44上に突部111を形成し、画素電極9a、第4層間絶縁膜44及び突部111上に配向膜16を形成するようにしてもよいが、望ましくは、配向膜16形成後に突部111を形成した方がよい。
【0132】
一方、対向基板20については、ガラス基板等がまず用意され、額縁としての遮光膜53が、例えば金属クロムをスパッタした後、フォトリソグラフィ及びエッチングを経て形成される。なお、これらの遮光膜53は、導電性である必要はなく、Cr、Ni、AL等の金属材料のほか、カーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラック等の材料から形成してもよい。
【0133】
次に、対向基板20の全面にスパッタ処理等により、ITO等の透明導電性膜を、約50〜200nmの厚さに堆積することにより、対向電極21を形成する。さらに、対向電極21の全面にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角をもつように、かつ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜22が形成される。
【0134】
最後に、図2及び図3に示すように、各層が形成されたTFT基板10と対向基板20とは、例えば対向基板20の4辺に沿ってシール材52を形成すると共に、シール材52の4隅に上下導通材106を形成して、配向膜16及び22が対面するようにシール材52により貼り合わされる。これにより、上下導通材106は下端においてTFT基板10の上下導通端子107に接触し、上端において対向基板20の共通電極21に接触する。
【0135】
なお、横電界によるスジむらが生じやすい画素電極9aの1隅部に隣接し横電界の影響によるスジむらが生じやすい領域に対向する対向基板20側に突部を形成する場合においても、図1のステップS22と同様の処理が行われる。例えば、対向基板20側に形成するブラックマトリクス用の金属膜を、横電界の影響によるスジむらが生じやすい領域に対向する位置で充分に厚く形成することで、突部112(図7参照)を形成することができる。
【0136】
そして、真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば複数種のネマテッィク液晶を混合してなる液晶が吸引されて、所定層厚の液晶層50が形成される。
【0137】
なお、シール材52は、両基板を貼り合わせるため、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、紫外線、加熱等により硬化させられたものである。また、このシール材52中には、本実施形態における液晶装置を、液晶装置がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶装置に適用するのであれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ、あるいはガラスビーズ等のキャップ材(スペーサ)が散布されている。あるいは、当該液晶装置を液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置に適用するのであれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。液晶装置の使用時には、外部接続端子にFPCの銅箔パターンを接続する。
【0138】
なお、走査線11a及びゲート電極3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。
【0139】
また、TFT基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0140】
また、上述した実施形態においては、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFT基板10上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFT基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFT基板10の出射光が出射する側には、それぞれ、例えばTN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード・ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が所定の方向で配置される。
【0141】
このように本実施の形態においては、ライン反転駆動方式において横電界の影響によってスジむらが生じやすい帯状領域のうち、画素電極9aの隅部に隣接する非開口領域に、突部111を形成している。この突部によって、液晶分子の連続的な配向不良の発生を阻止して、スジむらが生じることを防止している。
【0142】
なお、上記実施の形態においては、配向膜が平坦化されている液晶装置に適用した例について説明したが、配向膜が平坦化されていない液晶装置にも同様に適用可能であることは明らかである。
【0143】
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図11は、投射型カラー表示装置の説明図である。
【0144】
図11において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトパルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0145】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電気光学装置を示す模式的平面図。
【図2】本実施の形態の電気光学装置である液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図3】アクティブマトリクス基板であるTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図2のH−H’線の位置で切断して示す断面図。
【図4】本実施の形態の電気光学装置である液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図5】図1乃至図4の液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図。
【図6】本実施の形態における液晶装置の断面を模式的に示す説明図。
【図7】突部を対向基板側に形成した例を説明するための説明図。
【図8】突部としてポール形状のものを採用した例を示す説明図。
【図9】突部として帯状のものを採用した例を示す説明図。
【図10】電気光学装置である液晶装置の製造方法を示すフローチャート。
【図11】投射型カラー表示装置を示す説明図。
【図12】電圧無印加時における液晶分子のプレチルトを模式的に示す説明図。
【図13】液晶装置の平面形状を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
6a…データ線、9a…画素電極、11a…走査線、111…突部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electro-optical device and an electronic apparatus suitable for a liquid crystal device or the like.
[0002]
[Prior art]
The liquid crystal device is configured by sealing liquid crystal between two substrates such as a glass substrate and a quartz substrate. In a liquid crystal device, active elements such as thin film transistors (hereinafter referred to as TFTs) are arranged in a matrix on one substrate, a counter electrode is arranged on the other substrate, and sealed between both substrates. An image can be displayed by changing the optical characteristics of the liquid crystal layer according to the image signal.
[0003]
That is, an image signal is supplied to pixel electrodes (ITO) arranged in a matrix by TFT elements, and a voltage based on the image signal is applied to the liquid crystal layer between the pixel electrode and the counter electrode to change the arrangement of liquid crystal molecules. Let As a result, the transmittance of the pixel is changed, and light passing through the pixel electrode and the liquid crystal layer is changed according to the image signal to perform image display.
[0004]
In order to define the alignment of liquid crystal molecules when no voltage is applied, an alignment film is formed on the surface of one substrate (active matrix substrate (also referred to as element substrate)) and the other substrate (counter substrate) in contact with the liquid crystal layer. The alignment film is rubbed. By rubbing, liquid crystal molecules when no voltage is applied are aligned in the rubbing direction. For example, when a rubbing process in which the element substrate and the counter substrate are twisted by 90 degrees is performed, the liquid crystal molecules continuously change directions in the liquid crystal panel, and the substrates are arranged in different directions by 90 degrees.
[0005]
Polarizers are provided on the front and back surfaces of the liquid crystal panel, and only a predetermined polarization component of the incident light is allowed to pass through. In the normally white mode, the polarization axes of the polarizing plates on the front surface and the back surface of the liquid crystal panel are made to differ by 90 degrees to match the rubbing direction of the substrate.
If it does so, the light which injected through the polarizing plate of the back surface of a liquid crystal panel will rotate 90 degree | times according to the arrangement | sequence of a liquid crystal molecule in a liquid crystal layer at the time of no voltage application, and will be radiate | emitted through a polarizing plate from the front surface of a liquid crystal panel. Thereby, white display is performed.
[0006]
When a voltage is applied to the liquid crystal, the alignment direction of the liquid crystal changes, that is, the major axis direction of the liquid crystal molecules is tilted according to the voltage, and the rotation of the vibration direction of the light by the liquid crystal in the liquid crystal panel is limited. The emitted light is absorbed by the polarizing plate. An image is displayed by applying a voltage corresponding to the image signal to the liquid crystal and transmitting light with a transmittance corresponding to the image signal.
[0007]
As described above, the alignment of the liquid crystal molecules when no voltage is applied is determined by forming an alignment film and performing a rubbing treatment. The alignment film is formed, for example, by applying polyimide with a thickness of about several tens of nanometers. By forming an alignment film on the surfaces of both substrates facing the liquid crystal layer, the liquid crystal molecules can be aligned along the substrate surface. In the rubbing process, fine grooves are formed on the surface of the alignment film to form an alignment anisotropic film, and the alignment of liquid crystal molecules can be defined by performing a rubbing process in a certain direction on the alignment film.
[0008]
In addition, in order to make the direction in which the tilt angle of the liquid crystal molecules changes when a voltage is applied between all the liquid crystal molecules, the major axis of the liquid crystal molecules is set to a predetermined angle (pretilt angle) with respect to the substrate when no voltage is applied. It is inclined and arranged.
[0009]
By the way, in the liquid crystal device, application of a DC voltage to the liquid crystal causes deterioration of the liquid crystal such as decomposition of liquid crystal components, contamination by impurities generated in the liquid crystal cell, and burn-in of a display image. Therefore, in general, inversion driving is performed in which the polarity of the driving voltage of each pixel electrode is inverted at a constant period such as one frame or one field in an image signal.
[0010]
When the polarity of the drive voltage of all the pixel electrodes constituting the image display area is simply inverted at a fixed period (ie, so-called video inversion drive method), flicker and crosstalk occur at a fixed period, especially when the number of pixels is large. Resulting in. Therefore, in order to prevent the occurrence of flicker and crosstalk with a constant cycle, for example, 1H inversion drive method for inverting the polarity of the drive voltage for each row of pixel electrodes or 1S for inverting for each column of pixel electrodes at a constant cycle. A line inversion driving method such as an inversion driving method has been developed. Furthermore, a dot inversion driving method has been developed in which the polarity of the driving voltage is inverted every dot (that is, every row and every column) at a constant cycle.
[0011]
[Patent Document 1]
JP 2003-131257 A
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of the line inversion driving method, an electric field (hereinafter referred to as a lateral electric field) is generated between adjacent pixel electrodes on the same substrate in the column direction or the row direction to which voltages having different polarities are applied. . In the case of the dot inversion driving method, a horizontal electric field is generated between pixel electrodes adjacent to each other in the row direction and the column direction to which voltages having different polarities are applied.
[0013]
FIG. 12 is an explanatory view schematically showing the influence of the pretilt of the liquid crystal molecules and the lateral electric field when no voltage is applied. FIG. 13 is an explanatory diagram schematically showing a planar shape of the liquid crystal device.
[0014]
As described above, the liquid crystal molecules are arranged with a predetermined pretilt angle. A drive voltage having a reverse polarity is applied to the
[0015]
The liquid crystal molecules have a characteristic in which the arrangement of the liquid crystal molecules is continuously changed between adjacent liquid crystal molecules, and is indicated by the hatched portion in FIG. 13 due to the disorder of the arrangement of the liquid crystal molecules (disclination) generated at a predetermined position. Thus, a streak-like pattern (streaks unevenness) appears in the horizontal direction along the poorly aligned portion.
[0016]
In recent years, in order to improve the uniformity of alignment, a liquid crystal device in which the surface of a liquid crystal substrate is flattened as in
[0017]
The present invention has been made in view of such a problem, and is formed by forming a portion that suppresses the disorder of the continuous arrangement of liquid crystal molecules at a position corresponding to the edge of the pixel electrode that is affected by a lateral electric field. Another object of the present invention is to provide an electro-optical device and an electronic apparatus that can prevent the occurrence of uneven horizontal stripes.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The electro-optical device according to the present invention is arranged in a matrix on the first and second substrates disposed opposite to each other and on the first substrate, and drive voltages having opposite polarities are applied to adjacent lines. A plurality of pixel electrodes, a common electrode provided on the second substrate, an electro-optic material sandwiched between the first and second substrates, and the pixel electrodes adjacent to each other by the driving voltage having the opposite polarity And a projection formed on the first substrate in at least one band-like region along the inner side of one edge of the pixel electrode, the range being affected by the electro-optic material. It is characterized by.
[0019]
According to such a configuration, drive voltages having opposite polarities are applied to adjacent pixel electrodes, and a horizontal electric field is generated between adjacent pixel electrodes. Due to this lateral electric field, striped stripe irregularities are likely to occur along the inside of one edge of the pixel electrode. The protrusion is formed on at least one first substrate in the band-like region, and suppresses the occurrence of stripe unevenness.
[0020]
The electro-optical device according to the present invention is arranged in a matrix on the first and second substrates disposed opposite to each other and on the first substrate, and drive voltages having opposite polarities are applied to adjacent lines. A plurality of pixel electrodes, a common electrode provided on the second substrate, an electro-optic material sandwiched between the first and second substrates, and the pixel electrodes adjacent to each other by the driving voltage having the opposite polarity And a projection formed on the second substrate in at least one band-like region along the inner side of one edge of the pixel electrode, the range being affected by the electro-optic material. It is characterized by.
[0021]
According to such a configuration, drive voltages having opposite polarities are applied to adjacent pixel electrodes, and a horizontal electric field is generated between adjacent pixel electrodes. Due to this lateral electric field, striped stripe irregularities are likely to occur along the inside of one edge of the pixel electrode. The protrusion is formed on at least one second substrate in the band-like region, and suppresses the occurrence of stripe unevenness.
[0022]
The protrusion is formed in a non-opening region between the plurality of pixel electrodes.
[0023]
According to such a configuration, the aperture ratio is not lowered by the protrusion, and the occurrence of streak unevenness can be prevented and a high aperture ratio can be displayed.
[0024]
Further, the protrusion is formed over at least the entire width of the belt-like region.
[0025]
According to such a structure, generation | occurrence | production of a stripe unevenness can be reliably prevented by the protrusion.
[0026]
The protrusion is formed in a pole shape.
[0027]
According to such a configuration, it is possible to form a protrusion having a relatively high size relatively easily, and it is possible to reliably prevent the occurrence of stripe unevenness.
[0028]
The protrusion is a non-opening region between the plurality of pixel electrodes, and is formed in a stripe shape in a direction perpendicular to the longitudinal direction of the band-like region.
[0029]
According to such a configuration, one stripe-like protrusion extends over a plurality of band-like regions in the entire width direction, and the protrusion can be formed at all locations where stripe unevenness is likely to occur relatively easily. .
[0030]
In addition, an upper end of the protrusion is in contact with the second substrate.
[0031]
According to such a configuration, the occurrence of streak irregularity can be reliably prevented by the sufficiently high-sized protrusion.
[0032]
The protrusion is formed below the alignment film formed on the first and second substrates in contact with the electro-optical material.
[0033]
According to such a configuration, the protrusion can be formed under the alignment film by using, for example, a semiconductor process.
[0034]
The protrusion may be formed on the first and second substrates above an alignment film formed in contact with the electro-optic material.
[0035]
According to such a configuration, the protrusion can be formed above the alignment film by using, for example, a semiconductor process or a printing technique.
[0036]
The insulating layer below the alignment film is a planarized insulating film.
[0037]
According to such a configuration, it is possible to easily obtain good rubbing by flattening and to surely prevent the occurrence of stripe unevenness.
[0038]
An electrical apparatus according to the present invention is configured using the electro-optical device.
[0039]
According to such a configuration, it is possible to prevent the occurrence of stripe unevenness and display a high-quality image.
[0040]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic plan view showing an electro-optical device according to an embodiment of the present invention. This embodiment is applied to a liquid crystal device using a TFT substrate. FIG. 2 is a plan view of the liquid crystal device, which is the electro-optical device of the present embodiment, viewed from the counter substrate side together with the components formed thereon. FIG. 3 is a cross-sectional view of the liquid crystal device after the assembly process in which the TFT substrate, which is an active matrix substrate, and the counter substrate are bonded together to enclose the liquid crystal is completed, cut along the line HH ′ in FIG. . FIG. 4 is an equivalent circuit diagram of various elements, wirings, and the like in a plurality of pixels constituting the pixel region of the liquid crystal device that is the electro-optical device of the present embodiment. FIG. 5 is a cross-sectional view showing in detail the pixel structure of the liquid crystal device of FIGS. FIG. 6 is an explanatory diagram schematically showing a cross section of the liquid crystal device in the present embodiment. In each of the above drawings, the scale is different for each layer and each member so that each layer and each member can be recognized in the drawing.
[0041]
This embodiment is a position corresponding to the edge of the pixel electrode that is affected by the lateral electric field on the TFT substrate, and is a protrusion for suppressing the disorder of the continuous arrangement of liquid crystal molecules at a position other than the opening region. By forming the portion, the occurrence of uneven horizontal stripes is prevented.
[0042]
First, an overall configuration of a liquid crystal device which is an electro-optical device according to the present embodiment will be described with reference to FIGS.
As shown in FIGS. 2 and 3, the liquid crystal device includes a
[0043]
On the
[0044]
FIG. 4 shows an equivalent circuit of elements on the
[0045]
The
[0046]
A plurality of
[0047]
FIG. 1 shows some
[0048]
A range E indicated by an arrow in FIG. 1 indicates a range of a portion affected by a lateral electric field in the line inversion driving method. In the range E that receives the horizontal electric field, the range in which horizontal stripe unevenness occurs due to the rubbing direction or the like is a range F indicated by an arrow in FIG.
[0049]
In the present embodiment, at least a range G (band-like region) adjacent to the
[0050]
In FIG. 1, the
[0051]
In FIG. 1, the
[0052]
FIG. 6 schematically shows a cross section taken along the line AA of FIG. The
[0053]
Further, the
[0054]
The
[0055]
Furthermore, even if the protrusions are formed on the
[0056]
FIG. 7 schematically shows a cross section in this case. In FIG. 7, the
[0057]
Further, a portion higher than the
[0058]
FIG. 8 is an explanatory view showing an example in which a pole-shaped protrusion is employed. FIG. 8 schematically shows the planar shape of the liquid crystal device. The
[0059]
Moreover, FIG. 9 is explanatory drawing which shows the example which employ | adopted the strip | belt-shaped thing as a protrusion. FIG. 9 schematically shows the planar shape of the liquid crystal device. The
[0060]
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of a liquid crystal device that is an electro-optical device focusing on one pixel. FIG. 5 shows an example in which the
[0061]
On the
Hereinafter, each of these elements will be described in order from the bottom.
[0062]
The first layer includes, for example, a simple metal, an alloy containing at least one of refractory metals such as Ti (titanium), Cr (chromium), W (tungsten), Ta (tantalum), and Mo (molybdenum). A
The
[0063]
Thus, the
[0064]
In the second layer, the
[0065]
In the second layer, a
[0066]
The above-described
Further, the semiconductor layer 1a constituting the
[0067]
A
[0068]
In the
[0069]
Further, the
[0070]
In the third layer, a
Further, since the
[0071]
More specifically, the
[0072]
The
[0073]
The
[0074]
As shown in FIG. 5, the
[0075]
In addition, the presence of the
[0076]
On the
[0077]
Further, the first
[0078]
As shown in FIG. 5, the
[0079]
In addition, since the
[0080]
The first
[0081]
A
[0082]
In addition, a shield layer relay layer 6a1 and a second relay electrode 6a2 are formed on the fourth layer as the same film as the
[0083]
Above the
[0084]
A
[0085]
Furthermore, at the corner of the intersecting portion of the
[0086]
The
[0087]
In this way, the presence of the
[0088]
Further, a
[0089]
On the other hand, the
[0090]
As described above, since the electrical connection between the
[0091]
Furthermore, since the
[0092]
Over the
[0093]
The second
[0094]
In the sixth layer, the
[0095]
The surfaces of the third and fourth
[0096]
In addition, the
[0097]
In the present embodiment, a region on the
[0098]
On the other hand, as shown in FIGS. 2 and 3, the
[0099]
In a region outside the
The sealing
[0100]
In an area outside the sealing
[0101]
The
[0102]
Also regarding the three-dimensional layout of each component, the present invention is not limited to the form as in the above embodiment, and various other forms can be considered.
[0103]
(Manufacturing process)
Next, a method for manufacturing a liquid crystal device, which is an electro-optical device according to this embodiment, will be described with reference to FIG. FIG. 10 shows a manufacturing method of each film formation layer.
[0104]
First, a
[0105]
Next, a metal alloy film such as metal or metal silicide such as Ti, Cr, W, Ta, or Mo, or a metal alloy film such as metal silicide is formed on the entire surface of the
[0106]
Next, on the
[0107]
In the next step S4, the semiconductor layer 1a is formed. That is, first, low pressure CVD (for example, using a monosilane gas, a disilane gas, or the like at a flow rate of about 400 to 600 cc / min on a
[0108]
Next, in step S5, the semiconductor layer 1a constituting the
[0109]
Next, in order to control the threshold voltage Vth of the
[0110]
Next, a groove 12cv that communicates with the
[0111]
Next, a polysilicon film is deposited by low pressure CVD or the like, and phosphorus (P) is further thermally diffused to make this polysilicon film conductive. Instead of this thermal diffusion, a doped silicon film in which P ions are introduced simultaneously with the formation of the polysilicon film may be used. The thickness of this polysilicon film is about 100 to 500 nm, preferably about 350 nm. Then, a
[0112]
Next, a low concentration source region 1b and a low concentration drain region 1c, and a high
[0113]
Here, the case where the
[0114]
In addition, it is not necessary to dope by dividing into two steps of low concentration and high concentration. For example, a TFT having an offset structure may be used without doping at a low concentration, or a self-aligned TFT may be formed by an ion implantation technique using P ions, B ions, or the like using the
[0115]
Next, a silicate glass film such as NSG, PSG, BSG, or BPSG, a silicon nitride film, or an oxide film is formed on the
[0116]
Next, in step S8, the
[0117]
Next, in step S9, a metal film such as Pt or a polysilicon film is formed on the first
[0118]
Next, a
[0119]
Next, the
[0120]
Next, for example, a normal glass or low pressure CVD method using TEOS gas or the like, preferably a plasma CVD method is used to form a silicate glass film such as NSG, PSG, BSG, or BPSG, a silicon nitride film, a silicon oxide film, or the like. A two-
[0121]
Next, in step S12, a thickness of about 100 to 500 nm is preferably formed on the entire surface of the second
[0122]
Next, after a film made of titanium nitride is formed on the entire surface of these upper layers by a plasma CVD method or the like, a patterning process is performed so that the film remains only on the
[0123]
Next, a silicate such as NSG, PSG, BSG, or BPSG is formed so as to cover the
[0124]
Next, in step S14, as shown in FIG. 5, the third
[0125]
Next, in step S15, contact holes 803 and 804 are opened by dry etching such as reactive ion etching or reactive ion beam etching for the third
[0126]
Next, in step S16, a metal film of the
Here, first, a lower layer film is formed directly on the third
[0127]
Next, a fourth
[0128]
Next, in step S18, as shown in FIG. 5, the fourth
[0129]
Next, a transparent conductive film such as an ITO film is deposited on the fourth
[0130]
In the present embodiment, the
[0131]
In the description of FIG. 5, the example in which the
[0132]
On the other hand, for the
[0133]
Next, a
[0134]
Finally, as shown in FIGS. 2 and 3, the
[0135]
It should be noted that even when a protrusion is formed on the
[0136]
Then, a
[0137]
The sealing
[0138]
Needless to say, if the delay of the scanning signal supplied to the
[0139]
On the
[0140]
In the above-described embodiment, instead of providing the data line driving
[0141]
As described above, in the present embodiment, the
[0142]
In the above embodiment, an example in which the alignment film is applied to a liquid crystal device has been described. However, it is obvious that the present invention can be applied to a liquid crystal device in which the alignment film is not flattened. is there.
[0143]
(Electronics)
Next, an overall configuration, particularly an optical configuration, of an embodiment of a projection color display device as an example of an electronic apparatus using the electro-optical device described in detail as a light valve will be described. FIG. 11 is an explanatory diagram of a projection type color display device.
[0144]
In FIG. 11, a
[0145]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and can be appropriately changed without departing from the spirit or idea of the invention that can be read from the claims and the entire specification.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic plan view showing an electro-optical device according to an embodiment of the invention.
FIG. 2 is a plan view of a liquid crystal device, which is an electro-optical device according to the present embodiment, viewed from the counter substrate side together with the components formed thereon.
3 is a cross-sectional view of the liquid crystal device after being assembled at the end of the assembling process in which a TFT substrate, which is an active matrix substrate, and a counter substrate are bonded together to enclose liquid crystal, and cut along the line HH ′ in FIG.
FIG. 4 is an equivalent circuit diagram of various elements, wirings, and the like in a plurality of pixels constituting a pixel region of the liquid crystal device that is the electro-optical device of the present embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing in detail a pixel structure of the liquid crystal device of FIGS. 1 to 4;
FIG. 6 is an explanatory diagram schematically showing a cross section of a liquid crystal device in this embodiment.
FIG. 7 is an explanatory diagram for explaining an example in which protrusions are formed on the counter substrate side.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing an example in which a pole-shaped protrusion is adopted as the protrusion.
FIG. 9 is an explanatory view showing an example in which a belt-like member is adopted as a protrusion.
FIG. 10 is a flowchart showing a method for manufacturing a liquid crystal device which is an electro-optical device.
FIG. 11 is an explanatory diagram showing a projection type color display device.
FIG. 12 is an explanatory diagram schematically showing a pretilt of liquid crystal molecules when no voltage is applied.
FIG. 13 is an explanatory diagram schematically showing a planar shape of a liquid crystal device.
[Explanation of symbols]
6a ... data line, 9a ... pixel electrode, 11a ... scanning line, 111 ... projection.
Claims (11)
前記第1の基板にマトリクス状に配設され、隣接したラインでは相互に逆極性の駆動電圧が印加される複数の画素電極と、
前記第2の基板に設けられる共通電極と、
前記第1及び第2の基板間に挟持される電気光学物質と、
前記逆極性の駆動電圧によって隣接した前記画素電極相互間に生じる電界の影響を前記電気光学物質が受ける範囲であって前記画素電極の1縁辺の内側に沿う帯状領域の少なくとも1箇所の前記第1の基板上に形成される突部とを具備したことを特徴とする電気光学装置。First and second substrates disposed opposite to each other;
A plurality of pixel electrodes disposed in a matrix on the first substrate, to which drive voltages having opposite polarities are applied to adjacent lines;
A common electrode provided on the second substrate;
An electro-optic material sandwiched between the first and second substrates;
The electro-optical material is affected by the electric field generated between the adjacent pixel electrodes by the drive voltage having the reverse polarity, and is at least one of the first regions in the band-like region along the inner side of one edge of the pixel electrode. An electro-optical device comprising a protrusion formed on the substrate.
前記第1の基板にマトリクス状に配設され、隣接したラインでは相互に逆極性の駆動電圧が印加される複数の画素電極と、
前記第2の基板に設けられる共通電極と、
前記第1及び第2の基板間に挟持される電気光学物質と、
前記逆極性の駆動電圧によって隣接した前記画素電極相互間に生じる電界の影響を前記電気光学物質が受ける範囲であって前記画素電極の1縁辺の内側に沿う帯状領域の少なくとも1箇所の前記第2の基板上に形成される突部とを具備したことを特徴とする電気光学装置。First and second substrates disposed opposite to each other;
A plurality of pixel electrodes disposed in a matrix on the first substrate, to which drive voltages having opposite polarities are applied to adjacent lines;
A common electrode provided on the second substrate;
An electro-optic material sandwiched between the first and second substrates;
The electro-optical material is affected by the electric field generated between the adjacent pixel electrodes by the drive voltage having the reverse polarity, and is at least one of the second regions in the band-like region along the inner side of one edge of the pixel electrode. An electro-optical device comprising a protrusion formed on the substrate.
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JP2007017952A (en) * | 2005-06-07 | 2007-01-25 | Seiko Epson Corp | Electrooptical apparatus, manufacturing method thereof and electronic equipment |
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